JP2003165716A - 結晶製造装置及び結晶製造方法 - Google Patents
結晶製造装置及び結晶製造方法Info
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Abstract
かに取り出す。 【解決手段】 チャンバー2内に、シリコン融液3を収
容する鋳型4と、鋳型4が載置されてシリコン融液3を
冷却する際にその冷却を媒介する高熱伝導性の冷却板5
と、鋳型4および冷却板5を包囲する断熱材で形成され
た包囲部6とを設ける。さらに、包囲部6によって囲ま
れる空間内の雰囲気を取り出して冷却して冷却板5に向
けて供給する冷却装置11と、シリコン融液3の温度を
検出する温度測定装置12と、温度測定装置12の測定
値に基づいて冷却装置11を含む結晶製造装置1を構成
する各部の動作を制御する制御装置13とを設ける。
Description
を冷却して一方向に徐々に凝固する結晶製造装置に関す
る。
く製造されている太陽電池である。多結晶シリコン太陽
電池の発電素子(ソーラー・セル)では、多結晶シリコ
ンの品質がその性能を大きく左右する。そのため、多結
晶シリコンの製造には、これまで様々な改良がなされて
きたが、今日、多結晶シリコンの製造における最大の課
題は、結晶中の不純物元素の低減及び結晶性の向上であ
る。
て、金属シリコンから高純度シリコンを製造するプロセ
スとその高純度シリコンの融液を一方向凝固法により固
化するプロセスの2段階に分けられるが、従来、不純物
元素を低減するために、前者のプロセスにおいて、金属
シリコンを塩酸と反応させてトリクロロ・シランとして
ガス化し、そのガスを精留し、水素ガスと反応させなが
ら、ガスから析出させた高純度シリコンを製造してい
る。そして、この高純度シリコンを鋳型内で溶融させて
シリコン融液とし、このシリコン融液を一方向凝固法に
よって冷却、固化させてシリコンのインゴットを得る。
ここで、一方向凝固の際におけるシリコン融液の冷却
は、自然放熱によって行っている。また、不純物元素を
低減するために、一方向凝固時に、シリコン融液を攪拌
しながら行うことも有効である。
シリコン融液の凝固温度は1412°Cであり、シリコ
ン融液の凝固が完了した時点では、シリコン融液から得
られたインゴットはまだかなりの高温である。このた
め、シリコン融液を凝固させてインゴットとしたのち
も、インゴットがさらに冷却されて結晶製造装置から取
り出すことができる温度(例えば100°C程度)にな
るまで待つ必要があった。結晶製造装置内には、ヒータ
ーによって高純度シリコンを加熱してシリコン融液にす
る際に加熱が効果的に行われるよう、シリコン融液が収
容される鋳型を囲むようにして断熱材が設けられている
ので、インゴットの熱が外部に放出されにくい。またイ
ンゴットの温度が800°C以下に低下すると、放射に
よる放熱の効率が著しく低下するので、インゴットが自
然放熱によって十分に冷却されるまでにはかなりの時間
がかかっていた。このことは、シリコンだけでなく、他
の原料を一方向凝固させる際にも同様である。
もので、一方向凝固法により融液を凝固させて得られる
インゴットを速やかに取り出すことができる結晶製造装
置及び結晶製造方法を提供することを目的とする。
の本発明は、以下の構成を採用した。本発明にかかる結
晶製造装置は、チャンバー内の断熱材によって囲まれる
空間内に鋳型が設置され、該鋳型の下部には冷却板が設
けられ、前記鋳型内に収容した融液に該鋳型の内側底面
から上方に正の温度勾配を付与して、前記鋳型の内側底
面から上方に前記融液を結晶化する結晶製造装置におい
て、前記断熱材によって囲まれる空間内の雰囲気を取り
出して冷却して前記冷却板に向けて供給する冷却装置が
設けられていることを特徴としている。
