JP2003178760A - 鉛蓄電池用格子体 - Google Patents
鉛蓄電池用格子体Info
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- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明は、格子体の製造工程数の増加、切断
部に生じるバリ、切断時に生じる格子変形等から発生す
る製造上の欠陥がなく、かつ、電池寿命を延長でき、更
に電池質量当たりのエネルギー密度を向上させる鉛蓄電
池用格子体を提供することにある。 【解決手段】 縦枠骨及び横枠骨からなる周囲枠骨と、
該周囲枠骨の内部で縦横に交差する縦格子骨及び横格子
骨とにより構成される鉛蓄電池用格子体において、前記
横格子骨は格子の目の範囲内で骨の太さが細る部分を有
していることを特徴とする鉛蓄電池用格子体である。前
記横格子骨の太さが細る部分を、格子の目の範囲内で横
格子骨をクランク状の形状とし、クランク状の変曲点に
設けると効果的である。更に、前記縦格子骨は太さの異
なる骨を一本置きに配置し、太い方の縦格子骨に横格子
骨を交差させ、縦格子骨に交差する横格子骨の細い方の
縦格子骨と接続する位置の反対側には他の横格子骨が存
在しない配置とすることにより、より効果的な鉛蓄電池
用格子体となる。
部に生じるバリ、切断時に生じる格子変形等から発生す
る製造上の欠陥がなく、かつ、電池寿命を延長でき、更
に電池質量当たりのエネルギー密度を向上させる鉛蓄電
池用格子体を提供することにある。 【解決手段】 縦枠骨及び横枠骨からなる周囲枠骨と、
該周囲枠骨の内部で縦横に交差する縦格子骨及び横格子
骨とにより構成される鉛蓄電池用格子体において、前記
横格子骨は格子の目の範囲内で骨の太さが細る部分を有
していることを特徴とする鉛蓄電池用格子体である。前
記横格子骨の太さが細る部分を、格子の目の範囲内で横
格子骨をクランク状の形状とし、クランク状の変曲点に
設けると効果的である。更に、前記縦格子骨は太さの異
なる骨を一本置きに配置し、太い方の縦格子骨に横格子
骨を交差させ、縦格子骨に交差する横格子骨の細い方の
縦格子骨と接続する位置の反対側には他の横格子骨が存
在しない配置とすることにより、より効果的な鉛蓄電池
用格子体となる。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉛蓄電池の極板を
構成する鉛蓄電池用格子体に関するものである。
構成する鉛蓄電池用格子体に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】通常の鉛蓄電池用極板は、鉛合金を鋳造
して図４に示す格子体を製造し、該格子体に鉛粉、希硫
酸、水等を配合して練りあげたペースト状活物質を充填
し、乾燥させた極板が用いられている。図４は従来の格
子体Ｂで、縦枠骨４２及び横枠骨４３からなる周囲枠骨
４１と、該周囲枠骨４１の内部で縦横に交差する縦格子
骨４４及び横格子骨４５とにより構成され、格子体Ｂの
上部には耳４６が設けられている。
して図４に示す格子体を製造し、該格子体に鉛粉、希硫
酸、水等を配合して練りあげたペースト状活物質を充填
し、乾燥させた極板が用いられている。図４は従来の格
子体Ｂで、縦枠骨４２及び横枠骨４３からなる周囲枠骨
４１と、該周囲枠骨４１の内部で縦横に交差する縦格子
骨４４及び横格子骨４５とにより構成され、格子体Ｂの
上部には耳４６が設けられている。
【０００３】ところで、停電時にバックアップ電源等に
使用される鉛蓄電池は、通常状態では微小な電流で充電
され続けている。この微小な電流による充電により鉛合
金からなる格子体Ｂは腐食、膨張し、格子を変形させ、
格子体に充填の活物質が剥離し、集電性を低下させ、或
いは正極と負極とを接触し短絡してしまう等、鉛蓄電池
の寿命を短縮してしまう欠陥がある。
使用される鉛蓄電池は、通常状態では微小な電流で充電
され続けている。この微小な電流による充電により鉛合
金からなる格子体Ｂは腐食、膨張し、格子を変形させ、
格子体に充填の活物質が剥離し、集電性を低下させ、或
いは正極と負極とを接触し短絡してしまう等、鉛蓄電池
の寿命を短縮してしまう欠陥がある。
【０００４】即ち、電池の使用に伴って、正極板には、
