JP2003172089A - 掘削工具 - Google Patents

掘削工具

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JP2003172089A
JP2003172089A JP2002249411A JP2002249411A JP2003172089A JP 2003172089 A JP2003172089 A JP 2003172089A JP 2002249411 A JP2002249411 A JP 2002249411A JP 2002249411 A JP2002249411 A JP 2002249411A JP 2003172089 A JP2003172089 A JP 2003172089A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 削孔壁の崩落を防止して良好に掘削できる掘
削工具を提供する。 【解決手段】 ケーシングパイプ11の先端部にケーシ
ングトップ12が軸線O方向に移動可能かつ回転可能に
取り付けられ、ケーシングトップ12は、先端側に掘削
ビット15のスカート部15bの外周まで張り出す張り
出し筒部23を有する構成とした。そして、ケーシング
トップ12の内周部及びデバイス14の外周部間に、ロ
ッド13に伝達された推力と打撃をケーシングトップ1
2に伝達するとともに、ケーシングトップ12をケーシ
ングパイプ11に対して軸線O方向に対して移動させる
推力打撃伝達手段22を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、掘削工具に係り、
特に略円筒状のケーシングパイプ内に、先端に掘削ビッ
トが装着されたロッドを挿入した、いわゆる二重管ビッ
ト式の掘削工具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アンカー工事や各種掘削工事、基礎杭工
事、トンネル先受け工事、水抜きボーリング工事などの
土木工事において、地盤の掘削を行う場合、円筒状のケ
ーシングパイプ内に挿入されたロッドの先端に掘削ビッ
トを装着した二重管ビット式の掘削工具が多用されてお
り、前記ロッドを介して掘削ビットに回転及び打撃振動
等を与えて掘削を行い、こうして掘削された削孔にケー
シングパイプを建て込んで削孔の崩落を防ぐようにして
いる。
【0003】図7はそのような従来の一構成例を示して
いる。図7において、符号1は略円筒状をなすケーシン
グパイプであって、その内周部にロッド2が挿入されて
おり、このロッド2の先端には、デバイス3(掘削工具
本体)がその先端をケーシングパイプ1から突出させた
状態で取り付けられている。そして、デバイス3の突出
した先端に掘削ビット4が螺着されている。この掘削ビ
ット4は、掘削終了後にデバイス3から取り外されて削
孔内に取り残し可能とされる、いわゆるロストビットと
称されるものであり、先端面には掘削用のチップが設け
られている。
【0004】また、ケーシングパイプ1の先端部にはケ
ーシングトップ5が溶接されることによって取り付けら
れている。ケーシングトップ5は、通常では図8に示す
ように、掘削ビット4との間で所定の距離Lを隔ててお
り、削孔が終了して掘削ビット4が後端側へ移動される
と、掘削ビット4のスカート部4aに嵌合し、その状態
でロッド2を掘削ビット4ごと掘削時と反対方向に回転
することにより、掘削ビット4をデバイス3から取り外
せるようになっている。
【0005】前記ロッド2は、ケーシングパイプ1の内
径より一回り小さな外径を有する厚肉の略円筒状に形成
されていて、ケーシングパイプ1の軸線と同軸上に挿入
されている。なお、外形が略正六角柱状の六角ロッドが
使用されることもある。また、ロッド2の後端部には図
示していないが、ロッドアダプタが連結され、そのロッ
ドアダプタに削岩機などのような掘削装置の駆動軸が取
り付けられている。さらに、ケーシングパイプ1の後端
部にも図示しない筒状のフロントアダプタが連結され、
このフロントアダプタが前記ロッドアダプタに取り付け
られている。
【0006】そして、駆動軸の駆動装置によってロッド
アダプタに回転力が伝えられると共に、軸線の先端側に
向けて打撃振動が伝えられ、その回転及び打撃振動がロ
ッドアダプタを介してロッド2に伝わり、掘削ビット4
が回転しかつ打撃しながら地盤を削孔する一方、ロッド
アダプタからフロントアダプタを介しケーシングパイプ
1の後端部に打撃振動が伝わることにより、ケーシング
パイプ1と、このケーシングパイプ1に一体化して取り
付けられたケーシングトップ5とが削孔内に建て込まれ
ていくこととなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記に示す
従来の掘削工具は、削孔時に発生する削孔ずりを取り込
むため、ケーシングパイプ1に一体化して取り付けられ
たケーシングトップ5と掘削ビット4との間の隙間Lが
所定の間隔を保つように構成されている。
【0008】ところが、崩落が激しい地山の削孔におい
て孔壁崩壊が生じると、図8に示すように、ケーシング
トップ5と掘削ビット4との間の隙間Lに崩落した土砂
dが入ってしまうので、削孔の周壁から崩れた土砂dに
よってケーシングトップ5の削孔への建て込みが妨害さ
れてしまい、削孔ずりを取り込むことができなくなるば
かりでなく、掘削工具そのものが破損してしまう問題が
あった。また、こうして掘削ずりを取り込んで排出する
ことができなくなると、ケーシングパイプ1及びケーシ
ングトップ5への外圧抵抗が高くなって、例えばケーシ
ングパイプ1が鋼製であってもその両端のジョイント部
の薄肉となる部分が変形して継ぎ足しができなくなるな
ど、破損が生じてしまうという問題もある。そして、こ
のようにケーシングパイプ1やケーシングトップ5、あ
るいは掘削工具そのものに破損が生じると、掘削後、掘
削ビット4の切り離しができなくなり、ロッド2が回収
できなくなるといった問題が起きる。
【0009】本発明は、前記事情に鑑み、削孔壁の崩落
を防止して良好に削孔を掘削し、確実にケーシングパイ
プを建て込むことができる掘削工具を提供することを目
的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に本発明においては、以下の手段を採用した。本発明で
は、軸線方向に推力と打撃が伝達されるケーシングパイ
プと、このケーシングパイプの内部に同芯上に配置され
ていて、軸線方向に推力と打撃が伝達されると共に回転
力が伝達されるロッドと、該ロッドの先端部に取り付け
られた掘削工具本体と、該掘削工具本体の先端にこの掘
削工具本体に対する回転が拘束されて装着される掘削ビ
ットとを備えた掘削工具において、前記ケーシングパイ
プの先端には、前記ケーシングパイプに対して軸線方向
に移動可能でかつ軸線周りに回転可能な円筒状のケーシ
ングトップが前記掘削工具本体に外嵌されるようにして
取り付けられ、前記ケーシングトップの先端には、前記
掘削ビットの外周部まで張り出す張り出し筒部が形成さ
れ、前記ケーシングトップの内周部及び前記掘削工具本
体の外周部間に、前記ロッドに伝達された推力と打撃を
前記ケーシングトップに伝達するとともに、前記ケーシ
ングトップを軸線方向に移動させる推力打撃伝達手段を
設けたことを特徴とする。
【0011】掘削ビットによる削孔時、ケーシングトッ
プの内周部及び掘削工具本体の外周部間に設けられた推
力打撃伝達機構により、ケーシングトップを前方に打撃
することができ、掘削工具本体に推力と打撃が伝わる度
にケーシングトップを前方に押し込む一方、ケーシング
トップの先端に掘削ビットの外周まで張り出す張り出し
筒部が設けられているので、掘削工具本体を常に包囲し
た状態でケーシングトップを削孔に建て込むことができ
る。張り出し筒部によってケーシングトップと掘削ビッ
トとの間の隙間を小さくすることができるので、削孔壁
が崩落しても崩落した土砂がこの隙間に入り込んで掘削
ずりの取り込みが妨害されたりすることがなくなり、掘
削ずりの排出不良を防いで掘削作業を良好に行うことが
できる。また、上述したように掘削工具本体によってケ
ーシングトップを打撃すると、ケーシングトップに対し
適正な打撃力を伝達することができる。そのため、従来
のようにケーシングパイプからケーシングトップに打撃
力を伝達するような場合には、ケーシングトップへの打
撃力が減衰され、ケーシングトップの削孔に対しての建
て込み力が弱まるおそれがあるが、本発明によれば、剛
性の高いロッドに取り付けられた掘削工具本体によって
ケーシングトップに打撃力を減衰させることなく確実に
伝達することができ、ケーシングトップを的確に建て込
ませることができる。
【0012】加えて、建て込みにかかる抵抗は、ケーシ
ングパイプに対して軸線方向に移動可能とされたこのケ
ーシングトップに専ら作用し、後続のケーシングパイプ
への抵抗を軽減することができるので、このケーシング
パイプに与えられる打撃力や推力は少なくて済み、過大
な打撃力や推力が与えられてケーシングパイプが破損す
るような事態も防ぐことができる。また、このようにケ
ーシングトップがケーシングパイプに対して軸線方向に
移動可能とされることにより、例えば複数のケーシング
パイプやロッドを継ぎ足して深い削孔を掘削する場合に
おいて、これらのケーシングパイプとロッドとの軸線方
向の長さが変化したり、製造仕上がり寸法に誤差が生じ
たりしても、これに拘わらずケーシングパイプ先端のケ
ーシングトップや掘削ビットには確実に掘削工具本体を
介してロッドから推力や打撃力を伝達することができ
る。
【0013】ところで、このようにケーシングトップを
ケーシングパイプに対して軸線方向に移動可能とするに
