JP2003176697A - 山岳トンネル工法におけるトンネル覆工方法および覆工装置 - Google Patents

山岳トンネル工法におけるトンネル覆工方法および覆工装置

Info

Publication number
JP2003176697A
JP2003176697A JP2001375193A JP2001375193A JP2003176697A JP 2003176697 A JP2003176697 A JP 2003176697A JP 2001375193 A JP2001375193 A JP 2001375193A JP 2001375193 A JP2001375193 A JP 2001375193A JP 2003176697 A JP2003176697 A JP 2003176697A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tunnel
concrete
lining
press plate
mountain
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001375193A
Other languages
English (en)
Inventor
Minoru Yamamoto
稔 山本
Toshibumi Umegaya
俊文 梅香家
Takanori Hoshino
孝則 星野
Toshiyuki Muramoto
利行 村本
Toshiaki Sasaki
俊明 佐々木
Kazuaki Ono
一昭 大野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sato Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Sato Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sato Kogyo Co Ltd filed Critical Sato Kogyo Co Ltd
Priority to JP2001375193A priority Critical patent/JP2003176697A/ja
Publication of JP2003176697A publication Critical patent/JP2003176697A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Lining And Supports For Tunnels (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】山岳トンネル工法において、周囲が実質的に不
透水面で囲まれた覆工コンクリート打設空間内にコンク
リートを打設するに際し、レイタンス等の不良固化物を
残存させることなく密実で良質な覆工コンクリート体を
得る。 【解決手段】トンネル掘削面より離間した位置にトンネ
ル横断方向に沿って設置される型枠によって閉鎖された
覆工コンクリート打設空間Mを形成し、前記覆工コンク
リート打設空間Mに、まだ固まらないコンクリートを充
填するとともに、妻面に設けられたプレス板11を往復
動作することにより、加圧力を加えると同時に妻部に設
けた水抜き部から脱水を図る。また、前記プレス板11
に覆工コンクリート打設空間M内に突出する締固め用棒
状部材19を挿設し、前記プレス板11の往復操作によ
り、前記コンクリートに揺動を与えるとともに、起振装
置23により締固め用棒状部材19を介して振動を与え
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、岩盤や土砂などの
地山を、支保構造物で支えながら掘削を行う山岳トンネ
ルにおいて、トンネル内周面にアーチコンクリートを打
設するためのトンネル覆工方法および覆工装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、山岳トンネル工法では、掘削
直後に掘削された岩盤面に吹付けによって一次覆工コン
クリートを施工した後、切羽後方側に設置されたセント
ル(覆工コンクリート用移動型枠)において、一次覆工
コンクリートの内周面に沿って防水シートが張設した
後、その内側にアーチコンクリート(二次覆工体)が打
設される。なお、前記一次覆工コンクリートは地山が良
好な場合は省略されることもある。
【0003】しかし、前記セントルは、一次覆工コンク
リート面から所定距離だけ離間した位置に型枠を固定配
置し、その空間内にまだ固まらないコンクリートを加圧
注入するものであるため、特にトンネル天端部分では、
前記コンクリートが行き渡らない場所が出来るなどの理
