JP2003175103A - 粉末薬剤多回投与器 - Google Patents

粉末薬剤多回投与器

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JP2003175103A
JP2003175103A JP2001378483A JP2001378483A JP2003175103A JP 2003175103 A JP2003175103 A JP 2003175103A JP 2001378483 A JP2001378483 A JP 2001378483A JP 2001378483 A JP2001378483 A JP 2001378483A JP 2003175103 A JP2003175103 A JP 2003175103A
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medicine
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Hideo Matsuki
秀夫 松木
Masahiko Doi
雅彦 土肥
Yuji Makino
悠治 牧野
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61MDEVICES FOR INTRODUCING MEDIA INTO, OR ONTO, THE BODY; DEVICES FOR TRANSDUCING BODY MEDIA OR FOR TAKING MEDIA FROM THE BODY; DEVICES FOR PRODUCING OR ENDING SLEEP OR STUPOR
    • A61M2202/00Special media to be introduced, removed or treated
    • A61M2202/06Solids
    • A61M2202/064Powder

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 定量噴霧性、小型化(携帯性)、操作の簡便
性・迅速性、製造工程の簡易性、粉末薬剤の分散性、部
品の最少化、低コスト化等を兼ね備えた粉末薬剤多回投
与器を提供する。 【解決手段】 多回投与操作分の粉末薬剤を貯蔵可能な
薬剤貯蔵室と、前記薬剤貯蔵室底面の下部に設けた単回
投与用操作分の粉末薬剤を収容可能な薬剤収容部5b
と、前記薬剤貯蔵室の底面との間で接触を保ちつつ充填
位置と投与位置との間を移動可能である。、前記薬剤収
容部5bを装置の外部へ連通させる手段13と、前記薬
剤収容部5bの底部に設けたフィルター6を介して該薬
剤収容部5bに空気を送り込むことのできるポンプ部3
を具備していることを特徴とする粉末薬剤多回投与器を
提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粉末体の定量供給
装置および方法、特に粉末薬剤の多回投与器に関する。
【0002】さらに詳しくは、本発明は、本体装置内に
貯蔵された複数回投与操作分の粉末薬剤を微量の単回投
与操作分の粉末薬剤を定量性よく分割秤量し、噴霧でき
る粉末薬剤多回投与器に関する。
【0003】本発明は、単回投与操作分の粉末薬剤を連
続的にかつ精度良く分割されて、鼻腔、口腔、気管、気
管支、肺胞などの体腔内もしくはその他の患部に噴霧ま
たは吸入投与する為の、衛生で、携帯に便利で、かつ使
用時の操作が簡便であり、また比較的安価な粉末薬剤多
回投与器を提供するものである。
【0004】
【従来の技術】粉末状の薬剤が体腔、例えば鼻腔、口
腔、気道などに噴霧あるいは吸入により投与されてい
る。例えば、鼻アレルギーの患者に対し、粉末状の薬剤
が鼻腔内に噴霧投与されているし、喘息の患者に対して
は、吸入により気道に投与されている。また、口内炎の
患者に対しては、口腔内に噴霧投与されている。さらに
最近は、鼻腔、肺などの粘膜を通して薬物を全身血流に
吸収させるドラッグデリバリーシステムが注目されてお
り、粉末状の薬剤をそれらの粘膜へ投与することも試み
られている。例えば、インスリン、カルシトニンなどの
ペプチド・蛋白質性薬物や、片頭痛薬などの即効性を必
要とする薬物などは注射剤に変わる簡便な製剤として粉
末状の経鼻剤もしくは吸入剤などの研究開発が実施さ
れ、経口剤などよりも吸収性の良好なことが多数報告さ
れている。
【0005】このような粉末薬剤の投与においては、粉
末状薬剤投与器が使用されるが、このような投与器は粉
末薬剤の収容方式から次の2つに大別される。
【0006】第1として、単回投与操作分の量の粉末薬
剤を一つの単位として投与器そのもの、もしくはカプセ
ルなどの適当な容器に収納し、各投与操作により単回操
作分の粉末薬剤のみ投与しうる、いわゆる単回投与器と
呼ばれるものである。この中には、単回投与操作の度に
廃棄可能なディスポーザブルタイプのものもある。
【0007】第2は、複数回(多回)の投与操作分の粉末
状薬剤を適当な容器に集合して収納しており、その容器
から単回操作分の粉末薬剤を分割し投与しうる、多回投
与器と呼ばれるものである。
【0008】以下本発明では、粉末薬剤の単回投与操作
分の量を単回投与量と、また複数回投与操作分の量を多
回投与量という。
【0009】粉末薬剤の単回投与器の例としては、鼻腔
内に噴霧投与を可能にするものとして、特開昭59-34267
号公報などに公開されている。これらの投与器では、一
般に粉末薬剤の単回投与量がカプセルなどの容器に収納
されており、その容器の保持部、その容器を穿孔する手
段、およびその容器から粉末薬剤を患者の鼻腔内などに
噴霧する為の空気流の導入手段などが備えられている。
さらに、ディスポーザブル単回投与器の例としては、特
表平2-500172号公報に、微粉末薬剤が封入され、かつそ
の頭部には薬剤の噴霧または吸入用の開口部が形成され
るように構成されている保持部と、空気導入手段とから
なり、その保持部の底部が、薬剤不透過性の通気性隔膜
を介して空気導入手段と連設している投与器が公開され
ている。さらに、WO97/04826号明細書中には、これを改
良した投与器が開示されている。
【0010】また、気道内に吸入される粉末薬剤の単回
投与器としては多くのものが公開されている。例えば、
薬学的に通常使用されるカプセルを用いる吸入用投与器
である。このカプセルには、吸入されるべき単回投与量
の粉末薬剤が、収容されており、それぞれの投与器によ
りこのカプセルを穿孔するそれぞれの手段を備えてい
る。粉末薬剤は、カプセル穿孔後、使用者による吸引作
用によって生ずる空気流により投与される。この際、吸
入時の空気流とカプセルの状態にそれぞれの投与器に特
徴があり、アメリカ特許第3906950号公報ならびに同第4
013075号公報では、カプセルの両端を穿孔し、吸入時そ
のカプセルが静止した状態になるもの、また、同第3807
400号公報には、吸入時にカプセルが移動するものを開
示している。
【0011】一方、多回投与器の例としては、噴霧投与
可能なものとしてWO94/26338号明細書が公開されてい
る。同明細書には、装置本体と、その装置本体に着脱自
在に取り付けられかつ薬剤の多回投与量を貯蔵可能な貯
蔵室と、単回投与量分の容量をもった収容室を有し、充
填位置にて貯蔵室と収容室を連通させ、その収容室の薬
剤を投与可能にする為の装置本体に可動に取り付けられ
た薬剤分配手段と、充填位置にてその収容室を通して貯
蔵室へ空気を噴射して貯蔵室内の薬剤を攪拌するポンプ
手段とを具備し、攪拌後の一定量の粉末薬剤をポンプ手
段による吸引力もしくは重力によって、貯蔵室から収容
室へ充填させることを特徴としている装置が開示されて
いる。
【0012】さらには、鼻腔内容投与器の例としては、
ヨーロッパ特許公開第0744188号公報に記されており、
粉末薬剤を噴霧する為の空気流の手動式供給源と、多回
投与量の粉末薬剤の貯蔵室と、粉末薬剤の流出管と、多
回投与量の粉末薬剤を単回投与量に分配する為の設備と
からなる鼻腔アプリケーターなるものを開示している。
その粉末薬剤の設備は、ドラム型の粉末薬剤貯蔵室と、
その内側に複数の単回投与量の薬剤を収容する収容室を
備えた回転スリーブからなるものである。
【0013】また、気道内に吸入投与される粉末薬剤の
投与器としては、ヨーロッパ特許公開第0211595号公報
に記されているようなものがある。この投与器には、装
置内部に円盤状のパックが充填されるようになってお
り、このパックには、その周囲に近い位置で一連の気泡
が互いにそしてパックの中心から等距離に設けられてい
る。これらの気泡には、一定量(単回投与量)の粉末状薬
剤が収容される。このパックは、その中心線を中心とし
