JP2003171268A - 血管内皮細胞増殖因子産生促進剤及び肌色改善剤 - Google Patents

血管内皮細胞増殖因子産生促進剤及び肌色改善剤

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JP2003171268A
JP2003171268A JP2002098789A JP2002098789A JP2003171268A JP 2003171268 A JP2003171268 A JP 2003171268A JP 2002098789 A JP2002098789 A JP 2002098789A JP 2002098789 A JP2002098789 A JP 2002098789A JP 2003171268 A JP2003171268 A JP 2003171268A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 創傷治癒剤や育毛・養毛剤および
肌色の改善効果を有する皮膚外用剤に特に有効に応用し
得るような、創傷部位あるいは毛包周辺の血管新生誘導
効果に優れる皮膚への外用に好適なVEGF産生促進剤
を得ることを課題とした。 【解決手段】 特定の構造を有する2−シクロペ
ンテノン誘導体、シクロペンタノン誘導体、ラクトン類
から選択される1種もしくは2種以上の化合物を有効成
分として配合することで、創傷治癒剤や育毛・養毛剤お
よび肌色の改善効果を有する皮膚外用剤に特に有効なV
EGF産生促進剤を提供できた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、血管内皮細胞増殖
因子(=Vascular Endothelial
Growth Factor/以下VEGFと略す)の
産生を促進し得るVEGF産生促進剤に関する。本発明
にかかるVEGF産生促進剤は、特に、創傷治癒促進
剤、育毛・養毛剤、および肌色の改善効果を有する皮膚
外用剤等に応用され得るものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、創傷の治癒促進剤や、育毛・
養毛剤および肌色の改善効果を有する皮膚外用剤におい
ては、血行を促進したり、皮膚の新陳代謝を活性化した
りする作用を有する成分が用いられてきた。かかる血行
促進剤としては、センブリ抽出物(スェルチノーゲ
ン)、セファランチン、ビタミンEおよびその誘導体、
γ−オリザノール等が挙げられ、皮膚の新陳代謝を促進
する物質としては、ワサビ抽出物(特開昭62−215
116)、炭素数18〜22の不飽和結合を2以上含有
する脂肪酸またはその塩等(特開平7−19646
5)、ヒドロキシサリチル酸またはそのエステルの配糖
体(特開平8−268870)などが開示されている。
【0003】また、創傷治癒促進効果を有する物質とし
ては、アスコルビン酸、アラントイン、アズレン化合
物、パントテン酸またはその塩、ビタミンB群化合物な
どが知られており、その他、単球走化性活性化因子(特
開平7−82169)、ヒオウギ抽出物(特開平7−1
38179)、フラボノイド配糖体(特開平7−188
031)、アデノシン−3’,5’−環状リン酸誘導体
(特開平9−194379、特開平9−194380)
等が開示されている。
【0004】しかしながら、上記の成分に関しては、必
ずしも適用部位において特異的に作用するとは限らず、
期待した作用効果が十分得られない場合があった。ま
た、実際に製剤化した場合には、変色や変臭が生じる場
合があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明に於い
ては、創傷治癒剤や育毛・養毛剤および肌色の改善効果
を有する皮膚外用剤に特に有効に応用し得るような、創
傷部位あるいは毛包周辺の血管新生誘導効果に優れる皮
膚への外用に好適なVEGF産生促進剤を得ることを課
題とした。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するべく、鋭意検討を行った結果、次の一般式
(1)、(2)、(3)で表される化合物に優れたVE
GF産生促進作用を見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0007】
【化4】
【0008】〔式中、Rは水素もしくは炭素数が1〜
18の直鎖もしくは分岐鎖を有する飽和もしくは不飽和
の炭化水素基を示し、Rは水素もしくは炭素数が1〜
6の直鎖もしくは分岐鎖を有する飽和もしくは不飽和の
炭化水素基、もしくは炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐
鎖を有するヒドロキシアルキル基、もしくは、−(CH
mCHOでmが0〜5の整数であるアルデヒド基、
もしくは−(CH COORでnが0〜5の整数
であるカルボキシアルキル基(式中、Rは水素、もし
くは1価あるいは2価の金属イオン、もしくは炭素数1
〜4の直鎖もしくは分岐鎖を有する炭化水素基を示す)
をそれぞれ示す。〕
【0009】
【化5】
【0010】〔式中、Rは水素もしくは炭素数が1〜
18の直鎖もしくは分岐鎖を有する飽和もしくは不飽和
の炭化水素基を示し、Rは水素もしくは炭素数が1〜
6の直鎖もしくは分岐鎖を有する飽和もしくは不飽和の
炭化水素基、もしくは炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐
鎖を有するヒドロキシアルキル基、もしくは、−(CH
CHOでoが0〜5の整数であるアルデヒド基、
