JP2003166142A - 合成繊維の製造装置および方法 - Google Patents

合成繊維の製造装置および方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 合成繊維の製造装置において、第1および/
または第2の引取ローラ部分の加熱構造を改良し、多糸
条化に伴う構造上、品質上、作業上の問題を解消する。 【解決手段】 少なくとも第1の引取ローラと第2の引
取ローラとを有し、第1の引取ローラと第2の引取ロー
ラの間で糸条を延伸する合成繊維の製造装置であって、
第1および/または第2の引取ローラに対向する位置
に、該第1および/または第2の引取ローラとは別体の
糸条加熱手段を設けたことを特徴とする合成繊維の製造
装置、および製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、合成繊維の製造装
置および方法に関し、とくに、装置構成上および糸条品
質上の問題を生じることなく糸条の多糸条化に対応でき
る合成繊維の製造装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】織物や編物に適したポリエステル繊維な
どの合成繊維を製造する方法については、たとえば、特
許文献1に開示されるような紡糸工程と延伸工程とを連
続した方式が提案されている。この方法は、たとえば図
12に示すように、加熱ローラ111とセパレートロー
ラ112とで構成される一対の第1ローラ群に複数糸条
113を数周回巻き付けて延伸に必要な温度にまで加熱
した後に、より高速で回転する加熱ローラ114とセパ
レートローラ115とで構成される別の一対の第2ロー
ラ群に数周回巻き付け両ローラ群の間で延伸した後、熱
処理するといういわゆる、ネルソンローラを用いた加熱
方式であり、延伸斑や染め斑などの品質欠点の少ない繊
維を得ることができるため工業的に実用化されている。
【0003】しかしながら、この方法では複数糸条を同
時に数周回にわたって一対の加熱ローラとセパレートロ
ーラとに巻き付ける作業、すなわち糸掛け作業時間が長
くなり、また、多糸条化した場合、各ローラ上に存在す
る糸条数が多くなるためローラを軸方向に長くしなけれ
ばならず装置全体が大型化してしまうという問題があ
る。
【0004】このような問題に対し、先に本出願人によ
り、図13に示すような装置が提案されている(特許文
献2参照)。この提案装置では、ネルソンローラ方式を
採用せずに、第1引取ローラ121の上流側に赤外線加
熱手段122を設けて糸条123の急速加熱あるいはロ
ーラ121による加熱を補強可能としており、さらに、
第2引取ローラ124の下流側に、熱固定のための加熱
手段125を設ける構造としている。
【0005】ところが、この先に提案した装置において
も、未だ以下のような問題が残されている。すなわち、
図14に示すように、第1引取ローラ121の上流側の
位置で糸条123が加熱されると、前延伸がP1におい
て生じやすく糸むらが発生しやすくなって、品質が安定
しなくなる。また、第1引取ローラ121の直下流の位
置で糸条123が加熱されると、延伸点P2の位置が変
動し、やはり糸むらが生じやすくなって品質が安定しな
い。さらに、装置スペースが限られる場合においては、
第2引取ローラ124の下流側についても、図15に示
すように加熱手段125を設けずに単にガイド126を
介して巻取装置127(ワインダ)に装着された各ボビ
ン128に各糸条123を振り分ける場合に比べ、図1
6に示すように加熱手段125を設けた場合には、その
分、ガイド126から各ボビン128に振り分けるため
のスペースが小さくなり、糸条123の走行路が急に折
り曲げられることになる。このような状態では、糸切れ
が生じやすくなるとともに糸が擦過されやすくなってそ
の表面品位の維持が難しい。
【0006】
【特許文献1】特開昭54−18918号公報(特許請
求の範囲)
【特許文献2】特開2000−290823号公報(図
13〜図16)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上述
のような従来技術の限界に鑑み、第1および/または第
2引取ローラ部分における加熱方法に着目して、装置構
成上の問題を生じることなく、つまり、多糸条化による
第1および/または第2引取ローラの長尺化を生じさせ
ることなく、かつ、糸条品質上の問題を生じることな
