JP2003161887A - 顕微鏡対物レンズ - Google Patents

顕微鏡対物レンズ

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JP2003161887A JP2001361240A JP2001361240A JP2003161887A JP 2003161887 A JP2003161887 A JP 2003161887A JP 2001361240 A JP2001361240 A JP 2001361240A JP 2001361240 A JP2001361240 A JP 2001361240A JP 2003161887 A JP2003161887 A JP 2003161887A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】対物レンズと標本との間にある媒質の厚さの変
化によって生じる諸収差を補正できる対物レンズにおい
て、像が最も鮮明に見えるレンズの位置を容易に見付け
て観察の効率を向上させることができると共に、性能を
最大限に引き出すことが可能な顕微鏡対物レンズを提供
する。 【解決手段】収差の発生量を変化させるためにレンズ間
隔を変化させる移動レンズ群1を包むレンズ枠1aと、
移動レンズ群1を含む光学系全体を包む鏡枠8とを、そ
れぞれ、個別のばね5,6を介して光軸と平行な向きに
押すと共に、傾きの異なるカム11,12を介して、異
なる移動量で移動させるように構成している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は顕微鏡対物レンズに
関し、詳しくは、対物レンズと観察物体(以下、標本と
称する)との間に介在するカバーガラス、ガラスシャー
レ、又はプラスチック容器等の標本を保持する媒質の厚
さが異なる場合に生じる諸収差を補正可能な顕微鏡対物
レンズに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に顕微鏡対物レンズは、厚さと屈折
率とが規定されたカバーガラスを用いて標本を観察した
ときに、鮮明な像が得られるように設計されている。よ
って、厚さや屈折率が規定から大きく外れたカバーガラ
スを用いて観察したときには、諸収差が発生して鮮明な
像が得られない。この傾向は開口数が大きな対物レンズ
程、顕著に現れる。
【0003】このため、対物レンズの中には、対物レン
ズを構成する一部のレンズ系を光軸に沿って移動させる
ことができる対物レンズがある。この対物レンズは補正
環付き対物レンズと呼ばれ、次のような対物レンズに用
いられる。カバーガラス厚のバラツキにより諸収差の
発生が顕著となる開口数の大きな乾燥系対物レンズ。
例えば、厚さが0.17mmから2mmというように、相
当に広範囲にわたる異なる厚さのカバーガラスを使用す
ることを想定した対物レンズ。これらの補正環付き対物
レンズは、一部のレンズ(あるいはレンズ群)の移動に
より収差を補正できる。そのため補正環なしの対物レン
ズに比べると、様々なカバーガラス厚に対して鮮明な像
が得られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、一部の
レンズを光軸に沿って移動させることにより、様々なカ
バーガラス厚に対して収差補正を行う顕微鏡対物レンズ
は知られている。しかし実際には、このような顕微鏡対
物レンズを用いて収差補正を行うのは容易でなく、熟練
者でなければ、最も像が鮮明に見える位置を見つけるこ
とは不可能である。というのは、収差補正のために、一
部のレンズを移動させると、諸収差の変化と同時に、焦
点位置の変化が生じる。焦点位置の変化が生じると、当
然、像はボケてしまう。ボケた像では収差の補正具合は
把握できないので、顕微鏡の観察者は常に、収差補正の
ための操作と、ピント合わせとを繰り返し行わなければ
ない。
【0005】なお、焦点位置とは近軸光線が光軸と交わ
る位置のことである。無限遠補正型の顕微鏡対物レンズ
では、標本からの光は対物レンズを射出する際に平行光
束になる。よって、焦点位置は近軸像の位置ということ
になる。また、ピント合わせとは、像が最も鮮明に見え
るように対物レンズと標本の位置を調整することであ
る。ここで、収差がほとんど発生していない光学系で
は、像が鮮明に見える位置、すなわちピントが合う位置
(以下、ピント位置という)は近軸像の位置に一致す
る。しかしながら、収差が発生している光学系では、ピ
ントが合う位置は近軸像の位置と必ずしも一致せず、近
軸像の位置とは異なる位置になることもある。したがっ
て、ピント位置は近軸像の位置と一致する場合もある
が、一致しない場合もある。そこで、本明細書では、任
意の収差が発生している状態において、観察者が像が鮮
明に見えると判断した位置をピント位置とする。
【0006】図10、11は従来の補正環付き対物レン
ズにおける調整方法を示した図で、図10、図11の左
側は対物レンズと標本の位置関係を示す説明図、図11
の右側は収差図である。図10、11中、100は先端
レンズ、101は移動レンズ群、102は後方にあるレ
ンズ、103はカバーガラスである。移動レンズ群10
1は、補正環の操作によって光軸に沿って移動する。ま
た、先端レンズ100及び後方のレンズ102は、常時
固定となっている。
【0007】図10(A)はカバーガラス103の厚みが
0.17mmの場合で、移動レンズ群101の位置もカ
バーガラス103の厚みが0.17mmのときの収差補
正位置にセットされている。この状態では、球面収差は
良好に補正されている。次に、(A)の状態で標本を交換
したとする。また、このとき、新たな標本のカバーガラ
ス103の厚みが0.5mmであるとする。すると、
(B)に示すように、カバーガラス103の厚みが異なる
ので、レンズの位置関係が(A)に示す状態のままでは、
像がぼけてしまう。ここで、カバーガラス103の厚み
が0.5mmであることを観察者が知っていれば、(C)
に示すように、カバーガラス103の厚みが0.5mm
のときの収差補正位置に移動レンズ群101を移動させ
ればよい。そして、(D)に示すように、標本位置を移動
させて焦点位置を合わせれば良い。このようにすれば、
カバーガラス103の厚みが0.5mmのときでも、
(A)の場合と同じように、標本の像を観察できる。
【0008】しかしながら、通常、観察者はカバーガラ
スの厚みを知ることができない。そこで、移動レンズ群
101を移動させるのではなく、図11に示すように、
(B)の状態から(E)に示すように標本を移動させてピント
合わせを行う。ところが、(E)の状態では、レンズの位
置関係は図10で示した(A)の状態のままである。すな
わち、レンズの位置関係は、カバーガラスの厚みが0.