て、回転自在な円形トレイに乗せられる。このトレイに
は、ここの気泡に対応する位置に穴が設けられており、
ここの気泡が、適当な開封装置により破られる所定の位
置に移動すると粉末状薬剤が取り出されて吸入できる仕
組みになっている。
【0014】また、ヨーロッパ特許公開第0069715号公
報には次の装置が記載されている。この投与器は、一定
量の薬剤を収容した容器と、その容器内に収容した粉末
薬剤を取り出し、投薬の準備を行える装置を備えてい
る。この取り出し投薬準備装置は、所定の厚さを有し所
定個の貫通孔を形成されたプレートからなる。このプレ
ートは、貫通孔の一部が容器から取り出された粉末薬剤
で機械的な手段により満たされる位置から、薬剤を満た
された穴が通路内に位置付けられるもう一つの位置に移
動できる。使用者によってこの通路と連通する吸入口を
介してもたらされる吸引の結果、空気が通路内に入り、
貫通孔から粉末薬剤を取り出す。スクレイパー装置も設
けて、プレートに形成した貫通孔内の粉末薬剤の容器の
ほうを向いた側をならす。この明細書によれば、このス
クレイパー装置により、貫通孔の完全な充填がもたらさ
れ、したがって一定の服用量を保証できる。この明細書
には、このスクレイパー装置は必ずしも必要でないと述
べられているが、吸入投与器が適正な動作を行うには必
須のものであると考えられる。なぜなら、このスクレイ
パーがないと吹く容量は極端に異なったものとなるから
である。というのも、使用する粉末状薬剤は流動性に乏
しいものが多く、ここの貫通孔が粉末薬剤によって完全
に満たされないということが頻繁に起こりうるからであ
る。
【0015】上述のごとく、従来多くの投与装置が考案
されているにもかかわらず、それぞれには課題が認めら
れる。例えば、単回投与器と多回投与器を比較した場
合、利便性、市場性などの点から、多回投与器の方が望
まれる傾向が強い。それは、単回投与器の場合、例えば
特開昭59-34267号公報などのような装置では、単回投与
量の薬剤が予め封入されているカプセルなどの容器が必
要であり、またその装置内には、その容器を穿孔する手
段が備わっている。そのため使用者は、各投与器の使用
法にのっとって、粉末薬剤入りの容器を装着し、かつそ
れを穿孔するという作業を必要とする。これは、使用者
にとって利便性が良いとはいえない。また、使用者は、
投与に備え、投与装置とさらに粉末薬剤入りの容器を携
帯する必要があり、これもまた利便性の点で問題があ
る。また、WO97/04826号明細書には、投与操作を簡素化
したものが示されているが、この場合、複数回の投与を
必要とする使用者は、複数個の単回投与量の薬剤が封入
された投与器を必要とし、携帯性という点で問題が残っ
ている。
【0016】一方、多回投与器の場合、上述の単回投与
器の欠点である、利便性などは解決されているものの、
別の重要な課題が存在する。すなわち、多量の集合した
粉末薬剤から単回の投与操作に必要な粉末薬剤を連続的
かつ定量的に分割して投与することは集合した粉末薬剤
の密度の変化、偏りなどの物性の面から非常に困難であ
る。
【0017】この課題に対し、これまでいくつかの考案
がなされてきた。例えば、前述のヨーロッパ特許公開第
0069715号公報に示されているごとく、所定容量の貫通
孔に連続的に粉末薬剤をスクレイパーなどで押さえなが
ら満たす方法がある。しかし、この方法によっても例え
ば投与器全体に振動が加わることにより、粉末薬剤の嵩
密度が変化し、所定の容量の貫通孔に充填される薬剤の
実質的な量が変化してしまい、その結果生体に投与され
る薬剤量が一定にならなくなるという欠点がある。さら
にヨーロッパ特許公開第0744188号公報でも、薬剤を定
量的に分割する手段として、ドラム型の粉末薬剤貯蔵室
と、その内側に複数の単回投与量の薬剤を収容する収容
室を備えた回転スリーブからなるものを提示している
が、比較的複雑でかつ多数の部品とから形成され、成型
のし難さやそれに伴うコスト高などが問題視されてい
る。
【0018】また、特開平3-18376号公報には多量の集
合した粉末薬剤を圧縮し、その結果生じた粉末薬剤圧縮
体を連続的に定量分割して擦り剥がす多回投与器が示さ
れている。この方法では、粉末薬剤を圧縮することによ
り分割する薬剤の定量性を確保しようとしているが、こ
の方法においても投与器全体に振動が加わることによ
り、粉末薬剤圧縮体の嵩密度が変化し、その結果、擦り
剥がされる粉末薬剤圧縮体の重量が変化してしまい、そ
の結果生体に投与される薬剤量が一定にならなくなると
いう欠点がある。また、これらの粉末薬剤を均一に分割
する為の手段は比較的複雑であり、実際に臨床使用する
為には、成型のし難さやそれに伴うコスト高などの課題
も併発している。
【0019】また、WO94/26338号明細書などの多回投与
器は、各分割操作の直前に貯蔵室内の集合した粉末薬剤
に空気流を通すことにより、集合した薬剤を貯蔵室内空
間で移動させることにより粉末薬剤の密度の変化を防
ぎ、単回投与量の粉末薬剤を吸引力および/または重力
により粉末薬剤の収容室に収容することにより、連続か
つ定量的に単回投与量の薬剤を分割かつ投与できるが、
貯蔵部、単回投与量分の薬剤収容室、薬剤定量分割手
段、ポンプ手段などから構成され、また粉末薬剤を密度
の変化が生じないように移動させる為の十分なスペース
が必要となる為に、複雑な部品を要しかつ形態に不便な
大きなサイズの投与器になることが課題としてあげられ
る。
【0020】また、粉末投与薬剤においては投与される
薬剤が投与器から離れた際に薬剤を構成する粉末一次粒
子に分散されて投与部位に沈着することが望ましい。し
かし、粒子によっては保存中凝集をおこし二次粒子が生
成し、一次粒子とは粒度分布がより大きい方に偏ること
が知られている。従って粉末薬剤が投与器から離れる際
には例え投与器内で貯蔵中に凝集を起こしても投与器の
構造上の工夫で一次粒子にまで分散されることが望まし
い。
【0021】また、薬剤収容室で定容積的に単回分の薬
剤を分割する方式では、もし粉末薬剤のかさ密度が薬剤
のロットによって異なる場合には分割される薬剤の重量
が変化してしまうことになる。従って、薬剤のかさ密度
の変化に対応して投与される薬剤の重量を調節すること
が出来ることが望ましい。
【0022】以上より、従来の粉末薬剤投与器は、投与
薬剤量の定量性、小型化による携帯性、操作の簡便性、
操作の迅速性、製造工程の簡易性、構成部品の単純性、
製造に関する低コスト性、粉末薬剤粒子の分散性などの
条件をすべて満たしているものはないのが現状である。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】以上に説明した従来技
術における問題点、ならびに課題に鑑み、本発明は以下
のような粉末薬剤多回投与器を提供するものである。
【0024】すなわち、本発明の目的は、定量噴霧性、
小型化(携帯性)、操作の簡便性・迅速性、製造工程の
簡易性、粉末薬剤の分散性、部品の最少化、低コスト化
等を兼ね備えた粉末薬剤多回投与器を提供することであ
る。
【0025】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、多回
投与操作分の粉末薬剤を貯蔵可能な薬剤貯蔵室(5a)
を規定する手段と、前記薬剤貯蔵室(5a)底面の下部
に設けた単回投与用操作分の粉末薬剤を収容可能な薬剤
収容部(5b)と、前記薬剤貯蔵室(5a)の底面との
間で接触を保ちつつ充填位置と投与位置との間を移動可
能で、充填位置にて開口手段(2f)により前記薬剤収
容部(5b)を前記薬剤貯蔵室(5a)に対して開口
し、投与位置にて前記薬剤収容部(5b)を前記薬剤貯
蔵室(5a)に対して閉鎖すると共に管(2g、2d)
を介して前記薬剤収容部(5b)を装置の外部へ連通さ
せる薬剤導出部(2)と、前記薬剤導出部(2)を充填
位置と投与位置の間で移動させるための装置外部より操
作する手段(13)と、前記薬剤収容部(5b)の底部
に設けたフィルター(6)を介して該薬剤収容部(5
b)に空気を送り込むことのできるポンプ部(3)であ
って、その側面もしくは底面に外部と貫通する穴を有す
るポンプ部を具備していることを特徴とする粉末薬剤多
回投与器である。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明によると、装置外部からの
操作により薬剤導出部を容易に移動することができ、薬
剤導出部が充填位置、あるとき、薬剤貯蔵室内の粉末薬
剤が薬剤導出部に設けられた開口手段を介して薬剤収容
部内へ落下して充填される。薬剤導出部を充填位置から
投与位置へ移動する際に薬剤収容部内の粉末薬剤がこの
薬剤収容部の容量に相当する単回操作分の分量に擦り切