もしくは−(CH COORでpが0〜5の整数
であるカルボキシアルキル基(式中、Rは水素、もし
くは1価あるいは2価の金属イオン、もしくは炭素数1
〜4の直鎖もしくは分岐鎖を有する炭化水素基を示す)
をそれぞれ示す。〕
【0011】
【化6】
【0012】〔式中、Rは水素もしくは炭素数が1〜
18の直鎖もしくは分岐鎖を有する飽和もしくは不飽和
の炭化水素基を示し、Rは水素もしくは炭素数が1〜
6の直鎖もしくは分岐鎖を有する飽和もしくは不飽和の
炭化水素基、もしくは炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐
鎖を有するヒドロキシアルキル基、もしくは、−(CH
CHOでqが0〜5の整数であるアルデヒド基、
もしくは−(CH COORでrが0〜5の整数
であるカルボキシアルキル基(式中、Rは水素、もし
くは1価あるいは2価の金属イオン、もしくは炭素数1
〜4の直鎖もしくは分岐鎖を有する炭化水素基を示す)
をそれぞれ示す。〕
【0013】
【発明の実施の形態】本発明に係る上記一般式(1)、
(2)、(3)の化合物は、ジャスミンなどの植物の精
油成分や合成香料として汎用されている成分に良く見ら
れる部分構造を有している。たとえば、一般式(1)に
該当する成分としては一般にシス−ジャスモン(cis
−Jasmone)として知られている化合物(4)
や、ジヒドロジャスモン(Dihydrojasmon
e)(化合物(5))等がある。また、一般式(2)に
該当する成分としては、一般にメチルジヒドロジャスモ
ネート(Methyl dihydrojasomon
ate)として知られているエステル化合物(6)や、
メチルイソジヒドロジャスモネート(Methylis
odihydrojasmonate)(化合物
(7))や、アルデヒドであるジャスモナール(Jas
monal)(化合物(8))等があり、さらに、一般
式(3)で表される成分としては、一般にジャスミンラ
クトン(Jasmin lactone)として知れら
れている化合物(9)等がある。一般式(1)から一般
式(3)で表される化合物は、一般に香料用原料として
容易に入手できるものもあるが、化合物(4)から化合
物(9)の合成方法を参考に容易に合成ができるもので
ある。
【0014】
【化7】
【0015】
【化8】
【0016】
【化9】
【0017】
【化10】
【0018】
【化11】
【0019】
【化12】
【0020】本発明に於いては、上記化合物群から1種
または2種以上を選択して用いる。これらの化合物はそ
のままでもVEGF産生促進剤として用いることができ
るが、各種基剤または担体に含有させて、VEGF産生
促進剤としても良い。VEGF産生促進剤全量に対する
添加量としては、用いる有効成分の種類にもよるが、
0.0001〜10.0重量%であり、好ましくは、
0.0005〜5.0重量%、さらに詳しくは0.00
05〜1.0重量%である。
【0021】本発明に係るVEGF産生促進剤は、液
剤、乳液、ゲル剤、クリーム剤、軟膏剤、粉剤、顆粒
剤、丸剤等種々の剤型で提供することができる。また、
本発明に係るVEGF産生促進剤には、その効果を損な
わない範囲で、油性成分、界面活性剤、保湿剤、賦形
剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤、上述以外の香料成分、防
腐剤等の一般的な医薬品および化粧料用添加剤を含有さ
せることができ、これらを併用することで、クリームや
乳液などの乳化物や、化粧水や育毛剤などの水性皮膚外
用剤、さらには、これをゲル化した水性ゲル状皮膚外用
剤、あるいは石鹸や洗顔フォーム、シャンプーなどの洗
浄用化粧料、あるいはピールオフ型や洗い流し型のパッ
ク剤などにすることができる。
【0022】
【実施例】さらに本発明について、実施例を用いて詳細
に説明する。
【0023】<VEGF産生促進効果>正常ヒト表皮細
胞を1穴あたり2.0×10個となるように96穴プ
レートに播種した。播種培地は市販培地のKG−2(ク
ラボウ製)を用いた。播種24時間後、任意の濃度の試
料を添加したKG−2培地に交換し、さらに24時間培
養をおこなった。この培養上清中のVEGF量をエンザ
イム イムノ アッセイ法〔Enzyme−linke
d immunosorbent assay(ELI
SA)〕により定量した。すなわち、新規96穴プレー
トを抗VEGF抗体でコーティングし、4℃で12時間
静置した後、1%ウシ血清を添加し、これに上述の培養
上清を添加する。続いて、ビオチン標識抗VEGF抗
体、ストレプタビジンHRPと反応させた後、2,2’
−アジノビス(3−エチルベンゾチアゾリン−6−スル
ホン酸)ジアンモニウム塩〔2,2’−Azino−b
is(3−ethylbenzothiazoline
−6−sulfonic acid)diammoni
um salt(ABTS)〕および過酸化水素水を添
加した基質溶液を加えて反応させた。得られた溶液の4
05nmにおける吸光度を測定し、あらかじめ測定して
おいた細胞数をもとに、単位細胞数あたりのVEGF産
生量を測定した。コントロールとして試料を添加しなか
った場合のVEGF産生量を100とした相対値を表1
に示す。
【0024】
【表1】
【0025】表1から明らかなように、シス−ジャスモ
ン(実施例1)では0.025mg/mL〜0.1mg
/mL添加した場合に、無添加の場合と比較して、危険
率1%未満で有意なVEGF産生促進作用が認められ
た。また、メチルジヒドロジャスモネート(実施例2)
