JP2003170022A - ガス処理方法及びガス処理装置 - Google Patents

ガス処理方法及びガス処理装置

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JP2003170022A
JP2003170022A JP2001370162A JP2001370162A JP2003170022A JP 2003170022 A JP2003170022 A JP 2003170022A JP 2001370162 A JP2001370162 A JP 2001370162A JP 2001370162 A JP2001370162 A JP 2001370162A JP 2003170022 A JP2003170022 A JP 2003170022A
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adsorption
gas
volatile
removal
discharge
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JP2001370162A
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Yoshiaki Kaneko
芳昭 金子
Hiromi Aoyanagi
広美 青柳
Toshimoto Nishiguchi
敏司 西口
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】揮発性有害物質を含有するガスを無害化するに
際して、装置コスト・運転コストの低減化及びエネルギ
ー効率の向上を図ることができ、処理流量の増加を図る
ことが可能となるガス処理方法及びガス処理装置を提供
する。 【解決手段】揮発性有害物質を含有するガスを無害化す
るガス処理方法において、揮発性有害物質を吸着除去す
る複数の吸着除去部と、該吸着除去部において吸着され
た揮発性有害物質を放電処理する放電処理部とを有し、
これらの処理部によって前記揮発性有害物質を含有する
ガスを無害化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、揮発性有害物質を
含有するガスを無害化するためのガス処理方法及びガス
処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、工場等から排出される揮発性有害
物質の処理は、(1)吸着回収法、(2)触媒分解法、
(3)燃焼法に大別できる。しかしこれらの方法につい
ては、処理対象ガスが大容量の場合、装置容積の大型
化、燃焼による有害物質の生成、装置及び運転コストの
高騰等の問題点を有し、いずれも満足できる物ではなか
った。
【0003】一方、これらの問題を解決すべく非平衡プ
ラズマ放電による揮発性有害物質の無害化処理の研究が
進められている。非平衡プラズマ放電による無害化処理
は、大気圧・室温での処理が可能である。また低濃度揮
発性有害物質については、非常に高い効率で分解処理で
きることが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記非
平衡プラズマ放電による揮発性有害物質の無害化処理
は、低濃度条件下では投入エネルギー当りの分解効率が
低いため運転効率が非常に悪く、また処理流量が大きい
場合は、装置を大規模化する必要があり、運転コスト、
装置コストの高騰を招く問題点があった。また運転効率
向上のために強誘電体と多孔質吸着剤を混合させ、濃縮
分解を同一槽内で行う方法が提案されているが、処理流
量が大きい場合は、装置を大規模化する必要がある。
【0005】そこで、本発明は、上記課題を解決し、揮
発性有害物質を含有するガスを無害化するに際して、装
置コスト・運転コストの低減化及びエネルギー効率の向
上を図ることができ、処理流量の増加を図ることが可能
となるガス処理方法及びガス処理装置を提供することを
目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、(1)〜(20)のように構成したガス