り計量される。その後は、薬剤収容部は自体により閉鎖
される。薬剤導出部が更に移動して投与位置へくると、
薬剤導出部の前記管の開口部が薬剤収容部と整合する位
置となる。そこで、ポンプ部を操作することにより薬剤
収容部内に空気が圧入され薬剤収容部内の粉末薬剤が空
気と共に前記管を介して装置外部へ噴射される。
【0027】ここで,ポンプ部の穴(3a)は、粉末薬
剤の薬剤充填質への充填時に、ポンプ部(3)にかかる
空気圧を低減させ、薬剤収容部への粉末薬剤の精密な計
量に寄与する。
【0028】また、前記ポンプ部の穴は、ポンプ部
(3)押圧による薬剤噴霧時においては、該ポンプ部へ
のスムースな空気の流入に寄与する。この穴(3a)が
なければ、薬剤噴霧時にポンプ部押圧により、ポンプ部
から流出した空気は、押圧後ノズル、薬剤導出部、薬剤
収容質と押圧時に流出したルートを反対に戻ることにな
る。その際,一度噴霧された粉末も一部,その空気流に
乗り、噴霧される薬剤量が薬剤収容部の計量量より低減
することがあるが、このポンプ部の穴(3a)により計
量量がきっちり噴霧されることとなり、精密な投与量の
維持に貢献する。さらには、この穴によりポンプ押圧時
の、ポンプ部の変形を空気の流入により速やかに元の形
状に戻すため、ポンプ部の耐久性に寄与することとな
る。前記ポンプ部の穴(3a)の数は、一つ以上であれ
ばいくつでもよいが、次に述べる該穴の総面積と、一つ
一つの穴の面積との関係からその適当な数を設定するこ
とができる。前記ポンプ部の穴(3a)の総面積は、大
きすぎるとポンプ部を押圧した際に、空気が薬物収容室
内の薬物を薬剤導出部を通って噴霧口から噴霧されるた
めに必要な空気圧を発生させる事ができなくなる。該総
面積の好ましい値としては、0mm2より大きく7.0
mm2以下であることをあげる事ができる。さらに好ま
しくは、0mm2より大きく3.14mm2以下であるこ
とである。前記ポンプ部の穴(3a)の位置は、本図1
および図7では、ポンプ部(3)の下面中央部に示した
が、これは単なる一例であり、上記の個数、面積を満た
していれば、側面、下面のどの場所でも構わない。成型
上好ましい場所は、下面中央部である。
【0029】前記薬剤貯蔵室と前記薬剤収容部とは樹脂
にて一体成形されて装置本体を規定することを特徴とす
る。これにより薬剤貯蔵室と薬剤収容太を含む装置本体
の構造を簡単にし且つ製造の容易なものとなる。
【0030】前記薬剤導出部は、下部の円盤状部分と、
該円盤状部分から上方に延びた柱状部分とが樹脂で一定
成形されたものであり、前記開口手段は円盤状部分を上
下に貫通するように設けられ、前記管は一端が該円盤状
部分下面に開口すると共に他端が前記柱状部分の上端で
開口していることを特徴とする。薬剤導出部の構造を樹
脂の一体成形品とすることにより、開口手段および管を
この薬剤導出部自体を使用して、粉末薬剤の充填および
投与の案内をすることが可能となる。
【0031】前記本体は略円形であり、前記薬剤導出部
の前記円盤状部分は、前記本体の薬剤貯蔵室の内径以下
の径を有し、該薬剤導出部は充填位置と投与位置との間
を所定の角度範囲内で回転するように構成されているこ
とを特徴とする。これにより回転操作のみで薬剤導出部
を充填位置と投与位置との間の切替えが可能となる。
【0032】前記本体は、前記薬剤貯蔵室の上部にふた
部を具備し、該ふた部は中央に前記薬剤導出部の柱状部
分を通じさせるための軸穴を有し、該ふた部、前記薬剤
貯蔵部および前記薬剤導出部により、薬剤貯蔵室の密閉
性を可能にしたことを特徴とする。これにより薬剤貯蔵
室の密閉性が確保され、不用意な粉末薬剤の漏れなどを
防止することができる。
【0033】前記薬剤導出部の円盤状部分の底面が薬剤
貯蔵室の底面に接触し、且つ前記柱状部分に前記ふた部
の内面に接触するように設けた接合部により、前記薬剤
導出部の上下位置が規制されると共に、前記薬剤導出部
の円盤状部分の底面が薬剤貯蔵室の底面に対して密接さ
れることを特徴とする。これにより薬剤導出部の円盤状
部分の底面と薬剤貯蔵室の底面との密着が維持され、粉
末薬剤の正確な計量と確実な動作が確保される。
【0034】前記薬剤導出部は、柱状部分の前記接合部
の上部に前記ふた部の軸穴に嵌合する円形断面の軸部を
有し、更にその上部に断面が非円形の軸部を有し、薬剤
導出部を充填位置と投与位置との間で移動させるため
の、装置外部より操作する前記手段は、回転式噴霧計量
切替え装置であり、該切替え装置は前記薬剤導出部の柱
状部分の前記非円形断面の軸部に嵌合する非円形穴を有
し、前記薬剤導出部は、該切替え装置の回転操作に連動
して充填位置と投与位置との間を移動することを特徴と
する。これにより、回転式噴霧計量切替え装置を装置外
部から回転させるだけの操作で、薬剤導出部を充填位置
と投与位置との間で切替えを行うことができ、容易な操
作が確保される。
【0035】前記回転式噴霧計量切替え装置は、径の大
きな円筒部分と、径の小さな円筒部分とが樹脂で一体成
形されたものであり、径の大きな円筒部分の外周が回転
操作部を形成し、径の小さな円筒部分は内部に粉末薬剤
の通過経路を規定すると共に、基部に前記非円形穴を有
し、先端は噴霧口を規定することを特徴とする。切替え
装置の径の大きな円筒部分で切替え操作を行えるので操
作が容易であり、径の小さな円筒部分は粉末薬剤の通過
経路の一部を形成するので、粉末薬剤を装置の最先端の
位置に噴霧口まで搬送することができ、粉末薬剤を患部
の近くにて噴射することができる。
【0036】前記回転式噴霧計量切替え装置は、前記本
体および前記薬剤導出部から着脱自在に形成されている
ことを特徴とする。これにより切替え装置が本体および
薬剤導出部から、即ち投与器自体から取り外して、洗浄
などを行うことができ、また容易に投与器自体に装着す
ることができる。
【0037】前記薬剤導出部の円盤状部分の底面の中央
部には中心穴が設けられ、前記薬剤貯蔵室の底面中央に
は中心穴に嵌合する軸としての突起が設けられており、
前記薬剤導出部の回転を安定にすることを特徴とする。
これにより薬剤導出部の回転を安定にし、回転式噴霧切
替え計量装置の回転も容易にすることができる。
【0038】前記回転式噴霧計量切替え装置は前記径の
大きな円筒部分の底面に前記非円形穴を中心とする円弧
状溝を有し、前記ふた部は、上面に該円弧状溝に挿入可
能な突起を有し、該突起により前記薬剤導出部および回
転式噴霧計量切替え装置の回転が規制され、該突起が該
円弧状溝の一端に位置するとき粉末薬剤の充填位置を規
定し、他端に位置するとき粉末薬剤の投与位置を規定す
ることを特徴とする。
【0039】前記円弧状溝は、薬剤貯蔵室内の粉末薬剤
とは隔離された部分に位置し、また粉末薬剤噴霧の際に
も薬剤の通り道からも隔離されているため、粉末薬剤に
触れることが無い。したがって、かかる溝に粉末薬剤が
詰まることは無いので、粉詰まりによってふた部の突起
(4a)が該溝を十分に移動することができなくなるこ
とにより粉末薬剤の定量性を維持できなくなることが無
い。
【0040】また、前記ふた部と前記薬剤貯蔵室とは固
定されて密着されていることを特徴とし、これにより、
上述の該突起と該円弧状溝による粉末薬剤の充填位置お
よび投与位置の規定を厳格に保つことができる。
【0041】前記薬剤導出部の円盤状部分の底面におけ
る、前記開口手段の中心と、前記管の開口部の中心との
角度(x)は、60度〜180度である。また、前記回
転式噴霧計量切替え装置(13)の前記形の大きな円筒
部分(13a)の上面にある前記円弧状溝の一端から多
端までの角度(y)は60度〜180度である。角度x
と角度yとの関係は、同一またはxがyよりごくわずか
に小さい(x≦y)。
【0042】前記薬剤導出部の円盤状部分の薬剤貯蔵室
側の角度は、該円盤状部分の底面に対して15度〜45
度の範囲で角度(α)で周辺部から中心部に向けて上方
に傾斜していることを特徴とする。
【0043】前記薬剤導出部に設けた前記管は該薬剤導
出部の底面に対して20度〜70度の範囲で角度(β、
γ)で上方に傾斜していることを特徴とする。ポンプ部
を操作して薬剤収容室内の粉末薬剤を噴射する際、粉末
薬剤は管内を円滑に流れることができる。
【0044】前記薬剤導出部の前記開口手段は、円盤状
部分を上下に貫通する穴であることを特徴とする。
【0045】前記穴は、前記円盤状部分の底面における
開口部から上方に延びていて、前記薬剤貯蔵室に面する
側において、開口部の大きさが前記管の側に大きくなっ
ていて、ポケット状のくぼみを形成し、該くぼみが薬剤
貯蔵室内の粉末薬剤を薬剤導出部の充填・投与の切替え
動作中に前記薬剤収容室へスムーズに運び込むように補
助する用に構成することも可能である。
【0046】ここで、くぼみの大きさであるが、薬剤貯
