JP2003175071A - 角膜手術装置及び角膜手術用ブレード - Google Patents

角膜手術装置及び角膜手術用ブレード

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薬剤を使用することなく、角膜上皮フラップ
を容易に作る。 【解決手段】 角膜を略平坦に押圧する押圧手段と、該
押圧手段により押圧された角膜上皮をフラップ状に剥離
するためのブレードであって、2つの刃付け面の成す刃
先角度が10〜50°であり、刃先尖端におけるの刃先
幅が1〜50μmであり、刃先尖端の角部が半径0.5
〜25μmで丸められているブレードと、該ブレードを
駆動源により横振動させる移動機構とを備える。ブレー
ドは角膜上皮を切開するが、ボウマン膜を切らずに角膜
上皮をフラップ状に剥離する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、角膜上皮をフラッ
プ状に剥離(切開)するに好適な角膜手術装置及び角膜
手術用ブレードに関する。
【0002】
【従来技術】角膜屈折矯正の手法として、角膜の一端を
残して角膜上皮から実質に至る厚さ150μmほどの部
分を層状に切開してフラップを形成し、その後レーザビ
ームにより実質を矯正量分切除し、再びそのフラップを
戻すというLASIK手術(Laser in Situ Keratomile
usis)が知られている。このLASIKでは、角膜を層
状に切開するマイクロケラトームと称される角膜手術装
置が使用されている。
【0003】近年では、LASIKが適用できない薄い
角膜に対応可能で、術後の痛みがLASIKとPRK
(photorefractive keratectomy)との中間に位置する
LASEK(Laser Epithelial Keratomileusis)とい
う手技が注目されている。このLASEKでは、角膜円
形切除機(epi-trephine)を使って角膜上皮部に一部ヒ
ンジを残した円形に切り込みを入れ、角膜上皮をアルコ
ールに浸して膨れさせた後、ゴルフメス等でボウマン膜
の上にある角膜上皮のみを剥がし、PRKと同じくレー
ザ照射をする。その後、剥がした上皮フラップを元に戻
して表面をカバーする。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のLAS
EKの方法は、アルコールという薬剤の使用により角膜
がダメージを受けることがある。また、フラップエッジ
も汚く、LASIKに比べて手術に時間が掛かるという
問題がある。
【0005】本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、
薬剤を使用することなく、角膜上皮フラップを容易に作
ることができる角膜手術装置及びそのための角膜手術用
ブレードを提供することを技術課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は以下のような構成を備えることを特徴とす
る。 (1) 角膜上皮をフラップ状に剥離する角膜手術装置
において、角膜を略平坦に押圧する押圧手段と、該押圧
手段により押圧された角膜上皮をフラップ状に剥離する
ためのブレードであって、2つの刃付け面の成す刃先角
度が10〜50°であり、刃先尖端におけるの刃先幅が
1〜50μmであり、刃先尖端の角部が丸められている
ブレードと、該ブレードを駆動源により横振動させる移
動機構と、を備えることを特徴とする。 (2) (1)のブレードは、刃先尖端の角部が半径
0.5〜25μmで丸められていることを特徴とする。 (3) (1)の移動機構は、さらに前記ブレードを駆
動源により前進移動させる送り機構を持ち、前進移動の
速度が0.4〜6sec/秒、横移動の振動数が5,000〜25,00
0rpmの範囲で設定されていることを特徴とする。 (4) (1)の角膜手術装置において、前記ブレード
の刃先尖端を前記押圧部材の下面から100〜300μ
mの間で保持するホルダを備えることを特徴とする。 (5) 角膜上皮をフラップ状に剥離するための角膜手
術用ブレードであって、2つの刃付け面の成す刃先角度
が10〜50°であり、刃先尖端におけるの刃先幅が1
〜50μmであり、刃先尖端の角部が半径0.5〜25
μmで丸められていることを特徴とする。
