JP2003178118A - 上下水道維持管理システム及びコンピュータ・ソフトウエア - Google Patents

上下水道維持管理システム及びコンピュータ・ソフトウエア

Info

Publication number
JP2003178118A
JP2003178118A JP2001378620A JP2001378620A JP2003178118A JP 2003178118 A JP2003178118 A JP 2003178118A JP 2001378620 A JP2001378620 A JP 2001378620A JP 2001378620 A JP2001378620 A JP 2001378620A JP 2003178118 A JP2003178118 A JP 2003178118A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
maintenance
plant
information
water
equipment
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001378620A
Other languages
English (en)
Inventor
Naoki Hara
直樹 原
Fumitomo Kimura
文智 木村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2001378620A priority Critical patent/JP2003178118A/ja
Publication of JP2003178118A publication Critical patent/JP2003178118A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)
  • Testing And Monitoring For Control Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラントの機能を総合的に判断できるノウハ
ウを持つ維持管理会社による上下水道の維持管理を可能
とする上下水道維持管理システム及びコンピュータ・ソ
フトウエアを提供する。 【解決手段】 複数の機器21から構成される上下水道
設備2のプラント維持管理を行う維持管理会社に設置さ
れ、ネットワーク回線4に接続して情報を送受信する通
信装置15を備える維持管理会社用装置1を具備する上
下水道維持管理システムであって、維持管理会社用装置
1は、ネットワーク回線4を介して複数種類のプラント
運転情報を収集する運転情報収集手段11と、収集した
複数種類のプラント運転情報に基づいて診断を行うプラ
ント診断手段12と、プラントの運用又は保守を実施し
計画する運用等実施計画手段14とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、上下水道維持管理
システム及びコンピュータ・ソフトウエアであり、特に
取水場、浄水場、給水所、下水処理場、ポンプ場など上
下水道の維持管理方法及びシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】上下水道事業体の保有するプラントの維
持管理は、電力使用量、機器の負荷などを設備毎に調査
して問題点を明らかにした後に、目的とする省エネ効果
を達成できる機器に投資したり、運用方法の変更を図っ
ている。これら運転や保守は職員が実施しているのが一
般的である。また、運転や保守に関する作業の他にも、
水質管理、拡張計画、財務管理などの業務もある。対象
プラントの土木、機械、電気設備、さらに水処理プラン
トの製品である処理水の品質を十分に熟知した職員が必
要である。また、水道料金、下水道料金、電力料金のし
くみ、水処理プラントの理解、情報の収集と解析、法規
制の理解など上下水道の知識を保有した専門職員が必要
である。このような専門知識を持つ運転員や保守保全管
理員が十分に確保できる事業体では、取り組みが可能で
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来行われてきた維持
管理の体制では、適正な運転と保守のためには、各事業
体が個別に専門職員を必要十分に確保する必要があっ
た。こうした専門職員の確保は、事業体の財政状況や人
員構成などの条件が揃わなければならず、事業体にとっ
ては事業遂行上の大きな負担となっている場合がある。
【0004】また、専門職員確保の負担軽減を目的とし
て、従来も一部実施されていた作業会社への委託(アウ
トソーシング)の範囲を拡大することも考えられるが、
この場合には作業会社が専門職員に相当するノウハウを
求められるだけでなく、各所に点在する施設や施設内の
機器の異常原因を突き止め、異常対策を実施できる人員
