JP2003178434A - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体の製造方法

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JP2003178434A JP2001378717A JP2001378717A JP2003178434A JP 2003178434 A JP2003178434 A JP 2003178434A JP 2001378717 A JP2001378717 A JP 2001378717A JP 2001378717 A JP2001378717 A JP 2001378717A JP 2003178434 A JP2003178434 A JP 2003178434A
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Seiji Kasahara
誠治 笠原
Mikio Tomaru
美喜男 都丸
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Fujifilm Holdings Corp
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】得率を低下させることなく電磁変換特性を向上
させることのできる磁気記録媒体の製造方法を提供す
る。 【解決手段】ロール状の磁気記録媒体30を巻き戻して
裁断する前に、ロール状態のまま恒温室40に搬入して
巻芯42に挿入された軸44を、一対の支柱46に懸け
渡し、この状態で温度が40°Cに調整されて少なくと
も7時間保持される粗さ均一化処理を行う。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は磁気記録媒体の製造
方法に係り、特に、ロール状の磁気記録媒体を巻き戻し
て細テープ状に裁断することにより、オーディオ、ビデ
オ機器、コンピュータ等に使用される磁気テープを製造
する磁気記録媒体の製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】従来の磁気記録媒体の一般的な製造方法
は、磁性液をウエブに塗布する塗布工程、塗布工程で形
成された磁性層を乾燥する乾燥工程を経てロール状に巻
回する。次に、ロールを巻き戻して磁性層を平滑化する
カレンダ工程を経て再びロール状に巻回する。最後に、
ロール状態のまま磁性層を硬化する熱処理工程を行った
後、巻き戻して細テープ状に裁断する。裁断前の熱処理
工程では、カレンダー処理された後のロール状態の熱現
像感光材料を70〜100°C程度の高温恒温室に約4
8時間保管することにより行っていた。 【0003】ところで、近年、磁気記録媒体の薄層化・
高密度化に伴って、記録・再生には超高感度のヘッドを
用いるようになってきており、記録・再生時のノイズを
如何に低く抑えるかが重要になる。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
磁気記録媒体の製造方法により得られた磁気テープは、
近年の超高感度ヘッドに対応するには更なる磁性層の平
滑性や磁性層厚みの均一性の改善が必要になってきてお
り、これによる電磁変換特性の更なる向上を図る必要が
ある。また、従来の磁気記録媒体の製造方法により得ら
れた磁気テープは、磁性層に突起が部分的に増加する場
合があり、この部分は製品にならないので得率が低下す
るという問題もある。 【0005】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、得率を低下させることなく電磁変換特性を向
上させることのできる磁気記録媒体の製造方法を提供す
ることを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するために、ロール状の磁気記録媒体を巻き戻して細テ
ープ状の磁気テープに裁断する裁断工程を備えた磁気記
録媒体の製造方法において、裁断前に、前記磁気記録媒
体のロール状態での各部分における磁性層面の表面粗さ
を均一化する粗さ均一化処理を施すことを特徴とする。 【0007】発明者は、従来の磁気記録媒体の製造方法
のように、裁断前にロール状の磁気記録媒体を高温で熱
処理すると、芯部材に近いロールの内周部分は、巻き締
まりの圧力で磁性層面の反対側面の粗さが磁性層面に写
ってしまい、これにより磁性層面の平滑性が悪くなるこ
とにより電磁変換特性が低下するという知見を得た。ま
た、巻き締まりの圧力が低いロールの外周部分は、反対
側面の粗さが磁性層面に写ることは少ないものの、磁性
層面の突起個数が増加してしまい、これにより製品にな
