JP2003181533A - フィン転造ロールおよび溝付伝熱管の製造装置 - Google Patents

フィン転造ロールおよび溝付伝熱管の製造装置

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JP2003181533A
JP2003181533A JP2001382204A JP2001382204A JP2003181533A JP 2003181533 A JP2003181533 A JP 2003181533A JP 2001382204 A JP2001382204 A JP 2001382204A JP 2001382204 A JP2001382204 A JP 2001382204A JP 2003181533 A JP2003181533 A JP 2003181533A
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fin
fin rolling
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rolling
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Tetsuya Kouchi
哲哉 古内
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Mitsubishi Shindoh Co Ltd
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Mitsubishi Shindoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 背の高いフィンを効率よく形成する。 【解決手段】 フィン転造ロール4は、外周面にジグザ
グ形状をなすフィン転造溝40が形成されたロール部材
30B〜30Eを具備し、これらロール部材30B〜3
0Eの外周面は、フィン転造溝40の入り口側内面42
aよりも粗い粗面44とされている。粗面44の面粗さ
は0.3〜6μmRaであり、入り口側内面42aの面
粗さは前記粗面化された部分の面粗さよりも小さくかつ
1.2μmRa以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フィン転造ロール
および溝付伝熱管の製造装置に関し、特に背の高いフィ
ンを効率よく形成するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】溝付伝熱管は、内面または外面に微細な
溝およびフィンが形成された金属管であり、冷蔵庫や空
調装置などの熱交換器の部品として多用されている。こ
れら溝付伝熱管の製造方法の1種として電縫加工を用い
た方法がある。この方法では、外周面に溝が形成された
フィン転造ロールで帯状の金属板条材を転造加工するこ
とにより、板条材の表面に微細な溝およびフィンを形成
した後、この板条材に対してロールフォーミングを行
い、フィン形成面を内側または外側にして管状に丸め
る。さらに、丸めた板条材を誘導加熱コイルで加熱し、
板条材の両側縁を突き合わせて溶接することにより、溝
付伝熱管を形成する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、本発明者ら
は、溝付伝熱管の熱交換効率をいっそう高める観点か
ら、溝付伝熱管の内面または外面に形成されたフィンの
幅を小さくすると共に、フィンの背を高くする改良を行
ってきた。しかし、フィン転造ロールの外周面に形成さ
れたフィン転造溝を狭く、深くするにつれ、転造時に金
属材料がフィン転造溝の奥まで流れ込みにくくなり、フ
ィンを細くかつ高くすることには限界があることが判明
した。特に、最近では、加工精度を高めるためにソリュ
ブルオイル等の潤滑油を用いずにフィン転造を行うこと
が望まれているが、その場合にはさらに転造時に金属材
料がフィン転造溝の奥まで流れ込みにくくなり、フィン
を細くかつ高く形成することが難しかった。
【0004】本発明は上記知見に基づいてなされたもの
であり、転造時に金属材料がフィン転造溝の奥まで流れ
込みやすくすることにより、細く高いフィンを容易に形
成できるようにすることを課題としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明のフィン転造ロールは、外周面にフィン転造
用凹部が形成されたロール本体を具備し、このロール本
体の前記フィン転造用凹部を除く前記外周面の少なくと
も一部は、前記フィン転造用凹部の最大深さの1/2よ
りも浅い部分における前記フィン転造用凹部の内面より
も粗面化されている。
【0006】本発明の第2の態様のフィン転造ロール
は、外周面に螺旋状をなすフィン転造溝が形成されたロ
ール本体を具備し、このロール本体の前記フィン転造溝
を除く前記外周面の少なくとも一部は、前記フィン転造
溝の最大深さの1/2よりも浅い部分における前記フィ