を所有する必要があり、参入にあたっての障壁が大きい
という課題が存在する。機器単品保守は、機器の集合体
である施設の運用をできるだけ妨げないよう進めなけれ
ばならない。このためには、単に機器単品の保守のみで
はなく、当該機器の動作が水処理に与える影響を十分に
評価しなければならなず、プラントの機能を総合的に判
断できる専門職員の確保が課題である。
【0005】本発明の目的は、プラントの機能を総合的
に判断できるノウハウを持つ維持管理会社による上下水
道の維持管理を可能とする上下水道維持管理システム及
びコンピュータ・ソフトウエアを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、複数の機器か
ら構成される上下水道設備のプラント維持管理を行う維
持管理会社に設置され、ネットワーク回線に接続して情
報を送受信する通信装置を備える維持管理会社用装置を
具備する上下水道維持管理システムであって、前記維持
管理会社用装置は、ネットワーク回線を介して複数種類
のプラント運転情報を収集する運転情報収集手段と、収
集した複数種類のプラント運転情報に基づいて診断を行
うプラント診断手段と、プラントの運用又は保守を実施
し計画する運用等実施計画手段とを備える上下水道維持
管理システムである。
【0007】また、本発明は、上記維持管理会社用装置
は、契約条件情報を格納する契約情報格納手段を備える
上下水道維持管理システムである。
【0008】そして、本発明は、上記維持管理会社用装
置は、プラント診断手段がプラントの異常発生診断又は
異常発生予測診断を行う上下水道維持管理システムであ
る。
【0009】更に、本発明は、上記維持管理会社用装置
は、プラント診断手段が2以上のプラント運転情報から
求めた収支バランスのチェックによる異常発生診断を行
う上下水道維持管理システムである。
【0010】また、本発明は、上記維持管理会社用装置
は、設備機器情報を格納する機器情報格納手段を備え、
そして、通信装置が異常発生機器に関連する運転情報を
当該機器メーカの通信装置に送信するともに、当該機器
異常の原因又は対策情報を受信する上下水道維持管理シ
ステムである。
【0011】そして、本発明は、複数の機器から構成さ
れる上下水道設備のプラント維持管理を行う維持管理会
社に設置され、ネットワーク回線に接続して情報を送受
信する通信装置を備える維持管理会社用装置に使用され
るコンピュータ・ソフトウエアであって、ネットワーク
回線を介して複数種類のプラント運転情報を収集する機
能と、収集した複数種類のプラント運転情報に基づいて
診断を行う機能と、プラントの運用又は保守を実施し計
画する機能とをコンピュータに実現させるプログラムか
らなるコンピュータ・ソフトウエアである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を説明する。
本発明の上下水道維持管理システムの実施例について、
図1〜図8を用いて説明する。図1は、実施例における
維持管理方式のフロー図の一例の説明図である。図2
は、実施例の上下水道維持管理システムの構成説明図で
ある。図3は、実施例における診断工程のフローの一例
の説明図である。図4は、実施例における異常診断工程
のフローの一例の説明図である。図5は、実施例におけ
る薬品注入設備診断工程のフローの一例の説明図であ
る。図6は、実施例におけるポンプ設備診断工程のフロ
ーの一例の説明図である。図7は、実施例における運転
情報の一例の説明図である。図8は、実施例における施
設情報の一例の説明図である。
【0013】実施例を説明する。本実施例の上下水道維
持管理システムは、複数の機器から構成される上下水道
設備のプラント維持管理を行う維持管理会社に設置さ
れ、ネットワーク回線に接続して情報を送受信する通信
装置を備える維持管理会社用装置を具備し、維持管理会
社用装置は、ネットワーク回線を介して複数種類のプラ
ント運転情報を収集する運転情報収集手段と、収集した
複数種類のプラント運転情報に基づいて診断を行うプラ
ント診断手段と、プラントの運用又は保守を実施し計画
する運用等実施計画手段とを備えている。維持管理会社
用装置は、契約条件情報を格納する契約情報格納手段て
おり、プラント診断手段がプラントの異常発生診断又は
異常発生予測診断を行う。また、プラント診断手段が2
以上のプラント運転情報から求めた収支バランスのチェ
ックによる異常発生診断を行う。そして、維持管理会社
用装置は、設備機器情報を格納する機器情報格納手段を
備え、そして、通信装置が異常発生機器に関連する運転
情報を当該機器メーカの通信装置に送信するともに、当
該機器異常の原因又は対策情報を受信する。
【0014】実施例1の上下水道維持管理システムにお
けるフローについて、図1を用いて説明すると、上水道
事業体や下水道事業体を表す上下水道事業体2、省エネ
効果を決定する維持管理会社1、機器を保有し維持管理
