JP2003178985A - 堆積膜形成装置および堆積膜形成方法 - Google Patents

堆積膜形成装置および堆積膜形成方法

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JP2003178985A
JP2003178985A JP2001378186A JP2001378186A JP2003178985A JP 2003178985 A JP2003178985 A JP 2003178985A JP 2001378186 A JP2001378186 A JP 2001378186A JP 2001378186 A JP2001378186 A JP 2001378186A JP 2003178985 A JP2003178985 A JP 2003178985A
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Hiroshi Sukai
浩士 須貝
Masahiro Kanai
正博 金井
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Abstract

(57)【要約】 【目的】マイクロ波プラズマCVD法により基体上への
堆積膜の形成を行うに際し、マイクロ波電力導入窓への
膜堆積による汚染のない安定放電を実現し、前記基体へ
のマイクロ波電力の誘電加熱との問題のない安定放電に
より、イオン衝撃の少ない高品質な堆積膜の前記基体上
への高速形成を可能にする堆積膜形成装置を提供する。 【構成】マイクロ波透過窓(106)を介してマイクロ
波電力を導入して行うプラズマCVD法による堆積膜形
成装置において、前記マイクロ波導入窓と基体(111)が
配置される領域との間に前記マイクロ波導入窓側から順
次、第一のガス導入手段(108)、マイクロ波シール
ド(107)、該マイクロ波シールドに近接する整流板
(110)、及び第二のガス導入手段(109)を配設
されていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロ波プラズ
マCVD法によって基体上に堆積膜を形成する装置及び
方法に関する。より詳細には、本発明は、各種の半導体
デバイスに使用する非単結晶半導体膜、微結晶半導体
膜、絶縁膜などの機能性堆積膜の効率的形成を可能にす
る堆積膜形成装置及び堆積膜形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】単結晶シリコン或いは多結晶シリコンか
らなる堆積膜を大面積に形成することは極めて難しい。
これに対して、非晶質(アモルファス)シリコン(a−
Si)或いは微結晶シリコン等からなる堆積膜(以下、
「非結晶シリコン系堆積膜」という)は、プラズマCV
D法による成膜方法により比較的容易に大面積に形成で
きる。こうしたことから、非結晶シリコン系堆積膜は、
光起電力素子、太陽電池、複写機用の感光ドラム、ファ
クシミリ用のイメージセンサー、液晶ディスプレイ用の
薄膜トランジスター等の大きな面積を必要とする半導体
デバイスに多用されている。こうした非結晶シリコン系
堆積膜として代表的なものであるアモルファスシリコン
(a−Si)堆積膜の形成方法として、プラズマCVD
装置の真空容器に基板を配置し、SiH4やSi2H6等のSiを
含有する成膜用原料ガスを前記真空容器中に導入し、RF
周波数領域(13.56MHz近傍)の周波数を有する高周波電
力を該真空容器中に導入してグロー放電を生起させてプ
ラズマを生成し、それにより該真空容器中に導入された
前記成膜用原料ガスを分解して前記基板上にa−Si堆
積膜を形成するRFプラズマCVD法による成膜方法が
知られている。
【0003】また、前記RF周波数の高周波電力に代えて
