JP4867544B2 - スピントルクトランジスタ - Google Patents

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本発明は、スピントルクトランジスタに関する。
トランジスタは、その制御端子への入力に応じて入出力間の抵抗値が変化する素子として知られている。導体の両端にそれぞれ磁性体を介して入力端子及び出力端子を設け、導体の中央に被制御用磁性体を取り付けると、この被制御用磁性体の磁化の向きに応じて、導体内部に蓄積されるスピン量が変化する。蓄積されるスピン量が多い場合には導体の抵抗値が大きくなり、少ない場合には導体の抵抗値は小さくなる。すなわち、被制御用磁性体の磁化の向きに応じて入出力端子間の導体の抵抗値が変化するスピントルクトランジスタが完成する。
現在のスピン流駆動デバイスは、例えば(非特許文献1)に記載されているが、スピントルクトランジスタ自体は、Bauer氏らによって提案された(非特許文献2)。
スピントルクトランジスタの周辺技術として、非特許文献3では磁性体/半導体融合新機能素子が開示されている。また、非特許文献4では、トンネル磁気抵抗効果について記載されている。このような文献では、MgOを用いたトンネル効果について記載されている。MgOに関する結晶学的な解析は、非特許文献5に記載されている。また、トンネルバリア層間にCuなどの導体を介在させた場合の効果については非特許文献6に記載されている。更に、Bauer氏を含めたトンネル型磁気抵抗効果(TMR)に関する国際的な研究は、独立行政法人新エネルギー産業総合開発機構(NEDO)の国際共同研究助成事業における2001年度採択の研究テーマ「ナノスケール磁気エレクトロニクスの制御と応用」においても紹介される(非特許文献7)。
加々美健朗他、「実用化段階に入ったTMRヘッド技術とその次世代技術」、日本応用磁気学会、第145回研究資料、2006年1月30日、pp63−68 Gerrit E.W.Bauer、A. Brataas、Y. Tserkovnyak、B.J.Van Wees、 "The spin−torque transistor", App. Phys. Lett. 82, 3928,(2003) 佐藤利江、水島公一、「スピンバルブトランジスタ」、東芝レビュー、Vol.57、No.4、2002年、pp35−38 湯浅新治、「トンネル磁気抵抗効果の物理と応用」、第4回スピンエレクトロニクス入門セミナー、応用物理学会、2005年12月8日、pp40−48 X.−G.Zhang、W.H.Butler、「Large magnetroresistance in bcc Co/MgO/Co and FeCo/MgO./FeCo tunnel junctions」、PHYSICAL Review B70、2004年、172407 S. Yuasa, T. Nagahama, Y. Suzuki, 「Spin−polarized Resonant Tunneling in Magnetic Tunnel Junctions」、SCIENCE, 2002年7月12日、Vol.297、pp234−237 井上順一郎、他7名、「ナノスケール磁気エレクトロニクスの制御と応用」、[平成18年7月31日検索]、インターネット(URL:http://www.nedo.go.jp/itd/grant/pdf/2001mb102.pdf)
しかしながら、本願発明者の知見によれば、従来のスピントルクトランジスタを大きな増幅率で駆動する場合には、ハーフメタルのようなスピン分極率pが0.9以上のものを入力端子に使用する必要がある旨を発見した。ハーフメタルとは、アップスピン及びダウンスピンのいずれかの状態の電子に対してのみ選択的に導体となる物質であるが、常温で実用的なハーフメタルはまだ発見されておらず、スピントルクトランジスタ開発上の大きな障害となっている。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、高い増幅率で駆動可能なスピントルクトランジスタを提供することを目的とする。
上述の課題を解決するため、本発明に係るスピントルクトランジスタは、第1非磁性導体に電気的に接続された入力端子及び出力端子を備えるスピントルクトランジスタにおいて、第1非磁性導体における入力端子と出力端子との間の電子通過領域に取り付けられ、磁化の向きが制御される第1被制御用磁性体を有するゲート手段と、入力端子と第1非磁性導体との間に介在し、一方向の磁化の向きを有する入力側磁性体と、入力側磁性体と第1非磁性導体との間に介在する第1トンネルバリア層と、出力端子と第1非磁性導体との間に介在し、上記一方向とは逆の磁化の向きの成分を有する出力側磁性体とを備え、前記ゲート手段は、前記第1被制御用磁性体と、前記第1被制御用磁性体に静磁結合した第2被制御用磁性体と、前記第1及び第2被制御用磁性体間に介在する電流阻止層と、を備えることを特徴とする。
