JP2003180050A - ブラシレスモータ - Google Patents

ブラシレスモータ

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ロータに対し分銅を確実に固定させるように
したブラシレスモータを提供する。 【解決手段】 このブラシレス振動モータ10は、振動
発生源として利用するための分銅33をもっており、分
銅33はロータ30に固定されている。この分銅33
は、ロータ30の外周縁30bからラジアル方向に迫り
出した分銅本体部35のみならず、分銅本体部35と一
体をなす分銅支持部34を有している。この分銅支持部
34は、ロータ30の平面部分に当接配置させる平板形
状を有しているので、この当接部分に溶接等を施し易
く、ロータ30に分銅33を固定させる際の作業性が良
くなる。分銅33の構成要素のうちで分銅本体部35
は、振動バランスに与える影響が大きく、精度良く成形
する必要がある。そこで、成形時の収縮等の変形を考慮
して、分銅本体部35に成形時に変形が起こりにくいよ
うに、分銅本体部35は分銅支持部34と一体的に形成
されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、携帯電話などの携
帯情報端末機器などに組み込まれて利用されるブラシレ
スモータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、このような分野の技術として、特
許3159202号がある。この特許に記載されたブラ
シレス振動モータで利用される分銅は、円弧状に形成さ
れ、ロータの外周部に溶接を介して固定されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来のブラシ
レスモータには、次のような課題が存在している。すな
わち、分銅を、単にロータの外周部に沿わせるように形
成させ、このような分銅をロータに溶接するようにして
いる。しかしながら、分銅の曲率に不揃いがあると、ロ
ータに分銅を固定する際にして、ロータの外周部と分銅
の内周面との間に隙間が発生し、分銅をロータに確実に
固定させ難いといった問題点があった。特に、直径10
ミリにも満たないような小型のロータにおいては、分銅
の取り付け作業は困難を極める。
【0004】本発明は、上述の課題を解決するためにな
されたもので、特に、ロータに対し分銅を確実に固定さ
せるようにしたブラシレスモータを提供することを目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係るブラシレス
モータは、ベース部材上に設けられたフラックスプレー
トと、フラックスプレート上に設けられた回路基板と、
回路基板上に設けられた2個のコイルと、回路基板上に
設けられたホール素子と、2個のコイルの間に配置させ
たシャフトと、シャフトに固定されて、シャフトと一体
的に回動する円板状のロータと、コイルに対面して配置
されると共に、ロータに固定したマグネットと、ロータ
の平面部分に当接配置させる分銅支持部と、分銅支持部
に一体的に形成されると共にロータの外周縁からラジア
ル方向に迫り出した分銅本体部とからなる分銅と、を備
えたことを特徴とする。
【0006】このブラシレスモータにおいては、ホール
素子からの電気信号に基づいてコイルへの給電を制御す
ることで、シャフトを中心にしてロータを回転させるも
のである。このようなブラシレスモータは、振動発生源
として利用するための分銅をもっており、分銅はロータ
に固定されている。この分銅は、ロータの外周縁からラ
ジアル方向に迫り出した分銅本体部のみならず、分銅本
体部と一体をなす分銅支持部を有している。そして、こ
の分銅支持部は、ロータの平面部分に当接配置させる平
板形状を有しているので、この当接部分に溶接等を施し
易く、これにより、ロータに分銅を固定させる際の作業
性が良くなる。特に、直径10ミリにも満たないような
小型のロータにおいては、分銅の取り付け作業性が良好
になる。更に、分銅の構成要素のうちで分銅本体部は、
振動バランスに与える影響が大きく、精度良く成形する
必要がある。そこで、成形時の収縮等の変形を考慮し
て、分銅本体部に成形時に変形が起こりにくいように、
分銅本体部は分銅支持部と一体的に形成されている。特
に、分銅本体部が、ロータの外周縁に沿うような円弧状
を有している場合には、成形時において分銅本体部が変
形し易いので、分銅が、前述したような分銅支持部をも
つことは有効な方策といえる。
【0007】また、分銅本体部は、ロータの外周縁に沿
って円弧状に形成されると共に、ロータの外周縁からシ
ャフトの軸線方向に沿うようにコイル側に向けて延びる
と好適である。このような構成を採用した場合、分銅の
重量バランスを良好にしながら、分銅の重量を大きくす
ることができる。
【0008】また、ロータの外周縁には、分銅支持部の
縁部に当接し、かつロータのラジアル方向に分銅を支持
する起立爪が設けられると好適である。このような構成
を採用した場合、この起立爪に分銅支持部の縁部を当接
させることで、ロータに対する分銅の位置決めが容易に
なり、組み立て作業性が極めて良好になる。特に、直径
10ミリにも満たないような小型のロータにおいては、
分銅の取り付け作業性が極めて良くなる。しかも、ロー
タの高速回転時に発生する遠心力によって、分銅がロー
タから外れるような事態を、起立爪によって適切に回避
させることができ、モータの耐久性の向上にも寄与す
