JP2004273400A - 蓄電池用格子体とそれを用いた鉛蓄電池 - Google Patents

蓄電池用格子体とそれを用いた鉛蓄電池 Download PDF

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Abstract

【課題】ロータリーエキスパンド法による蓄電池用格子体の充放電の繰り返しによる高さ方向への格子体の伸びを抑制して、上部ショートによる短寿命という課題を解決し、寿命特性の優れた鉛蓄電池を提供する。
【解決手段】複数の凸状刃を配置したカッターをPb−Ca合金シートの両面から押し入れて鉛合金シート上に複数条の断続したスリットを互いに平行に形成するとともに、互いに平行に隣接しあうスリットで構成された線状部を鉛合金シート厚み方向に突出させて塑性変形させ、スリット間の断続部を交互に切断して千鳥状として展開した蓄電池用のエキスパンド格子体において、エキスパンド網目の交点部の幅寸法(W)が最小となる部分(以下、最小部)を格子体の高さ方向に対してエキスパンド網目の上部から55%〜80%の範囲内に列状に配置する。
【選択図】 図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エキスパンド網目を有した蓄電池用格子体とそれを用いた鉛蓄電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、鉛蓄電池の格子体は生産性を向上させるため、鋳造工法による生産から、Pb−Ca合金を圧延により薄いシートとし、エキスパンド加工を施し連続的に格子体が生産できるエキスパンド工法が主流となってきている。このエキスパンド工法には、レシプロ方式とロータリー方式に大別される。
【0003】
レシプロ方式では例えば特許文献1に示されたように加工刃を階段状に配置したエキスパンド型を用いて一方向から鉛合金シートをプレスする。その時に加工刃と下刃とのせん断によって鉛合金シートに千鳥状のスリットを形成するとともに、加工刃の先端によってスリット間に挟まれた線状部を展開し、エキスパンド網目が形成される。このようなレシプロ方式によるエキスパンド加工では展開がシート厚み方向の一方向のみに行われる。
【0004】
一方、ロータリー方式では例えば特許文献2の第1図に示されているように、回転する円板状カッターの円周上に配置した凸部によりストリップ(鉛合金シートに相当)にスリットを形成する。同時にスリットで挟まれた線状部をストリップの上下方向に円弧状に成形し(特許文献2の第15図)、線状部と線状部との間の断続部を交互に切断することによって(特許文献2の第16図)、スリットを千鳥状とする。その後、ストリップを幅方向に展開することによって(特許文献2の第18図)、エキスパンド網目を形成する。
【0005】
このロータリー方式で加工された格子体と前述したレシプロ方式の格子体との本質的な差はレシプロ方式では展開方向がシート厚み方向のみであることに対し、ロータリー方式ではシート厚み方向に円弧状に組成変形により突出させた後、シート幅方向に展開する、すなわち、展開がシート厚み方向と幅方向の異なる2方向に行われることである。したがって、ロータリー式によるものでは、格子骨に捩れが発生する。
【0006】
このようなロータリー方式ではスリット形成の工程が回転する円板状カッターで行われるため、レシプロ式のようにエキスパンド型を往復運動する工法に比較して加工速度を向上する上で有利である。また、網目寸法を小さくする場合、レシプロ式では網目寸法を小さくした分、プレス単位ストローク当たりの鉛合金シートの加工速度は遅くなる。ところがロータリー方式では鉛合金シートの加工速度は円板状カッターの回転数で決定され、網目寸法による影響を受けない。
【0007】
したがって、エキスパンド格子体の集電効率を高める目的で網目寸法を小さくする場合にはロータリー方式がレシプロ式に比較して加工速度の面で有利であり、始動用鉛蓄電池をはじめとする各種の鉛蓄電池に適用されるようになってきている。
【0008】
このように、ロータリー方式はレシプロ方式に比較して生産性に優れる。ところが、このロータリー方式によるエキスパンド格子体を正極に用いて鉛蓄電池を作成した場合、レシプロ方式のそれと比較して充電−放電の繰り返しによる正極格子の高さ方向に対する伸びが大きくなる傾向があることが判ってきた。
【0009】
