JP2003170562A - 印刷用ブレード - Google Patents

印刷用ブレード

Info

Publication number
JP2003170562A
JP2003170562A JP2002218940A JP2002218940A JP2003170562A JP 2003170562 A JP2003170562 A JP 2003170562A JP 2002218940 A JP2002218940 A JP 2002218940A JP 2002218940 A JP2002218940 A JP 2002218940A JP 2003170562 A JP2003170562 A JP 2003170562A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
blade
plate
printing
scraping
ink
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2002218940A
Other languages
English (en)
Inventor
Osamu Furukawa
治 古川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP2002218940A priority Critical patent/JP2003170562A/ja
Publication of JP2003170562A publication Critical patent/JP2003170562A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Rotary Presses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ロールの長寿命化に伴い、ブレード寿命の長い
ものを提供し、本部品の耐久性が低いために起こると思
われる印刷トラブルを防止する。 【解決手段】インク等を掻き取るための刃先2aを備え
たジルコニアセラミックス製板状体2を金属板3に貼り
付けた印刷用ブレード1において、上記板状体1の刃先
2a表面を長手方向に対し斜めに研磨し、その表面粗さ
を算術平均粗さ(Ra)0.2〜0.5μmとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、雑誌や食品袋、建
材・床材の絵柄などの印刷を行う際に版面から印刷イン
クを掻き取ったり、ガムテープやアルミ箔等へコーティ
ングする際の余分なコート材を掻き取る際に使用するブ
レードに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、グラビア印刷やバッド印刷等
と通称される曲面印刷等においては、鋼、銅、亜鉛、合
成樹脂などから成る版材の表面に凹状の絵柄を加工して
なる凹版印刷版を用い、その版に印刷インクを詰め込ん
だ後、掻き取りブレードを用いて版面の余分のインクを
掻き取り、絵柄となる凹部のインクを直接又は間接的に
被印刷物に転写するようにしている 図6の概略側面図に示すように、ブレード11を凹版印
刷版の版胴18に接触させつつ矢印で示す掻き取り方向
に移動させ、版胴18の印刷インク15を掻き取るもの
である。ここで保持機構19は工具鋼又は炭素鋼等の金
属で作られている。又、版胴18は、金属製のブレード
11に掻き取られ摩耗しないようにクロムメッキを施し
ている。
【0003】ここで、インキ供給槽14は版胴18にイ
ンキ15を供給する為の受け皿で、インキ15が不足し
ないように一定の液量を蓄えられるように工夫してあ
る。
【0004】圧胴16は、被印刷体17を一定圧力で版
胴18に押し付け、版胴18からインキ15を被印刷体
17へ転写させる役割を果たしている。
【0005】このとき使用するブレード11としては、
図3の側面図に示すようなものが知られている。従来の
金属製ブレード11の形状では、先端部に刃が付いたも
のと付いていないもの、或いはこの表面にSiC+Ni
のメッキ処理を施したもの等も使用されている。
【0006】即ち、図5(A)に示す、刃の無いブレー
ド11の材質は、薄肉の鋼板若しくはステンレススチー
ルより形成されている。又、図5(B)に示す刃の付い
たブレード11は同様の材質からなり、先端を薄肉のナ