17mmのときに最も収差が良好に補正される状態にあ
り、カバーガラスの厚みが0.5mmのときに最も収差
が良好に補正される状態にない。したがって、鮮明な像
が見えているとはいえ、この像は収差が良好に補正され
ていない状態における像であるから、更に鮮明な像が見
えるようにする必要がある。
【0009】そこで、観察者は次に、(F)に示すよう
に、移動レンズ群101を移動させて、収差が良好にな
る位置を探すことになる。しかしながら、移動レンズ群
101を移動させると、焦点位置がずれてしまう。その
ため、(G)に示すように、再び標本を移動させてピント
合わせを行わなければならない。(G)の状態で更に鮮明
な像が得られるという感触を得た場合、更に(H),(I)と
いうように、(F),(G)と同様の操作を繰り返す。
【0010】このとき、収差図を見ればわかるように、
収差曲線の曲がりは少なくなっている。すなわち、収差
量が減少している。しかしながら、収差曲線の根元の位
置が移動している。これは、移動レンズ群101が移動
するたびに、焦点位置がずれることを示している。この
ように、従来の補正環付き対物レンズによる調整では、
補正環を操作して移動レンズ群を移動させるたびに像が
大きくボケる。すなわち、像の鮮明度を連続的に確認で
きない。そのため、像の鮮明度の変化が微小になってく
ると、移動レンズ群101の位置関係の調整をどの時点
で終了すればよいのかを判断するのが困難になる。
【0011】このように、従来の補正環付き対物レンズ
では、収差補正のための操作と、ピント合わせとを繰り
返した場合、像を断続的にしか捉えることができず、ど
の位置が最も鮮明であるのかを正確に判断することが難
しい。このため、従来の補正環付き顕微鏡対物レンズを
用いた顕微鏡観察では、熟練者であっても、最も像が鮮
明に見える位置を見つけることは相当な時間を要し、作
業効率が悪くなっていた。或いは、中途半端に収差補正
された状態で観察が行われ、対物レンズの性能が充分に
発揮されない状況で使われていた。
【0012】なお、収差補正でなく焦点位置を補正する
手段としては、次の2つの方法が知られている。1つ目
の方法は、特開昭63−144317号公報に示されて
いるような、収差補正のために移動する移動レンズ群を
含めた、対物レンズの光学系全体を光軸に沿って移動さ
せて、焦点位置を補正する方法である。2つ目の方法
は、特開平1−307717号公報に示されているよう
な、収差補正のために移動するレンズ群とは異なるレン
ズ群を、収差補正のために移動するレンズ群と同時に移
動させることにより常に焦点位置が一定になるようにす
る方法である。
【0013】本発明は上記問題点に鑑みてなされたので
あり、対物レンズと標本との間にある媒質の厚さの変化
によって生じる諸収差を補正できる対物レンズにおい
て、像が最も鮮明に見えるレンズの位置を容易に見付け
て観察の効率を向上させることができると共に、性能を
最大限に引き出すことが可能な顕微鏡対物レンズを提供
することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本第1の発明による顕微鏡対物レンズは、収差の発
生量を変化させるためにレンズ間隔を変化させる移動レ
ンズ群を包むレンズ枠と、前記移動レンズ群を含む光学
系全体を包む鏡枠とを、それぞれ、個別のばねを介して
光軸と平行な向きに押すと共に、傾きの異なるカムを介
して、異なる移動量で移動させるようにしたことを特徴
とする。
【0015】また、本第2の発明による顕微鏡対物レン
ズは、収差の発生量を変化させるためにレンズ間隔を変
化させる移動レンズ群と、前記移動レンズ群を含む光学
系全体を包む鏡枠とを、光軸に沿って同時に移動させる
機構を備えた顕微鏡対物レンズであって、標本と前記顕
微鏡対物レンズとの間に介在する透明部材の材質の屈折
率をn、前記透明部材の厚さの変化量をΔd、前記透明
部材の厚さの変化量Δdの収差補正をするときの前記顕
微鏡対物レンズの同焦距離の変化量をΔLとしたとき、
次の条件式(1)を満足することを特徴とする。 ΔL > −(n−1)×Δd×α, α≧0.01 …(1) 但し、αは係数である。
【0016】また、本第3の発明による顕微鏡対物レン
ズは、収差の発生量を変化させるためにレンズ間隔を変
化させる移動レンズ群を包むレンズ枠と、前記移動レン
ズ群を含む光学系全体を包む鏡枠とを、それぞれ、個別
のばねを介して押すと共に、傾きの異なるカムを介し
て、異なる移動量で移動させる顕微鏡対物レンズであっ
て、前記傾きの異なるカムを一つの輪状部材に設けるこ
とにより、単一の操作で、前記移動レンズ群と前記移動