由により、密実なコンクリートを打設することが困難で
あった。
【0004】近年、上記問題を解決するため、打設した
まだ固まらないコンクリートに型枠側から圧力を加える
ことによって覆工コンクリートを空間内に密に充填可能
とするものが幾つか提案されている。たとえば、特開昭
58-26197号公報(従来例1)では、覆工内空と相似形
で、かつそれより小さい剛体ガードの地山側に中空マッ
トを固設したものを、トンネル坑道内の覆工箇所に設置
し、中空マットに流体を圧入して膨張させた後、地山と
中空マットとの間隙に覆工材をグラウトし、グラウト完
了後に中空マットに再度流体を圧入して、その内圧によ
り覆工材を地山に密着させ、該覆工材の硬化後、中空マ
ット内の流体を排出して中空マットを覆工材から剥離
し、剛体ガードを移動するようにした覆工工法が提案さ
れている。また、特開昭59-173498号公報(従来例2)
では、上記発明の改良として、前記中空マットに代え
て、複数の可撓性チューブを介在させて弾性型枠板を用
いた発明が提案されている。
【0005】さらに特開平11-81892号公報(従来例3)
では、トンネルの内側にコンクリート打設用の空間を設
けて配置したセントルの注入口から前記空間にまだ固ま
らないコンクリートを注入しトンネルの内壁面をアーチ
コンクリートで覆工するトンネル覆工方法において、前
記空間に注入口からまだ固まらないコンクリートを注入
してから、空間の天端部妻側に配置した押し具を空間内
に押し出して、空間内の前記コンクリートを押し戻すこ
とにより加圧するようにしたトンネル覆工方法が提案さ
れている。
【0006】ところで、シールドトンネル工法の分野で
は、ECL工法(Extruded ConcreteLining)と呼ばれる
場所打ちコンクリートライニング工法が実用化されてい
る。この工法は、シールドによって保護された空間の前
面で地山を掘削し、その後部では掘削と並行して内型枠
を組み立て、上記従来例3と同様に、まだ固まらないコ
ンクリートに圧縮力を加えながら打設することにより、
地山に密着した覆工コンクリートを構築する工法であ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来例
1〜3に係る加圧式覆工コンクリート打設工法の場合、
トンネル側部及び下部においては、ブリージング水をコ
ンクリートの自重及び水頭圧によって妻側から排除可能
であるが、最終的に充填されるトンネル天端部分のブリ
ージング水は強制的に排除することができない。すなわ
ち、シールド工法におけるECL工法の場合には、加圧
を行った際、ブリージング水は地山側が逃げ場となって
密実なコンクリートが成形されるが、山岳トンネルのよ
うに、地山側に防水シートが張設されていたり、良質な
不透水性の岩盤であったりすると、従来例1〜3のよう
にまだ固まらないコンクリートを加圧しても、ブリージ
ング水の逃げ場が無くレイタンス等として残存したまま
となり、トンネル天端部分に空間を残しコンクリート品
質が悪化する原因となっているなどの問題があった。
【0008】一方、覆工コンクリートの締固めは、図1
0に示されるように、棒状のバイブレータ50を検査窓
51から打設空間内に挿入し、打設したコンクリートの
上部側に振動を加えるようにしているが、この締固め方
法の場合には、打設したコンクリートの上部位置を視認
することができず、勘に頼りながらバイブレータ50を
引上げ操作しなければならず、コンクリートを十分に締
固めできない場合があるとともに、トンネル掘削面形状
は円弧状に形成されているため、バイブレータが型枠側
に偏倚する傾向にあり効果的に振動を与えることができ
ない、さらには天端部分への振動は起振装置等により型
枠を介してコンクリートに振動を与えることが通常行わ
れているが、質量の大きな型枠が間に介在するため効果
的に振動を加えるのは実質的に困難であるなどの問題が
あった。
【0009】そこで本発明の主たる課題は、山岳トンネ
ル工法において、周囲が実質的に不透水面で囲まれた覆
工コンクリート打設空間内にコンクリートを打設するに
際し、レイタンス等の不良固化物を残存させることなく
良質な覆工コンクリート体を得ることにある。
【0010】次いで第2の課題は、同時に締固め不足の
無い良質な覆工コンクリート体を得ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に請求項1に係る本発明として、山岳トンネル工法にお
いて、トンネル掘削面より離間した位置にトンネル横断
方向に沿って型枠を設置し、閉鎖された覆工コンクリー
ト打設空間を形成し、前記覆工コンクリート打設空間
に、まだ固まらないコンクリートを充填するとともに、