会社1の指示に従い機器保守を提供する機器メーカ3が
当事者である。本実施例で、維持管理会社1と機器メー
カ3とを分離しているが、維持管理会社1と機器メーカ
3とが一体でもよい。また、機器メーカ3は機器メンテ
ナンス会社でもよい。
【0015】最初に上下水道事業体2と維持管理会社1
との間で、契約を締結する。この契約は、維持管理会社
1からは運転保守代行、水道事業体2からみると委託
(アウトソーシング)の契約であり、代行する運転保守
業務の範囲と内容、課金や支払の条件、提供されるデー
タや報告内容、契約期間などが両者の合意によって設定
される。
【0016】本実施例の上下水道事業体2、維持管理会
社1、機器メーカ3の3者間の情報伝達は、電子データ
メディア、情報ネットワーク等の情報伝達手段を介して
行われる。上下水道設備2では、機器の故障情報、機器
の起動停止の状態情報、流量情報、水位情報、風量情
報、受電電力、機器や設備毎の使用電力など電力に関す
る計測情報、濁度、有機物、窒素、リン、残留塩素、色
度、pH値などの水質に関する計測情報、薬品使用量や
燃料使用量に関する計測情報、発生汚泥量に関する計測
情報などを、機器メーカ用装置3の運転情報収集手段3
1で収集する。運転情報収集手段31は、計測機器、計
算機、計算機のソフトウエア等から構成され、収集情報
は、帳票、電子データメディア、情報ネットワーク等に
よって維持管理会社用装置1に伝えられる。情報収集対
象は、機器単位、設備単位、施設単位である。例えばポ
ンプ設備の運用保守のためには、稼動台数、機器故障、
電流、吐出流量、回転数などの情報を同時に収集するこ
とが望ましい。運転情報収集手段31は、上下水道事業
体2の保有する浄水場、下水処理場、ポンプ場など広域
な地域に配置された施設や機器にも設置され、遠隔地の
機器に対しても情報ネットワークなどを利用して情報を
伝達することができる。運転情報収集手段31は、維持
管理会社1が契約によって提供してもよいし、上下水道
事業体2がその他のメーカから直接購入してもよい。
【0017】維持管理会社用装置1は、例えばコンピュ
ータからなり、パーソナルコンピューター等の計算機や
計算機上のソフトウエアからなる運転情報収集手段1
1、プラント診断手段12、施設情報データベース1
3、運用等実施計画手段14及び通信装置15等を備え
ている。施設情報データベース13は、上下水道事業体
2の保有する施設、設備、機器の仕様、構造、施工、接
続系統などの施設情報を完成図書や電子データとして保
存でき、これら施設情報は、図面、電子データメディ
ア、情報ネットワーク等によってアクセスできる。
【0018】維持管理会社用装置1は、運転情報収集手
段11により上下水道設備2の運転情報収集装置27又
は機器メーカ用装置3の運転情報収集手段31から機器
の運転実績情報を収集し、プラント診断手段12では運
転情報からプラント全体や機器の異常有無を判定し、運
用等実施計画手段14でプラントの運用と保守を決定す
る。
【0019】維持管理会社1は、これら運転情報収集手
段11、プラント診断手段12、施設情報データベース
13及び運用等実施計画手段14を利用して、プラント
の運用と保守を上下水道事業体1に提供する。維持管理
会社1は自社によっても施設内全ての機器について保守
を実施することもできるが、本実施例では、機器メーカ
3との請負契約により、機器保守作業そのものは機器メ
ーカ3の作業者が実施する。維持管理会社1は機器メー
カ3との間で、上下水道事業体2の保有する施設におけ
る機器の保守の契約を行い、機器メーカ3は維持管理会
社1の指示に従い、上下水道事業体2の機器を保守す
る。プラント診断手段12によって異常を検出した機器
が機器メーカ3との契約に含まれている場合は、異常診
断結果と機器運用情報を機器メーカ3に送信し、対策を
要請する。機器メーカ3は対策及び機器保守作業を計画
し、維持管理会社1との合意を得て上下水道事業体2の
機器を保守する。このように保守を実施した時点で上下
水道事業体2から維持管理会社1に対価が支払われる。
また、維持管理会社1は機器メーカ3に保守の対価を支
払う。ここでの契約では、請負に出される作業の範囲と
内容、作業指示のやり方、作業報告の内容、請負費や支
払条件などが設定される。上下水道事業体2と維持管理
会社1との契約により請負範囲が省エネ効果試算までの
場合は、省エネ効果を上下水道事業体2に報告すること
によって、上下水道事業体2から維持管理会社1に対価
が支払われる。
【0020】機器メーカ用装置3は、パーソナルコンピ
ューター等の計算機や計算機上のソフトからなる運転情
報収集手段31、保有機器の機器仕様データベース32
を備えている。維持管理会社1から送信される機器異常
並びに機器運転情報を運転情報収集手段31で受信し、
機器仕様データベース32の情報から機器の異常原因と
その対策及び機器保守作業を計画し、維持管理会社用装
置1に送信する。機器仕様データベース32は、機器の