レンズ群を含む光学系全体とを光軸に沿って移動させ、
かつ、前記各々のカムを介して、前記移動レンズ群と前
記移動レンズ群を含む光学系全体の移動量が夫々決定さ
れるようにしたことを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】実施例の説明に先立ち、本発明の
原理及び作用について説明する。ここで、実施例の顕微
鏡対物レンズは無限遠補正型である。したがって、焦点
位置は近軸像の位置と一致している。収差補正を困難に
している要因は、収差補正に伴う焦点位置のずれにより
像が大きくボケるので、像が断続的にしか捉えられない
ことにある。そこで本発明では、収差補正を行うと同時
に焦点位置の補正も行い、像が大きくボケるのを防止し
ている。そして、更に追加の補正を加えることで、常に
ピントの合った像が得られ、収差の補正度合いが連続的
に確認できるようにしている。具体的には、対物レンズ
を構成する一部のレンズを移動させると共に、対物レン
ズを構成するレンズ全体を移動させるようにした。
【0018】本発明の顕微鏡対物レンズは、移動レンズ
群が移動する点では従来の補正環付き対物レンズと同じ
である。しかしながら、移動レンズ群が移動する際、対
物レンズ全体(対物レンズを構成するレンズ)が同時に
移動する点で異なる。この様子を図1に示す。図1は本
発明の補正環付き対物レンズにおける一調整方法を示し
た図であり、左側は対物レンズと標本の位置関係を示す
説明図、右側は収差図である。図1中、100は先端レ
ンズ、101は移動レンズ群、102は後方にあるレン
ズ、103はカバーガラスである。図1において、(B)
は図11の(B)と同じである。また、(E)は図11の(E)
と同じである。本発明の顕微鏡対物レンズにおいても、
(E)の状態から収差補正を行う。なお、(J)は途中の状
態、(K)は最終的な状態を示している。
【0019】本発明においても、(E)の状態から収差補
正を行うために、移動レンズ群101を光軸に沿って移
動させるが、同時に先端レンズ100と後方のレンズ1
02も光軸に沿って移動させる。その結果、収差図を見
るとわかるように、収差曲線の曲がりが減少しているの
で収差が良くなる方向に補正されたことがわかる。更
に、収差曲線の根元を見ると、その位置は変化していな
い。すなわち、焦点位置が一定に保たれていることがわ
かる。同様に、(J)の状態から(K)の状態にしたときも収
差が良くなる方向に補正され、かつ、収差曲線の根元の
位置は変化していない。なお、図1では、移動レンズ群
101の移動と、先端レンズ100と後方のレンズ10
2の移動が別々に生じているように見える。しかしなが
ら、実際は(E)の状態でとで示した動きが同時に
生じ、その結果(J)の状態になる。同様に、(J)の状態で
’と’で示した動きが同時に生じ、その結果(K)の
状態になる。
【0020】すなわち、本発明の顕微鏡対物レンズは、
移動レンズ群101の移動によって焦点位置が移動する
のを、先端レンズ100と後方のレンズ102(レンズ
系全体)の移動によって防いでいる。したがって、(C)
から(E)までの間の状態について図10と比べると、標
本は全く移動していない。すなわち、収差補正のために
補正環を回しても、ステージを上下させる必要はない。
焦点位置の移動がなくなることで像の大きなボケはなく
なるが、ピントの合った像を得るには、更に補正が必要
である。この点については後述するが、先端レンズ10
1と後方のレンズ102はこの補正のためにも移動す
る。なお、図1では、移動レンズ群101の移動方向
と、先端レンズ100及び後方のレンズ102の移動方
向とが逆になっている。ただし、このように逆向きに移
動するとは限らない。
【0021】また、本第1の発明では、移動レンズ群を
包むレンズ枠と、対物レンズの光学系全体を包む鏡枠と
を、共に個別のばねで傾きの異なるカムに押し当てる構
造としている。そのため、特開昭63−144317号
公報に示された移動レンズ群の移動量をネジの送りによ
って与える場合と比べると、本第1の発明ではネジのバ
ックラッシュによる作動の誤差が生じることがない。ま
た、本第2の発明は、収差補正操作に伴うピントずれが
生じないために、追加補正量が必要であることを示した
ものである。更に、本第3の発明は、コンパクトな構成
を達成するレイアウトと、それに必要な部材構造を示し
たものである。以下、本発明を実施形態を用いて具体的
に説明する。
【0022】図2は本発明による顕微鏡対物レンズの一
実施形態を示す断面図である。収差補正のための移動レ
