JP2001009912A - 樹脂ライニング鋼管 - Google Patents

樹脂ライニング鋼管

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JP2001009912A
JP2001009912A JP11189172A JP18917299A JP2001009912A JP 2001009912 A JP2001009912 A JP 2001009912A JP 11189172 A JP11189172 A JP 11189172A JP 18917299 A JP18917299 A JP 18917299A JP 2001009912 A JP2001009912 A JP 2001009912A
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resin
steel pipe
pipe
lined
crosslinked polyethylene
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JP11189172A
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English (en)
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Yoshiyo Hasegawa
佳代 長谷川
Keiji Sugawara
啓司 菅原
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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  • Protection Of Pipes Against Damage, Friction, And Corrosion (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 架橋ポリエチレン樹脂の形状復元性を利用し
て内面樹脂ライニング鋼管を製造する場合、架橋ポリエ
チレン樹脂管の鋼管内面への被覆時に架橋ポリエチレン
樹脂管が形状記憶性を発現しないため、製造不可となる
場合が発生することがある。この問題を解決し、安定的
に製造できる内面樹脂ライニング鋼管を提供する。 【解決手段】 鋼管の内面の架橋ポリエチレン樹脂から
なる樹脂ライニング層において、最高到達架橋度がゲル
分率で10〜80%である架橋ポリエチレン樹脂を用い
る。また鋼管と架橋ポリエチレン樹脂層との間に接着層
を有するとより効果的である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、給水、給湯、空
調、排水等の配管等に使用される樹脂ライニング鋼管に
関し、特に効率良い生産が可能で、かつ鋼管と樹脂ライ
ニング層との密着性に優れた樹脂ライニング鋼管に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、給排水等に使われる配管は耐食性
等が要求されるので、そのまま又はクロメート処理、プ
ライマー処理等の表面処理が施された鋼管の内面に、亜
鉛メッキ、塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂粉体等を
ライニングしたライニング鋼管が使用されていることは
よく知られている。
【0003】これらのうち内面に樹脂をライニングした
樹脂ライニング鋼管を製造する際は、加熱した鋼管に樹
脂粉体を吸着させる粉体塗装をすることで樹脂を鋼管内
面に貼り付ける粉体塗装法、あるいは鋼管内径より小さ
目の樹脂パイプを鋼管内に差込、両端に栓をし、加熱す
ると同時に空気等で内圧をかけ鋼管内面に貼り付ける内
圧法等が用いられてきた。これらの方法のうち、粉体塗
装法は装置が高価であり、樹脂粉体を均一に鋼管内面に