蔵室の側に面する面積としては、前記穴の円盤状部分の
底面に面する開口面積の0.1倍から2.5倍の範囲で
あり、0.5倍から1倍の大きさを有する場合が、薬剤
を回転式噴霧切替え計量装置の作動時に薬剤収容室へス
ムーズに運び込むことを補助する効果が高く好ましい。
また、くぼみの深さは、前記穴の薬剤収容室側の開口径
を変えなければどれほど深くてもかまわないが、実際は
成形上の難易度もあり、前記穴の深さの10〜80%、
特に好ましくは50%である。
【0047】また、くぼみは、薬剤導出部の円盤状部分
の厚みを減らす意味も併せ持ち、この厚みを減らすとい
うことは、成形時に薬剤導出部の熱の変化による収縮や
膨張の妨げに寄与し、本粉末薬剤多回投与器の特徴であ
る精度の高い噴霧製の実現に貢献するものである。
【0048】前記薬剤導出部の前記柱状部分の外側に1
枚もしくは複数枚の翼を有し、該薬剤導出部が充填位置
と投与位置との間を移動することにより薬剤貯蔵室内の
粉末薬剤を撹拌するように構成することも可能である。
【0049】ここで薬剤導出部が有している翼とは、薬
剤導出部と同一の材質で単一部品で成形されたものであ
るが、その形状や厚みは上記のごとく単一成形できる範
囲であればどんなものでもかまわない。また、翼と導出
部の薬剤通過経路の中心線とがなす角度は、平行すなわ
ち0度から垂直すなわち90度のどの範囲でもかまわな
いが、0度から45度の範囲にあることが、該切替え装
置装置の回転作動時の薬剤の薬剤貯蔵室内の撹拌効率が
高く好ましい。
【0050】前記ポンプ部は、内部に空気室を規定する
ように少なくとも一部が可撓性の樹脂で構成され、該ポ
ンプ部の開口部分が本体の下部に結合され、該ポンプ部
を押圧・弛緩することにより空気室内部に空気を前記フ
ィルターを介して前期薬剤収容室に吹き付け、前記管を
介して粉末薬剤を装置外部へ噴霧できるように構成され
ていることを特徴とする。
【0051】フィルターは前記薬剤収容室に面した側に
凹部または凸部を有し、前記薬剤収容室の容積を調節可
能とするように構成することも可能である。この場合
は、フィルターの凹部または凸部の大きさ、フィルター
の向きを変えることにより、薬剤収容室の容積を自在に
変更し、単回投与分の粉末薬剤の量を調整することがで
きる。
【0052】該薬剤導出部が、ポリカーボネート、AB
S、ハイインパクトポリスチレン、および環状オレフィ
ンコポリマーからなる群から選ばれる1種以上の高分子
材料で成形されることを特徴とする。
【0053】また、装置の一部に乾燥剤を搭載するこ
と、この粉末薬剤多回投与器をディスポーザブルなもの
とすること、また用途として、体腔内投与用、特に鼻腔
内投与用や肺内吸入投与用とすることができる。
【0054】本発明の粉末薬剤多回投与器(以下、投与
器ということがある)は、図3に示すふた部(4)と図
2に示す薬剤貯蔵部(5)とからなる本体(1)、該本
体(1)に可動に取り付けられた、図4に示す薬剤導出
部(2)、該薬剤導出部(2)と連動して回転する先端
に噴霧口(2h)を有する、図6に示す回転式噴霧計量
切替え装置(13)、薬剤導出の為の手動の圧縮空気源
となるその壁部の少なくとも一部が可撓性の容器ないし
袋体で構成されたポンプ部(3)、該噴霧口(2h)を
収容する、図8に示す本体カバー(9)及び薬剤収容室
(5b)を仕切る図2および図10に示すフィルター
(6)とからなり、以下(I)から(VII)までの特
徴を有する。 (I)該本体(1)が、ふた部(4)と薬剤貯蔵部
(5)とから構成され、該ふた部(4)はその中央に薬
剤導出部(2)を該本体(1)に通じさせるための穴
(11)を有し、該ふた部(4)、該薬剤貯蔵部
(5)、ならびに該薬剤導出部(2)により薬剤貯蔵室
(5a)内の密閉性を可能にする。 (II)該薬剤貯蔵部(5)が、その内部に多回投与操
作可能な量の粉末薬剤を貯蔵可能な薬剤貯蔵室(5a)
と、該薬剤貯蔵室の底面に単回投与操作分の粉末薬剤の
容量をもった薬剤収容室(5b)を有し、該薬剤収容室
(5b)の底面に空気を流通させるが粉末薬剤は流通さ
せないフィルター(6)が装着されており、該フィルタ
ー部分が該ポンプ部(3)につながりをもった空気連絡
口となり、薬剤導出の際該ポンプ部(3)を押圧・弛緩
することにより空気が送り込まれる。 (III)噴霧口(2h)を有する回転式噴霧計量切替
え装置(13)と該本体内中心部に位置する該薬剤導出
部(2)とがともに連動して回転するように接続され、
回転式噴霧計量切替え装置(13)は、該本体(1)の
薬剤収容室(5b)を通じ、該ポンプ部(3)から送り
込まれる粉末薬剤と空気の空気通路(2c)を中央に有
し、容易に該本体(1)および薬剤導出部(2)から取
り外すことができ洗浄が可能である。 (IV)該薬剤導出部(2)が、該本体(1)の薬剤収
容室(5b)を通じ、該ポンプ部(3)から送り込まれ
る空気と、粉末薬剤の空気通路(2d)を有し、また該
薬剤導出部(2)の底面(2e)が該薬剤貯蔵部(5)
の内径以下の円盤状の構造を有しており、該底面(2
e)は、該薬剤貯蔵室(5a)と、該薬剤収容室(5
b)を仕切る機能を有する。 (V)該薬剤導出部(2)の底面(2e)の一部分に
は、該薬剤貯蔵室(5a)と該薬剤収容室(5b)とを
つなげるための、該薬剤収容室(5b)よりも口径の大
きい穴(2f)と、該薬剤収容室(5b)と該本体
(1)の薬剤収容室(5b)を通じ該ポンプ部(3)か
ら送り込まれる粉末薬剤と空気の空気通路(2d)とを
つなげる為の管(2g)を有している。 (VI)該薬剤導出部(2)を回転式噴霧計量切替え装
置(13)に連動して回転することにより、まず該薬剤
導出部(2)の底面(2e)の穴(2f)を該本体
(1)の薬剤収容室(5b)にあわせ、該薬剤貯蔵室
(5a)と該薬剤収容室(5b)をつなげることによ
り、該薬剤貯蔵室(5a)内の粉末薬剤が、該薬剤収容
室(5b)に充填され、その際、該薬剤貯蔵室(5a)
の底面の穴(5c)は、該薬剤導出部底面の管(2g)
と合わさる位置に有る、次に該薬剤導出部(2)を回転
式噴霧計量切替え装置(13)に連動して回転させるこ
とにより、該薬剤導出部(2)の底面(2e)が該薬剤
収容室(5b)上の薬剤粉末を擦り切ることによって該
薬剤収容室(5b)内の粉末薬剤が一定量となり、さら
に該薬剤導出部(2)を回転式噴霧計量切替え装置(1
3)に連動して回転させることにより、該薬剤収容室
(5b)、該管(2g)、該空気通路(2d)、および
該噴霧口(2h)とがつながり、該ポンプ部(3)より
空気を送り込むことによって一定量に秤量された薬剤粉
末が該回転式噴霧計量切替え装置(13)の噴霧口(2
h)より噴霧される。 (VII)ポンプ部に開けた穴は、粉末薬剤の薬剤充填
質への充填時に、ポンプ部(3)にかかる空気圧を低減
させ、薬剤収容部への粉末薬剤の精密な計量に寄与す
る。また、ポンプ部の穴は、ポンプ部(3)押圧による
薬剤噴霧時においては、該ポンプ部へのスムースな空気
の流入を促し、精密な投与量の維持に貢献する。また、
この穴によりポンプ押圧時の、ポンプ部の変形を空気の
流入により速やかに元の形状に戻すため、ポンプ部の耐
久性に寄与することとなる。
【0055】本発明の投与器は、例えば次のように組み
立てることができる。まず、フィルター(6)を本体
(1)の底部外側に設置された薬剤収容室(5b)に外
側から押し込んで設定位置に設置する。設定位置は本体
(1)成型時に薬剤収容室(5b)に段差を設けること
によって規定される。ついで、薬剤導出部(2)をと
り、例えば該薬剤収容室(5b)と薬剤導出部(2)に
ある該薬剤収容室よりも口径の大きい穴(2f)とが一
致するような位置で薬剤貯蔵部(5)内へ挿入し、薬剤
導出部(2)の底面(2e)の中心の穴(14)を本体
内部底面の中心にある突起(8)に挿入して固定する。
ここで粉末薬剤の必要量を本体(1)内薬剤貯蔵室(5
a)に装填する。ついで、ふた(4)をとり中心の穴
(11)に導出部(2)を通して本体(1)に密着させ
て固定する。ついで、噴霧口(2h)を有する回転式噴
霧計量切替え装置(13)をとり、導出部(2)の先端
を回転式噴霧計量切替え装置(13)導出部の軸とあわ
せることで本体(1)に固定する。この際、該ふた部
(4)にある突起(4a)は、該回転式噴霧計量切替え
装置(13)の底面にある円弧状の溝(13d)の一端
に挿入される。次ぎにポンプ部(3)をとり本体(1)
下部に接続して固定し、最後に本体カバーを噴霧口(2
h)を覆うように本体(1)に接続して本投与器を完成
する。
【0056】次に本発明の構成部品の材料について記載
する。
【0057】本体(1)、薬剤導出部(2)、回転式噴
霧計量切替え装置(13)、ふた部(4)、および本体
カバー(9)は通常、ポリエチレン、ポリスチレン、ポ