【発明の実施の形態】以下、本発明の一形態を図面に基
づいて説明する。図1は本発明に係る角膜手術装置の構
成を示す概略図である。
【0007】1は角膜手術装置本体である。本体1の前
側(図1中の左側)には、装置を患者眼に固定するため
のサクション部3と、角膜上皮を剥離及び切開するブレ
ード20を持ちサクション部3上を直進移動するカッテ
ィング部2とが設けられている。
【0008】本体1内には、カッティング部2を剥離方
向へ直進移動させるための送り用モータ11と、ブレー
ド20に横方向の振動を与えるための振動用モータ12
とが内蔵されている。送り用モータ11の回転軸には、
カッティング部2を直進移動させる距離分のネジ部を備
えた送りネジ13が連結されている。送りネジ13には
取付部材14が螺合し、取付部材14には振動用モータ
12と、カッティング部2が連結される連結部材17と
が固定されている。送り用モータ11の正逆回転によ
り、送りネジ13及び取付部材14を介して振動用モー
タ12及び連結部材17が前後方向へ移動し、これによ
ってカッティング部2が前後移動する。連結部材17に
は回転シャフト15が回転可能に保持されている。回転
シャフト15の先端には回転中心から偏った位置に偏心
シャフト16が植設されており、偏心シャフト16はブ
レード20に横振動を与える。
【0009】図2はカッティング部2及びサクション部
3に関する図1の拡大図である。図3は図2のA−A断
面図、図4は図2のB−B断面図である。
【0010】カッティング部2は、ブレード20を横振
動可能に保持するブレードホルダー21a及びホルダー
ブロック21bと、偏心シャフト16によって生じる横
振動をブレード20に伝えるための第1振動伝達部材2
2と、第1振動伝達部材による横振動をブレード20に
伝える第2振動伝達部材23と、取付部材24aによっ
てホルダーブロック21bに固設された角膜押え部材2
4とから構成される。ホルダーブロック21bの内部に
は回転シャフト15が挿入される回転穴が設けられ、連
結部材17の先端部が固定されている。
【0011】ブレード20はステンレス、スティール等
を刃先に使用した金属ブレードや、ダイアモンド、サフ
ァイア等の鉱物を刃先に使用した鉱物ブレードが利用さ
れ、水平面に対して25度の角度でブレードホルダー2
1aとホルダーブロック21bとの間で横振動可能に保
持されている。ブレード20の刃先形状については、後
述する。
【0012】ブレードホルダー21a側にはブレード2
0が載置される部分に浅い凹部210aが形成されてお
り、凹部210aの横幅はブレード20の横振動による
振動幅より大きくしてある。ブレードホルダー21aは
図示を略するネジによってホルダーブロック21bに取
り外し可能に固定されており、ブレードホルダー21a
を取外すことにより、第2振動伝達部材23と共にブレ
ード20が交換可能とされている。
【0013】第1振動伝達部材22はホルダーブロック
21bに形成された受け溝210c内で横方向に移動可
能になっている。また、第1振動伝達部材22は上方向
及び下方向をホルダーブロック21bによって保持され
ている。第1振動伝達部材22には偏心シャフト16に
係合する縦溝22aが形成されており、振動用モータ1
2の回転駆動によって回転シャフト15が回転すると、
第1振動伝達部材22には縦溝22aに係合した偏心シ
ャフト16の周動によって横方向への運動力が加わる。
これにより、第1振動伝達部材22が横振動する。
【0014】第2振動伝達部材23はホルダーブロック
21bに形成された受け溝210b内で横方向に移動可
能になっている。また、第2振動伝達部材23は上方向
をホルダーブロック21b、下方向をブレードホルダー
21aによってそれぞれ保持されている。第1振動伝達
部材22には、その下方に、ブレード20側に突出した
凸部22bが設けられており、第2振動伝達部材23に
は凸部22bに係合する縦溝23aが形成されている。
回転シャフト15の回転(偏心シャフト16の周動)に
よって第1振動伝達部材22が横振動すると、第2振動
伝達部材23には縦溝23aに係合した凸部22bの横
振動によってさらに横方向への運動力が加わる。これに
よって第2振動伝達部材23が横振動し、さらに第2振
動伝達部材23に固定されたブレード20が横振動す
る。
【0015】角膜押え部材24はブレード20の前側