く、つまり、従来の内部ヒータ加熱と同等の均一加熱性
能を発揮可能で糸むらの発生を抑制可能な、しかも、設
備の簡略化が可能で安価に実施可能な、合成繊維の製造
装置および方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係る合成繊維の製造装置は、少なくとも第
1の引取ローラと第2の引取ローラとを有し、第1の引
取ローラと第2の引取ローラの間で糸条を延伸する合成
繊維の製造装置であって、第1および/または第2の引
取ローラに対向する位置に、該第1および/または第2
の引取ローラとは別体の糸条加熱手段を設けたことを特
徴とするものからなる。
【0009】この装置において、上記第1および/また
は第2の引取ローラに対向する位置に設けられる糸条加
熱手段としては、第1および/または第2の引取ローラ
上で糸条を直接加熱するヒータから構成することができ
る。また、第1および/または第2の引取ローラに対向
する位置に設けられる糸条加熱手段として、加熱流体
(たとえば、スチーム)を用いて第1および/または第
2の引取ローラ上で糸条を直接加熱する手段から構成す
ることもできる。とくにスチーム加熱は、効率のよい加
熱を安価に達成可能である。
【0010】上記の加熱流体を用いて第1および/また
は第2の引取ローラ上で糸条を直接加熱する手段におい
ては、第1および/または第2の引取ローラを取り囲む
ボックスを設け、加熱流体をボックス内に供給するノズ
ルを1〜100個配設し、該ボックス外へ加熱液体を排
出する排出孔を設けられている構成とすることもでき
る。ノズルを1〜100個配設する場合においては、加
熱流体をボックス内に、それぞれのノズル配設箇所から
供給することで、ボックス内の加熱流体の圧力分布状態
を均一化することができ、糸条の均一加熱をすることが
できる。
【0011】上記の加熱流体を用いて第1および/また
は第2の引取ローラ上で糸条を直接加熱する手段におい
ては、ボックスに糸条が通過するための開口部が1ヶ所
以上配設され、開口部からローラ表面へ引いた接線にお
いて、開口部からロール接点までの距離が、0.5〜5
0mmである構成とすることもできる。このように構成
すれば、第1の引取ローラ上流側の糸条の前延伸を抑制
でき、また、第1の引取ローラ下流側での延伸点の位置
の変動を少なくすることができる。
【0012】上記の加熱流体を用いて第1および/また
は第2の引取ローラ上で糸条を直接加熱する手段におい
ては、貫通する引取ローラの回転軸とボックスとの隙間
を0.1〜5mmとすることが好ましく、または/およ
び、上記開口部のそれぞれの開口面積が1〜750mm
2である構成とすることが好ましい。このように構成す
れば、ボックス内に供給されている加熱流体のボックス
外側への漏れを少なくすることができ、ボックス内の加
熱流体の圧力を安定させることができる。このことによ
り、糸条の均一加熱をすることができる。
【0013】本発明に係る装置では、上記第1および/
または第2の引取ローラのローラ径を10〜500mm
で構成することもできる。このように構成すれば、引取
ローラ上の糸を十分に加熱することができる。
【0014】また、本発明に係る装置では、上記第1お
よび/または第2の引取ローラを加熱可能なローラとし
て構成することができる。
【0015】また、第2の引取ローラの下流側に、糸条
走行用に2つ以上のローラが設けられている構成とする
こともできる。このように構成すれば、第2の引取ロー
ラにネルソン方式のローラを使用しない場合にあって
も、下流の巻取装置からの張力の伝播を適切に遮断する
ことが可能となる。同様に、第1の引取ローラの上流側
に、2つ以上のローラを設ければ、たとえば上流側の糸
条冷却風等に起因する糸揺れ等の振動が第1の引取ロー
ラに伝わることを防ぐことができる。
【0016】本発明の装置構造は、第1の引き取りロー
ラの速度が1000m/分以上4000m/分未満、第
2の引取ローラの速度として5000m/分以上の製造
装置に用いることができる。
【0017】本発明に係る合成繊維の製造方法は、上記
のような装置を用いて合成繊維を製造することを特徴と
する方法からなる。
【0018】また、本発明方法は、単なる巻き返し等に
も適用可能であるが、とくに、口金から吐出された溶融
ポリマを冷却固化して糸条とし、第1の引取ローラと第
2の引取ローラの間で糸条を延伸し、延伸された糸条を
巻取装置で巻き取る、いわゆる直接紡糸延伸に適用して
