JP5877158B2 - エッジを有する医療用刃物 - Google Patents

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Description

本発明は、生体組織を切開する際の刺通性を向上させた鋭いエッジを有する医療用刃物
に関するものである。
眼科手術の際には眼球に刺し通して角膜や強膜を切開するナイフやトロカールが用いられ、患部を縫合する際には筋肉や皮膚を刺し通して切開する縫合針が用いられる。これらのナイフ、トロカール或いは縫合針を含む医療用刃物は、鋭い尖端と、この尖端から延びる鋭いエッジと、このエッジを構成する平面と、平面から連続して延びる胴部と、を有している。
エッジ及び平面部分は、三角形、四角形或いは五角形等の多角形断面を有しており、目的の医療用刃物の種類、即ち、医療用刃物がナイフであるか、トロカールであるか、或いは縫合針であるかに対応して断面形状が設定されている。そして、医療用刃物の断面形状の如何に関わらず、エッジは尖端を起点として少なくとも二つ形成されている(例えば特許文献1参照)。
特開平06−077313号公報
上記の如く構成された医療用刃物では、常に患部を切開する際に生じる刺通抵抗を小さくすることが要求されている。例えば、切開すべき部位を刺し通す際の抵抗が大きいと医師の疲労を招く虞があり、また正確な手術ができなくなる虞がある。このため、医療用刃物の製造業者にとって、より刺通抵抗の小さいナイフやトロカール或いは縫合針を含む医療用刃物を開発することは常に重要な課題である。
本発明の目的は、刺通抵抗の小さいエッジを有する医療用刃物を提供することにある。
上記課題を解決するために本件発明者は多くの開発実験を重ねてきている。その結果、鋭いエッジを構成することによって刺通抵抗を小さくすることを見出した。そして、鋭いエッジは、研磨工程後に行う電解研磨工程或いは化学研磨工程に於ける処理を短時間で行うことによって実現できることを確認した。
電解研磨処理或いは化学研磨処理を行って鋭いエッジを構成する際に、研磨処理を短時間で行ったとき、エッジに沿った一部の平面部分が他の平面部分と色が異なることを確認した。更に、素材にステンレス鋼を採用したとき、エッジに沿った一部の平面部分が他の平面部分と比較してクロームの成分比率が異なることを確認した。
このため、本発明に係るエッジを有する医療用刃物は、生体組織を切開するための鋭いエッジと、前記エッジを構成する平面部とを有し、前記エッジに沿った一部の平面部の色が他の平面部の色と異なることを特徴とするものである。
上記エッジを有する医療用刃物に於いて、前記エッジに沿った一部の平面部の色と他の平面部の色との違いが、酸化被膜の厚さの違いに基づくものである。
他のエッジを有する医療用刃物は、オーステナイト系ステンレス鋼によって構成され、生体組織を切開するための鋭いエッジと、前記エッジを構成する平面部とを有し、前記エッジに沿った一部の平面部のクローム含有量が他の平面部のクローム含有量よりも多いことを特徴とするものである。
本発明に係るエッジを有する医療用刃物(以下単に「刃物」という)では、鋭いエッジを形成して刺通抵抗を小さくすることができる。このため、眼科手術や外科手術の際に医師の疲労を軽減することができ、且つ正確な切開を行うことができる。
特に、鋭いエッジが形成されていることを、刃物を構成する平面部分に於けるエッジに沿った一部の平面部と他の平面部との色の違いを確認することで認識できるので、少なくとも刃物の製造時には確実な検査を行うことができる。
また本発明に係る他の刃物では、エッジに沿った一部の平面部のクローム含有量と、他の平面部のクローム含有量とを比較することで、鋭いエッジが形成されていることを確認することができる。
本実施例に係る刃物としてのトロカールを説明する図である。 図1に示すトロカールの写真である。 トロカールの材料成分を定量分析したときのサンプルを採取した位置を説明する写真である。 比較例としてのトロカールの材料成分を定量分析したときのサンプルを採取した位置を説明する写真である。
A トロカール
1 エッジ
2、2a、2b 平面部
3 峰
4 尖端
5 胴部
6 境界
7 微小平面部