ンズ群1は、レンズ枠1aに包まれて(保持されて)い
る。また、移動レンズ群1を含む対物レンズの光学系全
体は、鏡枠8に包まれて(保持されて)いる。そして、
レンズ枠1aと鏡枠8は、それぞれ個別のばね5、6を
介して図示しない標本側(紙面において左側)に押され
ている。レンズ枠1aは、ピン3に繋がれている。ピン
3は、カムリング2に形成された所定の傾きを持つカム
11に押し当てられている。また、鏡枠8は、ピン4に
繋がれている。ピン4は、カムリング2に形成された、
カム11とは傾きの異なるカム12に押し当てられてい
る。
【0023】カムリング2には、図3(a),(b)に示すよ
うに、カム11、カム12及び開口13が設けられてい
る。カム11の傾きは移動レンズ群1を包むレンズ枠1
aの移動量を決定し、カム12の傾きは、移動レンズ群
1を含む対物レンズの光学系全体を包む鏡枠8の移動量
を決定する。また、開口13は、図2に示すように、ス
トッパーピン10を介在させており、ストッパーピン1
0が開口13の端部で当接することにより、カムリング
2の回転範囲を規制するように形成されている。
【0024】このような構成においては、レンズ枠1a
をピン3を介してカム11に押し当てるばね5の装備力
量と、鏡枠8をピン4を介してカム12に押し当てるば
ね6の装備力量との関係が重要となる。ばねの装備力量
Fは、ばね常数Kとばねのたわみ量δから求められ、F=K
・δの関係にある。収差補正により、レンズ枠1aや鏡
枠8が移動すると、これらを押しているばね5,6のた
わみ量が変化する。また、レンズ枠1aを押すばね5の
装備力量F1は、移動レンズ群1とレンズ枠1aとを合
わせた質量M(kg)を十分に支えることができる必要
がある。同様に、鏡枠8を押すばね6の装備力量F2
は、対物レンズの光学系全体と鏡枠8とを合わせた質量
M’(kg)を十分に支えることができる必要がある。
そのため、ばね5,6のたわみが最も小さくなる位置に
おいても、ばね5はM×15N(ニュートン)以上の装
備力量を有し、ばね6はM’×15N(ニュートン)以
上の装備力量を有している必要がある。
【0025】また、移動レンズ群1が移動する際には、
レンズ枠1aと鏡枠8との間で摩擦が生じる。そこで、
常にピントが合った状態を保つためには、この摩擦によ
って鏡枠8が引き摺られて移動しないようにする必要が
ある。そのため、レンズ枠1aを押すばね5の装備力量
F1に対して、鏡枠8を押すばね6の装備力量F2が充
分に大きくなければはならない。このため、本発明にお
いては、次の条件式(2)を満たす必要がある。 2×F1 < F2 …(2)
【0026】条件式(2)を満たすと、レンズ枠1aと鏡
枠8との摩擦によって、対物レンズの光学系全体を包む
鏡枠8が引き摺られて移動することがない。そのため、
収差補正とピント補正とを同時に機能させることが可能
となる。但し、レンズ枠1aと鏡枠8とが接する表面は
摩擦係数が小さく、充分に滑らかで、スムーズに摺動す
る摩擦係数を備えていることを前提とする。
【0027】更に、最適なばねの装備力量について説明
する。収差補正の操作は、図2に示すカムリング2に繋
がれた輪状部材(環状部材)7の外周に設けられた操作
部7aを、光軸を中心とした回転方向に回して行う。こ
の際に対物レンズの光学系全体を包む鏡枠8を押してい
るばね6によって押し出される方向と、ばね6を押し縮
める方向とでは、操作に必要な力量が異なる。この操作
に必要な力量が異なることは、機能的には差し支えない
が、より良好な使用感を保つためには、回転方向の違い
による操作力量の差が小さいことが望ましい。よって対
物レンズの光学系全体を包む鏡枠8をカム12に押し当
てるばね6の装備力量F2は小さいことが望ましく、よ
り具体的には、8N(ニュートン)以下であることが望
ましい。
【0028】本発明では焦点位置を一定に保ったうえ
で、ピント位置の補正を行うことを特徴とする。そこ
で、ピント位置の補正を行う際の補正量を、いかに定め
るかが重要になる。一般に顕微鏡システムでは、低倍率
から高倍率の対物レンズまで、同焦距離が一定であるこ
とが理想的である。しかし、本発明では、あえて同焦距
離を一定に保たないことを特徴としている。ここで、同
焦距離とは、対物レンズを顕微鏡本体(レボルバ)に取
り付けたときの取り付け面から標本面までの距離であ
り、通常は対物レンズの倍率に依らず、同一の値で設計
される。但し、生物観察用の対物レンズなどでは、対物
レンズと標本との間にカバーガラス等の標本を保持する
媒質が介在する。この場合、対物レンズは、媒質の厚み
を空気換算長にして設計される。そのため、カバーガラ
