JP2003163392A - 強磁性材料、磁気抵抗素子および電子機能素子 - Google Patents

強磁性材料、磁気抵抗素子および電子機能素子

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JP2003163392A
JP2003163392A JP2001361232A JP2001361232A JP2003163392A JP 2003163392 A JP2003163392 A JP 2003163392A JP 2001361232 A JP2001361232 A JP 2001361232A JP 2001361232 A JP2001361232 A JP 2001361232A JP 2003163392 A JP2003163392 A JP 2003163392A
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Akimasa Sakuma
昭正 佐久間
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非磁性層を強磁性層が挟んで積層される磁気
抵抗材料において、より大きな感磁率を有する磁気抵抗
素子とその強磁性材料を提供する。 【解決手段】 結晶構造が閃亜鉛鉱型を有するMnM
(Mはシリコン,ゲルマニウム,および錫の1種あるい
は2種以上の組み合わせ)である強磁性材料を用い、磁
気抵抗素子を構成する。より好ましくは、マンガンとM
元素(Mはシリコン,ゲルマニウム,および錫の1種あ
るいは2種以上の組み合わせ)を主として構成される強
磁性材料であって、スピン分極率が60%以上であるも
のを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁界センサや磁気抵抗用
再生ヘッドに使用される磁気抵抗素子において用いられ
る強磁性材料に関するものである。また、本発明は磁性
体と集積回路との融合による電子デバイスの提供を可能
にするものであり、半導体にも関連する。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気記録の進歩は著しく、家庭用
VTRの分野では小型、軽量化のために、また磁気ディ
スク装置の分野では小型、大容量化のために記録密度の
向上が進められている。特に磁気ディスク装置を例にと
ると、記録密度を向上させるため記録再生分離型ヘッド
の開発が活発である。これらに記録再生分離型ヘッドの
再生ヘッドとしては通常MRヘッドが使用されている。
磁気ディスク装置の小型化のために媒体とヘッドとの相
対速度が低下すると従来のインダクティブヘッドでは出
力が低下するという欠点を有しているが、MRヘッドは
出力が相対速度に依存せず一定であるという特徴を有す
るからである。
【0003】このMRヘッドの感磁部には通常パーマロ
イ単層膜が使用されている。パーマロイ膜は異方性磁界
が小さいため感度はよいが、磁気抵抗効果は高々3%と
決して大きくはない。そのため、パーマロイ単層膜を感
磁部に用いたMRヘッドは再生出力が必ずしも充分では
ないという欠点がある。一方、数原子層の非磁性層が異
方性磁界の異なる強磁性相に挟まれ、外部磁界により膜
面方向の磁気抵抗の変化を感受する磁気抵抗素子が大き
な磁気抵抗効果を示すことは、Co/Cu/FeNi等
のスピンバルブ型構造において見出されており公知であ
る。しかし、これらの素子においても磁気抵抗変化率は
10%未満で、次世代の高記録密度用の素子としてさら
に大きな変化率が望まれている。この要求に応えるもの
として現在最も関心を集めているのが非磁性絶縁層をは
さんで膜厚方向の電気抵抗の変化を感受するトンネル型
磁気抵抗効果である。