ては、鋳型内の融液の熱は、自身の放射によって放熱さ
れるとともに、鋳型の下方に設けられる冷却板に伝えら
れて、冷却板からの放射によっても周囲に放出される。
そして、融液が凝固してインゴットとなったのちは、チ
ャンバー内に設けられる断熱材によって囲まれる空間内
の雰囲気が取り出されて、冷却装置によって冷やされて
から冷却板に向けて供給される。冷却板は、放射による
放熱に加えて、この冷却された雰囲気と接触することに
よっても冷却されることとなり、冷却板を介して鋳型内
のインゴットの熱が効率よく奪われることとなる。ここ
で、インゴットの温度が約800°C以下となると、放
射による放熱に比べて伝導による放熱の効率が著しく高
くなるので、特にインゴットの温度がこの温度以下とな
ったのちは、従来の自然放熱のみの場合に比べて、より
効果的に冷却が行われる。さらに、断熱材によって囲ま
れる空間内の雰囲気は、断熱材、インゴット及び冷却板
から熱を受けていて、この雰囲気は冷却装置によって取
り出されて、冷却された雰囲気と入れ替えられるので、
断熱材、インゴット及び冷却板の熱をより効果的に奪っ
てインゴットの冷却効率を高めることができる。
は、内部に生じる熱応力によってインゴットに割れが生
じてしまう恐れがある。そこで、上記結晶製造装置にお
いて、前記融液の温度を直接または間接的に検出する温
度測定装置と、該温度測定装置の測定値に基づいて前記
冷却装置の動作を制御する制御装置とを設けて、前記制
御装置を、前記融液が結晶化してなるインゴットの温度
が冷却の際に生じる熱応力による割れが生じない温度以
下まで低下したことを条件として、前記冷却装置を作動
させる構成としてもよい。この場合には、急冷による割
れを生じさせずにインゴットの冷却を行うことができ
る。
ー内の断熱材によって囲まれる空間内に鋳型を設置し、
該鋳型の下部に冷却板を設け、前記断熱材によって囲ま
れる空間内の雰囲気を取り出して冷却して前記冷却板に
向けて吐出する冷却装置を設け、前記鋳型内に収容した
融液を自然放熱によって冷却して前記鋳型の内側底面か
ら上方に結晶化するとともに、前記融液が結晶化してな
るインゴットの温度が冷却の際に生じる熱応力による割
れが生じない温度以下まで低下したことを条件として、
前記冷却装置を作動させて前記インゴットを冷却するこ
とを特徴としている。
液の熱は、自身の放射によって放熱されるとともに、鋳
型の下方に設けられる冷却板に伝えられて、冷却板から
の放射によって周囲に放出される。そして、融液が凝固
してインゴットとなり、さらにその温度が冷却の際に生
じる熱応力による割れが生じない温度以下まで低下した
ことを条件として、冷却装置が作動させられる。冷却装
置は、チャンバー内に設けられる断熱材によって囲まれ
る空間内の雰囲気を取り出して冷却したのちに冷却板に
向けて供給するので、冷却板は、放射による放熱に加え
て、この冷却された雰囲気と接触することによっても冷
却される。これによって冷却板を介して鋳型内のインゴ
ットの熱が効率よく奪われることとなり、インゴットに
熱応力による割れを生じさせずにインゴットを急冷する
ことができる。
置の一実施形態について、図を参照して説明する。ここ
で、図1は、本実施形態にかかる結晶製造装置の構成を
示す縦断面図、図2は図1に示す結晶製造装置の動作の
流れを示すフローチャートである。本実施形態にかかる
結晶製造装置1は、シリコン融液の一方向凝固に用いら
れるものであって、チャンバー2内にシリコン融液3を
収容する鋳型4と、鋳型4が載置されるとともに前記シ
リコン融液3を冷却する際に鋳型4の底部とともにその
冷却を媒介する高熱伝導性の冷却板5と、鋳型4および
冷却板5を包囲する複数の断熱材で形成された包囲部6
とを有している。ここで、図1では、鋳型4として大型