処理方法及びガス処理装置を提供するものである。 (1)揮発性有害物質を含有するガスを無害化するガス
処理方法において、揮発性有害物質を吸着除去する複数
の吸着除去部と、該吸着除去部において吸着された揮発
性有害物質を放電処理する放電処理部とを有し、これら
の処理部によって前記揮発性有害物質を含有するガスを
無害化することを特徴とするガス処理方法。 (2)前記複数の吸着除去部において、該複数の吸着除
去部の一方で揮発性有害物質を吸着除去している間に、
他方の吸着除去部において吸着除去によって生じた揮発
性有害物質を減容濃縮し、これを放電処理部で放電処理
することを特徴とする上記(1)に記載のガス処理方
法。 (3)前記減容濃縮は、前記吸着除去部において吸着さ
れた揮発性有害物質を加熱により脱着濃縮することによ
って行われることを特徴とする上記(1)または上記
(2)に記載のガス処理方法。 (4)前記複数の吸着除去部は、ガス導入部と放電処理
部との間に配置され、前記ガス導入部と前記複数の吸着
除去部との間の濃度測定器によって演算された揮発性有
害物質の吸着量に応じて、前記吸着除去する処理から前
記揮発性有害物質を減容濃縮する処理に動作移行するこ
とを特徴とする上記(2)または上記(3)に記載のガ
ス処理方法。 (5)前記濃度測定器によって演算された揮発性有害物
質の吸着量に応じて、前記一方における吸着除去部での
吸着除去による処理を前記揮発性有害物質を減容濃縮す
る処理に切り替えると共に、前記他方における吸着除去
部での減容濃縮する処理を吸着除去による処理に切り替
え、これらの処理を同時に併行して行うことを特徴とす
る上記(4)に記載のガス処理方法。 (6)前記吸着除去部は、揮発性有害物質を吸着するた
めの吸着剤が充填された槽を有し、前記揮発性有害物質
を含有するガスを流通させ、該揮発性有害物質を吸着除
去することを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれか
に記載のガス処理方法。 (7)前記放電処理部は、無機誘電体が充填された槽を
有し、該槽内において該無機誘電体で生起された放電に
より、該槽内を流通する揮発性有害物質を分解処理する
ことを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載
のガス処理方法。 (8)前記放電処理部に充填される無機誘電体は、強誘
電体であることを特徴とする上記(1)〜(7)のいず
れかに記載のガス処理方法。 (9)前記無機誘電体が、粒状体であることを特徴とす
る上記(1)〜(8)のいずれかに記載のガス処理方
法。 (10)前記放電処理部において、前記無機誘電体で生
起された放電により、減容濃縮してガス状にされた揮発
性有害物質を常圧下においてプラズマ化することを特徴
とする上記(1)〜(9)のいずれかに記載のガス処理
方法。 (11)揮発性有害物質を含有するガスを無害化するガ
ス処理装置において、揮発性有害物質を吸着除去する複
数の吸着除去部と、該吸着除去部において吸着された揮
発性有害物質を放電処理する放電処理部とを有し、これ
らの処理部によって前記揮発性有害物質を含有するガス
を無害化することを特徴とするガス処理装置。 (12)前記複数の吸着除去部において、該複数の吸着
除去部の一方で揮発性有害物質を吸着除去している間
に、他方の吸着除去部において吸着除去によって生じた
揮発性有害物質を減容濃縮する構成と、前記減容濃縮さ
れた揮発性有害物質を放電処理する放電処理部と、を有
することを特徴とする上記(11)に記載のガス処理装
置。 (13)前記複数の吸着除去部は、前記吸着除去部にお
いて吸着された揮発性有害物質を加熱により脱着濃縮す
る手段を有することを特徴とする上記(11)または上
記(12)に記載のガス処理装置。 (14)前記複数の吸着除去部は、ガス導入部と放電処
理部との間に配置され、前記ガス導入部と前記複数の吸
着除去部との間の濃度測定器によって演算された揮発性
有害物質の吸着量に応じて、前記吸着除去する処理から
前記揮発性有害物質を減容濃縮する処理に動作移行する
構成を備えていることを特徴とする上記(12)または
上記(13)に記載のガス処理装置。 (15)前記濃度測定器によって演算された揮発性有害