リプロピレン、スチレン・アクリロニトリルポリマー(A
S)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレンポリマー
(ABS)、ポリカーボネート、ハイインパクトポリスチレ
ン、および環状ポリオレフィンコポリマー等からなる群
から選ばれる1種以上のポリマーで成型されるのが好ま
しいが、これらによって限定されるものではない。
【0058】なかでも、薬剤導出部(2)と本体(1)
との密着性を高めるためには薬剤導出部(2)はアクリ
ロニトリル・ブタジエン・スチレンポリマー(ABS)、ポ
リカーボネート、ハイインパクトポリスチレン、および
環状ポリオレフィンコポリマーからなる群から選ばれる
1種以上のポリマーから成型されるのが望ましい。
【0059】本発明の薬剤収容室(5b)の一端に設け
られるフィルター(6)としては、粉末薬剤を構成する
薬物及び賦形剤(薬物のみの場合もある)の粒子の大き
さに応じて、適宜篩い用網、およびメンブランフィルタ
ー等を用いることができる。例えば鼻腔内噴霧用であれ
ば目開き0.5〜38μm、好ましくは1〜25μmの篩
い用網、或いは孔径5〜75μm、好ましくは5〜25
μmのメンブランフィルターが用いられ、気道内噴霧用
であれば目開き1μm以下のメンブランフィルターが用
いられる。篩い用網としては、例えばナイロン、ステン
レス製等のものが、メンブランフィルターとしては例え
ばポリエチレン、ポリプロピレン、コットン、レーヨ
ン、グラスファイバー、焼結フィルター製等のものがあ
げられる。
【0060】尚、薬剤貯蔵室(5a)の底面の穴(5
c)にも、フィルターを取り付けることも可能である。
【0061】本発明のポンプ部(3)は、粉末薬剤を
(噴霧ないし吸入)投与するのに必要な空気を押圧する
ための要素であるが、かかるポンプとしては可撓性材料
又は壁部の少なくとも一部が可撓性材料から形成される
ものが好ましい。ここで、少なくとも一部が可撓性材料
からなるとは、可撓性材料からなる部分を押圧・弛緩す
ることによって、薬剤収容室(5b)に収容された粉末
薬剤を噴霧、吸入可能ならしめる機能を有することを意
味する。該ポンプ部(3)の全体をかかる可撓性材料で
構成する場合や、あるいは例えば該ポンプ部(3)のう
ち該本体(1)との接合部付近をのぞく部分を可撓性材
料で構成し、それ以外は非可撓性材料で構成する場合も
含まれる。
【0062】そのような可撓性材料としては、例えばポ
リエチレン、およびポリプロピレン等の弾性を有するプ
ラスチック及び天然或いは合成ゴム等があげられる。
【0063】本発明で使用する粉末薬剤は、例えば薬
物、乳糖、デンプン、セルロース類、ポリビニルポリマ
ー等従来公知の賦形剤とから構成することもできるし、
或いは、薬物単独で構成することもできる。また、必要
に応じて従来公知の安定剤、酸化防止剤、等の添加物を
適宜加えることもできる。
【0064】本発明の薬物としては、幅広く種々の薬物
について利用可能である。その具体例としては、消炎ス
テロイドまたは非ステロイド系消炎薬、鎮痛消炎薬、鎮
静剤、鬱病治療薬、鎮咳去痰薬、抗ヒスタミン薬、抗ア
レルギー薬、制吐薬、睡眠導入薬、ビタミン剤、性ステ
ロイドホルモン薬、抗腫瘍薬、抗不整脈薬、高血圧薬、
抗不安薬、向精神薬、抗潰瘍薬、強心薬、鎮痛薬、気管
支拡張薬、肥満治療薬、血小板凝集抑制薬、糖尿病薬、
筋弛緩薬、片頭痛薬および抗リウマチ薬等の非ペプチド
・蛋白質性薬物を挙げることができる。さらには、ホル
モン類、サイトカイン類、抗体類、ワクチン類などのペ
プチド・蛋白質性薬物や、アンチセンスや遺伝子などの
核酸類などもその具体例として挙げることができる。
【0065】非ペプチド・蛋白質性薬物としては、これ
らからなる群より選ばれる1種または2種以上のものを
用いることができる。なかでも、制吐薬、睡眠導入薬、
ビタミン剤、性ステロイドホルモン薬、片頭痛薬および
鎮痛薬からなる群より選ばれる1種または2種以上のも
のを好ましいものとして挙げることができる。
【0066】そのような非ペプチド・蛋白質性薬物とし
て詳しくは、例えばヒドロコルチゾン、プレドニゾロ
ン、トリアムシノロン、デキサメタゾン、ベタメタゾ
ン、ベクロメタゾン、フルチカゾン、モメタゾン、フル
オコルチン、ブデソニド、サルブタモール、サルメテロ
ールなどの消炎ステロイドまたは非ステロイド系消炎
薬;アセトアミノフェン、フェナセチン、アスピリン、
アミノピリン、スルピリン、フェニルブタゾン、メフェ
ナム酸、フルフェナム酸、イブフェナック、イブプロフ
ェン、アルクロフェナック、ジクロフェナック、インド
メタシンなどの鎮痛消炎薬;スコポラミンなどの鎮静
剤;イミプラミンなどの鬱病治療薬;クロモグリク酸ナ
トリウム、リン酸コデイン、塩酸イソプロテレノール等
の鎮咳去痰薬;ジフェンヒドラミン、トリプロリジン、
イソチペンジル、クロルフェニラミン等の抗ヒスタミン
薬;アンレキサノクス、アゼラスチン、オザクレル、ト
ラニラスト、ケトチフェン等の抗アレルギー薬;オンダ
ンセトロン、グラニセトロン、メトクロプラミド、シサ
プリド、ドンペリドン等の制吐薬;ブロチゾラム、メラ
トニン等の催眠導入薬;シアノコバラミン、メコバラミ
ン等のビタミン剤;エストラジオール、エストリオー
ル、プロゲステロン、テストステロン等の性ステロイド
ホルモン薬;タモキシフェン、テガフール等の抗腫瘍
薬;プロプラノロール、アテノロール等の抗不整脈薬;
ニカルジピン等の高血圧薬;ジアゼパム等の抗不安薬;
ニトラゼパム等の向精神薬;シメチジン、ラニチジン等
の抗潰瘍薬;ドパミン等の強心薬;モルヒネ、ブプレノ
ルフィン等の鎮痛薬;オキシトロピウム、オザクレル等
の気管支拡張薬;マジンドール等の肥満治療薬;ベラプ
ロスト、カルバシクリン等の血小板凝集抑制薬;アカル
ボース、ソルビニール等の糖尿病薬;ピナベリウム、イ
ナペリゾン等の筋弛緩薬;エルゴタミン、イミグラン、
アルニジタンなどの片頭痛薬;アクタリット、プラトニ
ン等の抗リウマチ薬等からなる群より選ばれる1種また
は2種以上の非ペプチド・蛋白質性薬物を挙げることが
できる。
【0067】またペプチド・蛋白質性薬物としては、例
えば黄体形成ホルモン放出ホルモン類、成長ホルモン放
出因子類、ソマトスタチン誘導体類、バゾプレッシン
類、オキシトシン類、ヒルジン誘導体類、エンケファリ
ン類、副腎皮質刺激ホルモン誘導体類、ブラジキニン誘
導体類、カルシトニン類、インシュリン類、グルカゴン
誘導体類、成長ホルモン類、成長ホルモン放出ホルモン
類、黄体形成ホルモン類、インシュリン様成長因子類、
カルシトニン遺伝子関連ペプチド類、心房性ナトリウム
利尿ペプチド誘導体類、副甲状腺ホルモン類、副甲状腺
ホルモン放出ホルモン、プロラクチン、甲状腺刺激ホル
モン放出ホルモン、アンギオテンシン類、インターフェ
ロン類、インターロイキン類、エリスロポエチン、顆粒
球コロニー形成刺激因子、及びマクロファージ形成刺激
因子、等のホルモン類、サイトカイン類等を挙げること
ができる。これらのペプチド・蛋白質性薬物としては、
上記の具体例からなる群から選ばれる1種または2種以
上のものを用いることができる。
【0068】またワクチン類としては、百日咳ワクチ
ン、ジフテリアワクチン、破傷風ワクチン、インフルエ
ンザワクチンなどが挙げられる。
【0069】次に本発明の構成部品の寸法、および容積
等について記載する。
【0070】本発明の本体(1)の内部空間である薬剤
貯蔵部(5)の容積は操作性がよくかつ可能な限り最小
となるように設定される。より詳しくは、薬剤貯蔵部
(5)内部底面上の突起(8)、薬剤収容室(5b)の
開口部、薬剤導出部(2)などの大きさ、接続されるポ
ンプ部(3)の大きさとその接続方法、回転式噴霧計量
切替え装置(13)の操作部分(指をあてて回転式噴霧
計量切替え装置(13)を回転させるための部分)の大
きさや貯蔵される薬剤の量によって規定される。
【0071】本発明の投与器に貯蔵される薬剤の量は薬
剤の種類によって異なるが、例えば片鼻腔に1回15m
gの粉末薬剤を両鼻腔に1回ずつ1日2回投与するとし
た場合(4回/日)、2週間分貯蔵するとなると粉末薬
剤量(重量)は15*4*14=840mgとなる。粉
末薬剤のかさ密度を0.6とすると容積は1.4mlと
なる。従って本体(1)の内部を深さ25mm、直径1
6mmの容積(約5ml)を もたせておけば内部に収
容される薬剤導出部(2)とふた部(4)との接合部
(10)を考慮しても該薬剤を十分に貯蔵できることと
なり小型の投与器となることがわかる。
【0072】また、該本体(1)内部の薬剤収容室(5
b)の容積は、それぞれ1回使用量の粉末薬剤の体積及
び必要とされる投与可能回数に応じて適宜定めることが
できる。通常使用される粉末薬剤の見掛け比重が約0.
