JP2003175814A - マスタシリンダ - Google Patents

マスタシリンダ

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JP2003175814A
JP2003175814A JP2001378034A JP2001378034A JP2003175814A JP 2003175814 A JP2003175814 A JP 2003175814A JP 2001378034 A JP2001378034 A JP 2001378034A JP 2001378034 A JP2001378034 A JP 2001378034A JP 2003175814 A JP2003175814 A JP 2003175814A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】シリンダボディに嵌合、固定されるスリーブに
プランジャが摺動自在に嵌合され、リザーブタンク内に
常時通じるとともにプランジャの後退限位置では出力液
圧室に通じる環状の補給室が、プランジャを囲繞する隔
壁カラーおよびプランジャ間に形成され、該隔壁カラー
の両側で前記プランジャの外周に一対のカップシールが
摺接されるマスタシリンダにおいて、スリーブの形状を
単純化可能とするとともに少ない部品点数で隔壁カラー
をシリンダボディに固定する。 【解決手段】シリンダボディ11に、スリーブ20を嵌
合せしめる装着孔12と、該装着孔12との間に環状の
段部17を形成する摺動孔14とが設けられ、摺動孔1
4の内面に装着されるカップシール26および段部17
間でシリンダボディ11に係止部36が形成され、段部
17に当接する隔壁カラー18に、係止部36に弾発係
合する係合爪34が一体に設けられる。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、マスタシリンダに
関し、特に、シリンダボディに嵌合、固定されるスリー
ブに、出力液圧室に前端を臨ませるプランジャが摺動自
在に嵌合され、シリンダボディに取付けられるリザーブ
タンク内に常時通じるとともにプランジャの後退限位置
では出力液圧室に通じる環状の補給室が、プランジャを
囲繞する隔壁カラーおよびプランジャ間に形成され、該
隔壁カラーの両側で前記プランジャの外周に一対のカッ
プシールが摺接されるマスタシリンダの改良に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、かかるマスタシリンダは、たとえ
ば特開平3−148360号公報および特公平4ー27
060号公報等で既に知られている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところが、特開平3−
148360号公報で開示されたものでは、隔壁カラー
がシリンダボディの段部と、スリーブとの間に挟持され
ており、隔壁カラーの一側でプランジャの外周に摺接す
るカップシールを避けてスリーブを隔壁カラーに当接さ
せる必要があるので、スリーブの隔壁カラー側端部形状
が複雑となる。 【0004】また特公平4ー27060号公報で開示さ
れたものでは、隔壁カラーがスリーブと、該スリーブと
は別体にしてシリンダボディに固定される軸受部材との
間に挟持されており、隔壁カラーをシリンダボディに固
定するための部品点数が多くなる。 【0005】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、スリーブの形状を単純化可能とするとともに
少ない部品点数で隔壁カラーをシリンダボディに固定し
得るようにしたマスタシリンダを提供することを目的と
する。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、シリンダボディに嵌合、固定されるスリ
ーブに、出力液圧室に前端を臨ませるプランジャが摺動
自在に嵌合され、シリンダボディに取付けられるリザー
ブタンク内に常時通じるとともに前記プランジャの後退
限位置では前記出力液圧室に通じる環状の補給室が、前
記プランジャを囲繞する隔壁カラーおよび前記プランジ
ャ間に形成され、該隔壁カラーの両側で前記プランジャ
の外周に一対のカップシールが摺接されるマスタシリン
ダにおいて、前記シリンダボディには、前記スリーブを
嵌合せしめる装着孔と、該装着孔との間に環状の段部を
形成して装着孔よりも小径に形成される摺動孔とが設け
られ、前記一対のカップシールのうち前記摺動孔の内面
に装着されるカップシールおよび前記段部間でシリンダ
ボディに係止部が形成され、前記段部に当接する隔壁カ
ラーに、前記係止部に弾発係合する係合爪が一体に設け
られることを特徴とする。 【0007】このような構成によれば、隔壁カラーをス
リーブ等の他の部材とは無関係にシリンダボディに固定