物質の吸着量に応じて、前記一方における吸着除去部で
の吸着除去による処理を前記揮発性有害物質を減容濃縮
する処理に切り替えると共に、前記他方における吸着除
去部での減容濃縮する処理を吸着除去による処理に切り
替え、これらの処理を同時に併行して行う構成を備えて
いることを特徴とする上記(14)に記載のガス処理装
置。 (16)前記吸着除去部は、揮発性有害物質を吸着する
ための吸着剤が充填された槽を有し、前記揮発性有害物
質を含有するガスを流通させ、該揮発性有害物質を吸着
除去する構成を備えていることを特徴とする上記(1
1)〜(15)のいずれかに記載のガス処理装置。 (17)前記放電処理部は、無機誘電体が充填された槽
を有し、該槽内において該無機誘電体で生起された放電
により、該槽内を流通する揮発性有害物質を分解処理す
る構成を備えていることを特徴とする上記(11)〜
(16)のいずれかに記載のガス処理装置。 (18)前記放電処理部に充填される無機誘電体は、強
誘電体であることを特徴とする上記(11)〜(17)
のいずれかに記載のガス処理装置。 (19)前記無機誘電体が、粒状体であることを特徴と
する上記(11)〜(18)のいずれかに記載のガス処
理装置。 (20)前記放電処理部は、前記無機誘電体で生起され
た放電により、減容濃縮してガス状にされた揮発性有害
物質を常圧下においてプラズマ化する構成を備えている
ことを特徴とする上記(11)〜(19)のいずれかに
記載のガス処理装置。
【0007】
【発明の実施の形態】上記構成を適用することで、揮発
性有害物質の無害化処理を、高効率で実現することがで
きる。すなわち、非平衡プラズマによる揮発性有害物質
の無害化処理を吸着除去と放電分解処理を組み合わせる
ことにより、吸着除去した揮発性有害物質を加熱脱着に
よる減容濃縮後、放電処理を行うことで分解効率の向
上、装置コスト、運転コストの低減及び処理流量の増加
を図ることが可能なガス処理方法及びガス処理装置を実
現することが可能となる。具体的には、例えば吸着剤を
充填した槽複数個をガス導入部と放電処理部の間に複数
個並列に配置する。揮発性有害物質を含有するガスを吸
着除去部に流通させ、揮発性有害物質の吸着除去を行
い、処理ガスは系外に放出される。吸着された揮発性有
害物質は、加熱ガスにより脱着され、減容濃縮された状
態で放電処理部に導かれ放電により無害化処理を行う。
一方、吸着除去部における脱着・濃縮の間、他方の吸着
除去部において吸着除去を行う。上記の操作を繰り返し
実施することにより、連続した吸着除去及び放電処理を
可能とする。また処理対象となるガスを減容濃縮した状
態で放電処理するため、エネルギー効率の向上を可能と
し、最も設備コストのかかる放電処理部を拡大すること
なく処理量の増加を可能とする。
【0008】吸着除去部で使用される吸着材は、高シリ
カゼオライト、USY、ZSM−5などが挙げられる
が、揮発性有害物質を吸着保持できる性質かつ耐熱性を
有するものであれば、特に限定するものではない。吸着
材の形状は、粒状またはハニカム状のものが挙げられ
る。また処理対象となる揮発性有害物質成分、濃度、流
量により吸着材の種類、形状を選択することで吸脱着を
高効率に行うことができる。
【0009】吸着除去から脱着濃縮への動作移行は、ガ
ス導入部と吸着除去部の間に配置した揮発性有害物質濃
度測定器による吸着量演算結果から吸着能力または放電
処理能力に応じて行うため、吸着破過及び放電処理能力
を超えたガスの流通を防止し、濃度変動のない安定した
条件において放電処理を行うことを可能とする。
【0010】また脱着濃縮を開始する吸着量に達するま
で吸着除去から脱着濃縮への移行動作を行わないため、
その間放電処理部の電源をOFFにすることが可能にな
り、また移行動作を最小限に抑えられるため運転コスト
の低減を図ることができる。
【0011】該濃度測定器には、半導体式ガスセンサー
などが挙げられるが、対象となる揮発性有害物質を測定
する測定手段と測定値に基づいて吸着量を求める演算手
段を有するものであれば、特にこの限りではない。吸着
除去部における脱着及び濃縮は、揮発性有害物質を吸着
した吸着材を加熱し脱着用ガスを吸着除去部に流通させ
ることで行う。例えば脱着用ガスを電気ヒーターにより