しても、ケーシングトップがケーシングパイプ先端から
抜け外れたりするのを防ぐためには、ケーシングトップ
は、前記ケーシングパイプに対する前記軸線方向の少な
くとも先端側への移動範囲を制限するケーシング係止機
構を介して該ケーシングパイプの先端に取り付けられる
のが望ましい。ここで、こうしてケーシングトップをケ
ーシングパイプに対して軸線方向に移動可能にその先端
に取り付けるには、これらケーシングトップとケーシン
グパイプとを、一方の内周に他方を嵌挿して取り付ける
のが容易であり、そのような場合においては、まず第1
に、前記ケーシング係止機構を、これらケーシングトッ
プとケーシングパイプとの互いに嵌挿される内外周のう
ち、一方に取り付けられた前記軸線に対する径方向に拡
縮径可能な弾性部材と、他方にこの弾性部材を収容可能
に形成された収納凹部とから構成することにより、その
弾性によって拡径または縮径して前記収納凹部内に収容
された弾性部材の軸線方向の移動が、この収納凹部が形
成された範囲内に制限されるので、これに伴いケーシン
グトップとケーシングパイプの一方に対する他方の軸線
方向の移動も、この収納凹部の範囲内に制限することが
できる。また、前記と同様にケーシングトップとケーシ
ングパイプとが、一方の内周に他方が嵌挿されて取り付
けられている場合において、第2に、前記ケーシング係
止機構を、これらケーシングトップとケーシングパイプ
との互いに嵌挿される内外周にそれぞれ形成された互い
に螺合可能な雌雄ネジ山部と、各雌雄ネジ山部に連続し
て反対側のネジ山部を収容可能に形成された前記軸線方
向に延びる収納凹部とから構成することもでき、これら
雌雄ネジ山部を螺合させ、さらにねじ込んで雄ネジ山部
を雌ネジ山部に連続する収納凹部に、雌ネジ山部を雄ネ
ジ山部に連続する収納凹部にそれぞれ収容することによ
り、軸線方向においてこれらの収納凹部の長さの範囲内
でケーシングトップとケーシングパイプとの一方に対す
る他方の移動を制限することができる。
【0014】一方、前記掘削ビットも、前記ケーシング
トップに対して前記軸線方向に移動可能とされていても
よく、ただしこの場合でも掘削ビットの不用意な脱落を
防ぐには、このケーシングトップに対する掘削ビットの
前記軸線方向の少なくとも先端側への移動範囲を制限す
るビット係止機構を介して該ケーシングトップの先端に
取り付けられるのが望ましい。そして、掘削ビットはそ
の外周部がケーシングトップの前記張り出し筒部の内周
部に収容されて取り付けられることとなるので、このよ
うなビット係止機構を、前記ケーシング係止機構と同
様、第1に、前記掘削ビットの外周部と前記張り出し筒
部の内周部とのうち、一方に取り付けられた前記軸線に
対する径方向に拡縮径可能な弾性部材と、他方にこの弾
性部材を収容可能に形成された前記軸線方向に延びる収
納凹部とから構成することができ、また第2には、前記
掘削ビットの外周部と前記張り出し筒部の内周部とにそ
れぞれ形成された互いに螺合可能な雌雄ネジ山部と、各
雌雄ネジ山部に連続して反対側のネジ山部を収容可能に
形成された前記軸線方向に延びる収納凹部とから構成す
ることができる。しかも、このようなビット係止機構に
よって掘削ビットの先端側への移動を制限しておけば、
掘削途中で掘削工具本体を掘削ビットから分離しても、
掘削ビットはケーシングトップから脱落することなく、
また前記軸線と同芯上に保持されているため、再度掘削
工具本体の先端に掘削ビットを容易に装着することが可
能となる。
【0015】また、前記ケーシングトップの最大径部の
外径を、前記掘削ビットの最大外径以下で、かつ前記ケ
ーシングパイプの外径以上とすれば、当該掘削工具の外
径は先端の掘削ビットから、ケーシングトップ、ケーシ
ングパイプと後端側に向けて大きくなることがなくな
り、削孔ずりがケーシングパイプの外周にまで流れ込み
難くなってケーシングパイプに作用する外圧抵抗の低減
を図ることができるとともに、このケーシングパイプの
外径よりは最大外径が大きいケーシングトップがガイド
となって削孔が形成されるため、削孔の直進性を確保し
て孔曲がりを防ぐことができ、このような孔曲がりによ
りケーシングパイプに抵抗が作用するのも防ぐことが可
能となる。この点、例えばケーシングパイプの外径がケ
ーシングトップの外径よりも大きく、逆に掘削された削
孔の内周との間隔はケーシングトップ部分の方がケーシ
ングパイプ部分よりも大きいとすると、仮にこれらケー
シングトップ、ケーシングパイプの外周に削孔ずり流れ
込んだ場合、間隔が大きくされたケーシングトップの外
周に削孔ずりが滞留することによりやがては外圧抵抗と
なって削孔の障害となってしまうが、上述のようにケー
シングトップの最大径部の外径をケーシングパイプの外
径以上とすれば、削孔ずりをケーシングトップの外周か
ら後端側にスムーズに排出させることもできる。さら
に、上述のようにケーシングトップとケーシングパイプ
とを、一方の内周に他方を嵌挿して取り付ける場合で
も、ケーシングトップの内周にケーシングパイプの先端
を嵌挿して取り付けるようにすれば、これらケーシング
トップとケーシングパイプとの嵌挿部分に削孔ずりが溜
まってケーシングトップが軸線方向に移動不可能となる
ような事態を防止することができる。
【0016】さらにまた、前記掘削工具本体から掘削ビ
ットに回転力を伝達するには、前記掘削ビットの後端部
に前記掘削工具本体の先端部が挿入可能な孔部を形成し
て、この掘削工具本体の先端部外周には前記軸線方向に
延びる突条部を形成するとともに、前記孔部の内周には
前記突条部が挿通可能な凹溝部を形成し、前記掘削工具
本体の回転によって前記突条部の側壁を前記凹溝部の側
壁に当接させることにより、前記掘削ビットに前記掘削
工具本体から回転力が伝達されるようにすればよい。さ
らに、前記掘削ビットと前記掘削工具本体の外周に、前
記ケーシングトップの張り出し筒部より先端側の前記掘
削ビットの外周側と、前記ロッドと前記ケーシングパイ
プの間の空間とを連通させるように、前記掘削ビットか
ら前記掘削工具本体の後端にかけて、くり粉溝を形成し
た場合において、このくり粉溝の底面と該底面に対向す
る前記ケーシングトップおよびケーシングパイプの内周
面との間の間隔を、前記ケーシングトップの張り出し筒
部の先端において最も小さくなるようにすることによ
り、削孔ずりの入口となるこの張り出し筒部先端におけ
る間隔よりも大きな土砂がくり粉溝に進入することがな
くなって、くり粉溝における詰まりを防止し、より確実
な掘削ずりの排出を促すことができる。
【0017】一方、このような掘削工具を用いた各種掘
削工事では、例えば当該掘削工具によって建て込まれた
ケーシングパイプから薬液を注入したりして地盤を安定
させた後、このケーシングパイプごとさらに地盤を掘削
してトンネルを形成するような場合があり、このような
場合にケーシングパイプはトンネル掘削時に容易に破壊
される低強度の材質であることが望ましいが、その反面
このような低強度のケーシングパイプを用いると従来は
ケーシングパイプの建て込み時に破損が生じるおそれが
あったのに対し、本発明による掘削工具では上述のよう
に建て込みにかかる抵抗は専らケーシングトップに作用
し、ケーシングパイプへの抵抗を軽減することができる
ので、ケーシングパイプの少なくとも一部を、ケーシン
グトップよりも強度の低い材質によって形成することに
より、その建て込み時の破損を防ぎつつも、上述のよう
なトンネル掘削の際には容易に破壊されるようにして該
ケーシングパイプごと地盤を掘削可能とすることができ
る。
【0018】
【発明の実施の形態】図1ないし図4は、本発明の第1
の実施形態を示すものである。図1に示すように本実施
形態においては、削孔の深さ等に応じてネジまたはテー
パソケット等により順次継ぎ足される円管状のケーシン
グパイプ11の先端に、概略円筒状のケーシングトップ
12がケーシングパイプ11の中心軸線Oと同軸にこの
軸線O回りに回転自在かつ該軸線O方向に移動可能に取
り付けられるとともに、このケーシングパイプ11の内
周には厚肉中空の多段六角柱状をなすロッド13が、や
はり削孔の深さ等に応じてカップリングまたはネジ等に
より順次継ぎ足されて前記軸線Oと同軸に挿入され、こ
のロッド13の先端にはデバイス(掘削工具本体)14
を介して掘削ビット15が、デバイス14に対して係脱
可能に装着されている。
【0019】ここで、上述のように順次継ぎ足されるロ
ッド13のうち最後端に継ぎ足されたロッド13の後端
には、図1に示すように外周部後端側が一段拡径させら
れて鍔部16aが形成された中空状のロッドアダプタ1
6の先端部がやはりカップリング17を介して連結さ
れ、このロッドアダプタ16の後端には、掘削時に軸線
O回りに回転方向Tに向けての回転力と軸線O方向先端
側に向けての推力及び打撃力とを該ロッドアダプタ16
を介してロッド13に与える掘削装置の駆動軸18が連
結されている。また、最後端に継ぎ足されたケーシング
パイプ11の後端にはジョイント部の保護のための保護
キャップ11Aが取り付けられるとともに、この保護キ
ャップ11Aの後端と前記ロッドアダプタ16の鍔部1
6aとの間には、筒状のフロントアダプタ19が、前記
最後端のロッド13の後端部とロッドアダプタ16の先
端部および前記カップリング17の外周を取り囲むよう
に、鍔部16aとの間にリング状の緩衝材20を介して
介装されており、保護キャップ11Aが後端に取り付け
られた前記ケーシングパイプ11にはこのフロントアダ
プタ19を介して、前記駆動軸18からロッドアダプタ
16に与えられる回転力と推力及び打撃力のうち、軸線
O方向先端側に向けての推力及び打撃力のみが伝達され
るようになされている。
【0020】また、前記ケーシングパイプ11のうち最