ン転造溝の内面よりもよりも粗面化されている。
【0007】本発明の第3の態様のフィン転造ロール
は、外周面にジグザグ形状をなすフィン転造溝が軸線方
向に延びるように形成されたロール本体を具備し、この
ロール本体の前記フィン転造溝を除く前記外周面のう
ち、少なくとも一部のフィン屈折部の近傍領域は、前記
フィン転造溝の最大深さの1/2よりも浅い部分におけ
る前記フィン転造溝の内面よりもよりも粗面化されてい
る。
【0008】前記粗面化された部分の面粗さは0.3〜
6μmRaであってもよく、前記フィン転造溝の最大深
さの1/2よりも浅い部分における前記フィン転造溝の
内面の面粗さは前記粗面化された部分の面粗さよりも小
さくかつ1.2μmRa以下であってもよい。
【0009】本発明の溝付伝熱管の製造装置は、金属製
の板条材を挟んで圧延することにより前記板条材の一面
にフィンを転造するフィン転造ロールおよび受けロール
と、前記フィンが形成された板条材を、前記フィンが内
周側または外周側に位置するように、管状に成形するた
めの複数のフォーミングロールと、管状に成形された前
記板条材の両端縁を加熱したうえ突き合わせて溶接する
ための溶接機構とを具備し、前記フィン転造ロールとし
て、前記いずれかのフィン転造ロールを使用する。
【0010】前記ロール本体の外周面は、前記フィン転
造ロールの回転に伴って板条材上で個々のフィンが最後
に形成される領域と対向するフィン転造末端領域を除く
領域において、粗面化されていてもよい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明の
実施形態を説明する。 [第1実施形態]図1は、本発明に係る溝付伝熱管の製
造装置の第1実施形態を示す側面図である。装置の概要
を説明すると、図中符号1はアンコイラであり、一定幅
かつ一定厚の銅または銅合金製の板条材Tを連続的に繰
り出す。繰り出された板条材Tは一対の押さえロール2
を経て、対向して配置されたフィン転造ロール4および
受けロール6の間を通され、図6に示すように、板条材
Tの表面に、幅方向に連続したジグザグ形状(W字状)
のフィン52および溝54が形成され、板条材Tの裏面
は平滑のままに保たれる。この実施形態では、板条材T
を転造加工する際に潤滑液を供給していないが、フィン
転造ロール4の上流側に潤滑液ノズルを設け、図示しな
い潤滑液供給機構から板条材Tの転造面にソリュブルオ
イルなどの潤滑液を供給してもよい。
【0012】フィン転造ロール4および受けロール6に
より転造加工された板条材Tは、図1に示す一対のロー
ル8を経て、複数対配列されたフォーミングロール10
を通して徐々に管状に丸められる。内面溝付伝熱管を製
造する場合にはフィン転造面を内側にして板条材Tを丸
め、外面溝付伝熱管を製造する場合にはフィン転造面を
外側にして板条材Tを丸める。断面C字状に丸められた
板条材Tはローリングセパレータ12により突き合わせ
るべき両端縁間の間隙量が一定に保たれたうえ、誘導加
熱コイル14に通されて両側縁部が加熱される。さら
に、加熱された板条材Tは、一対のスクイズロール16
を通され、両側方から押されることにより加熱された両
側縁部が突き合わされ、溶接される。こうして溶接され
た伝熱管Pの外周面には、膨出した材料によりビードが
形成されるので、このビードを切削除去するためのビー
ドカッタ18が設けられている。
【0013】ビードが切削された伝熱管Pは冷却槽20
を通されて強制冷却されたうえ、複数対配列されたサイ
ジングロール22を通され、所定の外径までに縮径され
る。さらに、縮径された伝熱管Pは、ラフコイラ24で
巻き取られ、次工程へ送られる。
【0014】次に、本発明の主特徴であるフィン転造ロ
ール4について説明する。図2および図3は、第1実施
形態のフィン転造ロール4を示す部分正面図および断面
図である。このフィン転造ロール4は、ロール軸32
と、このロール軸32に固定されたロール本体30とを
具備し、このロール本体30は、外周面にフィン転造溝
が形成されている4つの円環状をなすロール部材30B
〜30Eと、これらロール部材30B〜30Eの両側に
配置された一対の円環状をなすサイドロール30Aとか
ら構成されている。
【0015】図3に示すように、ロール軸32の一端側
の外周面には円環状のフランジ部34が一体的に形成さ
れ、他端側の外周面には雄ねじ部38が形成されてい
る。フランジ部34と雄ねじ部38との間の外周面に
は、サイドロール30A、ロール部材30B〜30E、
および第2のサイドロール30Aが順に通され、ナット
36を雄ねじ部38に螺合することにより、ロール本体
30がロール軸32に対し同軸に固定されている。ロー
ル部材30B〜30Eの常温での内径をロール軸の外周
面の外径よりも僅かに小さくしておき、ロール部材30
B〜30Eを高温に加熱した上でロール軸32の外周面
に焼き填めし、がたつきをさらに防止してもよい。
【0016】各サイドロール30Aは、図6に示すよう
に、板条材Tの両側縁部にそれぞれ一定幅の平滑部50