とくに優れた効果が得られるものである。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の望ましい実施の
形態について、図面を参照して説明する。図1は、本発
明の第1実施態様に係る合成繊維の製造装置を示してお
り、本発明を直接紡糸延伸装置に適用した場合を示して
いる。図1において、口金1から吐出された溶融ポリマ
の状態にある糸条2は、冷却手段3(たとえば、冷却空
気吹き付けによる冷却手段)によって冷却固化され、本
実施態様では油剤付与手段4を経た後、第1の引取ロー
ラ5へ送られる。第1の引取ローラ5は、本実施態様で
は、片掛けローラ(つまり、ネルソン方式ではないロー
ラ)に構成されており、この第1の引取ローラ5に対し
て、そのローラ上で糸条2を直接的に非接触かつ急速加
熱する糸条加熱手段としてのヒータ6が配置されてい
る。このヒータ6は、第1の引取ローラ5とは完全に別
体に構成されている。
【0020】第1の引取ローラ5の下流側に、第2の引
取ローラ7が設けられており、低速側の第1の引取ロー
ラ5と高速側の第2の引取ローラ7との間に所定の速度
差をもたせることにより、糸条2が両ローラ間で所定の
倍率にて延伸される。この第2の引取ローラ7も、片掛
けローラに構成されている。第2の引取ローラ7に対向
する位置には、そのローラ7上を案内される糸条2を直
接的に非接触にて急速加熱可能な糸条加熱手段としての
ヒータ8が配置されている。このヒータ8は、第2の引
取ローラ7とは完全に別体に構成されている。
【0021】第2の引取ローラ7を通過した糸条2は、
本実施態様では、ガイド9を経た後、ローラベール10
を介して、巻取装置11のスピンドル12に装着された
ボビン13上に巻き取られる。ボビン13が満巻になる
と、ターレットにより巻取位置に移動されてきた空のボ
ビンに巻き替えられる(図示略)。
【0022】上記第1実施態様に係る合成繊維の製造装
置においては、第1および/または第2の引取ローラの
位置において、糸条2は、第1および/または第2の引
取ローラとは別体のヒータによって急速加熱されるの
で、第1および第2の引取ローラには内部ヒータが不要
になり、安価な設備で構成できる。つまり、著しく複雑
な構造を採用したり、著しく高価な装置構成を採用した
りする必要はなく、簡単な装置構成でありながら、急速
加熱により、均一加熱性能を得ることが可能になる。
【0023】また、図2に示す第2実施態様では、上記
第1実施態様におけるヒータ6、8の代わりに、第1お
よび/または第2の引取ローラ21、22の全体を囲う
ように、ボックス型の糸条加熱手段23、24が設けら
れている。このように構成すれば、周回される糸条2が
糸条加熱手段23、24により加熱される。
【0024】図3は、本発明の第3実施態様に係る合成
繊維の製造装置の第1および/または第2の引取ローラ
部分を示している。本発明においては、第1および/ま
たは第2の引取ローラとは別構成の糸条加熱手段とし
て、加熱流体を用いた手段を採用でき、とくに加熱効
率、コストの面から、加熱流体としてスチームを使用す
ることが好ましい。図3に示す態様では、第1および/
または第2の引取ローラ31に対向させてスチーム加熱
装置32が設けられている。スチーム加熱装置32は、
スチームの導入口33と、導入されたスチームのチャン
バ34と、チャンバ34のローラ対向面に穿設された多
数の穴またはスリット35と、穴またはスリット35か
らローラ31上の糸条2に向けて噴射されたスチームが
洩れないように回収する吸引口36を有している。
【0025】スチーム加熱装置32からのスチームは、
第1および/または第2の引取ローラ31上で糸条2を
直接流体接触加熱するので、糸条2を効率よく急速加熱
できる。また、スチームは他の熱媒体に比べ安価に供給
可能であるので、ランニングコストを低く抑えることが
できる。
【0026】図4は、本発明の第4実施態様に係る合成
繊維の製造装置の第1および/または第2の引取ローラ
部分を示している。本実施態様においては、第1および
/または第2の引取ローラ41部分がスチームボックス
42で囲まれており、導入口43から導入され導出口4
4から排出されるスチームがボックス42内に充満して
いる間に、非接触にて糸条2が加熱されるようになって
いる。
【0027】図5および図6は、本発明の第5実施態様
に係る合成繊維の製造装置の第1および/または第2の