イフエッジ状とするとともに非常に鋭く加工された刃先
11aを備えており、この薄肉の刃先11aが大きくた
わむことで版面へのなじみの早さ及び良好な掻取りを実
現している。
【0007】この刃先11aの材質は薄肉の鋼板、この
鋼板にセラミック複合材をコーティングしたもの、ニッ
ケルメッキ仕上げをしたもの、更にはその表面層にダイ
ヤモンド等のコーティングをしたもの、或いは樹脂等を
用いる。
【0008】一方、ブレード刃先の初期摩耗を防止する
目的で上記金属製ブレード11に厚み1〜20μmの極
く薄いセラミックス被膜を形成したものも作られてい
る。又、近年、ジルコニア焼結体からなるブレード11
も検討されている(特公平3ー21348号公報参
照)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが従来より用い
られている金属製のブレード11やこれにメッキ処理し
たブレード11は、印刷の高速化や、全面に彫刻を施し
た版胴18に使用する際などにおいて、寿命が極端に短
くなっている。1日に一回ブレード11を交換すること
もめずらしいことではなく、そのたびに被印刷体17の
色調チェック等に多くの時間を費やすことになってい
る。
【0010】近年のフレキソ印刷等においては、版胴1
8の表面に酸化クロムを溶射したものなども登場してお
り、版胴18の長寿命化は進んでいるものの、ブレード
11の寿命がこれに追いついていないのが、現状であ
る。
【0011】版胴18は、金属製のブレード11に掻き
取られ摩耗しないようにクロムメッキを施しているが、
近年では、印刷の高速化やインキ15の水性化等によ
り、版胴18は高速回転し、ブレード11の押しつけ力
を大きくするためにブレード11の耐久性が低いために
起こると思われる印刷トラブルも少なくない。
【0012】一方、セラミック膜等の皮膜を形成したブ
レ−ド11は、従来ブレ−ド11より耐久性が少々優れ
ているものの、母材そのものが従来同様の鋼板であるた
め、初期摩耗に若干の効果があるのみで、著しい耐久性
を備えているものではない。又、ジルコニアセラミック
スからなるブレード11は、一般的に耐摩耗性・摺動性
に優れているが、ブレード11全体をジルコニアセラミ
ックスで形成したものでは、ブレ−ドたわみによる破損
や、先端欠けの発生などの問題があった。加えて、ジル
コニアセラミックス製ブレード11の刃先11aは、平
面研削盤にて長手方向に研磨されているため、微細なチ
ッピングやカケが生じ、これによってインキの掻き取り
ムラを発生させて、印刷媒体に影響を及ぼすという問題
があった。
【0013】又、ジルコニアセラミックスが耐摩耗に優
れていることは、周知の技術であるが、これをブレード
11として使用する場合、ロール表面の数μmから数十
μmのウネリに対して、耐摩耗性が高いためになじみに
くく、使用始めに小さな印刷ムラが発生し易いという問
題があった。
【0014】これに対し、ロールへのなじみ易い形状を
得るために、予めブレード11がロールへ接触する角度
を割り出して、そのテーパ形状を加工し、使用始めのロ
ールへのなじみを少しでも助長しようとするために刃先
にテーパ部を形成していた(製紙用カス取りドクター;
特開平11−100790号公報、複合ブレード:特開
平11−342358号公報参照)。
【0015】しかし、これまでの使用では、なじむまで
の時間が金属ブレードより遙かに長いため、稼働時のロ
スとなっていた。これは、ロールには僅かなウネリが有
り、ブレードの先端部で完全に掻き取るためには、ロー
ルの凹凸に合ったウネリの状態まで摩耗する必要があ
る。したがって、金属ブレードはセラミックスと比較す
ると遙かに摩耗が早いため、ほんの僅かな時間でなじむ
ことができるが、耐摩耗性の高いジルコニアセラミック
スでは、多くの時間を必要としてしまう。
【0016】本発明は、上述した課題に鑑みなされたも
のであって、ロールの長寿命化に伴い、寿命の長い印刷
用ブレードを提供し、印刷トラブルを防止することを目
的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明はこれらに鑑みて
なされたもので、インク等を掻き取るための刃先を備え
たジルコニアセラミックス製板状体を金属板に貼り付け
た印刷用ブレードにおいて、上記板状体の刃先表面が長
手方向に対し斜めに研磨され、その表面粗さがRa0.