充填された前記コンクリートに加圧力を加えながら脱水
を図るようにすることを特徴とする山岳トンネル工法に
おけるトンネル覆工方法が提供される。
【0012】上記請求項1記載の本発明においては、覆
工コンクリート打設空間に充填された、まだ固まらない
コンクリートに加圧力を加えながら脱水を図るようにす
る。シールド工法の場合と異なり、山岳トンネル工法に
おける覆工コンクリートの打設においては、周囲が実質
的に不透水面で囲まれた状態となっている。したがっ
て、まだ固まらないコンクリートから分離したブリージ
ング水を排除しながら加圧を行うことにより、レイタン
ス等の不良固化物を残存させることなく密実で良質な覆
工コンクリート体を構築できるようになる。
【0013】請求項2に係る本発明として、前記加圧力
とともに、揺動及び/又は振動を与えるようにする請求
項1記載の山岳トンネル工法におけるトンネル覆工方法
が提供される。
【0014】上記請求項2記載の発明では、まだ固まら
ないコンクリートの締固めを効果的に行うため、該コン
クリートに揺動及び/又は振動を直接与えるようにす
る。ここで、前記「揺動」とは、後述の請求項4に記載
されるように、プレス板と、プレス板に挿設された棒状
部材との往復動作によって、まだ固まらないコンクリー
トに与えられる揺れ、衝撃、比較的波長・周波数の長い
振動等をいい、前記「振動」とは起振装置により前記棒
状部材を介して、まだ固まらないコンクリートに与えら
れる比較的波長、周波数の短い振動をいう。
【0015】請求項3に係る本発明として、山岳トンネ
ル工法において、トンネル掘削面に覆工コンクリートを
打設するためのトンネル覆工装置であって、トンネル掘
削面より離間した位置にトンネル横断方向に沿って設置
される型枠によって閉鎖された覆工コンクリート打設空
間を形成し、かつ前記覆工コンクリート打設空間の妻側
に、妻型枠または妻型枠の一部を兼用するプレス板をジ
ャッキにより往復動作可能に保持するとともに、前記妻
部に水抜き部を形成することにより、前記覆工コンクリ
ート打設空間に充填された、まだ固まらないコンクリー
トを加圧しながら脱水することを特徴とする山岳トンネ
ル工法におけるトンネル覆工装置が提供される。
【0016】請求項4に係る本発明として、前記プレス
板に覆工コンクリート打設空間内に突出する棒状部材を
挿設し、前記プレス板と前記棒状部材との往復動作に伴
って、充填されたまだ固まらないコンクリートに揺動を
与える揺動付与手段、及び/又は前記棒状部材に添設ま
たは内設され、充填されたまだ固まらないコンクリート
に振動を与える振動付与手段を備える請求項3記載の山
岳トンネル工法におけるトンネル覆工装置が提供され
る。
【0017】請求項5に係る本発明として、前記プレス
板を複数に分割し、各分割部位毎に加圧力を調整可能と
してある請求項3,4いずれかに記載の山岳トンネル工
法におけるトンネル覆工装置が提供される。
【0018】請求項6に係る本発明として、トンネル天
端部に前記プレス板と前記棒状部材とを設け、該トンネ
ル天端部のみにおいて、前記加圧・脱水、または加圧・
脱水と共に揺動及び/又は振動を付与するようにしてあ
る請求項3,4いずれかに記載の山岳トンネル工法にお
けるトンネル覆工装置が提供される。
【0019】請求項7に係る本発明として、前記トンネ
ル覆工装置は、前記プレス板のジャッキ反力をトンネル
掘削面に支持させる反力装置を備える請求項3〜6いず
れかに記載のトンネル覆工装置が提供される。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら詳述する。
【0021】図1は本発明に係るトンネル覆工用型枠装
置1の概略側面図であり、図2は図1のII−II線矢視
図、図3は加圧装置部5の拡大側面図、図4は加圧装置
部5の要部正面図である。
【0022】トンネル切羽では、発破、トンネルボーリ
ングマシンや自由断面掘削機により掘削が行われ、掘削
直後に吹付け機により壁面に沿って所定厚の吹付けコン
クリートが吹き付けられ一次覆工体30が施工される。
そして、図1に示されるように、切羽後方側において、
前記一次覆工体30の内面側に防水シート31が張設さ
れた後、トンネル覆工用型枠装置1により順次、二次覆
工アーチコンクリート7が打設される。
【0023】図1に示されるトンネル覆工用型枠装置1
(以下、単に型枠装置という。)は主に、トンネル長手
方向に沿って移動自在とされる本体2と、本体2の後方
側に設けられ、コンクリート打設時に本体2を移動不能
に固定するための壁面グリッパ3と、前記本体2の前部
に設けられた反力受け4と、この反力受け4部位に設け
られた、まだ固まらないコンクリートを妻側から加圧す
るための加圧装置部5と、コンクリート打設部におい