では0.00625mg/mL〜0.1mg/mL添加
した場合に、無添加の場合と比較して、危険率1%未満
で有意なVEGF産生促進作用が認められた。さらにジ
ャスミンラクトン(実施例3)では0.05mg/mL
〜0.1mg/mL添加した場合に、無添加の場合と比
較して、危険率1%未満で有意なVEGF産生促進作用
が認められ、0.025mg/mL添加した場合には、
危険率5%で有意にVEGFの産生が促進された。
【0026】 [実施例4] 液状VEGF産生促進剤 (1)エタノール 10.00(重量%) (2)ポリオキシエチレン 硬化ヒマシ油(60E.O.) 0.30 (3)シス−ジャスモン(化合物(4)) 0.10 (4)パラオキシ安息香酸メチル 0.02 (5)濃グリセリン 3.00 (6)1,3−ブチレングリコール 1.00 (7)精製水 残部 製法:(1)に(2)、(3)、(4)を順次添加し、
均一に溶解しアルコール相とする。これを、あらかじめ
(7)に(5)及び(6)を添加して均一にした水相に
撹拌しながら均一に混合する。また、(3)を精製水に
代替して調製したものを比較例1とする。
【0027】 [実施例5] 乳液状VEGF産生促進剤 (1)スクワラン 6.00(重量%) (2)メチルフェニルポリシロキサン 4.00 (3)水素添加パーム核油 0.50 (4)モノステアリン酸ポリオキシエチレン ソルビタン(20E.O.) 1.30 (5)モノステアリン酸ソルビタン 1.00 (6)グリセリン 10.00 (7)パラオキシ安息香酸メチル 0.10 (8)1重量%カルボキシビニルポリマー水溶液 15.00 (9)10重量%L−アルギニン水溶液 1.00 (10)ジャスミンラクトン(化合物(9)) 0.15 (11)精製水 残部 製法:(1)〜(5)の油相成分を加熱溶解し、80℃
とする。一方(6)〜(8)を(11)に加熱溶解した
ものを加え、均一に撹拌する。次いで、(9)を加え、
ホモジナイザーにより均一に乳化した後、冷却し、45
℃にて(10)を加えて均一にする。また、(10)を
精製水に代替して調製したものを比較例2とする。
【0028】 [実施例6] クリーム状VEGF産生促進剤 (1)スクワラン 10.00(重量%) (2)ステアリン酸 2.00 (3)水素添加パーム核油 0.50 (4)水素添加大豆リン脂質 0.10 (5)セタノール 3.60 (6)親油型モノステアリン酸グリセリン 2.00 (7)グリセリン 10.00 (8)パラオキシ安息香酸メチル 0.10 (9)1重量%カルボキシビニルポリマー水溶液 15.00 (10)10重量%L−アルギニン水溶液 3.00 (11)メチルジヒドロジャスモネート(化合物(6)) 0.20 (12)精製水 残部 製法:(1)〜(6)の油相成分を加熱溶解し、80℃
とする。一方(7)〜(9)及び(12)を加熱溶解
し、80℃とする。これに前記油相を攪拌しながら加え
たあと、(10)を加えて、ホモジナイザーにより均一
に乳化する。30℃まで冷却した後、(11)を添加し
混合、均一化する。また、(11)を精製水に代替して
調製したものを比較例3とする。
【0029】 [実施例7] ゲル状VEGF産生促進剤 (1)ジプロピレングリコール 10.00(重量%) (2)カルボキシビニルポリマー 0.50 (3)10重量%水酸化カリウム水溶液 0.10 (4)パラオキシ安息香酸メチル 0.10 (5)ジヒドロジャスモン(化合物(5)) 0.10 (6)精製水 残部 製法:(6)に(2)を均一に溶解した後、(1)に
(4)、(5)を溶解して添加し、次いで(3)を加え
て増粘させる。また、(5)を精製水に代替して調製し
たものを比較例4とする。
【0030】 [実施例8] パック状VEGF産生促進剤 (1)ポリビニルアルコール 10.00(重量%) (2)エタノール 2.00 (3)精製水 50.00 (4)ポリエチレングリコール1500 1.50 (5)1,3−ブチレングリコール 5.00 (6)パラオキシ安息香酸メチル 0.10 (7)ジャスモナール(化合物(8)) 0.20 (8)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(50E.O.) 0.20 (9)エタノール 8.00 (10)精製水 残部 製法:(1)に(2)を加え湿らせておいたものに、常
温の(3)を加え、ゆっくりと撹拌しながら80℃まで
加熱する。(1)が均一に溶解したことを確認後、50
℃まで冷却し、(4)、(5)を加え撹拌する。(4)
の溶解を確認後、30℃まで冷却し、あらかじめ(9)
に(6)〜(8)を溶解したアルコール相と(10)を
順次添加して、均一に撹拌する。また、(7)を精製水
に代替して調製したものを比較例5とする。
【0031】 [実施例9] 洗浄剤型VEGF産生促進剤 (1)ミリスチン酸 24.00(重量%) (2)ステアリン酸 12.00 (3)親油型モノステアリン酸グリセリン 3.00 (4)濃グリセリン 15.00 (5)精製水 30.00 (6)水酸化カリウム 7.80 (7)メチルジヒドロイソジャスモネート (化合物(7)) 0.50 (8)精製水 残部 製法:(1)、(2)、(3)、(4)を順次量りこ
み、80℃まで加熱する。これに、(6)を溶解させた
(5)を80℃まで加熱したものをゆっくりと撹拌しな
がら加える。均質になるまで撹拌後、45℃まで冷却
し、(7)および(8)を加えて均質になるまで撹拌す
る。また、(7)を精製水に代替して調製したものを比
較例6とする。