を形成する役割を果たす。これら平滑部50は、溶接す
べき両端面の直線性を高め、溶接安定性を高める効果を
奏する。しかし、必要であれば、サイドロール30Aに
より平滑部50を形成しない構成としてもよい。
【0017】ロール部材30B〜30Eの外周面には、
図2に示すように、全面に亘って螺旋状のフィン転造溝
40が一定のピッチで平行に多数形成されている。この
実施形態では、ロール部材30B〜30E毎にフィン転
造溝40の傾斜の向きが逆になり、フィン転造溝40は
全体として、フィン転造ロール4の軸線方向に連続する
ジグザグ形状(W字状)をなしている。
【0018】フィン転造溝40がロール周方向に対して
なす角度αの絶対値は、伝熱管Pに求められる特性に応
じて決定される値であり、本発明では限定されないが、
一般的な溝付伝熱管では5〜25゜程度であることが好
ましい。フィン転造溝40の深さも限定されないが、一
般的には0.1〜0.3mm程度とされる。フィン転造
溝40の開口幅が小さく、深さが大きいほど本発明によ
る効果が顕著となる。フィン転造溝40の断面形状は限
定されず、断面三角形状(先端は丸みを帯びていても尖
っていてもよい)であってもよいし、台形状または半円
状をなしていてもよい。ロール部材30B〜30E毎に
フィン転造溝40の傾斜角度αの絶対値が異なっていて
もよい。
【0019】この実施形態の主特徴は、図4に示すよう
に、ロール部材30B〜30Eの外周面全面がフィン転
造溝40の最大深さD2の1/2(=D3)よりも浅い
部分における内面42a(すなわち内面42の入り口側
部分)より粗面化されて、粗面44とされていることに
ある。本発明では限定されないが、粗面44の面粗さは
0.3〜6μmRaであることが好ましく、フィン転造
溝40の入り口側内面42aの面粗さは前記粗面化され
た部分の面粗さよりも小さくかつ1.2μmRa以下で
あることが好ましい。この範囲であると、背の高いフィ
ンを容易に形成しやすい。さらに好ましくは、粗面44
の面粗さが0.3〜1.2μmRaとされ、フィン転造
溝40の入り口側内面42aの面粗さは、粗面44の面
粗さよりも小さくかつ0.6μmRa以下とされる。フ
ィン転造溝40の最大深さD2の1/2よりも深い部分
における内面(すなわち内面42の奥部)は、フィン転
造溝40への材料の進入しやすさにそれほど影響を与え
ないために、入り口側内面42aと同じであってもよい
し、入り口側内面42aより粗面であってもよい。
【0020】ロール部材30B〜30Eの外周面を、フ
ィン転造溝40の入り口側内面42aよりも粗面化する
方法は限定されないが、例えば以下のような方法が可能
である。なお、ロール部材30B〜30Eの材質として
は、Coおよび/またはNiを結合剤として含むWC基
などの超硬合金が使用可能である。
【0021】(1)ロール部材30B〜30Eの素材と
して、結晶粒径が通常より細かい超硬合金を使用したう
え、この素材にフィン転造溝40を研削加工により形成
し、さらに素材の外周面を粗面化して粗面44を形成す
る。結晶粒径が通常より細かい超硬合金とは、超硬合金
の種類は限定されないが、例えば、結晶平均粒径が1.
8μmより小さい超硬合金であり、このような結晶粒径
が通常より細かい超硬合金にフィン転造溝40を研削加
工で形成すると、フィン転造溝40の入り口側内面42
aは0.8μmRa以下の細かい表面粗さを有する平滑
面となる傾向がある。ただし、この場合にはロール素材
の外周面も同様に平滑になりやすいので、外周面に対し
て粗面化処理が必要となる。粗面化処理としては、フィ
ン転造溝40にパラフィンや易溶性組成物などのマスキ
ング剤を充填してフィン転造溝40内を保護した後、ロ
ール部材30B〜30Eの外周面にブラスト処理等を施
してショットを衝突させて外周面を粗面化し、さらにフ
ィン転造溝40に充填されたマスキング剤を溶融・溶解
等により除去してもよい。ブラスト処理の代わりに、放
電加工によって粗面化してもよいし、単純に荒い砥石に
より研削加工を行ってもよい。研削加工により粗面化す
る場合には、ロール軸方向に延びる条痕が生成するよう
な条件を採用すると、板条材Tの長手方向への伸びを防
止する効果がより高くなる。
【0022】(2)上記(1)とは逆に、ロール部材3
0B〜30Eの素材として、結晶粒径が通常より粗い超
硬合金を使用したうえ、この素材にフィン転造溝40を
研削加工により形成し、さらにフィン転造溝40の入り
口側内面42aに対して鏡面化処理を施す。結晶粒径が
通常より粗い超硬合金とは、超硬合金の種類は限定され
ないが、例えば、結晶平均粒径が3μm以上の超硬合金
であり、このような結晶粒径が通常より粗い超硬合金で
は、ロール素材の外周面も0.3〜6μmRa程度の粗
面となり易い。ただし、この場合にはフィン転造溝40
の入り口側内面42aも同様に粗面になり易いので、フ
ィン転造溝40の内周面に対して鏡面化処理が必要とな
る。フィン転造溝40内のみに対する鏡面化処理として
は、目の細かい砥石でフィン転造溝40内を仕上研削す
る方法だけでなく、ロール部材30B〜30Eの外周面