て、型枠を支持するため本体2に設けられた型枠支持ジ
ャッキ群6とからなる装置である。
【0024】前記型枠装置1は、略トンネル中心位置に
定位し、型枠Sによって形成された覆工コンクリート
打設空間M内にコンクリートを打設する際は、覆工コン
クリート7に圧着された壁面グリッパ3によって本体2
が移動不能に固定され、覆工コンクリートの打設が完了
し本体2を切羽側に移動する際には前記壁面グリッパ3
が解放されるとともに、前記加圧装置部5に設けられた
加圧ジャッキ10の先端を覆工コンクリート7の端面に
押し当て伸長することにより型枠装置1が1サイクル長
だけ前進するようになっている。なお、前記本体2の上
面には、型枠移設時に最後部の型枠Sを前部側に盛替
えるための型枠盛替え用台車8が搭載されている。
【0025】前記型枠装置1に設けられた加圧装置部5
は、詳細には図3及び図4に示されるように、反力受け
4を支持部材としてトンネル周方向に沿って加圧ジャッ
キ10、10…を備えるとともに、この加圧ジャッキ1
0のピストン軸10aに妻型枠の一部を兼ねるプレス板
11が設けられている。前記プレス板11の上部側に
は、反力受け4に固定されたステー支持部材18によっ
て支持され、前記プレス板11の上部側枠を兼ねるとと
もに、プレス板11の上側摺動面となる断面L字状の上
部側周方向部材13が固設され、この上部側周方向部材
13の上面側には地山側に先端面が密着する周方向シー
ルゴム14が配設されている。
【0026】前記周方向シールゴム14は、トンネル掘
削面の不陸や余掘等に対応するために設けられた可撓性
シール部材で、ピストンが前記上部側周方向部材13の
底面を貫通するように設けられたシールゴム圧着ジャッ
キ15、15…により地山側に押圧されている。また、
前記ステー支持部材18の先端部分には、トンネル半径
方向に沿ってスライド可能とされる調整ピン16が設け
られ、前記周方向シールゴム14の突出量に応じて位置
が調整されることによって前記周方向シールゴム14の
移動をくい止めるようになっている。なお、前記調整ピ
ン16の固定は、固定ネジ17によって行われる。
【0027】一方、前記プレス板11の下部側には、前
記プレス板11の下部側枠を兼ねる所定幅の下部側周方
向部材12が配設され、前記プレス板11の下側摺動面
を構成するようになっている。
【0028】覆工コンクリート打設空間Mの妻面は、前
記プレス板11、上部側周方向部材13のL字フランジ
面、周方向シールゴム14および下部側周方向部材12
の側端面によって、充填したコンクリートが外に漏れ出
ないように封鎖され、前記プレス板11の往復動作によ
って覆工コンクリート打設空間M内に充填された、まだ
固まらないコンクリートを妻側から加圧可能となってい
る。
【0029】本型枠装置1では特に、前記まだ固まらな
いコンクリートを妻側から加圧した際に、該コンクリー
トからの分離水を脱水できるようにしてある。具体的に
は、例えば図3に示されるように、上部側に位置する前
記周方向シールゴム14を貫通するように水抜きパイプ
22を設けることにより、或いは図4及び図5に示され
るように、前記プレス板11に複数の開口部11a、1
1aを設けると共に、該開口部11aに金網24を設
け、かつ金網24の内面側(コンクリート面側)に透水
性シートを張設するなどの方法により、前記プレス板1
1によってまだ固まらないコンクリートを加圧した際
に、加圧作用に伴って分離した水を外部に排除可能とし
てある。
【0030】なお、前記水抜きパイプ22は多孔管と
し、管長手方向のどの部分からも管内に分離水が流入す
るようにするのが望ましい。また、前記水抜きパイプ2
2は、前記周方向シールゴム14以外に、妻型枠を構成
している前記プレス板11、上部側周方向部材13、下
部側周方向部材12のいずれに設けてもよいが、ブリー
ジング水は上部側に溜まりやすいため、少なくともトン
ネル天端では前記周方向シールゴム14位置に設けるの
が最も望ましい。
【0031】また、前記プレス板11には、板面を貫通
する態様で、覆工コンクリート打設空間M内に挿設され
た、鉄筋、PC鋼棒、丸棒、角棒等の締固め用棒状部材
19,19…が取付けられている。この締固め用棒状部
材19をプレス板11に挿設するには、例えば図6に示
されるように、プレス板11の外面の締固め鉄筋貫通位
置にリング状ホルダー20を固設しておき、前記締固め
用棒状部材19を貫通させた状態で前記リング状ホルダ
ー20の外面から螺入させた鉄筋固定プラグ21,21
…によって強固に固定する。なお、前記締固め用棒状部
材19をプレス板11に貫通して設けるのは、プレス板
11から打設コンクリート側への突出量を調整可能とす
るとともに、コンクリートの打設終了後に、鉄筋固定プ