することができるので、隔壁カラーの一側でプランジャ
の外周に摺接するカップシールを避けてスリーブを隔壁
カラーに当接させる必要がなく、スリーブの隔壁カラー
側端部形状を単純化することができる。また隔壁カラー
をシリンダボディに固定するための専用の部品は不要で
あり、部品点数を少なくすることができる。 【0008】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付の図面に示した本発明の一実施例に基づいて説明す
る。 【0009】図1〜図5は本発明の一実施例を示すもの
であり、図1はタンデム型のマスタシリンダの縦断面
図、図2は図1の2−2線拡大断面図、図3は後部隔壁
カラーの拡大縦断面図であって図4の3−3線に沿う断
面図、図4は図3の4矢視図、図5は図1の5−5線拡
大断面図である。 【0010】先ず図1において、タンデム型のマスタシ
リンダMのシリンダボディ11には、装着孔12と、該
装着孔12よりも大径に形成されて装着孔12の前端に
同軸に連なるねじ孔13と、前記装着孔12よりも小径
に形成されて装着孔12の後端に同軸に連なる摺動孔1
4とが設けられており、ねじ孔13の前端はシリンダボ
ディ11の前端に開口し、摺動孔14の後端はシリンダ
ボディ11の後端に開口する。 【0011】ねじ孔13には、装着孔12の前部に嵌入
する円筒部15aを備える蓋部材15がねじ込まれる。
前記円筒部15aの外周には装着孔12の前部内面に弾
発的に接触する環状のシール部材たとえばOリング16
が装着されており、装着孔12の前端は蓋部材15で液
密的に閉じられることになる。 【0012】装着孔12および摺動孔14間でシリンダ
ボディ11には環状の段部17が形成される。この段部
17および前記蓋部材15間で装着孔12には、前記段
部17側から順に、リング状の後部隔壁カラー18、第
1カップシール19、スリーブ20、第2カップシール
21、リング状の前部隔壁カラー22および第3カップ
シール23が挿入され、後部隔壁カラー18、スリーブ
20および前部隔壁カラー22は、シリンダボディ11
に固定される。 【0013】スリーブ20は、摺動孔14に対応した内
径のシリンダ孔24を有して合成樹脂により円筒状に形
成されるものであり、前記シリンダ孔24には、後部プ
ランジャ25の前部が摺動可能に嵌合され、該後部プラ
ンジャ25の後部は摺動孔14に摺動可能に嵌合され
る。しかも摺動孔14の内面には後部プランジャ25の
外周に摺接する第4カップシール26が装着される。 【0014】前記シリンダ孔24には前部プランジャ2
7の後部が摺動可能に嵌合されており、後部および前部
プランジャ25,27間には後部出力液圧室28が形成
され、前部プランジャ27および蓋部材15間には前部
出力液圧室29が形成される。 【0015】図2において、シリンダボディ11には、
装着孔12の内面に開口する小径孔部30aの外端に、
該小径部30aよりも大径のねじ孔部30bが同軸に連
なって成る後部出力ポート30が設けられる。この後部
出力ポート30の前記小径孔部30aには、テーパ状の
座面31を外端に有するパイプシート32が嵌入され
る。しかも後部出力ポート30に挿入される接続パイプ
(図示せず)の内端部が、前記ねじ孔部30bに螺合さ
れるボルト(図示せず)とパイプシート32の座面31
との間に挟まれ、前記接続パイプが後部出力ポート30
に液密に接続されることになる。 【0016】一方、スリーブ20には、たとえば一対の
連通孔33,33がその一直径線上に配置されるように
して設けられており、両連通孔33,33の一方に前記
パイプシート32の内端部が嵌合することでスリーブ2
0がシリンダボディ11に固定される。 【0017】図3および図4を併せて参照して、後部隔
壁カラー18は、摺動孔14に対応した内周直径を有
し、可撓性を有する材料たとえば合成樹脂によりリング
状に形成されるものであり、段部17に当接するように
して装着孔12に挿入される。しかも段部17側で後部
隔壁カラー18の内周の周方向に等間隔をあけた複数箇
所たとえば4箇所には、係合爪34,34…が連設され
る。 【0018】ところで第4カップシール26を装着する
ために摺動孔14の内周には環状の装着溝35が設けら
れるのであるが、該装着溝35および段部17間で摺動
孔14の内周直径を拡径することにより、段部17およ
び装着溝35間でシリンダボディ11の内周には後部プ
ランジャ25を囲繞する環状の鍔状の係止部36が形成
されることになる。而して前記後部隔壁カラー18は、
段部17に当接するとともに係止部36の内周に各係合
爪34,34…を弾発係合することで、シリンダボディ
11に固定されることになる。 【0019】この後部隔壁カラー18の内周および後部
プランジャ25の外周間には環状の後部内側補給室37
が形成され、後部隔壁カラー18の外周および装着孔1