引取ローラ部分を示している。本実施態様においても、
スチームを加熱流体として直接流体接触加熱を行うが、
スチームは第1および/または第2の引取ローラ51内
に配置された導入側チャンバ52内に導入され、第1お
よび/または第2の引取ローラ51の外周壁に開設され
た多数の穴またはスリット53を通して噴出されること
により、第1および/または第2の引取ローラ51上の
糸条2を直接流体接触加熱できるようになっている。加
熱に使用された後のスチームは、ローラ外周側に配置さ
れたチャンバ54内に集められ、導出口55から排出さ
れる。このような構成においても、糸条2は効率よく急
速加熱される。また、この構成においてスチームの出入
口を内外逆に配備しても同様の効果が得られる。
【0028】図7および図8は、本発明の第6実施態様
に係る合成繊維の製造装置の第1および/または第2の
引取ローラ部分を示している。本実施態様においては、
第1および/または第2の引取ローラ61がボックス6
2で囲まれており、スチームはボックス62の外側に配
置された導入チャンバ63内に導入され、ボックス62
に1〜100個配設されたノズル64を通して噴出され
ることにより、ボックス62内に充満される。スチーム
がボックス62内に充満している間に、第1および/ま
たは第2の引取ローラ61上の糸条2を直接流体接触加
熱できるようになっている。また、ボックス内で発生し
た液体、たとえば、加熱流体がボックス内で凝縮した液
体は、ボックス内に配設された排出孔65からボックス
外へ排出される。
【0029】図7および図8に示す本発明の第6実施態
様においては、ボックス62に糸条2が通過するための
開口部66が1ヶ所以上配設され、開口部66からロー
ラ61表面へ引いた接線において、開口部66からロー
ラ接点までの距離67が、0.5〜50mmである構成
としている。
【0030】図7および図8に示す本発明の第6実施態
様おいては、貫通する引取ローラの回転軸68とボック
ス61との隙間69が0.1〜5mmであり、上記開口
部のそれぞれの開口面積が1〜750mm2である構成
としている。
【0031】図7および図8に示す本発明の第6実施態
様においては、ローラ61の直径が10〜500mmの
ローラで構成することもできる。
【0032】本発明における上記第1〜第6実施態様で
は、ネルソン方式のローラを採用していないことから、
複数糸条を同時に数周回にわたって一対の加熱ローラと
セパレートローラとに巻き付ける作業がなくなり、糸か
け作業時間が短くなる。また、多糸条化した場合でも、
第1および/または第2ローラに片掛けすることにより
各ローラ上に存在する糸条数が少なくなるためローラを
軸方向に短くすることが可能となり装置全体を小型化す
ることができ、装置全体の構成を簡略化でき、安価に構
成できる。
【0033】しかし、本発明の第1〜第6実施態様で
は、第1および/または第2の引取ローラをネルソン方
式に構成してもよい。たとえば図9に第7実施態様を示
すように、第1の引取ローラ81がセパレートローラ8
2を伴ったネルソン方式の引取ローラに構成され、第2
の引取ローラ83がセパレートローラ84を伴ったネル
ソン方式の引取ローラに構成され、それぞれ、引取ロー
ラ81、83とセパレートローラ82、84との間に糸
条2が数周回巻き付けられる。この第1の引取ローラ8
1の位置に、該第1の引取ローラ81に対向させて引取
ローラ81とは別体の糸条加熱手段としてのヒータ85
が設けられている。また、この第2の引取ローラ83の
位置に、該第2の引取ローラ83に対向させて引取ロー
ラ83とは別体の糸条加熱手段としてのヒータ86が設
けられている。このように、ネルソンローラ方式の第1
および/または第2の引取ローラに対しても、その外部
から急速加熱を行うことができる。ネルソン方式を用い
た場合でも、糸条2は第1および/または第2の引取ロ
ーラとは別体のヒータによって急速加熱されるので、従
来のネルソン方式の場合よりも糸条2を引取ローラとセ
パレートローラに巻き付ける回数を減らすことができ、
多糸条化した場合にあっても、第1および/または第2
の引取ローラのロール長を短くすることができ、装置全
体の小型化が可能になる。さらに引取ローラとセパレー
トローラに巻き付ける回数が減るため、糸かけ性も容易
になり、作業性も向上される。
【0034】本発明における上記第1〜第7実施態様で
は、第2の引取ローラと巻取装置との間に、糸条走行用