の鋳型を一台設けた例を示しているが、これに限らず、
小型の鋳型を複数台設けてもよい。冷却板5は、万が一
鋳型4から溶湯が漏れたときに備えてその周縁から上方
へと側壁部5aが立設された桶形状をなしている。
方に配置された上部ヒーター7aと、下方に配置された
下部ヒーター7bと、チャンバー2内に不活性ガスを流
入するためのガス流入口8a,8bと、複数の断熱材の
一部である可動断熱材6aを移動する断熱材移動装置
(図示せず)と、可動断熱材6aが移動して形成される
開口9の真下に冷却フィン10と、チャンバー2の壁部
2aに二重構造をなして冷却水が循環する冷却ジャケッ
ト部2bとを備えている。ガス流入口8aは、チャンバ
ー2の上部からチャンバー2内に略垂直に差し込まれる
ガス供給管によって構成されており、その先端は、鋳型
4内のシリコン融液3の表面に対向させて設けられてい
るとともに、上下に移動可能とされている。
の雰囲気を排気する排気装置Vと、包囲部6によって囲
まれる空間内の雰囲気を取り出して冷却して冷却板5に
向けて供給する冷却装置11と、シリコン融液3の温度
を直接または間接的に検出する温度測定装置12と、温
度測定装置12の測定値に基づいて冷却装置11を含む
結晶製造装置1を構成する各部の動作を制御する制御装
置13とが設けられている。
置換等に用いられるものであって、例えば真空ポンプ等
が用いられる。排気装置Vは、包囲部6内からチャンバ
ー2外まで設けられる管路P1を介して包囲部6内の空
間と接続されており、この管路P1には、制御装置13
によって開閉を制御されるダンパーD1が設けられてい
る。
ー2外を経由してチャンバー2内の包囲部6の下方まで
設けられる管路P2と、この管路P2を介して包囲部6
内の空間と接続される吸気ポンプ11aと、管路P2上
の吸気ポンプ11aの後段に設けられて管路P2内を流
通する気体を冷却する熱交換器11bとを有している。
また、この管路P2において、吸気ポンプ11aとチャ
ンバー2との間にはダンパーD2が設けられ、熱交換器
11bとチャンバー2との間にはダンパーD3が設けら
れている。これらダンパーD2、D3は、制御装置13
によってその開閉を制御されるものである。
3の温度を非接触で検出する構成のほか、シリコン融液
3の周囲の雰囲気温度や鋳型4の温度を測定することで
間接的にシリコン融液3の温度を検出する構成とするこ
とができる。
シリコンを製造する過程について図2のフローチャート
を用いて説明する。ここで、本実施の形態では、以下に
述べる結晶製造装置1の各部の動作は、制御装置13に
よって制御されている。まず、鋳型4内に原料シリコン
を収容してチャンバー2の包囲部6内に搬入する(ステ
ップS1)。次に、チャンバー2を閉じて、ダンパーD
1を開放して、排気装置Vによってチャンバー2内を真
空引きする(ステップS2)。このとき、包囲部6内の
雰囲気を排気することで包囲部6の内外で差圧が生じる
とこの差圧によって包囲部6が破損する恐れがあるの
で、ダンパーD2、D3も開放して管路P2を開放し、
包囲部6の内部と外部との間での雰囲気の流通を許容す
る。
置Vによる排気を停止させた状態で、雰囲気ガスとして
不活性ガス、通常アルゴンガスをチャンバー2上部のガ
ス流入口8a,8bからチャンバー2内に流入させて、
チャンバー2内の雰囲気を不活性ガスに置換する(ステ
ップS3)。そして、チャンバー2内に不活性ガスを流
入させることで包囲部6の内圧が大気圧近傍(本実施の
形態では90kPa)となった時点で、鋳型4内の原料
シリコンを上部ヒーター7a、下部ヒーター7bにより
加熱溶融してシリコン融液3とする(ステップS4)。
このとき、チャンバー2の冷却ジャケット2b内への冷
却水の循環を行うとともに、ダンパーD1を開いて排気