【0004】数原子層の非磁性絶縁層が異方性磁界の異
なる強磁性層に挟まれた積層膜がトンネル型磁気抵抗を
示すことは、Maekawa等による文献(S.Maekawa,U.Ga
fvert: IEEE Trans. Magn. MAG-18 (1982) p70
7)で公知である。これは、一般に次のように理解され
る。絶縁層を挟んだ二つの強磁性電極間のトンネルコン
ダクタンスGは、左右の電極のフェルミ準位における電
子状態密度をそれぞれ数4、数5(σは電子のスピン↑
若しくは↓を意味する)とすると、下記の数6で与えら
れる。
【0005】
【数4】
【数5】
【数6】
【0006】ここに、Tは絶縁層での電子の透過率に相
当する。従って、Tがスピンσに強く依存しない場合に
は両電極の磁化が平行(P)の場合のコンダクタンスは
数7で与えられ、反平行(AP)の場合のコンダクタン
スは数8と与えられる。
【0007】
【数7】
【0008】
【数8】
【0009】従って、このときの磁気抵抗変化率は数9
と表せる(すなわち、(1)式)。
【0010】
【数9】
【0011】
【数10】
【数11】
【0012】ここで、両電極が同じ強磁性体の場合、数
10、数11の関係にあることから(1)式は数12とな
る。
【0013】
【数12】
【0014】即ち、数10と数11の差が大きいほど磁
気抵抗変化率は大きくなることがわかる。磁気抵抗素子
は両電極の磁化の平行配列と反平行配列を外部磁界によ
って変化させ、その電気抵抗の差を感知するものであ
り、Co/Al/Coはその代表的なものであ
る。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、非磁
性層を強磁性層が挟んで積層される磁気抵抗材料におい
て、より大きな感磁率を有する磁気抵抗素子とその強磁
性材料を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の強磁性材料は、
結晶構造が閃亜鉛鉱型を有するMnM(Mはシリコン,
ゲルマニウム,および錫の1種あるいは2種以上の組み
合わせ)であることを特徴とする。式MnMとはマンガ
ン(Mn)と元素Mを主とする強磁性体である。
【0017】“結晶構造が閃亜鉛鉱型を有する”とは、
この強磁性材料をX線回折や電子線回折などの手法で分
析したときに、(a)強磁性材料の結晶構造が閃亜鉛鉱
型(Zinc−blend)であること、(b)閃亜鉛
鉱型を主とする結晶構造であること、(c)第3の元素
を添加することで別の結晶構造を閃亜鉛鉱型に近づけさ
せる結晶であって強磁性は維持している結晶構造である
こと(擬閃亜鉛鉱型)、(d)閃亜鉛鉱型結晶構造を少
なくとも一部に含むとともに膜の特性が強磁性を示す構
造(例えば、MnMの組成を有する粒子を分散させた
膜)のいずれかを含む。なお、スピン分極率Pは、
(a)→(b)→(c)→(d)の順に低下すると考え
られるため、強磁性材料を(a)の構成にすることが望
ましい。さらに化学量論組成、すなわちMn元素とM元
素がほぼ1対1の原子比率にすることが強い強磁性を発
現させる上でより好ましい。
【0018】本発明の他の強磁性材料は、マンガンとM
元素(Mはシリコン,ゲルマニウム,および錫の1種あ
るいは2種以上の組み合わせ)を主として構成される強
磁性材料であって、数1(数2および数3はそれぞれ上
向きスピンと下向きスピンのフェルミ準位における電子
状態密度)で定義されるスピン分極率が60%以上であ
ることを特徴とする。数1、数2、数3は特許請求の範
囲に記載したものと同じであり、数1はP=(D↑−D
↓)/(D↑+D↓)であり、数2はD↑であり、数3
はD↓であり、各々の式において矢印を下付き文字で表
している。
【0019】本発明の磁気抵抗素子は、上記本発明に係
