JP2003179740A - 電子透かしの埋め込み方法および抽出方法 - Google Patents

電子透かしの埋め込み方法および抽出方法

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JP2003179740A
JP2003179740A JP2001378189A JP2001378189A JP2003179740A JP 2003179740 A JP2003179740 A JP 2003179740A JP 2001378189 A JP2001378189 A JP 2001378189A JP 2001378189 A JP2001378189 A JP 2001378189A JP 2003179740 A JP2003179740 A JP 2003179740A
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束 小野
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 フルカラー画像、特に、画像サイズが大きな
大型フルカラー画像に適した電子透かし技術を提供す
る。 【解決手段】 表色系変換部48はRGB表色系のカラ
ー画像データをYCbr表色系に変換する。ブロック分
割部41は輝度成分について画像を複数のブロックにそ
れぞれ分割する。画素数算出部42はブロック毎に、そ
のブロックに含まれる画素の中から、所定の条件を満た
すような画素の数を求める。ブロック判定部43は算出
した画素の数に基づいてそのブロックが透かし情報の埋
め込み可能なか否かを判定する。演算部44が埋め込み
可能なブロックについて算出した画素の数に所定の演算
を施す。変更画素数算出部45は得られた演算値から変
更すべき画素のかずを算出する。画素変更部46は対象
ブロックに含まれる画素のうち算出した画素の数だけ画
素値を変更する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像データに透か
し情報を埋め込んだり、埋め込まれた透かし情報を抽出
したりするための技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インターネットなどのコンピュータネッ
トワークの発展に伴って、情報のデジタル化が進み、多
くのユーザが簡単に必要とする情報にアクセスできるよ
うになっている。その反面、そのデジタル情報に著作権
が発生しているデジタルコンテンツについて、その著者
に断わりなく容易にデータが複製できるような環境にな
りつつあり、不正コピーにともなう著作権侵害の問題が
注目されてきている。そこで、デジタルコンテンツの主
たる情報である画像に関しての著作権侵害を防止するこ
と等を目的として、著作権情報などの透かし情報を画像
データに埋め込む電子透かし技術が注目されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】画像には、2値画像や
限定色表示画像の他、フルカラー画像も含まれる。フル
カラー画像では、約1,677万色が使用可能であり、
これら全色が1つの画像で一度に使用されることは皆無
であるが、フルカラー画像では、相当数の色が1つの画
像内に存在するものと思われる。また、画像サイズが大
きい場合には、当然に、画像を構成する画素数も多くな
るため、使用される色の数も多くなる可能性がある。
【0004】しかしながら、従来においては、このよう
なフルカラー画像、特に、画像サイズが大きな大型フル
カラー画像に適した電子透かしの技術については提案さ
れていなかった。
【0005】そこで、本発明の目的は、上記した従来技
術の問題点を解決し、フルカラー画像、特に、画像サイ
ズが大きな大型フルカラー画像に適した電子透かし技術
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
記した目的の少なくとも一部を達成するために、本発明
の電子透かし埋め込み方法は、カラー画像データに透か
し情報を埋め込むための電子透かし埋め込み方法であっ
て、(a)前記カラー画像データまたは該カラー画像デ
ータから得られるデータを、1つ以上の画素を単位とす
る複数のブロックに分割する工程と、(b)分割した各
ブロック毎に、そのブロックに含まれる画素のうち、そ
の画素の有する輝度成分が、そのブロックに応じた第1
および第2の閾値に基づく範囲内にあるという条件を満
たす画素の数を算出する工程と、(c)算出した前記画
素の数に所定の演算を施して、演算値を得る工程と、
(d)前記透かし情報が第1および第2の値を含む2値
以上の値で表される場合に、そのブロックに埋め込むべ
き前記透かし情報が前記第1の値であるときには、その
ブロックについて得られた前記演算値が第1の範囲にあ
るという条件を満たすように、そのブロックに埋め込む
べき前記透かし情報が前記第2の値であるときには、前
記演算値が前記第1の範囲とは異なる第2の範囲にある
という条件を満たすように、それぞれ、そのブロックに
含まれる少なくとも1つの画素の有する前記輝度成分を
変更する工程と、を備えることを要旨とする。
【0007】このように、本発明の電子透かし埋め込み
方法では、対象となるブロックに含まれる画素のうち、
その輝度成分がその対象ブロックに応じた第1および第
2の閾値に基づく範囲内にあるという条件を満たす画素
の数を求め、その数に所定の演算を施し、その対象ブロ
ックに埋め込むべき透かし情報が第1の値であるときに
は、その対象ブロックについて得られた演算値が第1の
範囲にあるという条件を満たすように、埋め込むべき透
かし情報が第2の値であるときには、演算値が第2の範
囲にあるという条件を満たすように、その対象ブロック
内の一部の画素の有する輝度成分を変更するようにして
いる。こうして、その対象ブロックでは、一部の画素の
有する輝度成分が変更されたことにより、輝度成分が上
記範囲内にあるという条件を満たす画素の数も変わっ
て、上記演算値が、透かし情報に応じた範囲にあるとい
う条件を満たすようになり、結果として、その対象ブロ
ックに情報が埋め込まれることになる。
【0008】つまり、本発明の電子透かし埋め込み方法
では、輝度成分がその対象ブロックに応じた第1および
第2の閾値に基づく範囲内にあるという条件を満たす画
素の数の分布、即ち、画素面積(平面的な拡がり)の分
布を制御することによって、透かし情報を埋め込むもの
である。
【0009】従って、本発明の電子透かし埋め込み方法
によれば、大型フルカラー画像に対する透かし情報の埋
め込みに、輝度成分を利用することにより、画質に大き
な影響を与えることなく、透かし情報の埋め込みを行う
ことができる。
【0010】本発明の電子透かし埋め込み方法におい
て、(e)算出した前記画素の数に基づいて、そのブロ
ックに前記透かし情報を埋め込むか否かを判定する工程
をさらに備えると共に、前記判定の結果、前記透かし情
報を埋め込むと判定されたブロックについてのみ、前記
工程(c)および(d)は、実行されることが好まし
い。
【0011】このように、予め、そのブロックに透かし
情報を埋め込むか否かを判定することにより、事前に、
透かし情報の埋め込みにより画質劣化の生じる恐れがあ
るブロックを、透かし情報の埋め込みから排除すること
ができる。
【0012】本発明の電子透かし埋め込み方法におい
て、前記工程(d)では、前記第1の値であるときに
は、前記演算値が前記第1の範囲に含まれる第3の値と
なるように、前記第2の値であるときには、前記演算値