加熱し、吸着除去部に流通させる。加熱温度は150℃
〜200℃程度で行い、脱着用ガスの流通方法は、送風
ファンによる送風により行う。脱着濃縮手段には以上の
ような方法が挙げられるが、これに限定されるものでは
ない。また揮発性有害物質の放電処理後排出されるガス
を大気放出することなく再び脱着濃縮処理に使用すれ
ば、加熱時のエネルギー消費を最小限に抑えられ、分解
効率を向上させることが可能となる。
【0012】放電処理部に充填される誘電体の形状は、
粒状体である限り球形、円柱形に限らず充填された状態
でガスが透過することが可能であれば特に限定するもの
ではない。使用する誘電体は、強誘電体であり、比誘電
率が1000以上のものが望ましいため、チタン酸バリ
ウムやチタン酸ストロンチウムが挙げられるが、これに
限定されるものではなく使用目的に応じ選択することが
できる。
【0013】以下に、本発明の実施の形態に係る具体的
構成について、図に基づいて説明するが、本発明はこれ
らによって何ら限定されるものではない。図1は本発明
実施の形態に係るガス処理装置構成図である。図1にお
いて、吸着濃縮部3A及び3Bを原ガス入口12と放電
処理部7Aの間に並列に複数配置し、複数ある吸着除去
部の内一方で吸着除去を行い、他方では、揮発性有害物
質の脱着濃縮を行い、減容濃縮された揮発性有害物質を
放電処理部7Aに流通させることで分解処理する構成と
なっている。吸着濃縮部3A及び3B内には、吸着材3
Cが充填され、放電処理部7A内には、強誘電体7Bが
充填されている。吸着濃縮部入口には、揮発性有害物質
吸着量を測定するための測定器2A及び2Bを配置し、
再生用ファン6と再生ガス加熱用電気ヒータ4の間に
は、熱回収を行うための熱交換器5を配置している。
【0014】次に装置動作について説明する。バルブ8
A及び10Aが開き、バルブ8B、9A、10B及び1
1Aが閉じた状態で、原ガスファン1により揮発性有害
物質を含有したガスが吸着濃縮部3Aに送り込まれる。
吸着濃縮部3Aでは揮発性有害物質の吸着除去が行わ
れ、浄化されたガスが処理ガス出口13より系外へ排出
される。その間測定器2Aにより吸着量の演算が行わ
れ、所定吸着量に達すると、バルブ8A、10A、9
B、11Bが閉じられ、バルブ8B、10B、9A、1
1Aが開いた状態に切り替わり、吸着濃縮部3Bにおい
て吸着処理が行われる。切り替え操作と同時に吸着除去
部3Aには、再生ファン6及び電気ヒータ4により再生
用の加熱ガスが送り込まれ揮発性有害物質の脱着が行わ
れる。流通する加熱ガスの流量は、原ガスファンによる
原ガス流量より少量にし、揮発性有害物質ガスを減容濃
縮した状態で脱着を行う。吸脱着の切り替えと同時もし
くは切り替えの直前に放電処理部7Aでは放電が行わ
れ、揮発性有害物質の放電分解処理を開始する。放電処
理されたガスは、処理ガス出口13より系外排出を行う
が、一部を吸着濃縮部の脱着濃縮に使用することで処理
率の向上を可能とする。
【0015】上記の様な構成において処理操作を繰り返
し交互に行うことにより、連続した揮発性有害物質の処
理を可能とし、減容濃縮された揮発性有害物質を間欠的
に放電処理することで、エネルギー効率の向上、運転及
び設備コストを最小限に抑えることができる。
【0016】
【実施例】以下に、本発明の実施例について説明する
が、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるも
のではない。図2に、本実施例に用いられるガス処理装
置の構成を示す。以下に実験の主要な項目を示す。 (吸着濃縮部) 吸着材充填槽:モレキュラシーブ5A(1/8インチ)
ペレットを充填した円筒状槽。 槽寸法:直径50mm、長さ300mm。 (放電処理部) 放電処理槽:粒径3mmチタン酸バリウム(比誘電率ε
=7000)ペレットを充填した同軸円筒状パックトベ
ッド式放電装置。 槽寸法:外径40mm、内径15mm、長さ300m
m。 (分析部) 分析装置:ガスクロマトグラフ(島津製作所製GC−1
4B)、ガスクロマトグラフ質量分析計(Agilen
t社製、6890/5973)。
【0017】[実施例1]実施例1においては、図2に
示すガス処理装置において、バルブ23A、26Aを開