るいずれかの強磁性材料が、非磁性層を挟んで構成され
る。すなわち、強磁性膜/非磁性膜/強磁性膜の接合を
有し、少なくとも一つの強磁性膜(強磁性体)が本願の
強磁性材料に相当するものである。前記非磁性層は、厚
さが0.2nm〜3nmであることが望ましい。
【0020】本発明の電子機能素子は、上記本発明のい
ずれかの強磁性材料が半導体上に堆積された薄膜構造を
備えることを特徴とする。半導体基板上に直接/間接的
に堆積される構成、あるいは半導体膜に接合される構成
のいずれでもよい。
【0021】前記強磁性材料を半導体と直接接合/接触
させる場合、ゲルマニウム(Ge)、シリコン(S
i)、シリコンゲルマニウム(SiGe)等のダイヤモ
ンド型の結晶を用いることができる。また、ガリウム砒
素(GaAs)、インジウムアンチモン(InSb)、
ガリウム燐(GaP)、インジウム燐(InP)、ガリ
ウム燐(GaP)、インジウムアンチモン(InAs)
などの3−5族半導体を用いることができる。また、他
の半導体として、アルミニウムガリウム砒素(AlGa
As)、窒素化ガリウム(GaN)、シリコンカーバイ
ド(SiC)等が挙げられる。さらに、これら半導体の
いずれかにドナー又はアクセプターとなる不純物を添加
したもの(p型Si、n型GaAsなど)を用いること
もできる。
【0022】本願の強磁性材料を接合/接触する材料と
しては、閃亜鉛鉱型あるいはダイヤモンド型の結晶構造
を有する材料が望ましい。基板に限らず、下地膜や電極
などについても言える。本願の強磁性材料と結晶格子の
整合性が良く、磁気抵抗素子のスピン分極率の低下を抑
制する。閃亜鉛鉱型の材料として、GaAs等の3−5
族半導体以外に、β−ZnS、ZnSe、ZeTe、Z
nO等が挙げられる。
【0023】本発明の磁気抵抗素子において、二つの強
磁性材料(すなわち強磁性の電極に相当)はMnSi,
MnGe、MnSnのいずれかであればよい。また、各
々の電極材料の組成もこれらの組み合わせでMnM
(M:Si,Ge,Snの二種以上からなる元素)とい
う構造であってもよい。本発明の磁気抵抗素子におい
て、非磁性絶縁層としてはSiO、Alの一種
または2種以上、非磁性金属層としてはCr,Cu,A
u,Agを用いることができる。これらは強磁性体であ
るMnM(M:Si,Ge,Snの少なくとも一種から
なる元素)同士を磁気的に遮断するのに優れている材料
だからである。
【0024】また、反強磁性層としてはFeMn、Mn
Ni、CoCrPt、IrMn、MnPdPt、MnP
tおよびNiOの一種または二種を用いることができ
る。これらは室温以上のネール温度を有し、且つ数nm
の薄膜作成が可能だからである。特に高いネール温度を
有するMnPtが望ましい。なお、FeMnを用いる場
合にはMn30〜60wt%とするのが望ましい。30
wt%未満ではフェリ磁性であり、60wt%を越える
と磁性層との交換結合が弱くなるからである。PtMn
を用いる場合には、Mn45〜55wt%とするのが望
ましい。
【0025】例えば、強磁性層の厚さは0.8〜4n
m、非磁性層の厚さは0.2〜3nmとすることが好ま
しい。強磁性層の厚さが0.8nm未満では電気抵抗へ
の膜界面の影響が強く成りすぎ、また4nmを越えると
反強磁性層との結合の効果が弱くなるからである。ま
た、非磁性層の厚さが0.2nm未満では磁性層の磁気
的絶縁が弱く、また3nmを越えると非磁性層内での電
子の散乱が大きくなり磁気抵抗の効果を弱めるからであ
る。
【0026】反強磁性層(FeMn、MnPtまたはN
iO等)の厚さは4〜10nmとすることが好ましい。
4nm未満では交換結合の効果が不十分であり、また1
0nmを越えると反強磁性層内での電気抵抗が支配的に
なるからである。なお、本願の構成は、これら膜厚範囲