マイクロ波周波数領域の周波数を有するマイクロ波電力
を使用する以外は、前記と同様の成膜操作を行うことに
よりa−Si堆積膜を形成するマイクロ波プラズマCV
D法による成膜方法が知られている。こうしたマイクロ
波プラズマCVD法による成膜方法において、前記マイ
クロ波電力として、2.45GHzのマイクロ波周波数を有
するマイクロ波電力を用いる場合、より高密度のプラズ
マを効率的に生成することができ、これにより堆積膜形
成速度の向上が図れることが知られている。例えば、特
許第2722070号公報には、2.45GHzのマイ
クロ波周波数を有するマイクロ波電力を用いる平板スロ
ットアンテナによるマイクロ波プラズマCVD法が開示
されている。当該公報には、このマイクロ波プラズマC
VD法によると、プラズマが効率的に且つ均一分布状態
で生起されると共に、生起するプラズにより試料の均一
なエッチング又はアッシング、そして基体上への均一な
成膜等を効率的に行い得る旨記載されている。こうした
ことから、マイクロ波プラズマCVD法により堆積膜を
形成する成膜方法が注目されている。これとは別に、窒
化シリコンには結晶系及び非結晶系のものが存在し、こ
うした窒化シリコンの堆積膜は半導体プロセスにおける
絶縁材料或いは光学材料として優れた物性を有するもの
であることが知られており、該窒化シリコン堆積膜の形
成は、一般には熱CVD法により行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特許第
2722070号公報に記載されているような平板スロ
ットアンテナを用いたマイクロ波プラズマCVD装置を
使用して、成膜に際して比較的高い放電圧力を要するか
或いは大電力を要する微結晶シリコン堆積膜或いは基体
の低温処理を要する窒化シリコン堆積膜を形成しようと
すると以下の様な問題が生じることが指摘されている。
即ち、前記平板スロットアンテナからマイクロ波導入窓
を介して所定の周波数のマイクロ波電力を反応室の放電
空間に投入してマイクロ波プラズマを生起した場合、該
マイクロ波プラズマがマイクロ波導入窓近傍に集中して
その表面に堆積膜を生成して反応室内を汚染したり、特
に前記マイクロ波導入窓に微結晶堆積膜が堆積して投入
されるマイクロ波電力が不安定になったり、前記マイク
ロ波導入窓にひび割れが生じたりする場合がある。この
他、高温化を嫌う有機半導体デバイス等の半導体デバイ
スの作製において、それを構成する堆積膜を上述したよ
うなマイクロ波プラズマCVD装置を使用して形成する
場合、マイクロ波電力の誘電加熱により前記堆積膜を形
成するための基体が高温化し、得られる半導体デバイス
の特性が劣化してしまうことがある。
【0005】本発明の目的は、基体上にマイクロ波プラ
ズCVD法により堆積膜を形成する場合の上述した問
題、即ち特にマイクロ波導入窓の表面への堆積膜の生成
とその結晶化に係わる問題を解決し、比較的大きなマイ
クロ波電力の投入を長時間安定的に放電空間に伝送して
均一なプラズマを生成し、高品質で優れた均一性を有す
る非結晶半導体膜、微結晶半導体膜、絶縁膜などの機能
性堆積膜の効率的形成を可能にするマイクロ波プラズC
VD法による堆積膜形成装置及び堆積膜形成方法を提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明により提供される
堆積膜形成装置は、排気手段を備えた真空容器と、該真
空容器にマイクロ波電力を導入するためのマイクロ波導
入窓とを有し、前記真空容器内に配置された基体上にマ
イクロ波プラズマCVD法により堆積膜を形成する堆積
膜形成装置であって、前記マイクロ波導入窓と前記基体
が配置される領域との間に前記マイクロ波導入窓側から
順次、第一のガス導入手段、マイクロ波シールド、マイ
クロ波シールドに近接する整流板、及び第二のガス導入
