JP2003181228A - 再使用可能なフィルターユニット - Google Patents

再使用可能なフィルターユニット

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JP2003181228A JP2001389473A JP2001389473A JP2003181228A JP 2003181228 A JP2003181228 A JP 2003181228A JP 2001389473 A JP2001389473 A JP 2001389473A JP 2001389473 A JP2001389473 A JP 2001389473A JP 2003181228 A JP2003181228 A JP 2003181228A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】洗浄時にプリーツの形態が崩れたり、濾材の不
織布層の構造が破壊されることのない、そして、洗浄後
もフィルター性能を保持する再使用可能なフィルターを
提供する。 【解決手段】ポリエステル繊維と、30%以上のレーヨ
ン繊維を含む少なくとも2層の繊維層が積層され、互い
に交絡されてバインダーによる接着で一体化されている
と共に、濾過する空気の入口側から出口側に粗から密へ
の密度勾配を有してなる積層フィルターをプリーツ状に
加工し、濾過空気の入口側を不織布補強材3で補強して
フィルター1全体として枠型2に組み込み容易な箱型ユ
ニットに構成し、枠型に組み込む周囲の接合部やシール
部はホットメルト樹脂で接着する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は不織布を用いたエア
ーフィルターに係り、詳しくは空気中の微粒子を捕集し
た後、使い捨てすることなく、洗浄し、再使用が可能な
フィルターユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】ビル空調用のフィルターは、一般にユニ
ット毎に交換されるが、最近ではユニットの支持枠を残
して濾材のみを交換する方法が主流になっている。濾材
は使い捨てがほとんどである。
【0003】濾材はガラス繊維,紙、もしくは不織布で
あり、不織布の場合、殆どはポリプロピレン(PP)メ
ルトブローである。しかし、メルトブロー不織布は剛性
が低いため、プリーツ保持性に劣り、そのために通常、
補強を目的に剛性のある不織布が裏打ちされている。こ
の不織布は濾材用と補強用とで繊維の充填密度が異な
る。濾材として使用する不織布とメルトブロー不織布と
組み合わせた場合、その構造は密度勾配というよりも二
層構造を示している。従って、フィルター寿命が長くな
る可能性は期待できない。なお、補強用不織布としては
レジンボンド,スパンボンド,サーマルボンドが利用さ
れているが、大部分がレジンボンドである。
【0004】このように、ビル空調用のフィルターは二
層構造が主流で、微細粒子を捕集するために下流側に超
極細PP繊維があり、これを補強しプレフィルターの役
目を持たせるために上流側に比較的大きい繊維の不織布
から構成されている。
【0005】ところで、最近、フィルターには再利用の
傾向が強くなっている。一方、洗浄メーカーの技術も進
んでいるが、現行のビル空調用のフィルターでは再使用
するための対応が採られておらず、従って、洗浄等の処
理を施すとプリーツの形態が崩れたり、濾材の不織布層
の構造が壊れたり、また、濾材の上下のシール部が剥が
れユニットの形態が壊れる等、濾材として再使用するこ
とが難しい状況である。従って、使用後の濾材は使い捨
てせざるを得ないのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述の如き実
状に対処し、特に構成繊維と、フィルターのプリーツ状
化を見出すことにより、ビル空調用のフィルターの再使
用に際し、洗浄時にプリーツの形態が崩れたり、濾材の
不織布層の構造が破壊されたりすることのない、そし
て、洗浄後のフィルター性能も保持して洗浄に耐え得る
優れた再使用可能なフィルターを提供することを目的と
するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
に鑑み、その目的を達成するため鋭意検討を行い、その
結果、特定の繊維層で、少なくとも二層の繊維層が積層
され、上流から下流方向に密度勾配の構造を持つ一体化
されたものがフィルター使用後の洗浄に充分に耐え得る
ことを知見し、本発明に到達した。
【0008】即ち、本発明は繊維層で作られた積層フィ
ルターが特定の枠型に組み込まれた再使用可能なフィル
ターユニットであって、該積層フィルターは30%以上
のレーヨン繊維を含む少なくとも2層の繊維層が積層さ
れて後、交絡処理され、引き続きバインダーによる接着
で一体化されていると共に、厚さ方向に濾過空気の入口
側から出口側方向に粗から密の構造を有するもので、該
積層フィルターはプリーツ状の構造に加工され、濾過空
気の入口側に不織布補強材を補強し、全体として枠型に
組み込み容易な箱型ユニットに構成され、枠型に組み込
む周囲の接合部やシール部はホットメルト樹脂で接着さ
れていることを特徴とする。
【0009】請求項2〜9に係る発明は、上記発明のよ
り具体的な各態様であり、請求項2に係る発明は、前記
プリーツ状に加工される積層フィルターを、少なくとも
2層の繊維層を積層し、互いに交絡してバインダーによ
る接着で一体化した後、所要の幅でジグザグ状に折り返
し重畳し、所要厚さの構造体としてプリーツ状に加工
し、濾過表面積を更に増大せしめたことにある。
【0010】請求項3の発明は、繊維層を構成する繊維
成分が熱接着繊維と非接着繊維からなっていて、接着繊
維が少なくとも15wt%以上含まれていることを特徴
とする。また、請求項4に係る発明は、前記の熱接着繊
維がコンジュゲイトのシースコアー(芯鞘)又はサイド
バイサイド構造の繊維であること、そして請求項5に係
る発明は繊維層を構成する繊維の種類であり、難溶性を
有するレーヨン繊維とポリエステル繊維からなることを
夫々特徴とする。
【0011】請求項6に係る発明は積層される繊維層の
交絡がニードルパンチあるいはウォータージェットによ
る絡合であること、更に請求項7に係る発明は、前記繊
維間を接着するバインダーが難燃成分を有する水性エマ
ルジョンであることを夫々特徴とする。また、請求項8
に係る発明はプリーツ形状に加工された積層フィルター
の濾過空気入口側を補強する補強材として積層フィルタ
ーと同じ積層不織布を用いる場合である。なお、請求項
9は枠型に組み込む周囲の接合部やシール部を接着すホ
ットメルト樹脂としては、ポリアミド樹脂,ポリウレタ
ン樹脂,あるいはポリオレフィン樹脂を用いることを特
徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、更に本発明の具体的な実施
の形態を詳述する。
【0013】本発明は前述の如く、特にビル空調に適し
た再使用可能なフィルターユニットであり、少なくとも
2層の繊維層が積層され、互いに交絡されてバインダー
による接着で一体化され、濾過空気の入口側から出口側
に粗密への密度勾配を有している構造の積層フィルター
をプリーツ状に加工し、濾過空気入口側を補強材で補強
して保形性を向上させて特定の枠型に組み込みを容易と
したものである。
【0014】図1は本発明フィルターユニットを枠型に
組み込んだ状態、図2は本発明に係るフィルターユニッ
トの1例を示す夫々正面概観図、図3は同フィルターユ
ニットの平断面図である。これら各図において、1は少
なくとも2層の繊維層を積層し、互いに交絡しバインダ
ーによる接着で一体化してなる積層フィルター1aをプ
リーツ状に加工することによって形成したフィルター本
体であり、特定の枠型2に組み込まれて再使用が可能と
なっている。
【0015】ここで積層フィルターは、フィルター本体
1の作成にあたり、図3に示すように積層フィルター1
aを所要の巾でジグザグ状に折り返し重畳せしめて所要
厚さtの構造体として形成し、この構造体を図示の如く
大きくプリーツ状に屈曲形成せしめることによって作成
することが濾過表面積を増大し、濾過効率を高める上で
効果的である。例えば、図示の場合、プリーツ状に屈曲
