JP2003171931A - 鋼管杭 - Google Patents

鋼管杭

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JP2003171931A
JP2003171931A JP2001371351A JP2001371351A JP2003171931A JP 2003171931 A JP2003171931 A JP 2003171931A JP 2001371351 A JP2001371351 A JP 2001371351A JP 2001371351 A JP2001371351 A JP 2001371351A JP 2003171931 A JP2003171931 A JP 2003171931A
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steel pipe
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pipe pile
blade
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Katsuhiko Sato
克彦 佐藤
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Sanko Seisakusho KK
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Sanko Seisakusho KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】先端に螺旋翼などの回転貫入翼を備えた鋼管杭
において、製作が容易で、品質が良く、運搬も容易で、
コストの低減が図れる鋼管杭を提供する。 【解決手段】先端部に杭外径より大径で杭軸方向に対し
て傾斜した螺旋翼等の回転貫入翼を設けられた鋼管杭1
を鋼管杭本体2と、回転貫入翼4を有する円筒状の杭先
端部3に分割し、杭先端部3に杭本体2の先端を嵌め込
んで溶接等で固定する。回転貫入翼4は、ほぼ半円リン
グ状の平板を傾斜させて杭先端部3の外周面に取付ける
と共に、180 °位相をずらして2枚配設する。半円状の
リング板4−1、4−2は、回転掘進の先端部側の傾斜
角を大きくし、掘進促進効果が得られるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、構造物の基礎杭で
あり、回転圧入により無排土、無騒音、無振動で施工さ
れる鋼管杭に関するものであり、特に小径のミニドリル
杭に適用して極めて有効なものである。
【0002】
【従来の技術】近年、先端外周面に螺旋翼を設けた鋼管
杭を回転圧入することにより、無排土、無騒音、無振動
で鋼管杭を地中に埋設して基礎杭とする工法が行われて
いる。この種の鋼管杭は、従来から種々のものが提案さ
れており、例えば、鋼管杭の先端面(下端面)に掘削刃
を突設すると共に、鋼管杭の先端外周面に杭外径の2倍
強の外径を有する螺旋翼をほぼ一周させて突設したもの
があり、このような鋼管杭を地盤に回転圧入し、掘削刃
で杭先端の土砂を掘削軟化しつつ螺旋翼を杭本体側面の
未掘削土砂にねじ込ませて掘進される(特開平8−32
6053号公報など)。鋼管杭の埋設後は、回転圧入に
よる地盤の締め固め効果や螺旋翼の拡底・定着効果によ
り、大きな支持抵抗力と引抜き抵抗力が得られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述したよう
な従来の鋼管杭の場合、長尺の杭本体に螺旋翼を溶接で
取付けるため、製作が面倒であり、品質も良好なものが
得られず、また、嵩張るため、運搬が容易ではない。さ
らに、螺旋翼は曲面加工で螺旋状に形成しており、コス
トがかかるなどの問題もある。
【0004】本発明は、前述のような問題点を解消すべ
くなされたもので、その目的は、先端に螺旋翼などの回
転貫入翼を備えた鋼管杭において、製作が容易で、品質
が良く、運搬も容易で、コストの低減が図れる鋼管杭を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1は、先
端部に杭外径より大径で杭軸方向に対して傾斜した回転
貫入翼が設けられた鋼管杭であり、杭本体と、回転貫入
翼を有する円筒状の杭先端部に分割され、前記杭先端部