2〜0.5μmであることとした。
【0018】又、上記刃先表面の研磨方向が板状体の長
手方向に対し、30〜60度の角度であることとした。
【0019】又、上記板状体の刃先が金属板より0.8
〜2mm突出していることとしたものである。
【0020】さらに、上記刃先の少なくとも一部にテー
パ部を形成するとともに、該テーパ部の両端角部に高さ
1〜10μmの凸部を形成したものである。
【0021】これにより、インクをきれいに掻取ること
ができ、良好な掻取りが可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施例について図
を用いて説明する。
【0023】図1(A)に示すように本発明の印刷用ブ
レード1は、鋼板又はステンレススチールからなる金属
板3を母材として、この先端部にジルコニアセラミック
スの板状体2をエポキシ系接着剤等を使用して接着によ
り固定し、板状体2の刃先2aはカケやチッピングが無
きよう加工されている。
【0024】次に上記ブレード1を使用するときは、図
2の概略側面図に示すように、ブレード1の先端を凹版
印刷版の版胴8に接触させつつ矢印で示す方向に移動さ
せ、版胴8表面にブレード1の先端を押し付け版胴8の
余分な印刷インク5を掻き取るものである。この保持機
構9は工具鋼又は炭素鋼等の金属で作られている。
【0025】ここで、インキ供給槽4は版胴8にインキ
5を供給する為の受け皿で、インキ5が不足しないよう
に一定の液量を蓄えられるように工夫してある。圧胴6
は、被印刷体7を一定圧力で版胴8に押しる付け、版胴
8からインキ5を被印刷体7へ転写させる役割を果たし
ている。
【0026】本発明は、図1(B)、(C)に示す印刷
用ブレード1において、上記板状体2の刃先2aの表面
が長手方向に対し30〜60度の角度αで斜めに研磨さ
れ、研磨スジは、+側と−側の両方にクロスハッチング
の形状スジが発生し、その表面粗さがRa0.2〜0.
5μmであることを特徴とする。
【0027】図3(A)に示すように、従来の研磨方法
は、これを加工する加工工具として使用されるダイヤモ
ンド砥石が、板状体2に対して長手方向に回転しながら
加工されるため、長手方向に平行な加工スジ10が発生
する。
【0028】この長手方向に平行な研磨スジが発生する
研磨方法では、この加工スジ10の方向が、印刷用ブレ
−ド1として使用する際には、版胴8の回転方向と直角
に交わるために、その表面の面粗さも大きくなるととも
に、砥石20がブレードの表面を加工する際に接する面
積が、砥石の外周R面の線接触となるためごく僅かで、
ブレード1の先端部刃先2aの微細なチッピングやカケ
の発生を助長し、インキ5の掻き取りムラに発展する。
【0029】従来の金属製ブレ−ド11では、摩耗が早
い分、版胴18へのなじみが早く良好な掻き取り作用を
もたらしているが、ジルコニアセラミックスを使用した
ブレ−ド1では、超寿命の特質を備えている反面、版胴
18へはなじみにくいという欠点も兼ね備えている。こ
こで言うなじみとは、ブレ−ド11先端の微細なチッピ
ングやカケが摩耗して、版胴18の全面を良好にかきと
れる事象を意味する。
【0030】つまり従来は、長手方向に対して、平行に
研磨されており、研磨加工によって発生する加工スジ1
0の為に、小さなチッピングやカケの影響を受けてい
た。
【0031】版胴18とブレ−ド11の接触面は数十〜
数百μmの幅を持つ線接触と考えられるが、版胴18の
回転方向と従来の平面研磨盤による加工スジ10は垂直
方向にあり、一部分でも微細なカケやチッピングが発生
しているといつも同じ掻き取りスジが発生してしまう。
【0032】これに対し本発明のブレード1では、イン
ク5等を掻き取るための刃先2aを備えたジルコニアセ
ラミックス製板状体2を金属板3に貼り付けた印刷用ブ
レード1において、上記板状体2の刃先2a表面が長手
方向に対し斜めに研磨されている。
【0033】図3(B)において加工砥石20がブレー
ド1の長手方向に対して、斜め方向に回転するように砥
石20を横に取り付け、通常バーチカル研磨と呼ばれる
もので斜めの加工スジ10が発生するように加工した。
【0034】この斜めの加工スジができる研磨方法は、