が前記第2の範囲に含まれる第4の値となるように、前
記画素の有する前記輝度成分を変更することが好まし
い。
【0013】このように、演算値が第1の範囲または第
2の範囲内の固定値になるように、画素の有する輝度成
分を変更することにより、より簡単に透かし情報の埋め
込みを行うことができる。
【0014】本発明の電子透かし埋め込み方法におい
て、前記工程(d)は、ランダム値を生成する工程をさ
らに備えると共に、前記第1の値であるときには、前記
演算値が、前記第1の範囲に含まれる値のうち、前記ラ
ンダム値に応じた値となるように、前記第2の値である
ときには、前記演算値が、前記第2の範囲に含まれる値
のうち、前記ランダム値に応じた値となるように、前記
画素の有する前記輝度成分を変更することが好ましい。
【0015】このように、演算値が第1の範囲または第
2の範囲の中でランダムに分布するように、画素の有す
る輝度成分を変更することにより、変更後のブロック内
における画素の分布を偏ることなく分散させることがで
き、このため、人為的な作為が第三者に検知されてしま
う恐れがない。
【0016】本発明の電子透かし抽出方法は、透かし情
報の埋め込まれたカラー画像データから前記透かし情報
を抽出するための電子透かし抽出方法であって、(a)
前記カラー画像データまたは該カラー画像データから得
られるデータを、1つ以上の画素を単位とする複数のブ
ロックに分割する工程と、(b)分割した各ブロック毎
に、そのブロックに含まれる画素のうち、その画素の有
する輝度成分が、そのブロックに応じた第1および第2
の閾値に基づく範囲内にあるという条件を満たす画素の
数を算出する工程と、(c)算出した前記画素の数に所
定の演算を施して、演算値を得る工程と、(d)前記透
かし情報が第1および第2の値を含む2値以上の値で表
される場合に、そのブロックについて得られた前記演算
値が第1の範囲にあるか、該第1の範囲とは異なる第2
の範囲にあるか、を判定し、第1の範囲にあるときに
は、前記第1の値を、第2の範囲にあるときには、前記
第2の値を、それぞれ、そのブロックに埋め込まれてい
た前記透かし情報として特定する工程と、を備えること
を要旨とする。
【0017】このように、本発明の電子透かし抽出方法
では、対象となるブロックに含まれる画素のうち、その
輝度成分がその対象ブロックに応じた第1および第2の
閾値に基づく範囲内にあるという条件を満たす画素の数
を求め、その数に所定の演算を施し、その対象ブロック
について得られた演算値が第1の範囲にあるか、第2の
範囲にあるか、を判定し、第1の範囲にあるときには第
1の値を、第2の範囲にあるときには第2の値を、それ
ぞれ、そのブロックに埋め込まれていた透かし情報とし
て特定するようにしている。
【0018】従って、本発明の電子透かし抽出方法によ
れば、画素面積(画素数)の分布を利用して埋め込まれ
ている透かし情報を、画像データから容易に抽出するこ
とができる。
【0019】なお、本発明は、上記した電子透かし埋め
込み方法や電子透かし抽出方法などの方法発明の態様に
限ることなく、電子透かし埋め込み装置や電子透かし抽
出装置などの装置の発明としての態様や、それら方法や
装置を構築するためのコンピュータプログラムとしての
態様や、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒
体としての態様で実現することも可能である。また、さ
らには、上記コンピュータプログラムを含み搬送波内に
具現化されたデータ信号など、種々の態様で実現するこ
とも可能である。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を実施
例に基づいて以下の順序で説明する。 A.装置の構成: B.電子透かし埋め込み処理: C.電子透かし抽出処理: D.電子透かし埋め込みの具体例: E.サイズ変更への耐性: F.実施例の効果: G.変形例: G−1.変形例1: G−2.変形例2: G−3.変形例3: G−4.変形例4: G−5.変形例5:
【0021】A.装置の構成:はじめに、本発明の一実
施例において用いられる電子透かし装置10の構成につ
いて図1を用いて説明する。図1は本発明における電子
透かし埋め込み処理及び電子透かし抽出処理を実行する
ための電子透かし装置10の構成を示すブロック図であ
る。この電子透かし装置10は、CPU22と、RAM
24と、ROM26と、キーボード30と、マウス32
と、CRTなどから成る表示装置34と、ハードディス
ク装置36と、ネットワークカードやモデムなどから成
る通信装置38と、カラー画像を読み取るスキャナ39
と、これらの各要素を接続するバス40と、を備えるコ
ンピュータである。なお、図1では各種のインターフェ
イス回路は省略されている。通信装置38は、図示しな
い通信回線を介してコンピュータネットワークに接続さ
れている。コンピュータネットワークの図示しないサー
バは、通信回線を介してコンピュータプログラムを電子
透かし装置10に供給するプログラム供給装置としての
機能を有する。
【0022】RAM24には、対象となるカラー画像デ
ータを複数のブロックに分割するブロック分割部41
と、分割した各ブロック毎に、そのブロックに含まれる
画素のうち、所定の条件を満たす画素の数を算出する画
素数算出部42と、算出した画素の数に基づいて、その
ブロックが透かし情報の埋め込み可能なブロックである
か否か判定するブロック判定部43と、埋め込み可能な
ブロックについて、算出した画素の数に所定の演算を施
す演算部44と、得られた演算値から、変更すべき画素
の数を算出する変更画素数算出部45と、そのブロック
に含まれる画素のうち、算出した数だけ、画素の値を変
更する画素変更部46と、ブロックから透かし情報を抽
出する場合に、演算値から埋め込まれていた透かし情報
を特定する透かし情報特定部47と、カラー画像データ
の表色系を変換する表色系変換部48の、各機能を実現
するためのコンピュータプログラムが格納されている。
なお、これら各部の機能については後で詳しく説明す
る。
【0023】このような各部41〜48の機能を実現す
るコンピュータプログラムは、フレキシブルディスクや
CD−ROM等の、コンピュータ読み取り可能な記録媒
体に記録された形態で提供される。コンピュータは、そ
の記録媒体からコンピュータプログラムを読み取って内
部記憶装置または外部記憶装置に転送する。あるいは、
通信経路を介してコンピュータにコンピュータプログラ
ムを供給するようにしてもよい。コンピュータプログラ
ムの機能を実現する時には、内部記憶装置に格納された
コンピュータプログラムがコンピュータのマイクロプロ
セッサによって実行される。また、記録媒体に記録され
たコンピュータプログラムをコンピュータが読み取って
直接実行するようにしてもよい。
【0024】この明細書において、コンピュータとは、
ハードウェア装置とオペレーションシステムとを含む概
念であり、オペレーションシステムの制御の下で動作す
るハードウェア装置を意味している。また、オペレーシ
ョンシステムが不要でアプリケーションプログラム単独
またはファームウェア単独でハードウェア装置を動作さ
せるような場合には、そのハードウェア装置自体がコン
ピュータに相当する。ハードウェア装置は、CPU等の
マイクロプロセッサと、記録媒体に記録されたコンピュ
ータプログラムを読み取るための手段とを少なくとも備
えている。例えば、ディジタルカメラやスキャナなどの
電子機器に、CPUやROMなどが組み込まれていて、
これら電子機器がコンピュータとしての機能を有する場