ロータリー方式のエキスパンド格子体がレシプロ方式のものに比較して伸び量が大きくなる要因は定かではない。ロータリー方式によるものはその製造過程において、格子骨となる線状部は前記したように異なる2方向に展開伸長する過程で格子骨に捩れが生じる。この捩れは格子と活物質との接触面積を増加させる反面、格子表面積が増加することにより、腐食量が増加したためと推測される。
【0010】
そして、正極での格子の伸びが大きくなった場合、正極格子の上辺が負極ストラップと接触して短絡する。
【0011】
この短絡の結果、蓄電池容量が急激に低下して蓄電池は寿命に至る。このような短絡による寿命低下は、その発生直前まで何らの支障なく蓄電池を使用できているにかかわらず、前触れなく突然発生することが多い。したがって、蓄電池の使用者は蓄電池の劣化を自覚することなく、突然、蓄電池寿命に直面する。特に車両用の蓄電池の場合には、道路上で突然走行不能となるため、このような突然の寿命低下は使用者にとって最も好ましくない故障であった。
【0012】
【特許文献1】
特開平8−273673号公報
【特許文献2】
特開平3−204126号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ロータリー方式のように、Pb−Ca合金シートにスリット形成して得た線状部をシート両面に上下方向に円弧状に突出させ、その後シートを幅方向に展開伸長することによって、異なる2方向に展開伸長して得たエキスパンド格子体を正極に用いて得た鉛蓄電池において、正極エキスパンド格子体の伸びと、これによる負極との短絡を抑制する。これにより突然寿命低下に至る事なく、寿命特性に優れた鉛蓄電池を提供するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記した課題を解決するために、本発明の請求項1に係る発明は、複数の凸状刃を配置したカッターをPb−Ca合金シートの両面から押し入れて鉛合金シート上に複数条の断続したスリットを互いに平行に形成するとともに、互いに平行に隣接しあうスリットで構成された線状部を前記鉛合金シート厚み方向に突出させて塑性変形させ、前記スリット間の断続部を交互に切断することにより、前記スリットを千鳥状とし、前記スリットを展開して得たエキスパンド網目を有した蓄電池用の格子体であって、このエキスパンド網目に一体に形成された上枠骨と下枠骨を備えるとともに、前記上枠骨に一体に集電耳を有し、前記エキスパンド網目の交点部の幅寸法(W)が最小となる部分を前記格子体の高さ方向に対して前記エキスパンド網目の上部から55%〜80%の範囲内に列状に配置したことを特徴とする蓄電池用格子体を示すものである。
【0015】
また、本発明の請求項2に係る発明は、請求項1の蓄電池用格子体において、最小部の交点部の幅寸法をW、前記最小部に上方向に隣接する交点部の幅寸法をWa、前記最小部に下方向に隣接する交点部の幅寸法をWbとした時に、比率(W/Wa)および比率(W/Wb)を0.57〜0.86としたことを特徴とするものである。
【0016】
さらに本発明の請求項3に係る発明は、請求項1もしくは2の蓄電池用格子体を少なくとも正極に用いた鉛蓄電池を示すものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態による蓄電池用格子体とその製造過程を図面を用いて説明する。
【0018】
図1は本発明による蓄電池用格子体の製造に用いるロータリーエキスパンド用の円板状カッター101を示す図である。円板状カッター101の円周上には凸状刃102と平坦部103とが交互に形成されている。図1に示した円板状カッター101の複数枚が間隔を介して積層することによって、図2に示すカッターロール105を形成し、このカッターロール105の一対を組み合わせてカッターロール対106が構成される。
【0019】
なお、この互いに対向するカッターロール105において各々の円板状カッター101に設けた凸状刃102同士が対向するように組み合わされている。
【0020】
そしてカッターロール105を矢印A方向に回転させ、鉛合金シート107をカッターロール対106間に供給する。その結果、図2および図3に示したように、鉛合金シート107は対向する凸状刃102によってせん断され、複数条の断続したスリット108が形成される。また、同時にスリット108で挟まれた線状部109は凸状刃102の先端によって塑性変形を受け、鉛合金シート107の表裏面に円弧状に張り出す。