にマスキングを施した後、キャビテーション噴流による
ピーニングを施す方法などが採用できる。キャビテーシ
ョン噴流によるピーニングとは、超高圧の流体(水な
ど)を開口径の小さいノズルからロール部材30B〜3
0Eの外周面に高速で吹き付け、フィン転造溝40内で
キャビテーション現象を生じさせ、キャビテーション気
泡の崩壊衝撃力により微細な凹凸を取り除く加工法であ
る。この方法によれば、ショットを使用しないためにフ
ィン転造溝40の奥まで鏡面加工が行き届く利点を有す
る。
【0023】(3)ロール素材の外周面にフィン転造溝
40を形成した後、フィン転造溝40内面全面およびロ
ール素材の外周面にダイヤモンドライクカーボン層を形
成し、その後、外周面のダイヤモンドライクカーボン層
のみを削り落として外周面を粗面化する。あるいは、フ
ィン転造溝40を除いてロール素材の外周面をマスキン
グした後、ダイヤモンドライクカーボン層を気相成長さ
せることにより、フィン転造溝40の内面42にダイヤ
モンドライクカーボン層を形成する。マスキングの方法
としては、パーフルオロアルキルポリエーテルなどの気
相成長を阻害する物質または各種塗料を塗布する方法、
窒化チタンなどのダイヤモンドライクカーボン層の気相
成長を阻害する物質を被覆する方法などが挙げられる。
ダイヤモンドライクカーボン層を形成するには、例えば
高真空中でアーク放電プラズマを生成させ、このプラズ
マ中で炭化水素ガスを分解し、プラズマ中のイオンや励
起分子を基板に電気的に加速して衝突させる。荷電粒子
の衝突エネルギーは温度に換算して数万度に相当するた
め、局所的に高温高圧状態を作ることができ、特定の結
晶構造の炭素薄膜を形成することができる。特定の結晶
構造とは、長距離秩序を持たないアモルファス構造に、
1重結合や2重結合が混在したものと考えられており、
きわめて高い平滑性、耐摩耗性、および低摩擦性を有す
る。ダイヤモンドライクカーボン層の厚さは0.5〜3
μm程度が好ましく、あまり薄いと耐摩耗性が低下し、
厚すぎるとロール生産コストが高くなりすぎる。
【0024】なお、ダイヤモンドライクカーボン層を形
成する場合には、下地となるフィン転造溝40内面の変
形によりダイヤモンドライクカーボン層が剥離すること
を防止するために、熱処理や塑性変形によりフィン転造
溝40の内面42の硬度をHRA80以上に高めておく
ことが好ましい。また、ダイヤモンドライクカーボン層
には残留引張応力が発生するため、残留引張応力に起因
する割れが生じる可能性がある。そこで、残留引張応力
を相殺するため、フィン転造溝40の内面42表層部に
は残留圧縮応力を付与しておいてもよい。残留圧縮応力
を付与するには、先に述べたキャビテーション噴流によ
るピーニングなどが好適に用いられる。
【0025】本実施形態では、ロール部材30B〜30
Eの外周面がフィン転造溝40の入り口側内面42aよ
りも粗面化されていることにより、フィン転造ロール4
が板条材Tの表面を圧迫してフィン52を転造する際
に、ロール外周面である粗面44と板条材Tとの間に働
く摩擦力を高めることができ、圧縮された板条材Tが長
手方向および幅方向に延びる現象を抑制できる。したが
って、その分、フィン転造溝40への材料の充填圧力を
高めることができる。さらに、フィン転造溝40の入り
口側内面42aは極めて高度の平滑面にされているか
ら、図4に示すように、転造圧力を過剰に高めなくと
も、フィン転造溝40の奥まで材料が流れ込むようにな
り、背の高いフィン52が容易に製造できる。
【0026】これに対して、図5に示すように、フィン
転造溝M内およびロール外周面Gのいずれもが同様に平
滑であると、板条材Tがその平面方向、特に長手方向に
伸びる傾向が強まり、フィン転造溝Mへの材料の充填圧
力が十分に高まらず、フィン転造溝Mの奥まで材料が流
れ込みにくくなる。このため、背の低いフィンFが形成
される傾向が強まり、フィンFの背を高くするためには
転造圧力を過剰に高めなくてはならなくなる。転造圧力
を高めると、ロール細部の破損が生じやすく、ロール寿
命も短くなるおそれがある。
【0027】図6は本実施形態の装置により製造された
溝付伝熱管Pの一例を示している。溝付伝熱管Pの寸法
は本発明では限定されないが、一般的な伝熱管での数値
を例示すると、その外径は3〜15mm程度であり、溝
54の底での管壁の厚さは0.15〜0.5mm程度で
ある。また、板条材Tおよび溝付伝熱管Pの材質として
は、好ましくは銅または銅合金が採用され、その中でも
特に、りん脱酸銅(例えばJIS1220合金)や、無
酸素銅などが好適である。
【0028】この溝付伝熱管Pでは、フィン転造溝40
によりフィン52が形成され、フィン転造溝40同士の
間に対向して溝54が形成されている。溝付伝熱管Pの
内面の一部には、溶接された両側縁部に沿って僅かに盛
り上がり軸線方向に連続した溶接部51が形成されてい
る。板条材Tの両側縁には、サイドロール30Aにより
平滑部50が形成されている。この実施形態ではW字状
のフィン52が形成されているが、本発明の対象はこの