合も、これら電子機器はコンピュータの概念に当然に含
まれる。コンピュータプログラムは、このようなコンピ
ュータに、上述の各手段の機能を実現させるプログラム
コードを含んでいる。なお、上述の機能の一部は、アプ
リケーションプログラムでなく、オペレーションシステ
ムによって実現されていても良い。更に、電子透かしの
埋め込み処理や抽出処理を行なうプログラムは、画像処
理を行なうプログラムに対して、プラグインの形式で付
加されるものとしてもよい。
【0025】なお、この発明における「記録媒体」とし
ては、フレキシブルディスクやCD−ROM、光磁気デ
ィスク、ICカード、ROMカートリッジ、パンチカー
ド、バーコードなどの符号が印刷された印刷物、コンピ
ュータの内部記憶装置(RAMやROMなどのメモリ)
および外部記憶装置等の、コンピュータが読取り可能な
種々の媒体を利用することができる。
【0026】B.電子透かし埋め込み処理:図2は本発
明の一実施例における電子透かし埋め込み処理の手順を
示すフローチャートである。この処理は、図1における
ブロック分割部41、画素数算出部42、ブロック判定
部43、演算部44、変更画素数算出部45、画素変更
部46、および表色系変換部48の処理として実現され
ている。
【0027】本実施例では、この処理が行われる前提と
して、予め、ハードディスク装置36内には、この処理
の対象となるカラー画像データとして、画像サイズが大
きい大型フルカラー画像データが格納されている。この
カラー画像データは、例えば、大型の写真をスキャナ3
9によって読み取ったり、デジタルカメラ(図示せず)
で写した写真を通信装置38を介して取り込んだりする
ことにより、得ることができる。このカラー画像は、R
GB表色系によって表されている。
【0028】そこで、図2に示す電子透かし埋め込み処
理が起動されると、まず、表色系変換部48は、対象と
なるカラー画像データをハードディスク装置36から読
み出し(ステップS102)、そのRGB表色系のカラ
ー画像をYCbr表色系に変換する(ステップS10
3)。ここで、YCbr表色系は、画像の符号化等にお
いて、標準の表色系として良く知られたものである。
【0029】なお、読み出したカラー画像はM×N画素
の大きさを有する。そして、変換前のRGB表色系の各
成分は(r,g,b)で表すものとし、変換後のYCb
r表色系の各成分は(y,cb,cr)で表すものとす
る。
【0030】具体的には、表色系変換部48は、次の式
(1)に従って、RGB表色系からYCbr表色系へ変
換する。
【0031】
【数1】
【0032】ここで、yは輝度成分であり、cb,cr
色差成分である。本実施例では、このうち、輝度成分y
のみを用いて、透かし情報の埋め込みを行う。
【0033】そこで、まず、ブロック分割部41は、ス
テップS103で得られたYCbr表色系の成分(y,
b,cr)のうち、少なくとも輝度成分yについて、画
像を、m×n画素の大きさの矩形を成す複数のブロック
にそれぞれ分割する(ステップS104)。
【0034】次に、画素数算出部42は、分割した各ブ
ロックAi(i=1,2,3,…)毎に、輝度帯域
(γ1,γ2)を指定する(ステップS105)。具体的
には、各ブロックAi毎に、乱数を用いて第1の閾値γ1
を選び、その第1の閾値γ1から所定の帯域幅(例え
ば、30)離れた第2の閾値γ2を式(2)に従って求
めることによって、輝度帯域(γ1,γ2)を指定する。
【0035】
【数2】
【0036】そして、画素数算出部42は、各ブロック
i毎に、指定した輝度帯域(γ1,γ2)に基づいて、
そのブロックに含まれる画素の中から、その画素の有す
る輝度成分yが次の条件式(3)を満たすような画素の
数Biを求める(ステップS105)。
【0037】
【数3】
【0038】つまり、画素数算出部42は、そのブロッ
ク中に、輝度成分yが指定した輝度帯域内に含まれる画
素が、いくつ存在するかを算出する。なお、このような
輝度成分yが条件式(3)を満たすような画素、即ち、
輝度成分yが輝度帯域内に含まれるような画素を、説明
の都合上、以下、「帯域内画素」と呼び、その画素数を
「帯域内画素数」と呼ぶことにする。また、反対に、輝
度成分yが条件式(3)を満たさないような画素、即
ち、輝度成分yが輝度帯域外となるような画素を、以
下、「帯域外画素」と呼ぶことにする。
【0039】次に、ブロック判定部43,演算部44,
変更画素数算出部45および画素変更部46が、ステッ
プS106の値変更処理を行う。
【0040】図3は図2における値変更処理ルーチンの
内容を示すフローチャートである。図3に示す処理ルー
チンが開始されると、まず、ブロック判定部43が、分
割した複数のブロックの中から、対象となるブロックを
1つ選択する。そして、ブロック判定部43は、その対
象ブロックAiが、透かし情報の埋め込み可能なブロッ
クであるかどうかを、そのブロックについて先に求めた
帯域内画素数Biに基づき、判定する(ステップS10
8)。
【0041】埋め込み可能ブロックとは、そのブロック
の帯域内画素数Biが次の条件式(4)を満足するブロ
ックをいう。
【0042】
【数4】
【0043】但し、pは一定値から成る基準値である。
即ち、言い換えると、埋め込み可能ブロックは、p個以
上の帯域内画素とp個以上の帯域外画素とを同時に含む
ブロックのことである。
【0044】このように、対象ブロックが埋め込み可能
ブロックであるか否かを判定するのは、透かし情報の埋
め込みによって画質劣化が生じるのを防止するためであ
る。即ち、上記した条件式(4)を満足しないブロック
として、例えば、ブロック内がすべて帯域内画素で構成
されたブロックを考えた場合、透かし情報を埋め込むた
めに、後述するように、そのブロック内に帯域外画素を
導入すると、それら帯域外画素が目立ってしまい画質劣
化を生じる。反対に、ブロック内がほとんど帯域外画素
であるブロックを考えた場合、透かし情報を埋め込むた
めに、そのブロック内に帯域内画素を散在させると、そ
れら帯域内画素が目立ってしまい、この場合も、画質劣
化となる。
【0045】従って、言い換えれば、透かし情報の埋め
込みによって画質劣化を生じる恐れのあるブロックを、
前もって排除するために、上記のような判定を行うので
ある。
【0046】判定の結果、対象ブロックAiが埋め込み
可能ブロックではないと判定した場合には、ブロック判
定部43は、次のブロックAi+1を対象ブロックとして
選択して(ステップS110)、そのブロックに対して
同様の判定を行う。
【0047】反対に、対象ブロックAiが埋め込み可能
ブロックであると判定した場合には、ステップS112
以降の処理によって、その対象ブロックAiに対し、透
かし情報の埋め込みが行われる。
【0048】本実施例において、透かし情報diは、著
作権情報を表す文字または数字列を2進数に展開した2
値の数字列から成るものとし、di=0または1(i=
1,2,3,…,E)と表される。但し、Eは、カラー
画像内に存在する埋め込み可能ブロックの数である。
【0049】本実施例では、埋め込み可能ブロックであ
る対象ブロックAiに対する、透かし情報diの埋め込み
は、次のようにして行う。
【0050】即ち、その対象ブロックAiに埋め込むべ
き透かし情報diが「1」の場合には、原則として、前
述の基準値pによる帯域内画素数Biの剰余biが(3/
4)pとなるように、その対象ブロックAi内の一部の
画素の輝度成分yを変更する。一方、埋め込むべき透か
し情報diが「0」の場合には、原則として、上記剰余
iが(1/4)pになるように、一部の画素の輝度成