【0021】
なお、鉛合金シートとしては加工性および耐食性の観点で0.03〜0.10質量%程度のCa、0.80〜1.80質量%程度のSnを含む鉛合金の圧延シートで構成することが好ましい。
【0022】
次工程でスリット108間の断続部110を交互に切断することによって、図4に示すように、スリット108を千鳥状とする。そして鉛合金シート107を幅方向に展開するとともに、スリット108を形成しない無地部111から集電用の耳部202を成型することにより図5に示す蓄電池用の格子体201を得る。この格子体201はエキスパンド網目203と下枠骨204および耳部202を一体に設けた上枠骨205からなる。
【0023】
また、エキスパンド網目203は線状部109が展開伸長されてできた骨部206と図5に示した断続部110に対応した交点部207で構成される。
【0024】
本発明による蓄電池用の格子体201はエキスパンド網目203の交点部207の幅寸法(W)が最小となる部分(以下、最小部208)を格子体201の高さ方向に対してエキスパンド網目203の上部から55%〜80%の範囲内に列状に設定するものである。すなわち、エキスパンド網目203の高さ寸法をH、エキスパンド網目203の上端から最小部208までの高さ方向の寸法をLとしたときに、比率(L/H)を0.55以上、0.80以下とするものである。
【0025】
このような本発明の格子体を正極に用いて鉛蓄電池を構成すれば、鉛蓄電池の急激な寿命低下を抑制し、寿命特性を顕著に改善することができる。本発明の蓄電池用格子体では最小部208が優先的に腐食により断線させることによって、正極板の上方向への変形を緩和し、負極との短絡による急激な寿命低下を抑制する。
【0026】
また、最小部208のエキスパンド網目203の上端からの位置を規定することによって、最小部208が断線した場合でも寿命特性の急激な低下を抑制し、全体としては寿命期間にわたって、蓄電池容量は緩やかに低下する。このような緩やかに容量が低下する特性は蓄電池の使用者に蓄電池の劣化を自覚させ、適切な保守点検や交換の目安となり、使用上、好ましいものである。
【0027】
この最小部208の位置を示す比率(L/H)を0.80を越えて大きくした場合、最小部208で断線した場合でも格子体201の上方への変形が発生し、負極棚と短絡する可能性がある。また、比率(L/H)を0.55未満とした場合、最小部208の腐食断線した場合に、格子体201の変形は抑制できるものの、腐食断線によって放電反応に寄与できる活物質量が急激に低下し、結果として容量低下が激しくなる。したがって、本発明の効果を顕著に得るためには比率(L/H)を0.55以上、0.80以下とする。
【0028】
なお、交点部の幅寸法は図4に示した鉛合金シート107におけるスリット108間の断続部110の長さ寸法(k)に対応する。また、この長さ寸法(k)図1に示した円板状カッター101の平坦部103の長さ寸法(k´)とカッターロール対106の噛み合わせ量によって設定することができる。
【0029】
また、最小部208周辺のエキスパンド網目203の一部を図6に示したが、最小部208の幅寸法をWとした時に、最小部208の上方向に隣接する交点部A(209)の幅寸法をWa、最小部208の下方向に隣接する交点部B(210)の幅寸法をWbとした時に、比率(W/Wa)および比率(W/Wb)を0.57〜0.86とすることが好ましい。
【0030】
これらの比率(W/Wa)および(W/Wb)を0.86を越えて大きくした場合には最小部208で確実に腐食断線できない場合があり、本発明の効果が薄れる可能性がある。またこれらの比率を0.57未満とした場合にはエキスパンド加工時において、最小部208で断線が生じ、エキスパンド加工不良が発生するために好ましくない。したがって、本発明の効果を有効かつ、生産性に支障なく得るためにはこれらの比率(W/Wa)および(W/Wb)を0.57〜0.86とすることが好ましい。
【0031】
そしてこのようにして得られた本発明の蓄電池用格子体を正極に用い、以降の工程については常法を用いることにより本発明による鉛蓄電池を得ることができる。
【0032】
なお、ここで本発明の蓄電池用格子体を製造する過程で、スリット108を形成する工程とスリット108間の断続部109を交互に切断する工程とを段階的に行う方法の例を述べたが、例えば特許文献2に記載されたようにこれらの工程を同時に行うことも可能である。