らない部分が発生して得率が低下するという知見を得
た。 【0008】このことは、近年の超高感度ヘッドに対応
するための対策としては、磁性体の特性よりもむしろ、
磁気記録媒体を裁断工程で裁断して細テープ状にした後
の磁気テープにおける磁性層面の平滑性や磁性層厚みの
均一性を良くすることが極めて重要になってきているこ
とを意味する。従って、裁断前の磁気記録媒体がロール
状態で置かれる磁気記録媒体の製造方法においては、裁
断前のロール状態での各部分における磁性層面の表面粗
さ(Ra)の均一化が確保されないことには、裁断後の
磁気テープにおいて良好な電磁変換特性や良好な得率を
得ることができない。 【0009】本発明によれば、裁断前に、磁気記録媒体
のロール状態での各部分における磁性層面の表面粗さ
(Ra)を均一化する表面均一化処理を施すようにした
ので、裁断後の磁気テープの平滑度を向上できる。更に
は、磁性層の突起も減少させることができる。これによ
り、得率を低下させることなく電磁変換特性を向上させ
ることができる。 【0010】本発明における表面粗さ(Ra)の均一化
の程度としては、ロール状態での各部分における表面粗
さ分布が表面粗さ平均値の±30%以内であることが、
超高感度ヘッドでの電磁変換特性を満足させるために好
ましい。この場合、ロール状態での磁気記録媒体の各部
分における表面粗さ平均値が4nm(ナノメータ)以下
であることが一層良い。 【0011】本発明における粗さ均一化処理の好ましい
態様としては、ロール状態のままで40°Cの低温恒温
室に少なくとも72時間保管する低温長時間の熱処理を
施すとよい。この場合、磁気記録媒体のロールの巻芯径
を大きくすると共に巻芯に巻回する巻数を少なくしてロ
ール自体の厚みを薄くし、ロール状の磁気記録媒体に熱
分布が発生しないようにすることが粗さ均一化にとって
好ましい。このように、磁気記録媒体をロール状態で低
温長時間の熱処理を施すことにより、芯部材に近いロー
ルの内周部分が巻き締まり圧力で磁性層面の反対側面の
表面粗さが磁性層面に写ることを抑制し、ロールの外周
部分での磁性層面の突起個数を減少させることができ、
しかもカレンダー処理後の磁性層の硬化処理をも並行し
て行うことができる。 【0012】また、別の態様としては、磁気記録媒体を
巻回してロール状態を形成する前の帯状の状態で、テン
ション0.05〜4.0kg/m、磁気記録媒体の温度
140°Cで10秒間〜30秒間の低テンション高温短
時間の熱処理を施し、その後巻回してロール状態を形成
してもよい。このように、磁気記録媒体を帯状の状態で
低テンション高温短時間の熱処理を施すことにより、そ
の後ロール状にしても芯部材に近いロールの内周部分が
巻き巻き締まり圧力で磁性層面の反対側面の表面粗さが
磁性層面に写ることを抑制し、ロールの外周部分での磁
性層面の突起個数を減少させることができ、しかもカレ
ンダー処理後の磁性層の硬化処理をも並行して行うこと
ができる。 【0013】また、粗さ均一化処理の一層好ましい態様
としては、カレンダー処理を終えてロール状に巻き取っ
た後から裁断までの間は、ロール状態での各部分におけ
る面圧が、常に0.04kg/mm2 以下であることが
好ましい。これにより、裁断後の磁気テープにおける磁
性層の平滑性や磁性層厚みの均一性が一層良くなるの
で、電磁変換特性を更に改善できる。 【0014】 【発明の実施の形態】以下添付図面に従って本発明に係
る磁気記録媒体の製造方法の好ましい実施の形態につい
て詳説する。 【0015】図1〜図3は、本発明の磁気記録媒体の製
造方法を適用する装置の一例を示す構成図であり、本装
置により磁気テープカセットを製造する例で以下に説明
する。 【0016】図1に示すように、送出リール装置10か
ら送り出された帯状の支持体20は、磁性液塗布装置1
1により磁性塗布液が塗布された後、第1乾燥装置12
内を搬送されて、支持体20に塗布形成された磁性層が
乾燥される。次に、バック層塗布液塗布装置13で支持
体20の裏面(塗布面の反対側面)にバック層液が塗布
された後、乾燥ゾーン及び熱処理ゾーンを備えた第2乾
燥装置14内を搬送されて乾燥と熱処理が施された後、
巻取リール装置15に巻き取られる。これにより、帯状
の支持体20に磁性塗布液とバック層塗布液が塗布され
たロール状の磁気記録媒体30が製造される。第2乾燥
装置14に、乾燥ゾーン及び熱処理ゾーンを設けるよう
にしたが、乾燥ゾーン及び熱処理ゾーンを別装置として
分離してもよい。また、送出リール装置10から巻取リ
ール装置15の間の支持体20の搬送路には、溝付き吸
引ドラム16が複数設けられる。この溝付き吸引ドラム
16は、吸引ドラムの吸引力及び回転速度を制御して吸