2の内周間には、シリンダボディ11の上部に取付けら
れたリザーブタンク39に通じる環状の後部外側補給室
38が形成される。しかも後部隔壁カラー18の段部1
7側の端面には、放射状に延びる複数たとえば4つの連
通溝40,40…が設けられており、後部内側補給室3
7および後部外側補給室38間は各連通溝40,40…
を介して連通する。 【0020】第1カップシール19は、後部プランジャ
25の外周に内周を摺接させるとともに外周をシリンダ
ボディ11に弾発的に接触させるものであり、前記スリ
ーブ20の後端に対向するようにして後部隔壁カラー1
8およびスリーブ20間に挟まれる。またスリーブ20
の後端の周方向に等間隔をあけた複数箇所には、第1カ
ップシール19内に突入して第1カップシール19を後
部隔壁カラー18との間に挟持するための複数の支持突
部41…が突設され、各支持突部41…相互間でスリー
ブ20の後端部には、該スリーブ20の内周側に開口す
るとともに第1カップシール19側に臨んでも開口する
スリット状の切欠き42…が設けられる。 【0021】而して第1カップシール19の前面には切
欠き42…を介して後部出力液圧室28の液圧が作用す
ることになり、背面側に作用する後部外側補給室38す
なわちリザーブタンク39内のブレーキ液の液圧よりも
前記後部出力液圧室28の液圧が低下するのに応じて、
第1カップシール19は後部外側補給室38から後部出
力液圧室28側へのブレーキ液の流れを許容する。 【0022】図5において、スリーブ20の前方に間隔
をあけた位置で前部プランジャ27を囲繞するように配
置される前部隔壁カラー22の外周部には、該前部隔壁
カラー22の一直径線上に軸線を配置するようにしてシ
リンダボディ11に圧入される一対のピン43,43の
内端部が係合され、これにより前部隔壁カラー22がシ
リンダボディ11に固定される。而して前記両ピン4
3,43の一方は、リザーブタンク39を接続させるべ
くシリンダボディ11の上部に設けられた接続孔44内
に外端部を臨ませるようにしてシリンダボディ11に圧
入され、他方のピン43の外端部にはシリンダボディ1
1に螺合される盲栓45が当接される。 【0023】前部隔壁カラー22の外周および装着孔1
2の内周間には環状の前部外側補給室46が形成され、
また前部隔壁カラー22の内周および前部プランジャ2
7の外周間には環状の前部内側補給室47が形成され
る。しかもシリンダボディ11には前記接続孔44内を
前記前部外側補給室46に通じさせる連通路48が設け
られ、前部隔壁カラー22には前部内側補給室47を前
部外側補給室46に連通させる複数の連通路49…が設
けられており、前部外側補給室46および前部内側補給
室47はリザーブタンク39内に連通する。 【0024】第2カップシール21は、前部プランジャ
27の外周に内周を摺接させるとともに外周をシリンダ
ボディ11に弾発的に接触させるものであり、前記スリ
ーブ20の前端に対向する位置で前部隔壁カラー22お
よびスリーブ20間に挟まれるようにして固定配置され
る。 【0025】スリーブ20の前端の周方向に等間隔をあ
けた複数箇所には、第2カップシール21内に突入して
第2カップシール21を前部隔壁カラー22との間に挟
持するための複数の支持突部50…が突設される。 【0026】第3カップシール23は、前部プランジャ
27の外周に内周を摺接させるとともに外周をシリンダ
ボディ11に弾発的に接触させるものであり、蓋部材1
5の円筒部15aおよび前部隔壁カラー22間に挟まれ
る。また前記円筒部15aの後端の周方向に等間隔をあ
けた複数箇所には、第3カップシール23内に突入して
第3カップシール23を前部隔壁カラー22との間に挟
持するための複数の支持突部51…が突設され、各支持
突部51…相互間で前記円筒部15aの後端部には、該
円筒部15aの内周側に開口するとともに第3カップシ
ール23側に臨んでも開口するスリット状の切欠き52
…が設けられる。 【0027】而して第3カップシール23の前面には切
欠き52…を介して前部出力液圧室29の液圧が作用す
ることになり、背面側に作用する前部外側補給室46す
なわちリザーバタンク39内のブレーキ液の液圧よりも
前記前部出力液圧室29の液圧が低下するのに応じて、
第3カップシール23は前部外側補給室46から前部出
力液圧室29側へのブレーキ液の流れを許容する。 【0028】Oリング16および第3カップシール23
で挟まれる位置で、蓋部材15における円筒部15aの
外周には環状溝53が設けられており、該環状溝53に
通じる前部出力ポート54がシリンダボディ11に設け
られる。また前記円筒部15aには、環状溝53を前部
出力液圧室29に連通させる連通孔55が設けられてお
り、前部出力ポート54は、環状溝53および連通孔5
5を介して前部出力液圧室29に連通する。 【0029】ところで、後部プランジャ25の前部は円