形状に限定されず、例えばV字状であってもよいし、N
字状であってもよいし、NV字状であってもよいし、VVV
字状であってもよい。さらには、後述するように、金属
管の内面又は外面に単純な螺旋形フィンを形成してもよ
いし、不連続な短い凸部をフィンとして形成することも
可能である。
【0029】なお、図6に示す溝付伝熱管Pのように、
周方向に伸びるジグザグ形状のフィン52を形成する場
合、転造方向に対するフィン屈折部の向きによって転造
加工条件が異なることが判明している。図6中矢印に示
す方向へ転造が進行した場合、図中Bで示す領域は、ジ
グザグ形状をなす個々のフィン52の転造が開始される
領域であり、図中Aで示す領域は個々のフィン52の転
造が完了する領域となる。領域Bでは、転造方向下流側
へ向け、フィン転造溝40に沿って材料が逃げるため、
フィン転造溝40への材料の充填圧力が低下する傾向が
あり、フィン転造溝40の奥まで材料が充填されにく
く、フィン52が低く形成される傾向がある。
【0030】これに対し、領域Aはフィン転造溝40に
沿って上流から流れてきた材料がフィン転造溝40の屈
折部で行き止まり、フィン転造溝40への材料の充填圧
力が過剰に高くなり、フィン転造溝40の奥まで材料が
充填され、フィン52が高く形成される傾向がある。フ
ィン52が高く形成されることは攪拌効果を高める点で
は好ましいのであるが、フィン転造溝40への材料の充
填圧力が高すぎると、フィン転造溝40の領域A内での
屈折点(連結点)でエッジ欠けが生じる確率が高くな
り、高価なロール4の寿命を短縮するおそれがある。
【0031】前述の第1実施形態においても、ロール外
周面の粗面化によりフィン転造溝40に沿った材料流れ
を抑制する効果は得られるから、転造ロールの外周面が
平滑な従来品に比べればフィン高さの不均一は抑制でき
るが、以下に述べる実施形態では、特に領域A内でのエ
ッジ欠けをより軽減できる。
【0032】[第2実施形態]図7は本発明の第2実施
形態のフィン転造ロール4を示す部分正面図である。こ
の実施形態では、各ロール部材30B〜30Eの外周面
に、軸方向両端縁からそれぞれ一定幅の部分を除いて、
粗面44が形成されている。すなわち、ロール部材30
Bでは、サイドロール30A側の端縁から幅W1の領
域、およびロール部材30C側の端縁から幅W2の領域
を除いた領域のみに、粗面44が形成されている。ま
た、ロール部材30Cでは、ロール部材30B側の端縁
から幅W2の領域、およびロール部材30D側の端縁か
ら幅W3の領域を除いた領域のみに、粗面44が形成さ
れている。ロール部材30D、30Eについては、ロー
ル部材30C、30Bとそれぞれ同様である。
【0033】幅W1,W2,W3の値は本発明では限定
はされない。幅W1,W2,W3の値は互いに等しくて
もよいが、互いに異なっていてもよい。具体的には、幅
W1は1〜7mmであることが好ましく、より好ましく
は2〜5mmである。この幅W1の領域に粗面44を形
成しないことにより、図6に示す平滑部50寄りの部分
においてフィン52の高さを低減できる。これにより、
溶接部51の両側に相対的にフィン52の背が低い領域
が形成され、内面溝付伝熱管P内を流れる熱媒液体の圧
力損失を低減することが可能である。溶接部51はフィ
ン屈折部の一つに該当し、内面溝付伝熱管Pへ熱媒を流
す向きによっては、2方向からの熱媒液体が衝突する箇
所となる。したがって、フィン屈折部で局部的にフィン
52を低くすることにより、圧力損失を低減する効果が
得られる。フィン屈折部でフィン52が低く形成されて
も、フィン直線部におけるフィンの高さが十分に高けれ
ば、熱交換効率は十分に高めることができる。
【0034】幅W2は1.3〜1.5mmであることが
好ましく、より好ましくは0.5〜1.2mmである。
幅W2の領域に粗面44を形成しないことにより、前述
のように相対的にフィン52が高く形成されやすい転造
終端領域における材料充填圧力を低減できる。これによ
り、図6に示した転造終端領域Aにおけるロール部材3
0B〜30Eのエッジ欠けが抑制でき、ロール寿命が延
長できる。また、図6に示すフィン屈折部Aにおいて相
対的にフィン52が低い領域を形成することができ、内
面溝付伝熱管P内を流れる熱媒液体の圧力損失を低減す
ることができる。
【0035】幅W3は0.3〜1.5mmであることが
好ましく、より好ましくは0.5〜1.2mmである。
幅W3の領域に粗面44を形成しないことにより、図6
に示す溶接部51の両側に相対的にフィン52が低い領
域を形成することができ、内面溝付伝熱管P内を流れる
熱媒液体の圧力損失を低減することができる。
【0036】上記幅W1,W2,W3のうち、フィン転
造ロール4の寿命延長に特に影響するのは幅W2であ
る。したがって、その効果のみを求める場合には、図7
において幅W1および/または幅W3内の領域にも粗面
44を形成してよい。
【0037】[第3実施形態]図8は本発明の第3実施
形態のフィン転造ロール4を示す部分正面図である。こ
の実施形態では、フィン転造ロール4の中央側のロール