吸着させることが難しくピンホール等が発生しやすいた
め、長期的に水道配管等として使用した場合防食性能が
低下する等、製品の性能上の問題がある。また内圧法に
関しても、製造装置が複雑になる上、生産性が著しく悪
いなどの問題がある。
【0004】これらの問題点を解決するため、特公昭5
3−21430号公報には、架橋ポリエチレン樹脂の形
状記憶性を利用し、鋼管の内径より小さく縮径した架橋
ポリエチレン樹脂パイプを加熱復元させることにより内
面ライニングを行う方法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特公昭53−
21430号公報の方法で架橋ポリエチレン樹脂に形状
復元性を付与する場合、室温で保存した場合でも縮径後
に空気中の水分などで架橋ポリエチレン樹脂の架橋反応
が進行してしまい、そのため内面ライニング時に架橋ポ
リエチレンパイプが形状記憶性を発現しないことがあ
る。つまり、縮径した樹脂パイプを作製した後に運送・
保管などで時間が経過してから形状復元により樹脂ライ
ニング鋼管を製造しようとしても製造不可となる場合が
発生するという問題があった。本発明の目的は、上記問
題を解決し、安定的に製造できる樹脂ライニング鋼管を
提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の問題点を解決する
ために鋭意検討した結果、本発明者らは、鋼管の内面ラ
イニング用樹脂として最大到達架橋度がゲル分率で表す
と10〜80%、好ましくは20〜60%に規制された
架橋ポリエチレン樹脂を用いることで問題が解決できる
ことを見出した。
【0007】本件第1発明は、鋼管の内面に架橋ポリエ
チレン樹脂からなる樹脂ライニング層を有する樹脂ライ
ニング鋼管において、前記樹脂ライニング層が、最大到
達架橋度がゲル分率で10〜80%である架橋ポリエチ
レン樹脂である事を特徴とする樹脂ライニング鋼管であ
る。
【0008】本件第2発明は、前記鋼管と前記樹脂ライ
ニング層との間に接着層を有する事を特徴とする本件第
1発明に記載の樹脂ライニング鋼管である。
【0009】本件第3発明は、接着層が、無水マレイン
酸変性ポリエチレン、アイオノマー、エチレン−メタク
リル酸共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチ
レン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−無水マレイ
ン酸−アクリル酸共重合体よりなることを特徴とする本
件第2発明に記載の樹脂ライニング鋼管である。
【0010】本件第4発明は、前記樹脂ライニング層
が、前記鋼管の内径よりも大きい径の架橋ポリエチレン
樹脂パイプを、押出し成形時または成形後に、50℃以
上250℃以下の温度で、鋼管の内径より小さくして、
冷却後、前記鋼管に差込み、その後、前記架橋ポリエチ
レン樹脂パイプを加熱する事により膨張させて設けたも
のであることを特徴とする本件第1発明ないし本件第3
発明のいずれか1つに記載の樹脂被覆鋼管である。
【0011】ここでいうゲル分率とは、架橋度を表す一
つの指標となるものである。架橋ポリエチレン樹脂の架
橋している部分が溶媒に溶けにくくなる事を利用して測
定するものであり、架橋して溶けなくなっている部分の
重量%をゲル分率として算出するもので、JIS−K6
769等にその方法が記載されている。また、最大到達
架橋度とは、架橋ポリエチレン樹脂を成形後、長期間放
置しておき、例えば、湿度90%、室温40℃の所に2
0日以上放置しておき、そのゲル分率が変化しなくなっ
た時の架橋度の事であり、ゲル分率が変化しなくなった
飽和時のゲル分率で表すことができる。特に、シラン架
橋(水架橋)の架橋ポリエチレン樹脂の場合は、湿潤雰囲
気下で徐々に架橋反応が進み、架橋度が大きくなるた
め、架橋ポリエチレン樹脂を湿潤雰囲気下に長期間放置
