JP2003172840A - 光導波路素子及びその製造方法 - Google Patents
光導波路素子及びその製造方法Info
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- JP2003172840A JP2003172840A JP2001372473A JP2001372473A JP2003172840A JP 2003172840 A JP2003172840 A JP 2003172840A JP 2001372473 A JP2001372473 A JP 2001372473A JP 2001372473 A JP2001372473 A JP 2001372473A JP 2003172840 A JP2003172840 A JP 2003172840A
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Abstract
ら、光導波路内への導波光の閉じ込めを強くでき、それ
によって小型化・高密度集積化が可能な光導波路素子を
製造する。 【解決手段】 アルカリイオンを含有するガラス基板中
にイオン交換法によって屈折率が増加した光導波路が形
成されている光導波路素子である。光導波路は、その埋
込深さが7μm以上と深い埋込型であり、且つ光導波路
の中心部とガラス基板の比屈折率差が0.75%以上と
大きい。このような光導波路素子10は、ガラス基板1
2の表面に形成した表面型光導波路(屈折率増加部分)
24の直上にイオン透過防止膜パターン26を設け、該
表面型光導波路を電界印加法によりガラス基板中に埋め
込むことによって埋込型光導波路14を形成することで
製造できる。
Description
る埋込み型の光導波路素子及びその製造方法に関し、更
に詳しく述べると、光導波路(屈折率増加部分)の中心
部と周囲のガラス基板との比屈折率差を大きくした光導
波路素子及びその製造方法に関するものである。この技
術は、光導波路内への導波光の閉じ込めを強くしてデバ
イスを小型化・高密度集積化するのに有用である。
光センサ素子、あるいはそれらの機能を組み込んだ光集
積回路などの光導波路素子を実現するためには、ガラス
基板に光導波路を形成する技術が必要となる。この種の
光導波路を形成する方法の一つにイオン交換法がある。
イオン交換法は、ガラス基板中のイオンと溶融塩中のイ
オンを置き換えることによって、ガラス基板中に屈折率
増加部分を形成する技術である。このようなイオン交換
法による光導波路の形成においては、基板表面の影響に
よる導波光の散乱や吸収を低減するために、また接続す
る光ファイバとの低損失結合のために、光導波路をガラ
ス基板の内部に埋め込むことが行われている。
より屈折率増加部分を形成する第1のイオン交換工程
と、電界印加により該屈折率増加部分を基板深さ方向に
埋め込む第2のイオン交換工程を組み合わせる2段階イ
オン交換方法である。このようにして埋め込んだ屈折率
増加部分が光導波路として機能することになる。
成した光導波路は、その埋め込み深さが大きくなるほど
基板表面の影響(基板表面の荒れや基板表面に存在する
材料などによる導波光の散乱や吸収)を受け難くなり、
低損失の光導波路を実現できる。2段階イオン交換方法
により屈折率増加部分を埋め込む場合、屈折率増加部分
を担うイオンは電界による拡散と熱による拡散との2つ
の効果で埋め込まれる。しかし、電界による拡散は電界
の方向にイオンが移動するが、熱による拡散はイオンが
イオン濃度の濃い中心部分から放射状に拡がる。従っ
て、埋め込み深さが大きくなればなるほど、屈折率増加
部分における屈折率増加に寄与する交換イオン種の断面
イオン濃度分布形状は拡がりをもち、光が伝搬するコア
に相当する屈折率増加部分の中心部とクラッドに相当す
る周囲のガラス基板との屈折率差が小さくなる。
分を基板深さ方向に埋め込む場合、屈折率増加部分を形
成するイオンは、基板深さ方向へ拡散するのと同時に、
一部は基板表面から溶融塩中へ拡散してしまう。そのこ
とも屈折率差を小さくする要因となっている。
ラス基板との比屈折率差は小さく、一般的には0.3〜
0.5%程度であり、最適条件でも0.5〜0.6%が