1〜3.0であり、また粉末薬剤の一回の使用量が約5
〜200mgであることを考慮すると、該薬剤収容室
(5b)の体積は約2〜2000mm3である。
【0073】該薬剤収容室(5b)の容積は、フィルタ
ー(6)に長さ(容積)の異なる突起(6a)を設ける
ことにより調節することができる。粉末薬剤のかさ密度
に応じて該突起(6a)の長さ(容積)を調節すること
により、粉末薬剤のかさ密度の変化に応じて定量・分割
される薬剤の重量を調節することができる。尚、突起の
形状は特に限定されないが例えば円錐や円柱等を挙げる
ことができる。
【0074】本発明のポンプ部(3)の大きさは、該ポ
ンプ部(3)を1〜数ないし10回押圧することによっ
て、例えば該薬剤収容室(5b)に収容されている粉末
薬剤をほとんど全部排出できる程度の空気の排出量を有
するものが好ましい。
【0075】さらに本発明の詳細を記載する。
【0076】本発明の投与器は、薬剤貯蔵室(5a)内
の薬剤を、回転式噴霧計量切替え装置(13)に連動し
て薬剤導出部(2)を回転させることにより薬剤収容室
(5b)に収納し、さらに該薬剤導出部(2)を逆方向
に回転させることにより擦り切って単回投与分の薬剤を
該薬剤収容室(b)内に分離することにより、スクレー
パーなどの特殊な装置を使用せずに、また保存中に起こ
り得る粉末薬剤のかさ密度の変化や偏りに対しては空気
を流通させて密度変化を防ぐなどの手段なしに、薬剤貯
蔵室(5a)内に貯えられた複数回投与分の粉末薬剤か
ら単回投与分の薬剤を簡単にかつ正確に分離・定量する
ことができる。この際、(あ)ふた部(4)を本体
(1)に装着することにより薬剤導出部(2)を薬剤貯
蔵室(5a)に密着させ該薬剤導出部(2)と該薬剤貯
蔵室(5a)との隙間からの薬剤のロスをなくしたこ
と、また薬剤貯蔵室(5a)内が密閉されるため薬剤粉
末の物理的性状が変化しにくいこと、(い)(あ)で述
べた密着された状態で若干の抵抗をもって該薬剤導出部
(2)を回転させることにより粉末薬剤に適度な振動を
与え粉末薬剤の密度変化を防いでいること、(う)該薬
剤導出部(2)の底面(2e)に設置された、薬剤貯蔵
室(5a)と薬剤収容室(5b)とをつなぐ穴(2f)
が該薬剤収容室(5b)よりも口径を大きくすることに
より薬剤の該薬剤収容室(5b)への収容をより確実と
したこと、(え)その際、該薬剤導出部(2)の底面
(2e)に設置された穴(2c)が、該管(2g)と合
致することにより、充填時に該ポンプ部(3)より該薬
剤収容室(5b)にかかる空気圧が大幅に減少し、粉末
薬剤の充填精度が非常に高いこと、(お)該薬剤導出部
(2)の該薬剤貯蔵室(5a)側の面(2i)に該薬剤
導出部(2)の底面(2e)に対して角度(α)をもた
せ、該薬剤導出部(2)が回転する場合の粉末に適度の
振動、運動を与えて流動性を増加させ、該薬剤収容室
(5b)への収容を確実としたこと、などが薬剤収容室
(5b)に収容される粉末薬剤の量の均一性に寄与して
いる。
【0077】本発明の投与器において、部品数を少なく
したことは装置全体の最小化に寄与していることはいう
までもないが、この他例えば空気通路(2d)が薬剤導
出部(2)の軸の中心に設置されていることなどが投与
器全体の寸法(高さ)の最小化に寄与しており、携帯に
も適する大きさとなっている。
【0078】本発明の投与器は該回転式噴霧計量切替え
装置(13)の前記形の大きな円筒部分の底面に前記非
円形穴を中心とする円弧状溝(13d)を有し、かつ該
ふた部(4)の上面に該溝(13d)に挿入可能な突起
(4a)を有し、これらにより該回転式噴霧計量切替え
装置(13)の回転が制御され、かつ該溝(13d)の
最端部に該突起(4a)がきたときに、充填位置とな
り、該薬剤導出部(2)の底面(2e)の穴(2f)と
該本体(1)の薬剤収容室(5b)が重なって該薬剤収
容室(5b)に粉末薬剤が充填され、さらに該薬剤導出
部(2)の底面(2e)の穴(2c)と該薬剤導出部
(2)の管(2g)が合わさることにより、該ポンプ部
(3)からの該薬剤収容室(5b)への空気圧が軽減さ
れ粉末薬剤の充填精度が高まる。また該溝(13d)の
反対側の最端部に該突起(4a)がきたときに該薬剤導
出部(2)の管(2g)と、該薬剤収容室(5b)が連
接して該薬剤収容室(5b)内の粉末薬剤が噴霧可能な
状態になるため操作しやすい。さらに薬剤を充填する回
転式噴霧計量切替え装置(13)の回転の幅の一端に充
填位置、他端に噴霧位置などと表示することによって、
より操作しやすくなり誤操作を防ぐことになるので好ま
しい。
【0079】本発明の投与器は、前述のとおり、薬剤貯
蔵室(5a)に薬剤導出部(2)およびふた部(4)を
組み合わせることにより該薬剤貯蔵室内は密閉状態とす
ることができるが、薬剤を充填する際にはこの密閉状態
のために、該薬剤貯蔵室、該ポンプ部、および投与器の
外部との間で空気圧に差が生じる場合がある。
【0080】しかし、本発明の投与器は、ポンプ部
(3)の側面もしくは底面に穴を設けてあり、薬剤を充
填する際に該穴によりポンプ部にかかる空気圧を変化さ
せることが可能となり、ポンプ内部および投与器の外部
の空気圧を均一とすることが可能であり、したがって、
定量の薬剤を計量することが可能である。
【0081】本発明の薬剤導出部(2)の底面(2e)
に設置された、薬剤貯蔵室(5a)と該薬剤収容室(5
b)をつなげるための該薬剤収容室(5b)よりも口径
の大きい穴(2f)の中心と、該管(2g)の中心との
角度(x)は、該同心円状の溝(13d)の角度(y)
と同一で、60度〜180度の範囲であることが好まし
い。より好ましくは、90度〜120度の範囲である。
【0082】本発明の薬剤導出部(2)の薬剤貯蔵室
(5a)側の面(2i)は、該薬剤導出部(2)の底面
(2e)に対し15度-45度の範囲の角度(α)を有する
ことが、薬剤定量性の点で好ましい。より好ましくは25
度から35度の範囲である。また該薬剤導出部(2)の管
(2g)は該薬剤導出部(2)の底面(2e)に対して
20度-60度の範囲の角度(β、γ)を有することが、薬
剤分散性の点で好ましい。何れ(β、γ)もより好まし
くは25度から40度の範囲である。
【0083】本発明の投与器には、粉末薬剤を湿気によ
るかさ密度の変化等を回避したり、薬剤噴霧時の分散性
を維持するため必要に応じて通常用いられる乾燥剤を搭
載することができる。
【0084】本発明の投与器は、ディスポーザブルであ
ってもよい。
【0085】本発明の投与器によって粉末薬剤を投与す
ることが可能な部位は特に制限されないが、例えば鼻腔
あるいは肺などの体腔を挙げることができる。
【0086】
【発明の効果】かくして本発明は、携帯に便利で、使用
時の操作が簡便で、一定の分量の粉末薬剤を正確に噴霧
・吸入投与可能で、且つ比較的安価な粉末薬剤多回投与
器を提供できるという優れた効果を奏するものである。
【0087】本発明は、特に一回の使用量が微量の粉末
薬剤の複数回分の量を容器内に収納した投与器として適
している。
【0088】
【実施例】以下、本発明を添付の図面に基づく実施例に
より説明するが、本発明がこれによって限定されるもの
ではない。
【0089】[実施例1、2]図1は本発明の粉末薬剤
多回投与器の全体構成を示す断面図である。直径3.5
mm、深さ3.3mmの薬剤収容室(5b)を有する、
薬剤貯蔵部(5)の内径が15mm円筒状の本体(1)
を環状オレフィンコポリマーで成型加工し製造した。そ
の際、薬剤貯蔵部の底面には薬剤収容室(5b)を直径
3mmとなるようにあけた(実施例1)。また、薬剤貯
蔵部底面に穴(5c)を直径2mm開けたものも作製し
た(実施例2)。実施例1,2のポンプ部(3)の底面
には直径0.4mmの針を用いて、3ヶ所の穴を設け
た。また、噴霧口(2h)の直径が4mm、ふた部
(4)と本体(1)とに接続する内径18mmの底部を
有する回転式噴霧計量切替え装置(13)をポリプロピ
レンで成型加工して製造した。また、底面が直径15m
mの円盤状であり、回転式噴霧計量切替え装置(13)
に接続される柱状部分の高さが27.5mmである薬剤
導出部(2)を環状オレフィンコポリマーで成型加工し
て製造し本体に取り付けた。薬剤導出部(2)では、底
面(2e)に設けた溝(12)の角度(y)及び穴(2
f)と管(2g)それぞれの中心の角度(x)を115
度とした。また、面(2i)の底面(2e)に対する角
度(α)は30度、管(2g)の底面(2e)に対する
角度は、外側(β)が35度、内側(γ)が40度とし
た。また、薬剤導出部(2)の先端が挿入される直径
5.0mmの穴(11)を有するふた部(4)をポリプ
ロピレンで成型加工し製造した。次いで、該本体部
(1)に目開き5μmのポリプロピレン製のメンブレン
フィルター(6)とポリエチレン製のポンプ部(3)を
取り付け、該薬剤貯蔵部(5)に粒子径が38〜150
μmの粉末薬剤を1000mg充填し、該本体(1)に
該ふた部(4)を挿入した後、回転式噴霧計量切替え装
置(13)を本体(1)に取り付け、最後に噴霧口(2
h)にポリプロピレン製の本体カバー(9)を被せ(装
置全体としての高さは約85mm 、直径は約24m
m)、本発明の投与器とした。
【0090】[対照例1]ポンプ部に穴を開けないこと
以外はすべて実施例1と同一に製造して対照例1とし
た。これら実施例1、2及び対照例1に、粒度が49−
150ミクロンのヒドロキシプロピルセルロース(9
9.8%)とステアリン酸マグネシウム(0.2%)と
からなる混合粉体(かさ密度=0.50)を1gとり薬
剤貯蔵部(5)に入れた。回転式噴霧計量切替え装置
(13)を充填位置及び噴霧位置と交互に往復させ噴霧
位置でポンプを押圧することにより連続的に該混合粉体
を噴霧し、投与器の全重量を毎回測定することにより単
回投与分の噴霧量を記録した。それぞれの平均噴霧量と
ばらつき(CV%値)を下記の表1に示した。
【0091】
【表1】
【0092】30回にわたって噴霧した結果、実施例
1、2ともに噴霧量のばらつきを示すCV%値が2%以
下ときわめて均一に噴霧できていることが確認された。
一方、対照例1では、実施例に比べ噴霧量もやや低く、
ばらつきも多いことがわかった。これは、ポンプ部
(3)にあけた穴が、空気圧を調整することにより、充
填時の秤量を安定させたこと。ならびに、噴霧後の空気
のノズル、薬剤導出部を通ってくる戻りを低減させるこ
とにより、噴霧された粉体の一部の戻り(噴霧装置への
吸引)が低減されたことによると示唆された。
【0093】[実施例3、4、5、6、7、対照例2]
実施例1と同じ材質を用い、ポンプ部(3)の底面に直
径0.4mmの針で穴を1ヶ所(実施例3)、5ヶ所
(実施例4)開けたもの、底面に直径1mmの針で1ヶ
所穴をあけたもの(実施例5)、底面に直径2mmの針
で一ヶ所穴を開けたもの(実施例6)、側面に直径0.