ラグ21を緩めて棒状部材19をコンクリートの補強と
して残置できるようにするためである。前記プレス板1
1を加圧ジャッキ10により往復動作させることによ
り、締固め用棒状部材19も往復動作し、まだ固まらな
いコンクリートに揺れ、衝撃、波長・周波数の長い振動
等(以下、揺動という、)が与えられ、前記コンクリー
トが締め固められるようになる。
【0032】また、前記締固め用棒状部材19には、図
3に示されるように、起振装置23を添設し該締固め用
棒状部材19を介してまだ固まらないコンクリートに比
較的波長、周波数の短い振動を与えるようにすることも
できる。この場合、締固め用棒状部材19として、コン
クリート締固め用の棒バイブレータを使用し、締固め終
了後に抜き取ってもよい。本例では、前記起振装置23
を締固め用棒状部材19の外面に添設したが、より効果
的に振動を与えるには、前記締固め用棒状部材19に代
えて、先端部分及び/又は中間部分に起振装置を内設
し、固定位置に振動の絶縁部を備えた棒状部材を使用す
ることもできる。
【0033】図1に示される型枠設置完了状態から覆工
コンクリート打設空間M内にまだ固まらないコンクリー
トを注入したならば、加圧ジャッキ10を所定のスライ
ド幅、すなわちプレス板11が上部側周方向部材13及
び下部側周方向部材12から逸脱しないスライド幅で往
復動作させるようにする。この際、前記加圧ジャッキ1
0の往復動作速度及び加圧時間等は好適な範囲で任意に
設定される。
【0034】前記プレス板11によって加圧された際、
ブリージング水等の分離水は妻部に設けられた水抜きパ
イプ22やプレス板11に形成された透水部から外部に
排除されるようになる。また同時に、加圧ジャッキ10
の往復動作に伴って締固め用棒状部材19,19…が往
復動し、まだ固まらないコンクリートに揺動を与え、か
つ締固め用棒状部材19を介して振動が与えられること
によりコンクリートが効果的に締固められるようにな
る。この加圧脱水効果及び締固め効果により、例えトン
ネル天端部であっても密実な覆工コンクリートが打設で
きるようになるとともに、早期にコンクリート強度の増
大が見込めるなど高品質の覆工コンクリート体を効率よ
く構築できるようになる。
【0035】ところで、覆工コンクリート打設空間M内
に充填された、まだ固まらないコンクリートに対する加
圧力は、トンネルの下部、側部およびアーチ部等毎に変
化させるようにしてもよい。すなわち、下部側はコンク
リートが自重によって加圧された状態にあり、一方天端
側は無加圧の状態にある。その結果、覆工コンクリート
の品質は、相対的に下部側が良好で、上部側に行くに従
って低下する傾向にある。そして、最上部では空気溜ま
りや分離水が溜まり易い状況にある。この問題に対処す
るため、例えば図7に示されるように、プレス板11を
周方向に沿って複数に、図示例では上下方向に5分割
し、各分割プレス板11〜11毎に加圧ジャッキ1
0のストロークを調整することにより、上部側に行くに
従って加圧力を漸次増大させるようにすることができ、
まだ固まらないコンクリートに対し略均等に圧力をかけ
ることにより、強度発現時間を略均等にすることができ
る。なお、トンネル天端部のみに前記プレス板11を設
け、まだ固まらないコンクリートに対する加圧・脱水、
または加圧・脱水と共に与える揺動及び/又は振動は、
トンネル天端部のみにて行うようにしてもよい。
【0036】ところで、前記型枠装置1を用いてトンネ
ル内周面に覆工コンクリートを構築するには、トンネル
長手方向に連設された複数の型枠S〜Sの内、最後
部に位置する型枠Sを順次前部側に移設しながら型枠
幅毎に覆工コンクリートが構築される。具体的には、図
8に示されるように、覆工コンクリート打設空間M内
に、まだ固まらないコンクリートを充填し前述した要領
によって脱水加圧及び締固めを行い、コンクリートの硬
化を待ったならば、型枠支持ジャッキ群6を解放すると
ともに、最後部に位置する型枠Sを図8(A)に示され
るように、型枠盛替え用台車8により前部側に搬送す
る。そして、壁面グリッパ3を解放した状態で加圧ジャ
ッキ10を伸長することにより型枠装置1を型枠幅だけ
前進させたならば、図8(B)に示されるように、搬送し
た型枠Sを所定位置に設置するとともに、型枠支持ジ
ャッキ群6により堅固に支持した後、新たに形成された
覆工コンクリート打設空間M内にコンクリートを充填す
る。以上の工程を順次繰り返すことにより、トンネル長
手方向に順次覆工コンクリートが延長される。
【0037】次いで、図9は型枠装置1の第2態様例を
示したもので、型枠装置1Aと型枠移動架台1Bとが分
離した構造となっている。前記型枠移動架台1Bの上部
には型枠盛替え用台車8が搭載されている。最前部の覆