分yを変更する。
【0051】基準値pによる剰余biは、原則的に、0
≦bi<pの範囲に入るから、その範囲の1/4のとこ
ろと3/4のところに、透かし情報diに従って剰余bi
が分かれるように、一部の画素の輝度成分yを変更する
のである。
【0052】この方法によって、透かし情報を、帯域内
画素の面的な拡がり(分布)情報に代替して、埋め込む
ことが可能となる。
【0053】そこで、この埋め込み原理に従って、ま
ず、演算部44が、その対象ブロックAiについて、前
述の基準値pによる帯域内画素数Biの剰余biを求める
(ステップS112)。具体的には、次の式(5)の演
算を行う。
【0054】
【数5】
【0055】次に、変更画素数算出部45は、その対象
ブロックAiに埋め込むべき透かし情報diが「1」であ
るか「0」であるかを判定する(ステップS114)。
そして、判定の結果、透かし情報diが「1」である場
合には、上記した剰余biが(3/4)pとなるよう
に、輝度成分yの変更を行うべき画素の数(変更画素
数)ciを求める(ステップS116)。また、透かし
情報diが「0」である場合には、上記した剰余bi
(1/4)pとなるように、変更画素数ciを求める
(ステップS118)。
【0056】但し、本実施例では、変更画素数ciは、
条件式(3)を満たさない輝度成分yを条件式(3)を
満たすように変更する画素の数を表す場合を正とし、条
件式(3)を満す輝度成分yを条件式(3)を満たさな
いように変更する画素の数を表す場合を負とすることと
する。
【0057】ところで、図4(a)から明らかなよう
に、透かし情報diが「1」である場合に、常に、剰余
iが(3/4)pとなるよう、変更画素数ciを求める
と、剰余がbi<(1/4)pのときには、変更画素数
の絶対値|ci|が(1/2)pよりも多くなってしま
う。変更画素数の絶対値|ci|は、元の画像から、何
個の画素について、その輝度成分yを変更するかを表す
ことになるから、その数の増加は画質劣化に直結してい
る。従って、変更画素数の絶対値|ci|が(1/2)
pを超えるほど多い場合に、その画素数|ci|分の画
素について、実際に輝度成分yを変更すると、著しく画
質を損なってしまうことになる。
【0058】そこで、本実施例では、pによる剰余とし
ては、式(6)の関係が成り立つことを利用して、透か
し情報がdi=1で、かつ、剰余がbi<(1/4)pの
場合には、剰余biが−(1/4)pとなるような、変
更画素数ciを求めるようにする。こうすることによ
り、変更画素数の絶対値|ci|を、|ci|≦(1/
2)pの範囲内に抑えることができる。
【0059】
【数6】
【0060】また、透かし情報diが「0」であるとき
にも同様のことが言える。即ち、図4(b)から明らか
なように、透かし情報diが「0」である場合に、常
に、剰余biが(1/4)pとなるよう、変更画素数ci
を求めると、剰余がbi>(3/4)pのときには、変
更画素数の絶対値|ci|が(1/2)pよりも多くな
ってしまうため、その変更画素数ciに基づいて、実際
に輝度成分yを変更すると、著しく画質を損なってしま
うことになる。
【0061】そこで、本実施例では、pによる剰余とし
て、式(7)の関係が成り立つことを利用して、透かし
情報がdi=0で、かつ、剰余がbi>(3/4)pの場
合には、剰余biが(5/4)pとなるような、変更画
素数ciを求めるようにしている。
【0062】
【数7】
【0063】従って、以上のことをまとめると、変更画
素数算出部45では、透かし情報d iが「1」ならば、
剰余biの値に応じて、式(8)に従って変更画素数ci
を算出する。
【0064】
【数8】
【0065】また、透かし情報diが「0」ならば、剰
余biの値に応じて、式(9)に従って変更画素数ci
算出する。
【0066】
【数9】
【0067】次に、ブロック判定部43は、式(8),
(9)に従って算出された変更画素数ci分だけ、対象
ブロックAi内の画素の輝度成分yを変更した場合に、
変更後の対象ブロックAiも、依然として埋め込み可能
ブロックであり得るかどうかについて判定する(ステッ
プS120)。具体的には、対象ブロックAi内の画素
の輝度成分yを変更した場合、その対象ブロックAi
に存在する帯域内画素数は、Bi+ciとなるので、この
帯域内画素数Bi+ciが、前述の条件式(4)を満足す
るかどうかを判定する。但し、条件式(4)では、帯域
内画素数はBiとなっているので、これをBi+ciに変
更する必要はある。
【0068】判定の結果、変更後の対象ブロックA
iが、埋め込み可能ブロックではなくなったと判定され
た場合には、変更画素数算出部45が、先に求めた変更
画素数c iを次の式(10)に従って修正する(ステッ
プS122)。
【0069】
【数10】
【0070】一方、変更後の対象ブロックAiも依然と
して埋め込み可能ブロックであると判定された場合に
は、次に、画素変更部46が、最終的に得られた変更画
素数c iに応じて、対象ブロックAi内の画素の輝度成分
yを変更する(ステップS124)。
【0071】具体的には、画素変更部46は、対象ブロ
ックAi内において、ラインや文字等の描画オブジェク
トのエッジ部分の画素を、変更画素数ciが正であれ
ば、その輝度成分yが条件式(3)を満たさない画素に
ついて、その輝度成分yを、条件式(3)を満たすよう
に変更し、変更画素数ciが負であれば、その輝度成分
yが条件式(3)を満す画素について、その輝度成分y
を、条件式(3)を満たさないように変更する。つま
り、変更画素数ciが正であれば、その輝度成分yが第
1の閾値γ1以下か第2の閾値γ2以上である画素につい
て、第1の閾値γ1より大きく第2の閾値γ2より小さく
なるように変更し、変更画素数ciが負であれば、その
輝度成分yが第1の閾値γ1より大きく第2の閾値γ2
り小さい画素について、その輝度成分yが第1の閾値γ
1以下か第2の閾値γ2以上となるように変更するのであ
る。
【0072】この結果、変更後の対象ブロックAi内の
帯域内画素数Bi’は、前述したとおりBi+ciとなる
ため、これら変更後の帯域内画素数Bi’について、基
準値pによる剰余bi’を仮に求めたとすると、式(1
1)の如くになる。
【0073】
【数11】
【0074】即ち、変更後の帯域内画素数Bi’の、基
準値pによる剰余bi’は、埋め込まれた透かし情報di
の値に応じて、必ず、(3/4)pか(1/4)pにな
る。
【0075】次に、ブロック判定部43は、カラー画像
内の分割したすべてのブロックについて、上述した一連
の処理を行ったか否かを判定し(ステップS126)、
行っていなければ、次のブロックAi+1を対象ブロック
として選択して(ステップS110)、ステップS10
8以降の処理を行う。また、すべてのブロックについて
処理を行っていれば、図3の値変更処理ルーチンを終了
し、図2の電子透かし埋め込み処理に戻る。
【0076】次に、表色系変換部48は、輝度成分yに
ついて透かし情報が埋め込まれた、YCbr表色系のカ
ラー画像を、式(12)に従って、元のRGB表色系の
カラー画像に戻す(ステップS128)。
【0077】
【数12】
【0078】以上によって、図2に示す電子透かし埋め
込み処理を終了する。
【0079】以上説明した電子透かし埋め込み処理によ
って、大型フルカラー画像の画像データ内に、著作権情
報を表す透かし情報を埋め込むことができる。なお、こ
の埋め込み処理において使用したパラメータ、即ち、ブ
ロックの大きさ(m画素,n画素)や、基準値pや、第
1および第2の閾値γ1,γ2などは、埋め込んだ透かし