【0033】
この場合には図1に示した円板状カッター101に替えて図7に示した円板状カッター301を用いる。この円板状カッター301は図8にその要部を示したように凸状刃102の間に設けた平坦部103の側面のいずれか一方に薄肉部302を交互に設ける。そして、円板状カッター301がかみ合わされた状態で隣接する円板状カッター301の薄肉部302同士が対向する部分と薄肉部302を形成しない面同士が対向した部分が交互になるとともに、対向する平坦部103同士が噛み合うよう、カッターロール対を配置する。
【0034】
このような構成によれば薄肉部302同士が対向し部分は逃げ部となって、断続部110は切断されない。一方、薄肉部302を形成しない面同士が対向する部分は噛み合わされた平坦部103でせん断部が形成され、これに対応する断続部110が切断される。その結果、断続スリット形成とスリット間の断続部を交互に切断する工程とが同一のカッターロール対内で行われ、一工程で千鳥状スリットを形成できる点で有利である。
【0035】
【実施例】
以下に本発明によって得た格子体と比較例によって得た格子体を正極に使用した鉛蓄電池の寿命について説明する。
【0036】
前記した発明の実施の形態において説明した方法によりエキスパンド格子体を作成した。但し、図5に示す格子体201においてエキスパンド網目203の高さ寸法Hを100mmとし、エキスパンド網目203の上端から最小部208までの高さ方向の寸法Lを変化させることによって、比率(L/H)を様々に変化させた、本発明例による格子体と比較例による格子体を作成した。なお、図6に示した最小部208の幅寸法Wを変化させる一方で、他の交点部の幅寸法をすべて1.4mmとすることによって最小部208の上方向に隣接する交点部A(209)の幅寸法(Wa)および最小部208の下方向に隣接する交点部B(210)の幅寸法(Wb)に対する幅寸法(W)の比率を様々に変化させた。なお、鉛合金シート107としてはPb−0.05質量%Ca−1.40質量%Snの圧延シートを用いた。
【0037】
これらの格子体には常法により鉛粉を水、希硫酸で練合して得たペースト状の活物質を充填し、熟成乾燥させることにより正極板とした。この正極板7枚と常法による負極板を微孔性ポリエチレンからなるセパレータで袋詰めしたもの8枚とを組み合わせ、希硫酸を電解液とする公称12V定格容量55Ahである80D26形(JIS D5301)の始動用鉛蓄電池を作製した。
【0038】
また、さらに比較例として上記の各電池の正極格子体に替えて同じ鉛合金シートを用いてレシプロ式によって得た正極格子体を用いた電池を作成した。これらの電池の構成を表1に示した。
【0039】
【表1】
Figure 2004273400
【0040】
表1に示す各電池について寿命試験を行った。寿命試験方法として試験電池を14.8V定電圧で10分間充電を行った後に25A放電を2分間行う充電−放電サイクルを行った。充電−放電サイクルの480サイクル毎に582A放電を行い、電池の端子電圧が7.2Vまで低下した時点で寿命とした。なお、この充電−放電のサイクルは75℃雰囲気中で、480サイクル毎の582A放電は電池を25℃雰囲気中に放置して電池温度を25℃とした状態で行った。
【0041】
これらの各電池の寿命サイクル結果を表1に示す。表1に示した結果から明らかなように本発明の鉛蓄電池、すなわち、エキスパンド網目203の高さ寸法H、エキスパンド網目203の上端から最小部208までの高さ方向の寸法Lとした時の比率(L/H)を0.55〜0.80としたものは比較例の鉛蓄電池よりも顕著に優れた寿命特性を有していることがわかる。
【0042】
また、本発明例の電池Fと比較例の電池Bおよび電池Iの寿命試験における放電時の電池電圧の推移を図9に示す。図9に示した結果から、本発明例の電池Fでは比較的電圧変化が緩やかであるのに対し、比較例の電池Bおよび電池Iでは急激な電圧の低下が認められた。
【0043】
これらの電池を寿命試験終了後に分解したところ、比較例の電池Bはエキスパンド格子体に設けた最小部で格子が腐食断線していた。したがって、この最小部以下の部位の活物質が放電に寄与できず、急激に寿命低下したものと推測できる。また、比較例の電池Iではエキスパンド格子体の上枠骨が上方に変形し、負極棚と短絡して寿命に至っていた。