工コンクリートの構築を終えたならば、図9(A)に示さ
れるように、最後部の型枠Sを脱型し型枠移動架台1
B上に搭載された型枠盛替え用台車8の上面に載置す
る。一方、型枠装置1A側では、型枠支持ジャッキ群6
を解放するとともに、壁面グリッパ3を解放した状態で
加圧ジャッキ10を伸長することにより型枠装置1Aを
型枠幅だけ前進させるようにする。その後、図9(B)に
示されるように、前記型枠移動架台1Bを切羽側に移動
し型枠装置1Aに隣接させたならば、型枠盛替え用台車
8を型枠装置1A側に移動させ、図9(C)に示されるよ
うに、搬送した型枠Sを所定位置に設置するととも
に、型枠支持ジャッキ群6により堅固に支持した後、新
たに形成された覆工コンクリート打設空間M内にコンク
リートを充填する。以上の工程を順次繰り返すことによ
り、トンネル長手方向に順次覆工コンクリートが延長さ
れる。
【0038】
【発明の効果】以上詳説のとおり本発明によれば、山岳
トンネル工法において、周囲が実質的に不透水面で囲ま
れた覆工コンクリート打設空間内にコンクリートを打設
するに際し、まだ固まらないコンクリートを加圧しなが
ら、ブリージング水等を排出するようにしたため、密実
で良質な覆工コンクリート体を構築できるようになる。
また、前記コンクリートに加圧するとともに、まだ固ま
らないコンクリートに揺動及び/又は振動を与えるよう
にしたため、締固め不足の無い良質な覆工コンクリート
体を構築できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るトンネル覆工用型枠装置1の概略
側面図である。
【図2】図1のII−II線矢視図である。
【図3】加圧装置部5を示す要部拡大図である。
【図4】加圧装置部5の要部正面図である。
【図5】プレス板11に対する排水部形成要領を示す図
である。
【図6】締固め用棒状部材19の固定要領を示す要部斜
視図である。
【図7】加圧装置により分割式加圧要領を示す図であ
る。
【図8】型枠盛替え要領図(その1)である。
【図9】型枠盛替え要領図(その2)である。
【図10】従来の型枠装置における締固め要領を示す図
である。
【符号の説明】
1…型枠装置、2…本体、3…壁面グリッパ、4…反力
受け、5…加圧装置部、6…型枠支持ジャッキ群、7…
覆工コンクリート、8…型枠盛替え用台車、10…加圧
ジャッキ、11…プレス板、14…周方向シールゴム、
19…締固め用棒状部材、22…水抜きパイプ、23…
起振装置、M…覆工コンクリート打設用空間、S…型枠
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 梅香家 俊文 東京都中央区日本橋本町4丁目12番20号 佐藤工業株式会社内 (72)発明者 星野 孝則 東京都中央区日本橋本町4丁目12番20号 佐藤工業株式会社内 (72)発明者 村本 利行 東京都中央区日本橋本町4丁目12番20号 佐藤工業株式会社内 (72)発明者 佐々木 俊明 東京都中央区日本橋本町4丁目12番20号 佐藤工業株式会社内 (72)発明者 大野 一昭 東京都中央区日本橋本町4丁目12番20号 佐藤工業株式会社内 Fターム(参考) 2D055 BA05 BB02 DA02 DA03 DA08 KC01 LA14

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】山岳トンネル工法において、トンネル掘削
    面より離間した位置にトンネル横断方向に沿って型枠を
    設置し、閉鎖された覆工コンクリート打設空間を形成
    し、前記覆工コンクリート打設空間に、まだ固まらない
    コンクリートを充填するとともに、充填された前記コン
    クリートに加圧力を加えながら脱水を図るようにするこ
    とを特徴とする山岳トンネル工法におけるトンネル覆工
    方法。
  2. 【請求項2】前記加圧力とともに、揺動及び/又は振動
    を与えるようにする請求項1記載の山岳トンネル工法に
    おけるトンネル覆工方法。
  3. 【請求項3】山岳トンネル工法において、トンネル掘削
    面に覆工コンクリートを打設するためのトンネル覆工装
    置であって、 トンネル掘削面より離間した位置にトンネル横断方向に
    沿って設置される型枠によって閉鎖された覆工コンクリ
    ート打設空間を形成し、かつ前記覆工コンクリート打設
    空間の妻側に、妻型枠または妻型枠の一部を兼用するプ
    レス板をジャッキにより往復動作可能に保持するととも
    に、前記妻部に水抜き部を形成することにより、前記覆
    工コンクリート打設空間に充填された、まだ固まらない
    コンクリートを加圧しながら脱水することを特徴とする