情報を抽出するために必要な秘密鍵となる。
【0080】C.電子透かし抽出処理:図5は本発明の
一実施例における電子透かし抽出処理の手順を示すフロ
ーチャートである。この処理は、図1におけるブロック
分割部41、画素数算出部42、ブロック判定部43、
演算部44、透かし情報特定部47および表色系変換部
48の処理として実現されている。
【0081】本実施例では、この処理が行われる前提と
して、予め、ハードディスク装置36内には、この処理
の対象となる画像データとして、図2に示した電子透か
し埋め込み処理によって透かし情報の埋め込まれたカラ
ー画像データが格納されている。このカラー画像は、R
GB表色系によって表されている。
【0082】そこで、図5に示す電子透かし抽出処理が
起動されると、まず、表色系変換部48は、対象とな
る、透かし情報の埋め込まれたカラー画像データをハー
ドディスク装置36から読み出し(ステップS20
2)、そのRGB表色系のカラー画像の成分(r,g,
b)から、前述の式(1)に基づいて、YCbr表色系
の輝度成分yを算出する(ステップS203)。
【0083】続いて、ブロック分割部41は、別に用意
されている、そのカラー画像データについて透かし情報
を埋め込むときに用いられた秘密鍵の情報から、ブロッ
クの大きさ(m画素,n画素)を取得して、ステップS
203で算出された輝度成分yについて、画像をm×n
画素のブロックにそれぞれ分割する(ステップS20
4)。
【0084】次に、画素数算出部42は、前述の秘密鍵
の情報から第1および第2の閾値γ 1,γ2を取得し、そ
れら閾値γ1,γ2に基づいて、分割した各ブロックAi
(i=1,2,3,…)毎に、そのブロックに含まれる
画素の中から、その画素の有する輝度成分yが前述の条
件式(3)を満たすような画素(即ち、帯域内画素)の
数を求める(ステップS205)
【0085】次に、ブロック判定部43,演算部44お
よび透かし情報特定部47が、ステップS206の透か
し情報導出処理を行う。
【0086】図6は図5における透かし情報導出処理ル
ーチンの内容を示すフローチャートである。図6に示す
処理ルーチンが開始されると、まず、ブロック判定部4
3が、分割した複数のブロックの中から、対象となるブ
ロックを1つ選択する。そして、ブロック判定部43
は、前述の秘密鍵の情報から、基準値pを取得して、対
象ブロックAiが透かし情報の埋め込み可能なブロック
であるかどうかを、ステップS205で求めた帯域内画
素数Bi’と、取得した基準値pに基づいて、前述した
条件式(4)に従い判定する(ステップS208)。
【0087】判定の結果、埋め込み可能ブロックであれ
ば、その対象ブロックAiには透かし情報diが埋め込ま
れていると見なすことができるので、ステップS212
以降の処理によって、その対象ブロックAiから、透か
し情報の抽出が行われる。埋め込み可能ブロックでなけ
れば、その対象ブロックAiには透かし情報は埋め込ま
れていないので、ブロック判定部43は、次のブロック
i+1を対象ブロックとして選択して(ステップS21
0)、そのブロックに対して同様の判定を行う。
【0088】対象ブロックAiから透かし情報の抽出を
行う場合、まず、演算部44が、その対象ブロックAi
について、基準値pによる帯域内画素数Bi’の剰余
i’を、前述の式(5)に従って求める(ステップS
212)。
【0089】次に、透かし情報特定部47が、その求め
た剰余bi’を、基準値pから得られる閾値(1/2)
pと大小比較する(ステップS214)。即ち、基準値
pによる剰余biは、原則的に、0≦bi<pの範囲内に
あるから、その範囲の1/2のところに閾値を設定し、
求めた剰余bi’を0≦bi’<(1/2)p側と、(1
/2)p≦bi’<p側と、に振り分けるのである。
【0090】一方、前述したとおり、透かし情報の埋め
込みにより、基準値pによる帯域内画素数Bi’の剰余
i’は、前述の式(11)に示すように、埋め込まれ
た透かし情報diの値に応じて(3/4)pか(1/
4)pになっているはずである。従って、求めた剰余b
i’を上記のように振り分けることにより、埋め込まれ
た透かし情報diが何であるかを容易に把握することが
できる。但し、ノイズなどによって、必ずしも、丁度
(3/4)pまたは(1/4)pの値となっているわけ
ではない。そこで、bi’<(1/2)pと、(1/
2)p≦bi’という具合に、判定の幅に余裕を持たせ
ることにより、ノイズなどの影響を排除している。
【0091】つまり、透かし情報特定部47は、式(1
3)に示すように、比較した結果から、求めた剰余
i’が、bi’≧(1/2)pである場合には、埋め込
まれた透かし情報diは「1」であると特定し(ステッ
プS216)、bi’<(1/2)pである場合には、
埋め込まれた透かし情報diは「0」であると特定する
(ステップS218)。
【0092】
【数13】
【0093】こうして、対象ブロックAiに埋め込まれ
ていた透かし情報diを抽出することができる。
【0094】次に、ブロック判定部43は、カラー画像
内の分割したすべてのブロックについて、上述した一連
の処理を行ったか否かを判定し(ステップS220)、
行っていなければ、次のブロックAi+1を対象ブロック
として選択して(ステップS210)、ステップS20
8以降の処理を行う。また、すべてのブロックについて
処理を行っていれば、図6の透かし情報導出処理ルーチ
ンを終了し、図5の電子透かし抽出処理に戻って、一連
の処理を終了する。
【0095】以上説明した電子透かし抽出処理によっ
て、大型フルカラー画像の画像データ内に埋め込まれて
いた透かし情報を抽出して、そのフルカラー画像の著作
権情報を取り出すことができる。また、本実施例におい
ては、原画像を用意しなくても、秘密鍵さえあれば、透
かし情報を抽出することが可能である。
【0096】なお、透かし情報抽出時に埋め込み可能ブ
ロックと判定されるブロックの数E’は、ノイズや、悪
意を持った第三者からの攻撃などによって、透かし情報
埋め込み時に判定された埋め込み可能ブロックの数、即
ち、Eと必ずしも一致するとは限らない。
【0097】D.電子透かし埋め込みの具体例:以下、
具体例として、図7に示すような大型フルカラー画像
に、透かし情報を埋め込む場合を例に挙げて説明する。
図7に示すフルカラー画像は、画像サイズ(M×N画
素)として3840×2880画素の大きさを持ち、R
GB表色系で各色8ビットを有する画像である。
【0098】このフルカラー画像に対し、図2のステッ
プS103で示したように、表色系変換部48が、式
(1)に従って、RGB表色系からYCbr表色系へ変
換を施すと、その結果として得られる輝度成分yのみに
よる画像および各輝度成分yの頻度は、図8に示す如く
になる。図8において、(a)は輝度成分のみから成る
画像を示しており、(b)はかかる画像における各輝度
成分の頻度を示している。
【0099】また、この具体例では、ブロック分割部4
1が分割する矩形のブロックの大きさ(m×n画素)
を、m=384,n=288とすると共に、ブロック判
定部43,演算部44,変更画素数算出部45,および
画素変更部46が用いる基準値pとして、p=400
0,8000,16000の3通りの基準値を用いて、
透かし情報の埋め込みを行うようにした。
【0100】このようにして透かし情報を埋め込んだ場
合の平均的な埋め込み可能情報量は、基準値p毎に、図
9に示す如くになる。また、基準値pを16000とし
た場合の、埋め込み済み画像および各輝度成分yの頻度
