JP2003166908A - 回転機械の異常診断システム - Google Patents

回転機械の異常診断システム

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JP2003166908A JP2001368172A JP2001368172A JP2003166908A JP 2003166908 A JP2003166908 A JP 2003166908A JP 2001368172 A JP2001368172 A JP 2001368172A JP 2001368172 A JP2001368172 A JP 2001368172A JP 2003166908 A JP2003166908 A JP 2003166908A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 症状の似通った異なる異常原因の誤診を防ぐ
と共に、運転速度による症状の違いを考慮した適切な診
断手法を提供する。 【解決手段】 回転機械14の運転時に発生する振動よ
り回転機械14の異常原因を診断するシステム10にお
いて、回転機械14の回転数fnを危険速度fcで無次
元化した無次元速度fn/fcを、複数の診断範囲に分
割し、回転機械14に発生する種々の異常原因を無次元
速度fn/fcに応じて診断範囲に分類し、各診断範囲
で発生する各異常原因の周波数特性を予めデータ化し、
計測された振動データと上記各異常原因の周波数特性と
を比較して、異常原因を診断する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転機械の異常診
断システムに関し、詳しくは、回転機械の運転速度を危
険速度で無次元化した無次元速度を複数の診断範囲に場
合分けし、該診断範囲毎に適切な診断を行うことによ
り、異常原因の誤診を防ぐものである。
【0002】
【従来の技術】近年の技術革新により機械設備は高度化
・高性能化しており、これら機械設備に対する社会責任
や経済性・生産性の観点から、機械設備の異常診断の重
要性が注目視されている。かかる観点から、大型回転機
械についても異常振動を早期に発見し対策を行うために
適切な異常診断技術の開発が望まれている。
【0003】従来、大型回転機器の異常運転の簡易診断
手法に関して特開昭59−94018号公報等では、図
8に示すように、回転機械に設置したセンサーからの検
出信号を信号入力部3にて取り込み、故障原因推定部4
は該信号入力部3から受信した振動データS1を周波数
分析して、故障因果表記憶部5のデータベースと照合し
て得られた診断結果を結果表示部6にて表示している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記診
断方法では、周波数特性が非常に似通っている異なる異
常原因を判別することが難しく、時には実際には発生し
ていない異常原因を診断してしまう恐れがある。また、
自励振動のような異常原因の場合には、異常振動の発生
条件が運転速度により限定されているにもかかわらず、
上記故障因果表を用いた診断では予め診断を行わない設
定をしておかないと、起こりえない運転速度で異常を検
知してしまう問題がある。
【0005】さらには、クラックの生じた軸や非対称軸
などの異常原因の場合には、回転機器の運転速度が危険
速度に対してどの範囲に存在しているかによって症状の
現れ方に違いが生じるため、つまり、回転機械の回転数
と固有振動数の比がどのような値であるかによって異常
振動が強く現れたりあまり現れなかったりするため、上
記故障因果表により固定的に診断すると誤診しやすい場
合がある。
【0006】本発明は、上記問題に鑑みてなされたもの
で、周波数特性が近似する異なる異常原因間の誤診を防
ぎ、運転速度による症状の違いを考慮した適切な診断手
法を提供することを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、回転機械の運転時に発生する振動より回
転機械の異常原因を診断するシステムにおいて、上記回
転機械の回転速度を危険速度で無次元化した無次元速度
を、複数の診断範囲に分割し、上記回転機械に発生する
種々の異常原因を、各異常原因が表れる無次元速度に応
じて上記診断範囲に分類し、上記各診断範囲に、上記異
常原因に応じて発生する周波数特性を予め選定し、上記
回転機械の運動時に計測された振動データと上記選定さ