【0044】
一方、本発明例の電池Bでは比較例Iの電池で見られたような格子体の変形が若干見られたが、負極棚と短絡するまでには至っていなかった。また、電池Bの正極活物質は全体に軟化が進行しており、これによって緩やかに寿命低下したと考えられる。
【0045】
また、交点部の幅寸法の比率に関して、すなわち、比率(W/Wa)および比率(W/Wb)は0.57〜0.86の範囲で特に寿命特性が優れていた。また、これらの比率を0.57未満とした電池F1では寿命が低下したが、これはエキスパンド格子体を作成する段階で骨切れが発生していたためと推測される。さらにこれらの比率を0.93とした電池F3では寿命改善効果が若干低下する。したがって、本発明の効果を特に顕著に得るためにはこれらの比率(W/Wa)および(W/Wb)を0.57〜0.86の範囲内とすることが好ましい。
【0046】
また、正極格子体としてレシプロ式によるエキスパンド格子体を用いた電池については比率(L/H)や比率(W/Wa)および(W/Wb)の変化が寿命特性に及ぼす影響は少なかった。したがって、本発明の構成はロータリ方式のように、異なる2方向に展開伸長が行われるエキスパンド格子体に適用することにより顕著な効果が得られることがわかる。
【0047】
【発明の効果】
以上、説明してきたように本発明の構成によれば、ロータリー方式のような互いに異なる2方向へ展開伸長して得たエキスパンド網目を正極格子体に用いる場合においても正極格子の変形を抑制し、長寿命の蓄電池を得ることができる。法による格子体の生産が可能となったことにより、寿命特性の優れた蓄電池を生産性良く得ることができる。また、本発明の電池では短絡を抑制することによって、突然の寿命低下を防ぎ、電圧特性が緩やかに低下するため、蓄電池の使用者に保守点検の必要性を認識させることができるという効果をも得ることができることから、工業上、極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】蓄電池用格子体の製造に用いる円板状カッターを示す図
【図2】蓄電池用格子体の製造工程を示す図
【図3】エキスパンド網目形成途上にある鉛合金シートを示す図
【図4】エキスパンド網目形成途上にある鉛合金シートを示す図
【図5】蓄電池用の格子体を示す図
【図6】エキスパンド網目の要部を示す図
【図7】他の円板状カッターを示す図
【図8】円板状カッターの要部を示す図
【図9】本発明例および比較例の電池の寿命特性を示す図
【符号の説明】
101 円板状カッター
102 凸状刃
103 平坦部
104 薄肉部
105 カッターロール
106 カッターロール対
107 鉛合金シート
108 スリット
109 線状部
110 断続部
111 無地部
201 格子体
202 耳部
203 エキスパンド網目
204 下枠骨
205 上枠骨
206 骨部
207 交点部
208 最小部
209 交点部A
210 交点部B
301 円板状カッター
302 薄肉部

Claims (3)

  1. 複数の凸状刃を配置したカッターをPb−Ca合金シートの両面から押し入れて鉛合金シート上に複数条の断続したスリットを互いに平行に形成するとともに、互いに平行に隣接しあうスリットで構成された線状部を前記鉛合金シート厚み方向に突出させて塑性変形させ、前記スリット間の断続部を交互に切断することにより、前記スリットを千鳥状とし、前記スリットを展開して得たエキスパンド網目を有した蓄電池用の格子体であって、
    前記エキスパンド網目に一体に形成された上枠骨と下枠骨を備えるとともに、前記上枠骨に一体に集電耳を有し、
    前記エキスパンド網目の交点部の幅寸法(W)が最小となる部分(以下、最小部)を前記格子体の高さ方向に対して前記エキスパンド網目の上部から55%〜80%の範囲内に列状に配置したことを特徴とする蓄電池用格子体。
  2. 前記最小部の交点部の幅寸法をW、前記最小部に上方向に隣接する交点部の幅寸法をWa、前記最小部に下方向に隣接する交点部の幅寸法をWbとした時に、比率(W/Wa)および比率(W/Wb)を0.57〜0.86としたことを特徴とする請求項1に記載の蓄電池用格子体。
  3. 請求項1もしくは2の蓄電池用格子体を少なくとも正極に用いた鉛蓄電池。
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