先端のケーシングパイプ11はファーストケーシングパ
イプ11Bとされ、その先端部外周には図2(イ)に示
すように環状溝11aが形成されていて、この環状溝1
1aには、本実施形態におけるケーシング係止機構21
の弾性部材として、その径方向に拡縮径可能な金属製の
C字状の止め輪21Aが弾性的に縮径させられた状態で
収容されている。一方、前記ケーシングトップ12は、
その外径が前記ファーストケーシングパイプ11Bも含
めたケーシングパイプ11の外径よりも大径の一定外径
とされるとともに、内径は軸線O方向中央部が最も小径
でその前後がこれより大径とされた概略円筒状をなして
いて、前記ファーストケーシングパイプ11Bの先端部
はこのケーシングトップ12の後端側内周部12aに嵌
挿されて取り付けられており、この後端側内周部12a
の後端寄りには、該後端側内周部12aに嵌挿された前
記ファーストケーシングパイプ11Bの止め輪21Aよ
りも後端側に位置するように、本実施形態におけるケー
シング係止機構21の収納凹部21Bが環状に形成され
ている。
【0021】この収納凹部21Bは、軸線Oに沿った断
面において軸線Oに平行とされた該軸線O方向に延びる
底面21aと、この底面21aの後端側に位置して軸線
Oに略垂直とされた後端側壁面21b、および底面21
aの先端側に位置して先端側に向かうに従い内周側に向
かうように傾斜させられた先端側壁面21cとから画成
されている。そして、ケーシングトップ12がファース
トケーシングパイプ11Bに対して先端側に移動する
と、この収納凹部21Bが前記環状溝11aの位置に達
して弾性的に縮径させられていた前記止め輪21Aが拡
径し、その内周側部分が環状溝11a内に残ったまま外
周側部分が収納凹部21B内に収容され、さらにケーシ
ングトップ12が前進するとこの収納凹部21B内に収
納された止め輪21Aの外周側部分が図2(ロ)に示す
ように前記後端側壁面21bに当接して、それ以上の先
端側への移動が制限されるようになされている。
【0022】また、ケーシングトップ12の前記後端側
内周部12aから小径とされた中央部の内周部に至る後
端側を向く段差部は、その外周側が軸線Oに略垂直な平
坦面12bとされるとともに、内周側は先端側に向かう
に従い内周側に向かうように傾斜させられたテーパ面状
とされ、このテーパ面状の段差部22Aが後述する本実
施形態における推力打撃伝達手段22を構成する。そし
て、前記止め輪21Aが収納凹部21B内に収容された
状態からケーシングトップ12がファーストケーシング
パイプ11Bに対して後端側へ移動(後退)すると、止
め輪21Aが収納凹部21Bの傾斜した先端側壁面21
cに当たってその傾斜に案内されるように縮径しつつ、
収納凹部21Bから外れて前記後端側内周部12aに乗
り上げ、さらにケーシングトップ12が後退すると、図
2(ハ)に示すようにファーストケーシングパイプ11
Bの先端が前記平坦面12bに当接したところで、それ
以上の後端側への移動が制限されるようになされてい
る。
【0023】さらに、ケーシングトップ12内周部の前
記中央部よりも先端側は、この中央部から先端側に向け
て内径が漸次拡径するようにされた後に略一定の内径と
されて軸線Oに平行に延びるようにされ、この内周部の
内径が略一定とされたケーシングトップ12の先端側部
分が、本実施形態における張り出し筒部23とされてい
る。なお、この張り出し筒部23の内周部最先端部分は
先端側に向かうに従い再び内径が拡径するようにされた
拡径部23aとされるとともに、この拡径部23aの後
端側には、間に前記内径が一定とされた部分を残して本
実施形態におけるビット係止機構24の収納凹部24A
が形成されており、この収納凹部24Aと前記拡径部2
3aを除いて張り出し筒部23の内径は一定とされてい
る。なお、このビット係止機構24の収納凹部24A
は、軸線Oに沿った断面において、前記収納凹部21A
と同様に軸線Oに平行とされた該軸線O方向に延びる底
面24aと、収納凹部21Aとは逆に底面24aの先端
側に位置して軸線Oに略垂直とされた後端側壁面24
b、および底面24aの後端側に位置して後端側に向か
うに従い内周側に向かうように傾斜させられた後端側壁
面24cとから画成されている。
【0024】一方、前記デバイス14は、図3各図に示
すように内外周とも後端側が先端側よりも一段拡径させ
られた概略多段円筒状をなし、その後端側内周部には、
最先端の前記ロッド13の先端部外周に形成される雄ね
じ部13aに螺合する雌ねじ部14aが形成されてい
て、図2に示したようにこの雌ねじ部14aに前記雄ね
じ部13aをねじ込んで、ロッド13の先端が、軸線O
に垂直な平坦面とされたデバイス14の後端側内周部の
底部14bに当接したところで、デバイス14後端側に
軸線Oを中心とする円の接線方向にピン25を打ち込ん
で、前記雄ねじ部13aの根元に形成された環状溝13
bに係合させることにより、この最先端のロッド13の
先端に着脱可能に取り付けられる。そして、このデバイ
ス14の先端側外周部の外径と後端側外周部の外径は、
ケーシングトップ12の前記中央部の内径とファースト
ケーシングパイプ11Bの内径よりもそれぞれ僅かに小
さくされるとともに、後端側外周部の外径はケーシング
トップ12中央部の内径より大きくされ、かつこの外周
部が先端側から後端側に向けて一段拡径する段差部22
Bは、ケーシングトップ12の前記段差部22Aがなす
テーパ面と等しい傾斜角で先端側に向かうに従い内周側
に向かうように傾斜させられたテーパ面とされて、本実
施形態における前記推力打撃伝達手段22を構成してお
り、上述のようにデバイス14がロッド13の先端に取
り付けられた状態で、この段差部22Bが前記ファース
トケーシングパイプ11Bの先端から突出して段差部2
2Aに後端側から当接することにより、継ぎ足されたロ
ッド13を介して伝えられた軸線O方向先端側への推力
及び打撃力がケーシングトップ12に伝達される。
【0025】また、このデバイス14の外周には、その
先端から後端に亙って軸線Oに平行に延びるくり粉溝2
6が、周方向に等間隔に複数(本実施形態では3つ)形
成されている。このくり粉溝26は、その底面26a
が、デバイス14の先端部では軸線Oを中心とした円筒
面状とされる一方、これよりも後端側の中央部では前記
円筒面に外接して軸線O方向に延びる平坦面とされ、さ
らにこれよりも後端側のデバイス14後端部では、デバ
イス14の後端側内周部が一段拡径するのに合わせて、
中央部の前記平坦面から後端側に向かうに従い外周側に
向かう傾斜面を介し、前記円筒面よりも径の大きな円筒
面に外接して軸線O方向に延びるやはり平坦面とされて
いる。さらに、デバイス14の小径とされた先端側内周
部がなす中空部14cは、当該デバイス14が上述のよ
うに最先端のロッド13の先端に取り付けられた状態
で、継ぎ足されたロッド13の中空部13cを介してロ
ッドアダプタ16の中空部16bに連通させられ、掘削
時に前記掘削装置の駆動軸18から削孔水または圧縮空
気等の流体が供給可能とされている。そして、デバイス
14のこの中空部14cから少なくとも1のくり粉溝2
6の底面26aに向けては、外周側(底面26a)側に
向かうに従い後端側に向かうように傾斜したブロー穴1
4dが形成されており、このうちさらに少なくとも1の
くり粉溝26においては、その底面26aが前記先端部
において円筒面状をなす部分と前記中央部の平坦面をな
す部分とが連なる部分に、このブロー穴14dが開口さ
せられている。
【0026】さらに、こうしてデバイス14の外周に複
数のくり粉溝26が形成されることにより、周方向に隣
接するくり粉溝26,26の間には軸線O方向に延びる
複数条(本実施形態では3つ)の突条部が画成されるこ
ととなり、前記段差部22Bはこの突条部上に形成され
ることになる。そして、この突条部のうち、前記段差部
22Bよりも先端側のデバイス14における前記先端部
に画成された突条部27は、その前記回転方向Tの後方
側を向く部分が当該突条部27の先端部27aを残して
軸線O方向に延びる凹部27bによって切り欠かれるこ
とにより、外周側からの側面視に図3(ロ)に示すよう
に前記先端部27aが回転方向T後方側に折れ曲がった
L字型のフック状を呈するように形成され、従ってこの
先端部27aは、図3(イ)に示すように前記凹部27
bによって画成された突条部27の回転方向T後方を向
く側壁27cからさらに回転方向T後方側に突出するこ
ととなり、すなわち軸線Oに直交する断面が突条部27
から周方向に突出する凸部を構成することとなる。
【0027】なお、こうして突出した先端部27aの後
端側を向く側壁27dは、軸線Oに直交する略平坦面と
されている。また、前記凹部27bの底面はデバイス1
4の先端部においてくり粉溝26の底面26aがなす円
筒面と連続する同径の円筒面状とされている。さらに、
この突条部27の外周面は前記先端部27aを含む先端
側部分が図3(ニ)に示すように僅かに一段低くされて
いるとともに、突条部27の回転方向Tを向く側壁27
eはその先端側部分が図3(ロ)に示したように後端側
に向かうに従い回転方向T側に向かう凹曲面状に切り欠
かれている。なお、この突条部27の回転方向Tを向く
側壁27eの先端側部分は後端側に向かうに従い回転方
向T側に向かう傾斜面でもよい。さらにまた、デバイス
14の先端面14eは、軸線Oに垂直な平坦面とされて
いる。
【0028】また、前記掘削ビット15は、図4に示す
ように先端部側の外径が円筒部の外径よりも一段大径と
された概略有底円筒状に形成されており、この先端部は
ヘッド部15aとされてその前記外径はケーシングトッ
プ12の外径よりも若干大きくされるとともに、円筒部
はスカート部15bとされてその外径はケーシングトッ