(図2中の左側)に設けられており、ブレード20によ
る角膜上皮の切開と剥離に先立って、カッティング部2
の進行に伴い患者眼角膜を平坦に押圧する。ブレード2
0が角膜押え部材24によって平坦に押圧された角膜上
皮を切開及び剥離し、ボウマン膜から剥がされた角膜上
皮のフラップが形成される。
【0016】なお、角膜上皮をボウマン膜から引き離す
ために、角膜押え部材24の下面に対するブレード20
の刃先尖端の位置は、角膜上皮の厚さ分より下に位置さ
せる。その間隔は100〜300μmが好ましい。本実
施形態では200μm程度とされている。
【0017】サクション部3は固設部材30、サクショ
ンリング31、サクションパイプ32等から構成されて
おり、サクションリング31は固設部材30によって本
体1に固設されている。サクションリング31は断面形
状がコの字型の略円筒形状をしており、患者眼に当接さ
せるための円形の凹部31aと、凹部31aに対して同
心円である開口部31bとが形成されている。手術の
際、サクションリング31が患者眼に設置されると、患
者眼角膜は開口部31bから上部に突出し、患者眼にサ
クションリング31の下端部と開口部31bの開口端部
が当接され、その当接によって吸引用の空間Sが確保さ
れる。
【0018】サクションパイプ32はサクションリング
31に植設されており、図示なきバキューム用チューブ
と接続され、そのバキューム用チューブはポンプ41ま
で伸延している。サクションパイプ32内部に設けられ
た吸引通路32aは凹部31aと連通しており、ポンプ
41によって吸引通路32aを介して空間S内の空気を
吸引排出することにより、サクションリング31を患者
眼に吸着固定する。この固定に際しては、術者が本体1
を保持することによって開口部31bの位置決定を容易
にし、装置を安定して保持することができる。
【0019】また、サクションリング31には図示なき
圧力検出用パイプが植設されており、圧力検出用パイプ
は図示なきチューブによって圧力検出器33に接続され
ている。圧力検出器33は圧力検出用パイプを介し、ポ
ンプ41によって吸引された空間S内の空気圧を検出す
る。制御部40は圧力検出器33の検出した空気圧に基
づき、送り用モータ11、振動用モータ12、ポンプ4
1等の動作を制御する。
【0020】次に、ブレード20の形状を説明する。図
5(a)はブレード20の平面図、図5(b)は断面図
を示す。このブレード20の刃体全長Laは12.9m
m、刃体幅Lbは8mm、刃体厚Ltは0.25mmと
している。300は第2振動伝達部材23を嵌め込む2
つの穴である。ブレード20の前側には、傾斜を付けた
2つの刃付け面303を持つ刃付け部302が形成され
ている。両刃付け面303は、刃体厚Ltの中心線に対
して同一角度を成すように傾斜して形成されている。両
刃付け面303が成す刃先角度θは10〜50°であ
り、より好ましくは15〜40°であり、本実施形態で
は19°としている。刃付け面303は、切れ味を確保
するために、研磨が施されている。なお、先端側の刃先
304をより尖らせる場合には、刃付け部302におけ
る研磨の角度が2〜3段階で変えられ、刃先に向かうに
従って角度が大きくなるように研磨される。
【0021】図6は、刃先304の部分拡大図である。
刃先304は、角膜上皮の切開を可能にするが、角膜上
皮より硬いボウマン膜までは切らないようにする。これ
を達成するために、刃先304の尖端305における幅
Wは1〜50μmであり、より好ましくは2〜20μm
である。尖端305における幅Wは、ここでは、刃先角
度θを成す刃付け面303の仮想延長線での尖端305
における交点の幅として表している。図6(a)では、
刃先304の尖端305を直線的に形成した場合を示し
ている。刃付け面303と尖端305との角部にエッジ
が立っていると、前進移動及び横振動により、ボウマン
膜まで切り込み易くなるので、丸みを付けてある。その
丸み半径Rは0.5〜25μmが好ましい。図6(b)
の刃先304は、角部にエッジを持たない様に、尖端3
05まで半径Rで丸みを付けた場合の例である。
【0022】以上のような装置において、角膜上皮の剥
離動作を説明する。サクションリング31を術眼上に配
置に配置した後、ポンプ41を作動させてサクションリ
ング31と術眼との間の空間S内の空気を吸引し、空気
圧を低下させる。これにより、サクションリング31は