砥石のフラット面が接触するため、研磨砥石の加工面積
に対する砥石20接触面積が圧倒的に多く、このことか
ら非研磨面の表面粗さを小さくし、良好な面が得られ
る。
【0035】この方法で発生した加工スジ10は、砥石
20の位置と製品の位置をずらすことで、加工スジ10
の角度を容易に変えることが可能である。
【0036】表1は、上記板状体2の刃先を従来のダイ
ヤモンド砥石#400を使用して、長手方向に対し加工
スジ10の角度を変化させた際の、版胴6の回転方向に
対する表面粗さと掻き取り状態をテストしたものであ
る。
【0037】これによると加工スジ10が30〜60度
の角度で斜めに研磨されるとき、その表面粗さは版胴6
の回転方向に測定した場合Ra0.2〜0.5μmとな
り、掻き取り状態も良好であった。
【0038】この角度範囲のブレード1の掻き取りが良
好である理由は、加工によって発生するスジと版胴6の
回転方向の違いによるものである。
【0039】ここで、加工スジ10がブレード1の長手
方向に対して30度未満であると、従来の長手方向に平
行な加工スジ10と同様に、微細なカケやチッピングを
助長し、掻き取り方向に対する表面粗さも版胴6の回転
方向でRa0.5μmを越えた粗い面となり、掻き取り
ムラが発生してしまう。
【0040】又、ブレード1の長手方向に対して、60
度を越えると表面粗さは、版胴6の回転方向に対して角
度が浅くなり、Ra0.2μm未満となるが、この時
は、刃先2aの表面粗さがそのまま版胴6に転写され小
さなスジ状のインキの掻き取り漏れとなって発生する。
【0041】これにより、掻き取りが良好にできる範囲
をブレード1の長手方向に対して、30〜60度の範囲
とした。
【0042】又、上記刃先2a表面の研磨方向が板状体
2の長手方向に対し、30〜60度の角度で斜めに研磨
することにより、表面に形成されたクロスハッチング状
の加工スジ10が、版胴6の回転方向に対して、これま
でのブレード1のように垂直とはならず、斜めの角度を
持った面で接触面を形成することで、接触の際に発生す
る抵抗が減らすことができ、この結果、先端エッジ部の
刃先2aで発生する微細なカケやチッピングの助長を防
ぎ、インキの部分的な掻き取りムラを抑制できる。
【0043】印刷用ロールは、表面に凹凸形状が存在す
る版胴6からなり、その表面の余分なインキ5を掻き取
るためのブレード1の刃先2aは、この凹凸面に接触し
ながら、インキを掻き取っていく。
【0044】したがって、この凹凸面に接触したブレー
ド1の刃先2aでは、絶えず微細なカケやチッピングを
繰り返しながら摩耗していくことになる。又表面粗さが
小さいほど面がきれいで良好な掻き取りが可能である
が、Ra0.2〜0.5μmの範囲であれば、掻き取り
に十分である。
【0045】表1から表面粗さが0.2μm未満のとき
は、掻き取り自体には問題はないが、ジルコニアの表面
を安定してRa0.2μm未満にするためには、ダイヤ
モンドパウダーの遊離砥粒を使用したラッピング等の別
加工が必要となり、工程的に困難となる。
【0046】逆に、その表面粗さが0.5μmを超える
と、インキ5を掻き取る際に、表面の荒れた面によって
小さなスジ状の掻き取りムラが発生する。又、表面粗さ
が大きい、荒れた面では、版胴との接触面で、抵抗が大
きくなり、カケやチッピングの発生を促すことになる。
したがって、表面粗さの良好な範囲はRa0.2〜0.
5μmとした。
【0047】このように、バ−チカル研磨の斜め加工の
場合は、斜めのスジが公差したハッチング模様の加工ス
ジ10を呈しており、先端部分の微細なカケ・チッピン
グに影響されにくいという特徴が考えられる。
【0048】これより、ブレ−ド1のバ−チカル研磨に
よる長手方向に対して斜めに入る加工スジ10により、
掻き取りスジが発生しない良好な掻取りが可能となるも
のである。
【0049】又、インキ掻き取り用刃先2aを備えたジ
ルコニアセラミックス製板状体2を金属板3に貼り付け
た印刷用ブレード1において、上記板状体2の先端が金
属板3より0.8〜2mm突出していることが好まし
い。
【0050】金属板3に接合する際にセラミックス板状
体2を突出させ、先端を研磨加工する際に突出量を0.