のみに必ずしも限定されるものではない。成膜条件、成
膜方法、膜の組成比率、膜材料への添加物の選択、強磁
性材料を積層する部材(基板、下地膜、電極膜など)と
の整合性などを調整することにより、強磁性膜や反強磁
性膜の機能を保持できれば、用いることができる。
【0027】また、本発明はGaAs、SiおよびGe
などの半導体と同様の結晶構造を有する強磁性材料であ
るため、半導体上での形成が比較的容易に実現され、磁
性体と集積回路との融合による電荷とスピンの両方の自
由度が備わった画期的な電子デバイスの提供を可能にす
るものである。
【0028】特に、強磁性MnGeと半導体Geの組合
わせもしくは強磁性MnSiと半導体Siの組合わせは
共通の元素を用いており、磁性体薄膜製造プロセスと半
導体薄膜製造プロセスの親和性を向上させる。一部元素
の共通化により半導体プロセスのコンタミネーションや
製造条件不整合の障害を縮小し得る。ドーピングしたS
iやアモルファスSiもしくはポリシリコンなどを強磁
性材料の下地膜や電極膜に用いたり、他の膜と強磁性膜
間に設けるバッファー層として用いることも考えられ
る。
【0029】以上述べたように、本願の強磁性材料は従
来構成とは異なる特徴を有し、磁気抵抗素子であるTM
R(Tunneling Magneto Regis
tive)素子や、磁気抵抗素子を利用したMRAM
(Magnetic Randam Acsess M
emory)に適用することが可能である。
【0030】
【発明の実施の形態】本発明による考えは、以下に述べ
る理論計算から予測された新しいタイプの強磁性体と、
磁気抵抗効果の発生メカニズムに関する考察から導かれ
た。磁気抵抗素子において電気伝導を担うのは多数派ス
ピンと少数派スピンのフェルミ準位近傍の電子である
が、2つの磁性層の磁化が平行の場合と反平行の場合で
は何れか一方の磁性層の多数派スピンと少数派スピンの
電子状態密度が逆になる。従って、伝導に際して電子が
2つの磁性層を横切る場合、磁化が平行の場合と反平行
の場合とではそれぞれのスピンの電子が各磁性層内で取
り得るフェルミ準位近傍での状態数が異なるために電気
抵抗に差が生じると考えられる。前項で述べたとおり、
二つの強磁性電極が同じ材質の場合抵抗変化率は数12
のRで表される。
【0031】そこで、もし磁性粒子内のフェルミ準位近
傍の電子状態密度が多数派スピンと少数派スピン(それ
ぞれ数10と数11)で極端に異なる場合、即ち、一方
の状態密度はフェルミ準位近傍で有限の値を持ち、他方
のスピンの状態密度がフェルミ準位近傍で0の場合、R
は最大値である1が実現されることになる。これは、2
つの磁性層の磁化が平行の場合にはフェルミ準位近傍で
有限の値を持つ方のスピンの電子はトンネル可能である
が、反平行の場合には一方の磁性層で有限の状態密度を
持つスピンは他方の磁性層では0の状態密度となるた
め、何れのスピンのトンネル電子も流れなくなり、抵抗
の変化が著しく大きくなるためである。以上は非磁性層
として絶縁層を用いた場合であるが、ここに、非磁性金
属層を用いて膜の積層方向の磁気抵抗変化率を感受する
磁気抵抗素子に対しても上記の議論は適用される。
【0032】閃亜鉛鉱型の結晶構造を持つMnM(M:
Si,Ge,Snの少なくとも一種からなる元素)は、
このような電子状態の条件を満たす物質であることが予
測される。図1は本発明者によって計算された閃亜鉛鉱
型MnGeの電子状態密度である。図1において上半分
は多数派(上向き)スピン、下半分は少数派(下向き)
スピンの状態密度で、横軸はフェルミエネルギーE
ら測ったエネルギーである。太い実線がMnの部分状態
密度、細い実線がGeの部分状態密度を表す。多数派ス
ピンの状態密度はフェルミ準位近傍で有限の値を持つ
が、少数派スピンの状態密度はフェルミ準位近傍で0.