型式と、型式毎の重量、寸法、電力使用量、効率及びそ
の保有数量、施工図、保守点検、納入実績などの機器仕
様に関する情報を管理する。これらの機器仕様情報は維
持管理会社1が参照できる。機器仕様データベース32
の参照は、維持管理会社1や上下水道事業体2や他の会
社からの無償でアクセスできることが望ましいが、契約
者のみ参照してもよい。この場合、アクセス頻度や時間
に合わせて課金される。
【0021】本実施例では、各当事者がそれぞれ一つし
か記載されていないが、一つの維持管理会社1が複数の
上下水道事業体1、複数の機器メーカ3とやり取りする
ケースもあり、図2を用いて説明する。図2は水道事業
体1の施設A2aと施設B1bを、維持管理会社用装置
1により運転保守する方法の一例である。
【0022】施設A2aは、ポンプ設備21a、薬品注
入設備22a等から構成されている。コントローラ24
aは、ポンプ設備21aの運転情報を入出力装置23a
を介して収集すると同時に、ポンプ設備21aの運転を
制御するプログラムを内蔵している。コントローラ24
aは、薬品注入設備22aの運転情報を入出力装置23
aを介して収集すると同時に、凝集剤や塩素などの薬品
類の注入を制御するプログラムを内蔵している。プロセ
スデータベース25aとCRT監視装置26aは制御L
ANによって各コントローラ24aと接続されている。
CRT監視装置26aは、各コントローラで収集した運
転情報をグラフィックやテキストとして、プラントの状
態や異常有無を分かりやすい形でCRTに表示する。ま
た、CRT監視装置26aは、コントローラ24aの制
御条件を変更でき、設備や施設全体の運用を操作する機
能を持つ。運転情報収集装置27aは、例えばサーバで
あり、プロセスデータベース25aの情報やCRT監視
装置26aによる運転操作情報の他に、水質の手分析情
報など情報を収集する。運転情報収集装置27aは通信
装置28aによって公衆回線や専用回線等のネットワー
ク回線4に接続されており、これら回線を介して外部の
コンピュータは、運転情報収集装置27aの運転情報を
参照できる。
【0023】施設B2bではポンプ設備21bのみであ
り、コントローラ24bは、ポンプ設備21bの運転情
報を入出力装置23bを介して収集すると同時に、ポン
プ設備21bの運転を制御するプログラムを内蔵してい
る。コントローラ24bは通信装置28bによってネッ
トワーク回線4に接続されており、コントローラ24b
に収集された運転情報は、これら回線を介して外部のコ
ンピュータから参照できる。各通信装置28a、28b
には、契約者のみ参照できるようにセキュリティが施さ
れている。
【0024】維持管理会社用装置1は、運転情報収集装
置11、プラント診断装置12、施設情報データベース
13及び運用等実施計画手段14を備えており、これら
は通信装置15によってネットワーク回線4に接続され
ている。運転情報収集装置11は定期的に施設A2aの
運転情報収集装置27aと施設B2bのコントローラ2
4bに格納されている運転情報を読み出して内部の記憶
装置に格納している。読み出すタイミングは、一定周期
の他に、機器運転や停止のイベント発生時、故障発生時
などである。施設情報データベース13は、施設A2a
と施設B2bの施設構成や機器の種類、数量、仕様、据
え付け位置、電気的・水理的・機械的な接続状況、メー
カ、保守責任、保守履歴などの情報が格納されている。
【0025】機器メーカ3は、運転情報収集装置31、
機器仕様データベース32を備えており、これらは通信
装置33によってネットワーク回線4に接続されてい
る。運転情報収集装置31には、回線を経由して維持管
理会社1の運転情報収集装置11から施設A2aのポン
プ21a、施設B2bのポンプ21bに関する運転情報
が送信される。運転情報収集装置11は、上下水道事業
体2や機器メーカ3など契約を締結した当事者が参照す
ることも可能である。この場合、アクセス範囲は制限さ
れ、アクセス頻度や時間に合わせて課金される。
【0026】維持管理会社1のプラント診断装置12
は、運転情報収集装置11が収集した運転情報から施設
異常や機器異常の発生の有無を監視する診断工程を定周
期で実行する。また、診断工程では異常を検知すると施
設情報データベース13を参照して異常を起した該当設
備や機器の保守先に自動的に通報する。例えば、該当機
器が機器メーカ3担当のポンプ21aまたはポンプ21
b場合、通信装置15を介して機器メーカ3に異常内容
と異常発生前後の運転情報とを送信する。機器メーカ3
は、受信した運転情報から異常対策を策定し、維持管理
会社1の承認を得て該当ポンプの保守を実施する。な
お、プラント診断手段12が2以上のプラント運転情報
から求めた収支バランスのチェック、例えば入力データ
と出力データとを比較して異常であるか判断する等の異
常発生診断を行うことも可能である。
【0027】本実施例における診断工程の一例につい