8〜2.0mm突出するよう調整して製作することでこ
の形状が得られる。このブレード1は、先端の突出して
いる板状体2部分が、版銅8への押し圧力によってたわ
みが発生し、良好な掻き取りが可能となると同時に、版
銅8の表面の微細なウネリに対しても、これを吸収する
だけのたわみの発生が得られる。
【0051】従来は先端突出は無かったが、先端が突出
することにより、たわみが発生し、良好な掻き取りが可
能となる。
【0052】又、金属板3からの板状体2の突出量は、
突出量が大きいほど版胴8へはなじみやすいが、破損し
易くなる。これを0.8〜2mmに押さえることによ
り、板状体2の破損を防止できる。
【0053】ここで、上記板状体2の先端が金属板3よ
り突出する量が0.8mm未満のときは、先端のたわみ
が小さく、版胴8表面へ馴染みにくいために、インキ掻
き取りの際に、部分的にインキ5が漏れ、掻き取りムラ
が発生する。
【0054】逆に上記板状体2の先端が金属板3より突
出する量が2mmを超えると、先端のたわみが大きく、
版胴8に押し付けた際に、先端エッジ部の微細なチッピ
ングやカケの部分から大きく割れてしまい、掻き取りが
できなくなる。
【0055】ここで、たわみ量Vmaxを計算するに
は、 Vmax=wL3/3EI ただし w:ブレ−ド先端にかかる荷重 L:ブレ−ドの支持部から先端までの距離 E:ヤング率 I:断面2次モ−メント (ここで、本考案形状の断面2次モ−メントIは、I=
bh3/12 b:断面の幅 h:断面の高さ) で求められる。
【0056】なお、上記セラミックス板状体2の刃先
は、図1(C)に示すようなテーパ状の刃先形状に限定
されるものではなく、刃先表面に斜めに研磨が施されて
いれば、ストレート状の刃先形状としてもよい。
【0057】又、本発明の印刷用ブレード1は、図4に
示すように板状体2の刃先2aにテーパ部21を形成す
るとともに、該テーパ部21の両端角部に高さH1〜1
0μmの凸部22を形成することが好ましい。この僅か
な凸部22がロールとの接触によって初期に摩耗するこ
とができる。
【0058】図4(A)は板状体2の刃先2aにテーパ
部21と凸部22を有する印刷用ブレードの斜視図を示
したものであり、その断面図を同図(B)に示したもの
である。又、同図(C)、(D)はそれそれ板状体2の
刃先2aの種々の形状を示したものであり、(C)は刃
先2aのストレート部の一部にテーパ部21を形成した
もの、(D)はテーパ部21を刃先2a全体に形成した
ものである。
【0059】図4(A)、(B)に示すように凸部22
は、その高さHが1〜10μm、幅Wが5〜15μm
と、従来ブレードの接触面50〜200μmより遙かに
小さいため、いち早く摩耗が進むことになる。摩耗速度
は、一定条件化ではその面積も一定であると考えられ
る。
【0060】例えば、ロールと接触しているテーパ部2
1の表面積が100μm2で、1分間に摩耗する断面が
100μm2と仮定すると、その摩耗する深さは1分間
に1μmということになる。これを本発明の凸部22の
高さH10μm、幅W10μmの凸部22を接触面とし
た場合は、同様に1分間に摩耗する断面が100μm 2
と仮定すると、その摩耗する深さは10μmとなる。従
って、ロール表面が10μmの凹凸をもった面とした場
合、従来のブレードでは、なじむのに10分間かかるも
のが、上記凸部22を有する印刷用ブレード1では、1
分間でなじむことになる。
【0061】そのため、上記凸部22の高さHが1μm
未満となると、凸形状がロールに対するなじみ効果を得
るためのものであるから、この凸部が1μm未満と小さ
い場合はこの効果が小さくなり、凸形状のない従来タイ
プとほとんど変わらないものになってしまう。
【0062】逆に、凸部22の高さHが10μmを越え
ると、なじみ効果としては十分な効果が得られるもの
の、本来の掻き取り作用は、テーパ面できれいな掻き取
りが連続して行えるための耐久性を実現しようとしてい
るものである。従ってこの凸部分は耐久性を必要とせ
ず、ロール面に沿って摩耗してテーパ面に至るまでの良
好な掻き取りを助けるためのものであり、10μmを越
えるような大き過ぎる凸部は必要ない。
【0063】したがって、この凸部がロール表面のわず
かな凹凸による摩耗差をいち早く吸収し初期摩耗が発生
するため、なじむ時間を大幅に短縮することができる。
【0064】なお、本発明の印刷用ブレード1は、上述