格子体の腐食から生じる格子骨の体積膨脹により活物質
を押す力と、該活物質の見掛け密度の変化による極板の
体積を膨脹させようとする力が付加される。
格子体の腐食から生じる格子骨の体積膨脹により活物質
を押す力と、該活物質の見掛け密度の変化による極板の
体積を膨脹させようとする力が付加される。
【０００５】この場合、極板の上下，左右方向への伸び
は、格子の太さによって変化するため、格子体の内部に
ある格子骨４４、４５及び周囲枠骨４１の間の伸縮量に
差が生じ、この伸縮量の差により、その伸び易い内部の
横格子骨４５が縦格子骨４４及び周囲枠骨４１を押すこ
とになる。この横格子骨４５の伸びによる押圧力が正極
格子を変形し、活物質の脱落，剥離や内部短絡を惹起
し、電池寿命を短縮するという問題点があった。
は、格子の太さによって変化するため、格子体の内部に
ある格子骨４４、４５及び周囲枠骨４１の間の伸縮量に
差が生じ、この伸縮量の差により、その伸び易い内部の
横格子骨４５が縦格子骨４４及び周囲枠骨４１を押すこ
とになる。この横格子骨４５の伸びによる押圧力が正極
格子を変形し、活物質の脱落，剥離や内部短絡を惹起
し、電池寿命を短縮するという問題点があった。
【０００６】このような現象を改善する提案として、実
公昭３９−１１２２５公報では、１本乃至数本おきの横
格子骨の中間の位置に機械的に押しつぶした偏平部を設
け、かつ、該偏平部の中央に切断間隙を設けかかる欠陥
を解消しようとした鉛蓄電池用格子体の提案がなされて
いる（以下第一提案という）。
公昭３９−１１２２５公報では、１本乃至数本おきの横
格子骨の中間の位置に機械的に押しつぶした偏平部を設
け、かつ、該偏平部の中央に切断間隙を設けかかる欠陥
を解消しようとした鉛蓄電池用格子体の提案がなされて
いる（以下第一提案という）。
【０００７】また、特開平８−２９３３０７公報には、
縦骨枠或いは横骨枠の一方の枠骨に少なくとも中央部
で、かつ互いに対向する1箇所の切断部を設け、上記欠
陥を解消しようとした鉛蓄電池用格子体の提案がなされ
ている（以下第二提案という）。
縦骨枠或いは横骨枠の一方の枠骨に少なくとも中央部
で、かつ互いに対向する1箇所の切断部を設け、上記欠
陥を解消しようとした鉛蓄電池用格子体の提案がなされ
ている（以下第二提案という）。
【０００８】更に、特開２０００−１６４２２３公報に
は、横格子骨が格子の目の範囲内か、又は格子厚みの方
向に屈曲した部分を有する構造とし、上記欠陥を解決し
ようとした鉛蓄電池用格子体の提案がなされている（以
下第三提案という）。
は、横格子骨が格子の目の範囲内か、又は格子厚みの方
向に屈曲した部分を有する構造とし、上記欠陥を解決し
ようとした鉛蓄電池用格子体の提案がなされている（以
下第三提案という）。
【０００９】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記第
一、第二、第三のそれぞれの提案では、鋳造した格子体
を再度加工するため工程数が増加し、切断部にはバリば
発生し、切断時に格子変形が起こる等の製造上の問題が
残り、また前記製造上の問題から集電性の低下が生じ電
池性能上にも問題を残していた。また、最近開示された
第三提案の鉛蓄電池用格子体では、屈曲部分を設けるこ
とで格子体の質量が増加し、電池質量当たりのエネルギ
ー密度が低下してしまう問題も含んでいた。
一、第二、第三のそれぞれの提案では、鋳造した格子体
を再度加工するため工程数が増加し、切断部にはバリば
発生し、切断時に格子変形が起こる等の製造上の問題が
残り、また前記製造上の問題から集電性の低下が生じ電
池性能上にも問題を残していた。また、最近開示された
第三提案の鉛蓄電池用格子体では、屈曲部分を設けるこ
とで格子体の質量が増加し、電池質量当たりのエネルギ
ー密度が低下してしまう問題も含んでいた。
【００１０】そこで、本発明の目的は以上のような欠
陥、問題点を解消し、工程数の増加、切断部に生じるバ
リ、切断時に生じる格子変形等から発生する製造上の欠
陥及び集電性の低下等電池性能上の問題を解決し、か
つ、電池質量当たりのエネルギー密度を向上させる鉛蓄
電池用格子体を提供することにある。
陥、問題点を解消し、工程数の増加、切断部に生じるバ