    山岳トンネル工法におけるトンネル覆工装置。
  4. 【請求項4】前記プレス板に覆工コンクリート打設空間
    内に突出する棒状部材を挿設し、前記プレス板と前記棒
    状部材との往復動作に伴って、充填されたまだ固まらな
    いコンクリートに揺動を与える揺動付与手段、及び/又
    は前記棒状部材に添設または内設され、充填されたまだ
    固まらないコンクリートに振動を与える振動付与手段を
    備える請求項3記載の山岳トンネル工法におけるトンネ
    ル覆工装置。
  5. 【請求項5】前記プレス板を複数に分割し、各分割部位
    毎に加圧力を調整可能としてある請求項3,4いずれか
    に記載の山岳トンネル工法におけるトンネル覆工装置。
  6. 【請求項6】トンネル天端部に前記プレス板と前記棒状
    部材とを設け、該トンネル天端部のみにおいて、前記加
    圧・脱水、または加圧・脱水と共に揺動及び/又は振動
    を付与するようにしてある請求項3,4いずれかに記載
    の山岳トンネル工法におけるトンネル覆工装置。
  7. 【請求項7】前記トンネル覆工装置は、前記プレス板の
    ジャッキ反力をトンネル掘削面に支持させる反力装置を
    備える請求項3〜6いずれかに記載のトンネル覆工装
    置。
JP2001375193A 2001-12-10 2001-12-10 山岳トンネル工法におけるトンネル覆工方法および覆工装置 Withdrawn JP2003176697A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001375193A JP2003176697A (ja) 2001-12-10 2001-12-10 山岳トンネル工法におけるトンネル覆工方法および覆工装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001375193A JP2003176697A (ja) 2001-12-10 2001-12-10 山岳トンネル工法におけるトンネル覆工方法および覆工装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003176697A true JP2003176697A (ja) 2003-06-27

Family

ID=19183608

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001375193A Withdrawn JP2003176697A (ja) 2001-12-10 2001-12-10 山岳トンネル工法におけるトンネル覆工方法および覆工装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003176697A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006336258A (ja) * 2005-05-31 2006-12-14 Maeda Corp コンクリート締固め用バイブレータシステム、トンネルにおける覆工コンクリート用型枠及びトンネルにおける覆工コンクリート締固め方法
JP2006336257A (ja) * 2005-05-31 2006-12-14 Maeda Corp コンクリート締固め用バイブレータ、コンクリート締固め用バイブレータシステム及びコンクリート締固め用バイブレータ送り方法
JP2007138591A (ja) * 2005-11-18 2007-06-07 Okumura Corp トンネル覆工コンクリート打設方法及び妻型枠装置
JP2007138592A (ja) * 2005-11-18 2007-06-07 Okumura Corp トンネル覆工コンクリート打設方法及び妻型枠装置
JP2010255380A (ja) * 2009-04-28 2010-11-11 Towa Kiden Kogyo Kk 覆工コンクリート締固め用バイブレータ装置
JP2012214973A (ja) * 2011-03-31 2012-11-08 Sumitomo Mitsui Construction Co Ltd ブリージング水排出装置及び覆工用移動型枠
JP2014070459A (ja) * 2012-10-01 2014-04-21 Ohbayashi Corp トンネル内の覆工コンクリート壁の打設装置及び打設方法
JP2019073892A (ja) * 2017-10-16 2019-05-16 飛島建設株式会社 トンネル二次覆工コンクリートの打設工法および打設装置