手段を配設したことを特徴とする。該堆積膜形成装置
は、前記第一のガス導入手段から導入されるガスが、前
記マイクロ波シールド及び前記整流板を介して前記基体
が配置される領域から排気されるようにすることが望ま
しい。
【0007】本発明により提供される堆積膜形成方法
は、排気手段を備えた真空容器と、該真空容器にマイク
ロ波電力を導入するためのマイクロ波導入窓とを有する
堆積膜形成装置を用いて前記真空容器内に配置された基
体上にマイクロ波プラズマCVD法により堆積膜を形成
する堆積膜形成方法であって、前記マイクロ波導入窓と
前記基体が配置される領域との間に前記マイクロ波導入
窓側から順次、マイクロ波シールドと該マイクロ波シー
ルドに近接する整流板とを設け、前記マイクロ波導入窓
と前記マイクロ波シールドとの間にプラズマ生成ガスを
導入して前記マイクロ波導入窓を介して導入されるマイ
クロ波電力によりプラズマを生起し、該プラズマにより
発生した励起種を前記マイクロ波シールドおよび該マイ
クロ波シールド#に近接して配置した前記整流板を介し
て前記基体が配置された領域へ導入し、前記基体の配置
された領域に導入された成膜用原料ガスと反応させるこ
とで前記基体上に堆積膜を形成することを特徴とする。
前記プラズマ生成ガスとしては、単独では膜形成できな
いガスを用いることが望ましい。また、前記整流板を介
して前記成膜用原料ガスが前記マイクロ波導入窓側へ流
入しないような前記プラズマ生成ガスの流れをつくるよ
うにすることが望ましい。
【0008】
【実施態様例】以下、図を用いて本発明の好ましい実施
態様例を説明する。本発明は、該実施態様例に限定され
るものではない。図1は本発明の堆積膜形成装置の一例
の構成を模式的に示す略断面図である。図1において、
100は堆積膜形成装置、101はマイクロ波伝送路、
102は真空容器、103はステージ、104は誘電体
座、105はラジアルラインスロットアンテナ、106
はマイクロ波導入窓、107はマイクロ波シールド、1
08は第一のガス導入手段、109は第ニのガス導入手
段、110は整流板、111は基体、112は排気管、
113は基体111を支持固定するための基体載置台、
Aは放電空間、をそれぞれ示す。図1に示す堆積膜形成
装置においては、放電空間Aにおいて、単独では成膜し
ないプラズマ生成ガスが第一のガス導入手段108から
導入され、マイクロ波導入窓106とマイクロ波シール
ド107との間において放電開始圧力に調整され、マイ
クロ波導入窓106を介して導入されるマイクロ波電力
により励起されプラズマ放電を開始する。ここでプラズ
マ生成ガスは励起されて励起種が生成され、生起した高
エネルギー準位で長寿命の励起種はマイクロ波シールド
107を経て該マイクロ波シールドと整流板110で囲
まれた領域へと導かれ、一定の圧力および流れ方向に制
御され、基体111が配置されている領域へと導かれ
る。前記高エネルギー準位で長寿命の励起種は、第二の
ガス導入手段109から導入される成膜用原料ガスと接
触し、両者が反応して成膜成分が生成され、基体111
の表面にイオン衝撃の少ない良質の堆積膜が形成され
る。この成膜過程で前記マイクロ波電力は、マイクロ波
電源(不図示)に接続するマイクロ波伝送路101から
導入され、ラジアルラインスロットアンテナ105から
放射され、マイクロ波導入窓106を介して導入される
が、マイクロ波シールド107により減衰されて基体1
11が配置される領域への誘電加熱の影響を低減する。
【0009】以上述べたように操作する本発明の堆積膜
形成装置100による非結晶シリコン系堆積膜の形成
は、例えば、次のように行う。まず真空容器102内の
基体載置台113上に基体111を配置し、真空容器1
02の内部を真空ポンプ(不図示)により排気管112
を介して所定の真空度に排気する。 次に、放電空間A