の実施形態に限定されるものではではなく、本発明の要
旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能である。
【0065】
【実施例】(実験例1)表1は、セラミックス厚みが
0.2mmの板状体2を金属板3に張り付け、従来の掻
き取り方向(平面研磨盤による長手方向の加工)と本発
明の斜め方向の加工(バ−チカル研磨盤)にて掻き取り
性能について評価した内容をまとめたものである。
【0066】この両者の加工については、加工工具とし
て、レジンボンドダイヤの#200で粗加工を行い、そ
の後仕上げ加工を#400にて実施した。
【0067】表2については、縦項目は良好な掻き取り
ができるまでの時間について、各々の加工方法を比較し
てみたものである。
【0068】又、本発明の実施例では上記板状体2、金
属板3の厚みT2、T3をそれぞれ0.2mmとし、従
来の金属製のブレード11の厚みT1は0.075mm
程度であったが、本発明のジルコニアセラミックス製板
状体2は厚みT2が0.2mmで、刃先2aは良好な掻
取りが実現できるように、セラミックス特有のチッピン
グ、カケを防止する為、粒度#400の細かいダイヤモ
ンドツールにて仕上げ加工を施し、平面研磨盤によるも
のと、バーチカル研磨盤によるものとを製作し、ブレ−
ドをセットしてから良好な掻き取りができるまでのなじ
むまでの時間と、ブレ−ド寿命をそれぞれ比較して評価
したものを、表3にまとめた。
【0069】これより、バ−チカル研磨による長手方向
に対して斜めに入る加工スジ10がブレ−ド1の掻き取
りを良好にすることが判明した。この事象を説明する
と、版胴8とブレ−ド1の接触面は数十〜数百μmの幅
を持つ線接触と考えられるが、版胴8の回転方向と従来
の平面研磨盤による加工スジ10は垂直方向にあり、一
部分でも微細なカケやチッピングが発生しているといつ
も同じ掻き取りスジが発生してしまう。これに対し、バ
−チカル研磨の斜め加工の場合は、斜めの加工スジ10
が交差したハッチング模様の加工スジ10を呈してお
り、1部分の微細なカケ・チッピングに影響されにくい
という特徴が考えられる。このことで掻き取りスジが発
生しない良好な掻取りが可能となる。
【0070】又、ジルコニア板状体2先端の突出部にお
いては、たわみが発生してこのたわみが、インキ5の掻
き取りに大きな役割を果たすことになる。
【0071】
【表1】
【0072】
【表2】
【0073】
【表3】
【0074】(実験例2)次に、セラミックス板状体2
の先端を金属板3より、突出させる際の突出量を変え
て、テストを行った。
【0075】先端から5mm部分を固定ジグではさみ込
み、実際に版胴8にあてて、掻き取り状態と先端のたわ
み状態、不具合について確認した。結果は表4の通りで
ある。
【0076】表4より、突出量を0.2〜3mmまで変
えたブレード1を作ってテストした結果、2mmまで
は、掻き取りはできるものの、たわみが少ないために掻
き取りムラが発生しており、又突出量が2.0mmを越
えるとたわみが大きいためにブレード1先端部にカケや
割れが発生してしまうことが判明した。又、0.8mm
未満になると、たわみが少なくインキ5を掻き取る際
に、インキ5の掻き取りムラが発生した。
【0077】従って本ブレード1において、セラミック
ス板状体2の突出量の好ましい範囲は、0.8〜2.0
mmである。
【0078】
【表4】
【0079】さらに、図4(A)に示すようにセラミッ
クス板状体2の刃先2aに20°のテーパ部21を加工
し、このテーパ部21の両端角部に高さHが0.8〜1
2μmの凸部22を形成した。この形状で印刷初期のな
じむ時間について評価を実施した。
【0080】表5の示す通り、なじみが発生し小さな掻
き取りムラが発生しなくなるまでの時間が、従来の1/
3に短縮することが可能となった。
【0081】
【表5】
【0082】
【発明の効果】本発明により、インク等を掻き取るため
の刃先を備えたジルコニアセラミックス製板状体を金属
板に貼り付けた印刷用ブレードにおいて、上記板状体の
刃先表面が長手方向に対し斜めに研磨され、その表面粗
さがRa0.2〜0.5μmであることにより面がきれ
いになる為、良好な掻き取りが可能となる。
【0083】又、上記刃先表面の研磨方向が板状体の長
手方向に対し、30〜60度の角度であることにより、
表面に形成されたクロスハッチング状の加工スジが、版
