JP2016064133A - ストレートナイフの製造方法 - Google Patents

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【課題】 オーステナイト系ステンレス鋼で製造したストレートナイフ等の医療用ナイフでは、刃先部が薄く鋭利であることから、眼科手術において、角膜や強膜等に切り込みを形成する場合、刃先部が、撓み易いという問題がある。本発明は、薄くて尖った刃先部の強度を上げることができ、切れ味の低下を防止できるストレートナイフの製造方法を提供する。【解決手段】本発明のストレートナイフの製造方法は、オーステナイト系ステンレス鋼の丸棒の先端側を平らにつぶし、余分な部分をプレスでカットして平板上の刃部を形成する工程と、研削加工によって刃部の少なくとも一部の周縁に沿って傾斜面及びエッジを形成する工程と、電解研磨又は化学研磨によって傾斜面及びエッジのバリを取り、さらに電解研磨又は化学研磨を続けて傾斜面の先端部に断面形状が凸状の曲面からなる切刃を形成する工程と、を有することとする。【選択図】 図2

Description

本発明は、眼科用のストレートナイフの製造方法に関する。
眼科手術に使用されるストレートナイフやLRIナイフは、薄くて鋭利な先端とこれに続く直線状の数ミリの長さの切刃を有している。そして、使用する場合は、主として先端と、先端から1mm程度の切刃部分で、ナイフの軸方向に交差する方向で且つ刃部に平行な方向に移動させて、角膜や強膜に切り込みを入れる。
医療用ナイフの素材としては、従来は、マルテンサイト系ステンレス鋼が使用されている。マルテンサイト系のステンレス鋼は、焼き入れが可能なことから、所望の硬度、と良好な切れ味を得ることができる。
しかし、マルテンサイト系のステンレス鋼は、オーステナイト系ステンレス鋼に比べて、錆びには弱いため、医療用としては、より錆に強いオーステナイト系ステンレス鋼を使用することが望まれる。しかし、オーステナイト系ステンレス鋼は、焼き入れができず、所望の硬度を得ることが困難である。
これに対し、オーステナイト系ステンレス鋼の線材を、伸線加工して加工硬化させ、所定の硬度を得ることが行われている。このように伸線加工をして加工硬化したステンレス鋼線は、その結晶構造が、鋼線の長さ方向に細長く伸びたものとなり、ファイバー状組織と称されている。
このようなファイバー状組織を有するオーステナイト系ステンレス鋼から医療用ナイフを製造する方法は、ほぼマルテンサイト系ステンレス鋼から製造する場合と同様である。すなわち、オーステナイト系ステンレス鋼の線材を所定の長さに切断して丸棒状とし、この丸棒の一端側をプレスで平らに潰し、潰した部分を次のプレス工程でナイフの形状に成形し、砥石などによる研削加工によって切刃を形成して医療用ナイフを製造する。マルテンサイト系の場合は、この後、熱処理と仕上げ研磨がされることになるが、オーステナイト系の場合は、この熱処理工程以降は行わない。
医療用ナイフは切れ味が問題となるので、切れ味の向上のため、種々の対策がなされている。この対策として、シリコーンを塗布することがよく行われている。シリコーン皮膜が摩擦抵抗を低下させることによるものである(例えば特許文献1)。
特許文献2では、縫合針の中心軸に対しほぼ直交する方向の目と、中心軸に沿った目を形成したものを提案している。これは、ファイバー状組織の結晶構造の素材にファイバー状組織の方向と直交する方向に研磨加工を加え、砥粒によりファイバー状組織の方向と直交する方向に筋目を付け、その後、電解研磨や化学研磨等の処理を施すことで、砥粒による筋目をエッチングして一部にファイバー状組織を露出させたものである。中心軸に沿った筋目は、ファイバー状組織の模様が電解研磨されてできたものであり、中心軸に対しほぼ直交する方向の筋目は、研磨加工時の砥粒により付けられた筋目である。このように、たてよこに筋目の入った縫合針にシリコーンを塗布して使用する。このような構成にすることで、シリコーンの付着力を上げることができる。
また、特許文献3では、刃先部に電解研磨を施すことで、研削加工でできたバリを取り、刃先部を鏡面にし、かつ切刃を鋭利に仕上げ、切れ味を向上させる技術が提案されている。