に、第一のガス導入手段108からプラズマ生成ガス
を、そして第ニのガス導入手段109から少なくともシ
リコンを含有する成膜用原料ガスをそれぞれ導入する。
前記真空ポンプにより排気管112を介して、真空容器
102の内のガス圧(内圧)を所定の値に調節維持す
る。ついでマイクロ波電源(不図示)からのマイクロ波
電力を上述したようにマイクロ波導入窓106を介して
して放電空間A内に導入する。これにより、放電領域A
内で、プラズマ放電が生起してプラズマを生成し、前記
プラズマ生成ガスが励起されて高エネルギー準位で長寿
命の励起種を生成し、該励起種はマイクロ波シールド1
07及び整流板110を通って基体111の配置された
領域に拡散輸送され、そこに導入された前記成膜用原料
ガスと接触し反応して基体111上に非結晶シリコン系
堆積膜が形成される。
【0010】図2は、本発明の堆積膜形成装置の他の一
例の構成を模式的に示す略断面図である。 図2に示す
堆積膜形成装置は、図1に示す堆積膜形成装置の構成を
一部変更したものである。即ち、図1に示す堆積膜形成
装置において、ラジアルラインスロットアンテナ部分を
ホーン型マイクロ波導入路203に変更し、基体載置台
113の裏側に基体111を加熱するためのヒータ20
3を設けたものである。図2において、201はマイク
ロ波電源であり、該マイクロ波電源は、ホーン型マイク
ロ波導入路203に接続したマイクロ波伝送路101に
接続している。図2に示す堆積膜形成装置による堆積膜
の形成は、上述した図1に示す堆積膜形成装置による堆
積膜の形成方法と同様にして行われる。
【0011】本発明の堆積膜形成装置の主要構成は、
(1)マイクロ波導入窓106、(2)マイクロ波シー
ルド107、(3)整流板110、(4)第一のガス導入
手段108、及び(5)第二のガス導入手段109から
なるものである。以下これらの各構成要素について説明
する。
【0012】(マイクロ波導入窓106)マイクロ波導
入窓106は、マイクロ波電力を放電空間Aに導入する
機能と、該放電空間をその外部から隔離する機能を併せ
持つ。真空容器102が大気から真空へと排気されるに
つれ、マイクロ波導入窓106の面には大気方向から圧
力がかかり、マイクロ波電力が導入されて放電空間A内
で放電が生起されてプラズマが生成されるとマイクロ波
電力による誘電加熱、該プラズマからの熱衝撃、或いは
膜堆積等の過酷な環境に曝される。この中で最も大きな
問題となるのはマイクロ波導入窓106の表面への膜堆
積である。堆積される膜が導電性のものである場合に
は、該マイクロ波導入窓のマイクロ波電力を導入する機
能が阻害され、基体111上に形成される堆積膜の成膜
速度や均一性を損ない、またマイクロ波導入窓106の
表面に膜堆する膜物質が誘電損失係数の異なる場合に
は、最悪の場合該マイクロ波導入窓の破損にいたる。更
に、前記堆積した膜物質が前記マイクロ波導入の表面か
らはく離して基体111の表面に飛散することがある。
この場合、該基体上に形成する堆積膜の質の低下をきた
す。これらの問題点に対処する方法として、マイクロ波
導入窓を誘電体を複数重ね合せたもので構成したり、或
いは大気圧が直接マイクロ波導入窓の表面に作用しない
ように該マイクロ波導入窓を複数の誘電体で仕切った中
間圧力領域を持つ構成にする手法が知られている。しか
しこうした手法には、複数の誘電体を装備することによ
り誘電体損失係数を増大すること、比較的大きなマイク
ロ波電力が投入できないこと、装置構造が過大になるこ
と等の問題がある。
【0013】本発明においては、マイクロ波導入窓10
6の2次側の放電空間Aでは、単独では膜形成できない
プラズマ生成ガスのみを使用して放電するので該マイク
ロ波導入窓の表面への膜堆積を防止できるので、上述し
た問題の生起を防止できる。本発明においては、マイク