されて4つのV字形が形成されているが、各V字形の各
辺に更に夫々通常50山がジグザグ状に重畳的に折り返
し形成されており、従って全体では400山が形成され
た状態となっている。しかし、勿論、かかる構造に限定
されることなく、各辺のジグザグ状折り返しに代わり適
宜、積層フィルターを所要厚さに加工してフィルター本
体1とすることも可能である。
【0016】上記フィルター本体1を構成する積層フィ
ルター1aは、前述の如く少なくとも2層の繊維層を積
層し、互いに交絡処理を施し、バインダーによる接着に
より一体化されたものであり、 図4は、当該繊維層を
積層し、交絡処理を施した積層フィルター1aを示し、
繊維層の積層後に交絡処理を密層cから粗層a方向に向
かって施すことにより層間が一体となり、フィルター使
用後の洗浄処理において生じ易い層間剥離が防止される
ようになっている。更にバインダーによる接着処理はフ
ィルターの粗面側,密面側のそれぞれの裏面が洗浄によ
り荒れたり、毛羽立ち等を起こすのを防ぐ役目をしてい
る。
【0017】積層フィルター1aは、図4矢示の空気流
入方向に粗層a,中層b,密層cの密度勾配型構造とな
っているために濾過性能が従来の単層型に比較してダス
トが表面に集まることなく層全体に粒度分布しながら蓄
積されるため、効率がよく、使用後の洗浄は常に密から
粗へと蓄積粒子が容易に離れ易くなり、濾過性能の低下
を防ぐことができる。
【0018】上記積層フィルターを構成する繊維層に使
用する繊維としては、レーヨン繊維を主体に合成繊維、
とりわけポリエステル繊維との混綿がよく、就中、レー
ヨン繊維を30%以上含有した混綿は最も好適である。
【0019】レーヨン繊維は親水性繊維であるために繊
維層の積層後に交絡処理し、更にバインダーによる接着
処理を行うに際し、親水性繊維であるレーヨン繊維の存
在により、繊維間の接着を良好ならしめる。また、ポリ
エステル繊維100重量%では積層不織布の厚さ調整が
困難であるのに対し、厚さ調整が容易にできる利点を有
すると共に、更に使用後のフィルターの洗浄にあたり、
レーヨン繊維の存在により水分との関係で伸縮を起こ
し、その結果、捕集した塵埃を落とし易く、また乾燥後
の形態をよくする効果もあることが知見されている。勿
論、混合する合成繊維もポリエステル繊維に限らず、ナ
イロン,ポリオレフィン系繊維なども使用可能であり、
適宜混合し得ることは云うまでもない。
【0020】積層フィルター1aは使用に際し、前述の
如く図3に示すようにプリーツ状に加工されるが、その
ままフィルターユニットとして使用すると濾過する空気
が当たる面の山部や谷部が変形し易くなり、また、使用
後の洗浄によって容易に変形し再使用できなくなる。従
って濾過空気流入側の山部,谷部に図3に示すように補
強材3をもって補強することにより変形し難い良好なフ
ィルターユニットとすることができる。この場合、補強
材3として積層フィルターを構成する繊維層と同じ不織
布を使用することにより濾過面積を減少させめことなく
濾過することができる。
【0021】また、プリーツ状で空気流入側の山部,谷
部が補強された積層フィルターからなるフィルター本体
1は天井部5と底部4の両側を不織布で囲うことにより
空気漏れを防止して箱型のユニットができる。なお、上
記天井部5と底部4の両側はシールのため接着するが、
接着にはホットメルト樹脂が好適で、使用後のフィルタ
ー洗浄に対し接着部やシール部が剥がれにくい。なお、
塗布面の厚さとしては100μm〜400μmの範囲が
好ましい。
【0022】以上のようにして得られたフィルターユニ
ットは、不織布だけで構成されており、木,金属等を使
用していないため、軽く、経済性にも良好であると共
に、不織布だけであることから、使用後の処理も容易
で、再使用が可能のため、環境対策の一助にもなる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比しつつ
具体的に説明する。なお、以下の実施例,比較例におけ
る目付量,厚さ,成形性及び濾過性能,洗浄性の評価又
は測定は下記の方法に従って行った。
【0024】(1)目付量;JIS L1906の4.