しておき、そのゲル分率が変化しなくなった時の架橋度
の事である。
【0012】架橋ポリエチレンには一般に、化学架橋、
水架橋などがあり、架橋点の数を制御することで樹脂各
々の最大到達架橋度が決定される。また、架橋ポリエチ
レンパイプを成形加工する場合、押し出し機ダイスより
吐出した段階での架橋度は押出し成形性等の点より、ゲ
ル分率で80%以下、好ましくは60%以下にコントロ
ールすることが必要である。しかし、あまり低めにする
と、例えば、最大到達架橋度が20%未満である場合、
架橋ポリエチレンパイプをライニングする際、つまり、
加熱による形状復元の際に、樹脂が軟化してしまいパイ
プ形状を保持することができないため鋼管と樹脂パイプ
との間に十分な圧力を得ることができず必要な接着力を
得ることができない等の問題が生じ始める。この傾向
は、最大到達架橋度がゲル分率で10%未満である場合
に顕著に現れ、正常なライニング形状を保持することが
できない。また、最大到達架橋度がゲル分率で60%よ
り大きい樹脂の場合、特に80%より大きい樹脂の場合
には、きれいにパイプの成形ができなくなり、水架橋の
場合には、成形直後には形状復元性が認められるが、湿
潤雰囲気に長時間放置した後では、架橋がかなり高いレ
ベルにまで進行してしまう結果、形状復元性が認められ
なくなる。つまり、ライニングが困難になる。そこで架
橋ポリエチレンの最大到達架橋度をゲル分率で10〜8
0%、好ましくは20〜60%に規制してやると、良好
な樹脂パイプ成形が可能になるとともに、樹脂パイプ成
形直後にも、長時間経過した後でも、良好な形状記憶性
を保持し、その結果、パイプ径で10%程度以上の膨張
復元が可能となり、鋼管内面に密着性良く樹脂がライニ
ングされた樹脂ライニング鋼管を得ることが可能とな
る。
【0013】また、鋼管と架橋ポリエチレン樹脂層とは
あまり接着性がないため、層間に接着層を有する事が望
ましく、特に、接着層が、無水マレイン酸変性ポリエチ
レン、アイオノマー、エチレン−メタクリル酸共重合
体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−無水マ
レイン酸共重合体、もしくはエチレン−無水マレイン酸
−アクリル酸共重合体よりなるものを用いる事により、
他のものよりも格段に優れた接着力を発現する事を見出
した。
【0014】また、鋼管の内面に架橋ポリエチレン樹脂
層をライニングする方法として、鋼管の内径よりも大き
い径の架橋ポリエチレン樹脂パイプを押出しにより成形
する際、もしくは成形後に、架橋ポリエチレン樹脂パイ
プを50℃以上250℃以下の温度で、延伸縮径する
か、あるいは折りたたむ等の方法で、鋼管の内径より小
さくして、冷却後、前記鋼管に差込み、その後、加熱す
る事により、架橋ポリエチレン樹脂の形状記憶性を利用
し、樹脂パイプを膨張させ、鋼管内面に樹脂のライニン
グを行って上記の樹脂ライニング鋼管を作製すると良
い。
【0015】以上のように本発明によれば、内面ライニ
ング用樹脂として最大到達架橋度がゲル分率で10〜8
0%、好ましくは20〜60%に規制された架橋ポリエ
チレン樹脂を用いることで、成形後時間が経っても良好
な形状記憶性を有する架橋ポリエチレン樹脂パイプを得
ることが出来、これによって安定的に製造できる樹脂ラ
イニング鋼管を得ることができた。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の樹脂ライニング鋼管は、
架橋ポリエチレン樹脂からなる内面ライニング層を有す
る鋼管である。
【0017】本発明で用いられる架橋ポリエチレン樹脂
は、ポリエチレンを過酸化物などによる化学架橋、また
は水架橋(シラン架橋)で架橋した構造を持つ樹脂であ
り、一般的には押し出し成形時、及び/もしくは、成形
後に、熱処理、水処理等により架橋反応を行う。本発明
で用いられる架橋ポリエチレン樹脂は、最大到達架橋度