【0032】 [実施例10] 液状VEGF産生促進剤(2) (1)エタノール 50.00(重量%) (2)ポリオキシエチレン 硬化ヒマシ油(40E.O.) 0.20 (3)メチルジヒドロジャスモネート(化合物(6)) 0.20 (4)ジプロピレングリコール 5.00 (5)サリチル酸 0.10 (6)精製水 残部 製法:(1)に(2)から(5)を順次添加し、撹拌後
溶解させる。これに(6)を加え、均一に混合する。ま
た、(3)を精製水に代替して調製したものを比較例7
とする。
【0033】<血管新生効果>上記実施例4から実施例
7について、モルモットの創傷部位における血管新生促
進効果を評価した。同時に比較例1から比較例4につい
ても評価を行った。血管新生促進効果は、背部を剃毛
し、人工的に創傷を形成したモルモット5匹を1群と
し、各群の創傷部位に実施例および比較例のそれぞれ
0.2gずつを1日2回塗布し、3日後の組織片を作製
して、血管新生の様子を観察して評価した。その結果を
表2に示した。
【0034】
【表2】
【0035】表2より明らかなように、本発明の実施例
4から実施例7を塗布した群では、4例以上のモルモッ
トにて血管新生を認めた。これに対し比較例塗布群で
は、明確な血管新生効果を認めた例は2例以下であり、
本発明に係る化合物の血管新生効果すなわち創傷治癒促
進効果が明らかとなった。
【0036】<肌色改善効果>実施例4から実施例9お
よび、比較例1から比較例6を用いて、20代から50
代の女性パネラー20名を1群として、実使用試験を行
った。各パネルに実施例とそれに対応する比較例を半顔
ずつに1日2回、30日間連続で使用させた。(ただ
し、パック剤である実施例8および比較例5については
2日に1回とした。)使用試験終了後、専門の判定員3
名の協議により、実施例を連用した方と比較例を連用し
た方のどちらが血色が良いかを判定させた。血色が良い
ほうに2点、悪いほうには1点を与え、その合計点数を
表3に示した。
【0037】
【表3】
【0038】表3の結果をクレーマーの検定表と照らし
合わせると、使用試験を行った群のすべてに於いて実施
例の方が、危険率5%で有意に皮膚の血色が良いという
結果が得られた。
【0039】<育毛効果>実施例10および比較例7を
用いて、使用試験を行った。パネラーは30代から50
代の脱毛症の男性20人を一群として、各群に実施例お
よび比較例をブラインドにて1日2回、6ヶ月間連続で
使用させた。試験終了後、発毛の程度を写真にて下表4
に示した基準を用いて判定した。その結果について表5
に示した。
【0040】
【表4】
【0041】
【表5】
【0042】<女性における育毛・養毛効果>実施例1
0および比較例7を用いて、使用試験を行った。パネラ
ーは30代から50代の薄毛が気になる女性20人を一
群として、各群に実施例および比較例をブラインドにて
1日2回、6ヶ月間連続で使用させた。試験終了後、髪
の毛の状態の変化に関してアンケートを実施した。その
結果について表6にアンケート項目とともに示した。
【0043】
【表6】
【0044】表5より明らかなように、本発明の実施例
10使用群では半数の10例で硬毛の発生を認めている
のに対して、比較例7使用群では硬毛の発生が認められ
た例は1例としてなかった。また、表6から明らかなよ
うに、本発明の実施例10使用群では、髪の毛のツヤ、
ハリ・コシ、及び量について、やや改善以上の効果が認
められ、比較例7よりも、改善効果が高かった。このこ
とから、本発明におけるVEGF産生促進剤は、男性用
および女性用の育毛・養毛剤としても応用できる事がわ
かった。
【0045】
【発明の効果】以上、詳しく述べてきたように、本発明
のVEGF産生促進剤は血管新生効果に優れ、創傷治癒
促進剤、育毛・養毛剤、及び肌色の改善効果に優れた皮
膚外用剤に応用できる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成15年2月14日(2003.2.1
4)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 血管内皮細胞増殖因子産生促進剤
及び肌色改善剤
【特許請求の範囲】
【化1】 で表されるジャスモナール(Jasmonal)を含有
する血管内皮細胞増殖因子産生促進剤。
【化2】 で表されるジャスモナール(Jasmonal)を含有
する肌色改善剤。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、血管内皮細胞増殖
因子(=Vascular Endothelial
Growth Factor/以下VEGFと略す)の
産生を促進し得るVEGF産生促進剤に関する。本発明
にかかるVEGF産生促進剤は、特に、創傷治癒促進
剤、育毛・養毛剤、および肌色の改善効果を有する皮膚
外用剤等に応用され得るものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、創傷の治癒促進剤や、育毛・
養毛剤および肌色の改善効果を有する皮膚外用剤におい
ては、血行を促進したり、皮膚の新陳代謝を活性化した
りする作用を有する成分が用いられてきた。かかる血行
促進剤としては、センブリ抽出物(スェルチノーゲ
ン)、セファランチン、ビタミンEおよびその誘導体、
γ−オリザノール等が挙げられ、皮膚の新陳代謝を促進
する物質としては、ワサビ抽出物(特開昭62−215
116)、炭素数18〜22の不飽和結合を2以上含有
する脂肪酸またはその塩等(特開平7−19646
5)、ヒドロキシサリチル酸またはそのエステルの配糖
体(特開平8−268870)などが開示されている。