リ、切断時に生じる格子変形等から発生する製造上の欠
陥及び集電性の低下等電池性能上の問題を解決し、か
つ、電池質量当たりのエネルギー密度を向上させる鉛蓄
電池用格子体を提供することにある。
【００１１】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、請求項１の発明は、縦枠骨及び横枠骨からな
る周囲枠骨と、該周囲枠骨の内部で縦横に交差する縦格
子骨及び横格子骨とにより構成される鉛蓄電池用格子体
において、前記横格子骨は格子の目の範囲内で骨の太さ
が細る部分を有していることを特徴とする鉛蓄電池用格
子体である。
するため、請求項１の発明は、縦枠骨及び横枠骨からな
る周囲枠骨と、該周囲枠骨の内部で縦横に交差する縦格
子骨及び横格子骨とにより構成される鉛蓄電池用格子体
において、前記横格子骨は格子の目の範囲内で骨の太さ
が細る部分を有していることを特徴とする鉛蓄電池用格
子体である。
【００１２】請求項２の発明は、縦枠骨及び横枠骨から
なる周囲枠骨と、該周囲枠骨の内部で縦横に交差する縦
格子骨及び横格子骨とにより構成される鉛蓄電池用格子
体において、前記横格子骨は格子の目の範囲内でクラン
ク状の形状を有し、かつ、格子の目の範囲内で骨の太さ
が細る部分を有していることを特徴とする鉛蓄電池用格
子体である。
なる周囲枠骨と、該周囲枠骨の内部で縦横に交差する縦
格子骨及び横格子骨とにより構成される鉛蓄電池用格子
体において、前記横格子骨は格子の目の範囲内でクラン
ク状の形状を有し、かつ、格子の目の範囲内で骨の太さ
が細る部分を有していることを特徴とする鉛蓄電池用格
子体である。
【００１３】上記発明において、前記横格子骨の縦格子
骨に接続する位置が、隣り合う横格子骨に対して上下に
位置するように構成することがより好ましい。
骨に接続する位置が、隣り合う横格子骨に対して上下に
位置するように構成することがより好ましい。
【００１４】請求項４の発明は、縦枠骨及び横枠骨から
なる周囲枠骨と、該周囲枠骨の内部で縦横に交差する縦
格子骨及び横格子骨とにより構成される鉛蓄電池用格子
体において、前記縦格子骨は太さの異なる骨を一本置き
に配置し、太い方の縦格子骨に横格子骨を交差させ、縦
格子骨に交差する横格子骨の細い方の縦格子骨と接続す
る位置の反対側には他の横格子骨が存在しない配置とし
たことを特徴とする鉛蓄電池用格子体である。
なる周囲枠骨と、該周囲枠骨の内部で縦横に交差する縦
格子骨及び横格子骨とにより構成される鉛蓄電池用格子
体において、前記縦格子骨は太さの異なる骨を一本置き
に配置し、太い方の縦格子骨に横格子骨を交差させ、縦
格子骨に交差する横格子骨の細い方の縦格子骨と接続す
る位置の反対側には他の横格子骨が存在しない配置とし
たことを特徴とする鉛蓄電池用格子体である。
【００１５】
【発明の実施の形態】本発明の鉛蓄電池用格子体の実施
形態を以下に示す。図１は本発明の第一の実施形態で、
Ａは鉛蓄電池用格子体で、該鉛蓄電池用格子体Ａは縦枠
骨２及び横枠骨３とからなる周囲枠骨１と、該周囲枠骨
１内を縦横に交差する縦格子骨４、横格子骨５とで構成
されている。図において１５は前記横格子骨５の一部に
設けた骨の太さが細る部分で、図示するように該骨の太
さが細る部分１５は格子の目の範囲内に設けられてい
る。
形態を以下に示す。図１は本発明の第一の実施形態で、
Ａは鉛蓄電池用格子体で、該鉛蓄電池用格子体Ａは縦枠
骨２及び横枠骨３とからなる周囲枠骨１と、該周囲枠骨
１内を縦横に交差する縦格子骨４、横格子骨５とで構成
されている。図において１５は前記横格子骨５の一部に
設けた骨の太さが細る部分で、図示するように該骨の太
さが細る部分１５は格子の目の範囲内に設けられてい
る。
【００１６】図１では骨の太さが細る部分１５を格子範
囲の中央に設けたが、左右何方かに寄った位置に設けて
もよい。また、図では骨の太さが細る部分１５を格子毎
に１個所設けたが、格子の大きさによっては複数個所に
設けることも有効である。このように、格子毎に骨の太
さが細る部分１５を設けることにより、電池の使用に伴
い格子体Ａの腐食が進むと、先ず骨の太さが細る部分１
５が腐食欠落する。そして、更に腐食が進み健全な横格
子５が伸びる時には、既に骨の太さが細る部分１５が欠
落しているので横格子５の伸びは欠落部分で吸収されて