がゲル分率で10〜80%、好ましくは20〜60%に
規制された架橋ポリエチレン樹脂で密度は0.90以上
0.96以下、好ましくは0.92以上0.94以下で
あり、融点は90℃以上のものが好ましい。また、成形
前の樹脂のMFRは、0.01〜20g/10min
(荷重2.16kg)、さらに好ましくは0.1〜10
g/10min(荷重2.16kg)である。これより
MFRが低いと押出し成形が困難になり、高いと、丸ダ
イを使った成形が困難になる、押出し直後にパイプ形状
を保持することが困難になる等の問題が生じる。本発明
で用いられる架橋ポリエチレン樹脂は、本発明の性能を
損なわない範囲で、必要に応じ酸化防止剤、紫外線吸収
剤、難燃剤、顔料、充填剤、滑剤、帯電防止剤等の添加
剤、及び他の樹脂を加えることができる。
【0018】本発明で用いられる架橋ポリエチレン樹脂
パイプは、上記架橋ポリエチレン樹脂を用いて作製され
る。作製方法としては、ライニングしようとする鋼管の
内径より大きな外径を有する丸ダイスより、90〜30
0℃で、パイプ状に樹脂を、押出し機等を用いて押出
し、押出した樹脂を引き取る際に、押出しダイス径よ
り、パイプの径が5〜60%小さくなるように長手方向
に引き延ばし、その後、冷し、形状を固定する。引き延
ばしをかける前に必要に応じて冷却を行い適当な温度ま
で樹脂を冷やしてもよい。また、延伸をかけずに成形し
た樹脂パイプを、50〜250℃までオーブン中で加熱
し、パイプ径が5〜40%小さくなるように長手方向に
延伸、冷却し形状を固定する方法を用いることもでき
る。
【0019】また、本発明で用いられる架橋ポリエチレ
ン樹脂パイプは外側に接着層を有することができる。接
着層は、無水マレイン酸変性ポリエチレン、アイオノマ
ー、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アク
リル酸共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体、
エチレン−無水マレイン酸−アクリル酸共重合体のうち
1つまたは2つ以上からなり、本発明の性能を損なわな
い範囲で、必要に応じて酸化防止剤、紫外線吸収剤、難
燃剤、顔料、充填剤、滑剤、帯電防止剤、粘着付与剤等
の添加剤、及び他の樹脂を加えることができる。接着層
の成形法は、架橋ポリエチレン層成形の時に二層ダイス
で共押出しする、あるいは樹脂パイプ作製後、外面に丸
ダイス、Tダイスでライニングする、あるいは、シート
状に押出し成形した接着層を樹脂パイプ外面に巻き付け
るなどの方法で作製することができる。
【0020】本発明の樹脂ライニング鋼管の製造方法を
説明する。予め、上記方法で製造された、鋼管内径より
0.1〜50%程度、好ましくは0.3〜20%程度小
さい外径を持ち、さらに鋼管の長さより5〜30%長い
樹脂パイプを鋼管にさし込み、それを高周波加熱装置、
または熱風炉などで鋼管表面温度が100〜250℃に
なるように加熱する。鋼管よりの熱移動、あるいは熱風
により鋼管内部の樹脂パイプが加熱され、それによって
延伸前の形状に形状復元する力が働き鋼管内面に密着す
る。冷却後、鋼管端部よりはみ出した樹脂パイプを切断
し樹脂ライニング鋼管を得る。
【0021】内面ライニング層、接着層等の厚みは必要
に応じて任意に設定する事ができ、特に制限されるもの
ではないが、内面ライニング層としては通常0.3mm
以上10mm以下、好ましくは、0.5mm以上5mm
以下、接着層としては通常0.003mm以上3mm以
下、好ましくは、0.01mm以上1.5mm以下が用
いられる。
【0022】本発明で用いられる鋼管は、亜鉛メッキ等
のメッキ処理等が施されたものでもよく、必要に応じて
内面や外面にブラスト処理、酸洗処理、などの前処理、
さらに、化成処理、プライマー処理等の表面処理を施す
ことができる。鋼管の大きさは外径が10〜2000m
m程度、通常20〜170mm程度のものを用いる。
【0023】