4mmの針で3ヶ所穴を開けたもの(実施例7)、ま
た、底面に直径3mmの針で一ヶ所穴を開けたもの(対
照例2)をなくしたものを実施例1と同一に製造た。こ
れら実施例及び対照例に、上述の[実施例1、2]と同
一の粒度が49−150ミクロンのヒドロキシプロピル
セルロース(99.8%)とステアリン酸マグネシウム
(0.2%)とからなる混合粉体(かさ密度=0.5
0)を1gとり薬剤貯蔵部(5)に入れた。回転式噴霧
計量切替え装置(13)を充填位置及び噴霧位置と交互
に往復させ噴霧位置でポンプを押圧することにより連続
的に該混合粉体を噴霧し、投与器の全重量を毎回測定す
ることにより単回投与分の噴霧量を記録した。それぞれ
の平均噴霧量とばらつき(CV%値)を下記の表2に示
した。
【0094】
【表2】
【0095】30回にわたって噴霧した結果、実施例3
から7ともに噴霧量のばらつきを示すCV%値が2.5
%以下ときわめて均一に噴霧できていることが確認され
た。一方、対照例2では、実施例に比べ噴霧量もやや低
く、ばらつきも多いことがわかった。これは、ポンプ部
(3)にあけた穴が、大きすぎ噴霧のための押圧時に、
空気がその穴から逃げてしまい、噴霧のための気流が弱
くなってしまうためと思われる。ポンプ部(3)にあけ
る穴は底面でも、側面でも構わない。
【0096】[実施例8、対照例3]先の実施例1、対
照例1で得られた投与器を70回連続噴霧して、ポンプ
部の成型維持度を調べた(実施例8、対照例3)。結
果、実施例8では、70回目までポンプ押圧後も、すぐ
にポンプは元の形状に戻ったのに対し、対照例3では、
40回目あたりから、やや元の形状に戻る速度が遅くな
り、60回目では、約5秒も元の形状に戻るのに必要で
あった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における本発明の粉末薬剤多回投与器
の断面図。
【図2】本体(1)の内、薬剤貯蔵部(5)の断面図。
【図3】本体(1)の内、ふた部(4)の断面図。
【図4】薬剤導出部(2)の全体断面図。
【図5】薬剤導出部(2)の底部の図。
【図6】回転式噴霧計量切替え装置(13)の断面図。
【図7】ポンプ部(3)の断面図。
【図8】本体カバー(9)の断面図。
【図9】フィルター(6)を含む薬剤収容室(5b)の
断面図。
【図10】フィルター(6)の図。
【図11】薬剤導出部(2)の底面付近の図。
【図12】薬剤導出部(2)の底面付近の図。
【図13】薬剤導出部(2)の底面付近の図。
【図14】回転式噴霧計量切替え装置(13)の溝(1
3d)付近の図。径の小さな円筒部分(13b)の反対
側から見た図である。
【符号の説明】
1.本体 2.薬剤導出部 2c.通過経路 2d.空気通路 2e.底面 2f.穴 2g.管 2h.噴霧口 2i.面 3.ポンプ部 3a.ポンプ部の穴 4.ふた部 4a.突起 5.薬剤貯蔵部 5a.薬剤貯蔵室 5b.薬剤収容室 6.フィルター 8.突起(軸) 9.本体カバー 10.接合部 11.穴 13.回転式噴霧計量切替え装置 13a.径の大きな円筒部分 13b.径の小さな円筒部分 13c.非円形穴 13d.溝 13e.溝の一端 13f.溝の一端 14.穴
フロントページの続き (72)発明者 牧野 悠治 山口県岩国市日の出町2番1号 帝人株式 会社岩国研究センター内

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多回投与操作分の粉末薬剤を貯蔵可能な
    薬剤貯蔵室(5a)を規定する手段と、 前記薬剤貯蔵室(5a)底面の下部に設けた単回投与用
    操作分の粉末薬剤を収容可能な薬剤収容部(5b)と、 前記薬剤貯蔵室(5a)の底面との間で接触を保ちつつ
    充填位置と投与位置との間を移動可能で、充填位置にて
    開口手段(2f)により前記薬剤収容部(5b)を前記
    薬剤貯蔵室(5a)に対して開口し、投与位置にて前記
    薬剤収容部(5b)を前記薬剤貯蔵室(5a)に対して
    閉鎖すると共に管(2g、2d)を介して前記薬剤収容
    部(5b)を装置の外部へ連通させる薬剤導出部(2)
    と、 前記薬剤導出部(2)を充填位置と投与位置の間で移動
    させるための装置外部より操作する手段(13)と、 前記薬剤収容部(5b)の底部に設けたフィルター
    (6)を介して該薬剤収容部(5b)に空気を送り込む
    ことのできるポンプ部(3)であって、その側面もしく
    は底面に外部と貫通する穴を有するポンプ部を具備して
    いることを特徴とする粉末薬剤多回投与器。
  2. 【請求項2】 前記薬剤貯蔵室(5a)底面の下部に穴
    (5c)を設け、前記薬剤導出部(2)は、充填位置に
    あるとき前記薬剤貯蔵室(5a)内の粉末薬剤が前記開
    口手段を介して前記薬剤収容部(5b)内に充填可能と
    し、その際、前記穴(5c)は、前記管(2g、2d)
    を介してポンプ部(3)と外部とを連通させることが可
    能な場所に位置し、 充填位置から投与位置へ移動する際、該薬剤収容部(5
    b)内の粉末薬剤が空気と共に前記管(2g、2d)を
    介して装置外部へ噴射され、その際、前記穴(5c)は
    前記開口手段(2f)とは接触することはないように構
    成したことを特徴とする粉末薬剤多回投与器。前記薬剤
    貯蔵室(5a)と前記薬剤収容部(5b)とは樹脂にて
    一体成形されて装置本体(1)を規定することを特徴と
    する請求項1に記載の粉末薬剤多回投与器。
  3. 【請求項3】 前記薬剤導出部(2)は、下部の円盤状
    部分と、該円盤状部分から上方に延びた柱状部分とが樹
    脂で一定成形されたものであり、前記開口手段(2f)
    は円盤状部分を上下に貫通するように設けられ、前記管
    (2g、2d)は一端が該円盤状部分下面(2e)に開
    口すると共に他端が前記柱状部分の上端で開口している
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の粉末薬剤多
    回投与器。
  4. 【請求項4】 前記本体(1)は略円形であり、 前記薬剤導出部(2)の前記円盤状部分は、前記本体の
    薬剤貯蔵室(5a)の内径以下の径を有し、 該薬剤導出部(2)は充填位置と投与位置との間を所定
    の角度範囲内で回転するように構成されていることを特
    徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の粉末薬剤
    多回投与器。
  5. 【請求項5】 前記本体(1)は、前記薬剤貯蔵室(5
    a)の上部にふた部(4)をさらに具備し、該ふた部は
    中央に前記薬剤導出部(2)の柱状部分を通じさせるた
    めの軸穴(11)を有し、該ふた部、前記薬剤貯蔵部
    (5a)および前記薬剤導出部(2)により、薬剤貯蔵
    室(5a)の密閉性を可能にしたことを特徴とする請求
    項1〜4のいずれか一項に記載の粉末薬剤多回投与器。
  6. 【請求項6】 前記薬剤導出部(2)の円盤状部分の底
    面(2e)が薬剤貯蔵室(5a)の底面に接触し、且つ
    前記柱状部分に前記ふた部(4)の内面に接触するよう
    に設けた接合部(10)により、前記薬剤導出部(2)
    の上下位置が規制されると共に、前記薬剤導出部(2)
    の円盤状部分の底面(2e)が薬剤貯蔵室(5a)の底
    面に対して密接されることを特徴とする請求項1〜6の
    いずれか一項に記載の粉末薬剤多回投与器。
  7. 【請求項7】 前記薬剤導出部(2)は、柱状部分の前
    記接合部(10)の上部に前記ふた部(4)の軸穴に嵌
    合する円形断面の軸部(2j)を有し、更にその上部に
    断面が非円形の軸部(2k)を有し、薬剤導出部(2)
    を充填位置と投与位置との間で移動させるための、装置
    外部より操作する前記手段は、回転式噴霧計量切替え装
    置(13)であり、該切替え装置(13)は前記薬剤導
    出部(2)の柱状部分の前記非円形断面の軸部(2k)
    に嵌合する非円形穴(13c)を有し、 前記薬剤導出部(2)は、該切替え装置(13)の回転
    操作に連動して充填位置と投与位置との間を移動するこ