れた周波数特性とを比較して、上記回転機械に生じた異
常原因を診断することを特徴とする回転機械の異常診断
システムを提供している。
【0008】上記システムでは、回転機械の運転速度を
考慮に入れた上記診断範囲を設けているので、起こり得
ない運転速度下で異常原因を誤診断してしまうといった
ことを未然に防ぐことができ、的確な診断が可能とな
る。つまり、ある異常原因が起こり得ない診断範囲で、
選定された周波数特性と計測された周波数特性が適合し
ても、当該異常原因による異常と誤診することがなく、
異常原因の絞込みが高精度に行われる。なお、上記運転
速度及び上記危険速度は、回転機械の運転回転数及び固
有振動数と同義である。
【0009】上記無次元速度で分割した診断範囲の数
は、1次〜3次危険速度毎に4以上6以下とすることが
好ましい。上記危険速度として考慮する1次〜3次危険
速度毎に診断範囲の数を4以上6以下としているのは、
3以下に分割すると異常診断の精度が低下すると共に、
7以上に分割すると診断方法が煩雑になるからである。
なお、1次危険速度のみを考慮する場合は、上記無次元
速度を構成する危険速度として1つだけが対象となるこ
とより上記診断範囲の数は4以上6以下となるが、例え
ば、1次危険速度と2次危険速度とを考慮に入れるので
あれば、上記無次元速度を構成する危険速度として1次
危険速度と2次危険速度の2つを夫々基準として別々に
4以上6以下で診断範囲を分類し、その各診断範囲を合
成したものを当該システムの診断範囲とする。即ち、考
慮する危険速度が複数の場合は、上記診断範囲の数は全
体として7以上となりうる。
【0010】一般に、回転機械に異常振動が発生すると
周波数成分の分布に影響を及ぼすため、周波数成分に基
づく診断を行うと異常原因を組織的に取り扱うことがで
きる。そこで、周波数分析結果に表れるピークである周
波数成分を認識し、そのうち回転機械の回転数成分(f
n)と特徴的な周波数成分(高周波、低周波、2fn、
fn/2、回転体と軸受によって決まる危険速度fc
等)とを診断因子とすることにより、異常原因を絞り込
むことができる。
【0011】上記診断範囲において、上記特定された回
転数成分及び上記特徴的な周波数成分をもとにして、上
記特徴的な周波数成分と回転数成分の振幅比が予め設定
された基準値と比較して条件振り分けを行い、上記特徴
的な周波数成分が異常原因毎に予め選定された周波数成
分と適合する場合には、その選定された周波数成分に対
応する異常原因を診断結果とする。なお、上記基準値及
び設定値は、実験結果から定めており上記診断範囲にお
いて個別に設定している。また、ピークが回転数成分だ
けである場合には、周波数分析結果として回転数成分の
みが現れる場合の異常原因、例えばアンバランス等の異
常原因に特定している。
【0012】上記予め選定された周波数成分との適合を
見る際には、上記特徴的な周波数成分が、2fn、fn
/2、高周波、低周波、fnZg、fc等のいずれの成
分であるかを調査しており、夫々に対応する異常原因を
診断結果としている。なお、fnは回転機械の回転数成
分、Zgはギアの歯数、fcは固有振動数成分を表して
いる。
【0013】上記周波数特性が近似した異常原因はグル
ープ化されることが好ましい。即ち、それぞれ上記分類
された特定の診断範囲において、上記選定された周波数
特性と計測された周波数特性とを比較して適合している
場合は、上記選定された周波数特性に対応するグループ
内の各異常原因による異常と見なし、その後、精密診断
により上記各異常原因から更に異常原因を絞り込む構成
としている。
【0014】例えば、非対称軸とクラックのように、現
れる周波数特性が非常に似通っている場合には一つの異
常原因に絞るのが困難であるが、これらを一つのグルー
プに属すると認識し、計測された振動データがそのグル
ープの周波数特性に適合した場合には、グループ内の異
常原因である非対称軸とクラックを同時に診断結果とし
て提示すれば、以後に精密診断を行うことにより一の異
常原因に特定できる可能性を残すことができる。つま
り、周波数特性では判別不可能な異常原因まで無理に特
定しようとして誤診し、真の異常原因の特定可能性を途
切れさせてしまうといった従来の問題点を、グループ化
という概念を導入することで根本的に改善しているもの
である。
【0015】上記グループ分けの具体例としては、上記
周波数分析結果において、回転数成分(fn)が特徴的
に現れる異常原因を集めたグループ、回転数の2倍成分