格子体を変形させるようなことがなく、格子体Ａに充填
した活物質を剥離し、集電性を低下させ、或いは正極と
負極とを接触して短絡し、電池寿命を短縮するような事
故を発生させることはない。
囲の中央に設けたが、左右何方かに寄った位置に設けて
もよい。また、図では骨の太さが細る部分１５を格子毎
に１個所設けたが、格子の大きさによっては複数個所に
設けることも有効である。このように、格子毎に骨の太
さが細る部分１５を設けることにより、電池の使用に伴
い格子体Ａの腐食が進むと、先ず骨の太さが細る部分１
５が腐食欠落する。そして、更に腐食が進み健全な横格
子５が伸びる時には、既に骨の太さが細る部分１５が欠
落しているので横格子５の伸びは欠落部分で吸収されて
格子体を変形させるようなことがなく、格子体Ａに充填
した活物質を剥離し、集電性を低下させ、或いは正極と
負極とを接触して短絡し、電池寿命を短縮するような事
故を発生させることはない。
【００１７】図２は本発明の第二の実施形態で、鉛蓄電
池用格子体Ａは縦枠骨２及び横枠骨３からなる周囲枠骨
１と、該周囲枠骨１の内部で縦横に交差する縦格子骨４
及び横格子骨２５とにより構成され、前記横格子骨２５
は格子の目の範囲内でクランク状の形状を有するクラン
ク部２６が設けられ、かつ、格子の目の範囲内で骨の太
さが細る部分２７を有している。
池用格子体Ａは縦枠骨２及び横枠骨３からなる周囲枠骨
１と、該周囲枠骨１の内部で縦横に交差する縦格子骨４
及び横格子骨２５とにより構成され、前記横格子骨２５
は格子の目の範囲内でクランク状の形状を有するクラン
ク部２６が設けられ、かつ、格子の目の範囲内で骨の太
さが細る部分２７を有している。
【００１８】図２ではクランク部２６を格子範囲の中央
に配置し、その変曲点に骨の太さが細る部分２７を設け
たが、クランク部２６を格子の左右何方かに寄った位置
に設けてもよい。また、図２では骨の太さが細る部分２
７をクランク状の変曲部に設けたが、格子の大きさによ
ってはクランク部２６を２箇所設け、その変曲点の何方
か１個所または両方に太さが細る部分２７を設けること
も可能である。
に配置し、その変曲点に骨の太さが細る部分２７を設け
たが、クランク部２６を格子の左右何方かに寄った位置
に設けてもよい。また、図２では骨の太さが細る部分２
７をクランク状の変曲部に設けたが、格子の大きさによ
ってはクランク部２６を２箇所設け、その変曲点の何方
か１個所または両方に太さが細る部分２７を設けること
も可能である。
【００１９】このように、格子毎にクランク部２６を設
けると共に骨の太さが細る部分２７を設けることによ
り、電池の使用に伴い格子体Ａの腐食が進むと、先ず骨
の太さが細る部分２７が腐食欠落する。そして、更に腐
食が進み健全な横格子が伸びる時には、既に骨の太さが
細る部分２７が欠落しているので横格子の伸びは欠落部
分で吸収されて格子体を変形させるようなことがなく、
格子体に充填した活物質を剥離し、集電性を低下させ、
或いは正極と負極とを接触し短絡し、電池寿命を短縮す
るような事故を発生させることはない。
けると共に骨の太さが細る部分２７を設けることによ
り、電池の使用に伴い格子体Ａの腐食が進むと、先ず骨
の太さが細る部分２７が腐食欠落する。そして、更に腐
食が進み健全な横格子が伸びる時には、既に骨の太さが
細る部分２７が欠落しているので横格子の伸びは欠落部
分で吸収されて格子体を変形させるようなことがなく、
格子体に充填した活物質を剥離し、集電性を低下させ、
或いは正極と負極とを接触し短絡し、電池寿命を短縮す
るような事故を発生させることはない。
【００２０】なお、図２は、横格子骨２５の縦格子骨４
に接続する位置が、隣り合う横格子骨２５に対して上下
に位置するように構成してある。このように構成するこ
とにより横格子骨２５の伸びによる縦格子骨４に作用す
る力が分散され、縦格子骨４の損傷を軽減することがで
き好ましい構成となる。なお、電池の仕様によっては横
格子骨２５の縦格子骨４に接続する位置を隣り合う横格
子骨に対して同一位置とするように構成してもよいこと
は勿論である。
に接続する位置が、隣り合う横格子骨２５に対して上下
に位置するように構成してある。このように構成するこ
とにより横格子骨２５の伸びによる縦格子骨４に作用す
