JP2003170505A - 半自動溶着装置 - Google Patents

半自動溶着装置

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JP2003170505A
JP2003170505A JP2001370473A JP2001370473A JP2003170505A JP 2003170505 A JP2003170505 A JP 2003170505A JP 2001370473 A JP2001370473 A JP 2001370473A JP 2001370473 A JP2001370473 A JP 2001370473A JP 2003170505 A JP2003170505 A JP 2003170505A
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Japan
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heater
tubular parts
semi
automatic welding
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JP2001370473A
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Michitaka Takubo
通孝 田窪
Mitsuhiro Hatamoto
充宏 旗本
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GNS KK
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GNS KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ハンディタイプの半自動溶着装置を提供する。 【解決手段】本発明の半自動溶着装置は、コンパクトな
本体10と;一対の管状部品P,Pをそれぞれ着脱可
能に保持する一対のクランプ部材20,24と;一対の
管状部品の端面を所定深さだけ溶融させるヒータ30
と;ヒータを一対のクランプ部材間の加熱位置と退避位
置との間で手動により移動させるヒータ駆動手段32,
34,36と;そして、ヒータにより溶融された一対の
管状部品を相対的に接近且つ当接して互いに溶着させる
ことができる自動制御のクランプ部材駆動手段24,2
6,28とを備えて構成されてなる。一対の管状部品の
端面がちょうど良い溶融深さになったか否かという微妙
な判断は人手で行い、その他は自動的に行うことによ
り、無駄な制御コストを抑制しつつ完全な溶着を得るこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、互いに対向する一対の
熱溶着可能な樹脂製管状部品を突き合わせて自動溶着さ
せる装置に係り、特に、フッ素樹脂、スーパーエンジニ
アリングプラスチックなどの樹脂製管状部品を半自動的
に溶着できる移動も可能なハンディタイプの半自動溶着
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、耐薬品性、クリーン度などから薬
品、食品、半導体産業、バイオテクノロジー、化学工
業、住宅、ガス等の分野でより高品質の樹脂の要求が高
まり、例えばポリフロロアルコキシ、ポリビニリデンフ
ルオロライドなどのフッ素樹脂、ポリフェニレンサルフ
ァイドやポリエーテルエーテルケトンなどのスーパーエ
ンジニアリングプラスチックなどが配管材料として使用
されるようになった。
【0003】近年、これら樹脂製管状部品を接続する方
法として、溶着による接続方法が注目されるようにな
り、いくつかの溶着装置が開発されている。例えば、特
開平4ー229231号公報に示すプラスチック製管状
部品を突き合わせ溶接する装置は,軸方向に部品を保持
するチャック装置と、接触することなく熱線により部品
の端部を加熱する加熱装置とを備え、前記加熱装置は、