装置Vによって緩やかに包囲部6内の雰囲気の排気を行
う。このときの雰囲気の流れを、図1に二点鎖線の矢印
で示す。ここで、鋳型4および上部ヒーター7a、下部
ヒーター7bを囲む断熱材料からなる包囲部6を備えら
れているので、両ヒーターによる加熱を効率的に行える
とともに、高温の両ヒーターおよび鋳型4からチャンバ
ー2の壁部2aが守られる。
型4内に形成されるシリコン融液3の表面に向けて不活
性ガスが吹き付けられる。この不活性ガスは、シリコン
融液3の表面に吹き付けられてキャビティを形成する流
れを形成する(この不活性ガスの流れを、図1に二点鎖
線の矢印で示す)。そして、シリコン融液3の表面には
キャビティが形成されることでシリコン融液3が攪拌さ
れるとともにシリコン融液3の表面に常に新生面が形成
されることとなる。そのため、シリコン融液3内部で発
生するSiOガスの周囲雰囲気への排出が促進され、シ
リコン融液3内の不純物であるO(酸素)を効果的に除
去することができる。そして、不活性ガスは、キャビテ
ィの形成に寄与したのちは、シリコン融液3の表面に沿
って流れて速やかに鋳型4外に排出されることとなり、
不純物であるOを含むシール用ガスの鋳型2内での滞留
が防止される。さらに、この不活性ガスは、キャビティ
の形成に寄与したのちはシリコン融液3の表面を覆う流
れを形成するので、シリコン融液3へのCOガス等の不
純物ガスの周囲雰囲気からの混入を防止することができ
る。
的に行うために、ガス流入口8aの先端をシリコン融液
3内に浸漬し、シリコン融液3内で不活性ガスを吐出さ
せてもよい(この操作はバブリングと呼ばれる)。
可動断熱材6aの移動を行い、シリコン融液3の冷却が
開始される(ステップS5)。図示しない断熱材移動装
置により可動断熱材6aを平行に移動させることで、包
囲部6の一部に開口9が形成される。これにより、冷却
板5から輻射された熱が、この開口9を通じて効率的に
冷却フィンに吸収されることによって冷却板5が冷却さ
れ、シリコン融液3がその冷却板5を介して鋳型4の底
から上方へ正の温度勾配を付与され、それに沿って一方
向に凝固結晶化されていく。そして、前記のように不活
性ガスによって攪拌された状態でシリコン融液3の凝固
が進行するので、凝固完了後の結晶シリコンのインゴッ
トは、C(炭素)やO(酸素)の不純物濃度が低くな
る。さらに、このようにシリコン融液3中の不純物が少
ないので、結晶性がよい高品質の結晶シリコンを製造す
ることができる。
10を移動させ、冷却板に接近させてもよい。これによ
り、シリコン融液3の冷却速度を増加させることができ
る。また、可動断熱材6aの移動量を調整して開口9の
大きさを調節することにより、シリコン融液3の冷却速
度をコントロールすることができる。ここで、この結晶
製造装置1では、冷却フィン10は、冷却ジャケット2
bにより冷却されているチャンバー2の壁部2aに設け
たことで冷却されているが、外部から水を流して水冷す
る構成にしてもよい。また、本発明の結晶製造装置にお
いても、冷却板5に冷媒を流す構成にすることが可能な
のは言うまでもない。
って凝固させて、インゴットを得る(ステップS6)。
シリコン融液3が凝固したかどうかは、制御装置13に
よって上部ヒーター7aの出力を監視することで検出す
ることができる。シリコン融液3が凝固していない状態
では、シリコン融液3からの放射によって上部ヒーター
7aが加熱されるため、ヒーター7aの温度を維持する
ために必要な出力が少なくてすむ。そして、シリコン融
液3が凝固すると、凝固前に比べて放射によって上部ヒ
ーター7aが受ける熱量が少なくなるため、温度を維持
するためにヒーター7aの出力が増加することとなる。
すなわち、シリコン融液3が凝固することで上部ヒータ