る力が分散され、縦格子骨４の損傷を軽減することがで
き好ましい構成となる。なお、電池の仕様によっては横
格子骨２５の縦格子骨４に接続する位置を隣り合う横格
子骨に対して同一位置とするように構成してもよいこと
は勿論である。
【００２１】図３は本発明の第三の実施形態を示すもの
で、鉛蓄電池用格子体Ａは、縦枠骨２及び横枠骨３から
なる周囲枠骨１と、該周囲枠骨１の内部で縦横に交差す
る縦格子骨３４及び横格子骨３５とにより構成され、前
記縦格子骨３４は通常の太さの骨３７と太さが細い骨３
８との太さの異なる骨３７、３８を一本置きに配置し、
太い方の縦格子骨３７に横格子骨３５を交差させ、横格
子骨３８が細い方の縦格子骨３８と接続する位置の反対
側には他の横格子骨が存在しない配置に構成されてい
る。
で、鉛蓄電池用格子体Ａは、縦枠骨２及び横枠骨３から
なる周囲枠骨１と、該周囲枠骨１の内部で縦横に交差す
る縦格子骨３４及び横格子骨３５とにより構成され、前
記縦格子骨３４は通常の太さの骨３７と太さが細い骨３
８との太さの異なる骨３７、３８を一本置きに配置し、
太い方の縦格子骨３７に横格子骨３５を交差させ、横格
子骨３８が細い方の縦格子骨３８と接続する位置の反対
側には他の横格子骨が存在しない配置に構成されてい
る。
【００２２】このように、前記縦格子骨３４を通常の太
さの骨３７と太さが細い骨３８との太さの異なる骨３
７、３８を一本置きに配置し、太い方の縦格子骨３７に
横格子骨３５を交差させ、横格子骨３８が細い方の縦格
子骨３８と接続する位置の反対側には他の横格子骨３５
が存在しない配置に構成することにより、電池の使用に
伴い格子体Ａの腐食が進むと、先ず骨の太さが細い縦格
子骨３８が腐食欠落する。そして、更に腐食が進み健全
な横格子３５が伸びる時には、既に骨の太さが細い縦格
子骨３８が欠落し、かつ横格子骨３５が細い方の縦格子
骨３８と接続する位置の反対側には他の横格子骨３５が
存在しない配置となっているので、横格子骨３５の伸び
は欠落部分で吸収されて格子体を変形させるようなこと
がなく、格子体Ａに充填した活物質を剥離し、集電性を
低下させ、或いは正極と負極とを接触し短絡し、電池寿
命を短縮するような事故を発生させることはない。
さの骨３７と太さが細い骨３８との太さの異なる骨３
７、３８を一本置きに配置し、太い方の縦格子骨３７に
横格子骨３５を交差させ、横格子骨３８が細い方の縦格
子骨３８と接続する位置の反対側には他の横格子骨３５
が存在しない配置に構成することにより、電池の使用に
伴い格子体Ａの腐食が進むと、先ず骨の太さが細い縦格
子骨３８が腐食欠落する。そして、更に腐食が進み健全
な横格子３５が伸びる時には、既に骨の太さが細い縦格
子骨３８が欠落し、かつ横格子骨３５が細い方の縦格子
骨３８と接続する位置の反対側には他の横格子骨３５が
存在しない配置となっているので、横格子骨３５の伸び
は欠落部分で吸収されて格子体を変形させるようなこと
がなく、格子体Ａに充填した活物質を剥離し、集電性を
低下させ、或いは正極と負極とを接触し短絡し、電池寿
命を短縮するような事故を発生させることはない。
【００２３】実施例１
図１に示す構成の格子体Ａを次に示す仕様で作成し、鉛
蓄電池を組み立てた。横格子骨５の太さに対し、骨の太
さが細る部分１５の太さを５０％細くし、かかる格子体
Ａにペースト状活物質を充填し正極板とした。
蓄電池を組み立てた。横格子骨５の太さに対し、骨の太
さが細る部分１５の太さを５０％細くし、かかる格子体
Ａにペースト状活物質を充填し正極板とした。
【００２４】実施例２
図２に示す構成の格子体Ａを次に示す仕様で作成し、鉛
蓄電池を組み立てた。横格子骨５の太さに対し、クラン
ク部変曲点の2箇所の骨の太さが細る部分２５の太さを
５０％細くし、かかる格子体Ａにペースト状活物質を充
填し正極板とした。
蓄電池を組み立てた。横格子骨５の太さに対し、クラン
ク部変曲点の2箇所の骨の太さが細る部分２５の太さを
５０％細くし、かかる格子体Ａにペースト状活物質を充
填し正極板とした。
【００２５】実施例３
図３に示す構成の格子体Ａを次に示す仕様で作成し、鉛
蓄電池を組み立てた。通常の太さの縦格子骨３７の太さ
に対し、骨の太さが細い部分３８の太さを５０％細く
し、かかる格子体Ａにペースト状活物質を充填し正極板