第1非磁性導体には、一方向の磁化の向きを有する入力側磁性体と、逆向きの出力側磁性体が設けられているので、入力側磁性体を介して第1非磁性導体に特定極性のスピンを注入すると、このスピンは第1非磁性導体内に蓄積される。ゲート手段の第1被制御用磁性体の磁化の向きを制御すると、第1非磁性導体に蓄積されるスピン量が変化する。例えば、入力側磁性体の磁化の向きに直交する方向に第1被制御用磁性体の磁化の向きを制御すると、第1非磁性導体内のスピン蓄積量が減少し、第1非磁性導体の抵抗値が小さくなる。ここで、入力側磁性体と第1非磁性導体との間に第1トンネルバリア層を介在させると、入力側磁性体を介して第1非磁性導体に流れ込む特定スピンの選択性が著しく改善し、スピン分極率が向上する。本願発明者によれば、スピン分極率が向上すると、トランジスタの電流増幅率は飛躍的に増加することが判明した。このように、本発明のスピントルクトランジスタでは、第1トンネルバリア層を用いてスピン分極率を向上させることにより、ハーフメタルを用いなくても、スピントルクトランジスタの電流増幅率を飛躍的に向上させることができるようになった。
また、上述のように、本発明に係るスピントルクトランジスタのゲート手段は、第1被制御用磁性体と、第1被制御用磁性体に静磁結合した第2被制御用磁性体と、第1及び第2被制御用磁性体間に介在する電流阻止層とを備えることが好ましい。ゲート手段は、スピン流は流れても電流(電子流)は流れないようにするため、第1及び第2被制御用磁性体間に電流阻止層を介在させている。第1被制御用磁性体の磁化の向きは、入力端子から第1非磁性導体を介してこれに流れ込むスピン流によって制御することができる。第1被制御用磁性体は、第2被制御用磁性体に静磁結合しているので、ゲート手段は、全体としては第1被制御用磁性体の磁化の向きと第2被制御用磁性体の磁化の向きを合成した磁化の向きを有する。このように、ゲート手段の磁化の向きを制御して、第1非磁性導体に蓄積されるスピン量を制御し、以って第1非磁性導体の抵抗値を制御することが可能となる。
第2被制御用磁性体の磁化の向きを制御するため、本発明のスピントルクトランジスタは、第2被制御用磁性体に取り付けられた第2非磁性導体と、第2非磁性導体に電気的に接続された制御用入力端子及び制御用出力端子と、制御用入力端子と第2非磁性導体との間に介在し、前記一方向と直交する磁化の向きの成分を有する制御用入力側磁性体と、制御用入力側磁性体と第2非磁性導体との間に介在する第2トンネルバリア層と、制御用出力端子と第2非磁性導体との間に介在し、前記直交する成分とは逆向きの磁化の向きの成分を有する制御用出力側磁性体とを備えることが好ましい。
制御用入力端子と制御用出力端子との間に電流(電子流)を流すと、直交方向の磁化の向きを有する制御用入力側磁性体を通ったスピンがゲート手段の第2被制御用磁性体に注入され、この磁性体の磁化の向きが直交方向に揃ってくる。第2被制御用磁性体は、第1被制御用磁性体に静磁結合しているので、これらの磁化の向きは全体として直交方向に揃ってくる。この場合、第1非磁性導体におけるスピン蓄積量は少なくなるため、第1非磁性導体の抵抗値は小さくなる。すなわち、入力端子と制御用入力端子を介して入力される電流比(電子流比)に応じて、ゲート手段の磁化の向きが変わり、この磁化の向きに応じて第1非磁性導体に蓄積されるスピン量が変化し、すなわち、抵抗値が変化することとなる。
また、電流阻止層は、トンネル効果が生じない厚みの絶縁体からなることが好ましい。この場合、ゲート手段の第1及び第2被制御用磁性体間には電流(電子流)は原則的には流れないが、スピン流は流れ、制御用入力端子に入力される電流(電子流)とは独立に入出力端子間を流れる電流(電子流)を制御することが可能となる。
本発明のスピントルクトランジスタによれば、高い増幅率で駆動することが可能となる。
以下、実施の形態に係るスピントルクトランジスタについて説明する。同一要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
図1は、実施の形態に係るスピントルクトランジスタ10の断面構成を示す図である。