ロ波導入窓106を機械的強度、熱伝導率、及び誘電体
損失係数において優れたセラミックスで構成するのが好
ましい。そうしたセラミックスの具体例として、例え
ば、AlN、 Al2O3、SiO2、 Si3N4、 TiO、これらの
複合焼結体があげられる。しかし、これらに限定され
ず、必要な物性をバランスよく満足している限りにおい
て他の適宜の物質でマイクロ波導入窓106を構成して
もよい。さらに、マイクロ波導入窓106の封止部分
は、マイクロ波電力による誘電過熱の影響とプラズマか
らの加熱の影響を受けやすいので、バイトン製かまたは
シリコーン製のO−リングで構成するのが望ましい。ま
た、マイクロ波導入窓106の前記O−リングによる封
止部分に導電性金属蒸着によるシールドを施し直接マイ
クロ波電力が該O−リングに暴露しない構造にすること
が望ましい。これにより、プラズマに直接曝される過酷
な熱衝撃を緩和し、着膜成分によるマイクロ波透過にお
ける誘電体損失係数および反射損失を低減し、生起する
プラズマを均一化し、長時間安定した均質な堆積膜の基
体111上への形成が可能となる。
【0014】(マイクロ波シールド107)マイクロ波シ
ールド107は、マイクロ波透過窓106と基体111
との間に位置し、マイクロ波電力を減衰して基体111
の配置された空間で放電を生起させないようにする機能
と、基体111への誘電加熱を低減すると共にプラズマ
生成領域で生成された高エネルギー準位で長寿命の励起
種を基体111の配置された領域へ自由に通過、拡散さ
せる機能も併せ持つ。したがってマイクロ波シールド1
07の透過モードの影響を受けない堆積膜の基体111
上への形成が可能となる。マイクロ波シールド107
は、導電性の微小有孔材料で構成される。そうした微小
有孔材料の具体例としては、スクリーン、金網、パンチ
ングメタル等が挙げられる。前記微小有孔材料の孔間隔
と厚さは、基体111の配置される領域で成膜用原料ガ
スが放電を起こす最小放電開始電力未満にマイクロ波電
力を減衰するように設計され、基体111へのマイクロ
波誘電加熱の影響を低減するにはさらにマイクロ波電力
の減衰率が大きくなるように設計すればよい。
【0015】(整流板110)整流板110は、マイク
ロ波シールド107と基体111との間に設置し、励起
種を基体111の形状に応じて効率的に導くと共に、基
体111上に堆積せずに逆流する着膜成分を捕捉し、該
着膜成分がマイクロ波シールド107上に堆積すること
による該マイクロ波シールドの閉塞および汚染を防ぐ役
割を担う。また整流板110の開口率と開口配置を調整
することにより、励起種生成圧力を基体111の配置さ
れた領域よりも高圧に維持して成膜用原料ガスのプラズ
マ生成領域への逆拡散を防止し、これによりマイクロ波
導入窓106への膜堆積をさらに防止できると共に基体
111の形状に応じて励起種を通過せしめることがで
き、基体111上への効率的な堆積膜の形成が可能とな
る。整流板110の形状としては、基体111の中心に
向かって収束する方向に傾斜する、ルーバー状または同
心円状に並んだシェブロン状が望ましく、機能の両立す
る限りにおいてマイクロ波シールド107と合体しても
よい。ここではマイクロ波電力が減衰されているので、
マイクロ波電力の透過モードに関係なく、整流板110
を基体111の形状に応じてガスの流れを均一になるよ
うに設計すれば均一な堆積膜の基体111上への形成が
可能となる。整流板110の材質は、マイクロ波電力が
シールドされているので、導体或いは誘電体に拘わらず
自由に選定できる。
【0016】(第一のガス導入手段108)第一のガス
導入手段108からは、主にそれ単独では膜形成できな
いプラズマ生成ガスが、マイクロ波導入窓106とマイ
クロマ波シールド107で囲まれたプラズマ生成領域に