プ12の前記張り出し筒部23の内周部に嵌挿可能な大
きさとされている。従って、前記ケーシングトップ12
の最大径部の外径は、この掘削ビット15のヘッド部1
5aにおける最大外径以下とされる。そして、前記スカ
ート部15bの外周には環状溝15cが形成されてい
て、この環状溝15cには、本実施形態におけるビット
係止機構24の弾性部材として、やはりその径方向に拡
縮径可能な金属製のC字状の止め輪24Bが弾性的に縮
径させられた状態で収容されており、こうして止め輪2
4Bが縮径させられたまま前記スカート部15bが張り
出し筒部23内周部に嵌挿されることにより、止め輪2
4Bがビット係止機構24の前記収納凹部24Aに達し
たところで弾性的に縮径させられていたこの止め輪24
Bが拡径し、図2に示すようにその内周側部分が環状溝
15c内に残ったまま外周側部分が収納凹部24A内に
収容される。
【0029】従って、この状態で掘削ビット15はケー
シングトップ12の先端に、前記ヘッド部15aを突出
させるとともに前記スカート部15bの外周部にまで前
記張り出し筒部23が張り出すようにして前記軸線Oと
同軸かつ該軸線O回りに回転自在に取り付けられ、さら
に前記ビット係止機構24により、図2に示すように止
め輪24Bが収納凹部24A内にある範囲では軸線O方
向に移動可能とされ、かつこの図2に示す状態から掘削
ビット15がケーシングトップ12に対して先端側に移
動しようとすると、この収納凹部24A内に収納された
止め輪24Bの外周側部分が該収納凹部24Aの前記先
端側壁面24bに当接して、それ以上の先端側への移動
が制限されることとなる。なお、この掘削ビット15の
ケーシングトップ12に対する後端側への移動は、例え
ば前記張り出し筒部23の先端が前記ヘッド部15aの
後端面に当接したところで制限される。
【0030】また、掘削ビット15後端側の前記スカー
ト部15b内周は、前記デバイス14の先端部が挿入可
能な孔部15dとされており、この孔部15dの内周に
は、デバイス14先端部外周の前記突条部27が回転方
向T後方側に突出した先端部27aも含めて軸線Oに平
行に挿通可能な凹溝部28が、突条部27と同数の複数
(本実施形態では3つ)、軸線Oに平行に延びるように
形成されている。さらに、孔部15dの孔底面15eは
軸線Oに垂直な平坦面とされるとともに、この孔底面1
5e側の孔部15d内周には、前記凹溝部28の孔底側
(先端側)部分に連通するように環状の凹所28aが形
成されており、この凹所28aは、図2に示すように孔
部15dに挿入されたデバイス14の先端面14eを前
記孔底面15eに当接させた状態で、前記突条部27の
先端部27aを収容可能な内径及び軸線O方向の幅を有
している。従って、まず上述のように凹溝部28に突条
部27を挿通させて孔部15dにデバイス14の先端部
を挿入し、このデバイス14の前記先端面14eが孔底
面15eに当接したところでデバイス14を回転方向T
に回転させると、この回転方向Tを向く突条部27の前
記側壁27eが凹溝部28の回転方向T後方側を向く側
壁28bに当接させられるので、前記ロッドアダプタ1
6からロッド13を介してデバイス14に与えられる掘
削時の回転方向Tへの回転力が掘削ビット15に伝達可
能となる。
【0031】一方、これとは逆に、デバイス14の先端
面14eが孔底面15eに当接した状態でデバイス14
を回転方向Tの後方側に回転させると、この回転方向T
後方側に突出した突条部27の前記先端部27aが凹所
28a内において周方向に隣接した凹溝部28間に画成
される突条29の先端側の空間に入り込むことにより、
突条部27の前記側壁27cが凹溝部28の回転方向T
を向く側壁28cに当接させられ、さらにこの状態のま
まデバイス14をロッド13およびロッドアダプタ16
ごと後退させると、先端部27aの後端側を向く側壁2
7dが突条29の先端側を向く側壁、すなわち凹所28
aの先端側を向く側壁28dに当接し、これにより、L
字型のフック状に形成された前記先端部27aが突条2
9の先端に引っ掛けられるようにして軸線O方向後端側
に向けて凹所28aと係合可能とされる。すなわち、本
実施形態では、デバイス14の先端部外周に、軸線O方
向に延びる突条部27と、軸線Oに直交する断面がこの
突条部27に対して突出する係合部(先端部27a)と
が形成されるとともに、掘削ビット15の孔部15d内
周には、前記突条部27と係合部とが挿通可能な凹溝部
28と、こうして凹溝部28に突条部27と係合部とを
挿通してデバイス14先端部を孔部15dに挿入した上
で該デバイス14を前記軸線O回りの周方向の少なくと
も一方(回転方向T後方)に回動させることにより前記
係合部と軸線O方向後端側に向けて係合可能な被係合部
(凹所28a)とが形成されていることとなる。また、
こうして先端部27aと凹所28aとが係合した状態か
らデバイス14を回転方向Tに回転させると、前記先端
部27aが凹所28aの突条29先端側の空間から抜け
出るとともに前記突条部27の側壁27cが凹溝部28
の側壁28cから離れてデバイス14と掘削ビット15
との係合状態が解かれ、デバイス14のみを後退させる
ことが可能となるので、前記掘削ビット15はデバイス
14の軸線O回りの回転方向Tへの回転と回転方向T後
方側への回転とにより、該デバイス14の先端に係脱可
能に装着されることとなる。
【0032】さらにまた、この掘削ビット15先端の前
記ヘッド部15aには、その先端面に、前記軸線Oから
僅かに間隔をあけた位置から外周側に放射状に延びるよ
うに、デバイス14に形成されたくり粉溝26と同数の
複数(本実施形態では3つ)のくり粉溝30が周方向に
等間隔に形成されており、これらのくり粉溝30は、ヘ
ッド部15a先端面の外周端から掘削ビット15の外周
面を軸線O方向後端側に向けて延びて前記スカート部1
5bの後端面すなわち当該掘削ビット15の後端面に開
口させられている。なお、大径のヘッド部15aから小
径のスカート部15bに至る部分では、このくり粉溝3
0は、図2に示すように軸線Oに沿った断面においてそ
の底面30aが、ヘッド部15a外周では軸線Oに略平
行に延びるようにされた後、後端側に向けて内周側に向
かうように傾斜させられ、さらに緩やかに凹曲しつつス
カート部15bにおいて再び軸線Oに略平行に延びるよ
うにされている。また、前記ヘッド部15aの先端面に
は、前記くり粉溝30を避けるように超硬合金等の硬質
材料からなるチップ31が植設されて複数設けられてい
る。さらに、前記孔部15dの孔底面15eには軸線O
に沿って先端側に凹む止まり孔15fが形成されてデバ
イス14の前記中空部14cに連通可能とされており、
この止まり孔15fからは先端外周側に向けてブロー穴
15gが穿設されて、ヘッド部15a先端面に形成され
た少なくとも1の前記くり粉溝30の内周端に開口させ
られている。
【0033】さらにまた、これらのくり粉溝30は、上
述のように掘削ビット15の孔部15dにデバイス14
の先端部を挿入した上でデバイス14を回転方向Tに回
転させて前記凹溝部28の側壁28bに前記突条部27
の側壁27eを当接させることによりデバイス14から
掘削ビット15に回転方向Tへの回転力が伝達可能とし
た状態で、デバイス14の前記くり粉溝26にそれぞれ
連通するように配置されており、これによりこれらのく
り粉溝30,26は、掘削ビット15とデバイス14の
外周に、前記ケーシングトップ12の張り出し筒部23
より先端側の掘削ビット15外周側と、前記ロッド13
とケーシングパイプ11の間の空間とを連通させるよう
に、前記掘削ビット15からデバイス14の後端にかけ
て延設されることとなる。そして、このように連通させ
られたくり粉溝30,26の底面30a,26aと、該
底面30a,26aに対向することとなる前記ケーシン
グトップ12及びケーシングパイプ11(ファーストケ
ーシングパイプ11B)の内周面との間の間隔は、図2
に示すようにデバイス14の先端面14e及び前記段差
部22Bを掘削ビット15の前記孔底面15eおよびケ
ーシングトップ12の前記段差部22Aにそれぞれ当接
させた状態で、このケーシングトップ12の張り出し筒
部23先端すなわち前記拡径部23aの先端内周縁と掘
削ビット15外周の前記くり粉溝30の底面30aとの
間隔Xが、他の部分における間隔に比べて最も小さくな
るようにされている。
【0034】なお、この間隔Xは、前記張り出し筒部2
3の先端と対向するくり粉溝30の底面30aが上述の
ように後端側に向かうに従い内周側に向かうように傾斜
させられているため、この傾斜した底面30aに垂直な
方向の間隔とされている。また、図2に符号Y〜Y
で示すのは前記他の部分の間隔であって、間隔Yは掘
削ビット15のスカート部15bにおいて軸線Oに略平
行に延びるくり粉溝30の底面30aとケーシングトッ
プ12の張り出し筒部23内周との間隔、間隔Yはデ
バイス14の前記中央部におけるくり粉溝26の底面2
6aとケーシングトップ12の小径とされた前記中央部
の内周との間隔、間隔Yはデバイス14の一段拡径し
た後端側部分における底面30aとケーシングパイプ1
1(ファーストケーシングパイプ11B)内周との間隔
を示している。
【0035】このように構成された掘削工具は、ロッド
アダプタ16に対し駆動軸18の図示しない駆動装置に
よって回転力が伝えられると共に、先端側に向けて軸線
Oに沿う打撃力と推力が伝えられると、その回転力及び
推力と打撃力がロッドアダプタ16からカップリング1
7、ロッド13を介しデバイス14に伝わることによ
り、掘削ビット15が回転しかつ打撃しながら地盤を削
孔する。その際、ロッドアダプタ16の鍔部16aから
緩衝材20を介しフロントアダプタ19に軸線Oに沿う
打撃力と推力が伝えられ、その打撃力と推力がフロント