き、バルブ23B、24A、24B、27Aを閉じた状
態で200ppmMEKガスを毎分10L流量で吸着材
充填槽25Aに30分間流通させた。30分間流通時、
吸着材充填槽25A出口においてガスを分析したとこ
ろ、MEKは検出されないため、吸着材にMEK成分が
吸着されていることが確認できる。30分間流通後、バ
ルブ23B、24A、26B、27Aを開き、バルブ2
3A、24B、26A、27Bを閉じ吸着材充填槽25
Bで吸着を行う。
【0018】一方、切り替えと同時に吸着材充填槽25
Aには、電気ヒータ31で150℃に加熱したガスを、
毎分1.0L流量で30分間流通させ、吸着したMEK
を脱着させる。この場合、吸着流量の10分の1の流量
で脱着を行うことで、MEK200ppmのガスを10
倍の2000ppm濃縮ガスとして放電処理を行うこと
となる。脱着操作開始と同時に放電処理槽28Aでは、
3kVの電圧を印加させ、放電処理を行う。放電処理後
のガスを分析したところMEK濃度は、40ppm程度
であった。以上の操作を複数の吸着材充填槽を用いて連
続的に処理することから、連続してMEK除去率98%
程度を得ることができる。単位時間当りの分解処理ガス
量は、600L/hrであり、21g/hrのMEKが
分解処理されたことになる。
【0019】[実施例2]実施例2においては、図2に
示すガス処理装置において、バルブ23A、26Aを開
き、バルブ23B、24A、24B、27Aを閉じた状
態で20ppmMEKガスを毎分10L流量で吸着材充
填槽25Aに流通させた。100分間流通時、吸着材充
填槽25A出口においてガスを分析したところ、MEK
は検出されないため、吸着材にMEK成分が吸着されて
いることが確認できる。100分間流通後、バルブ23
B、24A、26B、27Aを開き、バルブ23A、2
4B、26A、27Bを閉じ吸着材充填槽25Bで吸着
を行う。
【0020】一方、切り替えと同時に吸着材充填槽25
Aには、電気ヒーター31で180℃に加熱したガス
を、毎分1.0L流量で流通させ、吸着したMEKを脱
着させる。脱着されたMEKガスは、放電処理槽28A
へ導かれ放電処理を行う。吸着材充填槽25A出口にお
いてガスを分析したところ、脱着濃縮開始後、30分程
度でMEKは未検出となり、脱着完了が確認された。脱
着完了確認後、放電処理槽25Aにおいて放電処理を休
止した。この時、放電処理によるMEK処理率は、10
0%であった。以上の操作を複数の吸着材充填槽を用い
て連続的に処理を行う。単位時間当りの分解処理ガス量
は、600L/hrであり、2.1g/hrのMEKが
分解処理されたことになる。また放電処理槽における単
位時間当たりの放電時間は、18min/hrとなる。
【0021】[実施例3]実施例3においては、200
ppmトルエンガスを流通させる以外は実施例1と同様
に処理を行った。吸着・濃縮後、放電処理されたガスを
分析したところトルエン濃度は、60ppm程度であっ
た。よってトルエン処理率97%程度となる。単位時間
当りの分解処理ガス量は、600L/hrであり、26
g/hrのトルエンが分解処理された。
【0022】(比較例1)比較例1においては、MEK
ガスを直接放電処理槽に流通させ、放電処理のみで処理
を行う他は、実施例1と同様の方法で処理を行った。実
施例1と同様に200ppmMEKガスを毎分10L流
量で放電処理槽に流通させながら放電のみでMEKガス
の処理させる。
【0023】放電処理後のガスを分析したところMEK
濃度は、60ppm程度であった。よってMEK処理率
は、70%程度となる。単位時間当りの分解処理ガス量
は、600L/hrであり、15g/hrのMEKが分
解処理されたことになる。実施例1では、本比較例と比
較して、単位時間当り1.4倍のMEKを分解すること
ができる。
【0024】(比較例2)比較例2においては、バルブ
23B、24B、26B、27Bを常時閉じた状態に
し、吸着材充填槽1槽(吸着材充填槽25A使用)のみ
と放電処理槽28Aで処理を行う他は、実施例1と同様
の方法で処理を行った。実施例1と同様に200ppm
MEKガスを毎分10L流量で吸着材充填槽25Aに3
0分間流通する。30分間流通時、吸着材充填槽25A