スピントルクトランジスタ10は、第1非磁性導体1に接触し、電気的に接続されたトンネルバリア層(第1トンネルバリア層)TIと、金属電極からなる入力端子ITと、入力端子ITと、トンネルバリア層TIと入力端子ITとの間に介在する入力側磁性体FIとを備えている。スピントルクトランジスタ10は、第1非磁性導体1に接触し、電気的に接続されたトンネルバリア層TOと、金属電極からなる出力端子OTと、出力端子OTと、トンネルバリア層TOと出力端子OTとの間に介在する出力側磁性体FOとを備えている。
ソース配線SWから入力端子ITに電子流ISDを流すと、電子流ISDは、入力側磁性体FI、トンネルバリア層TIを順次介して第1非磁性導体1に流れ込み、トンネルバリア層TO、出力側磁性体FO、出力端子OTを順次介してドレイン配線DWに流れ、グランドに流れる。入力側磁性体FIの設けられた位置と出力側磁性体FOの設けられた位置との間の導体1の距離Lcは、導体1のスピン拡散長よりも短く設定されており、これらの間をスピンが流れることができる。なお、距離Lcは取り付け位置の重心間の距離とする。
スピントルクトランジスタ10は、第2非磁性導体2に接触し、電気的に接続されたトンネルバリア層(第2トンネルバリア層)CTIと、金属電極からなる制御用入力端子CITと、入力端子CITと、トンネルバリア層CTIと制御用入力端子CITとの間に介在する制御用入力側磁性体CFIとを備えている。スピントルクトランジスタ10は、第2非磁性導体2に接触し、電気的に接続されたトンネルバリア層CTOと、金属電極からなる制御用出力端子COTと、制御用出力端子COTと、トンネルバリア層CTOと制御用出力端子COTとの間に介在する制御用出力側磁性体CFOとを備えている。
ベース配線BWから制御用入力端子CITに制御用の電子流Iを流すと、電子流Iは、制御用入力側磁性体CFI、トンネルバリア層CTIを順次介して第2非磁性導体2に流れ込み、トンネルバリア層CTO、制御用出力側磁性体CFO、制御用出力端子COTを順次介して出力配線OWに流れ、グランドに流れる。制御用入力側磁性体CFIの設けられた位置と制御用出力側磁性体CFOの設けられた位置との間の導体2の距離Lcは、導体2のスピン拡散長よりも短く設定されており、これらの間をスピンが流れることができる。
第1非磁性導体1と第2非磁性導体との間にはゲート手段(ゲート部)GMが介在している。ゲート手段GMは厚み方向にスピン流が流れることを許容し、電子流が流れることを禁止している。ゲート手段GMは、第1非磁性導体1に接触し、電気的に接続された第1被制御用磁性体GM1と、第1被制御用磁性体GM1に静磁結合(反強磁性結合)し、第2非磁性導体2に接触し、電気的に接続された第2被制御用磁性体GM2と、第1及び第2被制御用磁性体GM1,GM2の間に介在する電流阻止層BLとを備えている。なお、磁性体に電流を流すと分極率に比例したスピン流が発生し、磁性体/非磁性体界面に電流を流すとスピン流が発生する。
電流阻止層BLは、トンネル効果が生じない厚みの絶縁体からなることが好ましい。ゲート手段GMが全体として絶縁性の強磁性体であってもよい。絶縁性の強磁性体としては酸化物強磁性体YIGなどが知られている。ゲート手段GMの第1及び第2被制御用磁性体GM1、GM2間には電流(電子流)は原則的には流れないが、スピン流は流れ、制御用入力端子CITに入力される電流(電子流)とは独立に入出力端子IT,OTの間を流れる電流(電子流)を制御することが可能となる。
入力側磁性体FIの磁化の向きを+Z方向とすると、出力側磁性体FOの磁化の向きはこれとは逆であって−Z方向を向いている。制御用入力側磁性体CFIの磁化の向きを+X方向とすると、制御用出力側磁性体CFOの磁化の向きはこれとは逆であって−X方向を向いている。逆方向の磁化の向きを有する2つの磁性体を導体(非磁性金属)を介してスピン拡散長以内に取り付けて電子を流すと、磁性体と導体の界面近傍にスピンが蓄積される。スピン蓄積量が多いほど導体の抵抗値は大きくなる。
ゲート手段GMを構成する静磁結合した2つの磁性体GM1,GM2の磁化の向きは互いに逆方向を向いており、これらの注入されるスピンの極性に応じて全体の磁化方向が変動する。ゲート手段GMの磁化方向に応じて、第1非磁性導体1に蓄積されるスピン量が変動するので、ゲート手段GMの磁化方向に応じて第1非磁性導体1の抵抗値、すなわち、これを流れる電子流の大きさを制御することができる。ゲート手段GMの磁性体GM1に注入されるスピンは入力側磁性体FIの磁化の向きを有しており、磁性体GM1の磁化の向きをZ方向に向けようとする。ゲート手段GMの磁性体GM2に注入されるスピンは制御用入力側磁性体CFIの磁化の向きを有しており、磁性体GM2の磁化の向きをX方向に向けようとする。したがって、これら磁化の向きを合成すると、Z成分とX成分を有し、Z方向からX方向に向けて角度θを有する磁化方向となる。角度θが大きくなると、第1非磁性導体1に蓄積されるスピン量が小さくなり、したがって抵抗値は小さくなる。一方、角度θが小さくなると、第1非磁性導体1に蓄積されるスピン量が大きくなり、したがって抵抗値は大きくなる。