2に記載の方法に準処して求めた。
【0025】(2)厚さ;JIS L1906の4.1
に記載の方法に従って荷重2KPaで測定した。
【0026】(3)成形性;濾材に30mmの折り筋を
入れる、次にプリーツ加工機に通して濾材を折り曲げ、
熱板の間で山部を熱セットする。100山当たりの長さ
でセット性を評価した。
【0027】(4)水濡れ性;濾材の洗浄を可能にする
にはその濾材の水への濡れ性が関係する。各濾材につい
て1cmの大きさの濾片を水面に落とし、その沈降状
態を評価した。
【0028】(5)濾過性能;JIS D1612に順
次、試験風速60m/sec、粉体JIS Z8901
NO.8で行った。
【0029】(6)洗浄試験 (a)下地洗い(洗剤・35℃の浴槽・フィルターの前
後からエアーブロー・上下、左右に移動しながら5分
間) (b)すすぎ洗い(フィルターを上下しながら前後から
水シャワーで、、5分間) (c)整列台に置く (d)超音波洗浄(フィルター前後に超音波をあてる・
上下、左右に移動しながら5分間) (e)すすぎ洗い(フィルターを上下しながら前後から
水シャワーで、5分間) (f)整列台に置く (g)すすぎ洗い(フィルター前後からエアーブローし
ながら上下、5分間) (h)すすぎ洗い(フィルター前後を水シャワーで、5
分間) (i)殺菌(フィルターを上下しながら前後からシャワ
ー) (j)乾燥
【0030】実施例1 繊度2.2デニール、繊維長51mmのポリエステル繊
維(融点:260℃)10重量%と、繊度1.7デニー
ル、繊維長38mmのポリエステル繊維10重量%、繊
度2.2デニール、繊維長51mmのレーヨン60重量
%、繊度1.7デニール、繊維長32mmのレーヨンと
からなる目付38g/mの密層用繊維(平均繊度:
2.05デニール)と、繊度2.2デニール、繊維長5
1mmのポリエステル繊維(融点:260℃)30重量
%と、繊度3.3デニール、繊維長51mmのレーヨン
繊維70重量%からなる38g/mの中層用繊維層
(平均繊度:2.97デニール)と、繊度2.2デニー
ル、繊維長51mmのポリエステル繊維(融点:260
℃)45重量%と、繊度6.6デニール、繊維長64m
mのポリエステル繊維25重量%、繊度3.3デニー
ル、繊維長51mmのレーヨン30重量%からなる目付
38g/mの粗層用繊維層(平均繊度3.63デニー
ル)とを積層した後、ニードルパンチ処理を施し、難燃
性能を有する水溶性エマルジョン樹脂に浸漬し、乾燥し
て樹脂付着量24重量%の積層不織布を得た。
【0031】得られた積層不織布は巾カットしてプリー
ツ状に加工し、所定の面積として、濾過空気の入口側プ
リーツ状の山,谷部夫々60mmの巾を同じ積層不織布
で補強した。プリーツ状の補強積層は枠型に組み込むた
めに箱型のユニットとして、その天井部と底部やその周
囲のシール部をホットメルト樹脂であるポリアミド樹脂
(商品名:マクロメルト6202 メーカー:ヘンケン
ジャパン(株))で接着とシールを施した。樹脂の塗布
量は厚さが300μmとして再使用可能なフィルターユ
ニットを得た。
【0032】実施例2 実施例1における密層用のポリエステル繊維(融点:2
60℃)の内、繊度2.2デニール、繊維長51mmと
繊度1.7デニール、繊維長38mmの重量%がそれぞ
れ5重量%で、繊度2デニール、繊維長51mmの複合
ポリエステル繊維(ポリエステル/低融点ポリエステル
(融点:110℃))が10重量%。また、中層用の繊
度2.2デニール、繊維長51mmのポリエステル繊維
15重量%と、繊度2デニール、繊維長51mmの複合
ポリエステル繊維(ポリエステル/低融点ポリエステル
(融点:110℃))が10重量%。粗層用の繊度6.