10 一点鎖線(平面部2aと他の平面部2bとの境界)
以下、本発明に係る刃物について説明する。本発明は、ナイフやトロカール或いは刃付縫合針等の手術に際し生体組織を刺し通して切開する際に、刺通抵抗を小さくして医師の疲労を軽減させると共に正確な手術を行うことが可能である。
本発明に於いて、生体組織を切開するための鋭いエッジは二つの平面が交差することで構成されている。そして、エッジに沿った一部の平面部が他の平面部の色と異なる色を呈している。この色の違いは酸化被膜の厚さの違いに対応しており、刃物の製造過程で行われる電解研磨処理或いは化学研磨処理(電解研磨等)に於ける処理時間を短縮化したことに起因している。
即ち、従来から製造されている医療用刃物の場合、エッジに付着しているバリが大きいため、このバリをエッジから除去するには長時間の電解研磨等を行う必要があった。そして、長時間の電解研磨等によって、エッジに付着したバリを除去すると同時に、エッジに沿った部分の溶出も進み、結果としてエッジの先端に微小な丸みが生じて鋭さがなくなることとなった。
これに対し、本発明に係る刃物を製造する過程で、短時間の電解研磨等によってエッジに付着したバリの除去を行うことで、鋭いエッジを実現することが可能であることを見出したのである。そして、短時間での電解研磨等を行った結果、エッジに沿った一部の平面部と他の平面部との間に酸化被膜の厚さの違いが生じ、この酸化被膜の厚さの違いに起因して色の違いが生じている。
上記の如くしてエッジに沿った一部の平面部と他の平面部との間に色の違いが生じた刃物では、色の違いに加えて材料成分の変化も生じている。
従って、本発明に係る刃物としては、エッジに沿った一部の平面部と他の平面部との色の違いを認識するか、材料成分を定量分析することによって認識することが可能である。
更に、本発明に係る刃物では、従来の通常用いられている刃物と比較して十分に刺通抵抗を小さい値とすることが可能である。
本発明に係る刃物では、材料として、熱処理による硬化を期待することが可能な炭素鋼やマルテンサイト系ステンレス鋼に代表される金属、或いは熱処理による硬化を期待し得ないオーステナイト系ステンレス鋼を選択的に利用することが可能である。そして、選択した材料に対応させて夫々最適な工程で、目的の刃物に対する形状の加工工程、硬化工程を経ることで本発明に係る刃物を構成することが好ましい。
次に、本実施例に係るトロカールAについて図1、2により説明する。図1、2に示すトロカールAは、眼科手術に際し眼球に刺し通して角膜や強膜を切開するための刃物である。このトロカールAの材料としては、オーステナイト系ステンレス鋼であるSUS302を採用しており、素線を所定の減面率で冷間線引き加工することによって、ファイバ状に伸張された組織を有すると共に、加工硬化による高い強度を有する丸棒状に形成されている。
そして、トロカールAは、上記の如く加工された丸棒状の材料の端部をプレス加工した後研削加工して、或いは直接研削加工して直針状に構成されている。尚、本発明に係る刃物としては、本実施例に係るトロカールA以外に切開機能を有する刃付縫合針やナイフ等があり、何れも以下説明するトロカールAと同様の構成とすることが可能である。
図1、2に於いて、トロカールAには、図1に図示された平面部2と、図1の紙面裏側の不図示の平面部の二つの平面部2が交差することで一対の鋭いエッジ1が構成されている。特に、本実施例に係るトロカールAでは、エッジ1に対応する部分の断面形状(トロカールAのエッジ1が存在する部分の横断面形状)が菱形に形成されており、幅方向(図1に於ける矢印X方向)の両側に一対のエッジ1が形成され、幅方向と直行する厚さ方向(図1の紙面に対して直交する方向)の両側に切開機能を有することのない一対の峰3が形成されている。なお、トロカールAの図1の裏面側も、図1に示す形状と同じ形状となっている。
エッジ1及び平面部2は、鋭い尖端4に向かって収斂している。即ち、エッジ1及び平面部2は、尖端4を起点として傾斜して形成されている。このため、一対のエッジ1及び一対の峰3、エッジ1、峰3を構成する平面部2は夫々の傾斜に応じて互いに離隔し、胴部5に接続している。胴部5は予め設定された直径を持った丸棒状に形成されており、これにより、トロカールAは直針状に形成されている。