ー7aの出力が増加するので、これを検知することでシ
リコン融液3の凝固を検出することができる。
ゴットの温度は約1400°C程度と高温であるので、
100°C程度に冷却されるまで結晶製造装置1から取
り出すことができない。シリコン融液3が凝固した時点
で冷却装置11による強制冷却を行ってもよいが、イン
ゴットの温度が約800°C以上であれば、放射による
放熱の効率が高いため、自然放熱による冷却を継続して
もよい。ここで、インゴットの温度がこのように高い状
態で急冷すると、インゴットに生じる熱応力によってイ
ンゴットに割れが生じてしまう恐れがあるので、インゴ
ットが冷却の際に生じる熱応力による割れが生じない温
度T以下となるまで自然放熱による冷却を継続させる
か、冷却装置11による冷却を行う場合にも、インゴッ
トに生じる熱応力がインゴットに割れを生じさせない範
囲となるようにその冷却速度を調整する。
温度測定装置12によって、インゴットの温度が冷却の
際に生じる熱応力による割れが生じない温度T以下(シ
リコンインゴットの場合T=500°C)となるまでは
自然放熱による冷却を継続させ(ステップS7)、この
温度以下に低下したことを確認したのちに(ステップS
8)、冷却装置11を動作させて強制冷却を行う(ステ
ップS9)。
行われる。まず、ダンパーD2、D3を開いて、吸気ポ
ンプ11aを動作させて包囲部6内の雰囲気を管路P2
を通じてチャンバー2外に取り出し、この雰囲気を、熱
交換器11bによって冷却して、チャンバー2の下部に
おいて包囲部6との間に送り込む。この冷却された雰囲
気は、包囲部6の下部に形成された開口9を通じて冷却
板5の下面に供給され、冷却板5の冷却に供される。こ
のときの雰囲気の流れを、図1に実線の矢印で示す。そ
して、冷却板5の冷却に供された雰囲気は、再び冷却装
置11によって包囲部6内から取り出されて、冷却され
たのちに再び冷却板5の冷却に供される。
以下となると、放射による放熱に比べて伝導による放熱
の効率が著しく高くなるので、特にインゴットの温度が
この温度以下となったのちは、従来の自然放熱のみの場
合に比べて、より効果的に冷却を行うことができる。そ
して、インゴットの温度が100°C以下になった時点
で、チャンバー2を開いてインゴットの取り出しを行
う。
れば、シリコン融液3が凝固してインゴットとなったの
ちは、チャンバー2内の包囲部6内の雰囲気が取り出さ
れて冷却されたのちに冷却板5に向けて供給されて、こ
の雰囲気による冷却板5の冷却が行われるので、冷却板
5によるインゴットの冷却をより効果的に行うことがで
きる。ここで、インゴットの中央部は、外周部よりも放
熱が進行しにくいので、冷却装置11によって冷却され
た雰囲気を冷却板5の中央に集中的に供給する構成とす
ることで、高温部の冷却を促進して、全体としての冷却
効率を向上させることができる。また、鋳型4を複数設
置している場合にも、同様に冷却板5において各鋳型4
の中央に位置する部分に冷却された雰囲気が供給される
構成とすることで、全体としての冷却効率を向上させる
ことができる。さらに、包囲部6内の雰囲気は、包囲部
6、インゴット及び冷却板5から熱を受けており、この
雰囲気が冷却装置11によって包囲部6内から取り出さ
れるので、包囲部6、インゴット及び冷却板5の熱をよ
り効果的に奪ってインゴットの冷却効率を高めることが
できる。これにより、シリコン融液3を凝固させて得ら
れるインゴットを、従来の自然放熱による冷却よりもよ
り早く冷却して、速やかにチャンバー2内から取り出す
ことができる。そして、このようにインゴットの製造に
かかる時間が短縮されることで、インゴットの製造コス
トを低減することができる。さらに、インゴットの温度
が冷却の際に生じる熱応力による割れが生じない温度以