以上、説明したように、上述のスピントルクトランジスタ10は、第1非磁性導体1に電気的に接続された入力端子IT及び出力端子OTを備えるスピントルクトランジスタ10において、第1非磁性導体1における入力端子ITと出力端子OTとの間の電子通過領域に取り付けられ、磁化の向きが制御される第1被制御用磁性体GM1を有するゲート手段GMと、入力端子ITと第1非磁性導体1との間に介在し、一方向(+Z)の磁化の向きを有する入力側磁性体FIと、入力側磁性体FIと第1非磁性導体1との間に介在する第1トンネルバリア層TIと、出力端子OTと第1非磁性導体1との間に介在し、上記一方向(+Z)とは逆の磁化の向き(−Z)の成分を有する出力側磁性体FOとを備えている。なお、トンネルバリア層の厚みはトンネル効果が生じる厚みである。
第1非磁性導体1には、+Z方向の磁化の向きを有する入力側磁性体FIと、−Z方向の出力側磁性体FOが設けられているので、入力側磁性体FIを介して第1非磁性導体1に特定極性のスピンを有する電子を注入すると、このスピンは第1非磁性導体1内に蓄積される。なお、各トンネルバリア層と各磁性体は接触しているので、特定極性のスピンの高い選択透過性を有している。
ゲート手段GMの第1被制御用磁性体GM1の磁化の向き(θ)を制御すると、第1非磁性導体1に蓄積されるスピン量が変化する。例えば、制御用入力側磁性体CTIを介して電子を注入して第2被制御用磁性体GM2の磁化の向きを偏向するなどして、入力側磁性体FIの磁化の向き(+Z)に直交する方向(+X)に、第1被制御用磁性体GM1の磁化の向きを制御すると、第1非磁性導体1内のスピン蓄積量が減少し、第1非磁性導体1の抵抗値が小さくなる。詳説すれば、第1被制御用磁性体GM1の磁化の向きは、入力端子ITから第1非磁性導体1を介して第1被制御用磁性体GM1に流れ込むスピン流、制御用入力端子CITから第2非磁性導体2を介して第2被制御用磁性体GM2に流れ込むスピン流によって制御することができる。
入力側磁性体FIと第1非磁性導体1との間にはトンネルバリア層TIが介在しており、入力側磁性体FIを介して第1非磁性導体1に流れ込む特定スピンの選択性が著しく改善し、スピン分極率が向上する。スピン分極率が向上すると、スピントルクトランジスタ10の電流増幅率は飛躍的に増加する。スピントルクトランジスタ10は、トンネルバリア層TIを用いてスピン分極率を向上させることにより、ハーフメタルを用いなくても、スピントルクトランジスタ10の電流増幅率を飛躍的に向上させることができる。
上述のように、第2被制御用磁性体GM2の磁化の向きを制御するため、スピントルクトランジスタ10は、第2被制御用磁性体GM2に取り付けられた第2非磁性導体2と、第2非磁性導体2に電気的に接続された制御用入力端子CIT及び制御用出力端子COTと、制御用入力端子CITと第2非磁性導体2との間に介在し、Z方向と直交する磁化の向き(+X)の成分を有する制御用入力側磁性体CFIと、制御用入力側磁性体CFIと第2非磁性導体2との間に介在するトンネルバリア層CTIと、制御用出力端子COTと第2非磁性導体2との間に介在し、直交する成分(+X)とは逆向き(−X)の磁化の向きの成分を有する制御用出力側磁性体CFOとを備えている。
制御用入力端子CITと制御用出力端子COTとの間に電流(電子流)を流すと、直交方向(X)の磁化の向きを有する制御用入力側磁性体CFIを通ったスピンがゲート手段GMの第2被制御用磁性体GM2に注入され、磁性体GM2の磁化の向きがX方向に揃ってくる。第2被制御用磁性体GM2は、第1被制御用磁性体GM1に静磁結合しているので、これらの磁化の向きは全体として直交方向に揃ってくる。この場合、第1非磁性導体1におけるスピン蓄積量は少なくなるため、第1非磁性導体1の抵抗値は小さくなる。すなわち、入力端子ITと制御用入力端子CITを介して入力される電流比(電子流比)に応じて、ゲート手段GMの磁化の向きが変わり、この磁化の向きに応じて第1非磁性導体1に蓄積されるスピン量が変化し、すなわち、抵抗値が変化し、電子量ISDが変化することとなる。
詳説すれば、ソース側は磁化反平行のCPP−GMR(Current Perpendicular Plane−to Giant MagnetoResistance)の構造であり、ベース側も同様である。ゲート手段GMは磁性体であり、磁気的にはソース側、ベース側に接続しているが、ゲート手段GMには電流は流れない。すなわち、ゲート手段GMには電流は流れないが、スピン流は流れると仮定されている。ソース側の入力端子ITには電圧μFが入力され、ベース側の制御用入力端子CITには電圧μBが入力される。ソースからドレインには電子流ISDが流れる。ゲート手段GMの磁化の向きが回転すると、電子流ISDの大きさが変化する。