術眼に吸着固定される。フットスイッチ42の信号によ
り、制御部40はモータ12及びモータ11を駆動す
る。モータ11によりカッティング部2がヒンジ方向へ
直進移動し、モータ12により回転する回転シャフト1
5によってブレード20は横振動し、カッティング部2
と一体となって進行方向へスライドする。
【0023】角膜上皮は横振動しながら前進するブレー
ド20によって、始めに切開される。その後、ブレード
20の刃先尖端は角膜上皮下のボウマン膜に達するが、
上記のような刃先尖端の幅とエッジ部の丸み付けによ
り、角膜上皮より硬いボウマン膜までは切り込まずに、
ボウマン膜上を滑るように進む。これにより、角膜上皮
細胞がボウマン膜(叉は上皮細胞の基底膜)から引き離
される。このとき、ブレード20の送り速度は0.4〜6s
ec/秒、振動数は5,000〜25,000rpmが設定される。ブレ
ード20の刃先尖端の幅Wが2〜10μmのとき、送り
速度約2sec/秒、振動数約9,000rpmにすると良い。な
お、ブレード20の横振動の幅は約2mmとなってい
る。
【0024】上記のようなブレード20による角膜上皮
の剥離について、豚眼を用いて実験を行った。図7〜9
は実験に使用した3種類の刃先の電子顕微鏡写真(倍率
3,000倍)を示し、それぞれ(a)は刃先尖端を正面か
ら見たときのものであり、(b)は斜め横から見たとき
のものである。なお、実験におけるブレード20の送り
速度は約2sec/秒、振動数は約9000rpmで全て行った。
なお、豚眼の角膜上皮の厚さは100μm程であった。
【0025】図7に示す第1ブレードにおける刃先は、
図6(a)のように尖端305を直線的に形成したもの
である。刃先の尖端の幅Wは約6μmであり、エッジ部
分には全体に渡って丸みを付けてある(丸み半径R=1
μm程)。この図7に示した刃先のブレードにおいて
は、角膜上皮のみを剥離したフラップがきれいに作成さ
れた。
【0026】図8に示す第2ブレードにおける刃先尖端
の幅Wは約2μmであり、図6(b)のように尖端部分
は半径Rで丸みを付けるようにしたものである。ただ
し、刃付け面300のエッジ部分には、一部に滑らかで
ない部分(バリ等)が現われていた。このため、このブ
レードによる実験では、8割の角膜上皮の剥離ができた
が、2割程の実質が切開されていた。刃付け面300と
のエッジ部分の丸みが奇麗に形成されたところは、角膜
上皮のみの剥離が可能である。
【0027】図9に示す第3ブレードにおける刃先尖端
の幅Wは約5μmであったが、エッジ部分には丸み半径
が形成されておらず、刃先尖端が尖っていた。この第3
ブレードにおいては、5割程の角膜上皮の剥離ができた
が、残り5割程は実質まで切開されていた。
【0028】以上の実験結果から、刃先尖端の幅Wが2
μmでもエッジ部分に丸みを付ければ、実質を切り込ま
ずに、角膜上皮のみの剥離が可能である。さらに、豚眼
はボウマン膜を持たないが、人眼は実質よりかなり硬い
ボウマン膜を持つことを鑑みれば、刃先尖端の幅Wが1
μmにしても、十分にボウマン膜を切り込まずに角膜上
皮の剥離が可能である。
【0029】図10は、従来のLASIKに使用してい
るブレードにおける刃先の電子顕微鏡写真を示したもの
で、倍率は10,000倍である。図10(a)は刃先尖端を
正面から見たときのものであり、(b)は斜め横から見
たときのものである。LASIK用のブレードでは、硬
いボウマン膜の切開を可能にするために、その尖端は1
μmより遥かに尖った形状とされていることが分かる。
【0030】次に、ブレード20の送り(前進移動)及
び横振動(横スライド)と、刃先の切削角度(刃先尖端
幅)との関係を図11により説明する。いま、ブレード
20を図11上の右横方向にスライドさせながら、上側
にx距離分移動させたとする。このとき、刃先の当接点
PSは、相対的にブレード上をPS−PEの軌跡で移動す
ることになり、その移動距離はDとなる。刃先からxの
地点の刃厚さをdとすると、このときの、切削角度β
は、PS−PEを通る刃先断面と同じ形状になり、実際の
刃先角度α(x距離方向の断面)より先が尖った形状と
なる。したがって、ブレードの刃先尖端幅Wを上記実験
で行った6μmより大きくする場合(W=50μmのと
き)には、送り速度(前進移動速度)に対して横振動
(横スライド)の速度を相対的に速くすることにより、