引ドラム面における支持体20のすべり具合を調整する
ことで搬送される支持体20のテンションを調整した
り、支持体20の安定搬送を行う。テンション調整には
溝付き吸引ドラム16を用いたドロー方式の他に、ダン
サローラを用いたダンサ方式でもよい。 【0017】巻取リール装置15に巻き取られたロール
状の磁気記録媒体30は、図2に示すように、カレンダ
装置32の送出リール装置34に移載されて再び繰り出
され、カレンダローラ22、24、26同士の間を挟持
搬送されることによりカレンダ処理されて巻取リール装
置36に巻き取られる。これにより、磁性層面とバック
層面が平滑化されたロールの磁気記録媒体30が形成さ
れる。カレンダ処理の支持体搬送路にも複数の溝付き吸
引ドラム16が設けられ、支持体20のテンションの調
整と支持体20の安定搬送が行われる。 【0018】次に、カレンダー処理された後のロール状
の磁気記録媒体30は、粗さ均一化処理が施される。粗
さ均一化処理は、図3に示すように、ロール状態のまま
恒温室40に搬入されると共に巻芯42に挿入された軸
44が、一対の支柱46に懸け渡され、この状態で恒温
室40内の温度が40°Cに調整されて少なくとも7時
間保持されることにより行われる。この場合、恒温室4
0内の熱は、ロール状の磁気記録媒体30の外表面側か
らと巻芯部側からの両方からロール内部に伝達するの
で、ロール状の磁気記録媒体30に熱分布が生じにくい
ように、巻芯42の径(L1 )を大きくすると共に巻芯
42に巻回する磁気記録媒体の巻数を少なくしてロール
自体の厚み(L2 )を薄くするとよい。これにより、ロ
ール状態にある磁気記録媒体30の各部分において熱分
布のない均等な熱処理が可能となるので、ロール状態で
の磁気記録媒体の各部分における表面粗さ(Ra)を効
果的に均一化することができる。表面粗さ(Ra)の均
一の程度としては、ロール状態での各部分における表面
粗さ平均値の±30%以内であることが、良好な磁気変
換特性を達成する上で好ましい。この場合、ロール状態
での磁気記録媒体の各部分における表面粗さ平均値が4
nm以下になることが一層良い。従って、40°Cで7
2時間の熱処理後でも表面粗さ分布が上記数値を満足し
ない場合には、満足するまで熱処理時間を延ばすか、或
いはロール自体の厚み(L2 )を更に薄くするのがよ
い。 【0019】ロール状の磁気記録媒体30の表面粗さ
(Ra)を均一化するための粗さ均一化処理の別の態様
としては、カレンダー後のロール状の磁気記録媒体30
を、図1の装置の送出リール装置10に装着し、第1乾
燥装置12又は第2乾燥装置14のみを通過させて巻取
リール装置15に巻き取るバイパスラインを構成するこ
とにより行うことができる。この場合、乾燥装置12又
14の温度条件及び吸引ドラム16による磁気記録媒体
のテンション条件は、次のように設定される。即ち、磁
気記録媒体30を巻回してロール状にする前の帯状の状
態で、テンション0.05〜4.0kg/m、磁気記録
媒体の温度140°Cで10秒間〜30秒間の低テンシ
ョン高温短時間の熱処理を施し、その後巻回してロール
状態にするとよい。従って、この場合には、カレンダ処
理を終えたロール状の磁気記録媒体30を再び巻き戻し
ながら温度140°Cの乾燥装置12又14内を0.0
5〜4.0kg/mの低テンションで搬送した後、ロー
ル状にするとよい。 【0020】カレンダー処理後の巻取り、又は帯状物で
の熱処理後の巻取りは、巻き取ったロールの巻き固さが
一定になるように操作する。例えば一定の張力下で一定
圧のコンタクトローラを押し付けながら巻くことで巻き
固さを一定にできる。この場合の巻取り時の張力は1〜
10kg/m、好ましくは3〜7kg/mであり、コン
タクトローラの圧力は20〜80kg/m、好ましくは
20〜60kg/mである。 【0021】また、磁気記録媒体30をロール状態で恒
温室により低温長時間処理する場合、又は帯状の状態で
の低テンション高温短時間処理後にロール状にする場合
のいずれの粗さ均一化処理においても、カレンダー処理
を終えてロール状に巻き取った後から裁断までの間は、
ロール状態の磁気記録媒体30での各部分における面圧
が、常に0.04kg/mm2 以下であることが好まし
い。これにより、裁断後の磁気テープにおける磁性層の
平滑性や磁性層厚みの均一性が一層良くなるので、電磁
変換特性を更に改善できる。 【0022】粗さ均一化処理は、上記した方法に限定さ
れるものではなく、要は、ロール状の磁気記録媒体30
を巻き戻して裁断する前のロール状態での各部分におけ
る表面粗さ分布を均一化できる処理であればよい。ま
た、上記した粗さ均一化処理を一回行っただけでは、表
面粗さ平均値(Rav )の±30%以内を満足しない場