ここで、スピン蓄積について説明しておく。
図2は、CPP−GMRにおけるスピン蓄積の様子を示す図である。
逆の磁化の向きを有する2つの磁性体F1,F2の間に導体Nが設けられている(図2(a))。このように磁化が反平行状態である場合には、蓄積されたスピンSAの量が多くなり、抵抗値Rが増加する(R≧R)。
一方、同一の磁化の向きを有する2つの磁性体F1,F2の間に導体Nが設けられている場合(図2(b))、すなわち、磁化が平行状態である場合には、蓄積されたスピンSAの量が少なくなり、抵抗値Rが減少する(R<R)。
図3は、スピントルクトランジスタにおけるスピン蓄積の様子を示す図である。逆の磁化の向きを有する2つの磁性体F1,F2の間に導体Nが設けられている(図3(a))が、ゲート手段(第1被制御用磁性体GM1)GMの磁化の向きは、入力側磁性体F1の磁化の向きと同一である。この場合、蓄積されたスピンSAはゲート手段GMには流れ込まず、蓄積されたスピンSAの量が多くなり、抵抗値Rが増加する(R≧R)。
一方、逆の磁化の向きを有する2つの磁性体F1,F2の間に導体Nが設けられている(図3(b))が、ゲート手段GM(第1被制御用磁性体GM1)の磁化の向きは、入力側磁性体F1の磁化の向きに直交しており、この場合、蓄積されたスピンSAはスピン流としてゲート手段GM内に流れ込み、吸収される。すなわち、導体Nの界面のスピン蓄積が変化して、界面抵抗が減少し、導体の抵抗値Rが減少する(R<R)。
ここで、ゲート手段GMの磁化の回転と電流ISDの変化について補足的に説明しておく。
図4は、ゲート手段GM(第1被制御用磁性体GM1)の磁化の向きの変化について説明するための図である。
図1に示したソース側の磁性体FIとベース側の磁性体CFIの磁化の向きが90°異なる場合、ゲート手段GMに流れ込むスピン流の分極方向は、第1非磁性導体1と第2非磁性導体2では90°異なる。そのため、ゲート手段GMに働くトルクは逆向きになる。ソースからゲート手段GMに流れ込む電子流αは、ゲート手段GMの磁化の向きをZ方向と平行に向けようとし、ベースから流れ込む電子流βはゲート手段GMの磁化の向きをX方向と平行に向けようとする。
図5は、ゲート手段GMの磁化の向きDと電圧μF、μBに応じて働くトルクT(μF)、T(μB)、T(μF,μB)の関係を示す図である。θ=0は電圧μFによる安定方位であり、θ=π/2は電圧μBによる安定方位であり、θ=πは電圧μFによる不安定方位であり、θ=−π/2は電圧μBによる不安定方位である。電圧μFと電圧μBの比率(μF/μB)に応じて安定な角度θが決定される。電圧比(μF/μB)が1であれば、角度θは45°になる。また、θ=±π/2でISDが最大になる。ゲート手段GMにスピン流が流れ込み、導体内におけるスピン蓄積を減らすため、界面抵抗が減少して電流ISDが多く流れるようになる。なお、スピン流のZ成分(ISG)zが電流増加分ΔISDとなる(ΔISD=p/2(ISG)z)。
図6は、電圧比(μF/μB)と角度θとの関係を示すグラフである。
電圧比(μF/μB)が5以下になると、すなわち、μFがμBに対して小さくなってくると、角度θは大きくなることが分かる、すなわち、μFがμBに対して小さくなってくると、スピン蓄積量が急激に減少する。
図7は、角度θ(deg)と規格化された入力電子流Iの関係を示すグラフである。
但し、I=ISD×RSD/μFである。ソースとドレインの磁性体FI,FOの磁化の向きを平行にした時のソース−ドレイン間抵抗をRSDとする。pが小さいときIが平らになっているが、磁気抵抗効果による抵抗変化率が小さいことを示している。前記のように、ここでの磁気抵抗効果は横軸θの変化によってスピン蓄積が変化することで得られる。なお、入力側磁性体FI、出力側磁性体FO、制御用入力側磁性体CFI、制御用出力側磁性体CFOの近傍のコンダクタンスは全て等しいとする。
電圧μFを小さくすると、角度θは大きくなり、入力電子流Iは増加する。ここで、第1非磁性導体1に注入される電子のスピン分極率pが大きいほど、電流特性値Iの変化は大きくなることが分かる。
図8は、強磁性体と非磁性体とを接触させた場合の化学ポテンシャルの変化について説明するためのポテンシャル図である。