アダプタ19から保護キャップ11Aを介してケーシン
グパイプ11及びファーストケーシングパイプ11Bに
伝わる。
【0036】なお、削孔時には、駆動装置からロッドア
ダプタ16、ロッド13,デバイス14の中空部16
b,13c,14cを介して掘削ビット15の止まり孔
15fに削孔水または圧縮空気等の流体が供給されるこ
とにより、掘削ビット15先端面のブロー穴15gから
この削孔水または圧縮空気等の流体が排出される一方、
掘削時に生成されたくり粉はケーシングトップ12と掘
削ビット15との間の間隔Xの隙間からくり粉溝30内
に導入され、デバイス14のくり粉溝26を通ってデバ
イス14及びロッド13とファーストケーシングパイプ
11B及びケーシングパイプ11との間を経ることによ
り後端側に押し出され、フロントアダプタ19の窓部1
9aから排出される。また、本実施形態の掘削工具で
は、掘削終了後は上述のように掘削ビット15とデバイ
ス14との係合を解くことにより、掘削ビット15を始
めケーシングトップ12およびファーストケーシングパ
イプ11Bを含めたケーシングパイプ11を削孔中に残
したまま、デバイス14及びロッド13が引き抜かれて
回収されるようになされている。
【0037】しかして、前記掘削ビット15による削孔
時、前記構成の掘削工具では、デバイス14の外周の途
中位置に推力打撃伝達手段22の段差部22Bが形成さ
れていると共に、ケーシングトップ12の後端側内周部
12a底の段差部22Aが前記段差部22Bと対応する
位置関係にあるので、この段差部22Bがケーシングト
ップ12の段差部22Aと衝合して当接することによ
り、デバイス14に推力と打撃力が伝わる度にケーシン
グトップ12が前方に押し込まれる一方、ケーシングト
ップ12の先端に掘削ビット15のスカート部15bの
外周まで張り出す張り出し筒部23が設けられているの
で、常に掘削ビット15を包囲した状態でケーシングト
ップ12を削孔に建て込むことができる。
【0038】そのため、ケーシングトップ12の張り出
し筒部23によって削孔壁の崩壊を防ぐことができるの
で、従来技術のようにデバイス14側まで影響を受ける
ことがなくなり、掘削作業を良好に行うことができる。
しかも、ケーシングトップ12に張り出し筒部23が形
成されていると、土砂などに対する充分な耐久性を保つ
こともできる。なお、前記推力打撃伝達手段22の段差
部22A,22Bは本実施形態では先端側に向かうに従
い内周側に向かうテーパ面状とされているが、軸線Oに
垂直な平坦面状とされていてもよい。
【0039】また、上述したように推力打撃伝達手段2
2におけるデバイス14の段差部22Bによってケーシ
ングトップ12の段差部22Aを打撃すると、ケーシン
グトップ12に対し適正な打撃力と推力を伝達すること
ができる。そのため、例えばケーシングパイプ11を介
してファーストケーシングパイプ11Bからケーシング
トップ12に打撃力や推力を伝達するような場合、ケー
シングトップに与えられる打撃力や推力が減衰され、ケ
ーシングトップの削孔に対しての建て込み力が弱まるお
それがあるが、ケーシングパイプ11の先端側にケーシ
ングトップ12が取り付けられていても、ケーシングト
ップ12に打撃力や推力を減衰させることなく確実に伝
達することができ、ケーシングトップ12を的確に建て
込みさせることができる。
【0040】その一方で、前記構成の掘削工具では、ケ
ーシングトップ12がファーストケーシングパイプ11
Bに対して軸線O方向に移動可能とされており、従って
このケーシングトップ12の建て込みにかかる抵抗は、
専ら当該ケーシングトップ12のみに作用することとな
り、ファーストケーシングパイプ11Bを始めとするケ
ーシングパイプ11への抵抗は軽減することが可能とな
る。このため、このケーシングパイプ11に与えられる
打撃力や推力は少なくて済み、例えば上述のように駆動
軸18からロッドアダプタ16に伝えられた打撃力や推
力を、鍔部16aとフロントアダプタ10との間に介装
された緩衝材20によって弱めてケーシングパイプ11
に伝達しても、確実にケーシングパイプ11を建て込む
ことが可能となるので、このケーシングパイプ11に過
大な打撃力や推力が与えられて破損が生じたりするのを
防止することもできる。
【0041】さらに、こうしてケーシングトップ12が
ファーストケーシングパイプ11Bに対して軸線O方向
に移動可能とされることにより、前記掘削工具によれ
ば、上述のように複数のケーシングパイプ11やロッド
13を継ぎ足して削孔を行う場合に、例えばこれらケー
シングパイプ11とロッド13の長さが異なっていた
り、あるいは製造仕上がり寸法に誤差が生じたりしてい
ても、この長さの差や寸法誤差が所定の範囲内であれ
ば、前記推力打撃伝達手段22において段差部22Aに
段差部22Bを確実に当接させて、デバイス14からケ
ーシングトップ12に推力や打撃力を確実に伝達するこ
とが可能となる。すなわち、例えば図2に示すように継
ぎ足されたケーシングパイプ11とロッド13の長さが
等しい場合の最先端のロッド13とファーストケーシン
グパイプ11Bとの間隔Zに対し、誤差等によってファ
ーストケーシングパイプ11Bが先端側に突出していた
としても、この突出量が図中に符号Wで示すファースト
ケーシングパイプ11Bが前記平坦面12bに当接する
までの範囲であれば、かかる寸法誤差等に拘わらず段差
部22A,22Bを確実に当接させることができ、逆に
ファーストケーシングパイプ11Bが後端側に後退して
いても、その後退量が図中に符号Vで示す前記ケーシン
グ係止手段21の止め輪21Aが収納凹部21Bの後端
側壁面21bに当接するまでの範囲であれば、やはりロ
ッド13とファーストケーシングパイプ11Bの先端の
軸線O方向の相対位置に拘わらずに段差部22A,22
Bを確実に当接させることが可能となるのである。
【0042】また、本実施形態では、このようにケーシ
ングトップ12をケーシングパイプ11(ファーストケ
ーシングパイプ11B)に対して軸線O方向に移動可能
に取り付けるに際し、このケーシングトップ12がケー
シングパイプ11に対する軸線O方向先端側への移動範
囲を制限する前記ケーシング係止機構21を介して取り
付けられており、従ってケーシングトップ12がケーシ
ングパイプ11に対して先端側に移動しすぎてファース
トケーシングパイプ11Bの先端から抜け外れてしまっ
たりするような事態を未然に防ぐことができる。さら
に、本実施形態では、このケーシング係止機構21が、
ケーシングトップ12の後端側内周部12aに嵌挿され
るファーストケーシングパイプ11Bの外周に環状溝1
1aが形成されて、軸線Oに対する径方向に拡縮径可能
な弾性部材としてC字状の止め輪21Aが取り付けられ
るとともに、前記後端側内周部12aにはこの止め輪2
1Aを収容可能な収納凹部21Bが形成された構成とさ
れており、環状溝11aに取り付けられた止め輪21A
を縮径させた状態でファーストケーシングパイプ11B
の先端をケーシングトップ12の前記後端側内周部12
aに嵌挿するだけでこのケーシングトップ12を係止し
て取り付けることができ、操作が容易であるという利点
も得ることができる。また、例えばケーシングトップ1
2の前記後端側内周部12aの後端縁を後端側に向かう
に従い漸次拡径するテーパ面状とすれば、ファーストケ
ーシングパイプ11Bの先端を前記後端側内周部12a
に挿入するだけで、このテーパ面に案内されて止め輪2
1Aが縮径させられるので、一層容易な操作でケーシン
グトップ12を係止して取り付けることができる。
【0043】なお、本実施形態ではこのように、ファー
ストケーシングパイプ11Bの先端部外周に環状溝11
aが形成されて止め輪21Aが取り付けられるととも
に、ケーシングトップ12の後端側内周部12aに収納
凹部21Bが形成されているが、これとは逆にケーシン
グトップ12の後端側内周部12aに環状溝を形成する
などしてC字状止め輪のような弾性部材を取り付けると
ともに、ファーストケーシングパイプ11Bの先端部外
周には収納凹部を形成してもよい。この場合に、ファー
ストケーシングパイプ11Bの先端部を前記後端側内周
部12aに嵌挿する際には、はじめに弾性部材の内径が
ファーストケーシングパイプ11Bが挿入可能な外径に
まで拡径され、この状態でファーストケーシングパイプ
11Bを後端側内周部12aに嵌挿することにより、弾
性部材が収納凹部の位置で縮径してその内周側が収納凹
部に収納され、ケーシングトップ12が先端側に係止さ
れる。また、本実施形態では、ケーシングトップ12の
後端側内周部12aにファーストケーシングパイプ11
Bの先端部が嵌挿されるようにしているが、これとは逆
にファーストケーシングパイプ11Bの先端側内周部に
ケーシングトップ12の後端部が嵌挿されるようにし
て、互いに対向するこれらファーストケーシングパイプ
11Bとケーシングトップ12の内外周面の一方に弾性
部材を、他方に収納凹部を形成するようにしてもよい。
【0044】ただし、このようにケーシングトップの後
端部をファーストケーシングパイプの先端側内周部に嵌
挿してケーシングトップをケーシングパイプに対して移
動可能に設けると、このケーシングトップ後端部を覆う
ケーシングパイプ先端の外周側に張り出す段差部に掘削
ずり等が入り込んでケーシングトップの後端側への移動
が前記所定の範囲よりも小さく拘束されたり、場合によ
ってはこのケーシングトップの後端側への移動が不可能
となったりするおそれが生じる。このため、このように
ケーシングトップとケーシングパイプ(ファーストケー
シングパイプ)との一方に他方を嵌挿してケーシングト
ップを移動可能に取り付けるには、本実施形態のように
ケーシングトップ12の前記後端側内周部12aがファ