限界であった。そのため、光導波路内への導波光の閉じ
込めが弱く、曲がり光導波路の曲率半径Rを小さくでき
ないので、光導波路素子が大型化する問題があった。
波路内への導波光の閉じ込めを強くでき、それによって
小型化・高密度集積化が可能な光導波路素子を提供する
ことである。本発明の他の目的は、光導波路の埋込深さ
を大きく、且つ光導波路の中心部とガラス基板の比屈折
率差を大きくできる光導波路素子の製造方法を提供する
ことである。本発明の更に他の目的は、電界印加により
屈折率増加部分を基板深さ方向に埋め込むイオン交換工
程で用いるイオン交換防止膜パターンをアライメントレ
スで形成でき、そのためばらつきの小さな光導波路を容
易に作製できるようにした光導波路素子の製造方法を提
供することである。
ンを含有するガラス基板中にイオン交換法によって屈折
率が増加した光導波路が形成されている光導波路素子に
おいて、光導波路は、その中心部のガラス基板表面から
の埋込深さが7μm以上の埋込型であり、且つ光導波路
の中心部と周囲のガラス基板の比屈折率差が0.75%
以上になっていることを特徴とする光導波路素子であ
る。ここで典型的な例では、光導波路を形成する屈折率
増加に寄与する交換イオン種は、Ag,Tl,Cs,R
b,Li,Kから選ばれる1種以上のイオンであり、基
板ガラスはLi,Na,Kから選ばれる1種以上を含む
ものである。
ガラス基板中のイオンと溶融塩中のイオンをイオン交換
法により置き換えることで屈折率が増加した光導波路を
形成する光導波路素子の製造方法において、ガラス基板
の表面直下に形成した表面型光導波路の直上にイオン透
過防止膜パターンを設け、該表面型光導波路を電界印加
法によりガラス基板中に埋め込むことにより埋込型光導
波路を形成することを特徴とする光導波路素子の製造方
法である。
波路パターンに対応する開口を設けたイオン透過防止マ
スクで被覆し、それを屈折率を増加させるイオンを含む
溶融塩中に浸漬し前記開口からイオンを拡散させること
で表面型光導波路を形成する工程、(B)表面型光導波
路の直上に、表面型光導波路に沿ってイオン透過防止膜
パターンを設け、表面型光導波路を電界印加法によりガ
ラス基板中に埋め込んで埋込型光導波路を形成する工
程、を具備する構成とする。表面型光導波路の直上に設
けるイオン透過防止膜パターンの幅は、表面型光導波路
幅の70〜120%に設定するのが好ましい。
ガラス基板中のイオンと溶融塩中のイオンを、イオン交
換法により置き換えることで屈折率が増加した光導波路
を形成する光導波路素子の製造方法において、(A)ガ
ラス基板の表面を、光導波路パターンに対応する開口を
設けた金属マスクで被覆し、それを屈折率を増加させる
イオンを含む溶融塩中に浸漬し前記開口からイオンを拡
散させることで表面型光導波路を形成する工程、(B−
1)ガラス基板及び金属マスクの上に、露光により可溶
化するレジスト層を形成し、ガラス基板の裏面から前記
金属マスクを露光マスクとしてレジスト層を露光し、露
光により可溶化した部分を除去し、レジスト層及びガラ
ス基板の表面を覆うイオン透過防止膜を形成し、リフト
オフによりレジスト層とその上のイオン透過防止膜を除
去し、更にエッチングにより金属マスクを除去すること
により表面型光導波路の直上にイオン透過防止膜パター
ンを設ける工程、(B−2)電界印加法により表面型光
導波路をガラス基板中に埋め込んで埋込型光導波路を形
成する工程、を具備していることを特徴とする光導波路
素子の製造方法である。
度の高い下層と露光感度の低い上層の2層構成とした
り、露光により可溶化した部分を除去するときのレジス
ト層の断面が逆テーパ形状になるレジスト剤を使用する
と、次のリフトオフ操作が容易となる。
Au,Ptのいずれかで構成する。イオン透過防止膜パ
ターンは、Ti,Al,Cr,Au,Ptのいずれかと
し膜厚を5nm以上とするか、あるいはSiO2 又はAl
2 O3 とし膜厚を100nm以上とする。これら金属マス
クとなる金属膜又はイオン透過防止膜パターンとなるイ
オン透過防止膜は、スパッタ法又は蒸着法などで形成す
る。ガラス基板は、そのアルカリイオンの含有率が5〜
30モル%であることが好ましい。
の一例を示す断面図であり、Aは概略の位置関係を、B