(2fn)が特徴的に表れる異常原因を集めたグルー
プ、回転機械の固有振動数成分(fc)が特徴的に表れ
る異常原因を集めたグループ、高周波成分が特徴的に表
れる異常原因を集めたグループ、低周波成分が特徴的に
表れる異常原因を集めたグループ、回転数の1/2成分
(fn/2)が特徴的に表れる異常原因を集めたグルー
プとに夫々グループ化している。
【0016】また、上記グループ化された各異常原因を
上記分類された各診断範囲のうち、その異常原因が起こ
りうる特定の診断範囲において、計測された周波数特性
と上記選定された周波数特性とを比較した結果、適合し
ている場合は当該異常原因による異常と見なすものの、
その異常原因が起こりえない他の診断範囲において計測
された周波数特性と上記選定された周波数特性とが適合
しても当該異常原因による異常とは見なさないことによ
り、起こりえない運転速度下での異常原因の誤診断を予
め防止できるので、従来の周波数特性の比較により画一
的に診断していた場合に比べて、誤診断を飛躍的に低減
することが可能になる。
【0017】振動検出センサーと、該振動検出センサー
で得られた検出信号を振動データへと変換する演算処理
器と、該振動データより異常を診断するソフトウェアと
を備え、上記ソフトウェアは、上記診断範囲を分類する
分類部と、各診断範囲毎に診断する診断部と、上記周波
数特性が近似した異常原因を集めたグループ部とを備え
ている。また、上記振動検出センサーからの検出信号を
演算処理器にて振動データへと変換処理し、その振動デ
ータを直接あるいは通信ネットワークを介して上記ソフ
トウェアを備えた情報処理機器に送信して診断してい
る。
【0018】上記構成とすると、回転機械に上記振動検
出センサーを設置し、該振動検出センサーからの検出信
号を上記演算処理器にて振動データに変換処理して、直
接接続された上記ソフトウェアを備えた情報処理機器に
該振動データを送信し、あるいは、通信ネットワークを
介して接続された上記ソフトウェアを備えた情報処理機
器に該振動データを送信することで、情報処理機器上に
て上記異常原因の診断を行うことができる。なお、上記
通信ネットワークを介して上記情報処理機器に接続する
ことによって、多数の工場における回転機械の監視を集
中的に管理部門により行うことや、多数の会社における
回転機械の監視を管理専門会社により一元的に行うこと
ができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施形態
を、図面を参照して説明する。本発明の第1実施形態の
回転機械の異常診断システム10は、図1に示すよう
に、診断対象である回転機械14に設置された振動検出
センサー15と、振動検出センサー15に接続された振
動モニター16と、振動モニター16からの検出信号を
振動データに変換する演算処理器17と、演算処理器1
7からの振動データより診断を行う情報処理機器12と
を備えている。
【0020】回転機械14は、図2に示すように、回転
軸20と、回転軸20の両側を回転自在に軸支している
軸受部24、25と、回転軸20を回転させるモーター
23と、回転軸20の片端とモーター23とを連結する
連結部26と、回転軸20の略中央に外嵌したディスク
21、22とを備えている。振動検出センサー15は渦
電流式の非接触変位センサーを用いており、ディスク2
1、22の近傍、あるいは、軸受部24、25の近傍の
少なくともいずれか一方にて90゜異なる2方向に振動
計測センサー15を設けて軸振動の計測を行う(図中は
垂直方向のみ図示)、あるいは、軸受部24、25に9
0゜異なる2方向より直接振動計測センサー15を設け
て軸受振動の計測を行っている。
【0021】上記情報処理機器12には異常診断を行う
ソフトウェア30が備えられており、図3に示すように
該ソフトウェア30は、周波数特性が近似した異常原因
を集めて予め複数のグループに分けているグループ部3
1と、運転速度による診断範囲の分類部32と、診断範
囲毎に異常原因を診断する診断部33とを備えている。
【0022】上記診断範囲の分類部32は、回転機械1
4の運転速度fn(以下、回転数と呼ぶ)を危険速度f
c(以下、固有振動数と呼ぶ)で無次元化した無次元速
度fn/fcを診断範囲の分類パラメータとしている。
【0023】以下に、運転速度による診断範囲の分類部
32における無次元化速度fn/fcによる診断範囲の
決定方法について述べる。危険速度との共振について