ーストケーシングパイプ11Bの先端部を外嵌するよう
に取り付けるのが望ましい。
【0045】また、本実施形態では、こうしてファース
トケーシングパイプ11Bの先端部を外嵌するケーシン
グトップ12の外径が一定とされるとともに、その先端
の掘削ビット15のヘッド部15aにおける最大外径よ
りも小さくされており、従ってこの掘削ビット15によ
り掘削される削孔の内周と当該掘削工具外周との間の間
隔は後端側ほど大きくなって、ケーシングパイプ11の
外周にはより大きな間隔を確保することが可能となるの
で、掘削ずりが後端側のケーシングパイプ11外周にま
で流れ込んでこのケーシングパイプ11に大きな外圧抵
抗が作用するのを防止することができ、かかる外圧抵抗
によってケーシングパイプ11の建て込みに支障を来し
たりケーシングパイプ11に破損が生じたりするのを防
ぐことができる。しかも、その一方で、このケーシング
パイプ11先端のケーシングトップ12と削孔との間隔
は、ケーシングパイプ11よりは小さく、このケーシン
グトップ12をガイドとして掘削を行うことができるた
め、削孔の直進性を確保して孔曲がりが生じるのを防ぐ
ことができ、このような孔曲がりによってケーシングパ
イプ11に抵抗が作用して破損等が生じるような事態も
未然に防止することが可能となる。
【0046】一方、本実施形態では上述のようにケーシ
ング係止機構21を弾性部材としての止め輪21Aと収
納凹部21Bとから構成しているが、例えばこれを図5
に示す第2の実施形態のケーシング係止機構41のよう
に、前記ファーストケーシングパイプ11Bとケーシン
グトップ12との一方の内周に他方を嵌挿してファース
トケーシングパイプ11B先端にケーシングトップ12
を取り付けた場合において、これらケーシングトップ1
2とファーストケーシングパイプ11Bとの互いに嵌挿
される内外周にそれぞれ形成された互いに螺合可能な雌
雄ネジ山部41A,41Bと、各雌雄ネジ山部41A,
41Bに連続して反対側のネジ山部41B,41Aを収
容可能に形成された前記軸線O方向に延びる収納凹部4
1C,41Dとから構成するようにしてもよい。なお、
この図5に示す第2の実施形態や後述する第3の実施形
態において、前記第1の実施形態と共通する部分にはこ
れと同一の符号を配して説明を省略する。
【0047】すなわち、この第2の実施形態において
は、ファーストケーシングパイプ11Bの先端側内周部
の先端縁に前記雌ネジ山部41Aが環状に形成されると
ともに、これよりも後端側には、この雌ネジ山部41A
の雌ネジの谷の径と略同等あるいは僅かに大きな一定内
径とされて該雌ネジ山部41Aに対して外周側に凹む前
記収納凹部41Cが雌ネジ山部41Aに連続して前記軸
線O方向に所定の幅で延びるように形成されており、こ
の収納凹部41Cの後端側は内周側に向かう段差部41
aを介して、ケーシングパイプ11の内径と等しくされ
たファーストケーシングパイプ11Bの後端側内周部に
連ねられている。なお、前記雌ネジ山部41Aの山の内
径はこのファーストケーシングパイプ11Bの後端側内
周部の内径よりも僅かに大きくされている。
【0048】一方、ケーシングトップ12の後端側外周
部の後端縁には、前記雌ネジ山部41Aに螺合可能な雄
ネジ山部41Bが環状に形成されるとともに、これより
も先端側には、この雄ネジ山部41Bの雄ネジの谷の径
と略同等あるいは僅かに小さな一定外径とされて該雄ネ
ジ山部41Bに対して内周側に凹む前記収納凹部41D
が雄ネジ山部41Bに連続して軸線O方向に所定の幅で
延びるように形成されており、この収納凹部41Dの先
端側は外周側に向かう段差部41bを介してケーシング
トップ12の軸線O方向中央部の外周に連ねられてい
る。なお、このケーシングトップ12の中央部の外径
は、本実施形態では張り出し筒部23とされる先端部の
外径よりも僅かに小径とされている。また、このケーシ
ングトップ12の後端側内周部12aは、その内径がデ
バイス14の大径とされた後端部の外径よりも僅かに大
きな程度とされるとともに、この後端側内周部12aか
らケーシングトップ12の小径となる中央部内周に至る
段差部も、外周側の平坦面12bは第1の実施形態より
も小さくされており、場合によってはこの段差部が推力
打撃伝達手段22のテーパ面状の段差部22Aのみとさ
れていてもよい。
【0049】従って、このように構成された第2の実施
形態においては、前記雌ネジ山部41Aに雄ネジ山部4
1Bをねじ込んで螺合させ、さらにこの雄ネジ山部41
Bをねじ込んでゆくことにより、雄ネジ山部41Bが雌
ネジ山部41Aを通り越して収納凹部41Cに達すると
ともに雌ネジ山部41Aは収納凹部41Dに達し、ケー
シングトップ12はその後端部がファーストケーシング
パイプ11Bの先端側内周部に嵌挿された状態で軸線O
方向に移動可能かつ軸線O回りに回転自在にファースト
ケーシングパイプ11B先端に取り付けられる。しかし
て、本実施形態のケーシング係止機構41においては、
この状態からケーシングトップ12がファーストケーシ
ングパイプ11Bに対して先端側に移動しようとする
と、雌ネジ山部41Aの後端縁に雄ネジ山部41Bの先
端縁が当接したところでケーシングトップ12の移動が
拘束されて先端側に係止され、それ以上は再び雌雄ネジ
山部41A,41Bを螺合させて雄ネジ山部41Bを雌
ネジ山部41Aから抜き外すように回転させなければケ
ーシングトップ12を移動させることができないので、
第1の実施形態と同様に掘削中のケーシングトップ12
の脱落等を防止することができる。
【0050】また、本実施形態のケーシング係止機構4
1においては、このようにケーシングトップ12を先端
側に係止して移動可能に取り付けた後でも雌雄ネジ山部
41A,41Bを再び螺合させて回転させればケーシン
グトップ12を容易に取り外すことができるので、一旦
取り付けたケーシングトップ12を取り外さなければな
らない事態が起きても操作が容易であるという利点を得
られる。なお、ケーシングトップ12の軸線O方向後端
側への移動は、このケーシングトップ12の後端が前記
段差部41aに当接し、またはファーストケーシングパ
イプ11Bの先端が前記段差部41bに当接し、あるい
はこれら双方が同時に当接することにより拘束される。
また、本実施形態では上述のようにファーストケーシン
グパイプ11Bの先端側内周部にケーシングトップ12
の後端側外周部が内嵌されることとなるが、ケーシング
トップ12の後端側内周部12aに雌ネジ山部41Aを
形成するとともにファーストケーシングパイプ11Bの
先端側外周部にはこれに螺合可能な雄ネジ山部41Bを
形成して、第1の実施形態と同様にファーストケーシン
グパイプ11B先端にケーシングトップ12が外嵌され
るように取り付けてもよく、これにより、図5に符号U
で示すように当該掘削工具の外周においてファーストケ
ーシングパイプ11B先端と前記段差部41bとの間に
露出する収納凹部41D内に掘削ずりが入り込んだりす
るのを防ぐことができ、より円滑かつ確実なケーシング
トップ12の移動を図ることができる。
【0051】さらに、前記第1の実施形態やこの第2の
実施形態では、前記デバイス14の先端に係脱可能に取
り付けられる掘削ビット15も、そのスカート部15b
外周を囲む張り出し筒部23を備えたケーシングトップ
12に対して軸線O方向に移動可能とされており、しか
もこの掘削ビット15もその先端側への移動範囲を拘束
するビット係止機構24を介してケーシングトップ12
の先端に取り付けられているので、ケーシングトップ1
2がファーストケーシングパイプ11Bに係止されるの
に合わせて、その先端側への不用意な脱落等を防ぐこと
ができ、掘削時の信頼性を高めることができる。また、
これら第1、第2の実施形態のビット係止機構24は、
第1の実施形態のケーシング係止機構21と同じく弾性
的に拡縮径可能な弾性部材としてのC字状の止め輪24
Bと該止め輪24Bの外周側部分を収容可能な収納凹部
24Aとから構成されており、このケーシング係止機構
21と同様に止め輪24Bを縮径させた状態で掘削ビッ
ト15のスカート部15bをケーシングトップ12の張
り出し筒部23内に嵌挿するだけで、この掘削ビット1
5を容易に係止して取り付けることができるという利点
も得られる。なお、これらケーシング係止機構21やビ
ット係止機構24における拡縮径可能な弾性部材として
は、前記C字状の金属製止め輪21A,24Bの他に
も、収納凹部21B,24Aに収容されてケーシング1
2や掘削ビット15を係止可能なものなら、例えばゴム
リングなどでも適用可能である。
【0052】ただし、このビット係止機構についても、
前記第2の実施形態のケーシング係止機構41と同じよ
うにして、例えば図6に示す第3の実施形態のビット係
止機構42のように、掘削ビット15のスカート部15
b外周部と前記張り出し筒部23の内周部とにそれぞれ
形成された互いに螺合可能な雌雄ネジ山部42A,42
Bと、各雌雄ネジ山部42A,42Bに連続して反対側
のネジ山部42B,42Aを収容可能に形成された軸線
O方向に延びる収納凹部42C,42Dとから構成する
ようにしてもよい。すなわち、この第3の実施形態にお
いては、ケーシングトップ12の張り出し筒部23の内
周先端縁に雌ネジ山部42Aが環状に形成されるととも
に、掘削ビット15のスカート部15b外周後端縁には
この雌ネジ山部42Aと螺合可能な雄ネジ山部42Bが
環状に形成され、また雌ネジ山部42Aよりも後端側の
張り出し筒部23内周部は雄ネジ山部42Bを収容可能
な内径の収納凹部42Cとされるとともに、雄ネジ山部
42Bよりも先端側のスカート部15b外周部は雌ネジ
山部42Aを収容可能な外径の収納凹部42Dとされて
いる。従って、このような第3の実施形態においても、