は拡大した埋込型光導波路を示している。この光導波路
素子10は、アルカリイオンを含有するガラス基板12
中に、イオン交換法によって屈折率が増加した埋込型光
導波路14が形成されている構造である。ここで埋込型
光導波路14は、その中心部(屈折率が最も高い部分)
のガラス基板表面からの埋込深さdが7μm以上であ
り、且つ光導波路14の中心部とガラス基板の比屈折率
差Δnが0.75%以上になっている。ここで、比屈折
率差Δnは、 Δn={(nc −ns )/nc }×100 但し、nc :光導波路(屈折率増加部分)の中心部の屈
折率 ns :ガラス基板の屈折率 で定義される値である。
Kの1種以上のイオンを含むものであり、光導波路を形
成する屈折率増加に寄与する交換イオン種は、Ag,T
l,Cs,Rb,Li,Kから選ばれる1種以上のイオ
ンとする。図1のBでは、屈折率増加に寄与する交換イ
オンの断面濃度分布を等濃度線で示している。この埋込
型光導波路14は、基板表面に向かって尾を引くような
形状に描いてある。これは以下に述べる製造方法に起因
するものであり、このようなイオン濃度分布であっても
光導波路としての機能には特に問題はない。
深さdを7μm以上、より好ましくは10μm以上まで
深くすることによって、基板表面の影響(表面荒れや表
面に設けた部材などの影響)を受け難くなり、低損失化
が可能となる。しかも、光導波路14の中心部と周囲の
ガラス基板12の比屈折率差を0.75%以上、より好
ましくは0.90%以上と大きくすることによって、光
導波路14内への導波光の閉じ込めが強くなり、曲がり
光導波路の曲率半径を小さくできるため、小型化・高密
度集積化が可能となる。
法の一例を示す工程説明図である。この方法は、表面型
光導波路を形成する第1のイオン交換工程と、その表面
型光導波路を電界印加法によりガラス基板中に埋め込む
第2のイオン交換工程との2段階イオン交換方法を利用
している。
ン交換工程は、詳細に見ると、(1)ガラス基板12の
表面を、光導波路パターンに対応する開口20を設けた
イオン透過防止マスク22で被覆する工程、(2)その
ガラス基板を、屈折率を増加させるイオンを含む溶融塩
中に浸漬し前記開口20からイオンを拡散させることで
表面型光導波路24を形成する工程、(3)付着してい
るイオン透過防止マスクを除去する工程、からなる。
形成する第1のイオン交換工程は、従来技術と同様であ
ってよい。ガラス基板中のイオンと溶融塩中のイオンと
の交換が生じ、熱拡散によってガラス基板の表面直下に
屈折率増加部分(表面型光導波路24)が形成される。
ガラス基板中に埋め込む第2のイオン交換工程は、詳細
に見ると、(4)形成されている表面型光導波路24の
直上に、該表面型光導波路24に沿ったイオン透過防止
膜パターン26を設ける工程、(5)表面型光導波路を
電界印加法によりガラス基板中に埋め込むことで埋込型
光導波路14を形成する工程、(6)付着しているイオ
ン透過防止膜パターンを除去する工程、からなる。この
ようにして光導波路素子10が得られる。電界を印加す
る第2のイオン交換工程において、表面型光導波路24
の直上にイオン透過防止膜パターン26を設けており、
この点が本発明の特徴である。
加部分がイオン透過防止膜パターンによって保護され、
ガラス基板が溶融塩に接触していても屈折率増加を担う
イオンが溶融塩に接することはなく、溶融塩中に拡散す
るのを防ぐことができる。
て電界を印加すると、イオン透過防止膜パターンの直下
は溶融塩側からのイオンの供給が無くなるため、イオン
透過防止膜パターンの両端から中心方向に向かおうとす
る電界と、それによるイオンの流れが生じる。この様子
をシミュレートした結果を図3に示す。ここで、符号3
0は溶融塩を示し、符号32で示す各曲線は電流密度の
分布を表している。図3に示す通り、電流の流れる方向
はイオン透過防止膜パターン26から真下では両端から
中心方向に向かっている。この電流密度の流れる方向
が、熱による拡散方向を打ち消す作用を果たすため、屈
折率増加部分(光導波路)の断面イオン濃度分布形状を
拡がらせることなく電界印加による深い埋め込みを実現
できるのである。
ってガラス基板中に埋め込まれていく様子のシミュレー
ション結果を図4に示す。Aはイオン交換処理開始時点