は、実際には回転数fnが固有振動数fcに一致しなく
とも固有振動数fc近傍では大きな振動となることを考
慮して、回転数fnがある範囲内にあれば、それを危険
速度の共振として、0.88≦fn/fc≦1.12の
範囲を共振範囲として決定している。
【0024】オイルウィップは、滑り軸受部24、25
中の回転軸20の変位と、油膜の復元力の方向とが一致
しないことによる振れ回りのトルク発生に起因するもの
であり、回転軸の変位または変形に伴って、回転軸自ら
が励振力を作り出し、回転軸の回転数fnとは異なる軸
系の固有振動数で大きな振れ回りに成長していく自励振
動である。特徴的な周波数成分は固有振動数成分fcで
あり、振れ回り方向は回転軸の回転方向と同一となり、
その発生条件は2.0≦fn/fcの時である。
【0025】異常原因が非対称軸、クラック場合は、そ
の周波数分析での特徴的な周波数成分は回転数の2倍成
分2fnであるが、回転数fnの範囲によって周波数特
性に違いがあったり、また、実際の回転機械14では正
常状態であっても必ず回転数の2倍成分2fnが存在す
るためそれらの違いがはっきりしないことがある。そこ
で、非対称軸・クラックについて簡易数学モデルを作
り、回転数fnによる振動周波数成分の変化を数値解析
から捉えることにより、回転数fnの2倍成分が特徴的
に現れる範囲を見つけて発生範囲を決定した結果、0.
4≦fn/fc≦0.6の範囲を非対称軸・クラックに
関する1つの異常発生範囲と定めている。
【0026】以上のことから、異常振動の振動発生範囲
をまとめると図4のようになる。そこで、本実施形態で
は、異常原因のうち危険速度との共振、オイルウィッ
プ、非対称軸・クラックに着目して、表1に示す6つの
範囲に診断範囲を場合分けする。なお、無次元速度fn
/fcをパラメータとして分割した診断範囲の数は上記
6に限定されるものではなく、4以上8以下の範囲で分
割数を決定していると好適である。また、本実施形態で
は1次危険速度のみを基準にして診断範囲を決定してい
るが、2次危険速度、3次危険速度をも考慮にいれて診
断範囲を定めてもよく、その場合には更に細かく分類さ
れることとなる。
【0027】
【表1】
【0028】次に、周波数特性が近似した異常原因を集
めたグループ部31について説明する。例えば、上述の
ように、非対称軸とクラックは両方とも特徴的な周波数
成分として回転数の2倍成分2fnが強く現れるので、
周波数特性により異常原因が非対称軸であるかクラック
であるかを絞るのは困難である。そこで、図4に示すよ
うに、周波数成分の近似した異常原因毎に予めグループ
化して分類している。
【0029】図4では、回転数成分fnが特徴的に現れ
る異常原因を集めたグループG1、回転数成分fn及び
固有振動数成分fcが特徴的に現れる異常原因を集めた
グループG2、回転機械20の固有振動数成分fcが特
徴的に表れる異常原因を集めたグループG3、回転数の
2倍成分2fnが特徴的に表れる異常原因を集めたグル
ープG4、高周波成分が特徴的に表れる異常原因を集め
たグループG5、低周波成分が特徴的に表れる異常原因
を集めたグループG6、回転数の1/2成分fn/2が
特徴的に表れる異常原因を集めたグループG7、回転数
成分fnとギアの歯数Zgとの積fnZgが特徴的に現
れる異常原因を集めたグループG8等に夫々グループ化
している。
【0030】次に、診断範囲毎に異常原因を診断する診
断部33の診断の流れを説明する。振動モニター16か
ら受信した振動データを情報処理機器12にて周波数分
析した結果から抽出される回転機械の回転数成分fnと
特徴的な周波数成分とを診断因子として診断している。
【0031】図5は診断の流れの一例を示している。周
波数分析結果から、ある基準値より大きい振幅値をも
ち、かつ、その振幅値の最大振幅値に対する比がある設
定値以上であるものをピークとみなしてピックアップす
る。上記各ピークのうちに回転数成分fnが存在するか
を探し、存在すればその振幅値をAnとする。
【0032】そして、上記各ピークのうち回転数成分f
n以外の特徴的な周波数成分を探す。この時、回転数成
分fn以外で最も大きい振幅値をもつピークを上記特徴
的な周波数成分とし、その振幅値をA”とする。なお、
ピークが上記ステップにて抽出された回転数成分fn以
外に存在しない場合には、上記特徴的な周波数成分はな
いものとみなし、グループG1の異常原因と診断する。
【0033】次いで、上記各ピークのうち固有振動数成
分fcが存在するかの有無を確認し、固有回転数成分f