【0003】また、創傷治癒促進効果を有する物質とし
ては、アスコルビン酸、アラントイン、アズレン化合
物、パントテン酸またはその塩、ビタミンB群化合物な
どが知られており、その他、単球走化性活性化因子(特
開平7−82169)、ヒオウギ抽出物(特開平7−1
38179)、フラボノイド配糖体(特開平7−188
031)、アデノシン−3’,5’−環状リン酸誘導体
(特開平9−194379、特開平9−194380)
等が開示されている。
【0004】しかしながら、上記の成分に関しては、必
ずしも適用部位において特異的に作用するとは限らず、
期待した作用効果が十分得られない場合があった。ま
た、実際に製剤化した場合には、変色や変臭が生じる場
合があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明に於い
ては、創傷治癒剤や育毛・養毛剤および肌色の改善効果
を有する皮膚外用剤に特に有効に応用し得るような、創
傷部位あるいは毛包周辺の血管新生誘導効果に優れる皮
膚への外用に好適なVEGF産生促進剤を得ることを課
題とした。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するべく、鋭意検討を行った結果、次の一般式
(1)、(2)、(3)で表される化合物に優れたVE
GF産生促進作用を見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0007】
【化3】
【0008】〔式中、R1は水素もしくは炭素数が1〜
18の直鎖もしくは分岐鎖を有する飽和もしくは不飽和
の炭化水素基を示し、R2は水素もしくは炭素数が1〜
6の直鎖もしくは分岐鎖を有する飽和もしくは不飽和の
炭化水素基、もしくは炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐
鎖を有するヒドロキシアルキル基、もしくは、−(CH
2mCHOでmが0〜5の整数であるアルデヒド基、も
しくは−(CH2nCOOR3でnが0〜5の整数であ
るカルボキシアルキル基(式中、R3は水素、もしくは
1価あるいは2価の金属イオン、もしくは炭素数1〜4
の直鎖もしくは分岐鎖を有する炭化水素基を示す)をそ
れぞれ示す。〕
【0009】
【化4】
【0010】〔式中、R4は水素もしくは炭素数が1〜
18の直鎖もしくは分岐鎖を有する飽和もしくは不飽和
の炭化水素基を示し、R5は水素もしくは炭素数が1〜
6の直鎖もしくは分岐鎖を有する飽和もしくは不飽和の
炭化水素基、もしくは炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐
鎖を有するヒドロキシアルキル基、もしくは、−(CH
2oCHOでoが0〜5の整数であるアルデヒド基、も
しくは−(CH2pCOOR6でpが0〜5の整数であ
るカルボキシアルキル基(式中、R6は水素、もしくは
1価あるいは2価の金属イオン、もしくは炭素数1〜4
の直鎖もしくは分岐鎖を有する炭化水素基を示す)をそ
れぞれ示す。〕
【0011】
【化5】
【0012】〔式中、R7は水素もしくは炭素数が1〜
18の直鎖もしくは分岐鎖を有する飽和もしくは不飽和
の炭化水素基を示し、R8は水素もしくは炭素数が1〜
6の直鎖もしくは分岐鎖を有する飽和もしくは不飽和の
炭化水素基、もしくは炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐
鎖を有するヒドロキシアルキル基、もしくは、−(CH
2qCHOでqが0〜5の整数であるアルデヒド基、も
しくは−(CH2rCOOR9でrが0〜5の整数であ
るカルボキシアルキル基(式中、R9は水素、もしくは
1価あるいは2価の金属イオン、もしくは炭素数1〜4
の直鎖もしくは分岐鎖を有する炭化水素基を示す)をそ
れぞれ示す。〕さらに詳細には、本発明は、化学式(8)
【0013】
【化6】
【0014】で表されるジャスモナール(Jasmon
al)を含有する血管内皮細胞増殖因子産生促進剤及び
肌色改善剤に関するものである。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明に係る上記一般式(1)、
(2)、(3)の化合物は、ジャスミンなどの植物の精
油成分や合成香料として汎用されている成分に良く見ら
れる部分構造を有している。たとえば、一般式(1)に
該当する成分としては一般にシス−ジャスモン(cis
−Jasmone)として知られている化合物(4)
や、ジヒドロジャスモン(Dihydrojasmon
e)(化合物(5))等がある。また、一般式(2)に
該当する成分としては、一般にメチルジヒドロジャスモ
ネート(Methyl dihydrojasomon
ate)として知られているエステル化合物(6)や、
メチルイソジヒドロジャスモネート(Methylis
odihydrojasmonate)(化合物
(7))や、アルデヒドであるジャスモナール(Jas
monal)(化合物(8))等があり、さらに、一般
式(3)で表される成分としては、一般にジャスミンラ
クトン(Jasmin lactone)として知れら
れている化合物(9)等がある。一般式(1)から一般
式(3)で表される化合物は、一般に香料用原料として
容易に入手できるものもあるが、化合物(4)から化合
物(9)の合成方法を参考に容易に合成ができるもので
ある。
【0016】
【化7】
【0017】
【化8】
【0018】
【化9】
【0019】
【化10】
【0020】
【化11】
【0021】