セラミック被覆層により被覆された電気的に加熱可能な
金属板の加熱素子を備えているものがあった。
【0004】また、特公平3ー43054号公報に示す
溶着装置は、弗素系樹脂材料からなる管状部材を溶着す
るハンディタイプの溶着装置を開示している。この溶着
装置では、水平方向を向く円筒に取っ手を一体的に設け
ると共に円筒の延長線上に管状部材の一方を着脱可能に
固定できるクランプを設けた延長部を設けている。管状
部材の他方は2つ割りの内筒に固定して前記水平方向の
円筒に挿入し、この内筒を取っ手に回転可能に軸支した
レバーを用いて延長部のクランプに固定した管状部材に
近付けるようにしている。一対の管状部材の端面を溶融
させるためのヒータは、赤外線を発生するものが用いら
れており、その一例としてセラミック材料が挙げられて
いる。かかるヒータを、667〜1093度(摂氏)に熱
して、延長部の所定位置に形成された溝に作業員が差し
込むことによって、一対の管状部材の端面とヒータ表面
とを等間隔にすると共に該端面を加熱溶融させている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の溶着装
置は、大型で重量が重く工場の床面に設置して樹脂製管
状部品を溶着する固定型の溶着装置であった。あるい
は、手動式のもので溶融した管状部材の端面同志の接近
や押し付け長さは作業員の熟練に頼ったものであった。
後者は、また、管状部材の端面の溶融をヒータからの赤
外線の作用により行うもので、ヒータを比較的高温まで
加熱する必要がある。さらに、端面に近い部分のみ加熱
されて溶融する欠点があった。このような状態で溶着す
ると、溶着部に気泡(ボイド)が発生して溶着強度が極
めて小さくなる致命的な欠陥があった。
【0006】一方、固定型の溶着装置においては、この
種の溶着工事が既存の配管に対しても行うことがあり、
固定型の溶着装置では対応できない欠点があった。すな
わち、既存の配管に対して溶着を行う場合、その配管を
固定型の溶着装置の位置までいちいち運搬しなければな
らなかった。また、新規工場において樹脂製管状部品を
溶着し配管する場合にも、他の部位における溶着幅のば
らつき等により配管位置において管状部品の位置を調整
しながら作業した方が効率的であることが多くあった。
【0007】従来は、樹脂製管状部品を自動的に溶着で
きる持ち運び可能なハンディタイプの溶着装置がなかっ
たため、また、それを自動的に行う溶着装置がなかった
ため、そのようなハンディタイプの半自動溶着装置が要
望されていた。このような従来技術における要望に応え
るため、特開平10−16060では、携帯可能な大き
さ及び重量を有する本体120と、一対の管状部品P、
Pをそれぞれ着脱可能に保持する一対のクランプ部材1
30,130であって、本体120の表面上に、保持す
べき管状部品の軸方向に相対的に接近又は離反するよう
に摺動可能に取り付けられたクランプ部材と、一対のク
ランプ部材に保持された一対の管状部品の端面をそれぞ
れほぼ等しい溶融深さに溶融させるヒータ142とを有
し、該ヒータを一対のクランプ部材間の加熱位置と該ク
ランプ部材の相対的接近を妨げない退避位置との間で往
復移動可能となるように本体に取り付けられた溶融部材
140と、溶融部材を加熱位置と退避位置との間で往復
移動させる溶融部材駆動手段110と、そして、一対の
クランプ部材を遠近方向に摺動させる自動制御のクラン
プ部材駆動手段160であって、ヒータにより溶融され
た一対の管状部品を相対的に接近且つ当接して互いに溶
着させることができるクランプ部材駆動手段160とを
備えて構成されてなる携帯型自動溶着装置を提供してい
る。
【0008】かかる携帯型自動溶着装置は、先ず、一対
の管状部品の端面をそれぞれほぼ等しい溶融深さにヒー
タ142によって溶融させた後、具体的には、所定の時
間が経過した後に、自動制御によりヒータ142を退避
位置に移動させ、さらに、クランプ部材駆動手段160
を駆動して一対の管状部品を相対的に接近且つ当接して
互いに溶着させる。しかし、時間で制御すると、雰囲気