は、図10に示す如くになる。図10において、(a)
は埋め込み済み画像を示しており、(b)はかかる画像
における各輝度成分の頻度を示している。
【0101】図10(a)に示すように、埋め込み済み
画像は、図7に示す原画像と比較しても、視覚的な違和
感はなく、また、図10(b)と図8(b)と比べれば
明らかなように示すように、輝度成分yの頻度分布にも
大差は見られなかった。しかし、図7に示す原画像と図
10(a)に示す埋め込み済み画像との差分を取ると、
図11に示すように、輝度によるエッジ部分が変化して
おり、透かし情報が埋め込まれていることがわかる。
【0102】但し、実際の利用形態では、図10(a)
に示す埋め込み済み画像が利用者に配布されるだけであ
り、図7に示す原画像は配布されないので、利用者に
は、この透かし情報を推定することは困難である。
【0103】E.サイズ変更への耐性:近年では、イン
ターネットの発達に伴い、図7に示したような大型フル
カラー画像を原画像として商用データベースに多数保管
し、それらに透かし情報を埋め込み、各利用者の利用形
態に応じてそれら埋め込み済み画像をサイズ変更した上
で、プロバイダからインターネットを通じて各利用者に
有料配信される画像配信システムが実現されている。
【0104】このような画像配信システムにおいては、
画像のサイズ変更は次のような手順で行われる。 (1)サイズ変更後の座標系における画素を表す格子点
(x0,y0)の、サイズ変更前の座標系における座標
(u0,v0)を、次の式(14)により算出する。
【0105】
【数14】 但し、a,bは正の定数である。
【0106】(2)通常、(1)で算出した座標
(u0,v0)は、サイズ変更前の座標系における画素を
表す格子点とはならないので、座標(u0,v0)におけ
る濃度(画素値)を、その座標の周囲にある格子点にお
ける濃度を利用して補間する。 (3)補間によって得られた座標(u0,v0)における
濃度を、サイズ変更後の座標系における格子点(x0
0)の濃度(画素値)とする。 (4)サイズ変更後の座標系における全ての格子点に対
して、(1)〜(3)の操作を繰り返し行う。
【0107】以上のような手順によって、埋め込み済み
画像に対するサイズ変更は行われる。
【0108】ところで、非格子点である座標(u0
0)における濃度を補間する際の濃度補間方法とし
て、代表的なものには、図12に示すように、次の3種
類の方法が挙げられる。 (a)最近傍法(nearest neighbor) (b)線形補完法(bi-linear interpolation) (c)3次補完法(cubic convolution)
【0109】(a)の方法では、非格子点である座標
(u0,v0)に最も近いu−v座標系での格子点におけ
る濃度を、座標(u0,v0)における濃度とする。この
方法は、補間の前後で色数が変化しないという特徴があ
る。補間処理は高速であるが、補間の精度は低い。
【0110】(b)の方法では、非格子点である座標
(u0,v0)の周囲にある4つの格子点(u’,
v’),(u’+1,v’),(u’,v’+1),
(u’+1,v’+1)における濃度f(u’,
v’),f(u’+1,v’),f(u’,v’+
1),f(u’+1,v’+1)を用いて、次の式(1
5)式に従い線形補間を行う。
【0111】
【数15】
【0112】ここで、u’=[u0],v’=[v0],
α=u0−[u0],β=v0−[v0]で、[W]はWを
超えない最大の整数を表す。
【0113】この方法は、補間の精度が高いという特徴
があるが、補間後の画像に補間前に存在しなかった色が
含まれることがある。
【0114】(c)の方法では、非格子点である座標
(u0,v0)の周囲にある16個の格子点における濃度
を用いて、次の式(16)式に従い、3次式による補間
を行う。
【0115】
【数16】
【0116】ここで、(uk,ul)は、座標(u0
0)の周囲にある格子点を表し、補間関数C(x)
は、次の式(17)で定義される。
【0117】
【数17】
【0118】なお、図12(c)では、sinπx/π
xの3次多項式近似を表している。
【0119】この方法は、補間に利用する格子点の範囲
が広いため、(b)の方法よりさらに補間の精度が高い
という特徴があるが、補間処理に時間がかかると共に、
(b)の方法と同様に、補間の前後で色数が増加する。
【0120】そこで、次に、これら3種類の濃度補間方
法を用いて、図10(a)に示す画像に対し、倍率1/
2でサイズ変更を行ったところ、図13に示すような画
像が得られた。図13において、(a)は最近傍法を用
いた場合を、(b)は線形補完法を用いた場合を、
(c)は3次補完法を用いた場合を、それぞれ示す。
【0121】また、これらサイズ変更された埋め込み済
み画像から透かし情報を抽出した際の、透かし情報の検
出率(%)を調べたところ、図14に示す如くになっ
た。図14では、基準値p=4000,8000,16
000で透かし情報の埋め込みを行った埋め込み済み画
像に対し、上記した3種類の濃度補間方法を用いて、倍
率1/2,1/4でサイズ変更を行った画像について、
それぞれ、透かし情報の検出率を得ている。
【0122】図13から明らかなように、サイズ変更後
の画像について、その濃度補間方法の違いを見い出すこ
とは困難である。しかし、埋め込まれた透かし情報の抽
出を行うと、その濃度補間方法の違いが、図14に示す
ように、検出率の数値として現れている。線形補間法お
よび3次元補間法は、いずれも、補間処理後に新たな色
が作り出されるため、その新たな色の作り出された画素
が、輝度成分yおよび埋め込み対象となった輝度成分を
持つ画素数に大きな影響を与えており、最近傍法に比較
して、検出率が低いと考えられる。また、縮小率が上が
るほど(すなわち、倍率が下がるほど)、検出率は低下
している。この具体例では、画像をサイズ変更した際の
倍率に従って、抽出時における分割ブロックの矩形サイ
ズおよび基準値を再計算している。縮小率が上がるほ
ど、基準値に設けておいた冗長度は減少するため、誤検
出を招く結果となるのである。よって、埋め込み時の基
準値を大きく設定した埋め込み済み画像の方が、検出率
は高かった。
【0123】F.実施例の効果:以上説明したとおり、
本実施例では、輝度成分yが条件式(3)を満たすよう
な画素の数の分布、即ち、画素面積(平面的な拡がり)
の分布を制御することによって、大型フルカラー画像に
透かし情報を埋め込んでいる。
【0124】従って、このように、大型フルカラー画像
に対する透かし情報の埋め込みに輝度成分を利用するこ
とにより、画質に大きな影響を与えることなく、透かし
情報の埋め込みを行うことができる。
【0125】また、大型フルカラー画像から縮小画像な
どを作って利用者に配信する利用形態に対して、本実施
例の電子透かし埋め込み方法は、非常に有用な手段を提
供することができる。なお、この場合、画像のサイズ変
更を行う際に適切な濃度補間方法を用いることが重要で
ある。
【0126】G.変形例:なお、本発明は上記した実施
例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱
しない範囲において種々の態様にて実施することが可能
である。
【0127】G−1.変形例1:上記した実施例におい
ては、対象ブロックAiに透かし情報を埋め込む際、透
かし情報diが「1」の場合には、原則として、基準値
pによる帯域内画素数Biの剰余biが(3/4)pにな
るように、透かし情報diが「0」の場合には、剰余bi
が(1/4)pになるように、その対象ブロックAi