の2つ以上のローラを設けることにより、巻取張力の伝
播を遮断して、第2の引取ローラでの急速加熱およびそ
の後の糸条走行の安定化をはかることができる。たとえ
ば図10に第8実施態様を示すように、前述の第1実施
態様と同等の構成を有する合成繊維の製造装置におい
て、第2の引取ローラ7と巻取装置11との間に、2つ
のガイドローラ91、92が介在されており、巻取装置
11による張力が第2の引取ローラ7まで及ぶことが適
切に遮断される。これによって、第2の引取ローラ7上
では、安定した状態の糸条2に対してヒータ8によって
急速加熱され、加熱後の糸条2は、冷却されながら安定
した状態で走行される。
【0035】本発明における上記第1〜第8実施態様で
は、図11に第9実施態様を示すように、前述の第1実
施態様と同等の構成を有する合成繊維の製造装置におい
て、第1の引取ローラ5の上流側にプリローラ102、
103を設けることにより、冷却装置3の風などに起因
する糸揺れ等の振動の影響を第1の引取ローラ5および
ヒータ6に与えるのを防ぐことができ、糸条2を安定加
熱できる。プリローラ102、103は、その周速を第
1の引取ローラ5に合わせるように駆動するのが好まし
いが、従動ローラでもよい。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の合成繊維
の製造装置および方法によれば、第1および/または第
2の引取ローラに対向する位置で、第1および/または
第2の引取ローラとは別体の糸条加熱手段により糸条を
急速加熱できるので、望ましい均一加熱を達成できるよ
うになる。また、第1および/または第2の引取ローラ
として、ネルソン方式だけではなく片掛けタイプの引取
ローラに構成することが可能で、設備の簡略化、コスト
ダウンが可能になる。その結果、多糸条化した際の生産
性と品質の向上をはかることができるとともに、作業性
の改善、設備の簡略化、コストダウンをはかることもで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施態様に係る合成繊維の製造装
置の概略構成図である。
【図2】本発明の第2実施態様に係る合成繊維の製造装
置の第1および/または第2の引取ローラ部分の概略構
成図である。
【図3】本発明の第3実施態様に係る合成繊維の製造装
置の第1および/または第2の引取ローラ部分の概略構
成図である。
【図4】本発明の第4実施態様に係る合成繊維の製造装
置の第1および/または第2の引取ローラ部分の概略構
成図である。
【図5】本発明の第5実施態様に係る合成繊維の製造装
置の第1および/または第2の引取ローラ部分の概略構
成図である。
【図6】図5の装置のVI−VI線に沿う縦断面図であ
る。
【図7】本発明の第6実施態様に係る合成繊維の製造装
置の第1および/または第2の引取ローラ部分の概略構
成図である。
【図8】図7の装置のVIII−VIII線に沿う縦断
面図である。
【図9】本発明の第7実施態様に係る合成繊維の製造装
置の第1および/または第2の引取ローラ部分の概略構
成図である。
【図10】本発明の第8実施態様に係る合成繊維の製造
装置の概略構成図である。
【図11】本発明の第9実施態様に係る合成繊維の製造
装置の部分概略構成図である。
【図12】従来の合成繊維の製造装置の概略構成図であ
る。
【図13】先行技術による合成繊維の製造装置の概略構
成図である。
【図14】図13の装置の問題点を示す第1の引取ロー
ラ部分の概略構成図である。
【図15】第2の引取ローラから巻取装置までの概略構
成図である。
【図16】図13の装置の問題点を示す、第2の引取ロ
ーラから巻取装置までの概略構成図である。
【符号の説明】
1 口金 2、113、123 糸条 3 冷却手段 4 油剤付与手段 5、21、81、111、121 第1の引取ローラ 6、85 糸条加熱手段としてのヒータ 7、22、83、114、124 第2の引取ローラ 8、86 糸条加熱手段としてのヒータ 9、126 ガイド 10 ローラベール 11、127 巻取装置 12 スピンドル 13、128 ボビン 23、24 ボックス型の糸条加熱手段 31、41、51、61 第1および/または第2引取