特開2003−116866号 特許第3140508号 特開平8−238245号
図5は、従来のストレートナイフの図で、(a)は平面図、(b)は(a)のE−E線断面図で切刃の断面形状を示している。(c)は(a)のFから見た図で、ナイフの刃先部の拡大図、(d)は刃先が撓んだ状態を示す図である。
同図に示すストレートナイフ1は、オーステナイト系ステンレス鋼を使用したものである。前述したように、ステンレス鋼の丸棒1aを所定の長さに切断し、その先端をプレス加工で平らにして平板状の刃部1bとし、刃部1bの1辺を両面から研削加工によって斜面1cとし、斜面1cの端部に直線状の切刃1dとエッジ1eを形成している。
ストレートナイフ1では、一般に、切れ味を向上させるためには、図5(a)に示すように刃先1fの角度αを小さくしたり、ナイフの厚さtを薄くしたりしている。そのため、眼科手術において、角膜や強膜等に切り込みを形成する場合、オーステナイト系ステンレス鋼のナイフでは、刃先1fが、撓み易いという問題がある。図5(d)は、(c)と同じ刃先1fの周辺部(以下「刃先部」という)の図であるが、角膜や強膜等をカットする際に、弾性によって撓んでしまった状態を示している。このように刃先部が撓み易いと、ナイフとして使用しにくくなる。また、変形が大きいと、元の形状に戻らず、以後はナイフとして使用できなくなる、という問題があった
本発明は、上記の問題を解決することを目的としたもので、オーステナイト系ステンレス鋼で製造したストレートナイフでも、薄くて尖った刃先部の強度を上げることができ、変形しにくく、切れ味の低下を防止できるストレートナイフを提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために本発明のストレートナイフの製造方法は、オーステナイト系ステンレス鋼の丸棒の先端側を平らにつぶし、余分な部分をプレスでカットして平板上の刃部を形成する工程と、研削加工によって前記刃部の少なくとも一部の周縁に沿って傾斜面及びエッジを形成する工程と、電解研磨又は化学研磨によって前記傾斜面及び前記エッジのバリを取り、さらに電解研磨又は化学研磨を続けて前記傾斜面の先端部に断面形状が凸状の曲面からなる切刃を形成する工程と、を有することを特徴とするものである。
本発明の製造方法で製造されたストレートナイフによれば、刃先が電解研磨又は化学研磨によって丸くなっているので、刃先部の厚さが厚くなり、曲がり難くなって、オーステナイト系ステンレス鋼を使用しても、使用時に曲がることを防止することができ、使用し易くなる、という優れた効果を奏する。また、オーステナイト系ステンレス鋼を使用するので、錆に強いストレートナイフを得ることができる。
なお、刃先が丸くなった分だけナイフの切れ味が落ちることが考えられる。しかし、電解研磨又は化学研磨によって丸くしているので、丸くなっているのは刃先というごく微小な部分にすぎない。しかも、切刃を形成する際に、研削加工で発生したバリが、電解研磨又は化学研磨で取れていて切れ味が向上している。したがって、トータルとして研削加工のみの場合と同程度の切れ味を確保することができる。
また、本発明の対象とするナイフは、強膜などの対象物に刃先を所定の深さ(軸方向に)差し込み、ほぼ同じ深さを維持して軸と交差する方向に移動させて切る際に主に使用するストレートナイフであるので、ナイフを最初に組織に刺入する際に刃先の切れ味が影響するのみで、その後は刃先の丸くなっている部分より下側(柄側)のエッジで引き切っていくため、刃先が丸くなっていたとしても、術者の使用中の切れ味の感じ方には影響しないと考えられる。
さらに、本発明の対象とするストレートナイフは、本発明の対象としない、眼内レンズを挿入するための切開創を形成するため最大刃幅の寸法が正確に形成され軸方向で且つ刃部に平行な方向に移動させ組織に刺入して使用するナイフと違って、先端から1〜2mm程度挿入して引き切って使用することが多いため、切刃の角度がそのまま切れ味に影響しなく、上記眼内レンズを挿入するための切開創を形成するナイフと切刃の角度が同じだとしても、切れ味がよく感じられるようになって
上記眼内レンズを挿入するための切開創を形成するナイフを本発明の対象としない理由としては、眼内レンズを挿入するためのナイフは、研削加工のみで形成したほうが最大刃幅の寸法をコントロールしやすく、正確に形成できるからである。