における温度変化等により溶融の程度が変わることがあ
り、上手く溶着できない場合があった。そのような欠点
が存在するにもかかわらず、上記のような制御を行うた
めに付加的な制御装置が必要で、その分製造コストが高
くなる欠点があった。
【0009】また、この携帯型自動溶着装置では、一対
のクランプ部材130,130が管状部品P、Pの所定
の位置のみを把持するように構成されているため、端面
までの距離が短すぎるものは溶着で着ない欠点があっ
た。ところで、ヒータ142は、加熱位置において一対
の管状部品P、P間のちょうど真中に位置するように構
成されている。しかしながら、ヒータ142の両面で熱
量に差ができること等により一対の管状部品P、P端面
における溶融の度合いが異なる等の事態が発生すること
があった。その結果、一対の管状部品P、Pが上手く溶
着できない欠点があった。さらに、ヒータ142は加熱
位置と退避位置との間で往復移動するようになっている
が、加熱されたヒータ142が携帯型自動溶着装置の上
部を前後に移動するため、作業員の手に触れ火傷するな
どの欠点があった。
【0010】本発明の目的は、無駄な制御コストを抑制
しつつ完全な溶着を得ることができる半自動溶着装置を
提供することである。本発明の目的は、また、溶着すべ
き一対の管状部品種々の位置で把持できるようにした半
自動溶着装置を提供することである。本発明の目的は、
さらに、一対の管状部品端面における溶融の程度に差が
あるときにとれを簡単に調節することができる半自動溶
着装置を提供することである。本発明の目的は、さらに
また、加熱したヒータを外部に露出しないようにして安
全性を高めた半自動溶着装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を達
成するため、移動可能な程度の大きさ及び重量を有する
本体と;一対の管状部品をそれぞれ着脱可能に保持する
一対のクランプ部材であって、管状部品の軸方向に相対
的に接近又は離反するように摺動可能に取り付けられた
クランプ部材と;一対のクランプ部材に保持された一対
の管状部品の端面をそれぞれほぼ等しい溶融深さに溶融
させるヒータと;ヒータを一対のクランプ部材間の加熱
位置と該クランプ部材の相対的接近を妨げない退避位置
との間で手動により移動させるヒータ駆動手段と;そし
て、ヒータにより溶融された一対の管状部品を相対的に
接近且つ当接して互いに溶着させることができる自動制
御のクランプ部材駆動手段とを備えて構成されてなる、
互いに対向する一対の溶着可能な樹脂製管状部品を突き
合わせて溶着させる半自動溶着装置を提供する。一対の
管状部品の端面がちょうど良い溶融深さになったか否か
という微妙な判断は人手で行い、他方、溶融した一対の
管状部品を相対的に接近且つ当接して互いに溶着させる
といった機械的な制御は自動的に行うことにより、無駄
な制御コストを抑制しつつ完全な溶着を得ることができ
る。
【0012】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の熱溶着可能な樹脂製管状部品の半自動溶着装置におい
て、クランプ部材の少なくとも一方が、本体に架設され
た水平軸に対し軸方向に移動可能に固定されていること
を特徴とする。それにより、溶着すべき樹脂製管状部品
の任意の位置でクランプ可能とした。請求項3に記載の
発明は、請求項2に記載の熱溶着可能な樹脂製管状部品
の半自動溶着装置において、本体に架設された水平軸に
は、クランプ部材の他方がスライド自在に装着され且つ
当該他のクランプ部材を軸方向に移動させるモータを載
置した支持部材が軸方向に移動可能に固定されているこ
とを特徴とする。それにより、固定された一方のクラン
プ部材にスライド可能な他方のクランプ部材を接近且つ
当接して互いに溶着させる。一方のクランプ部材の移動
制御により上手く溶着できるため制御コストを削減でき
る。
【0013】請求項4に記載の発明は、請求項1に記載
の熱溶着可能な樹脂製管状部品の半自動溶着装置におい
て、ヒータは、一対のクランプ部材に固定された一対の
管状部品の端面間でその軸方向に微移動可能に取り付け