に杭本体の先端を嵌め込んで固定されていることを特徴
とする鋼管杭である。
【0006】この請求項1は、鋼管杭の先端部外周面に
杭外径の2倍程度の外径を有する螺旋翼または鋼管杭の
先端面に傾斜した翼などを有する鋼管杭であり、長尺の
杭本体と、この杭本体の外径より内径が若干大きい短尺
の回転貫入翼付き円筒状杭先端部とに分割して製作し、
施工現場において、回転貫入翼付き円筒状杭先端部に杭
本体の先端を嵌め込み、溶接やその他の固定手段で一体
化するものである。
【0007】本発明の請求項2は、請求項1に記載の鋼
管杭において、回転貫入翼は、平板を杭軸方向に対して
傾斜させて円筒状の杭先端部の外周面に取付け、略螺旋
状とした平板螺旋翼であることを特徴とする鋼管杭であ
る。
【0008】この請求項2は、平板を円弧状に形成し、
この平板を曲面加工せず直接円筒状の杭先端部の外周面
に傾斜させて溶接等で取付け、回転貫入翼をほぼ螺旋状
の平板螺旋翼としたものである。
【0009】本発明の請求項3は、請求項2に記載の鋼
管杭において、平板螺旋翼は、平面視で略半円リング状
であり、この略半円リング状の平板螺旋翼が杭の円周方
向に位相をずらせて2枚配設されていることを特徴とす
る鋼管杭である。
【0010】この請求項3は、例えば、中心角が180 °
あるいはそれ以上の略半円リング状の平板螺旋翼を2枚
位相を180 °ずらして配設し、2枚の平板螺旋翼が円筒
状の杭先端部に同じレベルで左右点対称で配置されるよ
うにしたものである。
【0011】本発明の請求項4は、請求項1または2に
記載の鋼管杭において、平板螺旋翼は、平板を折り曲げ
ることにより、各部の杭軸方向に対する傾斜角が回転貫
入方向の前部に向かって漸次大きくなるようにされてい
ることを特徴とする鋼管杭である。
【0012】この請求項4は、平板螺旋翼の回転貫入方
向の後部(後端側)は、通常の螺旋翼の傾斜角として、
拡底・定着効果を確保し、前部(先端部)は通常の螺旋
翼の傾斜角より大きい傾斜角として、掘進促進効果が得
られるようにする。また、傾斜角の大きい前部(先端
部)の先端には、外径が縮小し、あるいは、傾斜角をさ
らに大きくした貫入部を設けるのが好ましい。
【0013】本発明の請求項5は、請求項1、2、3ま
たは4に記載の鋼管杭において、円筒状の杭先端部の底
面に側面視で逆三角形状の掘削刃が設けられていること
を特徴とする鋼管杭である。
【0014】この請求項5は、杭先端の土砂を掘削軟化
する掘削刃を逆三角形状の板としたものである。鋼管杭
の先端は、底板を設ける閉塞型や底板を設けない開放型
があり、掘削刃は、円筒状の杭先端部の底面あるいは杭
本体の底面に溶接等で固定する。逆三角形状は、二等辺
三角形でもよいし、不等辺三角形でもよい。不等辺三角
形とすれば、すり鉢状の穴での空回りを防止することが
できる。
【0015】本発明の請求項6は、請求項5に記載の鋼
管杭において、逆三角形状の掘削刃の先端がW形に切り
欠かれていることを特徴とする鋼管杭である。
【0016】この請求項6は、硬い地盤に適用されるも
のであり、掘削刃先端のW形の切り欠きは、左右非対称
とし、左右で異なる突起とするのが好ましい。
【0017】以上のような構成の本発明においては、杭
本体と、回転貫入翼付き円筒状杭先端部とに分割して製
作し、現場で円筒状杭先端部に杭本体の先端を嵌合して
溶接等で一体化するため、 従来は長尺の杭本体に螺
旋翼を溶接で取付けるのに対して、短尺の円筒状杭先端
部へ取付ければよいので、杭先端の製作が容易となり、
工場で容易に製作できるため、杭先端の品質も良好
なものとなり、 杭本体と回転貫入翼付き円筒状杭先
端部とを別々に運搬でき、従来のように嵩張ることがな
いので、運搬が容易となる。
【0018】また、 鋼管杭の埋設後は、支持荷重に
対する地盤反力により回転貫入翼に曲げモーメントが作
用するが、鋼管杭の先端部は、杭本体と円筒状杭先端部
とにより二重管となっているため、杭本体を肉厚にする
必要がなく、杭本体のコストの低減が可能となる。
【0019】また、 回転貫入翼に平板螺旋翼とする
ことにより、複雑な曲面加工が不要となり、コストの低
減を図ることができる。 平板螺旋翼を略半円リング
状として位相をずらして2枚配設することにより、平板
螺旋翼を杭の全周にわたった容易に配設することがで
き、かつ、同じレベルに点対称に配置することで、杭本