部材30C、30Dにのみ粗面44が形成され、しか
も、ロール部材30Cのロール部材30B側の一定幅W
2の部分、およびロール部材30Dのロール部材30E
側の一定幅W2の部分には、粗面44が形成されていな
い。幅W2の値は前記実施形態と同様でよい。この実施
形態によれば、図6における転造開始領域Bにおいてフ
ィン52を高くする一方、領域Aではフィン52が過剰
に高くならないようにコントロールすることが可能であ
る。
【0038】[第4実施形態]図9は本発明の第4実施
形態のフィン転造ロール4を示している。この実施形態
は、ロール部材30B〜30Eの外周面の径が一定では
なく、ロール部材30Bとロール部材30Cとの合わせ
面の近傍、およびロール部材30Dとロール部材30E
との合わせ面の近傍において、各ロール部材30B〜3
0Eの外径がテーパ状に僅かに縮小されて縮径部45が
形成されている点が異なる。これにより、フィン転造ロ
ール4の外周面には、板条材Tに個々のフィン52が最
後に形成される領域Aに対向して、2つの浅い凹部が形
成されている。
【0039】さらに、ロール部材30B〜30Eの外周
面には、縮径部45を除いた領域にのみ、粗面44が形
成されている。他の構成は前述の実施形態と同様でよ
い。
【0040】なお、フィン転造ロール4の軸線の向きを
逆にして転造を行った場合には、各W字型フィン52の
両端部および中央部へ向けて材料流れが生じることにな
るが、その場合には、サイドロール30Aとロール部材
30Bとの合わせ面の近傍、ロール部材30Cとロール
部材30Dとの合わせ面の近傍、並びにロール部材30
Eとサイドロール30Aとの合わせ面の近傍において、
各ロール部材30B〜30Eの外径が相対的に縮小され
るべきである。ただし、各W字型フィン52の両端部お
よび中央部へ向けて材料流れが生じる向きで転造を行っ
た場合、板条材Tの両側縁部に材料流れに起因する変形
が生じやすく、後の溶接に支障を来すおそれがある。そ
こで、一般には、図6に示す矢印の向き、すなわち、板
条材Tの両側縁部へ向けて材料流れが発生しない向きで
転造を行う方が好ましい。これはフィン52をW字状で
はなく、V字状に形成する場合や、5回屈折した「VV
V」状に形成する場合も同様である。
【0041】一対の縮径部45により形成される凹部の
断面形状は、図9に示すように広いV字状であってもよ
いし、丸みを帯びた形状であってもよい。縮径部45の
幅W4および縮径量D1は、フィン転造ロール4により
フィン52の転造を行う際に、ロール部材30Bとロー
ル部材30Cとの合わせ面、およびロール部材30Dと
ロール部材30Eとの合わせ面へ向けて発生した材料流
れを、これら縮径部45内で吸収できるように、かつ、
前記合わせ面に対応する領域で、フィン52が局部的に
高くならないように設定されるべきである。
【0042】この条件を満たす縮径部45の幅W4およ
び縮径量D1は限定されないが、一般的な溝付伝熱管の
場合、縮径量D1は転造前の板条材Tの厚さの3〜20
%であることが好ましく、より好ましくは5〜10%程
度とされる。縮径部45の縮径量D1が小さすぎると、
フィン転造末端側の領域でフィン52が高くなる現象を
防止する効果が乏しくなる。逆に、縮径部45の縮径量
D1が大きすぎると、対応する部分でフィン52が低く
なりすぎ、攪拌性能に影響が生じる。縮径部45の幅W
4は、板条材Tの幅の3%以上であることが好ましい。
あまり小さいと、フィン転造末端側の領域でフィン52
が高くなる現象を防止する効果が低下する。
【0043】この実施形態のフィン転造ロール4で転造
を行うと、フィン転造ロール4により図10に示すよう
なフィン52、溝54、および平坦部50が形成され
る。この転造過程においては、溝54を形成するために
圧下された材料が、フィン転造開始側からフィン転造末
端側へ向けてフィン転造溝40に沿って流れるが、フィ
ン転造ロール4の外周面のフィン転造末端側部分には縮
径部45が形成され、その分加工量が小さいため、これ
らの部分で材料流れが吸収され、フィン転造溝40の奥
まで過剰の金属材料が侵入することが防止できる。した
がって、領域Aでフィン52の高さが過剰に大きくなる
ことがなく、転造過程でのフィン52とフィン転造溝4
0のエッジとの干渉を抑制でき、エッジの損傷をいっそ
う低減できる。
【0044】フィン転造ロール4の縮径部45と対応す
る箇所には、板条材Tの表面に、図10に示すように僅
かな凸部56が形成されてもよいが、これらの部分にお
ける板厚は転造前の板条材Tの厚さの75%以下である
ことが望ましい。あまり大きいとこの部分が堅くなって
ロールフォーミングが困難になるからである。
【0045】[第5実施形態]次に、図11は本発明の
第5実施形態におけるフィン転造ロール4および受けロ
ール6を示している。この実施形態のフィン転造ロール
4は、図2のフィン転造ロール4と同じであるが、その
他にも図7、図8いずれかのフィン転造ロール4と同じ
でもよい。
【0046】この実施形態の特徴は、受けロール6の外