て、図3を用いて説明する。最初の故障検出工程S10
1では、施設を構成する機器に内蔵されている故障検出
機能が発信する故障情報を収集し、故障発生の有無を検
出する。次の異常診断工程S102では、流量などの計
測情報について上下限判定や複数のデータ間の相関解析
によって施設内の異常を検出する。異常通知工程S10
3では、工程S101で検知した故障や工程S102で
検知した異常の名称やタグNOを検索キーとして、該当
設備または機器の保守先を施設情報データベース13か
ら検索する。保守先が契約を結んでいる機器メーカ3の
ときは、機器メーカ3に故障や異常に関連する情報を送
信する。送信する運転情報は、例えば故障発生時刻、故
障メッセージ、故障機器の名称と型式、故障発生時刻前
後の計測情報などである。機器メーカ3は送信されてき
た運転情報に基づいて保守作業を策定し、維持管理会社
1に申請する。対策策定工程S104では、維持管理会
社1が保守担当の機器について保守作業を策定する。一
方、保守計画工程S105では、機器仕様や異常診断工
程S102から機器の点検、保守の計画を策定する。保
守工程S106では、故障対応または保守計画に従って
保守作業を実施する。保守作業は、例えば、維持管理会
社2からの遠隔操作により施設内の機器を操作する方
法、施設内の運転者に保守を指示する方法、維持管理会
社1または機器メーカ3から技術者を派遣し保守する方
法などにより実施する。
【0028】本実施例における異常診断工程S102の
フローを説明する。図4はポンプ過負荷診断の工程の一
例である。工程S201でポンプ起動後のポンプ流量や
電流の経時変化を収集し、工程S202では電流の最大
値から突入電流を算出する。また、工程S203では流
量が安定した時点の電流を定格電流として算出する。次
に工程S204では、算出した電流値が上限を超えてい
れば異常と判断し、また正常でも過去の突入電流と定格
電流との比較から増加傾向を算出し、上限電流に達する
時期すなわち異常発生予測時期を算出する。
【0029】本実施例における薬品注入設備の診断工程
の一例として塩素注入設備の例について、図5を用いて
説明する。工程S301では単位流量当たりの塩素注入
量を塩素注入率として算出し、工程S302では塩素注
入後の残留塩素予測値を算出する。次の工程S303で
は残留塩素計で計測した残留塩素計測値と工程S302
の残留塩素予測値の変動傾向を一定時間比較する。工程
S304では変動傾向が一致していないときは塩素注入
器、塩素流量計、残留塩素計など塩素注入設備の構成機
器に異常があると判断する。
【0030】本実施例における設備保守点検診断工程の
一例としてポンプ設備の例について、図6を用いて説明
する。工程S401では1台のポンプが起動してから停
止までの運転時間を計測し、工程S402では運転時間
を積算してポンプの全稼働時間として表す。工程S40
3では過去の稼働時間の累積から将来のポンプ稼働時間
を予測し、工程S403の結果から工程S404では稼
働時間が定期点検の必要な時間に達するかを算出し、次
回の点検時期を決定する。
【0031】本実施例における運転情報収集手段31に
よって収集した運転実績情報の一例について、図7を用
いて説明する。図7にはセンサ、ポンプ設備、制御設備
及び運用計画の情報の例51〜54を示す。収集周期
は、秒単位、分毎、時間毎、日毎、月毎などである。情
報の項目は、一般的に用いられている日報や各種データ
帳票の項目と重複していることから、広く普及している
施設の情報収集システムと連動していることが望まし
い。また、水質基準に設定されている各種水質規制項目
のうち連続計測できないものや、微生物の種類や計数結
果などは人間による入力で情報を作成する。情報は、運
転管理上で必要な所定の頻度で、運転情報収集装置27
aを介して維持管理会社2へ送信される。
【0032】図8に本実施例に用いる施設情報の一例を
示す。施設情報には、土木関係情報61、電気設備情報
62、設備情報63などがあり、一般には完成図書とし
て図面で保存または、CD−ROMやMOなどの電子メ
ディアによって保存されている。
【0033】維持管理会社1は、上下水道事業体2の所
有する施設保守に関する情報を、情報ネットワークを利
用して複数の機器メーカ3に伝える。維持管理会社1
は、機器メーカ3の保守条件、例えば価格、機器故障時
の対応、定期点検対応、予備部品保管状況などについて
も回答させる。維持管理会社1は、機器メーカ3の回答
を比較し、最適条件の機器メーカ3と契約をする。機器
メーカの決定には項目毎に点数で評価し、高得点な会社
を選択する。なお、価格、メンテナンス条件、故障時の
対応、予備機器の有無の項目を重視し、故障期間の短縮
を図るとともに運転費を縮減できるようにする。さら
に、上下水道事業体2が維持管理会社1を、維持管理会
社1が機器メーカ3をそれぞれ複数の会社から、同様な
ネットオークションを利用して選定することも可能であ