【実施例】以下の実施例1〜5、比較例1、2の架橋ポ
リエチレン樹脂パイプを作製して加熱復元性を測定し、
比較を行なった。
【0024】[実施例1]密度0.940、最大到達架橋
度がゲル分率で12%、MFR0.2g/10min
(荷重2.16kg)、融点126℃の架橋ポリエチレ
ン樹脂を、ダイス温度160℃でパイプ状に押出す際に
径方向に30%縮径するように延伸し、外径26.1m
m、厚さ約2mmの樹脂パイプを作製した。
【0025】[実施例2]密度0.940、最大到達架橋
度がゲル分率で21%、MFR0.2g/10min
(荷重2.16kg)、融点126℃の架橋ポリエチレ
ン樹脂を、ダイス温度160℃でパイプ状に押出す際に
径方向に30%縮径するように延伸し、外径26.1m
m、厚さ約2mmの樹脂パイプを作製した。
【0026】[実施例3]密度0.940、最大到達架橋
度がゲル分率で60%、MFR0.2g/10min
(荷重2.16kg)、融点126℃の架橋ポリエチレ
ン樹脂を、ダイス温度160℃でパイプ状に押出す際に
径方向に30%縮径するように延伸し、外径26.1m
m、厚さ約2mmの樹脂パイプを作製した。
【0027】[実施例4]密度0.946、最大到達架橋
度がゲル分率で80%、MFR0.2g/10min
(荷重2.16kg)、融点126℃の架橋ポリエチレ
ン樹脂を、ダイス温度160℃でパイプ状に押出す際に
径方向に30%縮径するように延伸し、外径26.1m
m、厚さ約2mmの樹脂パイプを作製した。
【0028】[実施例5]密度0.940、最大到達架橋
度がゲル分率で28%、MFR0.2g/10min
(荷重2.16kg)、融点126℃の架橋ポリエチレ
ン樹脂を、ダイス温度160℃でパイプ状に押出す際に
径方向に20%縮径するように延伸し、外径26.1m
m、厚さ約2mmの樹脂パイプを作製した。
【0029】[比較例1]密度0.940、最大到達架橋
度がゲル分率で85%、MFR0.2g/10min
(荷重2.16kg)、融点126℃の架橋ポリエチレ
ン樹脂を、ダイス温度160℃でパイプ状に押出す際に
径方向に30%縮径するように延伸し、外径26.1m
m、厚さ約2mmの樹脂パイプを作製した。
【0030】[比較例2]密度0.940、最大到達架橋
度がゲル分率で8%、MFR0.2g/10min(荷
重2.16kg)、融点126℃の架橋ポリエチレン樹
脂を、ダイス温度160℃でパイプ状に押出す際に径方
向に30%縮径するように延伸し、外径26.1mm、
厚さ約2mmの樹脂パイプを作製した。実施例1〜5、
及び比較例1、2の樹脂パイプについて、縮径直後、お
よび湿度90%、室温30℃の所に1週間放置した後の
加熱復元性を測定した。復元条件は200℃のオイルバ
スに5分浸漬し、その前後の外径を測定した。結果を表
1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】最大到達架橋度がゲル分率で10〜80%
に制御されている架橋ポリエチレン樹脂パイプについて
は、縮径後、時間が経っても形状復元性を保持すること
ができた。
【0033】次に以下の実施例6〜12の樹脂ライニン
グ鋼管を作製し、鋼管と内面の樹脂ライニング層との間
の接着力を測定した。
【0034】[実施例6]実施例2の長さ4m50cm樹
脂パイプの外側にエチレン−無水マレイン酸共重合体樹
脂を押出しでライニングした。このエチレン−無水マレ
イン酸共重合体樹脂層 (約0.4mm厚)を有する架橋
ポリエチレン樹脂パイプを室温で2週間放置後に、酸洗
処理した長さ4mの鋼管(内径27.6mm、外径34
mm)の内側に差し込み、その後、高周波加熱装置によ
り鋼管表面の温度を200℃に加熱し架橋ポリエチレン
樹脂パイプを形状復元させ、鋼管端部よりはみ出した樹
脂部分を切断した。
【0035】[実施例7]実施例2の樹脂パイプ(長さ4
m50cm)の外側にエチレン−メタクリル酸共重合体