そのビット係止機構42により掘削ビット15の先端側
への移動範囲を収納凹部42D,42Cに収容された雌
雄ネジ山部42A,42Bが互いに当接するまでに制限
しつつ、該掘削ビット15を移動可能に取り付けること
ができ、また前記ケーシング係止機構41と同じように
一旦取り付けた掘削ビット15を取り外すのも比較的容
易であるという利点が得られる。
【0053】さらにまた、前記第1の実施形態では、掘
削ビット15とデバイス14の外周に、ケーシングトッ
プ12の張り出し筒部23より先端側の掘削ビット15
外周側と、前記ロッド13とファーストケーシングパイ
プ11Bも含めたケーシングパイプ11の間の空間とを
連通させるように、掘削ビット15からデバイス14の
後端にかけて、図2に符号Fで示すようなくり粉や掘削
ずりの流れを形成するくり粉溝30,26が形成されて
おり、このくり粉溝30,26の底面30a,26aと
該底面30a,26aに対向するケーシングトップ12
およびケーシングパイプ11(11B)の内周面との間
の間隔が、ケーシングトップ12の張り出し筒部23の
先端において、他の部分の間隔Y(Y〜Y)よりも
小さな間隔Xとなるようにされている。従って、このく
り粉溝30,26とケーシングトップ12およびケーシ
ングパイプ11(11B)の内周面との間の空間には、
くり粉や掘削ずりの入口となるこの張り出し筒部23先
端の間隔Xよりも大きな粒のくり粉や掘削ずり、土砂等
が入り込むことがないので、かかる大粒の土砂等によっ
てくり粉溝30,26内に詰まりが生じるような事態を
防止することができ、くり粉や掘削ずりをより確実にロ
ッド13とケーシングパイプ11との間の空間に案内し
て後端側に送り出し、フロントアダプタ19の前記窓部
19aから排出することが可能となる。
【0054】加えて、前記第1の実施形態では、掘削ビ
ット15の円筒状のスカート部15b内周が、デバイス
14の先端部が挿入される孔部15dとされていて、こ
のデバイス14の先端部外周には軸線O方向に延びる突
条部27が形成される一方、孔部15d内周にはこの突
条部27が挿通可能な凹溝部28が形成されており、掘
削時にはデバイス14が回転方向Tに回転することによ
って突条部27の側壁27eが凹溝部28の側壁28b
に当接させられ、デバイス14からの回転力が掘削ビッ
ト15に伝達させられる。すなわち、本実施形態では、
このデバイス14と掘削ビット15とがスプライン嵌合
させられているので、前記駆動軸18からロッドアダプ
タ16およびロッド13を介して伝えられる回転力をデ
バイス14から確実に掘削ビット15に伝達することが
でき、この掘削ビット15によって効率的な掘削を図る
ことができる。また、上述のように掘削ビット15の孔
部15dからデバイス14の先端部を一旦抜き出して分
離した後に再び挿入して掘削ビット15をデバイス14
先端に取り付ける場合でも、このようなスプライン嵌合
によれば操作が容易であり、万一突条部27が凹溝部2
8に嵌り込んでいないときでも、前記ビット係止機構2
4,42によって掘削ビット15の先端側への移動が制
限されているので、掘削ビット15がデバイス14によ
って押し出されて脱落するようなこともない。しかも、
本実施形態では、前記突条部27の外周面が先端側で一
段低くされているとともに、回転方向Tを向く側壁27
eの先端側部分は後端側に向かうに従い回転方向T側に
向かう凹曲面状あるいは傾斜面状に切り欠かれており、
上述のように掘削途中でデバイス14を掘削ビット15
から分離させた後に再度デバイス14を装着する際に、
デバイス14先端部を孔部15dに挿入しやすく、また
突条部27と凹溝部28との位相が多少ずれていても、
掘削ビットの前記突条29が側壁27e先端の前記凹曲
面あるいは傾斜面当たれば、この凹曲面または傾斜面に
案内されるようにして掘削ビット15が回転して突条部
27と凹溝部28の位相が合わせられるので、掘削ビッ
ト15の再装着が一層容易である。
【0055】そして、さらにこの第1の実施形態の掘削
工具では、前記突条部27の先端部27aが回転方向T
後方に突出するL字型のフック状に形成されて係合部と
されているとともに、凹溝部28の先端側にはこの先端
部27aを収容可能な凹所28aが形成されて被係合部
とされており、デバイス14を回転方向Tの後方に回転
させて先端部27aを凹所28aの前記突条29の先端
側の空間に収容し、そのままロッド13を介してデバイ
ス14を後退させると、先端部27aの後端側を向く側
壁27dと凹所28aの先端側を向いて前記側壁27d
に対向する側壁28dとが軸線O方向後端側に向けて当
接して係合部と被係合部とが係合し、これにより掘削ビ
ット15もともに後退させることが可能となる。その一
方で、本実施形態では、ケーシングトップ12もケーシ
ング係止機構22によってケーシングパイプ11に係止
されているので、デバイス14と掘削ビット15とを後
退させるのに合わせてケーシングパイプ11もケーシン
グトップ12ごと後退させれば、地上からの操作によっ
て当該掘削工具を一体的に削孔から後退させることがで
きる。従って、例えば掘削中にジャミング等によって掘
削不能状態に陥ったりした場合でも、掘削ビット15を
ケーシングトップに係止する前記ビット係止機構24に
大きな負荷を作用させることなく、ケーシングパイプ1
1、ケーシングトップ12、ロッド13、デバイス1
4、および掘削ビット15を一体に後退させることがで
きて、容易にこの掘削不能状態を回避することができ、
その後に円滑に掘削を続行することが可能となる。
【0056】ここで、本実施形態では係合部とされる前
記突条部27の先端部27aが回転方向T後方側に突出
するようにされているが、これを、回転方向T側に突出
するようにして掘削時の回転方向Tにロッド13および
デバイス14を回転させることにより前記被係合部と係
合可能とするようにしてもよく、また回転方向Tとその
後方側とに突出する側面視にT字型をなすようにしてこ
れら回転方向Tとその後方の両方向いずれに回転させて
も係合可能とするようにしてもよい。また、このように
係合部を突条部27から周方向に突出させるのに代え
て、該係合部を径方向外周側に突出する凸部として形成
する一方、凹溝部28には、この係合部も含めて突条部
27を挿通可能な溝深さの深い部分と、デバイス14を
回転させたときに係合部を除いた突条部27を収容可能
な溝深さの浅い部分とを隣接して形成し、さらにこの溝
深さの浅い部分に、デバイス14を回転させたときに係
合部を収容可能な深い凹所を形成して被係合部とし、こ
の凹所の先端側を向く側壁に前記凸部の後端側を向く側
壁を当接させて軸線O方向後端側に前記係合部と被係合
部とを係合可能とするようにしてもよい。ただし、この
ように係合部を径方向外周側に突出する凸部として形成
した場合には、上述のように凹溝部28に溝深さの深い
部分を形成しなければならず、この部分においてはスカ
ート部15dの肉厚が薄くなってしまうので、係合部を
凸部とする場合には本実施形態のように周方向に突出す
るように形成するのが望ましい。
【0057】一方、このように係合部をデバイスの突条
部27がなす断面から突出する凸部とするとともに被係
合部をこの凸部が収容可能な凹所として形成するのとは
逆に、突条部27の例えば後端側寄りに該突条部27の
断面から周方向に陥没する凹所を形成して係合部とする
一方、凹溝部28側には該突条部27を挿通した上でデ
バイス14を回転させることにより前記凹所に嵌り込ん
で後端側に係合される突出部を形成して被係合部とする
ようにしてもよい。因みに、本実施形態においても見方
を変えれば、デバイス14先端部外周の前記突条部27
に形成された凹部27bが前記係合部とされる凹所とさ
れ、この凹部27bに、掘削ビット15の孔部15dの
隣接する凹溝部28間に画成される前記突条29が、前
記被係合部としての突出部として嵌り込んで後端側に係
合させられていると見ることもできる。
【0058】ところで、このような掘削工具の前記ケー
シングパイプ11は、最先端のファーストケーシングパ
イプ11Bも含めてケーシングトップ12と同じ鋼材等
により形成されるのが一般的である。ところが、例えば
トンネルの掘削工事などにおいては、トンネルの本孔を
掘削する地盤の周囲に上述のような掘削工具によって削
孔を形成してケーシングパイプ11を建て込み、このケ
ーシングパイプ11から薬液を注入して地盤を安定させ
ておいてから、建て込まれたケーシングパイプ11ごと
地盤を掘削してトンネル本孔を削孔するような場合があ
り、そのような場合にはケーシングパイプ11はトンネ
ル本孔掘削の際に破壊されやすいように、樹脂製や場合
によっては紙製など、ケーシングトップ12よりも低強
度の材質が用いられることが望ましい。
【0059】しかしながら、従来は、このような低強度
のケーシングパイプ11を用いると、建て込みの際の抵
抗によってケーシングパイプ11に破損が生じてしまう
おそれが高く、掘削条件等が制限されざるを得なかっ
た。しかして、これに対して前記構成の掘削工具によれ
ば、上述のようにケーシングトップ12がファーストケ
ーシングパイプ11Bに対して軸線O方向に移動可能と
されていて、ロッド13からデバイス14を介して伝達
される打撃力及び推力に抗して作用するケーシング建て
込み時の抵抗は専らケーシングトップ12のみに作用す
ることとなるので、ファーストケーシングパイプ11B
を初めとするケーシングパイプ11への抵抗は軽減する
ことが可能となり、しかも前記実施形態では万一ジャミ
ング等が発生して掘削工具を後退させる場合でも、上述
のように掘削ビット15はデバイス14に係合して後退
させられるためケーシングパイプ11にはせいぜいケー
シングトップ12までを後退させる引っ張り力を与えれ