体に偏心力がかかるのを防止することができる。 平
板螺旋翼を折り曲げて、その先端側の傾斜角を大きくす
ることで、拡底・定着効果と掘進促進効果の両方を同時
に得ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示する一実施形
態に基づいて説明する。これは、比較的小径のドリル杭
に適用した例である。図1は、本発明の鋼管杭の1例を
示したものである。図2は、より具体的な構造を示した
ものである。
【0021】図1、図2に示すように、本発明の鋼管杭
1は、主に、鋼管杭本体2と、円筒状の杭先端部3と、
略螺旋状の左右一対の回転貫入翼4と、掘削刃5から構
成されている。
【0022】鋼管杭本体2は、外径φ1 、板厚tで所定
長さの鋼管であり、必要に応じて、その上部に同様の鋼
管が継ぎ足されるものである。杭先端部3は、外径φ2
(>φ1 )、板厚t、長さLの鋼管であり、内径を鋼管
杭本体2の外径φ1 よりも若干大きくすることで、鋼管
杭本体2の先端(下端)を挿入して嵌め込むことができ
るようにされている。例えば、外径φ1 は100 〜200mm
程度、板厚tは6mm、長さLは100mm 程度とされてい
る。
【0023】鋼管杭本体2と杭先端部3は工場で別々に
製作して現場まで運搬し、現場において、円筒状の杭先
端部3に鋼管杭本体2の先端を嵌め込み、溶接6で固定
して一体化させる。溶接に限らず、ボルト等の固定手段
で固定することもできる。工場では、短尺の杭先端部3
に回転貫入翼4を取付ければよいため、製作が容易とな
り、また品質も良好なものが得られる。さらに、鋼管杭
本体2と杭先端部3は別々トラックに載せることがで
き、従来のように嵩張ることがなく、運搬が容易とな
る。
【0024】略螺旋状の回転貫入翼4は、外径Dが鋼管
杭本体2の外径φ1 の2倍程度の平面視でほぼ半円状の
リング板であり、2枚のリング板4−1、4−2を円周
方向に180°ずらして配設し、溶接等により杭先端部
3の外周面に固定し、左右点対称の配置により鋼管杭本
体2に偏心力が作用しないようにしている。
【0025】この回転貫入翼(リング板)4は、曲面加
工した板ではなく、平板を平面視でリング状に加工し、
これを鋼管杭軸方向に対して傾斜させて取付けること
で、ほぼ螺旋状をなす螺旋翼としている。複雑な曲面加
工が不要となることにより、コストの低減を図ることが
できる。さらに、リング状の平板を折曲加工することに
より、回転貫入方向の後部(後端側)で傾斜角α1 、前
部(先端側)でα1 より大きい傾斜角α2 (>α1 )と
している。
【0026】図1では、例えば、リング板4を中心角21
0 °のほぼ扇形とし、折曲線10で折り曲げて、中心角
120 °の扇形4aと、中心角90°の変形扇形4bから構
成している。変形扇形4bの先端部には外径が縮小する
貫入部4b’を形成している。この図1では、例えば、
α1 は18.5゜、α2 は45°とされている。このような折
曲形とすることで、扇形4aおよび変形扇形4bが地耐
力(拡底・定着)を向上させる役目をし、傾斜角の大き
い変形扇形4bおよび先鋭な貫入部4b’が掘進を促進
する役目をする。
【0027】図2では、折曲線10と11で折り曲げ
て、例えば、中心角120 °の扇形4aと、中心角60°の
扇形4bと、中心角30°で外径が縮小する貫入部4cを
形成している。この場合、扇形4aの傾斜角α1 <扇形
4bの傾斜角α2 <貫入部4cの傾斜角α3 であり、図
1と同様、地耐力の向上と、掘進の促進の効果が得られ
る。
【0028】掘削刃5は、図1に示すように、鋼管杭本
体2の底面に溶接等で固定する。あるいは、図2に示す
ように、円筒状の杭先端部3の底面を塞ぐ底板7に溶接
8で固定する。なお、鋼管杭本体2または杭先端部3の
底板を設ける閉塞型でもよいし、底板を設けない開放型
でもよい。
【0029】また、掘削刃5は、図2(a) に示すよう
に、頂角β、底角γ、板厚tの二等辺三角形あるいは不
等辺三角形の板(剣先)であり、底辺を底板7に溶接で
固定する。例えば、頂角βは60°、板厚tは12mmとされ
ている。図2(b) は、硬い地盤の場合であり、底角γの
三角形板の先端部を切欠き、左右非対称の略W形として
いる。2つの底角γは、例えば60°で等しくし、あるい
は、異なる角度とすることで、すり鉢状の穴で空回りす
るのを避けることができる。
【0030】なお、掘削刃5の斜辺あるいは回転貫入翼