周面に、ロール部材30Bとロール部材30Cとの合わ
せ面、およびロール部材30Dとロール部材30Eとの
合わせ面にそれぞれ対向する位置で、2つの縮径部46
が全周に亘って形成されている。縮径部46の幅W4お
よび縮径量D1は、先の縮径部45と同様に設定されて
いる。
【0047】このような実施形態によれば、フィン転造
ロール4によってフィン52を転造する際に、板条材T
の一部が縮径部46内へ弾性変形して逃げるため、縮径
部46と対向する部分での加工量が相対的に低下する。
したがって、溝を形成する際に圧下された材料が、フィ
ン転造開始側からフィン転造末端側へ向けて流れたとし
ても、縮径部46によって材料流れを吸収でき、これら
の領域でフィン52が過剰に高くなることが防止され、
図12に示すように高さがほぼ均一なフィン52を転造
することが可能となる。したがって、フィン52とフィ
ン転造溝40のエッジとの干渉が減り、干渉によるエッ
ジの損傷が防止できるから、フィン転造ロール4の使用
寿命をいっそう延長することが可能である。
【0048】[第6実施形態]図13は本発明の第6実
施形態のフィン転造ロール4を示している。この実施形
態では、フィン転造ロール4は単一のロール部材30F
を有し、このロール部材30Fの外周面に単純な螺旋状
をなすフィン転造溝40が形成されるとともに、フィン
転造溝40を除くロール部材30Fの外周面は粗面化さ
れて粗面44が形成されていることを特徴としている。
このように、本発明は単純な螺旋溝の製造にも適用する
ことができ、板条材Tの伸びを抑制して、背の高いフィ
ン52を形成することが可能である。フィン転造溝40
の傾斜角度や断面形状、その他の構成などは前述の各実
施形態と同様でよい。
【0049】以上、複数の実施形態を説明したが、本発
明は上記実施形態のみに限定されるものではなく、例え
ば、ロール部材の外周面に形成される凹凸構造は溝でな
く多数の独立したディンプルであってもよいし、ロール
軸方向または周方向に直線的に延びる溝であってもよ
い。
【0050】また、各実施形態の特徴点を適宜組み合わ
せてもよい。例えば、フィン転造ロール4に縮径部45
を形成すると同時に、受けロール6にも縮径部46を形
成してもよい。粗面44の形成位置も必要に応じて適宜
調整してよい。例えば、粗面化の程度をロール部材の軸
方向に変化させてもよい。
【0051】また、ロール部材30B〜30Eは互いに
拡散接合されていてもよい。拡散接合を行うには、各ロ
ール部材30B〜30Eのフィン転造溝40の位置を揃
えたうえ、これらを治具を用いて相互に加圧して密着さ
せ、全体を真空加熱炉に入れてロール材料である超硬合
金の再結晶温度付近まで加熱する。これにより、ロール
部材30B〜30Eの当接面において原子の拡散が生じ
て、各ロール部材30B〜30Eが相互に接合される。
このようにロール部材30B〜30Eを拡散接合するこ
とにより、各ロール部材30B〜30Eの端面は全面に
亘って強固に接合され、フィン転造溝40の屈折部にお
いて突き合わされた溝隔壁(フィン転造溝40同士の間
の突条部分)の端面同士までもが一体的に連結される。
よって、材料流れによりフィン転造溝40の屈折部に過
大な圧力がかかった場合にも、屈折部で突き合わされた
溝隔壁の末端が欠損しにくくなる利点がある。ロール部
材30Bと30C、30Dと30Eのみを拡散接合する
ことも可能である。この場合には、特に損傷しやすい転
造終端領域Aと対向する部分のエッジ欠損のみを防止す
る効果が得られる。
【0052】各サイドロール30Aがロール部材30B
〜30Eに対して拡散接合されていない場合、サイドロ
ール30Aの交換は容易に行える。サイドロール30A
は板条材Tの両側縁に一定幅の平滑部50をそれぞれ形
成する作用を有し、これら平滑部50の幅や厚さは電縫
溶接に多大な影響を与える。したがって、板条材Tの材
質や厚さ等が変更された場合には、平滑部50の幅や厚
さを調整するためにサイドロール30Aの寸法や形状を
変更する必要が生じるが、本実施形態であれば、その変
更が容易に行える。予め、サイドロール30Aは寸法の
異なるものを数種類用意しておくとよい。
【0053】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明に係るフィ
ン転造ロールおよび溝付伝熱管の製造装置によれば、ロ
ール本体のフィン転造用凹部を除く外周面の少なくとも
一部が、フィン転造用凹部の内面よりも粗面化されてい
るから、フィン転造ロールが板条材の表面を圧迫してフ
ィンを転造する際に、ロール外周面である粗面と板条材
との間に働く摩擦力を高めることができ、圧縮された板
条材が長手方向および幅方向に延びる現象を抑制でき
る。したがって、その分、フィン転造用凹部への材料の
充填圧力を高めることができる。さらに、フィン転造用
凹部の内面は平滑面にされているから、転造圧力を過剰
に高めなくとも、フィン転造用凹部の奥まで材料が滑ら