られていることを特徴とする。それにより、当該一対の
管状部品端面の加熱状態に差がある場合に、ヒータの左
右における一対の管状部品端面との距離を調節すること
によって加熱状態を均衡させる。請求項5に記載の発明
は、請求項1に記載の熱溶着可能な樹脂製管状部品の半
自動溶着装置において、ヒータは、本体に対し回転可能
に取り付けられた第二の水平軸に固定されたアーム先端
に取り付けられており、当該第二の水平軸に固定された
ハンドルを回動操作することで、本体の内部のみを通っ
て一対のクランプ部材間の加熱位置と該クランプ部材の
相対的接近を妨げない退避位置との間で手動により移動
させることができるように構成されていることを特徴と
する。加熱したヒータを外部に露出しないようにして加
熱位置と退避位置との間を移動するため、安全性が高く
なる。
【0014】請求項6に記載の発明は、請求項5に記載
の熱溶着可能な樹脂製管状部品の半自動溶着装置におい
て、第二の水平軸が前記本体に対して水平方向に微調節
可能とされていることを特徴とする。それによって、当
該一対の管状部品端面の加熱状態に差がある場合に、ヒ
ータの左右における一対の管状部品端面との距離を調節
することによって加熱状態を均衡させる。請求項7に記
載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱溶
着可能な樹脂製管状部品の半自動溶着装置において、樹
脂製管状部品が、PTFE、FEP、PFA、ETF
E、CTFE、PVDF等の弗素系樹脂又はPPS等の
高級エンジニアリングプラスチックからなり、ヒータは
それぞれの素材にける吸収スペクトルの内比較的吸収率
の高い波長領域を放出する材料から作られていることを
特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図7を用いて本発明
に係る熱溶着可能な樹脂製管状部品の半自動溶着装置に
ついて詳細に説明する。図1〜図3は、それぞれ、本発
明に係る半自動溶着装置の一実施形態の正面図、平面図
及び右側面図である。図示された半自動溶着装置1は、
全体として、軽量且つコンパクトに設計されており、作
業員により任意の場所に移動して熱溶着可能な樹脂製管
状部品同志を突き合わせ溶着できるようになっている。
本発明の特徴は、半自動装置であることであり、一対の
管状部品の端面がちょうど良い溶融深さになったか否か
という微妙な判断は人手で行い、他方、溶融した一対の
管状部品を相対的に接近且つ当接して互いに溶着させる
といった機械的な制御は自動的に行う点にある。これに
より、無駄な制御コストを抑制しつつ完全な溶着を得る
ことができる。加熱された管状部品の溶融深さといった
微妙な判断(しかし、目視によって誰でもできる作業)
を除いて、作業員の熟練に頼る事なく確実且つ失敗なく
溶着を行うことができる。
【0016】この半自動溶着装置1は、概略的に、携帯
可能な大きさ(例えば,幅40cm、奥行き35cm、
高さ38cm程度)及び重量を有する金属製の本体10
を含んでいる。本体10には、水平方向に二本の軸12
が架設されている。軸12には、一対の管状部品P、P
を把持する一対のクランプ部材20、24がスライド自
在に取り付けられている。クランプ部材20、24は、
その上部に開閉可能なクランプを備えている。クランプ
の内側には、2つ割りのアタッチメントが着脱可能に取
り付けられており、このアタッチメントを交換すること
により、異なる外径の管状部品Pにも対応可能となって
いる。
【0017】左側のクランプ部材20(図4参照)は、
図5に詳細に示されているように、軸12とスライド自
在に嵌合するブッシュ20aを有している。ブッシュ2
0aの内側にはボア20bが設けられている。ボア20
bの最奥部には、ゴム等の弾性部材からなるリング体2
1が装着されている。ボア20bの出口側には、雌ネジ
20cが形成されている。ロックナット22は、軸12
にスライド自在に取り付けられている。ロックナット2
2のステム部22bに雄ネジ22aが切られている。ロ