6デニール、繊維長64mmのポリエステル繊維15重
量%、繊度6デニール、繊維長51mmの複合ポリエス
テル繊維(ポリエステル/低融点ポリエステル)が10
重量%であること以外は同じとして密層,中層,粗層を
それぞれ積層し、ニードルパンチ処理後、引き続き13
0℃のピンテンター式熱処理機で1分間熱処理した後は
それ以降、実施例1と同じ工程を通し、再使用可能なフ
ィルターユニットを得た。
【0033】比較例1 市販されているプリーツ折した本発明と同型のフィルタ
ーユニットで、外枠が普通の合板で濾材は超極細ポリプ
ロピレン繊維からなるフィルターユニットである。
【0034】比較例2 実施例1における不織布層の密層,中層,粗層の各層の
レーヨン成分のかわりにポリエステル繊維としたこと以
外は同じ条件で作成した。 密層:レーヨン2.2デニール、51mmのかわりに
2.2デニール、51mmのポリエステル繊維を、レー
ヨン1.7デニール、32mmのかわりに1.7デニー
ル、38mmのポリエステル繊維を使用した。 中層:レーヨン3.3デニール、51mmのかわりに
3.3デニール、51mmのポリエステル繊維を使用し
た。 粗層:レーヨン3.3デニール、51mmのかわりに
3.3デニール、51mmのポリエステル繊維を使用し
た。
【0035】以上の実施例1及び2ならびに比較例1に
もとづいて濾過性能と加工性を夫々評価し、対比した。
その結果を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】上記表1から明らかなように、実施例1,
2は濾過性能は普通であるが、プリーツ加工性がよく水
濡れが良い。このことはフィルター使用後の洗濯が可能
なことを示している。それに比較して、比較例1のフィ
ルター不織布のプリーツ加工はフィルターの厚さ方向に
バルキーな状態のため十分な折り目がつきにくく、実施
例1,2は100山当たりの長さが260mmであるの
に対し、比較例1は100山当たり280mmと長く、
その結果、濾過面積が少なくなり、製品としては不十分
なものであった。従って濾過性能は良いが、成形性に難
があり、特に水濡れ性が良くなく、特にポリエステル1
00パーセントの濾材は沈降せず、濡れ性が悪いことを
示した。このことは洗濯性が悪いことを示している。ま
た、実施例1,2は水洗後の乾燥(温度120℃,時間
30mim)の収縮率が1%あり、製品の再使用の際、
濾材が弛むことなく、綺麗に張っていることを示してい
る。
【0038】次に本発明の実施例1についてフィルター
ユニットの状態で濾過性能を評価し、実施例1と同じユ
ニット形態の比較例2によるフィルターユニットの濾過
性能の評価と対比して、その結果を表2に示す。
【0039】
【表2】
【0040】上記表2より比較例2の市販の面濾過タイ
プと比較して本発明のものは三層構造であるため、初期
圧損が低く、その結果、捕集量(DHC)が大きくなる
ことを示している。
【0041】更に引き続き本発明の実施例1及び2と比
較例2の市販品について、さきに示した条件にもとづい
て洗濯試験を行い、フィルターユニットを300mmA
q使用後に洗濯可能か、テストした。その結果を洗浄後
のフィルター性能と共に表3に示す。
【0042】
【表3】
【0043】上記表3より比較例2の市販品は洗浄によ
って出口側の表面が剥離して再使用が出来なかったが、
実施例1,2は形態の保持が良好で、再使用可能であっ
た。しかも、洗浄後のフィルター性能の評価結果より充
分、濾過性能を有していることが分かった。
【0044】
【発明の効果】本発明の再使用可能なフィルターユニッ
トは、以上のような各構成からなり、従来、洗浄、再使
用が困難であったエアーフィルターに対して、使用後の
洗浄でプリーツの形態が崩れたり、濾材の不織布層の構
造が壊れたりすることがなく、濾材の再使用が可能とな
り、その結果、ユーザーは新規フィルターユニットを購