合には、粗さ均一化処理を複数回行うことが好ましく、
この場合、ロール状態での低温長時間の熱処理又は帯状
物状態での高温短時間処理の異なる均一化処理を組み合
わせてもよい。 【0023】次に、ロール状の磁気記録媒体30の表面
粗さ(Ra)を均一化するための粗さ均一化処理を施し
たら、裁断装置(図示せず)で細テープ状に裁断し、裁
断したテープをカセットケースの軸に巻回することによ
り磁気テープカセットが製造される。 【0024】このように、本発明の磁気記録媒体の製造
方法によれば、ロール状の磁気記録媒体30の各部分に
おける表面粗さ(Ra)を均一にする粗さ均一化処理を
施してから巻き戻して裁断する。これにより、得率を低
下させることなく電磁変換特性を向上させることができ
る。従って、近年、磁気記録媒体の薄層化・高密度化に
伴って、記録・再生には非常に高感度のヘッドを用いる
ようになってきているが、記録・再生時のノイズを低く
抑えることができる。 【0025】 【実施例】次に、本発明の磁気記録媒体の製造方法によ
り磁気テープを製造した場合と、本発明を適用せずに磁
気テープを製造した場合との対比試験結果を説明する。 【0026】実施例及び比較例ともに図1の磁性液の塗
布→第1乾燥→バック層液の塗布→第2乾燥・熱処理及
び図2のカレンダ処理までは同一である。そして、裁断
する前の粗さ均一化条件(熱処理条件及びロール状態で
の面圧条件)を実施例と比較例とでは以下のように変え
た。 【0027】実施例1は、カレンダ処理を終えた磁気記
録媒体を、裁断前にテンション1.0kg/m、磁気記
録媒体の温度140°Cで30秒間の加熱処理を帯状の
磁気記録媒体に施してから巻き取ってロール状帯状物を
形成した。また、カレンダー処理を終えてロール状に巻
き取った後から裁断までの間は、ロール状態の磁気記録
媒体での各部分における最大到達面圧が0.025kg
/mm2 になるようにした。 【0028】実施例2は、カレンダ処理を終えた磁気記
録媒体を、裁断前にテンション4.0kg/m、磁気記
録媒体の温度140°Cで10秒間の加熱処理を帯状の
磁気記録媒体に施してから巻き取ってロール状帯状物を
形成した。また、カレンダー処理を終えてロール状に巻
き取った後から裁断までの間は、ロール状態の磁気記録
媒体での各部分における最大到達面圧が0.025kg
/mm2 になるようにした。 【0029】実施例3は、カレンダ処理を終えた磁気記
録媒体を、ロール状態のまま恒温室内で40°Cで72
時間保温の加熱処理を施した。また、カレンダー処理を
終えてロール状に巻き取った後から裁断までの間は、ロ
ール状態の磁気記録媒体での各部分における最大到達面
圧が0.038kg/mm2 になるようにした。 【0030】比較例1は、カレンダ処理を終えた磁気記
録媒体を、ロール状態のまま恒温室内で70°Cで48
時間の加熱処理を施した。また、カレンダー処理を終え
てロール状に巻き取った後から裁断までの間は、ロール
状態の磁気記録媒体での各部分における最大到達面圧が
0.045kg/mm2 になるようにした。 【0031】比較例2は、カレンダ処理を終えた磁気記
録媒体を、ロール状態のまま恒温室内で100°Cで4
4時間の加熱処理を施した。また、カレンダー処理を終
えてロール状に巻き取った後から裁断までの間は、ロー
ル状態の磁気記録媒体での各部分における最大到達面圧
が0.060kg/mm2 になるようにした。 【0032】上記実施例1〜3の粗さ均一化処理及び比
較例1〜2の粗さ均一化処理を施した後のロール状の磁
気記録媒体の各部分における磁性層の表面粗さ分布、表
面粗さ平均値、単位面積当たりの突起数を測定するとと
もに、超高感度ヘッドを用いて記録・再生した場合のト
ラッキングNG発生率と電磁変換特性を評価した。 【0033】表面粗さの測定は、実施例又は比較例の条
件で熱処理を行った後の帯状の磁気記録媒体について、
触針式表面粗さ計(東京精密製サーフコム800A型)
を用いて測定した。 【0034】また、表面粗さ分布及び表面粗さ平均値の
測定は、ロール状の磁気記録媒体の芯部分(巻芯に近い
部分)と外周部分についてロール幅方向にそれぞれ6点
ずつ合計12点のサンプル(ロール幅方向両端部から3
0mm位置のサンプル4点を含む)の表面粗さを上記測
定方法で測定して、12点のサンプルの表面粗さの平均
値を表面粗さ平均値とした。また、12点の表面粗さの
うちの最大表面粗さと最低表面粗さについて表面粗さ平
均値からのズレを%で示したものを表面粗さ分布とし
た。 【0035】また、ロール状態での最大到達面圧の測定
は、シート状の圧力計をロール状の磁気記録媒体のロー
ル各部に設置することにより行った。単位面積当たりの
突起数は、磁気記録媒体の面を原子間力顕微鏡(AF