胴の回転方向に対して、これまでのブレードのように垂
直とはならず、斜めの角度を持った面で接触面を形成す
ることで、接触の際に発生する抵抗が減らすことがで
き、この結果、先端エッジ部で発生する微細なカケやチ
ッピングの助長を防ぎ、インキの部分的な掻き取りムラ
を抑制できる。
【0084】又、上記板状体の刃先が金属板より0.8
〜2mm突出していることにより、板状体部分に、版銅
への押し圧力によってたわみが発生し、版銅の表面の微
細なウネリに対しても、これを吸収するだけのたわみの
発生が得られ、良好な掻き取りが可能となる。これによ
り、インキの掻き取りに必要な適度なたわみと、カケや
割れの発生しにくいブレードの形状が達成しえる。
【0085】これにより、破損し易いブレードを保護す
ることが出来、微細なカケやチッピングが発生にも大き
な影響を受けず、良好な掻取りが可能となり、インクを
きれいに掻取ることが出来、従来の金属製ブレードで1
日一回交換していたものが、10日から数週間に一回ま
での長寿命化が可能となり、ブレードの交換ごとに実施
していた色調調整の作業回数を大幅に削減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明の印刷用ブレードの一実施形態
を示す概略斜視図であり、(B)本発明の印刷用ブレー
ド(バーチカル加工スジ)の刃先表面を示す部分拡大図
であり、(C)同図(A)の側面図である。
【図2】本発明の印刷用ブレードを用いて版面の印刷イ
ンクを掻き取る状態を示す概略側面図である。
【図3】(A)は従来の研磨方法を示す概略図であり、
(B)は本発明の研磨方法を示す概略図である。
【図4】(A)は本発明の凸部を有する印刷用ブレード
の一実施形態を示す斜視図、(B)は同図(A)の側面
図であり、(C)、(D)は本発明の凸部を有する印刷
用ブレードの他の実施形態を示す側面図である。
【図5】(A)は従来の印刷用ブレードを示す側面図、
(B)は従来の他の印刷用ブレードを示す側面図であ
る。
【図6】従来の印刷用ブレードを用いて版面の印刷イン
クを掻き取る状態を示す概略側面図である。
【符号の説明】
1、11:ブレード 2:板状体 2a、11a:刃先 3:金属板 T1、T2、T3:厚み 4、14:インキ供給槽 5、15:インキ 6、16:圧胴 7、17:被印刷体 8、18:版胴 9、19:保持機構 10、加工スジ 20、砥石 21、テーパ部 22、凸部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】インク等を掻き取るための刃先を備えたジ
    ルコニアセラミックス製の板状体を金属板に貼り付けた
    印刷用ブレードにおいて、上記板状体の刃先表面が長手
    方向に対し斜めに研磨され、その表面粗さが算術平均粗
    さ(Ra)0.2〜0.5μmであることを特徴とする
    印刷用ブレード。
  2. 【請求項2】上記刃先表面の研磨方向が板状体の長手方
    向に対し、30〜60度の角度であることを特徴とする
    請求項1に記載の印刷用ブレード。
  3. 【請求項3】上記板状体の刃先が金属板より0.8〜2
    mm突出していることを特徴とする請求項1に記載の印
    刷用ブレード。
  4. 【請求項4】上記刃先の少なくとも一部にテーパ部を形
    成するとともに、該テーパ部の両端角部に高さ1〜10
    μmの凸部を形成したことを特徴とする請求項1乃至3
    の何れかに記載の印刷用ブレード。
JP2002218940A 2001-09-27 2002-07-26 印刷用ブレード Withdrawn JP2003170562A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002218940A JP2003170562A (ja) 2001-09-27 2002-07-26 印刷用ブレード

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001298538 2001-09-27
JP2001-298538 2001-09-27
JP2002218940A JP2003170562A (ja) 2001-09-27 2002-07-26 印刷用ブレード

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003170562A true JP2003170562A (ja) 2003-06-17