4の下部には、補助掘削刃として掘削ビット9を取付け
るようにしてもよい。
【0031】なお、以上は、ミニドリル杭に適用した場
合について、説明したが、これに限らず、通常の杭にも
適用できることはいうまでもない。
【0032】
【発明の効果】(1) 杭本体と、回転貫入翼付き円筒状杭
先端部とに分割して製作し、現場で円筒状杭先端部に杭
本体の先端を嵌合して溶接等で一体化するため、回転貫
入翼を短尺の円筒状杭先端部へ取付ければよいので、杭
先端の製作が容易となる。
【0033】(2) 工場で容易に製作できるため、杭先端
の品質も良好なものとなる。 (3) 杭本体と回転貫入翼付き円筒状杭先端部とを別々に
運搬でき、従来のように嵩張ることがないので、運搬が
容易となる。
【0034】(4) 鋼管杭の埋設後は、支持荷重に対する
地盤反力により回転貫入翼に曲げモーメントが作用する
が、鋼管杭の先端部は、杭本体と円筒状杭先端部とによ
り二重管となっているため、杭本体を肉厚にする必要が
なく、杭本体のコストの低減が可能となる。
【0035】(5) 回転貫入翼に平板螺旋翼とすることに
より、複雑な曲面加工が不要となり、コストの低減を図
ることができる。
【0036】(6) 平板螺旋翼を略半円リング状として位
相をずらして2枚配設することにより、平板螺旋翼を杭
の全周にわたった容易に配設することができ、かつ、同
じレベルに点対称に配置することで、杭本体に偏心力が
かかるのを防止することができる。
【0037】(7) 平板螺旋翼を折り曲げて、その先端側
の傾斜角を大きくすることで、拡底・定着効果と掘進促
進効果の両方を同時に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の鋼管杭の1例であり、(a) は分解斜視
図、(b) は杭先端部の側面図、(c) は回転貫入翼の平面
図である。
【図2】本発明の鋼管杭のより具体的な例であり、(a)
は正面図、(b) は側面図、(c)は平面図、(d) は掘削刃
の変形例を示す正面図である。
【符号の説明】
1…鋼管杭 2…鋼管杭本体 3…円筒状の杭先端部 4…回転貫入翼(螺旋翼) 4−1、4−2…半円状のリング板 4a…扇形 4b…扇形 4b’…貫入部 4c…貫入部 5…掘削刃 6…溶接 7…底板 8…溶接 9…掘削ビット 10、11…折曲線

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端部に杭外径より大径で杭軸方向に対
    して傾斜した回転貫入翼が設けられた鋼管杭であり、杭
    本体と、回転貫入翼を有する円筒状の杭先端部に分割さ
    れ、前記杭先端部に杭本体の先端を嵌め込んで固定され
    ていることを特徴とする鋼管杭。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の鋼管杭において、回転
    貫入翼は、平板を杭軸方向に対して傾斜させて円筒状の
    杭先端部の外周面に取付け、略螺旋状とした平板螺旋翼
    であることを特徴とする鋼管杭。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の鋼管杭において、平板
    螺旋翼は、平面視で略半円リング状であり、この略半円
    リング状の平板螺旋翼が杭の円周方向に位相をずらせて
    2枚配設されていることを特徴とする鋼管杭。
  4. 【請求項4】 請求項1または2に記載の鋼管杭におい
    て、平板螺旋翼は、平板を折り曲げることにより、各部
    の杭軸方向に対する傾斜角が回転貫入方向の前部に向か
    って漸次大きくなるようにされていることを特徴とする
    鋼管杭。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3または4に記載の鋼管
    杭において、円筒状の杭先端部の底面に側面視で逆三角
    形状の掘削刃が設けられていることを特徴とする鋼管
    杭。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の鋼管杭において、逆三
    角形状の掘削刃の先端がW形に切り欠かれていることを
    特徴とする鋼管杭。
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