ス厚の設定が異なる対物レンズでは、同焦距離の実寸法
は僅かに異なる。また、顕微鏡観察においては、特殊な
例として、顕微鏡本体との取り付け面から、標本面まで
の距離が全く異なる(例えば45mmと60mm等の)
対物レンズ同士を観察に用いることもある。
【0029】顕微鏡使用者が実際に収差補正を行う場面
を想定すると、カバーガラスの厚さが正確には判らな
い。そのため、上述のように、顕微鏡使用者は先ず収差
補正が不十分な状態においてピント合わせを行い、その
後に収差補正のための操作を行うと考えられる。しか
し、収差補正が不十分な状態においては、近軸像の位置
とは異なる位置でピントが合っているように見えてしま
う。図5は収差補正が不十分な状態の顕微鏡対物レンズ
における収差図である。図5の収差図において符号24
で示した位置は、近軸像の位置である。収差補正が十分
な状態においては、ピント位置はこの近軸像の位置24
とほぼ一致する。ところが、収差補正が不十分な状態に
おいては、符号24で示した位置とは異なる位置、すな
わち符号25で示す位置でピントが合っているように見
える。同焦距離が一定となる設計を行った場合には、移
動レンズ群の位置がどこであっても、近軸像の位置は常
に一定となる。しかしながら、収差補正が不十分なとき
では、ピント位置と近軸像の位置が一致しない。しか
も、移動レンズ群の各位置における収差の発生量はそれ
ぞれ異なるので、各位置におけるピント位置と近軸像の
位置のずれも異なる。そのため、同焦距離が一定となる
設計を行っただけでは、収差補正に伴うピント位置のず
れを完全になくすことが出来ず、収差の補正度合いを連
続的に確認するという目的が充分に果たせなくなる。
【0030】そこで、本発明においては、移動レンズ群
を含む光学系全体を包む鏡枠の移動量に、次の条件式
(1)で与えられる追加補正量を含ませることが望まし
い。 ΔL > −(n−1)×Δd×α, α≧0.01 …(1) 但し、ΔL=追加補正量(=対物レンズの同焦距離の変
化量)、nは標本と対物レンズの間に介在する透明部材
の材質の屈折率、Δdは前記透明部材の厚さの変化量、
αは係数である。ここで、標本と対物レンズの間に介在
する透明部材とは、カバーガラス、シャーレ等である。
【0031】このように、本発明では、追加の補正量を
加えているので、対物レンズの同焦距離は一定ではなく
なる。すなわち、同焦距離を、収差補正の状態に応じて
ΔL分だけ変化させている。この結果、収差補正に伴う
合焦位置のずれを、ほぼ問題ないレベルに抑えることが
できる。なお、本発明の条件式(1)において、補正量Δ
Lに係数αとして0.01以上の値を掛けているが、こ
の値は対物レンズの開口数(NA)や対物レンズの使用
波長、更には設計上の収差レベルにより変化するので、
一概に定めることは出来ない。この係数αはNAが大き
な対物レンズである程、大きくなる傾向がある。したが
って、上記係数αは開口数の大きな対物レンズになるほ
ど大きな値を設定するのが好ましい。ただし、レンズ設
計のタイプに依っても変化するので、レンズタイプごと
に適切な値を設定するのが好ましい。例えば、可視域全
体にわたって良く収差補正されたNAが0.6の40倍
対物レンズにおいては、約0.03の係数値が得られた
が、NAが0.9の40倍対物レンズにおいては、約
0.30の係数値が得られた。このように、上記係数
は、対物レンズのタイプや仕様によって様々に変化す
る。但し、係数が0.01より小さくなるようなケース
では、特にこの補正量ΔLを見込まなくとも、殆どピン
トずれの無い対物レンズが得られるので、常に同焦距離
が一定となる設計であっても、充分に本発明の目的を果
たすことができる。
【0032】本発明を構成する上で、最も重要であり特
徴的な構成要素が、図4に示したカムリング2である。
本実施形態では、移動レンズ群1と対物レンズの光学系
全体を包む鏡枠8の移動量を決定する2つのカム11,
12が、一つの輪状部材であるカムリング2にほぼ対向
配置されている。そのため、本実施形態では、移動機構
の部品点数を少なくすることができる。それにより、小
さいスペース内で移動機構を構成することができる。
【0033】上述のカムリング2は、対物レンズの外周
に露出する輪状部材7に繋がれている。そして、その外
周に露出した輪状部材7の操作部7aを、光軸を中心に
回すことによりカムリング2を回転させる。これによ
り、カム11に接するピン3を介して、移動レンズ群1
を包むレンズ枠1aに所定の移動量を与えると同時に、
カム12に接するピン4を介して対物レンズの光学系全
体を包む鏡枠8に別の所定の移動量を与えるようになっ