る。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明に
係るブラシレスモータの好適な実施形態について詳細に
説明する。
【0010】図1及び図2に示すように、ブラシレスモ
ータ10は、携帯電話等の機器内に収容させるために小
型のブラシレス振動モータを構成している。このブラシ
レスモータ10は、図示しない機器の実装基板上に載置
させる載置面12aと、これに対向する部品搭載面12
bとをもったベース部材12を有する。このベース部材
12は、例えばプラスチック、繊維強化プラスチック
(FRP,GFRP,CFRP)などの材料から形成さ
れており、外形が略正方形状をなす。
【0011】このベース部材12の部品搭載面12b上
にはフラックスプレート14が固定され、このフラック
スプレート14は、例えば珪素鋼板で成形されて、モー
タ10の起動を滑らかにする機能をもっている。また、
ベース部材12の部品搭載面12b上で支持した回路基
板16は、フラックスプレート14を覆うように固定さ
れている。この回路基板16は、外形が略正方形状をな
し、ベース部材12と同程度の大きさを有している。こ
の回路基板16は、フレキシブル配線基板などから形成
されており、上面には配線が印刷形成されている。
【0012】また、ベース部材12には、側方に突出す
る4本の端子21〜24が固定され、各端子21〜24
は、折り曲げ成形された金属製の板バネからなる。そし
て、左右一対の端子21,22の基端は、回路基板16
の所定の回路部位に半田を介して電気的に接続され、左
右一対の端子23,24の基端は、回路基板16に接続
されることなく、ベース部材12に埋設されるようにし
て固定されている。
【0013】更に、ベース部材12の部品搭載面12b
の中央には、ラジアル軸受18が設けられ、このラジア
ル軸受18は、シャフト20を回転自在に支持してい
る。また、回路基板16上には、シャフト20を挟むよ
うに2個のコイル25が固定されている。これらのコイ
ル25は偏平コイルにより構成されている。更に、回路
基板16上には、磁気を検知するホール素子(磁電変換
素子)27、モータ駆動用素子26及びその他の電子部
品が搭載されている。そしてホール素子27からの電気
信号に基づいてコイル25への給電を制御する。
【0014】更に、図1及び図2に示すように、シャフ
ト20の先端には、シャフト20と一体的に回転する直
径8mm程度の小型の円板状ロータ30が固定されてい
る。そして、ロータ30の下面には、回路基板16上に
設けられたコイル25と対向するように、リング状のマ
グネット31が接着剤を介して固定されている。また、
ベース部材12とカバー32とで筐体19を構成し、こ
の筐体19は、例えば、縦11mm×横11mm×高さ
3.6mmの大きさを有し、小型化が図られている。
【0015】このようなモータ10は、振動モータとし
て構成させる必要があるので、図3に示すように、ロー
タ30には、シャフト20に対する重量配分を不均等に
するために、ロータ30の少なくとも一部に焼結タング
ステンなどの高比重の材料からなる分銅33が偏心的に
固定されている。この分銅33は、図3及び図4に示す
ように、ロータ30の平面部分30aに当接配置させる
半月状の分銅支持部34と、分銅支持部34に一体的に
形成されると共にロータ30の外周縁30bからロータ
30のラジアル方向に迫り出した円弧状の分銅本体部3
5とからなる。そして、分銅支持部34は、ロータ30
の平面部分30aに当接させた状態で、レーザ溶接など
による2カ所の溶接部36をもってロータ30に固定さ
れている。なお、2カ所の溶接部36は、後述の各起立
爪37と分銅支持部34とに架け渡されるようにそれぞ
れ設けられている。分銅支持部34は、ロータ30の平
面部分30aに当接させた状態で、この当接部分を接着
剤によってロータ30に固定させてもよい。
【0016】このように、分銅33は、ロータ30の外
周縁30bからラジアル方向に迫り出した分銅本体部3
5のみならず、この分銅本体部35と一体をなす分銅支
持部34を有している。そして、この分銅支持部34
は、ロータ30の平面部分30aに当接配置させる平板
形状を有しているので、この当接部分にスポット溶接等
が施し易く、これにより、ロータ30に分銅33を固定
させる際の作業性が良くなる。特に、直径10ミリにも
満たないような小径のロータ30においては、分銅33
の取り付け作業性は良くなる。
【0017】更に、分銅33の構成要素のうちで分銅本
体部35は、振動バランスに与える影響が大きく、精度
良く成形する必要がある。そこで、焼結成形時の収縮変
形を考慮して、分銅本体部35に焼結成形時の変形が起
こりにくいように、分銅本体部35は、分銅支持部34
と一体的に形成させている。特に、分銅本体部35が、
ロータ30の外周縁に沿うような円弧状を有している場
合には、焼結成形時において分銅本体部35が変形し易
いので、分銅33が、前述したような分銅支持部34を
もつことは有効な方策といえる。
【0018】また、分銅本体部35は、ロータ30の外
周縁30bに沿って円弧状に形成されると共に、ロータ
30の外周縁30bからシャフト20の軸線方向に沿う
ようにコイル25側に向けて延び出る。このような分銅
本体部35の採用により、分銅33の重量バランスを良
くしながら、分銅33の重量を適切に大きくすることが
できる。
【0019】更に、図3及び図5に示すように、ロータ
30の外周縁30bには、分銅33をロータ30のラジ
アル方向に支持する2本の起立爪37が折り加工によっ