刃先を見かけ上鋭くし、角膜上皮を切開できる。
【0031】一方、ブレード20の尖端幅Wを2μmよ
り小さくする場合には、送り速度(前進移動速度)に対
して横振動(横スライド)の速度を相対的に遅くすれば
良い。これにより、ボウマン膜及び実質への切り込みを
防ぐ。
【0032】以上のようなブレード20の刃先尖端幅
と、その尖端幅に応じてブレードの横振動と送り速度を
設定することにより、薬剤を使用せず、角膜上皮だけの
フラップを容易に作成できる。そのフラップエッジも、
従来のゴルフメス等による剥離に比べてきれいに仕上が
る。また、ブレード20を交換できる構造であるので、
従来のブレードに交換することにより、角膜実質まで層
状に切開するフラップの作成にも対応することができ
る。
【0033】上記の実施形態では、ブレード20の送り
機構を直進移動させるものとしたが、ブレードを回転移
動させながら送る機構であっても良い。また、ブレード
の横振動のみを駆動源によるものとし、前進移動の送り
は手動で行う装置にも適用できる。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
薬剤を使用することなく、角膜上皮を剥離したフラップ
を容易に作成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る角膜手術装置の構成を示す概略図
である。
【図2】カッティング部及びサクション部の拡大図であ
る。
【図3】図2のA−A断面図である。
【図4】図2のB−B断面図である。
【図5】ブレードの形状を説明する図である。
【図6】ブレードの刃先の部分拡大図である。
【図7】実験に使用した第1ブレードにおける刃先の電
子顕微鏡写真を示した図である。
【図8】実験に使用した第2ブレードにおける刃先の電
子顕微鏡写真を示した図である。
【図9】実験に使用した第3ブレードにおける刃先の電
子顕微鏡写真を示した図である。
【図10】従来のLASIKに使用しているブレードに
おける刃先の電子顕微鏡写真を示した図である。
【図11】ブレードの前進移動及び横スライドと、刃先
の切削角度との関係を説明する図である。
【符号の説明】
2 カッティング部 3 サクション部 11 送り用モータ 12 振動用モータ 20 ブレード 24 角膜押え部材 302 刃付け部 303 刃付け面 304 刃先 305 尖端

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 角膜上皮をフラップ状に剥離する角膜手
    術装置において、角膜を略平坦に押圧する押圧手段と、
    該押圧手段により押圧された角膜上皮をフラップ状に剥
    離するためのブレードであって、2つの刃付け面の成す
    刃先角度が10〜50°であり、刃先尖端におけるの刃
    先幅が1〜50μmであり、刃先尖端の角部が丸められ
    ているブレードと、該ブレードを駆動源により横振動さ
    せる移動機構と、を備えることを特徴とする角膜手術装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1のブレードは、刃先尖端の角部
    が半径0.5〜25μmで丸められていることを特徴と
    する角膜手術装置。
  3. 【請求項3】 請求項1の移動機構は、さらに前記ブレ
    ードを駆動源により前進移動させる送り機構を持ち、前
    進移動の速度が0.4〜6sec/秒、横移動の振動数が5,00
    0〜25,000rpmの範囲で設定されていることを特徴とする
    角膜手術装置。
  4. 【請求項4】 請求項1の角膜手術装置において、前記
    ブレードの刃先尖端を前記押圧部材の下面から100〜
    300μmの間で保持するホルダを備えることを特徴と
    する角膜手術装置。
  5. 【請求項5】 角膜上皮をフラップ状に剥離するための
    角膜手術用ブレードであって、2つの刃付け面の成す刃
    先角度が10〜50°であり、刃先尖端におけるの刃先
    幅が1〜50μmであり、刃先尖端の角部が半径0.5
    〜25μmで丸められていることを特徴とする角膜手術
    用ブレード。
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