導入される。ここで前記プラズマ生成ガスはマイクロ波
電力のエネルギーを受けて放電を生起し、励起種を生じ
る。この励起種はマイクロ波電界による輸送や拡散作用
によってマイクロマ波シールド107及び整流板110
を通過し、効率的に基体111の配置された領域へと導
かれる。このプラズマ生成ガスとしては、第二のガス導
入手段109から導入される成膜用原料ガスと反応して
基体111上に形成する堆積膜の形成に寄与する元素で
構成されるH2ガスあるいはN2ガスが使用できる。この
他、基体111上に形成する堆積膜の構成分にはならな
いが前記成膜用原料ガスの分解反応を促進する励起種又
は長寿命の準安定励起種を放電時に生じるHeガス、Neガ
ス、或いはArガスのような不活性ガスを単独又は混合し
て使用してもよい。
【0017】(第二のガス導入手段109)第二のガス
導入手段109からは、基体111上に形成される堆積
膜の主成分となる成膜用原料ガスが基体111の配置さ
れた領域に導入される。該成膜用原料ガスの分布をよく
するために該成膜用原料ガスを希釈するガスが含まれて
も構わない。ここでプラズマ生成領域から導かれた励起
種により前記該成膜用原料ガスが分解されて着膜成分を
生成し、基体111上に堆積膜を形成する。万一該着膜
成分が逆流した場合、該着膜成分は整流板110に着膜
して捕捉され、マイクロ波シールド107及びマイクロ
波導入窓106の放電空間Aに面した表面が堆積膜で汚
染されることが防止される。
【0018】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。これらの実施例は例示目的のためのものであっ
て、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0019】
【実施例1】本実施例では、図1に示し堆積膜形成装置
を用いて、所定の成膜条件におけるマイクロ波シールド
107の開口率と基体111の温度上昇の関係を調べ
た。本実施例で採用したマイクロ波シールド開口率の仕
様を表1に示す。また表1には、本実施例で得られた結果
を示す。本実施例では、図1に示した堆積膜形成装置の
マイクロ波導入窓106をAlNで構成し、以下の手順で
実験を行った。まず真空容器102内に熱電対を接続し
たガラス基板を基体111として配置して、真空容器1
02を排気手段により0.133Pa以下に一旦排気した。そ
して第一のガス導入手段108からN2ガス1000ccmを、
第一のガス導入手段109からSiH4ガス50ccmを放電空
間A内に導入した。次いでマイクロ波電源(不図示)か
らの2.45GHzマイクロ波電力を500wをマイクロ波
導入窓106を介して放電空間A内に導入し、グロー放
電を生起して約1時間の基板温度の経時変化を計測した
ところ、放電は安定放電を維持でき、基板温度は100℃
未満で飽和した。
【0020】
【比較例1】図1に示した堆積膜形成装置にマイクロ波
シールド107を配置せずに(即ち、開口率100%(全
開)の状態;表1参照)、実施例1同様の実験を行った
ところ、放電時間約30分後くらいから、整流板110に
堆積した膜がマイクロ波電力による加熱の影響で剥離し
たことによる異常放電を呈し始めたので放電を停止し
た。このときまで基板温度は飽和せず単調増加を続け約
200℃を示していた。得られた結果を表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】
【実施例2】本実施例では、実施例1と同様の装置を用
いて所定の成膜条件における整流板の有無による成膜速
度と成膜速度分布の相違を調べた。得られた結果を表2
に示す。本実施例では、堆積膜形成装置のマイクロ波導
入窓106をAlNで構成し、以下の手順で実験を行っ
た。まず真空容器102内に熱電対を接続したガラス基