出口においてガスを分析したところ、MEKは検出され
ないため、吸着材にMEK成分が吸着されていることが
確認できる。30分間流通後、バルブ24A、27Aを
開き、バルブ23A、26Aを閉じ、吸着材充填槽25
Aには、電気ヒータ31で150℃に加熱したガスを、
毎分1.0L流量で30分間流通させ、吸着したMEK
を脱着させる。この場合、吸着流量の10分の1の流量
で脱着を行うことで、MEK200ppmのガスを10
倍の2000ppm濃縮ガスとして放電処理を行うこと
となる。脱着操作開始と同時に放電処理槽28Aでは、
実施例1と同様に3kVの電圧を印加させ、放電処理を
行った。
【0025】放電処理後のガスを分析したところMEK
濃度は、40ppm程度であった。よってMEK処理率
98%程度となる。単位時間当りの分解処理ガス量は、
300L/hrであり、10.5g/hrのMEKが分
解処理されたことになる。
【0026】本比較例と実施例1の処理率は、同程度あ
ったが、しかし単位時間当たりの分解処理ガス量及びM
EK処理量において実施例1では、本比較例と比較して
2倍の量を分解処理することができた。
【0027】(比較例3)比較例3においては、MEK
ガスを直接放電処理槽に流通させ、放電処理のみで処理
を行う他は、実施例2と同様の方法で処理を行った。実
施例2と同様に20ppmMEKガスを毎分10L流量
で放電処理槽に流通させながら放電のみでMEKガスの
処理させる。
【0028】放電処理後のガスを分析したところMEK
未検出であった。よってMEK処理率は、100%とな
る。単位時間当りの分解処理ガス量は、600L/hr
であり、2.1g/hrのMEKが分解処理されたこと
になる。本比較例と実施例2の単位時間当りのMEK処
理量は同じであったが、放電処理層における放電時間を
比較した場合、本比較例では、常時放電を行っているの
に対し、実施例2では、単位時間当たり18min/h
rの放電で処理が行える。すなわち1/3程度の消費電
力により処理が行えることとなる。
【0029】(比較例4)200ppmトルエンガスを
毎分3L流量で直接放電処理槽に流通させ、放電処理の
みでトルエンガスの処理を行う他は、実施例3と同様の
方法で処理を行った。放電処理後のガスを分析したとこ
ろトルエン濃度は、10ppm程度であった。よってト
ルエン処理率は、95%程度となる。SV値で処理率を
考えた場合、実施例3と同等の処理率を達成するために
は、本比較例の結果よりSV=0.93での処理が必要
となる。この結果を毎分10L流量の200ppmトル
エンガスを処理する場合に置き換えると、10/3倍程
度の容量の放電処理槽が必要となる。従って実施例3と
比較例4より、最も設備コストのかかる放電処理部を縮
小することが可能で、放電処理部におけるエネルギー効
率を向上させることが可能であることを実証できてい
る。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、揮発性有害物質を含有
するガスを無害化するに際して、装置コスト・運転コス
トの低減化及びエネルギー効率の向上を図ることがで
き、処理流量の増加を図ることが可能となるガス処理方
法及びガス処理装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るガス処理装置の構成
図。
【図2】本発明の実施例1に係るガス処理装置の構成
図。
【符号の説明】
1:原ガスファン 2A、2B:吸着量測定器 3A、3B:吸着濃縮部 3C:吸着材 4:電気ヒーター 5:熱交換器 6:脱着再生用ファン 7A:放電処理部 7B:無機誘電体 8A、8B:バルブ 9A、9B:バルブ 10A、10B:バルブ 11A、11B:バルブ 12:原ガス入口 13:処理ガス出口 14:高圧電源 21:原ガスボンベ 22:流量調節器 23A、23B:バルブ 24A、24B:バルブ 25A、25B:吸着材充填槽 25C:吸着材 26A、26B:バルブ 27A、27B:バルブ 28A:放電処理槽 28B:無機誘電体 29:高圧電源 30:脱着再生用空気ボンベ 31:電気ヒーター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西口 敏司 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 4D002 AA33 AA40 AB03 AC07 BA04 BA07 CA07 CA13 DA45 EA02 EA08 GA02 GB02 4G075 AA03 AA37 BA01 BA05 BB01 BB04 BD14 CA15 CA54 DA01 EA06 EB41 EE04 EE05 FB01 FC15