また、前記切刃が中央出っ張り状に緩く反っている構成としたことで、従来のエッジが反っていなくストレート形状のナイフと比較し、組織に対するナイフの柄の傾斜角度が大きい状態で、組織に対するエッジの傾斜角度を小さくすることができる。よって切れ味が良くなるとともに、使用しやすいナイフとすることができる。また、前記傾斜面をラッピングフィルムにより形成した構成としたことで、傾斜面が中央出っ張り状に緩く反るとともに、傾斜面の両端部分(先端側とシャンク側の端部)が凸状の曲面となり、傾斜面の角度が大きくなる。そこに電解研磨又は化学研磨を施すことで、前記中央出っ張り状の形状をそのままかたどって切刃を形成するとともに、角度の大きい両端部分は少なく研磨され、角度の小さい中央部分は多く研磨されるため、全体として均一な切刃角度を形成することができ、使い勝手が良くなる。
(a)から(f)は、本発明のストレートナイフの製造方法を説明する図である。(g)、(h)は(e)のAから見た刃先部を拡大した図で、(g)は電解研磨前で、(h)は電解研磨後である。 (a)は、ストレートナイフの平面図、(b)は刃先部の拡大図である。 図2(b)のB−B線断面図で、(a)は電解研磨前、(b)は電解研磨後である。 乱視矯正用のLRIナイフの図で、(a)は平面図、(b)は(a)のC−C線断面図の電解研磨前の状態を示す図、(c)は電解研磨後の状態を示す図である。(d)は、(a)のD−D線断面図の電解研磨前の状態を示す図、(e)は電解研磨後の状態を示す図である。 ストレートナイフの従来例の図で、(a)は平面図、(b)は(a)のE−E線断面図で切刃の断面形状を示している。(c)は(a)のFから見た図で、ナイフの刃先部の拡大図である。(d)は刃先部が撓んだ状態を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
図1(a)から(f)は、本発明のストレートナイフ10の製造方法を説明する図である。まず、(a)に示すように素材の丸棒11を所定の長さに切断する。素材としては、ファイバー状の結晶構造を有するオーステナイト系のステンレス鋼の丸棒を使用している。次に(b)に示すように、先端側をプレスで平らにつぶし、点線に示す余分の部分を次のプレス工程でカットして平板状で尖端を有し、平面視が略菱形の刃部12を形成する。そして、(c)、(d)に示すように、平らに潰した両面12'を研削し、平面にするとともに、厚さtを決められた厚さにする。そして、ブラスト処理により刃部12の両面12'を乱反射面にする。乱反射面にすることで、顕微鏡下の使用の際、ナイフが光って患部が見にくくなることを防止できる。次に、(e)に示すように研削加工によって、両面12'に傾斜面13を形成し、傾斜面13の先端部を切刃とし、切刃の先端縁(エッジ)15を鋭利に尖らせる。傾斜面13は、刃部12の最大の幅の付近まで形成する。
以上は、従来のストレートナイフの製造方法とほぼ同じである。本発明では、研削による切刃14の形成を省略して、電解研磨処理をすることに特徴がある。
図1(g)は、図1(e)のAから見た刃先部16を拡大した図で、(g)は電解研磨前で、(h)は電解研磨後である。傾斜面13は、砥石による研削加工により形成されたもので、エッジ15と直交する方向に、図示しないが、砥粒による筋目がまんべんなく形成されており、さらに、傾斜面13やエッジ15には、多数のバリが発生している。
本発明では、砥石による研削加工で傾斜面13を形成した後、電解研磨処理を行っている。電解研磨処理は、通常の方法でよく、たとえば、電解液としてリン酸液を使用し、ストレートナイフの刃部全体を電解液中に浸漬して+極に接続し、電解槽を−極に接続して通電する。ストレートナイフの金属が電解液中に溶出することで、研磨処理がされる。このとき、ワークの尖っている部分から先に金属が溶出することになる。
電解研磨では、まず、傾斜面13やエッジ15にあるバリが電解液中に溶出することでバリ取りが優先的に行われる。通常の電解研磨は、この段階で完了としているが、本発明ではさらに電解研磨を続けることに特徴がある。