板を基体111として配置して、真空容器102内を排
気手段により0.133Pa以下に一旦排気した。そして第一
のガス導入手段108からN2カ゛ス1000ccmを放電空間Aに
導入し、第一のガス導入手段109からSiH4カ゛ス50ccmを
基体の配置され領域に導入した。次いで、マイクロ波電
源(不図示)からの2.45GHzマイクロ波電力を500
wマイクロ波導入窓106を介して放電空間A内に導入
してグロー放電を生起し、前記ガラス基板上に形成され
る堆積膜の成膜速度と成膜速度分布を計測したところ、
成膜速度は35Å/sを超え、成膜速度分布は絶対値で5%
未満の均一なものであった。
【0023】
【比較例2】整流板110を配置しない以外は実施例2
同様にしての実験を行ったところ、放電時間約30分後く
らいからマイクロ波シールド107上に膜が堆積したこ
とによる異常放電を呈し始めた。ガラス基板111上に
形成される堆積膜の成膜速度と成膜速度分布を計測した
ところ、成膜速度は33Å/s程度で、成膜速度分布は絶
対値で15%未満の不均一なものであった。
【0024】
【表2】
【0025】
【実施例3】実施例1と同様の堆積膜形成装置装置を用
いて、所定の成膜条件において微結晶シリコン堆積膜を
形成した。まず真空容器102内を排気手段により0.13
3Pa以下に一旦排気した。そして第一のガス導入手段1
08から一定流量のArガスを放電空間A内に導入しな
がら、ヒータ(不図示)で基体111を所定温度になる
よう加熱制御した。基体111が一定温度になってか
ら、Arガスに代えて第一のガス導入手段108からH2
カ゛ス1000ccmを放電空間Aに導入し、第ニのガス導入手段
109からSiH4カ゛ス100ccmを基体の配置された領域に導
入した。次いでマイクロ波電源(不図示)からの2.45
GHzマイクロ波電力をマイクロ波導入窓106を介し
て放電空間A内に導入し、放電圧力を133Paに維持しな
がら一定時間ク゛ロー放電を生起し、基体111上に堆積膜
を形成した。形成された堆積膜をRHEEDで観測したとこ
ろ、微結晶のラインパタンが観測され、ラマン散乱分光
法で該堆積膜を観測したところ、520cm-1/480cm-1の強
度比が5以上であった。この結果から、基体111上に
形成された堆積膜は良好な微結晶質のものであることが
判った。
【0026】
【実施例4】本実施例では、図2に示した堆積膜形成装
置装置を用いて、所定の成膜条件で微結晶シリコン堆積
膜を形成した。本実施例では、該堆積膜形成装置のマイ
クロ波導入窓106をSiO2で構成した。まず真空容
器102内を排気手段により0.133Pa以下に一旦排気し
た。そして第一のガス導入手段108から一定流量のA
rカ゛スを導入しながら、基体ヒータ203で基体111
を所定温度になるよう加熱制御した。基体111が一定
温度になったところで、Arガスに代えて第一のガス導
入手段108からH2カ゛ス500ccmを放電空間Aに導入し、
第ニのガス導入手段109からSiF4カ゛ス100ccmを基体の
配置された領域に導入した。次いで、マイクロ波電源2
01からの2.45GHzマイクロ波電力をマイクロ波導
入窓106を介して放電空間A内に導入し、放電圧力を
70Paに維持しながら一定時間グロー放電を生起し、基体
111上に堆積膜を形成した。基体111上に形成され
た堆積膜をRHEEDで観測したところ微結晶のラインパタ
ンが観測された。また該堆積膜をラマン散乱分光法で観
測したところ、520cm-1/480cm-1の強度比が5以上であっ
た。得られ結果から、基体111上に形成された堆積膜
は良好な微結晶質のものであることが判った。
【0027】
【実施例5】本実施例では、実施例1と同様の装置を用
いて、所定の成膜条件において窒化シリコン堆積膜の形
成を行った。まず真空容器102内を排気手段により0.