【化12】
【0022】本発明に於いては、上記化合物群から1種
または2種以上を選択して用いる。これらの化合物はそ
のままでもVEGF産生促進剤として用いることができ
るが、各種基剤または担体に含有させて、VEGF産生
促進剤としても良い。VEGF産生促進剤全量に対する
添加量としては、用いる有効成分の種類にもよるが、
0.0001〜10.0重量%であり、好ましくは、
0.0005〜5.0重量%、さらに詳しくは0.00
05〜1.0重量%である。
【0023】本発明に係るVEGF産生促進剤は、液
剤、乳液、ゲル剤、クリーム剤、軟膏剤、粉剤、顆粒
剤、丸剤等種々の剤型で提供することができる。また、
本発明に係るVEGF産生促進剤には、その効果を損な
わない範囲で、油性成分、界面活性剤、保湿剤、賦形
剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤、上述以外の香料成分、防
腐剤等の一般的な医薬品および化粧料用添加剤を含有さ
せることができ、これらを併用することで、クリームや
乳液などの乳化物や、化粧水や育毛剤などの水性皮膚外
用剤、さらには、これをゲル化した水性ゲル状皮膚外用
剤、あるいは石鹸や洗顔フォーム、シャンプーなどの洗
浄用化粧料、あるいはピールオフ型や洗い流し型のパッ
ク剤などにすることができる。
【0024】
【実施例】さらに本発明について、実施例を用いて詳細
に説明する。
【0025】<VEGF産生促進効果>正常ヒト表皮細
胞を1穴あたり2.0×104個となるように96穴プ
レートに播種した。播種培地は市販培地のKG−2(ク
ラボウ製)を用いた。播種24時間後、任意の濃度の試
料を添加したKG−2培地に交換し、さらに24時間培
養をおこなった。この培養上清中のVEGF量をエンザ
イム イムノ アッセイ法〔Enzyme−linke
d immunosorbent assay(ELI
SA)〕により定量した。すなわち、新規96穴プレー
トを抗VEGF抗体でコーティングし、4℃で12時間
静置した後、1%ウシ血清を添加し、これに上述の培養
上清を添加する。続いて、ビオチン標識抗VEGF抗
体、ストレプタビジンHRPと反応させた後、2,2’
−アジノビス(3−エチルベンゾチアゾリン−6−スル
ホン酸)ジアンモニウム塩〔2,2’−Azino−b
is(3−ethylbenzothiazoline
−6−sulfonic acid)diammoni
um salt(ABTS)〕および過酸化水素水を添
加した基質溶液を加えて反応させた。得られた溶液の4
05nmにおける吸光度を測定し、あらかじめ測定して
おいた細胞数をもとに、単位細胞数あたりのVEGF産
生量を測定した。コントロールとして試料を添加しなか
った場合のVEGF産生量を100とした相対値を表1
に示す。
【0026】
【表1】
【0027】表1から明らかなように、シス−ジャスモ
ン(実施例1)では0.025mg/mL〜0.1mg
/mL添加した場合に、無添加の場合と比較して、危険
率1%未満で有意なVEGF産生促進作用が認められ
た。また、メチルジヒドロジャスモネート(実施例2)
では0.00625mg/mL〜0.1mg/mL添加
した場合に、無添加の場合と比較して、危険率1%未満
で有意なVEGF産生促進作用が認められた。さらにジ
ャスミンラクトン(実施例3)では0.05mg/mL
〜0.1mg/mL添加した場合に、無添加の場合と比
較して、危険率1%未満で有意なVEGF産生促進作用
が認められ、0.025mg/mL添加した場合には、
危険率5%で有意にVEGFの産生が促進された。
【0028】 [実施例4] 液状VEGF産生促進剤 (1)エタノール 10.00(重量%) (2)ポリオキシエチレン 硬化ヒマシ油(60E.O.) 0.30 (3)シス−ジャスモン(化合物(4)) 0.10 (4)パラオキシ安息香酸メチル 0.02 (5)濃グリセリン 3.00 (6)1,3−ブチレングリコール 1.00 (7)精製水 残部 製法:(1)に(2)、(3)、(4)を順次添加し、
均一に溶解しアルコール相とする。これを、あらかじめ
(7)に(5)及び(6)を添加して均一にした水相に
撹拌しながら均一に混合する。また、(3)を精製水に
代替して調製したものを比較例1とする。
【0029】 [実施例5] 乳液状VEGF産生促進剤 (1)スクワラン 6.00(重量%) (2)メチルフェニルポリシロキサン 4.00 (3)水素添加パーム核油 0.50 (4)モノステアリン酸ポリオキシエチレン ソルビタン(20E.O.) 1.30 (5)モノステアリン酸ソルビタン 1.00 (6)グリセリン 10.00 (7)パラオキシ安息香酸メチル 0.10 (8)1重量%カルボキシビニルポリマー水溶液 15.00 (9)10重量%L−アルギニン水溶液 1.00 (10)ジャスミンラクトン(化合物(9)) 0.15 (11)精製水 残部 製法:(1)〜(5)の油相成分を加熱溶解し、80℃
とする。一方(6)〜(8)を(11)に加熱溶解した
ものを加え、均一に撹拌する。次いで、(9)を加え、
ホモジナイザーにより均一に乳化した後、冷却し、45
℃にて(10)を加えて均一にする。また、(10)を
精製水に代替して調製したものを比較例2とする。
【0030】 [実施例6] クリーム状VEGF産生促進剤 (1)スクワラン 10.00(重量%) (2)ステアリン酸 2.00 (3)水素添加パーム核油 0.50 (4)水素添加大豆リン脂質 0.10 (5)セタノール 3.60 (6)親油型モノステアリン酸グリセリン 2.00 (7)グリセリン 10.00 (8)パラオキシ安息香酸メチル 0.10 (9)1重量%カルボキシビニルポリマー水溶液 15.00 (10)10重量%L−アルギニン水溶液 3.00 (11)メチルジヒドロジャスモネート(化合物(6)) 0.20 (12)精製水 残部 製法:(1)〜(6)の油相成分を加熱溶解し、80℃