における一部の画素の輝度成分yを変更するようにして
いた。
【0128】しかしながら、このように、剰余bi
(3/4)p,(1/4)pの何れかの値のみになるよ
うに、変更を施すと、変更後の対象ブロックAi内にお
ける画素の分布が極端に偏ってしまい、人為的な作為が
第三者に検知されてしまう恐れがある。
【0129】そこで、透かし情報diが「1」の場合に
は、基準値pによる帯域内画素数Biの剰余biが区間
((1/2)p,p)内にランダムに分布するように、
透かし情報diが「0」の場合には、剰余biが区間
(0,(1/2)p)内にランダムに分布するように、
その対象ブロックAi内における一部の画素の輝度成分
yを変更するようにしても良い。
【0130】具体的には、まず、変更画素数算出部45
が、区間(0,1)内に存在し得る乱数rを生成する。
次に、変更画素数算出部45は、その対象ブロックAi
に埋め込むべき透かし情報diが「1」であるか「0」
であるかを判定し、その判定の結果、透かし情報di
「1」である場合には、生成した乱数rに基づいて、基
準値pによる帯域内画素数Biの剰余biが区間((1/
2)p,p)内にランダムに分布するように、変更画素
数ciを求める。また、透かし情報diが「0」の場合に
は、剰余biが区間(0,(1/2)p)内にランダム
に分布するように、変更画素数ciを求める。
【0131】このような方法を採ることにより、変更後
の対象ブロックAi内における画素の分布が偏ることが
なく、透かし情報の埋め込みができ、人為的な作為が第
三者に検知されてしまう恐れがない。
【0132】G−2.変形例2:上記した実施例におい
ては、画素数算出部42が指定する輝度帯域(γ1
γ2)の帯域幅は、一定(例えば、30)であったが、
本発明はこれに限定されるものではなく、ブロック毎に
可変するようにしても良く、その場合には、透かし情報
の秘匿性をさらに向上させることができる。
【0133】G−3.変形例3:上記した実施例におい
ては、求めた画素の数に、所定の演算を施す際、基準値
pによる剰余を求める演算を施していたが、本発明は、
これに限定されるものではなく、加減乗除、積分,微
分、各種関数演算などを組み合わせて、種々の演算の適
用が可能である。
【0134】G−4.変形例4:上記した実施例では、
埋め込みの対象となるカラー画像はRGB表色系のカラ
ー画像であったが、CMY表色系などの他の表色系のカ
ラー画像であっても良い。また、カラー画像をYCbr
表色系へ変換していたが、XYZ表色系など他の表色系
へ変換するようにしても良い。
【0135】G−5.変形例5:上記した説明では、秘
密鍵の保存方法については特に言及しなかったが、画像
データに透かし情報を埋め込む際に、この秘密鍵を暗号
化した上で、別の電子透かし埋め込み方法によって、画
像データ内に埋め込むようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における電子透かし埋め込み処理及び電
子透かし抽出処理を実行するための電子透かし装置10
の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施例における電子透かし埋め込み
処理の手順を示すフローチャートである。
【図3】図2における値変更処理ルーチンの内容を示す
フローチャートである。
【図4】透かし情報に応じた剰余biの変更先を説明す
るための説明図である。
【図5】本発明の一実施例における電子透かし抽出処理
の手順を示すフローチャートである。
【図6】図5における透かし情報導出処理ルーチンの内
容を示すフローチャートである。
【図7】埋め込み対象となる大型フルカラー画像の一例
を示す説明図である。
【図8】図7のフルカラー画像に対し表色系変換を施し
た後の輝度成分yのみによる画像および各輝度成分yの
頻度を示す説明図である。
【図9】図7のフルカラー画像に透かし情報を埋め込ん
だ場合の平均的な埋め込み可能情報量を示す説明図であ
る。
【図10】基準値pを16000とした場合の埋め込み
済み画像および各輝度成分yの頻度を示す説明図であ
る。
【図11】図7に示す原画像と図10(a)に示す埋め
込み済み画像との差分を示す説明図である。
【図12】画像のサイズ変更を行う際に用いられる代表
的な濃度補間方法を説明するための説明図である。
【図13】3種類の濃度補間方法を用いて図10(a)
に示す画像に対し倍率1/2でサイズ変更を行った場合
に得られる画像を示す説明図である。
【図14】サイズ変更された埋め込み済み画像から透か
し情報を抽出した際の透かし情報の検出率を示す説明図
である。
【符号の説明】
10…電子透かし装置 22…CPU 24…RAM 26…ROM 30…キーボード 32…マウス 34…表示装置 36…ハードディスク装置 38…通信装置 39…スキャナ 40…バス 41…ブロック分割部 42…画素数算出部 43…ブロック判定部 44…演算部 45…変更画素数算出部 46…画素変更部 47…透かし情報特定部 48…表色系変換部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5B057 BA30 CA01 CA08 CA12 CA16 CB01 CB08 CB12 CB16 CB19 CC02 CE08 CE09 CE16 CE18 CG07 CH08 CH18 5C076 AA14 BA06

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カラー画像データに透かし情報を埋め込
    むための電子透かし埋め込み方法であって、 (a)前記カラー画像データまたは該カラー画像データ
    から得られるデータを、1つ以上の画素を単位とする複
    数のブロックに分割する工程と、 (b)分割した各ブロック毎に、そのブロックに含まれ
    る画素のうち、その画素の有する輝度成分が、そのブロ
    ックに応じた第1および第2の閾値に基づく範囲内にあ
    るという条件を満たす画素の数を算出する工程と、 (c)算出した前記画素の数に所定の演算を施して、演
    算値を得る工程と、 (d)前記透かし情報が第1および第2の値を含む2値
    以上の値で表される場合に、そのブロックに埋め込むべ
    き前記透かし情報が前記第1の値であるときには、その
    ブロックについて得られた前記演算値が第1の範囲にあ
    るという条件を満たすように、そのブロックに埋め込む
    べき前記透かし情報が前記第2の値であるときには、前
    記演算値が前記第1の範囲とは異なる第2の範囲にある
    という条件を満たすように、それぞれ、そのブロックに
    含まれる少なくとも1つの画素の有する前記輝度成分を
    変更する工程と、 を備える電子透かし埋め込み方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の電子透かし埋め込み方
    法において、 (e)算出した前記画素の数に基づいて、そのブロック
    に前記透かし情報を埋め込むか否かを判定する工程をさ
    らに備えると共に、 前記判定の結果、前記透かし情報を埋め込むと判定され
    たブロックについてのみ、前記工程(c)および(d)
    は、実行されることを特徴とする電子透かし埋め込み方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の電子透
    かし埋め込み方法において、 前記工程(d)では、前記第1の値であるときには、前