上記の如く構成されたトロカールAでは、エッジ1を構成した平面部2が該エッジ1から離れて胴部5に接続してゆくとき、平面部2と胴部5との間に境界6が形成される。この境界6は、平面部2と胴部5の外周面が交差することによる鈍い角度を持ったエッジを構成している。
尚、本実施例のトロカールAでは、厚さ方向の一方側に形成された二つの平面部2の尖端4側には微小平面部7が形成されており、該微小平面部7を形成することで、二つの平面部2と微小平面部7との三つの面からなる尖端4を構成している。従って、尖端4は必ず一点となり、最初に組織を刺通する際の位置精度を向上させると共に刺通抵抗を小さくすることが可能である。
図2に示すように、エッジ1に沿った平面部2の一部、即ち、図1、2に示す一点鎖線10とエッジ1との間に形成された平面部2a(一部の平面部2a)は、他の平面部2bの色と異なる色を呈している。しかし、平面部2a、2bの色の違いがある線を境として明確に表現されることは少ないため、一点鎖線10は、平面部2aと他の平面部2bの境界を便宜的に示すものである。
本件発明者が、この色の違いの原因を究明したところ、平面部2aと平面部2bに於ける酸化被膜の厚さの違いに起因していることが判明した。即ち、平面部2aでは酸化被膜が薄いため比較的金属素材に近い色となり、平面部2bでは酸化被膜が厚いため黄金色に近い色となる。尚、図2の写真では、平面部2aが濃い色を呈しており、平面部2bが白色を呈しているが、これは撮影時の照明に起因するものである。
図2に示すように、色の違う平面部2aはエッジ1に沿った平面部2の一部のみならず、境界6に沿った部分、また峰3に沿った部分にも形成されている。即ち、平面部2aは平面2の周囲に於ける略全域にわたって形成されている。しかし、刃物としては、エッジ1に沿った平面部2の一部に他の平面部2bと色の違う平面部2aが形成されていれば十分に刺通抵抗を小さくすることが可能である。
次に、短時間の電解研磨等によってエッジ1に付着したバリを除去し得るトロカールAの製造工程について簡単に説明する。
前述したように、トロカールAは冷間線引き加工して所定の強度を持ったオーステナイト系ステンレス鋼からなる丸棒状の材料を目的の長さに切断して細棒状の素材を形成している。その後、素材の一方側の端部をプレス加工して断面を菱形に成形し、この成形部分を研削加工して平面部2を形成することで、二つの平面部2が交差した部位にエッジ1が構成される。更に、二つの平面部2が交差した部位、或いはプレス加工された面によって峰3が形成され、一つの平面部2と胴部5の外周面とが交差した部位に境界6が形成される。
上記の如く、素材を研削することによって、エッジ1及び峰3、平面部2と胴部5との境界6には必然的にバリが付着する。従って、少なくともエッジ1に付着するバリを小さくすることによって、短時間の電解研磨等の処理でバリを除去することが可能である。このように、付着するバリを小さくするために、研削作業時の加工率を軽減している。
加工率の軽減は、研削時に於ける素材に対する負荷を軽減することによって実現することが可能である。例えば、研削時に於ける加工率を従来のトロカールを研削する際の1/10程度とすると、エッジ1に付着するバリを十分に小さくすることが可能となる。しかし、加工率を如何とするかは限定するものではなく、目的の刃物に対応して適宜設定すべきである。
研削時の加工率を小さくしてエッジ1に付着したバリを小さくすることによって、電解研磨等の研磨処理を行うと短時間でバリが除去され、この結果、電解研磨等に於ける処理時間を短縮することが可能となる。電解研磨等に於ける処理時間の短縮化に伴って、平面部2では一様な研磨が行われず、研磨処理にムラが生じることとなる。即ち、エッジ1に沿った平面部2aと、他の平面部2bとでは研磨の進行度合いに違いが生じることとなる。
平面部2に於ける部分的な進行度合いの違いは、酸化被膜の厚さの違い、材料成分の違い、表面粗さの違いとなって生じる。即ち、エッジ1に沿った平面部2aでは素材の厚さが薄いため、電解研磨等が速やかに進行して鉄成分の溶出量が多くなってクローム成分が多くなり、酸化被膜が薄く、且つ表面粗さが小さくなる。これに対し、他の平面部2bでは、平面部2aに比較して素材の厚さが大きくなるため、電解研磨等の進行が平面部2aよりも遅くなり、鉄成分の溶出量が小さくなってクローム成分が少なくなり、酸化被膜が厚く、且つ表面粗さが大きくなる。