とする。一方(7)〜(9)及び(12)を加熱溶解
し、80℃とする。これに前記油相を攪拌しながら加え
たあと、(10)を加えて、ホモジナイザーにより均一
に乳化する。30℃まで冷却した後、(11)を添加し
混合、均一化する。また、(11)を精製水に代替して
調製したものを比較例3とする。
【0031】 [実施例7] ゲル状VEGF産生促進剤 (1)ジプロピレングリコール 10.00(重量%) (2)カルボキシビニルポリマー 0.50 (3)10重量%水酸化カリウム水溶液 0.10 (4)パラオキシ安息香酸メチル 0.10 (5)ジヒドロジャスモン(化合物(5)) 0.10 (6)精製水 残部 製法:(6)に(2)を均一に溶解した後、(1)に
(4)、(5)を溶解して添加し、次いで(3)を加え
て増粘させる。また、(5)を精製水に代替して調製し
たものを比較例4とする。
【0032】 [実施例8] パック状VEGF産生促進剤 (1)ポリビニルアルコール 10.00(重量%) (2)エタノール 2.00 (3)精製水 50.00 (4)ポリエチレングリコール1500 1.50 (5)1,3−ブチレングリコール 5.00 (6)パラオキシ安息香酸メチル 0.10 (7)ジャスモナール(化合物(8)) 0.20 (8)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(50E.O.) 0.20 (9)エタノール 8.00 (10)精製水 残部 製法:(1)に(2)を加え湿らせておいたものに、常
温の(3)を加え、ゆっくりと撹拌しながら80℃まで
加熱する。(1)が均一に溶解したことを確認後、50
℃まで冷却し、(4)、(5)を加え撹拌する。(4)
の溶解を確認後、30℃まで冷却し、あらかじめ(9)
に(6)〜(8)を溶解したアルコール相と(10)を
順次添加して、均一に撹拌する。また、(7)を精製水
に代替して調製したものを比較例5とする。
【0033】 [実施例9] 洗浄剤型VEGF産生促進剤 (1)ミリスチン酸 24.00(重量%) (2)ステアリン酸 12.00 (3)親油型モノステアリン酸グリセリン 3.00 (4)濃グリセリン 15.00 (5)精製水 30.00 (6)水酸化カリウム 7.80 (7)メチルジヒドロイソジャスモネート (化合物(7)) 0.50 (8)精製水 残部 製法:(1)、(2)、(3)、(4)を順次量りこ
み、80℃まで加熱する。これに、(6)を溶解させた
(5)を80℃まで加熱したものをゆっくりと撹拌しな
がら加える。均質になるまで撹拌後、45℃まで冷却
し、(7)および(8)を加えて均質になるまで撹拌す
る。また、(7)を精製水に代替して調製したものを比
較例6とする。
【0034】 [実施例10] 液状VEGF産生促進剤(2) (1)エタノール 50.00(重量%) (2)ポリオキシエチレン 硬化ヒマシ油(40E.O.) 0.20 (3)メチルジヒドロジャスモネート(化合物(6)) 0.20 (4)ジプロピレングリコール 5.00 (5)サリチル酸 0.10 (6)精製水 残部 製法:(1)に(2)から(5)を順次添加し、撹拌後
溶解させる。これに(6)を加え、均一に混合する。ま
た、(3)を精製水に代替して調製したものを比較例7
とする。
【0035】<血管新生効果>上記実施例4から実施例
7について、モルモットの創傷部位における血管新生促
進効果を評価した。同時に比較例1から比較例4につい
ても評価を行った。血管新生促進効果は、背部を剃毛
し、人工的に創傷を形成したモルモット5匹を1群と
し、各群の創傷部位に実施例および比較例のそれぞれ
0.2gずつを1日2回塗布し、3日後の組織片を作製
して、血管新生の様子を観察して評価した。その結果を
表2に示した。
【0036】
【表2】
【0037】表2より明らかなように、本発明の実施例
4から実施例7を塗布した群では、4例以上のモルモッ
トにて血管新生を認めた。これに対し比較例塗布群で
は、明確な血管新生効果を認めた例は2例以下であり、
本発明に係る化合物の血管新生効果すなわち創傷治癒促
進効果が明らかとなった。
【0038】<肌色改善効果>実施例4から実施例9お
よび、比較例1から比較例6を用いて、20代から50
代の女性パネラー20名を1群として、実使用試験を行
った。各パネルに実施例とそれに対応する比較例を半顔
ずつに1日2回、30日間連続で使用させた。(ただ
し、パック剤である実施例8および比較例5については
2日に1回とした。)使用試験終了後、専門の判定員3
名の協議により、実施例を連用した方と比較例を連用し
た方のどちらが血色が良いかを判定させた。血色が良い
ほうに2点、悪いほうには1点を与え、その合計点数を
表3に示した。
【0039】
【表3】
【0040】表3の結果をクレーマーの検定表と照らし
合わせると、使用試験を行った群のすべてに於いて実施
例の方が、危険率5%で有意に皮膚の血色が良いという
結果が得られた。
【0041】<育毛効果>実施例10および比較例7を
用いて、使用試験を行った。パネラーは30代から50
代の脱毛症の男性20人を一群として、各群に実施例お
よび比較例をブラインドにて1日2回、6ヶ月間連続で
使用させた。試験終了後、発毛の程度を写真にて下表4