強磁性体と非磁性体を接合すると、化学ポテンシャルがスピンの向きに依存して分裂する。強磁性体ではアップスピンμUPの電気伝導率が高く、ダウンスピンμDOWNの伝導率は低い。一方、非磁性体では伝導率はスピンの状態には依存しない(図8(a))。これらを接合すると、強磁性体側ではアップスピンμUPの流入を押し戻そうとし、非磁性体側ではアップスピンμUPを流し込むように化学ポテンシャルが自動調整される。電場によるポンテンシャル勾配を差し引くと、図8(b)のようになり、非磁性体側で、アップスピンμUPは引き込まれ,ダウンスピンμDOWNは戻されていることがわかる。図8(b)は、図8(a)において、オームの法則に従う成分の電位(点線)を差し引いたものである。従って、強磁性体と非磁性体の界面ではアップスピンμUPが過剰となり、ダウンスピンμDOWNが不足する。これはスピンが反転した状態と等価であるので、これらの界面近傍が磁化されたことになる。上述のスピン蓄積は、この現象である。スピン蓄積は化学ポンテンシャルの段差を誘起し、スピン蓄積に比例して界面抵抗ΔRが発生し、ポテンシャル障壁I×ΔRが発生し、CPP−GMRと同じように機能する。
図9は、スピントルクトランジスタの基本的な電流―電圧特性を示し、電圧比(μF/μB)と規格化された入力電子流I’の関係を示すグラフである。但し、I’=I×RSD/μBである。制御用入力端子と制御用出力端子に設けられた磁性体CFI,CFOの磁化の向きを平行にした時の制御用入出力端子間抵抗をRSDとする。
スピン分極率pが0.8以下の場合、電圧比(μF/μB)の増加に伴って入力電子流I’は増加傾向にある。また、スピン分極率pが0.5以下では、入力電子流I’は略直線であり、スピン分極率pが0.8以上、好ましくは0.9以上では飽和傾向が現われてくる。特に、スピン分極率pが0.95以上の場合には、入力電子流I’は増加の傾斜が0以下となる領域が存在する。
図10は、図9の縦軸の規格化を変えて、横軸の変化に対して抵抗変化が縦軸で見えるようにしたもので、電圧比(μF/μB)と規格化された入力電子流Iの関係を示すグラフである。図7のIを異なる横軸で示したもので、図9のスピントルクトランジスタ特有の電流―電圧特性が単純に磁気抵抗効果によることがわかるものである。
スピン分極率pの増加に伴って、電圧比(μF/μB)の増加に対する入力電子流Iの減少量は増加し、電圧比(μF/μB)が2以上では飽和傾向が現われてくる。電流増幅を考える上で需要なのは、飽和特性である。
図11は、電圧比(μF/μB)と図9の入力電子流I’の微分をとって抵抗RSDで規格化した微分コンダクタンスGSD×RSDのグラフである。
スピン分極率pが0.95以上では微分コンダクタンスGSD×RSDが0となる電圧比(μF/μB)の領域が存在する。
図12は、図11のグラフの横軸を角度θにして表したグラフである。
実際にトランジスタとして動作させる時は、電圧比(μF/μB)をバイアスとして、適切な値を選ぶ必要がある。ソース電圧に対してある角度θ(電圧比(μF/μB))で信号電圧を入力させたときの入力電子流(出力電流)ISDは、角度θにおける微分コンダクタンスGSD×RSDに従う。このとき、ベース電圧μBに対する微分コンダクタンスGSD×RSDは、磁化が90°回転していることに対応して(90°−θ)の値になる。
電流増幅率Γ=(ベース電圧μBに対する微分コンダクタンスGSD×RSD/(ソース電圧μBに対する微分コンダクタンスGSD×RSD=GSD(90°−θ)/GSD(θ)になる。したがって、GSDが0となるような角度θに電圧比(μF/μB)を調整すれば、理論上無限大の電流増幅率Γが得られる。微分コンダクタンスGSDが0となるには、図9に示したI−V特性での飽和傾向が必要であり、その極大に合わせて、電圧比(μF/μB)を設定することになる。
図13は、導体に入力される電子のスピン分極率pと最大の電流増幅率Γとの関係を示すグラフである。以下は、スピン分極率pと電流増幅率Γとの関係を示す表である。
Figure 0004867544
スピン分極率pが0.9以上では、大きな電流増幅率Γが得られ、p≧0.95で電流増増幅率Γは無限大になる。
従来、スピントルクトランジスタにおいて、大きな電流増幅率を得ようとすると、スピン分極率pが0.9以上、好ましくはスピン分極率p=1のハーフメタルが必要だと思われた。これまでCoMnSiなどのホイスラー合金やGaMnAsなどの磁性半導体がハーフメタルとして提案されているが、常温で実用的な材料はまだ実現されていない。このようなスピントルクトランジスタでは、金属のCPP構造を基本構造にしているため、入力抵抗=μF/ISDが数オームと低く、従って電流を約1mAとすると、電圧は数mVのオーダーにしかならない。