ている。
【0034】なお、本発明に用いるカムリング2は、2
つのカム11,12を2つの異なる部材で構成しても良
い。そして、それぞれが外周に露出した輪状部材7に繋
がれ、この輪状部材7の操作部7aを回すことにより2
つのカム11,12を回転させるように構成しても機能
的には差し支えない。
【0035】また、図4に本発明の他の実施形態として
示すように、カムリング2と外周に露出する輪状部材7
とを一体に構成した部材9を用いることにより、更に部
品点数が少ない構成とすることも可能である。
【0036】なお、本発明において、2つのカム11,
12を円周上で対向する向きに配置する主な理由は、省
スペース化のためである。スペースに充分な余裕が有る
場合には、上記カムを円周上の任意の位置に設けてもよ
い。なお、図2及び図4中、符号14〜23は、対物レ
ンズを構成するレンズである。
【0037】
【実施例】次に、本発明の具体的な実施例を示す。な
お、本実施例において移動レンズ群及び鏡枠を移動させ
る構成は図2又は図4の構成に基づいている。図6は本
実施例における対物レンズのレンズ構成を示す光軸に沿
う断面図であり、標本と対物レンズとの間に介在するガ
ラス31の厚さが、(a)は0mm、(b)は1mm、(c)は
2mmのときの状態を示している。図7は図6の対物レ
ンズにおける標本と対物レンズとの間に介在するガラス
31の球面収差が変化したときの球面収差を示すグラフ
であり、(a)は0mm、(b)は1mm、(c)は2mmのと
きの球面収差の様子を示している。図8は本実施例に用
いる結像レンズのレンズ構成を示す光軸に沿う断面図で
ある。
【0038】本実施例では、NAが0.6で40倍の対
物レンズを構成している。この対物レンズは、標本の像
を無限遠方に投影し、結像レンズと適度な空気間隔を隔
てて配置することにより、観察像を形成するようになっ
ている。また、本実施例の顕微鏡においては、対物レン
ズと結像レンズとは90mm間隔があいている。そして
本実施例では、ガラス31の厚さがどのような厚さであ
っても、第3レンズ群1が移動することにより、レンズ
16とレンズ17との間隔が変化して収差が補正される
ようになっている。
【0039】次に、本実施例に用いる対物レンズ及び結
像レンズのそれぞれについて、構成する光学部材のレン
ズデータを示す。なお、本実施例の数値データにおい
て、r1、r2、…は各レンズ面の曲率半径、d1、d2
…は各レンズの肉厚または空気間隔、nd1、nd2、…は
各レンズのd線での屈折率、νd1、νd2、…は各レンズ
のアッべ数を表している。また、D19はピント補正量
であって、ガラス31の厚さが0mmのときのレンズ最
終面の位置を基準位置としたとき、この基準位置から厚
さの変化に伴ってレンズが移動した際のレンズ最終面ま
での距離である(図9)。
【0040】 対物レンズのレンズデータ r0=∞(標本面) d0=0. nd0=1.333 νd0=55.8 r1=∞ d1=D1 nd1=1.523 νd1=59.9 r2=∞ d2=D2 nd2=1. r3=-11.591 d3=2.000 nd3=1.755 νd3=52.3 r4=-6.165 d4=0.650 nd4=1. r5=-85.011 d5=1.200 nd5=1.529 νd5=51.7 r6=13.187 d6=4.300 nd6=1.439 νd6=95.0 r7=-8.807 d7=D7 nd7=1. r8=13.654 d8=4.500 nd8=1.497 νd8=81.5 r9=-26.612 d9=D9 nd9=1. r10=159.279 d10=1.100 nd10=1.755 νd10=52.3 r11=6.639 d11=5.140 nd11=1.439 νd11=95.0 r12=-6.639 d12=1.100 nd12=1.613 νd12=43.8 r13=-18.132 d13=0.300 nd13=1. r14=6.668 d14=5.100 nd14=1.497 νd14=81.5 r15=-8.620 d15=5.770 nd15=1.529 νd15=51.7 r16=5.168 d16=2.490 nd16=1. r17=-3.186 d17=2.980 nd17=1.678 νd17=55.3 r18=9.254 d18=3.060 nd18=1.596 νd18=39.2 r19=-6.290 d19=D19 nd19=0 ガラス31の厚さ(mm) 0 1 2 D1 0. 1.000 2.000 D2 4.698 4.008 3.316 D7 1.850 1.240 0.464 D9 1.915 2.525 3.301 D19 0 -0.050 -0.100