このように、エッジ1に沿った平面部2aと他の平面部2bとでは、酸化被膜の厚さの違いにより異なる色となり、平面部2aに於けるクローム成分は平面部2bに於けるクローム成分よりも多くなる。
次に、本実施例に係るトロカールAと、従来のトロカール(比較例)とを比較した結果について説明する。図3は本実施例に係るトロカールAを示すと共に金属成分を定量分析したサンプリング部位を示す図である。図4は比較例に係るトロカールを示すと共に金属成分を定量分析したサンプリング部位を示す図である。スペクトル1〜5はエッジに沿った平面部に配置されており、スペクトル6〜10は他の平面部に配置されている。
本実施例では、平面研削が終了した素材を電解研磨処理している。この電解研磨は、平面部2を全長にわたって約35秒間浸漬させた後、エッジ1に対応する長さ部分を約5秒間浸漬させて処理した。この電解研磨処理によって、エッジ1に付着していたバリは全て除去された。電解研磨が終了した後、スペクトル1〜10をX線分析による定量分析を行った。
その結果、スペクトル1に於けるクローム成分は31.38%、鉄成分は60.08%、ニッケル成分は8.64%であった。また、スペクトル2に於けるクローム成分は31.45%、鉄成分は59.36%、ニッケル成分は9.19%であった。また、スペクトル3に於けるクローム成分は31.75%、鉄成分は60.10%、ニッケル成分は8.15%であった。また、スペクトル4に於けるクローム成分は29.10%、鉄成分は61.33%、ニッケル成分は9.57%であった。また、スペクトル5に於けるクローム成分は28.035%、鉄成分は63.41%、ニッケル成分は8.56%であった。
また、スペクトル6に於けるクローム成分は26.55%、鉄成分は63.57%、ニッケル成分は9.88%であった。また、スペクトル7に於けるクローム成分は26.47%、鉄成分は63.17%、ニッケル成分は10.36%であった。また、スペクトル8に於けるクローム成分は28.49%、鉄成分は61.47%、ニッケル成分は10.04%であった。また、スペクトル9に於けるクローム成分は27.40%、鉄成分は62.32%、ニッケル成分は10.28%であった。また、スペクトル10に於けるクローム成分は25.07%、鉄成分は65.16%、ニッケル成分は9.77%であった。
上記結果から、エッジ1に沿った平面部2aでは他の平面部2b(スペクトル6〜10)に比較してクローム含有量が多いといえる。特に、スペクトル1〜3は二つの平面部2のみによって薄いエッジ1が形成されているため、鉄成分の溶出が多くなってクローム成分が多くなる(それぞれ31.38%、31.45%、31.75%)ものの、スペクトル4、5では、四つの平面部が互いに接近してくるため、比較的分厚いエッジ1が形成されるため鉄成分の溶出が少なくなって、クローム成分が少なくなっている(それぞれ29.10%、28.035%)ものと思われる。
ここで、平面部2aのうち、二つの平面部2のみによって薄いエッジ1が形成されている部分としてのスペクトル1のクローム含有量(31.38%)とスペクトル6〜10のクローム含有量(それぞれ、26.55%、26.47%、28.49%、27.40%、25.07%)とを比較すると、それぞれ4.83%、4.91%、2.89%、3.98%、6.31%の差があった。
上記をまとめると、平面部2aのうち、二つの平面部2のみによって薄いエッジ1が形成されている部分(上記スペクトル1〜3などの位置で、特に、エッジ1から垂直方向に40μm以内の幅範囲)は、4つの平面部が互いに接近している先端部分(スペクトル4〜5などの位置)に比較して、クローム含有量が多く、また、平面部2b(特に、エッジ1から垂直方向に100μm以上離れた部位)に比較して、明らかにクローム含有量が多い、という結論を得ることができた。
次に比較例では、前述の実施例よりも高い電流密度で平面部を全長にわたって約50秒間浸漬して電解研磨処理を行った。この電解研磨処理によって、エッジに付着していたバリは全て除去された。電解研磨が終了した後、実施例と同様にして定量分析を行った。