ばよく、従ってケーシングパイプ11が低強度の材質に
よって形成されていても、その破損を防止することがで
き、上述のような掘削に用いて特に効果的である。
【0060】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、削
孔時、掘削ビットを常に包囲した状態でケーシングトッ
プを削孔に建て込むことができるので、削孔壁の崩落を
防止して掘削作業を良好に行うことができ、しかも土砂
などに対する充分な耐久性を保つこともでき、またケー
シングパイプにケーシングトップが取り付けられていて
も、ケーシングトップに打撃力や推力を減衰することな
く確実に伝達することができ、ケーシングトップを的確
に建て込みさせることができ、削孔を確実に良好に行う
ことができる効果がある。その一方で、このケーシング
トップはケーシングパイプに対して軸線方向に移動可能
に取り付けられているので、建て込み時にケーシングパ
イプに過大な抵抗が作用することがなく、また継ぎ足さ
れるケーシングパイプとロッドとの間に寸法誤差等があ
ったとしても、これをケーシングトップの移動によって
調整することができて、推力打撃伝達手段により確実に
ケーシングトップに推力打撃力を伝達することが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態を示す側断面図であ
る。
【図2】 図1に示す実施形態の先端側部分の側断面図
である。
【図3】 図1に示す実施形態のデバイス(掘削工具本
体)14を示す(イ)先端側から見た正面図、(ロ)側
面図、(ハ)後端側から見た背面図、(ニ)(イ)にお
けるAA側断面図(ただし、鎖線部分はBB断面図)で
ある。
【図4】 図1に示す実施形態の掘削ビット15を示す
(イ)先端側から見た正面図、(ロ)側面図、(ハ)後
端側から見た背面図(ただし止め輪24は図示略)であ
る。
【図5】 本発明の第2の実施形態を示す先端側部分の
側断面図である。
【図6】 本発明の第3の実施形態を示す先端側部分
(掘削ビット15周辺)の側断面図である。
【図7】 従来の掘削工具を示す断面図である。
【図8】 従来の掘削工具に発生する問題を説明するた
めの図である。
【符号の説明】
11 ケーシングパイプ 11B ファーストケーシングパイプ 12 ケーシングトップ 13 ロッド 14 デバイス(掘削工具本体) 15 掘削ビット 15d 孔部 21,41 ケーシング係止機構 21A,24B 止め輪(弾性部材) 21B,24A,41C,41D,42C,42D 収
納凹部 22 推力打撃伝達手段 23 張り出し筒部 24,42 ビット係止機構 26,30 くり粉溝 26a,30a くり粉溝26,30の底面 27 突条部 28 凹溝部 31 チップ 41A,42A 雌ネジ山部 41B,42B 雄ネジ山部 O ケーシングパイプの軸線 T 掘削時のロッド13の回転方向 X ケーシングトップ12の張り出し筒部23先端にお
けるくり粉溝30の底面30aとの間の間隔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久田 仁也 岐阜県安八郡神戸町大字横井字中新田1528 番地 株式会社リョウテック建設工具工場 内 (72)発明者 中村 和由 岐阜県安八郡神戸町大字横井字中新田1528 番地 株式会社リョウテック建設工具工場 内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸線方向に推力と打撃が伝達されるケー
    シングパイプと、このケーシングパイプの内部に同芯上
    に配置されていて、軸線方向に推力と打撃が伝達される
    と共に回転力が伝達されるロッドと、該ロッドの先端部
    に取り付けられた掘削工具本体と、該掘削工具本体の先
    端にこの掘削工具本体に対する回転が拘束されて装着さ
    れる掘削ビットとを備えた掘削工具において、 前記ケーシングパイプの先端には、前記ケーシングパイ
    プに対して軸線方向に移動可能でかつ軸線周りに回転可
    能な円筒状のケーシングトップが前記掘削工具本体に外
    嵌されるようにして取り付けられ、前記ケーシングトッ
    プの先端には、前記掘削ビットの外周部まで張り出す張
    り出し筒部が形成され、前記ケーシングトップの内周部
    及び前記掘削工具本体の外周部間に、前記ロッドに伝達
    された推力と打撃を前記ケーシングトップに伝達すると
    ともに、前記ケーシングトップを軸線方向に移動させる
    推力打撃伝達手段を設けたことを特徴とする掘削工具。
  2. 【請求項2】 前記ケーシングトップは、前記ケーシン
    グパイプに対する前記軸線方向の少なくとも先端側への
    移動範囲を制限するケーシング係止機構を介して該ケー
    シングパイプの先端に取り付けられていることを特徴と
    する請求項1に記載の掘削工具。
  3. 【請求項3】 前記ケーシングトップとケーシングパイ
    プとは、一方の内周に他方が嵌挿されて取り付けられて
    いるとともに、前記ケーシング係止機構は、これらケー
    シングトップとケーシングパイプとの互いに嵌挿される
    内外周のうち、一方に取り付けられた前記軸線に対する
    径方向に拡縮径可能な弾性部材と、他方にこの弾性部材
    を収容可能に形成された収納凹部とから構成されている
    ことを特徴とする請求項2に記載の掘削工具。
  4. 【請求項4】 前記ケーシングトップとケーシングパイ
    プとは、一方の内周に他方が嵌挿されて取り付けられて
    いるとともに、前記ケーシング係止機構は、これらケー
    シングトップとケーシングパイプとの互いに嵌挿される
    内外周にそれぞれ形成された互いに螺合可能な雌雄ネジ
    山部と、各雌雄ネジ山部に連続して反対側のネジ山部を
    収容可能に形成された前記軸線方向に延びる収納凹部と
    から構成されていることを特徴とする請求項2に記載の
    掘削工具。
  5. 【請求項5】 前記掘削ビットは、前記ケーシングトッ
    プに対して前記軸線方向に移動可能、かつこのケーシン
    グトップに対する前記軸線方向の少なくとも先端側への
    移動範囲を制限するビット係止機構を介して該ケーシン
    グトップの先端に取り付けられていることを特徴とする
    請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の掘削工具。
  6. 【請求項6】 前記ビット係止機構は、前記掘削ビット
    の外周部と前記張り出し筒部の内周部とのうち、一方に
    取り付けられた前記軸線に対する径方向に拡縮径可能な
    弾性部材と、他方にこの弾性部材を収容可能に形成され
    た収納凹部とから構成されていることを特徴とする請求
    項5に記載の掘削工具。
  7. 【請求項7】 前記ビット係止機構は、前記掘削ビット
    の外周部と前記張り出し筒部の内周部とにそれぞれ形成
    された互いに螺合可能な雌雄ネジ山部と、各雌雄ネジ山
    部に連続して反対側のネジ山部を収容可能に形成された
    前記軸線方向に延びる収納凹部とから構成されているこ
    とを特徴とする請求項5に記載の掘削工具。
  8. 【請求項8】 前記ケーシングトップの最大径部の外径
    は、前記掘削ビットの最大外径以下で、かつ前記ケーシ
    ングパイプの外径以上であることを特徴とする請求項1
    ないし請求項7のいずれかに記載の掘削工具。
  9. 【請求項9】 前記ケーシングトップとケーシングパイ
    プとは、前記ケーシングトップの内周に前記ケーシング
    パイプの先端が嵌挿されて取り付けられていることを特
    徴とする請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の掘
    削工具。
  10. 【請求項10】 前記掘削ビットの後端部には前記掘削
    工具本体の先端部が挿入可能な孔部が形成されていて、
    この掘削工具本体の先端部外周には前記軸線方向に延び
    る突条部が形成されるとともに、前記孔部の内周には前
    記突条部が挿通可能な凹溝部が形成され、前記掘削工具
    本体の回転によって前記突条部の側壁が前記凹溝部の側
    壁に当接することにより、前記掘削ビットは前記掘削工
    具本体から回転力が伝達されることを特徴とする請求項
    1ないし請求項9のいずれかに記載の掘削工具。
  11. 【請求項11】 前記掘削ビットと前記掘削工具本体の
    外周には、前記ケーシングトップの張り出し筒部より先
    端側の前記掘削ビットの外周側と、前記ロッドと前記ケ
    ーシングパイプの間の空間とを連通させるように、前記
    掘削ビットから前記掘削工具本体の後端にかけて、くり
    粉溝が形成され、このくり粉溝の底面と該底面に対向す
    る前記ケーシングトップおよびケーシングパイプの内周
    面との間の間隔は、前記ケーシングトップの張り出し筒
    部の先端において最も小さくされていることを特徴とす
    る請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の掘削工
    具。
  12. 【請求項12】 前記ケーシングパイプの少なくとも一
    部が、前記ケーシングトップよりも強度の低い材質によ
    って形成されていることを特徴とする請求項1ないし請
    求項11のいずれかに記載の掘削工具。
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