cと回転数成分fnとが存在する場合にはグループG2
の異常原因と診断し、固有回転数成分fcが存在し、回
転数成分fnが存在しない場合にはグループG3の異常
原因と診断する。最後に、上記特徴的な周波数成分と回
転数成分fnの振幅比A”/Anを基準値A1、Bと比
較した後、上記特徴的な周波数成分が異常原因毎に予め
選定された周波数成分(2fn、fn/2、高周波、低
周波、fnZg)と適合する場合には、図4を参照する
ことで、その適合した周波数成分に対応する異常原因の
グループG4〜G8のいずれかに同定する。なお、上記
基準値A1、Bは、実験結果等から定めており、表1に
示す診断範囲毎に個別に設定している。
【0034】以上の図5に示す診断方法は、上記診断範
囲毎に個別に設けられており、そのうちの一例を図6に
示している。上記診断フローは図5の診断の流れの説明
と基本的には同様であるが、診断範囲毎に診断フローを
分けていることが特徴的に現れている箇所として、例え
ば、図4にて振動発生範囲が限定されている「危険速度
との共振」は、その発生範囲外であるfn/fc<0.
4、0.6<fn/fc≦0.88の診断範囲の診断フ
ローである図6では、fi=fcを満たしても「危険速
度との共振」であると誤診することはない。
【0035】つまり、上記異常診断システム10による
と、回転機械の回転数fnを固有振動数fcで無次元化
した無次元化速度fn/fcにより表1のように診断範
囲を場合分けし、有り得ない運転速度下にて異常原因を
誤診すること等を効果的に防ぐことができる。
【0036】また、図4のように周波数成分が近似した
異常原因同士をグループG1〜G8化することで、計測
された振動データの周波数成分が上記いずれかのグルー
プの周波数成分fn/2、fn、2fn、fc、高周
波、低周波、fnZgに適合した場合には、グループ内
の異常原因(例えば、2fnの時は非対称軸とクラック
の両方)を診断結果として提示すれば、誤診をすること
なく異常原因の特定可能性を残すことができる。
【0037】図7は第2実施形態を示す。回転機械の所
在地に設置される振動検出センサー15、振動モニター
16及び演算処理器17をまとめて拠点機器群11とす
ると、例えば、各工場等に分散された各拠点機器群11
−1〜Xを通信ネットワーク13に接続している。そし
て、同じく通信ネットワーク13に接続され、異常診断
を行うソフトウェア30を備えた情報処理機器12−1
〜Yを有する管理拠点18にて、拠点機器群11から送
信された振動データを通信ネットワーク13を介して受
信している。
【0038】上記構成とすると、工場等の回転機械に設
置された拠点機器群11からの振動データを、通信ネッ
トワーク13を介して遠隔地の管理拠点18の情報処理
機器12−1〜Yにて監視することができる。また、上
記拠点機器群11が各工場毎に分散していても、通信ネ
ットワーク13を介することで、1ヶ所に設置された情
報処理機器12−1〜Yにて一元的に監視することが可
能となる。さらには、別々の会社に設置された拠点機器
群11−1〜Xからの振動データを、通信ネットワーク
13を介して遠隔地の管理会社内の管理拠点18の情報
処理機器12−1〜Yにて監視する形態にも応用でき
る。
【0039】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
によれば、無次元化速度をパラメータとして上記診断範
囲毎に診断を行っているので、起こり得ない運転速度下
で異常原因を誤診断してしまうといったことを未然に防
ぐことができ、的確な診断が可能となる。
【0040】また、上記異常原因を上記選定された周波
数特性が近似しているもの同士を予めグループ化してい
ることにより、計測された振動データがあるグループの
周波数特性に適合した場合には、該グループ内の各異常
原因を同時に診断結果として提示すれば、その後に精密
診断を行うことにより真の異常原因に特定できる可能性
を残すことができる。
【0041】回転機械に設置された振動検出センサーか
らの検出信号を上記演算処理器にて振動データに変換処
理して情報処理機器に該振動データを送信することで、
該情報処理機器上にて上記異常原因の診断を行うことが
できる。また、上記情報処理機器を通信ネットワークを
介して接続することによって、遠隔地からでも監視が行
えると共に、上記振動検出センサー及び演算処理器が分