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006336258A (ja) * 2005-05-31 2006-12-14 Maeda Corp コンクリート締固め用バイブレータシステム、トンネルにおける覆工コンクリート用型枠及びトンネルにおける覆工コンクリート締固め方法
JP2006336257A (ja) * 2005-05-31 2006-12-14 Maeda Corp コンクリート締固め用バイブレータ、コンクリート締固め用バイブレータシステム及びコンクリート締固め用バイブレータ送り方法
JP4691397B2 (ja) * 2005-05-31 2011-06-01 前田建設工業株式会社 コンクリート締固め用バイブレータシステム
JP2007138591A (ja) * 2005-11-18 2007-06-07 Okumura Corp トンネル覆工コンクリート打設方法及び妻型枠装置
JP2007138592A (ja) * 2005-11-18 2007-06-07 Okumura Corp トンネル覆工コンクリート打設方法及び妻型枠装置
JP4566890B2 (ja) * 2005-11-18 2010-10-20 株式会社奥村組 トンネル覆工コンクリート打設方法及び妻型枠装置
JP4624243B2 (ja) * 2005-11-18 2011-02-02 株式会社奥村組 トンネル覆工コンクリート打設方法及び妻型枠装置
JP2010255380A (ja) * 2009-04-28 2010-11-11 Towa Kiden Kogyo Kk 覆工コンクリート締固め用バイブレータ装置
JP2012214973A (ja) * 2011-03-31 2012-11-08 Sumitomo Mitsui Construction Co Ltd ブリージング水排出装置及び覆工用移動型枠
JP2014070459A (ja) * 2012-10-01 2014-04-21 Ohbayashi Corp トンネル内の覆工コンクリート壁の打設装置及び打設方法
JP2019073892A (ja) * 2017-10-16 2019-05-16 飛島建設株式会社 トンネル二次覆工コンクリートの打設工法および打設装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN104631677B (zh) 超厚混凝土空心地坪分次施工工艺
CN105350559B (zh) 一种适用于大型厂房的金刚砂结构地面的施工方法
JP2003176697A (ja) 山岳トンネル工法におけるトンネル覆工方法および覆工装置
CN110965415A (zh) 旧混凝土路面拼宽改造方法
CN209687505U (zh) 钢筋混凝土框架隧道浇筑用液压模板台车
CN109371910A (zh) 垫地填高防护及施工方法
EP0560867B1 (en) Method for manufacturing a tubular foundation in the ground
CN208815419U (zh) 一种高速铁路预应力箱梁端部封锚混凝土振动压实装置
CN115538316A (zh) 一种墩柱施工方法
JPH0224495A (ja) 吹付けコンクリートによるトンネル覆工工法
KR100656819B1 (ko) 현장타설 지중벽체 패널연결장치 및 이를 이용한 벽체패널 시공방법
JPH042758B2 (ja)
SU1622527A1 (ru) Способ возведени сваи
CN101230594B (zh) 混凝土后浇带处止浆砌块及施工方法
CN103397741A (zh) 型钢混凝土梁施工方法
CN201152022Y (zh) 混凝土后浇带处止浆砌块
JPS59213821A (ja) 逆打ち工法における打継部処理方法
JP7472387B1 (ja) 法枠の構造及び法枠の施工方法
CN214993736U (zh) 用原竹加固的软土地基
RU2262574C2 (ru) Способ изготовления трубобетона и устройство для его осуществления
JP4927113B2 (ja) 地盤安定化工法
RU2121916C1 (ru) Способ формования железобетонных изделий
JPH0828190A (ja) 場所打ちライニングシールド工法及びシールド掘進機
JP2005344349A (ja) 残存型枠並びにソイルコンクリートを使用したコンクリート構造物の施工方法
KR100508460B1 (ko) 연약지반 개량장치 및 개량방법

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20050301