樹脂を押出しでライニングした。このエチレン−メタク
リル酸共重合体樹脂層(約0.4mm厚)を有する架橋ポ
リエチレン樹脂パイプを室温で2週間放置後に、酸洗処
理した長さ4mの鋼管(内径27.6mm、外径34m
m)の内側に差し込み、その後、高周波加熱装置により
鋼管表面の温度を200℃に加熱し架橋ポリエチレン樹
脂パイプを形状復元させ、鋼管端部よりはみ出した樹脂
部分を切断した。
【0036】[実施例8]実施例2の樹脂パイプ(長さ4
m50cm)の外側にエチレン−無水マレイン酸−アク
リル酸共重合体樹脂を押出しでライニングした。このエ
チレン−無水マレイン酸−アクリル酸共重合体樹脂層
(約0.4mm厚)を有する架橋ポリエチレン樹脂パイプ
を室温で2週間放置後に、酸洗処理した長さ4mの鋼管
(内径27.60mm、外径34mm)の内側に差し込
み、その後、高周波加熱装置により鋼管表面の温度を2
00℃に加熱し架橋ポリエチレン樹脂パイプを形状復元
させ、鋼管端部よりはみ出した樹脂部分を切断した。
【0037】[実施例9]密度0.940、最大到達架橋
度がゲル分率で26%、MFR0.2g/10min
(荷重2.16kg)、融点126℃の架橋ポリエチレ
ン樹脂とアイオノマー樹脂(エチレン−メタクリル酸共
重合系−亜鉛架橋タイプ)を二層ダイスで架橋ポリエチ
レンが内側になるようにダイス温度160℃でパイプ状
に押出した。その際に、径方向に30%縮径するように
延伸し、外径26.1mm(架橋ポリエチレン層:約2
mm厚、接着層:約0.4mm厚) 、長さ4m50cm
の樹脂パイプを作製した。この2層樹脂パイプを室温で
2週間放置後に、酸洗処理した長さ4mの鋼管(内径2
7.6mm、外径34mm)の内側に差し込み、その
後、高周波加熱装置により鋼管表面の温度を200℃に
加熱し架橋ポリエチレン樹脂パイプを形状復元させ、鋼
管端部よりはみ出した樹脂部分を切断した。
【0038】[実施例10]密度0.940、最大到達架
橋度がゲル分率で26%、MFR0.2g/10min
(荷重2.16kg)、融点126℃の架橋ポリエチレ
ン樹脂と無水マレイン酸変性ポリエチレン樹脂を二層ダ
イスで架橋ポリエチレンが内側になるようにダイス温度
160℃でパイプ状に押出した。その際に、径方向に3
0%縮径するように延伸し、外径26.1mm(架橋ポ
リエチレン層:約2mm厚、接着層:約0.4mm厚)
、長さ4m50cmの樹脂パイプを作製した。この2
層樹脂パイプを室温で2週間放置後に、酸洗処理した長
さ4mの鋼管(内径27.6mm、外径34mm)の内
側に差し込み、その後、高周波加熱装置により鋼管表面
の温度を200℃に加熱し架橋ポリエチレン樹脂パイプ
を形状復元させ、鋼管端部よりはみ出した樹脂部分を切
断した。
【0039】[実施例11]密度0.940、最大到達架
橋度がゲル分率で26%、MFR0.2g/10min
(荷重2.16kg)、融点126℃の架橋ポリエチレ
ン樹脂とエチレン−アクリル酸共重合体樹脂を二層ダイ
スで架橋ポリエチレンが内側になるようにダイス温度1
60℃でパイプ状に押出した。その際に、径方向に30
%縮径するように延伸し、外径26.1mm(架橋ポリ
エチレン層:約2mm厚、接着層:約0.4mm厚) 、
長さ4m50cmの樹脂パイプを作製した。この2層樹
脂パイプを室温で2週間放置後に、酸洗処理した長さ4
mの鋼管(内径27.6mmφ、外径34mm)の内側
に差し込み、その後、高周波加熱装置により鋼管表面の
温度を200℃に加熱し架橋ポリエチレン樹脂パイプを
形状復元させ、鋼管端部よりはみ出した樹脂部分を切断
した。
【0040】[実施例12]密度0.940、最大到達架
橋度がゲル分率で70%、MFR0.2g/10min
(荷重2.16kg)、融点126℃の架橋ポリエチレ
ン樹脂とエチレン−アクリル酸共重合体樹脂を二層ダイ
スで架橋ポリエチレンが内側になるようにダイス温度1
60℃でパイプ状に押出した。その際に、径方向に30