に示した基準を用いて判定した。その結果について表5
に示した。
【0042】
【表4】
【0043】
【表5】
【0044】<女性における育毛・養毛効果>実施例1
0および比較例7を用いて、使用試験を行った。パネラ
ーは30代から50代の薄毛が気になる女性20人を一
群として、各群に実施例および比較例をブラインドにて
1日2回、6ヶ月間連続で使用させた。試験終了後、髪
の毛の状態の変化に関してアンケートを実施した。その
結果について表6にアンケート項目とともに示した。
【0045】
【表6】
【0046】表5より明らかなように、本発明の実施例
10使用群では半数の10例で硬毛の発生を認めている
のに対して、比較例7使用群では硬毛の発生が認められ
た例は1例としてなかった。また、表6から明らかなよ
うに、本発明の実施例10使用群では、髪の毛のツヤ、
ハリ・コシ、及び量について、やや改善以上の効果が認
められ、比較例7よりも、改善効果が高かった。このこ
とから、本発明におけるVEGF産生促進剤は、男性用
および女性用の育毛・養毛剤としても応用できる事がわ
かった。
【0047】
【発明の効果】以上、詳しく述べてきたように、本発明
のVEGF産生促進剤は血管新生効果に優れ、創傷治癒
促進剤、育毛・養毛剤、及び肌色の改善効果に優れた皮
膚外用剤に応用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07D 309/30 C07D 309/30 D // A61K 7/00 A61K 7/00 C D 7/06 7/06 7/48 7/48 Fターム(参考) 4C062 BB57 4C083 AA122 AB032 AC022 AC072 AC102 AC122 AC211 AC212 AC242 AC312 AC341 AC342 AC392 AC432 AC442 AC582 AC841 AC842 AD042 AD092 AD112 AD152 AD572 CC02 CC05 CC07 CC23 DD23 DD31 DD41 EE16 EE22 4C086 AA01 AA02 BA07 MA01 MA04 MA16 MA22 MA28 MA63 NA14 ZA89 ZA92 4C206 AA01 AA02 CB21 DB11 DB43 KA01 MA01 MA04 MA13 MA36 MA42 MA48 MA83 NA14 ZA89 ZA92

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1)であらわされる、2−シクロ
    ペンテノン誘導体を含有する血管内皮細胞増殖因子産生
    促進剤。 【化1】 〔式中、Rは水素もしくは炭素数が1〜18の直鎖も
    しくは分岐鎖を有する飽和もしくは不飽和の炭化水素基
    を示し、Rは水素もしくは炭素数が1〜6の直鎖もし
    くは分岐鎖を有する飽和もしくは不飽和の炭化水素基、
    もしくは炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖を有するヒ
    ドロキシアルキル基、もしくは、−(CH mCHO
    でmが0〜5の整数であるアルデヒド基、もしくは−
    (CHCOORでnが0〜5の整数であるカル
    ボキシアルキル基(式中、Rは水素、もしくは1価あ
    るいは2価の金属イオン、もしくは炭素数1〜4の直鎖
    もしくは分岐鎖を有する炭化水素基を示す)をそれぞれ
    示す。〕
  2. 【請求項2】一般式(2)であらわされる、シクロペン
    タノン誘導体を含有する血管内皮細胞増殖因子産生促進
    剤。 【化2】 〔式中、Rは水素もしくは炭素数が1〜18の直鎖も
    しくは分岐鎖を有する飽和もしくは不飽和の炭化水素基
    を示し、Rは水素もしくは炭素数が1〜6の直鎖もし
    くは分岐鎖を有する飽和もしくは不飽和の炭化水素基、
    もしくは炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖を有するヒ
    ドロキシアルキル基、もしくは、−(CH CHO
    でoが0〜5の整数であるアルデヒド基、もしくは−
    (CHCOORでpが0〜5の整数であるカル
    ボキシアルキル基(式中、Rは水素、もしくは1価あ
    るいは2価の金属イオン、もしくは炭素数1〜4の直鎖
    もしくは分岐鎖を有する炭化水素基を示す)をそれぞれ
    示す。〕
  3. 【請求項3】一般式(3)であらわされる、ラクトン類
    を含有する血管内皮細胞増殖因子産生促進剤。 【化3】 〔式中、Rは水素もしくは炭素数が1〜18の直鎖も
    しくは分岐鎖を有する飽和もしくは不飽和の炭化水素基
    を示し、Rは水素もしくは炭素数が1〜6の直鎖もし
    くは分岐鎖を有する飽和もしくは不飽和の炭化水素基、
    もしくは炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖を有するヒ
    ドロキシアルキル基、もしくは、−(CH CHO
    でqが0〜5の整数であるアルデヒド基、もしくは−
    (CHCOORでrが0〜5の整数であるカル
    ボキシアルキル基(式中、Rは水素、もしくは1価あ
    るいは2価の金属イオン、もしくは炭素数1〜4の直鎖
    もしくは分岐鎖を有する炭化水素基を示す)をそれぞれ
    示す。〕
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