る。
【0034】以上説明したように、本実施例によれば、
1つの維持管理会社で施設の運転情報を収集して施設異
常を24時間監視し、異常発生時や正常運用確認時など
必要時のみ運転情報を機器メーカに送るまたは機器メー
カが参照する方式によって、上下水道事業体の維持管理
を効率的に実施でき、運用コスト縮減することができ
る。上下水道事業体の運転情報は維持管理会社のみがア
クセス可能な回線とし、機器メーカなど契約を締結した
メーカは維持管理会社からでないとデータを入手できな
いようにする。維持管理会社の通信装置15のセキュリ
ティ管理を高度化することで、水道事業体はセキュリテ
ィ管理の労力を低減できる。
【0035】本発明によれば、上下水道事業体の保有す
る施設や機器の運転保守を維持管理会社に委託すること
により、業務分担が明確化され、上下水道分野全体とし
ての円滑化と効率化が期待できる。
【0036】具体的な効果としては、水道事業体にとっ
ては維持管理会社のノウハウとマンパワーとを活用する
ことにより、職員確保の負担軽減や管理水準向上が期待
できる。また、上下水道事業体との通信をセキュリティ
が強固な維持管理会社1社に限定することで、複数機器
メーカ毎のセキュリティを施す必要がない。また、維持
管理会社にとっては、専門技術を要する機器の保守を機
器メーカまたはメンテナンス会社に委託することで、サ
ービス事業を広範囲に展開できる効果がある。
【0037】また、機器メーカにとっては、異常診断行
う際に必要となる運転情報の収集とその管理に要する費
用を削減でき、また施設全体の中での構成機器の役割を
意識した運転保守という高度なノウハウ取得を維持管理
会社に委ねることができるという効果がある。
【0038】上記実施例では、複数の機器から構成され
る上下水道設備のプラント維持管理を行う維持管理会社
に設置され、ネットワーク回線に接続して情報を送受信
する通信装置を備える維持管理会社用装置を具備した上
下水道維持管理システムを説明したが、ネットワーク回
線を介して複数種類のプラント運転情報を収集する機能
と、収集した複数種類のプラント運転情報に基づいて診
断を行う機能と、プラントの運用又は保守を実施し計画
する機能とをコンピュータに実現させるプログラムから
なるコンピュータ・ソフトウエア又はこのコンピュータ
・ソフトウエアを格納した記録媒体(例えばCD−RO
M等)を使用することにより、コンピュータを維持管理
会社用装置とすることができる。
【0039】なお、上記実施例では上下水道業体が有す
る施設の一部の適用について説明したが、一般産業や自
治体が所有する機器や設備、施設に適用する場合でも、
個別の情報内容や項目が異なるのみで、基本的な方式の
枠組みは全く同様に適用することができる。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、プラントの機能を総合
的に判断できるノウハウを持つ維持管理会社による上下
水道の維持管理を可能とする上下水道維持管理システム
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例における維持管理方式のフロー図の一例
の説明図。
【図2】実施例の上下水道維持管理システムの構成説明
図。
【図3】実施例における診断工程のフローの一例の説明
図。
【図4】実施例における異常診断工程のフローの一例の
説明図。
【図5】実施例における薬品注入設備診断工程のフロー
の一例の説明図。
【図6】実施例におけるポンプ設備診断工程のフローの
一例の説明図。
【図7】実施例における運転情報の一例の説明図。
【図8】実施例における施設情報の一例の説明図。
【符号の説明】
1 維持管理会社、維持管理会社用装置 11 運転情報収集手段 12 プラント診断手段 13 機器情報データベース 14 運用等実施計画手段 15 通信装置 2、2a、2b 上下水道事業体、上下水道設備 21a、21b ポンプ設備 22 薬品注入設備 23a、23b、 入出力装置 24a、24b コントローラ 25 プロセスデータベース 26 CRT監視装置 27 運転情報収集装置 28 通信装置 3 機器メーカ 31 運転情報収集手段 32 機器情報データベース 33 通信装置 4 ネットワーク回線 51〜54 運転情報 61〜63 施設情報
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G05B 23/02 G05B 23/02 T V 302 302V (72)発明者 木村 文智 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株 式会社日立製作所情報制御システム事業部 内 Fターム(参考) 5H223 AA01 BB01 BB05 BB06 BB08 CC03 CC08 DD01 DD03 EE05 EE06 EE30 FF08