ローラ 32 糸条加熱手段としてのスチーム加熱装置 33 導入口 34 チャンバ 35 穴またはスリット 36 吸引口 42 スチームボックス 43 導入口 44 導出口 52 導入側チャンバ 53 穴またはスリット 54 チャンバ 55 導出口 62 ボックス 63 チャンバ 64 ノズル 65 開口部 66 開口部からローラ接点までの距離 67 回転軸 68 回転軸とボックスの隙間 82、84、112、115 セパレートローラ 91、92 ガイドローラ 102、103 プリローラ 122 赤外線加熱手段 125 熱固定のための加熱手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4L036 AA01 MA04 MA33 PA12 PA17 PA49 UA21 4L045 AA05 BA03 DA14 DA15 DB07

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも第1の引取ローラと第2の引
    取ローラとを有し、第1の引取ローラと第2の引取ロー
    ラの間で糸条を延伸する合成繊維の製造装置であって、
    第1および/または第2の引取ローラに対向する位置
    に、第1および/または第2の引取ローラとは別体の糸
    条加熱手段を設けたことを特徴とする合成繊維の製造装
    置。
  2. 【請求項2】 前記第1および/または第2の引取ロー
    ラに対向する位置に設けられた糸条加熱手段が、第1お
    よび/または第2の引取ローラ上で糸条を直接加熱する
    ヒータからなる、請求項1の合成繊維の製造装置。
  3. 【請求項3】 前記第1および/または第2の引取ロー
    ラに対向する位置に設けられた糸条加熱手段が、加熱流
    体を用いて第1および/または第2の引取ローラ上で糸
    条を直接加熱する手段からなる、請求項1の合成繊維の
    製造装置。
  4. 【請求項4】 前記第1および/または第2の引取ロー
    ラを取り囲むボックスを設け、該ボックス内に加熱流体
    を供給するノズルを1〜100個配設し、該ボックス外
    へ加熱液体を排出する排出孔を配設したことを特徴とす
    る、請求項3の合成繊維の製造装置。
  5. 【請求項5】 前記ボックスに糸条が通過するための開
    口部を1ヶ所以上配設し、開口部からロール表面へ引い
    た接線において、開口部からロール接点までの距離を
    0.5〜50mmとすることを特徴とする、請求項4の
    合成繊維の製造装置。
  6. 【請求項6】 前記開口部のそれぞれの開口面積を1〜
    750mm2とすることを特徴とする、請求項5の合成
    繊維の製造装置。
  7. 【請求項7】 前記ボックスを貫通する引取ローラの回
    転軸とボックスとの隙間を0.1〜5mmとすることを
    特徴とする、請求項4〜6のいずれかに記載の合成繊維
    の製造装置。
  8. 【請求項8】 引取ローラの直径を10〜500mmと
    することを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載
    の合成繊維の製造装置。
  9. 【請求項9】 前記第1および/または第2の引取ロー
    ラが加熱可能なローラとして構成されていることを特徴
    とする、請求項1〜8のいずれかに記載の合成繊維の製
    造装置。
  10. 【請求項10】 第1の引取ローラの上流側および/ま
    たは第2の引取ローラの下流側に、糸条走行用の2つ以
    上のローラが設けられていることを特徴とする、請求項
    1〜9のいずれかに記載の合成繊維の製造装置。
  11. 【請求項11】 第1の引取ローラの速度を1000m
    /分以上4000m/分未満、第2の引取ローラの速度
    を5000m/分以上とすることを特徴とする、請求項
    1〜10のいずれかに記載の合成繊維の製造装置。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のいずれかに記載の装
    置を用いて合成繊維を製造することを特徴とする合成繊
    維の製造方法。
  13. 【請求項13】 口金から吐出された溶融ポリマを冷却
    固化して糸条とし、第1の引取ローラと第2の引取ロー
    ラの間で糸条を延伸し、延伸された糸条を巻取装置で巻
    き取ることを特徴とする、請求項12の合成繊維の製造
    方法。
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