下まで低下してから冷却装置11による冷却を行うの
で、急冷による割れを生じさせずにインゴットの冷却を
行うことができる。
置をシリコンの結晶インゴットの製造に用いた例を示し
たが、これに限られることなく、シリコン以外の他の原
料の結晶インゴットの製造に用いてもよい。この場合に
は、融液の凝固温度及び融液を凝固させて得られるイン
ゴットが冷却の際に生じる熱応力による割れが生じない
温度Tは、原料によって変わることとなる。
装置及び結晶製造方法によれば、融液が凝固してインゴ
ットとなったのちは、チャンバー内に設けられる断熱材
によって囲まれる空間内の雰囲気が取り出されて冷却装
置によって冷やされてから冷却板に向けて供給される。
これにより、冷却板は、放射による放熱に加えて、この
冷却された雰囲気と接触することによっても冷却される
こととなり、冷却板を介して鋳型内のインゴットの熱が
効率よく奪われることとなる。さらに、断熱材によって
囲まれる空間内の雰囲気は、断熱材、インゴット及び冷
却板から熱を受けており、この雰囲気が冷却装置によっ
て前記空間内から取り出されるので、断熱材、インゴッ
ト及び冷却板の熱をより効果的に奪ってインゴットの冷
却効率を高めることができる。これにより、融液を凝固
させて得られるインゴットを、従来の自然放熱による冷
却よりもより早く冷却して、速やかに結晶製造装置から
取り出すことができる。そして、このようにインゴット
の製造にかかる時間が短縮されることで、インゴットの
製造コストを低減することができる。
融液の温度を直接または間接的に検出する温度測定装置
と、該温度測定装置の測定値に基づいて前記冷却装置の
動作を制御する制御装置とを設けて、前記制御装置を、
前記融液が結晶化してなるインゴットの温度が冷却の際
に生じる熱応力による割れが生じない温度以下まで低下
したことを条件として、前記冷却装置を作動させる構成
とすることで、急冷による割れを生じさせずにインゴッ
トの冷却を行うことができる。
構成を示す縦断面図である。
フローチャートである。
材) 11 冷却装置 12 温度測定装置 13 制御装置
Claims (3)
- 【請求項1】 チャンバー内の断熱材によって囲まれる
空間内に鋳型が設置され、該鋳型の下部には冷却板が設
けられ、前記鋳型内に収容した融液に該鋳型の内側底面
から上方に正の温度勾配を付与して、前記鋳型の内側底
面から上方に前記融液を結晶化する結晶製造装置におい
て、 前記断熱材によって囲まれる空間内の雰囲気を取り出し
て冷却して前記冷却板に向けて供給する冷却装置が設け
られていることを特徴とする結晶製造装置。 - 【請求項2】 前記融液の温度を直接または間接的に検
出する温度測定装置と、 該温度測定装置の測定値に基づいて前記冷却装置の動作
を制御する制御装置とを有し、 前記制御装置は、前記融液が結晶化してなるインゴット
の温度が冷却の際に生じる熱応力による割れが生じない
温度以下まで低下したことを条件として、前記冷却装置
を作動させることを特徴とする請求項1記載の結晶製造
装置。 - 【請求項3】 チャンバー内の断熱材によって囲まれる
空間内に鋳型を設置し、該鋳型の下部に冷却板を設け、
前記断熱材によって囲まれる空間内の雰囲気を取り出し
て冷却して前記冷却板に向けて吐出する冷却装置を設
け、 前記鋳型内に収容した融液を自然放熱によって冷却して
前記鋳型の内側底面から上方に結晶化するとともに、前
記融液が結晶化してなるインゴットの温度が冷却の際に
生じる熱応力による割れが生じない温度以下まで低下し
たことを条件として、前記冷却装置を作動させて前記イ
ンゴットを冷却することを特徴とする結晶製造方法。
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