    記演算値が前記第1の範囲に含まれる第3の値となるよ
    うに、前記第2の値であるときには、前記演算値が前記
    第2の範囲に含まれる第4の値となるように、前記画素
    の有する前記輝度成分を変更することを特徴とする電子
    透かし埋め込み方法。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項2に記載の電子透
    かし埋め込み方法において、 前記工程(d)は、ランダム値を生成する工程をさらに
    備えると共に、 前記第1の値であるときには、前記演算値が、前記第1
    の範囲に含まれる値のうち、前記ランダム値に応じた値
    となるように、前記第2の値であるときには、前記演算
    値が、前記第2の範囲に含まれる値のうち、前記ランダ
    ム値に応じた値となるように、前記画素の有する前記輝
    度成分を変更することを特徴とする電子透かし埋め込み
    方法。
  5. 【請求項5】 透かし情報の埋め込まれたカラー画像デ
    ータから前記透かし情報を抽出するための電子透かし抽
    出方法であって、 (a)前記カラー画像データまたは該カラー画像データ
    から得られるデータを、1つ以上の画素を単位とする複
    数のブロックに分割する工程と、 (b)分割した各ブロック毎に、そのブロックに含まれ
    る画素のうち、その画素の有する輝度成分が、そのブロ
    ックに応じた第1および第2の閾値に基づく範囲内にあ
    るという条件を満たす画素の数を算出する工程と、 (c)算出した前記画素の数に所定の演算を施して、演
    算値を得る工程と、 (d)前記透かし情報が第1および第2の値を含む2値
    以上の値で表される場合に、そのブロックについて得ら
    れた前記演算値が第1の範囲にあるか、該第1の範囲と
    は異なる第2の範囲にあるか、を判定し、第1の範囲に
    あるときには、前記第1の値を、第2の範囲にあるとき
    には、前記第2の値を、それぞれ、そのブロックに埋め
    込まれていた前記透かし情報として特定する工程と、 を備える電子透かし抽出方法。
  6. 【請求項6】 カラー画像データに透かし情報を埋め込
    む電子透かし埋め込み装置であって、 前記カラー画像データまたは該カラー画像データから得
    られるデータを、1つ以上の画素を単位とする複数のブ
    ロックに分割するブロック分割部と、 分割した各ブロック毎に、そのブロックに含まれる画素
    のうち、その画素の有する輝度成分が、そのブロックに
    応じた第1および第2の閾値に基づく範囲内にあるとい
    う条件を満たす画素の数を算出する画素数算出部と、 算出した前記画素の数に所定の演算を施して、演算値を
    得る演算部と、 前記透かし情報が第1および第2の値を含む2値以上の
    値で表される場合に、そのブロックに埋め込むべき前記
    透かし情報が前記第1の値であるときには、そのブロッ
    クについて得られた前記演算値が第1の範囲にあるとい
    う条件を満たすように、そのブロックに埋め込むべき前
    記透かし情報が前記第2の値であるときには、前記演算
    値が前記第1の範囲とは異なる第2の範囲にあるという
    条件を満たすように、それぞれ、そのブロックに含まれ
    る少なくとも1つの画素の有する前記輝度成分を変更す
    る画素変更部と、 を備える電子透かし埋め込み装置。
  7. 【請求項7】 透かし情報の埋め込まれたカラー画像デ
    ータから前記透かし情報を抽出する電子透かし抽出装置
    であって、 前記カラー画像データまたは該カラー画像データから得
    られるデータを、1つ以上の画素を単位とする複数のブ
    ロックに分割するブロック分割部と、 分割した各ブロック毎に、そのブロックに含まれる画素
    のうち、その画素の有する輝度成分が、そのブロックに
    応じた第1および第2の閾値に基づく範囲内にあるとい
    う条件を満たす画素の数を算出する画素数算出部と、 算出した前記画素の数に所定の演算を施して、演算値を
    得る演算部と、 前記透かし情報が第1および第2の値を含む2値以上の
    値で表される場合に、そのブロックについて得られた前
    記演算値が第1の範囲にあるか、該第1の範囲とは異な
    る第2の範囲にあるか、を判定し、第1の範囲にあると
    きには、前記第1の値を、第2の範囲にあるときには、
    前記第2の値を、それぞれ、そのブロックに埋め込まれ
    ていた前記透かし情報として特定する透かし情報特定部
    と、 を備える電子透かし抽出装置。
  8. 【請求項8】 カラー画像データに透かし情報を埋め込
    むためのコンピュータプログラムであって、 前記カラー画像データまたは該カラー画像データから得
    られるデータを、1つ以上の画素を単位とする複数のブ
    ロックに分割する機能と、 分割した各ブロック毎に、そのブロックに含まれる画素
    のうち、その画素の有する輝度成分が、そのブロックに
    応じた第1および第2の閾値に基づく範囲内にあるとい
    う条件を満たす画素の数を算出する機能と、 算出した前記画素の数に所定の演算を施して、演算値を
    得る機能と、 前記透かし情報が第1および第2の値を含む2値以上の
    値で表される場合に、そのブロックに埋め込むべき前記
    透かし情報が前記第1の値であるときには、そのブロッ
    クについて得られた前記演算値が第1の範囲にあるとい
    う条件を満たすように、そのブロックに埋め込むべき前
    記透かし情報が前記第2の値であるときには、前記演算
    値が前記第1の範囲とは異なる第2の範囲にあるという
    条件を満たすように、それぞれ、そのブロックに含まれ
    る少なくとも1つの画素の有する前記輝度成分を変更す
    る機能と、 を前記コンピュータに実現させるためのコンピュータプ
    ログラム。
  9. 【請求項9】 透かし情報の埋め込まれた画像データか
    ら前記透かし情報を抽出するためのコンピュータプログ
    ラムであって、 前記カラー画像データまたは該カラー画像データから得
    られるデータを、1つ以上の画素を単位とする複数のブ
    ロックに分割する機能と、 分割した各ブロック毎に、そのブロックに含まれる画素
    のうち、その画素の有する輝度成分が、そのブロックに
    応じた第1および第2の閾値に基づく範囲内にあるとい
    う条件を満たす画素の数を算出する機能と、 算出した前記画素の数に所定の演算を施して、演算値を
    得る機能と、 前記透かし情報が第1および第2の値を含む2値以上の
    値で表される場合に、そのブロックについて得られた前
    記演算値が第1の範囲にあるか、該第1の範囲とは異な
    る第2の範囲にあるか、を判定し、第1の範囲にあると
    きには、前記第1の値を、第2の範囲にあるときには、
    前記第2の値を、それぞれ、そのブロックに埋め込まれ
    ていた前記透かし情報として特定する機能と、 を前記コンピュータに実現させるためのコンピュータプ
    ログラム。
  10. 【請求項10】 請求項8または請求項9に記載のコン
    ピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可
    能な記録媒体。
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