入する必要がなく、コストの低減が計られる。また、使
用済みフィルターユの交換において同一の不織布である
ために、軽くてコンパクトにできるため、製品の輸送や
交換時の作業性が大幅に改善されるのみならず、再使用
のため使用済みフィルターは同一の不織布であるため、
廃棄処理が容易で、かつ廃棄量が減少することにより環
境対策の一助となるなどの各効果が期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るフィルターユニットを枠型内に組
み込んだ状態の正面概要図である。
【図2】本発明に係る箱型ユニットの1例を示す正面概
要図である。
【図3】本発明に係るフィルターユニットの詳細構造を
示す一部省略平面図である。
【図4】本発明における積層フィルターの繊維層の構成
を示す説明図である。
【符号の説明】
1 フィルター本体 1a 積層フィルター 2 枠型 3 補強材 4,5 ホットメルト樹脂

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繊維層よりなる積層フィルターで形成さ
    れ、特定の枠型に組み込まれる再使用可能なフィルター
    ユニットであって、前記積層フィルターは30%以上の
    レーヨン繊維を含む少なくとも2層の繊維層が積層さ
    れ、互いに交絡されてバインダーによる接着で一体化さ
    れていると共に、濾過する空気の入口側から出口側に粗
    から密への密度勾配を有してなり、該積層フィルターは
    プリーツ状に加工され、濾過空気の入口側は不織布補強
    材で補強されて全体として枠型に組み込み容易な箱型ユ
    ニットに構成され、枠型に組み込む周囲の接合部やシー
    ル部はホットメルト樹脂で接着されていることを特徴と
    する再使用可能なフィルターユニット。
  2. 【請求項2】少なくとも2層の繊維層よりなる積層フィ
    ルターがジグザグ状に重畳的に折り返され、所要厚みの
    構造体としてプリーツ状に加工されている請求項1記載
    の再使用可能なフィルターユニット。
  3. 【請求項3】繊維層が熱接着繊維と非熱接着繊維からな
    り、接着繊維が少なくとも15wt%以上含有されてい
    る請求項1または2記載の再使用可能なフィルターユニ
    ット。
  4. 【請求項4】繊維層を構成する構成繊維の熱接着繊維が
    コンジュゲートのシースコアー、又はサイドバイサイド
    繊維である請求項3記載の再使用可能なフィルターユニ
    ット。
  5. 【請求項5】繊維層を構成する繊維が難燃性を有するレ
    ーヨン繊維とポリエステル繊維からなる請求項1,2,
    3または4記載の再使用可能なフィルターユニット。
  6. 【請求項6】積層されている繊維層がニードルパンチあ
    るいはウォータージェットにより絡合一体化されている
    請求項1〜5の何れかの項に記載の再使用可能なフィル
    ターユニット。
  7. 【請求項7】繊維間を接着するバインダーが難燃成分を
    有する水性エマルジョンである請求項1〜6の何れかの
    項に記載の再使用可能なフィルターユニット。
  8. 【請求項8】プリーツ状に加工された積層フィルターの
    空気入口側の補強材が積層フィルターと同じ積層不織布
    である請求項1〜7の何れかの項に記載の再使用可能な
    フィルターユニット。
  9. 【請求項9】枠型に組み込む周囲の接合部やシール部を
    接着するホットメルト樹脂がポリアミド樹脂,ポリウレ
    タン樹脂,あるいはポリオレフィン樹脂である請求項1
    〜8の何れかの項に記載の再使用可能なフィルターユニ
    ット。
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