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】揮発性有害物質を含有するガスを無害化す
    るガス処理方法において、揮発性有害物質を吸着除去す
    る複数の吸着除去部と、該吸着除去部において吸着され
    た揮発性有害物質を放電処理する放電処理部とを有し、
    これらの処理部によって前記揮発性有害物質を含有する
    ガスを無害化することを特徴とするガス処理方法。
  2. 【請求項2】前記複数の吸着除去部において、該複数の
    吸着除去部の一方で揮発性有害物質を吸着除去している
    間に、他方の吸着除去部において吸着除去によって生じ
    た揮発性有害物質を減容濃縮し、これを放電処理部で放
    電処理することを特徴とする請求項1に記載のガス処理
    方法。
  3. 【請求項3】前記減容濃縮は、前記吸着除去部において
    吸着された揮発性有害物質を加熱により脱着濃縮するこ
    とによって行われることを特徴とする請求項1または請
    求項2に記載のガス処理方法。
  4. 【請求項4】前記複数の吸着除去部は、ガス導入部と放
    電処理部との間に配置され、前記ガス導入部と前記複数
    の吸着除去部との間の濃度測定器によって演算された揮
    発性有害物質の吸着量に応じて、前記吸着除去する処理
    から前記揮発性有害物質を減容濃縮する処理に動作移行
    することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の
    ガス処理方法。
  5. 【請求項5】前記濃度測定器によって演算された揮発性
    有害物質の吸着量に応じて、前記一方における吸着除去
    部での吸着除去による処理を前記揮発性有害物質を減容
    濃縮する処理に切り替えると共に、前記他方における吸
    着除去部での減容濃縮する処理を吸着除去による処理に
    切り替え、これらの処理を同時に併行して行うことを特
    徴とする請求項4に記載のガス処理方法。
  6. 【請求項6】前記吸着除去部は、揮発性有害物質を吸着
    するための吸着剤が充填された槽を有し、前記揮発性有
    害物質を含有するガスを流通させ、該揮発性有害物質を
    吸着除去することを特徴とする請求項1〜5のいずれか
    1項に記載のガス処理方法。
  7. 【請求項7】前記放電処理部は、無機誘電体が充填され
    た槽を有し、該槽内において該無機誘電体で生起された
    放電により、該槽内を流通する揮発性有害物質を分解処
    理することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に
    記載のガス処理方法。
  8. 【請求項8】前記放電処理部に充填される無機誘電体
    は、強誘電体であることを特徴とする請求項1〜7のい
    ずれか1項に記載のガス処理方法。
  9. 【請求項9】前記無機誘電体が、粒状体であることを特
    徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のガス処理
    方法。
  10. 【請求項10】前記放電処理部において、前記無機誘電
    体で生起された放電により、減容濃縮してガス状にされ
    た揮発性有害物質を常圧下においてプラズマ化すること
    を特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のガス
    処理方法。
  11. 【請求項11】揮発性有害物質を含有するガスを無害化
    するガス処理装置において、揮発性有害物質を吸着除去