散している場合でも一元的に監視することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係る回転機械の異常
診断システムの概略図である。
【図2】 回転機械の概略図である。
【図3】 ソフトウェアの概略図である。
【図4】 異常原因の振動発生範囲、周波数成分及びグ
ループ化を示すマトリクスである。
【図5】 異常診断の基本的な流れ図である。
【図6】 fn/fc<0.4、0.6<fn/fc≦
0.88の診断範囲での診断フローを示す図面である。
【図7】 第2実施形態に係る回転機械の異常診断シス
テムの概略図である。
【図8】 従来の診断方法を示す図面である。
【符号の説明】
10 回転機械の異常診断システム 11 拠点機器群 12 情報処理機器 13 通信ネットワーク 14 回転機械 18 管理拠点 20 回転軸 21、22 ディスク 23 モーター 24、25 軸受部 G1〜8 グループ fn 回転数成分 fc 固有振動数成分 fn/fc 無次元速度 An 回転数成分の振幅値 A” 特徴的な周波数成分の振幅値
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坊田 信吾 広島県東広島市吉川工業団地4−22 新川 センサテクノロジ株式会社広島工場内 Fターム(参考) 2G024 AD01 AD22 BA11 BA15 BA27 CA13 CA27 DA09 EA20 FA02 FA06 2G064 AA17 AB01 AB11 AB22 BA02 BD08 CC13 CC41 CC61

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転機械の運転時に発生する振動より回
    転機械の異常原因を診断するシステムにおいて、 上記回転機械の回転速度を危険速度で無次元化した無次
    元速度を、複数の診断範囲に分割し、上記回転機械に発
    生する種々の異常原因を、各異常原因が表れる無次元速
    度に応じて上記診断範囲に分類し、 上記各診断範囲に、上記異常原因に応じて発生する周波
    数特性を予め選定し、上記回転機械の運動時に計測され
    た振動データと上記選定された周波数特性とを比較し
    て、上記回転機械に生じた異常原因を診断することを特
    徴とする回転機械の異常診断システム。
  2. 【請求項2】 上記無次元速度で分割した診断範囲の数
    は、1次〜3次危険速度毎に4以上6以下としている請
    求項1に記載の回転機械の異常診断システム。
  3. 【請求項3】 上記異常原因に応じて選定する周波数特
    性は、周波数分析結果から抽出される回転機械の回転数
    成分(fn)と、特徴的な周波数成分(高周波、低周
    波、2fn、fn/2、回転体と軸受によって決まる危
    険速度fc等)からなる請求項1または請求項2に記載
    の回転機械の異常診断システム。
  4. 【請求項4】 上記周波数特性が近似した異常原因を予
    めグループ化し、上記選定された周波数特性と実測され
    た周波数特性とを比較して、適合している場合は、上記
    選定された周波数特性に対応するグループ内の異常原因
    による異常と見なし、その後、精密診断により上記グル
    ープ内の特定異常原因に絞り込む構成としている請求項
    1乃至請求項3のいずれか1項に記載の回転機械の異常
    診断システム。
  5. 【請求項5】 振動検出センサーと、該振動検出センサ
    ーで得られた検出信号を振動データへと変換する演算処
    理器と、該振動データより異常を診断するソフトウェア
    とを備え、 上記ソフトウェアは、上記診断範囲を分類する分類部
    と、各診断範囲毎に診断する診断部と、上記周波数特性
    が近似した異常原因を集めたグループ部とを備えている
    請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の回転機械
    の異常診断システム。
  6. 【請求項6】 上記振動検出センサーからの検出信号を
    演算処理器にて振動データへと変換処理し、その振動デ
    ータを直接あるいは通信ネットワークを介して上記ソフ
    トウェアを備えた情報処理機器に送信して診断する請求
    項5に記載の回転機械の異常診断システム。
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