筒状に形成されており、後部プランジャ25が図1で示
すように後退限位置にあるときに後部内側補給室37に
後部出力液圧室28を通じさせる複数のリリーフ孔56
…が後部プランジャ25の前部に設けられる。これらの
リリーフ孔56…により、後部プランジャ25が後退限
まで後退したときに後部出力液圧室28の液圧がリザー
ブタンク39側に解放され、後部プランジャ25が後退
限位置から前進したときに、前記各リリーフ孔56…が
第1カップシール19でシールされる。 【0030】また前部プランジャ27の前部も円筒状に
形成されており、前部プランジャ27が図1で示すよう
に後退限位置にあるときに前部内側補給室47に前部出
力液圧室29を通じさせる複数のリリーフ孔57…が前
部プランジャ27の前部に設けられる。これらのリリー
フ孔57…により、前部プランジャ27が後退限まで後
退したときに前部出力液圧室29の液圧がリザーブタン
ク39側に解放され、前部プランジャ27が後退限位置
から前進したときに、前記各リリーフ孔57…が第3カ
ップシール23でシールされる。 【0031】後部出力液圧室28に臨んで後部プランジ
ャ25に設けられる端面25aには、円筒状に形成され
た第1リテーナ58が後端に備える当接鍔58aが当接
される。また後部出力液圧室28に臨む前部プランジャ
27の後面27aには第2リテーナ59が当接され、第
1および第2リテーナ58,59間には後部戻しばね6
0が縮設される。この後部戻しばね60は後部および前
部プランジャ25,27を相互に離間せしめる方向に後
部および前部プランジャ25,27を付勢するばね力を
発揮するものであり、第1および第2リテーナ58,5
9は後部および前部プランジャ25,27に実質的には
固定される。 【0032】第2リテーナ59の中央部には、シリンダ
孔24と同軸に延びるロッド61の前端部が係合、連結
されており、このロッド61の後部は、第1リテーナ5
8の前端部を軸方向移動可能に貫通する。しかもロッド
61の後端には、第1リテーナ58の前部に後方から係
合可能な係合鍔61aが設けられており、係合鍔61a
が第1リテーナ58の前部に係合することで後部および
前部プランジャ25,27間の最大間隔が規制される。 【0033】蓋部材15および前部プランジャ27間に
は前部戻しばね62が縮設されており、前部プランジャ
27は前部戻しばね62が発揮するばね力により後方側
に向けて付勢される。 【0034】ところでスリーブ20の前部寄り内面に
は、シリンダ孔24の軸方向に沿って延びる複数たとえ
ば4つのガイド溝63…が設けられており、後部出力ポ
ート30に通じてスリーブ20に設けられた連通孔3
3,33の内端は、それらのガイド溝63…の2つにそ
れぞれ開口する。 【0035】各ガイド溝63…には、第2リテーナ59
の外周に設けられた規制突部59a…がそれぞれ嵌入さ
れており、各ガイド溝63…の後端部にそれぞれ形成さ
れた規制面64…に前記各規制突部59a…が当接する
ことにより、前部戻しばね62で後方側に向けて付勢さ
れた前部プランジャ27の後退限位置が定まる。しかも
上述のように後部および前部プランジャ25,27間の
最大間隔が規制されているので、前部プランジャ27の
後退限位置が定まるのに応じて後部プランジャ25の後
退限位置も定まることになる。 【0036】後部プランジャ25には、後方に延びて負
圧ブースタ(図示せず)内に突入する延長筒部25bが
一体かつ同軸に設けられており、負圧ブースタのブース
タシェル(図示せず)および延長筒部25b間に環状の
シール部材65が介装される。また負圧ブースタが備え
る出力ロッド66の前端が後部プランジャ25に首振り
可能に連接される。 【0037】次にこの実施例の作用について説明する
と、シリンダボディ11に嵌合、固定されるスリーブ2
0には、前部出力液圧室29に前端を臨ませる前部プラ
ンジャ27と、該前部プランジャ27との間に後部出力
液圧室28を形成する後部プランジャ25とが摺動自在
に嵌合されるとともに、シリンダボディ11に設けられ
た後部出力ポート30に後部出力液圧室28を通じさせ
る一対の連通孔33,33が設けられており、後部プラ
ンジャ25の外周に内周を摺接させるとともに外周をシ
リンダボディ11に弾発的に接触させる第1カップシー
ル19がスリーブ20の後端に対向して固定配置される
とともに、前部プランジャ27の外周に内周を摺接させ
るとともに外周をシリンダボディ11に弾発的に接触さ
せる第2カップシール21がスリーブ20の前端に対向
して固定配置されている。 【0038】したがって第1および第2カップシール1
9,21で、後部出力液圧室28の軸方向両端をシール
することができ、スリーブ20の外周にシール部材を装
着することを不要としてシール部材の個数を低減するこ
とができる。しかもシール部材の装着が不要となること