ックナット22の雄ネジ22aが、ブッシュ20aの雌
ネジ20cとネジ結合する。ロックナット22の外周面
には、回転治具の突起を受け入れる穴22cが設けられ
ている。ロックナット22を回転させてボア20bの奥
にねじ込むことにより、リング体21が変形し軸12と
クランプ部材20とを緊密固定する。ロックナット22
を反対方向に回転することにより、軸12とクランプ部
材20との固定状態を解除することができる。これによ
り、クランプ部材20を軸12の任意の位置に移動でき
る。移動した後、ロックナット22を回転して固定す
る。これにより、クランプ部材20は、管状部品Pの任
意の位置で把持することができる利点を有する。
【0018】他方、クランプ部材24は、軸12に対し
て固定されること無くスライド自在に取り付けられたま
まとなっている。クランプ部材24の右側には、さらに
支持部材26が軸12にスライド自在に取り付けられて
いる。支持部材26には、クランプ部材20と同様に、
軸12に緊密固定するための機構が設けられている。左
右対称である点を除いて同様の構成であるので、詳細な
説明を省略する。従って、支持部材26は軸12の軸方
向の任意の位置で固定されている。支持部材26には、
電動モータ28が取り付けられている。電動モータ28
の軸には、ウォーム歯車(図示されていない)が固定さ
れている。このウォーム歯車と係合するウォーム(図示
されていない)が、右側のクランプ部材24の突状体2
4aに形成されている。クランプ部材24は、軸12に
対してスライド自在に取り付けられているが、突状体2
4aのウォームが電動モータ28の軸に固定されたウォ
ーム歯車と係合していることによって、軸12の軸方向
の移動が制御される。
【0019】すなわち、軸12に固定されている支持部
材26に載せられた電動モータ28を所定の制御の下で
駆動することにより、クランプ部材24を軸方向に移動
させることができる。このように、固定された一方のク
ランプ部材20に対し、軸12に対しスライド可能な他
方のクランプ部材24を接近且つ当接して互いに溶着さ
せることができる。一方のクランプ部材の移動制御によ
り上手く溶着できるため制御コストを削減できる利点を
有している。もちろん、両方のクランプ部材20、24
を移動するように制御することもできる。電動モータ2
8は、右側のクランプ部材24を固定側のクランプ部材
20に接近するにつれて接近速度が遅くなるように設定
することができる。管状部品P、Pの溶着を正確に且つ
失敗することなく行うことができる。対向する管状部品
P、Pの押し付け距離を精密に制御できるからである。
【0020】ヒータ30は、一対のクランプ部材20,
24に保持された一対の管状部品P,Pの端面をそれぞ
れほぼ等しい溶融深さに溶融させる。図示された好まし
い実施例では、ヒータ30は、本体10に対し回転可能
に取り付けられた第二の水平軸32に固定されたアーム
34先端に取り付けられている。第二の水平軸32に
は、また、ハンドル36が固定されている。ハンドル3
6を半自動溶着装置1の後方に向って押すと、ヒータ3
0は本体10の内部のみを通って一対のクランプ部材間
の加熱位置(図の一点鎖線で描いた位置)に移動する。
加熱したヒータ30は、外部に露出しないようにして加
熱位置と退避位置との間で移動するため安全性が高くな
る。
【0021】ヒータ30が退避位置にある時、ヒータ3
0の熱により周囲の部材が加熱されるのを緩和する冷却
ブロアを、本体10の所定位置に通風口を設けて取り付
けることが好ましい。他方、ハンドル36を元の位置ま
で引き寄せると、ヒータ30はクランプ部材20,24
の相対的接近を妨げない退避位置(図の実線で描いた位
置)に戻る。この作業は、作業員が管状部品P、Pの端
面における溶融状態を観察しながら行う。すなわち、一
対の管状部品の端面がちょうど良い溶融深さになったか
否かという微妙な判断は人手で行い、他方、溶融した一
対の管状部品を相対的に接近且つ当接して互いに溶着さ
せるといった機械的な制御は自動的に行うことにより、
無駄な制御コストを抑制しつつ完全な溶着を得ることが