とした。
蓄電池を組み立てた。通常の太さの縦格子骨３７の太さ
に対し、骨の太さが細い部分３８の太さを５０％細く
し、かかる格子体Ａにペースト状活物質を充填し正極板
とした。
【００２６】比較例１
図４に示す構成の格子体Ａを次に示す仕様で作成し、鉛
蓄電池を組み立てた。横格子骨５の太さを全て同一と
し、また縦格子骨の太さも全て同一とし、かかる格子体
Ａにペースト状活物質を充填し正極板とした。
蓄電池を組み立てた。横格子骨５の太さを全て同一と
し、また縦格子骨の太さも全て同一とし、かかる格子体
Ａにペースト状活物質を充填し正極板とした。
【００２７】上記各実施例並びに比較例で作成した正極
板と、通常の負極板とを組合わせて公称容量２Ｖ１０Ａ
ｈの鉛蓄電池を作成した。これらの電池に２５°Ｃの環
境下で０．０２ＣＡ（０．２Ａ）の定電流で過充電を行
い、５日毎に０．２ＣＡ（２Ａ）で放電し、終止電圧
１．７Ｖでの容量確認を行い、評価した。
板と、通常の負極板とを組合わせて公称容量２Ｖ１０Ａ
ｈの鉛蓄電池を作成した。これらの電池に２５°Ｃの環
境下で０．０２ＣＡ（０．２Ａ）の定電流で過充電を行
い、５日毎に０．２ＣＡ（２Ａ）で放電し、終止電圧
１．７Ｖでの容量確認を行い、評価した。
【００２８】評価の結果を図５に示す。図５は実施例１
〜３と比較例１の格子体を使用した鉛蓄電池の過充電期
間（Ｈ）と容量比率（初期を１００とした％表示）との
関係を示したものである。この図５から明らかなよう
に、比較例１の電池が最も早く寿命となり、続いて実施
例１、実施例２、実施例３の順で電池寿命が伸びている
ことを示している。
〜３と比較例１の格子体を使用した鉛蓄電池の過充電期
間（Ｈ）と容量比率（初期を１００とした％表示）との
関係を示したものである。この図５から明らかなよう
に、比較例１の電池が最も早く寿命となり、続いて実施
例１、実施例２、実施例３の順で電池寿命が伸びている
ことを示している。
【００２９】上記実施例１〜３では、格子骨の太さを５
０％相違させた例について示したが、通常の格子骨の太
さに対し、細い部分の太さを２０〜８０％の比率で変化
させて実験したところ、３０〜７０％の範囲で従来の電
池より電池寿命が向上することが確認できた。細い方の
格子骨の太さを３０％以下の比率で細くすると格子体Ａ
の製造時に細い格子骨を損傷する事故が頻発し、一方、
７０％より太くすると、格子骨の腐食が部分的に進ま
ず、電池寿命を延ばす効果がそれ程見られなかった。し
たがって、格子骨の細い部分または細い方の格子骨の太
さは通常の骨の太さの３０〜７０％とすることが好まし
い。
０％相違させた例について示したが、通常の格子骨の太
さに対し、細い部分の太さを２０〜８０％の比率で変化
させて実験したところ、３０〜７０％の範囲で従来の電
池より電池寿命が向上することが確認できた。細い方の
格子骨の太さを３０％以下の比率で細くすると格子体Ａ
の製造時に細い格子骨を損傷する事故が頻発し、一方、
７０％より太くすると、格子骨の腐食が部分的に進ま
ず、電池寿命を延ばす効果がそれ程見られなかった。し
たがって、格子骨の細い部分または細い方の格子骨の太
さは通常の骨の太さの３０〜７０％とすることが好まし
い。
【００３０】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、格
子骨の一部に太さの細い部分を設け、格子骨の腐食、伸
びに対する対策を施したので、格子体Ａの製造は従来の
鋳造による製法で製作でき、工程数の増加が生じること
はなく、鋳造方で製造できるので切断工程等で切断部に
生じるバリ、切断時に生じる格子変形等がなく、製造上
での支障は全くない。また、電池として使用中に格子骨
か折れ、或いは曲がって集電性の低下を来す恐れもな
く、電池性能を向上させることができる。更に、格子骨
に細い部分を設けるため電池質量当たりのエネルギー密
度が向上する等の優れた効果を有するものである。
子骨の一部に太さの細い部分を設け、格子骨の腐食、伸
びに対する対策を施したので、格子体Ａの製造は従来の
鋳造による製法で製作でき、工程数の増加が生じること
はなく、鋳造方で製造できるので切断工程等で切断部に
生じるバリ、切断時に生じる格子変形等がなく、製造上
での支障は全くない。また、電池として使用中に格子骨