%縮径するように延伸し、外径26.1mm(架橋ポリ
エチレン層:約2mm厚、接着層:約0.4mm厚) 、
長さ4m50cmの樹脂パイプを作製した。この2層樹
脂パイプを室温で2週間放置後に、酸洗処理した長さ4
mの鋼管(内径27.6mm、外径34mm)の内側に
差し込み、その後、高周波加熱装置により鋼管表面の温
度を200℃に加熱し架橋ポリエチレン樹脂パイプを形
状復元させ、鋼管端部よりはみ出した樹脂部分を切断し
た。
【0041】実施例6〜12の樹脂ライニング鋼管につ
いて鋼管と内面の樹脂パイプとの間のせん断接着力を測
定した。せん断接着力の測定は、製造した樹脂ライニン
グ鋼管を20mm長さに切断し、治具を用いて外側の鋼管
部分のみ支え、内側のライニング層のみを50mm/minの
条件で押しぬき、この時の押しぬき力をせん断接着強度
とし接着力と見なすことにより行なった。サンプルは各
5個取り、平均を求めた。接着強度の単位は、kgf/cm2
ある。また、測定試験中の温度は一律23℃とした。測
定結果を表2に示す。
【0042】
【表2】
【0043】本発明の接着層を有する実施例6〜12に
ついては十分な接着力を有した樹脂ライニング鋼管を製
造することができた。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、鋼管の内面ライニング
に用いる樹脂パイプを作製した後に運送・保管などで時
間が経過してから樹脂ライニング鋼管を製造する場合に
も、安定的に製造できる製造効率の良い生産が可能で、
かつ鋼管と樹脂ライニング層との密着性に優れた樹脂ラ
イニング鋼管を提供する事ができ、給水、給湯、空調、
排水等の配管等に使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3H111 AA01 BA03 BA15 BA34 CA52 CB08 CB29 DA26 DB03 DB05 DB11 EA15 4F211 AA04 AD03 AD12 AD31 AG03 AG08 AH43 SA13 SC03 SD04 SG01 SH09 SJ13 SN07 SN08 SN09 SP20 SP28

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼管の内面に架橋ポリエチレン樹脂から
    なる樹脂ライニング層を有する樹脂ライニング鋼管にお
    いて、前記樹脂ライニング層が、最大到達架橋度がゲル
    分率で10〜80%である架橋ポリエチレン樹脂である
    事を特徴とする樹脂ライニング鋼管。
  2. 【請求項2】 前記鋼管と前記樹脂ライニング層との間
    に接着層を有する事を特徴とする請求項1に記載の樹脂
    ライニング鋼管。
  3. 【請求項3】 前記接着層が、無水マレイン酸変性ポリ
    エチレン、アイオノマー、エチレン−メタクリル酸共重
    合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−無水
    マレイン酸共重合体、エチレン−無水マレイン酸−アク
    リル酸共重合体のうち1つまたは2つ以上よりなること
    を特徴とする請求項2に記載の樹脂ライニング鋼管。
  4. 【請求項4】 前記樹脂ライニング層が、前記鋼管の内
    径よりも大きい径の架橋ポリエチレン樹脂パイプを、押
    出し成形時または成形後に、50℃以上250℃以下の
    温度で、鋼管の内径より小さくして、冷却後、前記鋼管
    に差込み、その後、前記架橋ポリエチレン樹脂パイプを
    加熱する事により膨張させて設けたものであることを特
    徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載
    の樹脂ライニング鋼管。
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