133Pa以下に一旦排気した。そして第一のガス導入手段
108からN2カ゛ス1000ccmを放電空間Aに導入し、第ニの
ガス導入手段109からSiH4カ゛ス50ccmを基体の配置され
た領域に導入した。次いで、マイクロ波電源(不図示)
からの2.45GHzマイクロ波電力をマイクロ波導入窓
106を介して放電空間A内に導入し、放電圧力を7Pa
に維持しながら一定時間ク゛ロー放電を生起し、基体111
上に堆積膜を形成した。基体111上に形成された堆積
膜のの残留応力を測定したところ、成膜直後で0.06x10
9dyn/cm2、充分に時間を経過した後でも-0.17x10
9dyn/cm2となり、イオン衝撃の少ないものであっ
たまたこの堆積膜の可視光領域の透過率を測定したとこ
ろ透過率80%以上の透明なものであった。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
マイクロ波導入窓への堆積膜の着膜と基体へのマイクロ
波電力の誘電加熱の問題のない安定放電により、基体へ
のイオン衝撃の少ない高品質な堆積膜を低温にて形成する
ことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の堆積膜形成装置の一例の構成を模式的
に示す略断面図である。
【図2】本発明の堆積膜形成装置の他の一例の構成を模
式的に示す略断面図である。
【符号の説明】
101 マイクロ波伝送路 102 真空容器 103 ステージ 104 誘電体座 105 ラジアルラインスロットアンテナ 106 マイクロ波電力導入窓 107 マイクロ波シールド 108 第一のガス導入手段 109 第二のガス導入手段 110 整流板 111 基体 112 排気管 113 基体載置台 A 放電空間 201 マイクロ波電源 202 ホーン型マイクロ波導入路 203 ヒーター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4K030 AA06 AA18 BA30 CA06 FA02 KA46 5F045 AA09 AB04 AC01 AC15 AD04 AE13 BB02 BB18 CA13 CA15 CA16 DP04 EB02 EE14 EE20 EF08 EF13 EF20 EH02 EH03 EH06 EH19

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】排気手段を備えた真空容器と、該真空容器
    にマイクロ波電力を導入するためのマイクロ波導入窓と
    を有し、前記真空容器内に配置された基体上にマイクロ
    波プラズマCVD法により堆積膜を形成する堆積膜形成
    装置において、前記マイクロ波導入窓と前記基体が配置
    される領域との間に前記マイクロ波導入窓側から順次、
    第一のガス導入手段、マイクロ波シールド、マイクロ波
    シールドに近接する整流板、及び第二のガス導入手段を
    配設したことを特徴とする堆積膜形成装置。
  2. 【請求項2】前記第一のガス導入手段から導入された処
    理用ガスが、前記マイクロ波シールド及び前記整流板を
    介して前記基体が配置された領域から排気されるように
    したことを特徴とする請求項1に記載の堆積膜形成装
    置。
  3. 【請求項3】排気手段を備えた真空容器と、該真空容器
    にマイクロ波電力を導入するためのマイクロ波導入窓と
    を有する堆積膜形成装置を用いて前記真空容器内に配置
    された基体上にマイクロ波プラズマCVD法により堆積
    膜を形成する堆積膜形成方法において、前記マイクロ波
    導入窓と前記基体が配置される領域との間に前記マイク
    ロ波導入窓側から順次、マイクロ波シールドと該マイク
    ロ波シールドに近接する整流板とを設け、前記マイクロ
    波導入窓と前記マイクロ波シールドとの間にプラズマ生
    成ガスを導入して前記マイクロ波導入窓を介して導入さ
    れるマイクロ波電力によりプラズマを生起し、該プラズ
    マにより発生した励起種を前記マイクロ波シールドおよ
    び該マイクロ波シールド#に近接して配置した前記整流
    板を介して前記基体が配置された領域へ導入し、前記基
    体の配置された領域に導入された成膜用原料ガスと反応
    させることで前記基体上に堆積膜を形成することを特徴
    とする堆積膜形成方法。
  4. 【請求項4】前記プラズマ生成ガスとして、単独では膜
    形成できないガスを用いることを特徴とする請求項3に
    記載の堆積膜形成方法。
  5. 【請求項5】前記整流板を介して前記成膜用原料ガスが
    前記マイクロ波導入窓側へ流入しないような前記プラズ
    マ生成ガスの流れをつくるようにすることを特徴とする
    請求項3に記載の堆積膜形成方法。
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