かに流れ込み、背の高いフィンが容易に形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る溝付伝熱管の製造装置の第1実
施形態を示す側面図である。
【図2】 同製造装置のフィン転造ロールを示す部分正
面図である。
【図3】 同製造装置のフィン転造ロールの断面図であ
る。
【図4】 同製造装置のフィン転造過程を示す断面拡大
図である。
【図5】 従来技術によるフィン転造過程を示す断面拡
大図である。
【図6】 同製造装置により得られた内面溝付伝熱管の
一部展開図である。
【図7】 他の実施形態のフィン転造ロールの部分正面
図である。
【図8】 他の実施形態のフィン転造ロールの部分正面
図である。
【図9】 他の実施形態のフィン転造ロールの部分正面
図である。
【図10】 図9の実施形態のフィン転造ロールにより
転造された板条材を示す断面図である。
【図11】 他の実施形態のフィン転造ロールの部分正
面図である。
【図12】 図11の実施形態のフィン転造ロールによ
り転造された板条材を示す断面図である。
【図13】 他の実施形態のフィン転造ロールの部分正
面図である。
【符号の説明】
1 アンコイラ 4 フィン転造ロール 6 受けロール T 板条材 10 フォーミングロール 14 誘導加熱コイル 30 ロール本体 30A サイドロール 30B〜30E ロール部材 40 フィン転造溝 42 フィン転造溝の内面 42a フィン転造溝の入り口側内面 44 粗面 45,46 縮径部 52 フィン 54 溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B21H 8/02 B21H 8/02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外周面にフィン転造用凹部が形成された
    ロール本体を具備し、このロール本体の前記フィン転造
    用凹部を除く前記外周面の少なくとも一部は、前記フィ
    ン転造用凹部の最大深さの1/2よりも浅い部分におけ
    る前記フィン転造用凹部の内面よりも粗面化されている
    ことを特徴とするフィン転造ロール。
  2. 【請求項2】 外周面に螺旋状をなすフィン転造溝が形
    成されたロール本体を具備し、このロール本体の前記フ
    ィン転造溝を除く前記外周面の少なくとも一部は、前記
    フィン転造溝の最大深さの1/2よりも浅い部分におけ
    る前記フィン転造溝の内面よりも粗面化されていること
    を特徴とするフィン転造ロール。
  3. 【請求項3】 外周面にジグザグ形状をなすフィン転造
    溝が軸線方向に延びるように形成されたロール本体を具
    備し、このロール本体の前記フィン転造溝を除く前記外
    周面のうち少なくとも一部は、前記フィン転造溝の最大
    深さの1/2よりも浅い部分における前記フィン転造溝
    の内面よりも粗面化されていることを特徴とするフィン
    転造ロール。
  4. 【請求項4】 前記粗面化された部分の面粗さは0.3
    〜6μmRaであり、前記フィン転造溝の最大深さの1
    /2よりも浅い部分における前記フィン転造溝の内面の
    面粗さは前記粗面化された部分の面粗さよりも小さくか
    つ1.2μmRa以下であることを特徴とする請求項1
    〜3のいずれかに記載のフィン転造ロール。
  5. 【請求項5】 金属製の板条材を挟んで圧延することに
    より前記板条材の一面にフィンを転造するフィン転造ロ
    ールおよび受けロールと、 前記フィンが形成された板条材を、前記フィンが内周側
    または外周側に位置するように、管状に成形するための
    複数のフォーミングロールと、 管状に成形された前記板条材の両端縁を加熱したうえ突
    き合わせて溶接するための溶接機構とを具備し、 前記フィン転造ロールとして、請求項1〜4のいずれか
    に記載されたフィン転造ロールを使用することを特徴と
    する溝付伝熱管の製造装置。
  6. 【請求項6】前記ロール本体の外周面は、前記フィン転
    造ロールの回転に伴って板条材上で個々のフィンが最後
    に形成される領域と対向するフィン転造末端領域を除く
    領域の少なくとも一部において、粗面化されていること
    を特徴とする請求項5記載の溝付伝熱管の製造装置。
JP2001382204A 2001-12-14 2001-12-14 フィン転造ロールおよび溝付伝熱管の製造装置 Withdrawn JP2003181533A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008304014A (ja) * 2007-06-08 2008-12-18 Mitsubishi Heavy Ind Ltd トラクションドライブおよびその表面処理方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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