    とを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の粉
    末薬剤多回投与器。
  8. 【請求項8】 前記回転式噴霧計量切替え装置(13)
    は、径の大きな円筒部分(13a)と、径の小さな円筒
    部分(13b)とが樹脂で一体成形されたものであり、 径の大きな円筒部分の外周が回転操作部を形成し、径の
    小さな円筒部分は内部に粉末薬剤の通過経路(2c)を
    規定すると共に、基部に前記非円形穴(13c)を有
    し、先端(2h)は噴霧口を規定することを特徴とする
    請求項1〜7のいずれか一項に記載の粉末薬剤多回投与
    器。
  9. 【請求項9】 前記回転式噴霧計量切替え装置(13)
    は、前記本体(1)および前記薬剤導出部(2)から着
    脱自在に形成されていることを特徴とする請求項1〜8
    のいずれか一項に記載の粉末薬剤多回投与器。
  10. 【請求項10】 前記薬剤導出部(2)の円盤状部分の
    底面(2e)の中央部には中心穴(14)が設けられ、
    前記薬剤貯蔵室(5a)の底面中央には中心穴(14)
    に嵌合する軸としての突起(8)が設けられており、前
    記薬剤導出部(2)の回転を安定にすることを特徴とす
    る請求項1〜9のいずれか一項に記載の粉末薬剤多回投
    与器。
  11. 【請求項11】 前記回転式噴霧計量切替え装置(1
    3)は前記径の大きな円筒部分(13a)の上面に前記
    非円形穴(13c)を中心とする円弧状溝(13d)を
    有し、前記ふた部(4)は、上面に該円弧状溝(13
    d)に挿入可能な突起(4a)を有し、これにより前記
    薬剤導出部(2)および回転式噴霧計量切替え装置(1
    3)の回転が規制され、 前記突起(4a)が該円弧状溝(13d)の一端に位置
    するとき粉末薬剤の充填位置を規定し、他端に位置する
    とき粉末薬剤の投与位置を規定することを特徴とする請
    求項1〜10のいずれか一項に記載の粉末薬剤多回投与
    器。
  12. 【請求項12】 前記薬剤導出部(2)の円盤状部分の
    底面における、前記開口手段(2f)の中心と、前記管
    (2g)の開口部の中心との角度(x)は、前記回転式
    噴霧計量切替え装置(13)の前記非円形穴(13c)
    の中心と前記径の大きな円筒部分(13a)の上面にあ
    る円弧状溝(13d)の一端から他端までの角度(y)
    とが、同一またはごく僅かに小さく(x≦y)、60度
    〜180度の範囲であることを特徴とする請求項1〜1
    1のいずれか一項に記載の粉末薬剤多回投与器。
  13. 【請求項13】 前記薬剤導出部(2)の円盤状部分の
    薬剤貯蔵室(5a)側の角度は、該円盤状部分の底面
    (2e)に対して15度〜45度の範囲で角度(α)で
    周辺部から中心部に向けて上方に傾斜していることを特
    徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の粉末薬
    剤多回投与器。
  14. 【請求項14】 前記薬剤導出部(2)に設けた前記管
    (2g)は該薬剤導出部(2)の底面(2e)に対して
    20度〜70度の範囲で角度(β、γ)で上方に傾斜し
    ていることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項
    に記載の粉末薬剤多回投与器。
  15. 【請求項15】 前記薬剤導出部(2)の前記開口手段
    (2f)は、円盤状部分を上下に貫通する穴(2f)で
    あることを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に
    記載の粉末薬剤多回投与器。
  16. 【請求項16】 前記開口手段(2f)は、前記円盤状
    部分の底面(2e)における開口部から上方に延びてい
    て、前記薬剤貯蔵室(5a)に面する側において、ポケ
    ット状のくぼみ(2m)を形成し、該くぼみ(2m)が
    薬剤貯蔵室(5a)内の粉末薬剤を薬剤導出部(2)の
    充填・投与の切替え動作中に前記薬剤収容室(5b)へ
    スムーズに運び込むように補助することを特徴とする請
    求項1〜15のいずれか一項に記載の粉末薬剤多回投与
    器。
  17. 【請求項17】 前記薬剤導出部(2)の前記柱状部分
    の外側に1枚もしくは複数枚の翼(2l)を有し、該薬
    剤導出部(2)が充填位置と投与位置との間を移動する
    ことにより薬剤貯蔵室(5a)内の粉末薬剤を撹拌する
    ようにしたことを特徴とする請求項1〜16のいずれか
    一項に記載の粉末薬剤多回投与器。
  18. 【請求項18】 前記ポンプ部(3)は、内部に空気室
    を規定するように少なくとも一部が可撓性の樹脂で構成
    され、該ポンプ部(3)の開口部分が本体(1)の下部
    に結合され、該ポンプ部(3)を押圧・弛緩することに
    より空気室内部に空気を前記フィルター(6)を介して
    前期薬剤収容室(5b)に吹き付け、前記管(2g、2
    d、2c)を介して粉末薬剤を装置外部へ噴霧できるよ
    うに構成されていることを特徴とする請求項1に記載の
    粉末薬剤多回投与器。
  19. 【請求項19】 フィルター(6)は前記薬剤収容室
    (5b)に面した側に凹部または凸部を有し、前記薬剤
    収容室(5b)の容積を調節可能とすることを特徴とす
    る請求項1に記載の粉末薬剤多回投与器。
  20. 【請求項20】 該薬剤導出部(2)が、ポリカーボネ
    ート、ABS、ハイインパクトポリスチレン、および環
    状オレフィンコポリマーからなる群から選ばれる1種以
    上の高分子材料で成形されることを特徴とする請求項1
    に記載の粉末薬剤多回投与器。
  21. 【請求項21】 装置の一部に乾燥剤を搭載することを
    特徴とする請求項1に記載の粉末薬剤多回投与器。
  22. 【請求項22】 ディスポーザブルであることを特徴と
    する請求項1に記載の粉末薬剤多回投与器。
  23. 【請求項23】 体腔内投与用であることを特徴とする
    請求項1に記載の粉末薬剤多回投与器。
  24. 【請求項24】 鼻腔内投与用であることを特徴とする
    請求項1に記載の粉末薬剤多回投与器。
  25. 【請求項25】 肺内吸入投与用であることを特徴とす
    る請求項1に記載の粉末薬剤多回投与器。
  26. 【請求項26】 多回投与操作分の粉末薬剤を貯蔵可能
    な薬剤貯蔵室(5a)の底面の下部に単回投与操作分の
    粉末薬剤を収容可能な薬剤収容部(5b)を設け、前記
    薬剤貯蔵室(5a)の底面との間で接触を保ちつつ充填
    位置と投与位置との間を移動可能で、かつ充填位置にて
    開口手段(2f)により前記薬剤収容部(5b)を前記
    薬剤貯蔵室(5a)に対して開口し、投与位置にて前記
    薬剤収容部(5b)を前記薬剤貯蔵室(5a)に対して
    閉鎖すると共に管(2g、2d)を介して前記薬剤収容
    部(5b)を装置の外部へ連通させる薬剤導出部(2)
    を設け、前記ポンプ部(3)の側面もしくは底面に穴
    (3a)を設け、 該薬剤導出部(2)を充填位置と投与位置との間で移動
    させることにより、 充填位置で、前記薬剤貯蔵室(5a)内の粉末薬剤が前
    記開口手段を介して前記薬剤収容部(5b)内に充填可
    能とし、同時に前記ポンプ部(3)の穴(3a)によ
    り、前記管(2g、2d)を介して前記薬剤収容部(5
    b)と空気的つながり、 充填位置から投与位置へ移動する際、該薬剤収容部(5
    b)内の粉末薬剤が単回投与操作分に擦り切り計量し、 投与位置にて、ポンプ(3)を操作してフィルター
    (6)を介して前記薬剤収容部(5b)に送り込むこと
    により、前記管(2g、2d、2c)を介して装置外部
    へ粉末薬剤を噴射することを特徴とする粉末薬剤多回投
    与方法。
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