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の機器から構成される上下水道設備
    のプラント維持管理を行う維持管理会社に設置され、ネ
    ットワーク回線に接続して情報を送受信する通信装置を
    備える維持管理会社用装置を具備する上下水道維持管理
    システムであって、 前記維持管理会社用装置は、ネットワーク回線を介して
    複数種類のプラント運転情報を収集する運転情報収集手
    段と、収集した複数種類のプラント運転情報に基づいて
    診断を行うプラント診断手段と、プラントの運用又は保
    守を実施し計画する運用等実施計画手段とを備えること
    を特徴とする上下水道維持管理システム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の上下水道維持管理システ
    ムにおいて、 上記維持管理会社用装置は、契約条件情報を格納する契
    約情報格納手段を備えることを特徴とする上下水道維持
    管理システム。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の上下水道維持管
    理システムにおいて、 上記維持管理会社用装置は、プラント診断手段がプラン
    トの異常発生診断又は異常発生予測診断を行うことを特
    徴とする上下水道維持管理システム。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の上下水道維持管理システ
    ムにおいて、 上記維持管理会社用装置は、プラント診断手段が2以上
    のプラント運転情報から求めた収支バランスのチェック
    による異常発生診断を行うことを特徴とする上下水道維
    持管理システム。
  5. 【請求項5】 請求項3又は4に記載の上下水道維持管
    理システムにおいて、 上記維持管理会社用装置は、設備機器情報を格納する機
    器情報格納手段を備え、そして、通信装置が異常発生機
    器に関連する運転情報を当該機器メーカの通信装置に送
    信するともに、当該機器異常の原因又は対策情報を受信
    することを特徴とする上下水道維持管理システム。
  6. 【請求項6】 複数の機器から構成される上下水道設備
    のプラント維持管理を行う維持管理会社に設置され、ネ
    ットワーク回線に接続して情報を送受信する通信装置を
    備える維持管理会社用装置に使用されるコンピュータ・
    ソフトウエアであって、 ネットワーク回線を介して複数種類のプラント運転情報
    を収集する機能と、収集した複数種類のプラント運転情
    報に基づいて診断を行う機能と、プラントの運用又は保
    守を実施し計画する機能とをコンピュータに実現させる
    プログラムからなるコンピュータ・ソフトウエア。
JP2001378620A 2001-12-12 2001-12-12 上下水道維持管理システム及びコンピュータ・ソフトウエア Pending JP2003178118A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001378620A JP2003178118A (ja) 2001-12-12 2001-12-12 上下水道維持管理システム及びコンピュータ・ソフトウエア