その結果、スペクトル1に於けるクローム成分は27.70%、鉄成分は62.28%、ニッケル成分は9.02%であった。また、スペクトル2に於けるクローム成分は27.55%、鉄成分は62.47%、ニッケル成分は8.98%であった。また、スペクトル3に於けるクローム成分は26.55%、鉄成分は63.13%、ニッケル成分は9.32%であった。また、スペクトル4に於けるクローム成分は25.86%、鉄成分は62.95%、ニッケル成分は10.19%であった。また、スペクトル5に於けるクローム成分は25.22%、鉄成分は65.32%、ニッケル成分は9.46%であった。
また、スペクトル6に於けるクローム成分は25.87%、鉄成分は64.42%、ニッケル成分は9.71%であった。また、スペクトル7に於けるクローム成分は25.12%、鉄成分は65.00%、ニッケル成分は9.88%であった。また、スペクトル8に於けるクローム成分は25.79%、鉄成分は64.53%、ニッケル成分は9.68%であった。また、スペクトル9に於けるクローム成分は24.99%、鉄成分は65.16%、ニッケル成分は9.85%であった。また、スペクトル10に於けるクローム成分は26.26%、鉄成分は63.89%、ニッケル成分は9.85%であった。
上記比較例では、電解処理時間が十分に長く、平面部の全域にわたって一様な電解研磨が行われる。このため、鉄成分の溶出量も略均一となり、クローム含有量も略均一になっている。
尚、比較例で、エッジに沿った平面部のうち、二つの平面部のみによって薄いエッジが形成されている部分(比較例でのスペクトル4〜5などの位置)と、4つの平面部が互いに接近している先端部分(比較例でのスペクトル1〜2などの位置)のクローム含有量を比較すると、前者が25.86%、25.22%で、後者が27.70%、27.55%であり、本実施例とは逆に、二つの平面部のみによって薄いエッジが形成されている部分の方が若干少ない傾向となっていた。
本実施例のトロカールAに於けるエッジ1に沿った平面部2aと、他の平面部2bの表面粗さを計測した。その結果、平面部2aに於ける表面粗さの平均値は、Ra2.38であり、平面部2bに於ける平均値はRa3.15であった。この違いは、医療用の刃物にあっては有意な差であるといえる。
次に、本実施例に係るトロカールAと比較例に係るトロカール(図4)の刺通抵抗を比較する実験を行った。この実験は、ナイフやトロカール或いは縫合針に対する通常の刺通実験と同様に、厚さ0.45mmのポールベアを刺し通す際の力を測定することで行った。トロカールA及び比較例のトロカールを夫々5本のサンプルを用意し、各サンプルによってポールベアを3回刺し通して平均値を求め、更に、全体(述べ刺通回数15)の平均値を求めて比較した。
その結果、本実施例に係るトロカールAの平均刺通抵抗値は96.6ミリニュートン(mN)であり、最大刺通抵抗値は107.0mN、最小刺通抵抗値は78.0mNであった。これに対し比較例に係るトロカールでは、平均刺通抵抗値は139.4mNであり、最大刺通抵抗値は158.3mN、最小刺通抵抗値は118.3mNであった。
このように、本実施例に係るトロカールAの刺通性能は、比較例に係る従来のトロカールの刺通性能と比較して十分に向上したものであるといえる。
本発明は、眼科手術や脳外科手術に用いる微細なナイフやトロカール、或いは刃付縫合針に利用すると有利である。

Claims (2)

  1. 生体組織を切開するための鋭いエッジと、前記エッジを構成する平面部とを有し、前記エッジに沿った一部の平面部の色が他の平面部の色と異なり、前記エッジに沿った一部の平面部の色と他の平面部の色との違いが、酸化被膜の厚さの違いに基づくことを特徴とするエッジを有する医療用刃物。
  2. オーステナイト系ステンレス鋼によって構成され、生体組織を切開するための鋭いエッジと、前記エッジを構成する平面部とを有し、前記エッジに沿った一部の平面部のクローム含有量が他の平面部のクローム含有量よりも多いことを特徴とするエッジを有する医療用刃物。
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