バリ取り後、さらに電解研磨を続けると、研磨により付けられた筋目も減少し、傾斜面13を溶解させて、傾斜面13の端部に凸状の曲面からなる切刃14が形成される。切刃14の先端縁がエッジ15である。
図2(a)は、ストレートナイフ10の刃部12を拡大した平面図で、図2(b)は刃先部の拡大図で、(a)、(b)共に電解研磨が終了した状態である。刃先16aは点線の部分が溶解して半径R1の円弧面になっている。バリ取り後、この状態まで電解研磨することで、刃先16aが厚くなり、強度が上がる。強度が上がることで、図5(d)に示したような刃先部16が曲がることを防止することができることになる。さらに、切刃14のエッジ15はほぼ直線状であるが、エッジ15は日本刀の反りのように緩くカーブして、円弧に近い形状になっている。図2(a)に示す直線nは、エッジ15の接線である。
従来のマルテンサイト系ステンレス鋼を使用したストレートナイフ10の刃先16aでも、顕微鏡で見れば、尖っておらず、若干の丸みがある。従来、この丸みは、刃先16aで、Rが0.1mm未満であったが、本発明の刃先のR1の値は、0.3〜0.7mmと従来のものより大きくしている。R1の値が0.3mm未満では、厚さが薄くなり、曲がり易くなるからである。R1の値が0.7mmを越えると、所望の切れ味が得られなくなるからである。
また、エッジ15の先端部の半径R2の値は、従来は直線であったが、本発明では、バリ取り後の研磨を続けることで、中央が出っ張った状態で図示のようにR2=100〜500mmの円弧状ないし円弧に近い曲線になっている。このR2に示す中央出っ張り状の反りも、電解研磨により生じたものであるが、このような反りができることで、ナイフの切れ味を向上させることができる。特に、ストレートナイフ10では、刃先16aから1mm程度の部分を使用するので、この部分に反りがあることによって、刃先部16の切れ味を向上させることができる。尚、図2(a)に示すように、刃部12の最大の幅付近についても反りを設ける構成としてもよい。電解研磨又は化学研磨が切刃14の長さ全体に施される場合は最大の幅付近にも反りが形成されることになる。R2を100mm未満としない理由は、100mm未満の場合は、研磨量が多すぎて、切れ味が落ちるからである。一方、R2の上限は引いて切る時に刃の断面角度(刃角度)が見かけ上小さくなるために、500mm以下にすると良い。500mmを越えると、刃の断面角度が減少する効果が殆どなくなるからである。
傾斜面13を形成する研削加工を、ラッピングフィルムで行うと、研削加工中に刃部12が加工圧によって反り、図2のR2に示す中央出っ張り状の反りを容易に形成することができる。また、傾斜面13の先端側とシャンク側とが凸状の曲面となり、傾斜面13の傾斜角度が大きくなる。この状態で上述と同様の電解研磨又は化学研磨を施すと、前記中央出っ張り状の形状をそのままかたどって切刃14を形成するとともに、角度の大きい両端部分は少なく研磨され、角度の小さい中央部分は多く研磨されるため、全体として均一な切刃角度を形成することができる。
図2(b)では、刃先16aは円弧となっているが、実際は、多少の凹凸があったりして、このように綺麗な円弧にはならない場合もある。したがって、本発明で「丸くなる」とは、円弧以外の楕円弧面、放物面などの各種の曲面を含み、さらに、多少の凹凸を含む凸状の曲面全般を含めるものとする。
刃先が、従来は図2(b)の点線に示すように尖っていたのを、実線に示す刃先16aのように丸くしているが、凸状の曲面も上述したように小さく、バリがなくなっていることで切れ味は向上しており、トータルとしての切れ味は、電解研磨処理をする前と同程度である。一方、従来のように尖った刃先16aでは、図5(d)で説明したように角膜や強膜を切開する場合、刃先部16が曲がりやすかったが、本発明の凸状の曲面からなる切刃14の先端の刃先部16であれば、曲がることなく切開することができ、切開作業を確実に、かつ、容易にできるようになった。
図3(a)は、図5(b)に対応する図で、図2(b)のB−B線断面図である。研削加工により形成した傾斜面13と、切刃14のエッジ15を示す。電解研磨あるいは化学研磨により、傾斜面13とエッジ15の間に凸状の曲面からなる切刃14が形成されている。この切刃14は、おおよそ円弧面で、傾斜面13の長さ方向の中心軸を持っている。このような構成にすることで、切刃14が体組織内に侵入し易くなり、切れ味を向上させることができる。