本実施形態のスピントルクトランジスタでは、電流増幅率が大きくなるため、更に高い電圧で動作することができる。本実施形態では、ハーフメタル以外の方法で高スピン分極電流を非磁性体に注入し、しかも使い易い大きな入力抵抗を得る手段を提供している。また、磁性体から非磁性導体への電子注入をトンネル接合で行うことにより、高スピン分極電流の注入と、高い入力抵抗を同時に達成することができる。また、ゲート手段GMは、2枚の反平行に結合した磁性体GM1,GM2とその間に介在する電流阻止層BLによって構成することにしたので、スピン流を磁性体GM1,GM2に導いて吸収させ、ゲート手段GMには電流は流さないという要求を満たしている。
なお、上述の導体としては、非磁性金属、半導体を使用することができる。
上述の各層の材料は以下の通りである。
Figure 0004867544
なお、各磁性体FI、FO、CFI,CFOは、磁化の向きが90°ずつ異なるようにするため、磁性体の成膜時の誘導異方性を使って、磁性体ごとに異なる磁場の向きで成膜することができる。また、IrMnなどの反強磁性膜を各磁性体FI、FO、CFI,CFOに接触させて成膜することも可能である。また、形状異方性を使用する製造方法も採用することが可能である。なお、磁化の向きが固定された強磁性体である磁性体FI、FO、CFI,CFOを、Fe,Co又はFeCoとし、トンネルバリア層をMgOにすれば、波動関数の対称性から、アップスピンはダウンスピンに比べて100万倍以上が流れやすいので、MgOを透過した電流は略100%スピン分極しており、ハーフメタルと同じ効果が得られる。磁性体FI、FO、CFI,CFOをホイスラー合金としトンネルバリア層をAlとしてもよい。トンネルバリア層は、電気抵抗が高いので、導体との界面でスピン流が戻ることはなく、抵抗率が1〜100Ωcm程度の半導体に対しても、同程度のスピン注入抵抗を有するので、有効にスピン注入が行うことができる。
非磁性チャネルを構成する導体1,2は,チャネル長Lcをスピン拡散長以下に設定する。Cu,Alはスピン拡散長が長い物質である。導体1,2には、SiやGaAsなどの半導体も使用することができる。また、AuはFeのアップ電子と同じ波動関数の対称性を有するので、これをトンネルバリア層と導体1,2との間に挿入した場合、導体1,2とトンネルバリア層との界面でのスピン流の減衰を防止することができる。
ゲート磁性体GM1、GM2スピン拡散長の程度とする。ゲート手段GMではスピントランスファートルクによる磁化回転が行われるので、これ以上に厚くすると小さな信号に対するトルクへの応答が悪くなるからである。なお、電流阻止層BLを構成する絶縁体にはAlやSiの酸化物等を使用することができる。ゲート手段GMを構成する磁性体は軟磁性体であればよい。
なお、上述のスピントルクトランジスタを製造する場合、Si基板上に配線Alを形成し、この上にAlからなる入出力端子IT,OT、CpFeからなる磁性体FI,FO、MgOからなるトンネルバリア層TI,TOを順次形成し、この上にCuからなる第1非磁性導体1を形成する。更に、第1非磁性導体1上に、マスクを形成し、マスクの開口内に3層のゲート手段GMを順次形成する。更に、この上に、Cuからなる第2非磁性導体2を形成して、この上に次のマスクを形成し、マスクの開口内にMgOからなるトンネルバリア層CTI,CTO、CoFeからなる磁性体CFI,CFOを順次形成し、この上にAlからなる制御用入力端子CIT、制御用出力端子COTを形成する。各層の隙間はSiOからなる絶縁膜で埋める。
各磁性体FI、FO、CFI,CFOの寸法は、それぞれ200nm×200nmにする。ゲート手段GMは、Co/SiO/Coの3層構造であり、寸法は150nm×150nm、厚さは10nm/10nm/10nmである。第1非磁性導体1及び第2非磁性導体2はCuから構成し、寸法は200nm(幅)×400nm(X方向長)×20nm(厚さ)である。
図14は、この構造のスピントルクトランジスタを製造した場合の電圧−電流特性を示すグラフである。MgOからなる全てのトンネルバリア層の厚さは共通である。MgOの厚さは、0.6nm、1nm、2nmとした。MgOの厚さを0としたものを比較例とする。グラフ中の矢印は、電流増幅率Γを高くするための動作点(バイアス)の位置である。
なお、ソース−ドレイン抵抗RSDに対して、電流を1mA流したときの電圧をVBに設定した。すなわち、設定ベース電圧VBをISD=1mAの電流に対するVSDの値に設定し、設定ベース電圧VBを一定にしたときのVSDとISDの関係をI−V特性として示す。
図14のグラフに示されるデータを以下の表に示す。
Figure 0004867544