できる。
【0022】図6を参照すると、ヒータ30を支持して
いる第二の水平軸32は、本体10に対して、従って、
一対のクランプ部材20,24、ひいては、それに固定
された一対の管状部品P,Pの端面間で、その軸方向に
微移動可能に取り付けられている。図示された好ましい
実施例では、第二の水平軸32に、スプリングガイド3
8が固定されており、その内部に圧縮スプリング39が
装着されている。他方、第二の水平軸32の端部外周面
に雄ネジ32aが形成されている。この雄ネジ32aに
調節ナット40及びロックナット42がネジ係合してい
る。調節ナット40は、本体10の所定位置に取り付け
られたスラスト軸受け44に、圧縮スプリング39の反
力として所定の力で押し付けられている。かかる構成に
より、ヒータ30により加熱された一対の管状部品P,
P端面の加熱状態に差がある場合に、ヒータの左右にお
ける一対の管状部品端面との距離を調節することによっ
て加熱状態を均衡させることができる。
【0023】樹脂製管状部品P,Pは、PTFE、FE
P、PFA、ETFE、CTFE、PVDF等の弗素系
樹脂又はPPS等の高級エンジニアリングプラスチック
とすることができる。その場合、ヒータ30は、それぞ
れの素材にける吸収スペクトルの内比較的吸収率の高い
波長領域を放出する材料から作ることが好ましい。これ
により、従来のヒータ装置に比較して表面温度が低くて
すみ、従って、エネルギの消費が少なく且つ作業時間も
少なくてすむ利点がある。これは、本発明の半自動溶着
装置のようにハンディタイプのものにおいては、重要な
特徴である。
【0024】半自動溶着装置1では、また、ヒータ30
の表面と管状部品Pの端面とは非接触であり、ほぼ1〜
10mm好ましくは1.5〜2.5mmの間隔をあける
事が最適である。近すぎると、加熱時の管状部品Pの膨
脹によりその端面がヒータ30に接触する虞があり、一
方、遠くなるとヒータ30の温度を高くしなければなら
ないからである。このように、図示された好ましい実施
形態では、ヒータ30により直接溶着すべき管状部品P
の端面を加熱溶融させるのではなく、そのような管状部
品Pの吸収スペクトルの中で比較的吸収率の高い波長領
域を含む遠赤外線を高放射率で放射する放射体を利用す
る点に特徴を有する。そして、管状部品Pは、吸収率の
高い波長領域を含む遠赤外線により加熱されるため、放
射体の温度が従来の加熱装置に比較して低い温度であっ
ても短時間に溶融温度に達し溶融する効果がある。よっ
て、樹脂製パイプの端面を溶融するのに必要とされるエ
ネルギは小さくて済むという効果がある。
【0025】また、一旦、放射体が所定の温度に達して
しまえば、発熱体により加熱し続けなくても所定の遠赤
外線を放射し続けるため、発熱体を予熱しておき、溶着
すべき樹脂製パイプの端面を加熱溶融させる時には発熱
体の発熱自体は停止させておくことができる。これによ
り、樹脂製パイプの端面を溶融するのに必要とされるエ
ネルギはさらに小さくて済むと共に加熱溶融に要する時
間を短くすることができる。
【0026】次に、本発明の半自動溶着装置の使用方法
について説明する。まず、互いに溶着させようとする一
対の管状部品P、Pの直径に適合するアタッチメントを
準備し、クランプ部材20、24にセットする。各クラ
ンプを開け管状部品Pを入れ、しかる後、クランプを閉
めてロックする。なお、管状部品Pの固定すべき位置に
段部などがあって固定できない場合、ロックナット22
を緩めてクランプ部材20の位置をずらして固定するこ
とができる。右側のクランプ部材24の場合は、支持部
材26のロックナット22を使用して同様に対処する。
これにより、管状部品P、Pはクランプ20,24にし
っかりと固定される。なお、一対の管状部品P、Pの端
面は、ヒータ30の両側面から等距離にすべきである。
そこで、中央下部に突出するセンタ板の両面が突き当て
面となっているセンタリング補助具48を一対のクラン
プ部材20、24の間に配置させる。これに管状部品
P、Pの端面を当接させることにより、センタから一対
の管状部品P、Pの端面までの距離が一定となるように