Family

ID=26623173

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002218940A Withdrawn JP2003170562A (ja) 2001-09-27 2002-07-26 印刷用ブレード

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003170562A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008137146A (ja) * 2006-12-04 2008-06-19 Cbg Acciai Srl 湾曲した形状を有する事前研磨されたドクターブレードおよびその製造方法
JP2009184337A (ja) * 2008-02-09 2009-08-20 Eco Blade:Kk ドクターブレードおよびスキージ

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008137146A (ja) * 2006-12-04 2008-06-19 Cbg Acciai Srl 湾曲した形状を有する事前研磨されたドクターブレードおよびその製造方法
JP2009184337A (ja) * 2008-02-09 2009-08-20 Eco Blade:Kk ドクターブレードおよびスキージ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4779611B2 (ja) 表面被覆切削インサートの製造方法
JP2000343025A (ja) 印刷用掻き取りブレード及びその加工方法
US6818029B2 (en) Conditioner for polishing pad and method for manufacturing the same
JP4151799B2 (ja) モザイク研磨パッド及びこれに関連する方法
JP4375652B2 (ja) ドクターブレード
US20080271384A1 (en) Conditioning tools and techniques for chemical mechanical planarization
JP5782338B2 (ja) 板材の端部処理方法及びブラスト加工装置
JPH11267902A (ja) 超微細切刃付き工具及び超微細切刃付き加工具
KR101014698B1 (ko) 절삭공구
JP2010076013A (ja) 回転砥石の研磨方法および研磨装置、並びに研削砥石およびこれを用いた研削装置
EP1046462B1 (en) Wafer holding plate for wafer grinding apparatus and method for manufacturing the same.
JP6202458B1 (ja) グラビア印刷版並びにグラビア印刷版の製造方法およびグラビア印刷方法
JP2003170562A (ja) 印刷用ブレード
JP3299523B2 (ja) 硬質発泡樹脂パッドの旋削溝加工用工具
EP0960693A2 (en) A polishing machine
JP4698178B2 (ja) 被研磨物保持用キャリア
JP4511226B2 (ja) スローアウェイチップ
JP3934994B2 (ja) 印刷用スクレーパ
JPH10235553A (ja) ダイヤモンドラップ定盤及びその製造方法
JPH10134316A (ja) 磁気ヘッドの加工方法
JPS6317613Y2 (ja)
JP2004090110A (ja) 研磨テープ
JP4210134B2 (ja) ウエーハ研磨治具及びその製造方法
JP2001341064A (ja) 研磨用ワーク保持盤および研磨装置ならびに研磨方法
JP3998648B2 (ja) カップ型回転砥石

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050216

A761 Written withdrawal of application

Effective date: 20060626

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761