Figure 0004867544
なお、導体1,2の面抵抗RA、ソース−ドレイン抵抗RSD及び設定ベース電圧VB(mV)は以下の通りである。
Figure 0004867544
上述のデータによれば、MgOを厚くすると、矢印で示される動作点が高電圧側にシフトする。動作点はグラフの傾きが最小になるところであり、傾きが0になれば、理論上の電流増幅率は無限大となる。また、図14に示したように、MgOを厚くしていくことで、動作電圧VSDを大きくすることができる。MgOを厚くしていくと、同じ出力電流に対してVSDとVBを大きく設定できることがわかる。更に、MgOを使った場合は導体1,2を構成するCuへのスピン注入効率が上がるので、矢印で示される箇所に平らな部分が現れる。MgOがないときの増幅率は10%(Γ=1.1)であったが、本実施例では80%(Γ=1.8)が得られた。
実施の形態に係るスピントルクトランジスタ10の断面構成を示す図である。 CPP−GMRにおけるスピン蓄積の様子を示す図である。 スピントルクトランジスタにおけるスピン蓄積の様子を示す図である。 ゲート手段GM(第1被制御用磁性体GM1)の磁化の向きの変化について説明するための図である。 ゲート手段GMの磁化の向きDと電圧μF、μBに応じて働くトルクT(μF)、T(μB)、T(μF,μB)の関係を示す図である。 電圧比(μF/μB)と角度θとの関係を示すグラフである。 角度θ(deg)と規格化された入力電子流Iの関係を示すグラフである。 強磁性体と非磁性体とを接触させた場合の化学ポテンシャルの変化について説明するためのポテンシャル図である。 電圧比(μF/μB)と規格化された入力電子流I’の関係を示すグラフである。 電圧比(μF/μB)と規格化された入力電子流Iの関係を示すグラフである。 電圧比(μF/μB)と図9の入力電子流I’の微分をとって抵抗RSDで規格化した微分コンダクタンスGSD×RSDのグラフである。 図11のグラフの横軸を角度θにして表したグラフである。 導体に入力される電子のスピン分極率pと最大の電流増幅率Γとの関係を示すグラフである。 スピントルクトランジスタを製造した場合の電圧−電流特性を示すグラフである。
符号の説明
10・・・スピントルクトランジスタ、1・・・第1非磁性導体、IT・・・入力端子、OT・・・出力端子、GM1・・・第1被制御用磁性体、GM・・・ゲート手段、FI・・・入力側磁性体、TI・・・第1トンネルバリア層、FO・・・出力側磁性体、GM2・・・第2被制御用磁性体、BL・・・電流阻止層、2・・・第2非磁性導体、CIT・・・制御用入力端子、COT・・・制御用出力端子、CFI・・・制御用入力側磁性体、CTI・・・第2トンネルバリア層、CFO・・・制御用出力側磁性体。

Claims (3)

  1. 第1非磁性導体に電気的に接続された入力端子及び出力端子を備えるスピントルクトランジスタにおいて、
    前記第1非磁性導体における前記入力端子と前記出力端子との間の電子通過領域に取り付けられ、磁化の向きが制御される第1被制御用磁性体を有するゲート手段と、
    前記入力端子と前記第1非磁性導体との間に介在し、一方向の磁化の向きを有する入力側磁性体と、
    前記入力側磁性体と前記第1非磁性導体との間に介在する第1トンネルバリア層と、
    前記出力端子と前記第1非磁性導体との間に介在し、前記一方向とは逆の磁化の向きの成分を有する出力側磁性体と、
    を備え
    前記ゲート手段は、
    前記第1被制御用磁性体と、
    前記第1被制御用磁性体に静磁結合した第2被制御用磁性体と、
    前記第1及び第2被制御用磁性体間に介在する電流阻止層と、
    を備えることを特徴とするスピントルクトランジスタ。
  2. 前記第2被制御用磁性体に取り付けられた第2非磁性導体と、
    前記第2非磁性導体に電気的に接続された制御用入力端子及び制御用出力端子と、
    前記制御用入力端子と前記第2非磁性導体との間に介在し、前記一方向と直交する磁化の向きの成分を有する制御用入力側磁性体と、
    前記制御用入力側磁性体と前記第2非磁性導体との間に介在する第2トンネルバリア層と、
    前記制御用出力端子と前記第2非磁性導体との間に介在し、前記直交する成分とは逆向きの磁化の向きの成分を有する制御用出力側磁性体と、を備えることを特徴とする請求項1に記載のスピントルクトランジスタ。
  3. 前記電流阻止層は、トンネル効果が生じない厚みの絶縁体からなることを特徴とする請求項1又は2に記載のスピントルクトランジスタ。
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