か折れ、或いは曲がって集電性の低下を来す恐れもな
く、電池性能を向上させることができる。更に、格子骨
に細い部分を設けるため電池質量当たりのエネルギー密
度が向上する等の優れた効果を有するものである。
【図１】本発明の第一の実施形態を示す平面図である。
【図２】本発明の第二の実施形態を示す平面図である。
【図３】本発明の第三の実施形態を示す平面図である。
【図４】従来の格子体を示す平面図である。
【図５】本発明並びに比較例の電池寿命を比較したグラ
フである。
フである。
Ａ・・・ 格子体
１・・・ 周囲枠骨
２・・・ 縦枠骨
３・・・ 横枠骨
４・・・ 縦格子骨
５・・・ 横格子骨
１５、２７・・・ 骨の太さが細る部分
２５・・・ 横格子骨
２６・・・ クランク部
３７・・・ 縦格子骨
３８・・・ 太さが細い（縦格子）骨
Claims (4)
- 【請求項１】 縦枠骨及び横枠骨からなる周囲枠骨と、
該周囲枠骨の内部で縦横に交差する縦格子骨及び横格子
骨とにより構成される鉛蓄電池用格子体において、前記
横格子骨は格子の目の範囲内で骨の太さが細る部分を有
していることを特徴とする鉛蓄電池用格子体。 - 【請求項２】 縦枠骨及び横枠骨からなる周囲枠骨と、
該周囲枠骨の内部で縦横に交差する縦格子骨及び横格子
骨とにより構成される鉛蓄電池用格子体において、前記
横格子骨は格子の目の範囲内でクランク状の形状を有
し、かつ、格子の目の範囲内で骨の太さが細る部分を有
していることを特徴とする鉛蓄電池用格子体。 - 【請求項３】 前記横格子骨の縦格子骨に接続する位置
が、隣り合う横格子骨に対して上下に位置していること
を特徴とする請求項２に記載の鉛蓄電池用格子体。 - 【請求項４】 縦枠骨及び横枠骨からなる周囲枠骨と、
該周囲枠骨の内部で縦横に交差する縦格子骨及び横格子
骨とにより構成される鉛蓄電池用格子体において、前記
縦格子骨は太さの異なる骨を一本置きに配置し、太い方
の縦格子骨に横格子骨を交差させ、縦格子骨に交差する
横格子骨の細い方の縦格子骨と接続する位置の反対側に
は他の横格子骨が存在しない配置としたことを特徴とす
る鉛蓄電池用格子体。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001376510A JP2003178760A (ja) | 2001-12-10 | 2001-12-10 | 鉛蓄電池用格子体 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001376510A JP2003178760A (ja) | 2001-12-10 | 2001-12-10 | 鉛蓄電池用格子体 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2003178760A true JP2003178760A (ja) | 2003-06-27 |
Family
ID=19184686
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2001376510A Pending JP2003178760A (ja) | 2001-12-10 | 2001-12-10 | 鉛蓄電池用格子体 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2003178760A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN104134804A (zh) * | 2014-07-11 | 2014-11-05 | 超威电源有限公司 | 一种动力电池专用板栅 |
| JP2014535153A (ja) * | 2011-11-03 | 2014-12-25 | ジョンソン コントロールズ テクノロジー カンパニーＪｏｈｎｓｏｎ Ｃｏｎｔｒｏｌｓ Ｔｅｃｈｎｏｌｏｇｙ Ｃｏｍｐａｎｙ | 耐食性を変化させた電池グリッド |
| US10170768B2 (en) | 2013-10-08 | 2019-01-01 | Johnson Controls Autobatterie Gmbh & Co. Kgaa | Grid assembly for a plate-shaped battery electrode of an electrochemical accumulator battery |