    する複数の吸着除去部と、該吸着除去部において吸着さ
    れた揮発性有害物質を放電処理する放電処理部とを有
    し、これらの処理部によって前記揮発性有害物質を含有
    するガスを無害化することを特徴とするガス処理装置。
  12. 【請求項12】前記複数の吸着除去部において、該複数
    の吸着除去部の一方で揮発性有害物質を吸着除去してい
    る間に、他方の吸着除去部において吸着除去によって生
    じた揮発性有害物質を減容濃縮する構成と、 前記減容濃縮された揮発性有害物質を放電処理する放電
    処理部と、を有することを特徴とする請求項11に記載
    のガス処理装置。
  13. 【請求項13】前記複数の吸着除去部は、前記吸着除去
    部において吸着された揮発性有害物質を加熱により脱着
    濃縮する手段を有することを特徴とする請求項11また
    は請求項12に記載のガス処理装置。
  14. 【請求項14】前記複数の吸着除去部は、ガス導入部と
    放電処理部との間に配置され、前記ガス導入部と前記複
    数の吸着除去部との間の濃度測定器によって演算された
    揮発性有害物質の吸着量に応じて、前記吸着除去する処
    理から前記揮発性有害物質を減容濃縮する処理に動作移
    行する構成を備えていることを特徴とする請求項12ま
    たは請求項13に記載のガス処理装置。
  15. 【請求項15】前記濃度測定器によって演算された揮発
    性有害物質の吸着量に応じて、前記一方における吸着除
    去部での吸着除去による処理を前記揮発性有害物質を減
    容濃縮する処理に切り替えると共に、前記他方における
    吸着除去部での減容濃縮する処理を吸着除去による処理
    に切り替え、これらの処理を同時に併行して行う構成を
    備えていることを特徴とする請求項14に記載のガス処
    理装置。
  16. 【請求項16】前記吸着除去部は、揮発性有害物質を吸
    着するための吸着剤が充填された槽を有し、前記揮発性
    有害物質を含有するガスを流通させ、該揮発性有害物質
    を吸着除去する構成を備えていることを特徴とする請求
    項11〜15のいずれか1項に記載のガス処理装置。
  17. 【請求項17】前記放電処理部は、無機誘電体が充填さ
    れた槽を有し、該槽内において該無機誘電体で生起され
    た放電により、該槽内を流通する揮発性有害物質を分解
    処理する構成を備えていることを特徴とする請求項11
    〜16のいずれか1項に記載のガス処理装置。
  18. 【請求項18】前記放電処理部に充填される無機誘電体
    は、強誘電体であることを特徴とする請求項11〜17
    のいずれか1項に記載のガス処理装置。
  19. 【請求項19】前記無機誘電体が、粒状体であることを
    特徴とする請求項11〜18のいずれか1項に記載のガ
    ス処理装置。
  20. 【請求項20】前記放電処理部は、前記無機誘電体で生
    起された放電により、減容濃縮してガス状にされた揮発
    性有害物質を常圧下においてプラズマ化する構成を備え
    ていることを特徴とする請求項11〜19のいずれか1
    項に記載のガス処理装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008302347A (ja) * 2007-06-11 2008-12-18 Ooden:Kk 排ガス処理装置及び排ガス処理方法
JP2008302348A (ja) * 2007-06-11 2008-12-18 Ooden:Kk 排ガス処理監視装置、排ガス処理装置及び排ガス処理監視方法
JP2010214266A (ja) * 2009-03-16 2010-09-30 Fujifilm Corp 揮発性有機溶媒の回収設備及び方法
JP2013163156A (ja) * 2012-02-10 2013-08-22 Jfe Engineering Corp 揮発性有機化合物を含有する排ガスの処理装置および処理方法

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