する。
【0027】一方、退避位置にあるヒータ30に通電し
て所定の温度まで予備加熱した後、手動でハンドル36
を半自動溶着装置1の後ろに向って押す。これにより、
ヒータ30は、退避位置から加熱位置まで本体10の内
部のみを通って、従って、火傷などの危険なく移動す
る。ヒータ30の加熱時間及び加熱温度は、管状部品P
の材質、サイズなどにより設定される。管状部品Pの端
部から所定の深さまで溶融したか否かを目視で観察した
後、作業員はハンドル36を逆方向に回転し、ヒータ3
0を加熱位置から退避位置に戻す。退避位置では、ヒー
タ30は、一対のクランプ部材20,24の相対的接近
を妨げない状態となっている。
【0028】次に、電動モータ28を駆動すると、図示
されていないウォーム歯車及びウォームによりクランプ
部材24がクランプ部材20の方向に向って前進する。
これにより、一対のクランプ部材20,24は相互に接
近し、従って、それらに保持された一対の管状部品P、
Pを接近させ、その端面同志を接触させる。端面同志が
接触した後も、一対の管状部品P、Pは、さらに所定の
長さだけ移動され、その位置に保持される。これらの動
作は、電動モータ28の回転数を精密に自動制御でき
る。よって、溶着部の気泡(ボイド)を、飛躍的に減少
することができる。溶着部が冷却された後、両方のクラ
ンプを開いて溶着した管状部品P、Pを本発明の半自動
溶着装置1から取り外して溶着プロセスの1サイクルを
終了する。
【0029】
【発明の効果】本発明は、移動可能な程度の大きさ及び
重量を有する本体と;一対の管状部品をそれぞれ着脱可
能に保持する一対のクランプ部材であって、管状部品の
軸方向に相対的に接近又は離反するように摺動可能に取
り付けられたクランプ部材と;一対のクランプ部材に保
持された一対の管状部品の端面をそれぞれほぼ等しい溶
融深さに溶融させるヒータと;ヒータを一対のクランプ
部材間の加熱位置と該クランプ部材の相対的接近を妨げ
ない退避位置との間で手動により移動させるヒータ駆動
手段と;そして、ヒータにより溶融された一対の管状部
品を相対的に接近且つ当接して互いに溶着させることが
できる自動制御のクランプ部材駆動手段とを備えて構成
されてなる、互いに対向する一対の溶着可能な樹脂製管
状部品を突き合わせて溶着させる半自動溶着装置を提供
する。一対の管状部品の端面がちょうど良い溶融深さに
なったか否かという微妙な判断は人手で行い、他方、溶
融した一対の管状部品を相対的に接近且つ当接して互い
に溶着させるといった機械的な制御は自動的に行うこと
により、無駄な制御コストを抑制しつつ完全な溶着を得
ることができる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る半自動溶着装置の一実施形態の正
面図である。
【図2】図1の半自動溶着装置の平面図である。
【図3】図1の半自動溶着装置の側面図である。
【図4】図1に示されたクランプ部材20が軸12にど
のように装着されているかを説明するための斜視図であ
る。
【図5】図4のクランプ部材20が軸12にスライド自
在に固定される原理を説明するための断面図である。
【図6】本体10に対し第二の水平軸32が軸方向に微
移動可能に取り付けられている原理を説明するための断
面図である。
【図7】ヒータが加熱位置と退避位置との間で手動によ
り移動する原理を説明するための、一対のクランプ部材
の中央を通る線に沿った断面図である。
【図8】従来の典型的な自動溶着装置の斜視図である。
【符号の説明】
1 半自動溶着装置 10 本体 12 軸 20、24 クランプ部材 20a ブッシュ 20b ボア 20c 雌ネジ 21 リング体 22 ロックナット 22a 雄ネジ 22b ステム部 22c 穴 26 支持部材 28 電動モータ 30 ヒータ 32 第二の水平軸 34 アーム 36 ハンドル 40 調節ナット 42 ロックナット
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年12月25日(2001.12.