でのイオン濃度分布、Bは電界印加10分後のイオン濃
度分布、Cは電界印加20分後のイオン濃度分布を示し
ている。第1のイオン交換工程で得られた屈折率増加部
分のイオン濃度分布は、第2のイオン交換工程で拡がる
ことなく深さ方向に埋め込まれることが確認できた。C
に示すように、埋め込まれた光導波路14は、周辺部で
はイオン透過防止膜パターンの影響でガラス基板表面方
向に尾を引くようなイオン濃度分布となるが、イオン濃
度の高い中心部ではほぼ円形状となるため、前述のよう
に光導波路としては特に問題なく使用できる。
Cr,Au,Pt等の金属膜、あるいはSiO2 ,Al
2 O3 等のセラミック膜がある。イオン透過防止膜パタ
ーンの両端から中心への電流密度の流れを起こすため
に、その膜厚は、金属膜の場合には5nm以上、セラミッ
ク膜の場合には100nm以上であることが望ましい。な
お、イオン透過防止膜は、スパッタ法あるいは蒸着法で
形成することができる。
b,Li,Kイオンのいずれか1種とイオン交換可能な
Li,Na,Kのいずれか1種以上を含む材質が望まし
い。上記のような屈折率増加効果をもたせるためには、
ガラス基板中に含まれるアルカリイオンの含有量は、5
〜30モル%とするのが望ましい。ガラス材料として
は、ケイ酸塩ガラス、リン酸塩ガラス、テルライトガラ
ス、ビスマスガラス、鉛ガラス、カルコゲナイトガラス
などがある。
は、ガラス基板の表面に形成した表面型光導波路の直上
に、アライメントしてイオン透過防止膜パターンを形成
している。しかし、光導波路素子の小型化・高密度化に
伴い、形成する光導波路の幅が狭まると、光導波路とイ
オン透過防止膜パターンのアライメント精度がサブミク
ロン・オーダーというような非常に厳しい制約が生じ
る。その場合、ミスアライメント量が1μm以上になる
と、光導波路の形状、埋め込み深さが設計値からずれて
しまうため、製造時の歩留まりが低下する。アライメン
ト精度を上げるには、より高精度の高価な設備を必要と
し、製造効率も低下する。
方法の他の例を示す工程説明図であり、上記の技術的課
題を解決できる方法を示している。この方法も、表面型
光導波路を形成する第1のイオン交換工程と、その表面
型光導波路を電界印加法によりガラス基板中に埋め込む
第2のイオン交換工程との2段階イオン交換方法を利用
している。
換工程は、詳細に見ると、(a)ガラス基板12の表面
を、光導波路パターンに対応する開口40を設けた金属
マスク42で被覆する工程、(b)それを屈折率を増加
させるイオンを含む溶融塩中に浸漬し前記開口40から
イオンを拡散させることで表面型光導波路24を形成す
る工程、からなる。この方法では金属マスク42はその
まま残しておく。
透過防止膜パターンを形成する。その工程を詳細に見る
と、(c)ガラス基板12及び金属マスク42の上に、
露光により可溶化するフォトレジストを塗布しレジスト
層46を形成する工程、(d)ガラス基板12の裏面か
ら金属マスク42を露光マスクとして光を照射すること
により、セルフアライメント法でレジスト層46を露光
する工程、(e)露光により可溶化したレジスト部分を
除去する工程、(f)レジスト層46及び露出したガラ
ス基板12の表面を覆うイオン透過防止膜48を形成す
る工程、(g)リフトオフによりレジスト層46とその
上のイオン透過防止膜48を除去する工程、(h)エッ
チングにより金属マスク42を除去することにより表面
型光導波路24の直上にイオン透過防止膜パターン50
を設ける工程、からなる。
で電界を印加する電界印加法により、表面型光導波路を
ガラス基板12中に埋め込むことで埋込型光導波路14
を形成する工程、からなり、最後に(j)エッチングに
よりイオン透過防止膜パターン50を除去する工程、を
経て光導波路素子10を製造する。
は、Ti,Al,Cr,Au,Ptのいずれかとする。
(d)の露光工程では、この金属マスク自身が、その上
に形成したレジスト層に対する露光マスクとなる。ガラ
ス基板が光透過性であることを利用して、裏面側からの
光照射で金属マスクの開口部のレジスト層を露光し、そ
の部分を可溶化するのである。従って、ミスアライメン
トが生じる恐れは全くない。
様であってよい。但し、(h)の工程で、エッチングに