【0041】 結像レンズのレンズデータ r1=∞(対物レンズの最も像側の面、図示せず) d1=90.00 nd1=1. r2=68.754 d2=7.732 nd2=1.48749 νd2=70.21 r3=-37.567 d3=3.474 nd3=1.80610 νd3=40.95 r4=-102.847 d4=0.697 nd4=1. r5=84.309 d5=6.023 nd5=1.83400 νd5=37.16 r6=-50.710 d6=3.029 nd6=1.64450 νd6=40.82 r7=40.661
【0042】上述の本発明の対物レンズでは、ΔL =
(n−1)×Δd×0.03 の追加補正を行うと収差
補正に伴うピントずれが生じない。また、ガラス厚の変
化に伴う作動距離の変化が、ガラス厚変化の空気換算光
路長(=厚さ変化量/ガラスの屈折率)と近いことも、
このレンズタイプの特徴である。本実施例では、上記レ
ンズデータより、ガラス31の厚さの変化量が2mmの
時、空気換算光路長が1.313mm(=2/1.52
3mm)変化するのに対して、作動距離の変化量は1.
382mm(=4.698−3.316)となる。これ
はピント補正を行わない場合でも、収差補正を行った際
に生じるピントずれが小さいことを意味している。従っ
て、本実施例の対物レンズによれば、何らかの理由によ
り、ピント補正が正確に作動しない場合でも、急激にピ
ントがずれることが無いというメリットがある。
【0043】また、ピント補正量は以下のようになる。 ピント補正量=カバーガラス厚の変化量(空気換算長)
−作動距離の変化量+追加補正量 したがって、本実施例では対物レンズのカバーガラス厚
の補正範囲が0mmから2mmなので、例えば、カバー
ガラス厚が0mmから2mmに変化した時のピント補正
量は以下のようになる。 カバーガラス厚の変化量(空気換算長)=1.313mm 作動距離の変化量=1.382mm 追加補正量=−(1.523−1)×2×0.03=−0.031mm ピント補正量=1.313−1.382+(−0.031) =−0.100mm
【0044】以上説明したように、本発明の顕微鏡対物
レンズは、特許請求の範囲に記載された発明の他に、次
に示すような特徴も備えている。
【0045】(1)前記移動レンズ群を包むレンズ枠を
押すばねの力量をF1、前記光学系全体を包む鏡枠を押
すばねの力量をF2としたとき、次の条件式を満足する
ことを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡対物レンズ。 2×F1 < F2
【0046】(2)前記各々のカムは、前記輪状部材の
円周上で対向配置されていることを特徴とする請求項3
に記載の顕微鏡対物レンズ。
【0047】(3)前記移動レンズ群を含む光学系全体
を包む鏡筒の移動量が、標本と対物レンズの間に介在す
る透明部材の厚みの変化量(空気換算長)−作動距離の
変化量+追加補正量で設定されていることを特徴とする
請求項1又は3に記載の顕微鏡対物レンズ。
【0048】(4)前記追加補正量は、所定の係数を乗
じて得られる量であって、対物レンズの開口数が大きく
なるほど該係数の値を大きくして得られることを特徴と
する上記(3)に記載の対物レンズ。
【0049】(5)同焦距離が変化することを特徴とす
る請求項1又は3に記載の顕微鏡対物レンズ。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、従来の収差補正機構付
き対物レンズを比べても、特別に多くの部品を要するこ
とも無く、対物レンズの大型化を招くことも無く、収差
補正とピント補正とが同時に行われる対物レンズが構成
可能となる。これにより、収差補正の際には、連続して
収差の変化を捉えることが可能となるので、顕微鏡使用
者は容易に、像が最もシャープに見える位置を見付ける
事が可能となる。よって、従来の製品に比べ、格段に観
察の効率が向上すると共に、対物レンズの性能を最大限
に引き出すことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の補正環付き対物レンズにおける調整方
法の過程の一部を示した図であり、左側は対物レンズと
標本の位置関係を示す説明図、右側は収差図である。
【図2】本発明による顕微鏡対物レンズの一実施形態を
示す断面図である。
【図3】図2の顕微鏡対物レンズに用いられるカムリン
グの構成を示す斜視図であり、(a)は一方のカム側から