| US10418637B2 (en) | 2013-10-23 | 2019-09-17 | Johnson Controls Autobatterie Gmbh & Co. Kgaa | Grid arrangement for plate-shaped battery electrode and accumulator |
-
2001
- 2001-12-10 JP JP2001376510A patent/JP2003178760A/ja active Pending
Cited By (10)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2014535153A (ja) * | 2011-11-03 | 2014-12-25 | ジョンソン コントロールズ テクノロジー カンパニーＪｏｈｎｓｏｎ Ｃｏｎｔｒｏｌｓ Ｔｅｃｈｎｏｌｏｇｙ Ｃｏｍｐａｎｙ | 耐食性を変化させた電池グリッド |
| JP2017157573A (ja) * | 2011-11-03 | 2017-09-07 | ジョンソン コントロールズ テクノロジー カンパニーＪｏｈｎｓｏｎ Ｃｏｎｔｒｏｌｓ Ｔｅｃｈｎｏｌｏｇｙ Ｃｏｍｐａｎｙ | 耐食性を変化させた電池グリッド |
| US9761883B2 (en) | 2011-11-03 | 2017-09-12 | Johnson Controls Technology Company | Battery grid with varied corrosion resistance |
| US10892491B2 (en) | 2011-11-03 | 2021-01-12 | CPS Technology Holdings LLP | Battery grid with varied corrosion resistance |
| US11539051B2 (en) | 2011-11-03 | 2022-12-27 | Cps Technology Holdings Llc | Battery grid with varied corrosion resistance |
| US10170768B2 (en) | 2013-10-08 | 2019-01-01 | Johnson Controls Autobatterie Gmbh & Co. Kgaa | Grid assembly for a plate-shaped battery electrode of an electrochemical accumulator battery |
| US10840515B2 (en) | 2013-10-08 | 2020-11-17 | Clarios Germany Gmbh & Co. Kgaa | Grid assembly for a plate-shaped battery electrode of an electrochemical accumulator battery |
| US11611082B2 (en) | 2013-10-08 | 2023-03-21 | Clarios Germany Gmbh & Co. Kg | Grid assembly for a plate-shaped battery electrode of an electrochemical accumulator battery |
| US10418637B2 (en) | 2013-10-23 | 2019-09-17 | Johnson Controls Autobatterie Gmbh & Co. Kgaa | Grid arrangement for plate-shaped battery electrode and accumulator |
| CN104134804A (zh) * | 2014-07-11 | 2014-11-05 | 超威电源有限公司 | 一种动力电池专用板栅 |
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