より金属マスクを除去する際にイオン透過防止膜パター
ンが残らねばならない。そのためには、金属マスクとイ
オン透過防止膜パターンの材質を変えて金属マスクの方
が選択的にエッチングされるようにしてもよいし、イオ
ン透過防止膜パターンの膜厚を厚くして、金属マスクの
エッチングによる除去の方が早く完了するようにしても
よい。
に、レジスト層60を露光感度の高い下層60aと露光
感度の低い上層60bの2層構成とする方法もある。こ
のようにすると、ガラス基板12の裏面側から露光して
可溶化部分を除去したレジスト層は、図6のAに示すよ
うな構造となる。レジスト層形成の際、形成されるレジ
スト層の断面が逆テーパ形状になるレジスト剤を使用す
る方法もある。このようにすると、ガラス基板の裏面側
から露光して可溶化部分を除去したレジスト層64は、
図6のBに示すような構造となる。いずれにしても、こ
のように上部が張り出すような形状とすると、イオン透
過防止膜の一部を取り除くリフトオフ操作を容易に行う
ことができる。
のみが含まれるアルミノボロシリケート系ガラス基板上
に所定の光導波路パターンに対応した開口を有するイオ
ン透過防止マスクを形成した。そして、第1のイオン交
換工程では、硝酸銀よりなる溶融塩中(溶融塩温度:2
60℃)で60分間のイオン交換を行い、ガラス基板の
表面直下に屈折率増加部分を形成した。次に、エッチン
グによりイオン透過防止マスクを除去した後、前記工程
で形成した屈折率増加部分の直上にイオン透過防止膜パ
ターンを形成した。更に、第2のイオン交換工程とし
て、Naイオンを含有する溶融塩中(溶融塩温度:26
0℃)に浸漬しながらイオン透過防止膜パターンが形成
されている側を正電位とし反対側を負電位とするよう
に、直流電源によりガラス基板にほぼ垂直に電界(電界
強度:150V/mm)を印加し、20分間のイオン交換
を行い屈折率増加部分(光導波路)を埋め込んだ。最後
に、エッチングによりイオン透過膜パターンを除去し
た。
換工程後にイオン透過防止膜パターンを形成せず、それ
以外は全く同じ手順で光導波路を作製した。
屈折率増加イオンの濃度プロファイルをBSE(後方散
乱電子線)により分析した。その結果、実施例で作製し
た光導波路は埋め込み深さ7μm以上で、しかも光導波
路の中心部とガラス基板の比屈折率差が1.0%以上で
あることが確認でき、屈折率増加部分の断面イオン濃度
分布形状を拡がらせることなく電界印加による埋め込み
が達成できることが判明した。それに対して比較例で作
製した光導波路は、埋め込み深さは7μm以上である
が、光導波路の中心部とガラス基板の比屈折率差は0.
5〜0.6%が限界であった。
10μmであり、シングルモードの光が伝搬することが
確認できた。
m以上となるようにイオン交換法によって埋込型光導波
路が形成され、その光導波路の中心部とガラス基板との
比屈折率差を0.75%以上とした光導波路素子である
から、低損失でありながら導波光の閉じ込めが強く、曲
がり導波路の曲率半径を小さくできるため、小型化・高
密度集積化が可能となる。
成した表面型光導波路の直上にイオン透過防止膜パター
ンを設け、電界印加法によりガラス基板中に埋め込む光
導波路素子の製造方法であるから、屈折率増加部分が拡
がるのを抑制しつつ埋め込むことができるため、光導波
路の中心部とガラス基板の比屈折率差を大きくでき、し
かも光導波路を深く埋め込むことができる。
であることを利用して、第1のイオン交換工程で用いる
金属マスクを、その上に形成したレジスト層に対する露
光マスクとして、裏面側からの光照射で金属マスクの開
口部のレジストを露光する方法であるので、ミスアライ
メントが発生する恐れは全くなく、高価な設備を必要と
せずに容易にイオン透過防止膜パターンを形成すること
ができる。
図。
示す工程説明図。
図。
時的変化を示す説明図。
例を示す工程説明図。
図。
Claims (13)
- 【請求項1】 アルカリイオンを含有するガラス基板中
にイオン交換法によって屈折率が増加した光導波路が形
成されている光導波路素子において、光導波路は、その
中心部のガラス基板表面からの埋込深さが7μm以上の
埋込型であり、且つ光導波路の中心部と周囲のガラス基
板の比屈折率差が0.75%以上になっていることを特