みた図、(b)は他方のカム側からみた図である。
【図4】本発明による顕微鏡対物レンズの他の実施形態
を示す断面図である。
【図5】収差補正が不十分な状態の顕微鏡対物レンズに
おける収差図で、近軸像の位置とピント位置が異なるこ
とを示す図である。
【図6】本実施例における対物レンズのレンズ構成を示
す光軸に沿う断面図であり、標本と対物レンズとの間に
介在するガラス31の厚さが、(a)は0mm、(b)は1m
m、(c)は2mmのときの状態を示している。
【図7】図6の対物レンズにおける標本と対物レンズと
の間に介在するガラス31の球面収差が変化したときの
球面収差を示すグラフであり、(a)は0mm、(b)は1m
m、(c)は2mmのときの球面収差の様子を示してい
る。
【図8】本実施例に用いる結像レンズのレンズ構成を示
す光軸に沿う断面図である。
【図9】本実施例におけるピント補正量を示す説明図で
ある。
【図10】従来の補正環付き対物レンズにおける一調整
方法を示した図で、対物レンズと標本の位置関係を示す
説明図である。
【図11】従来の補正環付き対物レンズにおける他の調
整方法を示した図であり、左側は対物レンズと標本の位
置関係を示す説明図、右側は収差図である。
【符号の説明】
1 移動レンズ群 1a 移動レンズ群を包むレンズ枠 2 カムリング 3 移動レンズ群を包むレンズ枠に繋がれた
ピン 4 対物レンズの光学系全体を包む鏡枠に繋
がれたピン 5 移動レンズ群を包むレンズ枠を押すばね 6 対物レンズの光学系全体を包む鏡枠を押
すばね 7 輪状部材 7a 操作部 8 対物レンズの光学系を包む鏡枠 9 カムリングと操作部とが一体になった部
材 10 ストッパー 11 移動レンズ群を包むレンズ枠に動きを与
えるカム 12 対物レンズの光学系全体を包む鏡枠に動
きを与えるカム 13 開口 14,15,16,17,18,19,20,21,2
2,23レンズ 24 設計上のピント位置(近軸のピント位
置) 25 見かけのピント位置 31 カバーガラス 100 先端レンズ 101 移動レンズ群 102 後方にあるレンズ 103 カバーガラス
フロントページの続き Fターム(参考) 2H052 AB08 2H087 KA09 LA01 LA21 NA01 PA02 PA06 PA08 PA16 PA19 PB04 PB11 PB15 QA02 QA03 QA06 QA07 QA12 QA14 QA22 QA25 QA34 QA39 QA41 QA42 QA46 RA42 UA04 UA06

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 収差の発生量を変化させるためにレンズ
    間隔を変化させる移動レンズ群を包むレンズ枠と、前記
    移動レンズ群を含む光学系全体を包む鏡枠とを、それぞ
    れ、個別のばねを介して光軸と平行な向きに押すと共
    に、傾きの異なるカムを介して、異なる移動量で移動さ
    せるようにしたことを特徴とする顕微鏡対物レンズ。
  2. 【請求項2】 収差の発生量を変化させるためにレンズ
    間隔を変化させる移動レンズ群と、前記移動レンズ群を
    含む光学系全体を包む鏡枠とを、光軸に沿って同時に移
    動させる機構を備えた顕微鏡対物レンズであって、標本
    と前記顕微鏡対物レンズの間に介在する透明部材の材質
    の屈折率をn、前記透明部材の厚さの変化量をΔd、前
    記透明部材の厚さの変化量Δdの収差補正をするときの
    前記顕微鏡対物レンズの同焦距離の変化量をΔLとした
    とき、次の条件式を満足することを特徴とする顕微鏡対
    物レンズ。 ΔL > −(n−1)×Δd×α, α≧0.01 但し、αは係数である。
  3. 【請求項3】 収差の発生量を変化させるためにレンズ
    間隔を変化させる移動レンズ群を包むレンズ枠と、前記
    移動レンズ群を含む光学系全体を包む鏡枠とを、それぞ
    れ、個別のばねを介して押すと共に、傾きの異なるカム
    を介して、異なる移動量で移動させる顕微鏡対物レンズ
    であって、 前記傾きの異なるカムを一つの輪状部材に設けることに
    より、単一の操作で、前記移動レンズ群と前記移動レン
    ズ群を含む光学系全体とを光軸に沿って移動させ、か
    つ、前記各々のカムを介して、前記移動レンズ群と前記
    移動レンズ群を含む光学系全体の移動量が夫々決定され
    るようにしたことを特徴とする顕微鏡対物レンズ。
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