以上は、傾斜面13と切刃14が刃部12の両面に対称的に形成されたナイフで説明したが、傾斜面13と切刃14が刃部12の一方の面にのみ形成されたナイフでも同様である。また、ストレートナイフを例として説明したが、他の医療用ナイフのたとえば、乱視矯正用のLRIナイフにも適用可能である。
図4は、乱視矯正用のLRIナイフの図で、(a)は平面図、(b)は(a)のC−C線断面図の電解研磨前の状態を示す図、(c)は電解研磨後の状態を示す図である。(d)は、(a)のD−D線断面図の電解研磨前の状態を示す図、(e)は電解研磨後の状態を示す図である。
LRIナイフ40は、先端が90゜に近いV字型の尖った刃部41を有し、先端のV字を構成する2辺に、傾斜面42が形成されている。傾斜面42の端縁は鋭利なエッジ43、43となっている。両エッジ43,43の交わる点が刃先45である。
LRIナイフ40は、刃部41に研削加工によって傾斜面42とエッジ43が形成されると、(b)、(d)に示すような断面形状となるが、本発明のバリ取り後の電解研磨がされることで、(c)、(e)のような断面形状となる。
すなわち、傾斜面42の先端側には、凸状の曲面からなる切刃44が形成され、その先端にエッジ43が形成される。ただし、刃先45は図4(a)に示す平面図上では、図2(b)に示すストレートナイフ10のように丸くなっていない。これは、LRIナイフ40が、元々厚さのあるナイフで、V字の角度も大きく、凸状の曲面からなる切刃44が形成されれば、刃先45は丸くしなくても折れ曲がりの問題は起こらないからである。もっとも、刃先45が図2(b)に示すように平面図上で丸くなっていてもよい。
表1と表2は、本発明のストレートナイフ10と、従来のストレートナイフとの切れ味を比較した例である。表1は本発明のストレートナイフで試料1〜10までの10本について調査した。表2は、従来のマルテンサイト系ステンレス鋼で作成したストレートナイフで試料11と12の2本について調査している。本発明のストレートナイフも、従来のストレートナイフも、刃先角度は15゜で、板厚(tの値)は0.11mmで、同じ形状のものである。試験方法は、角膜や強膜に近い硬さを持った人造皮革(ポールベア)の厚さ0.45mmの膜をストレートナイフで刺通したときの刺通力(単位は「mN」ミリニュートン)で測定した。
Figure 2016064133
Figure 2016064133
表1は、本発明のストレートナイフで、10本の試料について、3回ずつの刺通テストをした。その結果、刃先部が折れ曲がるものは1本もなく、全てで刺通することができた。また、従来のマルテンサイト系ステンレス鋼製のストレートナイフより、刺通抵抗は若干ではあるが、向上している。
以上のことから、本発明によれば、ストレートナイフをオーステナイト系ステンレス鋼で製造することができ、切れ味も従来のものに比べて遜色がないということが分かった。
なお、上記の実施例では、電解研磨処理としたが、化学研磨処理としてもよい。ただし、図1(g)に示す切刃14の刃先16aの丸みは、小さなものであるから、研削加工では、このような小さなRの刃先16aの丸みを形成することはできない。電解研磨又は化学研磨処理によってのみ形成可能な丸みである。
10 ストレートナイフ
11 丸棒
12 刃部
13 傾斜面
14 切刃
15 切刃のエッジ
16 刃先部
16a 刃先
17 曲面

Claims (1)

  1. オーステナイト系ステンレス鋼の丸棒の先端側を平らにつぶし、余分な部分をプレスでカットして平板上の刃部を形成する工程と、
    研削加工によって前記刃部の少なくとも一部の周縁に沿って傾斜面及びエッジを形成する工程と、
    電解研磨又は化学研磨によって前記傾斜面及び前記エッジのバリを取り、さらに電解研磨又は化学研磨を続けて前記傾斜面の先端部に断面形状が凸状の曲面からなる切刃を形成する工程と、
    を有することを特徴とするストレートナイフの製造方法。
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