徴とする光導波路素子。 - 【請求項2】 光導波路を形成する屈折率増加に寄与す
る交換イオン種が、Ag,Tl,Cs,Rb,Li,K
から選ばれる1種以上のイオンであり、ガラス基板がL
i,Na,Kから選ばれる1種以上を含むものである請
求項1記載の光導波路素子。 - 【請求項3】 アルカリイオンを含有するガラス基板中
のイオンと溶融塩中のイオンをイオン交換法により置き
換えることで屈折率が増加した光導波路を形成する光導
波路素子の製造方法において、ガラス基板の表面直下に
形成した表面型光導波路の直上にイオン透過防止膜パタ
ーンを設け、該表面型光導波路を電界印加法によりガラ
ス基板中に埋め込むことにより埋込型光導波路を形成す
ることを特徴とする光導波路素子の製造方法。 - 【請求項4】 アルカリイオンを含有するガラス基板中
のイオンと溶融塩中のイオンを、イオン交換法により置
き換えることでガラス基板中に屈折率が増加した光導波
路を形成する光導波路素子の製造方法において、ガラス
基板の表面を、光導波路パターンに対応する開口を設け
たイオン透過防止マスクで被覆し、それを屈折率を増加
させるイオンを含む溶融塩中に浸漬し前記開口からイオ
ンを拡散させることで表面型光導波路を形成する工程、
該表面型光導波路の直上にイオン透過防止膜パターンを
設け、表面型光導波路を電界印加法によりガラス基板中
に埋め込んで埋込型光導波路を形成する工程、を具備し
ていることを特徴とする光導波路素子の製造方法。 - 【請求項5】 表面型光導波路の直上に設けるイオン透
過防止膜パターンの幅が、表面型光導波路幅の70〜1
20%に設定されている請求項3又は4記載の光導波路
素子の製造方法。 - 【請求項6】 アルカリイオンを含有するガラス基板中
のイオンと溶融塩中のイオンを、イオン交換法により置
き換えることでガラス基板中に屈折率が増加した光導波
路を形成する光導波路素子の製造方法において、ガラス
基板の表面を、光導波路パターンに対応する開口を設け
た金属マスクで被覆し、それを屈折率を増加させるイオ
ンを含む溶融塩中に浸漬し前記開口からイオンを拡散さ
せることで表面型光導波路を形成する工程、ガラス基板
及び金属マスクの上に、露光により可溶化するレジスト
層を形成し、ガラス基板の裏面から前記金属マスクを露
光マスクとしてレジスト層を露光し、露光により可溶化
した部分を除去し、レジスト層及び露出したガラス基板
の表面を覆うイオン透過防止膜を形成し、リフトオフに
よりレジスト層とその上のイオン透過防止膜を除去し、
更にエッチングによって金属マスクを除去することによ
り表面型光導波路の直上にイオン透過防止膜パターンを
設ける工程、電界印加法により表面型光導波路をガラス
基板中に埋め込んで埋込型光導波路を形成する工程、を
具備していることを特徴とする光導波路素子の製造方
法。 - 【請求項7】 レジスト層形成の際、レジスト層を露光
感度の高い下層と露光感度の低い上層の2層構成とする
請求項6記載の光導波路素子の製造方法。 - 【請求項8】 レジスト層形成の際、露光により可溶化
した部分を除去したときのレジスト層の断面が逆テーパ
形状になるレジスト剤を使用する請求項6記載の光導波
路素子の製造方法。 - 【請求項9】 金属マスクが、Ti,Al,Cr,A
u,Ptのいずれかからなる請求項6乃至8のいずれか
に記載の光導波路素子の製造方法。 - 【請求項10】 イオン透過防止膜パターンが、Ti,
Al,Cr,Au,Ptのいずれかからなり、その膜厚
が5nm以上である請求項3乃至9のいずれかに記載の光
導波路素子の製造方法。 - 【請求項11】 イオン透過防止膜パターンが、SiO
2 又はAl2 O3 からなり、その膜厚が100nm以上で
ある請求項3乃至9のいずれかに記載の光導波路素子の
製造方法。 - 【請求項12】 金属マスクとなる金属膜又はイオン透
過防止膜を、スパッタ法又は蒸着法で形成する請求項3
乃至11のいずれかに記載の光導波路素子の製造方法。 - 【請求項13】 アルカリイオンの含有率が5〜30モ
ル%のガラス基板を用いる請求項3乃至12のいずれか
に記載の光導波路素子の製造方法。
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