M)で撮像した画像を解析し、単位面積(30μm×3
0μmの四角形面積)について30nm以上の突起個数
をカウントした。NG発生率は、いわゆるドロップアウ
ト(DO)の発生率により評価し、磁気テープの繰り返
し走行を行ったときのDOカウンターで測定した。電磁
変換特性は、磁気記録媒体を裁断して得られる磁気テー
プごとの電磁変換特性を測定し、そのバラツキが少なく
製品として良好なものを○、バラツキの多く製品として
不良なものを×、著しくバラツキの多いものを××とし
た。 【0036】 【表1】 表1の表面粗さ分布、表面粗さ平均値、ロール状態での
最大到達面圧、及び単位面積当たりの突起数は、ロール
状態での数値であり、トラッキングNG発生率及び電磁
変換特性は磁気記録媒体を裁断した後の磁気テープでの
数値である。 【0037】表1から分かるように、実施例1〜3のよ
うに本発明を適用して磁気テープを製造した場合のよう
に、裁断する前の帯状物のロール状態での各部分におけ
る表面粗さを均一化するための粗さ均一化処理を施して
から裁断することにより、得られた磁気テープの表面粗
さ分布、表面粗さ平均値、及び単位面積当たりの突起数
を改善することができる。これにより、得率が高く、し
かもトラッキングNG発生率が少なく、電磁変換特性の
良い磁気テープを製造することができる。 【0038】また、実施例3と比較例1との対比から分
かるように、裁断する前のロール状の磁気記録媒体の各
部分における表面粗さの好ましい数値としては、表面粗
さ分布が表面粗さ平均値の±30%以内である。また、
実施例1と他の実施例2〜3との対比から分かるよう
に、表面粗さ分布が小さく更に表面粗さ自体(Raの平
均値)も小さいことが磁気テープのトラッキングNG発
生率の減少及び電磁変換特性の向上に寄与している。ま
た、実施例3と比較例1との比較からわかるように、ロ
ール状態での最大到達面圧の好ましい数値としては、
0.04kg/mm 2 以下である。実施例3と比較例1
との比較からわかるように、単位面積当たりの突起数の
好ましい数値としては、50個以下である。 【0039】一方、比較例1〜2のように本発明を適用
しないで磁気テープを製造した場合のように、裁断する
前の帯状物のロール状態での各部分における表面粗さ分
布が大きい状態で裁断することにより、得られた磁気テ
ープの表面粗さ分布、表面粗さ平均値、ロール状態での
最大到達面圧、及び単位面積当たりの突起数が大きくな
る。これにより、トラッキングNG発生率が大きくなる
とともに、電磁変換特性が悪くなる。 【0040】 【発明の効果】以上説明したように、本発明の磁気記録
媒体の製造方法によれば、電磁変換特性を向上させるこ
とができるので、トラッキングNG発生率を減少させる
ことができるとともに、電磁変換特性を良くすることが
できる。従って、本発明により得られる磁気テープは、
高感度ヘッド用の磁気テープとして好適である。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の磁気記録媒体製造装置の塗布・乾燥・
熱処理のラインの一例を示した構成図 【図2】本発明の磁気記録媒体製造装置のカレンダ処理
のラインの一例を示した構成図 【図3】本発明においてロール状の磁気記録媒体の表面
粗さを均一化するための粗さ均一化処理の一例を説明す
る説明図 【符号の説明】 10…送出リール装置、11…磁性液塗布装置、12…
第1乾燥装置、13…バック層塗布液塗布装置、14…
第2乾燥装置、15…巻取リール装置、16…溝付き吸
引ドラム、20…支持体、22、24、26…カレンダ
ローラ、30…磁気記録媒体、32…カレンダ装置、3
4…送出リール装置、36…巻取リール装置、40…恒
温室、42…巻芯、44…軸、46…支柱
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5D006 BA19 DA04 EA04 FA09 5D112 AA22 GB01 GB02 HH01 JJ03 JJ07 JJ10

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】ロール状の磁気記録媒体を巻き戻して細テ
    ープ状の磁気テープに裁断する裁断工程を備えた磁気記
    録媒体の製造方法において、 裁断前に、前記磁気記録媒体のロール状態での各部分に
    おける磁性層面の表面粗さを均一化する粗さ均一化処理
    を施すことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
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