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001378620A JP2003178118A (ja) 2001-12-12 2001-12-12 上下水道維持管理システム及びコンピュータ・ソフトウエア

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003178118A true JP2003178118A (ja) 2003-06-27

Family

ID=19186287

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001378620A Pending JP2003178118A (ja) 2001-12-12 2001-12-12 上下水道維持管理システム及びコンピュータ・ソフトウエア

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003178118A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010191695A (ja) * 2009-02-18 2010-09-02 Hitachi Ltd 水安全管理システム
JP2011175622A (ja) * 2009-12-30 2011-09-08 Intel Corp コンピューティングデバイス上で遠隔制御ヘルプセッションを行う方法およびシステム
JP2013186511A (ja) * 2012-03-06 2013-09-19 Hitachi Ltd プラント設備保全管理システム
JP2014016691A (ja) * 2012-07-06 2014-01-30 Hitachi Ltd 設備維持管理業務支援システム、およびその方法
GB2506662A (en) * 2012-10-05 2014-04-09 Pims Group Ltd Sewage system monitor
JP2014510261A (ja) * 2011-01-18 2014-04-24 タカドゥ リミテッド 水道施設ネットワークで異常の可能性がある地理的場所を識別するためのシステム及び方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010191695A (ja) * 2009-02-18 2010-09-02 Hitachi Ltd 水安全管理システム
JP2011175622A (ja) * 2009-12-30 2011-09-08 Intel Corp コンピューティングデバイス上で遠隔制御ヘルプセッションを行う方法およびシステム
JP2014510261A (ja) * 2011-01-18 2014-04-24 タカドゥ リミテッド 水道施設ネットワークで異常の可能性がある地理的場所を識別するためのシステム及び方法
JP2013186511A (ja) * 2012-03-06 2013-09-19 Hitachi Ltd プラント設備保全管理システム
JP2014016691A (ja) * 2012-07-06 2014-01-30 Hitachi Ltd 設備維持管理業務支援システム、およびその方法
GB2506662A (en) * 2012-10-05 2014-04-09 Pims Group Ltd Sewage system monitor

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6587754B2 (en) System and methods for remote management of steam generating systems
US20140351010A1 (en) System and method of democratizing power to create a meta-exchange
CN111191878A (zh) 一种基于异常分析的台区及电能表状态评价方法及系统
US20100138066A1 (en) System and method of democratizing power to create a meta-exchange
US20040158360A1 (en) System and method of energy management and allocation within an energy grid
CN106161138A (zh) 一种智能自动计量方法及装置
JP2015508928A (ja) プラントのグループの条件モニタリングのための方法およびシステム
CN111639885A (zh) 一种农污管理系统及管理方法
CN112178755A (zh) 一种供热系统的自动控制系统
JP2002323922A (ja) 発電設備の保守支援システム
JP2002316141A (ja) 水処理業務の管理センタ及びネットワーク・システム
CN111160598A (zh) 一种基于动态能耗基准的能源预测与能耗管控方法及系统
CN102299553B (zh) 电能服务效果保障系统
Daigger Upgrading wastewater treatment plants
JP2003178118A (ja) 上下水道維持管理システム及びコンピュータ・ソフトウエア
JP2004170225A (ja) プラントのライフサイクル保全計画立案システム
JP2003150674A (ja) 上下水道の省エネ方法
KR100584903B1 (ko) 발전소 운전정보 실시간 관리 시스템
JP2002291156A (ja) 発電量計画立案方法及び発電量計画提供サービス
WO2002027639A1 (en) System and method for energy usage curtailment
CN116629812A (zh) 基于数字孪生的煤矿多元业务全局动态协同管控方法
Motegi et al. Introduction to web-based energy information systems for energy management and demand response in commercial buildings
JP2001306670A (ja) 構造物の維持経営システム、維持経営方法、およびそのコンテンツファイル記憶装置
CN113408998B (zh) 一种工程造价咨询服务实施方法及系统
JP2002259504A (ja) 水道管理方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040312

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060421

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060425

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060622

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060808