て形成されている。また、各起立爪37は、分銅本体部
35からロータ30の外周縁30bに沿って延びる分銅
支持部34の円弧状縁部34aに当接させる。そして、
左右一対の起立爪37,37間に分銅本体部35を配置
させるようにして、2本の起立爪37,37で分銅支持
部34を、ロータ30のラジアル方向に支持する。
【0020】このように、各起立爪37に分銅支持部3
4の縁部34aを当接させることで、ロータ30に対す
る分銅33の位置決めが容易になり、組み立て作業性が
極めて良好になる。特に、直径10ミリにも満たないよ
うな小径のロータ30では、分銅33の取り付け作業性
が極めて良好になる。しかも、ロータ30の高速回転時
に発生する遠心力によって、分銅33がロータ30から
外れるような事態を、各起立爪37によって適切に回避
させることができ、ブラシレスモータ10の耐久性の向
上に寄与することになる。
【0021】また、図5に示すように、ロータ30の外
周縁30bには、マグネット31をロータ30のラジア
ル方向に支持する2本の爪部38が折り加工によって形
成されている。また、各爪部38は、ロータ30の外周
縁30bに沿って延在するリング状のマグネット31の
縁部31aに当接させる。そして、2本の起立爪38,
38でマグネット31を、ロータ30のラジアル方向に
支持する。
【0022】このように、各爪部38にマグネット31
の縁部31aを当接させることで、ロータ30に対する
マグネット31の位置決めが容易になり、組み立て作業
性が極めて良好になる。特に、直径10ミリにも満たな
いような小径のロータ30では、マグネット31の取り
付け作業性が極めて良好になる。しかも、ロータ30の
高速回転時に発生する遠心力によって、マグネット31
がロータ30から外れるような事態を、各爪部38によ
って適切に回避させることができ、ブラシレスモータ1
0の耐久性の向上に寄与することになる。
【0023】
【発明の効果】本発明によるブラシレスモータは、以上
のように構成されているため、次のような効果を得る。
すなわち、ベース部材上に設けられたフラックスプレー
トと、フラックスプレート上に設けられた回路基板と、
回路基板上に設けられた2個のコイルと、回路基板上に
設けられたホール素子と、2個のコイルの間に配置させ
たシャフトと、シャフトに固定されて、シャフトと一体
的に回動する円板状のロータと、コイルに対面して配置
されると共に、ロータに固定したマグネットと、ロータ
の平面部分に当接配置させる分銅支持部と、分銅支持部
に一体的に形成されると共にロータの外周縁からラジア
ル方向に迫り出した分銅本体部とからなる分銅とを備え
たことにより、ロータに対し分銅を確実に固定させるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るブラシレスモータの一実施形態を
示す平面図である。
【図2】図1に示したブラシレスモータにカバーを装着
した状態でのII−II線に沿う断面図である。
【図3】ロータに分銅を装着した状態を示す平面図であ
る。
【図4】図3のIV−IV線に沿う断面図である。
【図5】図3のV−V線に沿う断面図である。
【符号の説明】
10…ブラシレスモータ、12…ベース部材、14…フ
ラックスプレート、16…回路基板、20…シャフト、
25…コイル、27…ホール素子、30…ロータ、30
a…ロータの平面部分、30b…ロータ30の外周縁、
31…マグネット、33…分銅、34…分銅支持部、3
4a…分銅支持部の縁部、35…分銅本体部、37…起
立爪。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5D107 AA11 BB08 DD09 5H019 BB01 BB05 BB15 BB20 BB22 CC02 CC09 DD06 EE07 EE13 FF00 FF03 5H607 AA00 BB01 BB09 BB13 CC01 CC03 DD16 EE58 GG09 JJ04

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベース部材上に設けられたフラックスプ
    レートと、 前記フラックスプレート上に設けられた回路基板と、 前記回路基板上に設けられた2個のコイルと、 前記回路基板上に設けられたホール素子と、 前記2個のコイルの間に配置させたシャフトと、 前記シャフトに固定されて、前記シャフトと一体的に回
    動する円板状のロータと、 前記コイルに対面して配置されると共に、前記ロータに
    固定したマグネットと、 前記ロータの平面部分に当接配置させる分銅支持部と、
    前記分銅支持部に一体的に形成されると共に前記ロータ
    の外周縁からラジアル方向に迫り出した分銅本体部とか
    らなる分銅と、を備えたことを特徴とするブラシレスモ
    ータ。
  2. 【請求項2】 前記分銅本体部は、前記ロータの前記外
    周縁に沿って円弧状に形成されると共に、前記ロータの
    前記外周縁から前記シャフトの軸線方向に沿うように前
    記コイル側に向けて延びることを特徴とする請求項1記
    載のブラシレスモータ。
  3. 【請求項3】 前記ロータの前記外周縁には、前記分銅
    支持部の縁部に当接し、かつ前記ロータの前記ラジアル
    方向に前記分銅を支持する起立爪が設けられたことを特
    徴とする請求項1又は2記載のブラシレスモータ。
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