でスリーブ20の外周形状を単純化することができ、ス
リーブ20の加工を容易とすることができる。またスリ
ーブ20の内、外周面には後部出力液圧室28の液圧が
作用するものであり、内、外周面に作用する圧力を同圧
とすることでスリーブ20に高強度材料を用いることを
不要とし、加工が容易で軽量な材料、たとえばこの実施
例のように合成樹脂によりスリーブ20を形成すること
ができ、スリーブ20の製造コストを低減することがで
きる。 【0039】また後部出力ポート30に嵌入されるパイ
プシート32の内端部が、スリーブ20に設けられた一
対の連通孔33,33の一方に嵌合されており、それに
よりスリーブ20がシリンダボディ11に固定されるの
で、スリーブ20をシリンダボディ11に固定するにあ
たり、専用の部品を用いることを不要とし、部品点数の
低減により一層寄与することができる。 【0040】さらにシリンダボディ11には、スリーブ
20を嵌合せしめる装着孔12と、該装着孔12との間
に環状の段部17を形成して装着孔12よりも小径に形
成される摺動孔14とが設けられており、摺動孔14の
内面に装着される第4カップシール26および段部17
間でシリンダボディ11には環状の係止部36が形成さ
れ、段部17に当接する後部隔壁カラー18に、係止部
36の内周に弾発係合する複数の係合爪34,34…が
一体に設けられている。 【0041】したがって後部隔壁カラー18をスリーブ
20等の他の部材とは無関係にシリンダボディ11に固
定することができ、後部隔壁カラー18の前側で後部プ
ランジャ25の外周に摺接する第1カップシール19を
避けてスリーブ20を後部隔壁カラー18に当接させる
必要がなく、スリーブ20の後部隔壁カラー18側端部
すなわち後端部形状を単純化することができる。しかも
後部隔壁カラー18をシリンダボディ11に固定するた
めの専用の部品は不要であり、部品点数を少なくするこ
とができる。 【0042】以上、本発明の実施例を説明したが、本発
明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の
範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計
変更を行うことが可能である。 【0043】 【発明の効果】以上のように本発明によれば、スリーブ
の隔壁カラー側端部形状を単純化することができ、部品
点数も少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】タンデム型のマスタシリンダの縦断面図であ
る。 【図2】図1の2−2線拡大断面図である。 【図3】後部隔壁カラーの拡大縦断面図であって図4の
3−3線に沿う断面図である。 【図4】図3の4矢視図である。 【図5】図1の5−5線拡大断面図である。 【符号の説明】 11・・・シリンダボディ 12・・・装着孔 14・・・摺動孔 18・・・後部隔壁カラー 19,26・・・カップシール 20・・・スリーブ 25・・・後部プランジャ 28・・・後部出力液圧室 34・・・係合爪 36・・・係止部 37・・・補給室 39・・・リザーブタンク M・・・マスタシリンダ

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 シリンダボディ(11)に嵌合、固定さ
    れるスリーブ(20)に、出力液圧室(28)に前端を
    臨ませるプランジャ(25)が摺動自在に嵌合され、シ
    リンダボディ(11)に取付けられるリザーブタンク
    (39)内に常時通じるとともに前記プランジャ(2
    5)の後退限位置では前記出力液圧室(28)に通じる
    環状の補給室(37)が、前記プランジャ(25)を囲
    繞する隔壁カラー(18)および前記プランジャ(2
    5)間に形成され、該隔壁カラー(18)の両側で前記
    プランジャ(25)の外周に一対のカップシール(1
    9,26)が摺接されるマスタシリンダにおいて、前記
    シリンダボディ(11)には、前記スリーブ(20)を
    嵌合せしめる装着孔(12)と、該装着孔(12)との
    間に環状の段部(17)を形成して装着孔(12)より
    も小径に形成される摺動孔(14)とが設けられ、前記
    一対のカップシール(19,26)のうち前記摺動孔
    (14)の内面に装着されるカップシール(26)およ
    び前記段部(17)間でシリンダボディ(11)に係止
    部(36)が形成され、前記段部(17)に当接する隔
    壁カラー(18)に、前記係止部(36)に弾発係合す
    る係合爪(34)が一体に設けられることを特徴とする
    マスタシリンダ。
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