25)
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 旗本 充宏 東京都申央区日本橋人形町3丁目9番5号 新和ビル1階 有限会社ジー・エヌ・エス 内 Fターム(参考) 4F211 AA16 AA34 AD12 AH46 AJ08 AP05 AP06 AP10 AP11 AP17 TA01 TC08 TC11 TD07 TJ22 TJ29 TN07 TQ01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】移動可能な程度の大きさ及び重量を有する
    本体と;一対の管状部品をそれぞれ着脱可能に保持する
    一対のクランプ部材であって、前記管状部品の軸方向に
    相対的に接近又は離反するように摺動可能に取り付けら
    れたクランプ部材と;前記一対のクランプ部材に保持さ
    れた一対の管状部品の端面をそれぞれほぼ等しい溶融深
    さに溶融させるヒータと;前記ヒータを一対のクランプ
    部材間の加熱位置と該クランプ部材の相対的接近を妨げ
    ない退避位置との間で手動により移動させるヒータ駆動
    手段と;そして、前記ヒータにより溶融された一対の管
    状部品を相対的に接近且つ当接して互いに溶着させるこ
    とができる自動制御のクランプ部材駆動手段とを備えて
    構成されてなる、互いに対向する一対の溶着可能な樹脂
    製管状部品を突き合わせて溶着させる半自動溶着装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の熱溶着可能な樹脂製管状
    部品の半自動溶着装置において、前記クランプ部材の少
    なくとも一方が、前記本体に架設された水平軸に対し軸
    方向に移動可能に固定されており、それにより、溶着す
    べき樹脂製管状部品の任意の位置でクランプ可能とした
    ことを特徴とする半自動溶着装置。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の熱溶着可能な樹脂製管状
    部品の半自動溶着装置において、前記本体に架設された
    前記水平軸には、前記クランプ部材の他方がスライド自
    在に装着され且つ当該他のクランプ部材を軸方向に移動
    させるモータを載置した支持部材が軸方向に移動可能に
    固定されており、それにより、固定された一方のクラン
    プ部材にスライド可能な他方のクランプ部材を接近且つ
    当接して互いに溶着させることを特徴とする半自動溶着
    装置。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の熱溶着可能な樹脂製管状
    部品の半自動溶着装置において、前記ヒータは、一対の
    クランプ部材に固定された一対の管状部品の端面間でそ
    の軸方向に微移動可能に取り付けられており、それによ
    り、当該一対の管状部品端面の加熱状態に差がある場合
    に、ヒータの左右における一対の管状部品端面との距離
    を調節することによって加熱状態を均衡させることを特
    徴とする半自動溶着装置。
  5. 【請求項5】請求項1に記載の熱溶着可能な樹脂製管状
    部品の半自動溶着装置において、前記ヒータは、前記本
    体に対し回転可能に取り付けられた第二の水平軸に固定
    されたアーム先端に取り付けられており、当該第二の水
    平軸に固定されたハンドルを回動操作することで、前記
    本体の内部のみを通って一対のクランプ部材間の加熱位
    置と該クランプ部材の相対的接近を妨げない退避位置と
    の間で手動により移動させることができるように構成さ
    れてなることを特徴とする半自動溶着装置。
  6. 【請求項6】請求項5に記載の熱溶着可能な樹脂製管状
    部品の半自動溶着装置において、前記第二の水平軸が前
    記本体に対して水平方向に微調節可能とされており、そ
    れによって、当該一対の管状部品端面の加熱状態に差が
    ある場合に、ヒータの左右における一対の管状部品端面
    との距離を調節することによって加熱状態を均衡させる
    ことを特徴とする半自動溶着装置。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱溶
    着可能な樹脂製管状部品の半自動溶着装置において、前
    記樹脂製管状部品は、PTFE、FEP、PFA、ET
    FE、CTFE、PVDF等の弗素系樹脂又はPPS等
    の高級エンジニアリングプラスチックからなり、前記ヒ
    ータはそれぞれの素材にける吸収スペクトルの内比較的
    吸収率の高い波長領域を放出する材料から作られている
    ことを特徴とする半自動溶着装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
RU2467847C2 (ru) * 2006-12-20 2012-11-27 Линкольн Глобал, Инк. Устройство задания последовательности сварочных работ
CN112092377A (zh) * 2019-06-18 2020-12-18 四川力登维汽车部件有限公司 一种风管的熔接系统及熔接工艺
CN114131933A (zh) * 2021-11-17 2022-03-04 浙江海洋大学 一种基于调节组件的专用于pe管热熔焊接的焊接设备

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