1Ry程度のギャップを持ち状態密度は0となる。ここ
で数1で定義されるスピン分極率P=(D↑−D↓)/
(D↑+D↓)を考えると、FeやCo、Niなどの通
常の強磁性体では種々の測定から30〜40%であるの
に対し、上記の強磁性体では理論上100%となる事が
期待される。
【0033】このような物質は一般にハーフメタルと呼
ばれ、多数派スピンの電子は金属的な振る舞いを示す
が、少数派スピンの電子は絶縁体あるいは半導体的な振
る舞いを示すと考えられる。また、SiとSnもGeと
同じ価電子数(4個)を持ち、図1と同様の電子状態を
有することが確認された(図2、図3)。
【0034】更に、本発明ではこれら化合物が室温以上
のキュリー温度を有する安定な強磁性体であるという結
果を得た。従って、このような材料を非磁性物質を介し
て2つ組み合わせた場合、磁化が平行な場合は金属的、
反平行な場合は絶縁体的な性質を示す。そこで、2つの
磁性層の一方にFeMn、MnNi、CoCrPt、I
rMnあるいはMnPt等の反強磁性膜を結合させて実
効的な磁気異方性を付与すると、磁気異方性の違いに起
因して外部磁界の大きさによって磁化が平行になる場合
と反平行になる場合が実現される。このとき、この積層
膜は外部磁界の大きさおよび方向によって磁気抵抗に著
しい変化が現れる。
【0035】本発明でMnGe/非磁性層/MnGe/
FeMnの積層膜を作製し、膜面垂直方向で磁気抵抗効
果を測定したところ室温で10%以上の抵抗変化率が得
られることが確認された。この値は上述の理論から予測
される値より小さいが、実際に積層された膜構造の影響
や有限温度におけるスピン揺らぎ等の効果から、スピン
分極率Pは100%とはならず、70〜80%に低下し
ていると予測される。但しPが60%以下の場合は本発
明で提供するハーフメタルとは異なるものである。
【0036】
【実施例】以下、各実施例により本発明を説明する。 (実施例1)Si基板上にイオンビームスパッタにより
交換バイアス磁界を付与するためのFe−Mn反強磁性
膜を5nm成膜し熱処理した後、その上に分子線エピタ
キシー(MBE)法により3nmのMnGe強磁性層を
0.5nmのAl層を中間に挟んで積層した。F
e−Mn層と接触しているMnGeは交換バイアス磁界
によりAl層の上にあるMnGe層より実効的な
異方性磁界が異なり、MnGe層の異方性磁界が1(K
A/m)以下であるのに対し、Fe−Mn層と接触して
いるMnGe層の異方性磁界は約8(KA/m)であっ
た。そこで、この試料に4(KA/m)の磁界を印加し
て、4端子法により磁気抵抗変化率を測定した。その結
果、磁気抵抗変化率として室温で表1のような結果が得
られ、磁性層にパーマロイ等の従来の材料を用いた積層
膜よりも数倍大きな磁気抵抗変化率が確認された。
【0037】
【表1】
【0038】(実施例2)実施例1と同様の方法で非磁
性層、反強磁性層として種々の組成の試料を作成し、そ
れらの磁気抵抗変化率を測定した。但し、強磁性層はM
nGeとした。測定温度は21℃である。結果を表2に
まとめて記す。
【0039】
【表2】
【0040】
【発明の効果】本発明のスピン分極率の高い強磁性材料
を磁気抵抗素子に用いることにより、大きい磁気抵抗変
化率を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】MnGeの電子状態密度の計算結果を示すグラ
フである。
【図2】MnSiの電子状態密度の計算結果を示すグラ
フである。
【図3】MnSnの電子状態密度の計算結果を示すグラ
フである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 43/10 G01R 33/06 R

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶構造が閃亜鉛鉱型を有するMnM
    (Mはシリコン,ゲルマニウム,および錫の1種あるい
    は2種以上の組み合わせ)であることを特徴とする強磁
    性材料。
  2. 【請求項2】 マンガンとM元素(Mはシリコン,ゲル
    マニウム,および錫の1種あるいは2種以上の組み合わ
    せ)を主として構成される強磁性材料であって、数1
    (数2と数3はそれぞれ上向きスピンと下向きスピンの
    フェルミ準位における電子状態密度)で定義されるスピ
    ン分極率Pが60%以上であることを特徴とする強磁性
    材料。 【数1】 【数2】 【数3】
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の強磁性材料が
    非磁性層を挟んで構成される磁気抵抗素子。
  4. 【請求項4】 請求項1または2に記載の強磁性材料が
    半導体上に堆積された薄膜構造を備えることを特徴とす
    る電子機能素子。
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