JP2003161717A - ガスセンサ - Google Patents
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Abstract
一かつ迅速な応答性とが両立できるガスセンサを提供す
る。 【解決手段】 プロテクタ6をなす第一筒状部6bと第
二筒状部6aとの間に形成される空間を、軸線O方向に
おいて前方側空間G1と後方側空間G2とに仕切る仕切
り壁部59が設けられる。また、第二側ガス流通口63
が前方側空間G1に、第一側ガス流入口60,61が後
方側空間G2に、それぞれ開口する形態にて形成され
る。軸線O方向において、円錐状面をなす第一筒状部6
bの前端部164の後端位置から、第二筒状部6aの側
壁面前端位置までの区間を流通口形成対象区間Kとす
る。また、第二筒状部6aの側壁面周方向に沿って設定
され、前記流通口形成対象区間Kを軸線方向長さとする
帯状の領域を流通口形成対象領域とする。その流通口形
成対象領域において、その第二側ガス流通口63の合計
開口面積をSp、それ以外の壁部形成部分の合計面積を
Siとして、SpをSiよりも大きく設定する。
Description
センサ、NOxセンサなど、測定対象となるガス中の被
検出成分を検出するためのガスセンサに関する。
成分を検出する検出部が前端に形成された棒状ないし筒
状の検出素子を、金属製のケーシングの内側に配置した
構造のものが知られている。このようなガスセンサにお
いては、測定雰囲気中に位置する検出部を覆うプロテク
タが設けられている。プロテクタの側壁部にはガス流通
孔が形成され、排気ガス等の被測定ガスはこのガス流通
孔からプロテクタ内に導かれ、検出部と接触する。
は、被測定ガス中の水滴や油滴あるいは汚れ等に対し
て、さらにプロテクタの壁部表面や内部空間で凝縮した
凝縮水の侵入(以下、耐飛水性という)に対して検出部
の保護機能を高めるため、該プロテクタを内外2つの筒
状部からなる二重構造としたものも多く使用されてい
る。このような二重構造のプロテクタにおいては、内外
の筒状部の側壁部にそれぞれガス入口を形成し、被測定
ガスはまず外側の筒状部のガス入口を通り、次いで内側
の筒状部のガス入口を通って検出部に到達する形とな
る。しかし、このような二重構造のプロテクタにおいて
は、検出部の保護機能は高められるが、壁部が二重とな
る分だけガス流通に対する抵抗が増大し、例えばプロテ
クタ外側とプロテクタ内部空間との間での被測定ガスの
交換速度も小さくなることが多い。そのため、測定雰囲
気中の被測定成分の濃度が急激に変化した場合等におい
ては、応答に遅れが出やすいという構造上の問題があ
る。
の問題として、検出部がセラミック積層体の一方の面に
のみガス検知面が形成されている場合、被測定ガスの流
入方向によって検出感度に差を生じてしまう欠点があ
る。
多重構造プロテクタが、例えば特開2000−3047
19号公報あるいは特開2001−99807号の各公
報に提案されている。これら公報のプロテクタでは、外
側筒状部から導入される被検出ガスを内側筒状部の周速
面先端部に沿って流通させ、該内側筒状部の先端面に形
成されたガス排出孔付近を負圧状態にする。そして、そ
の負圧による吸引力により、内側筒状部の周方向に形成
された複数のガス流通口からガスを流入させる。なお、
内側筒状部へのガス流入は、負圧発生のために外側筒状
部に導入されるガスの一部が分配される形でなされる。
該構成によると、多重構造であるにも拘わらず、検出部
が配置される内側筒状部の内部空間のガス交換が負圧吸
引力より促進され、良好な応答性が確保できる。さら
に、周方向に形成された複数のガス流通口から、負圧効
果によりガスを一斉にかつ均等に流入させることができ
るため、前記した板状の検出部のように感度の方向依存
性が大きい場合でも、常に安定した検出感度を確保でき
る利点がある。
報の構造には以下のような問題点がある。 特開2001−99807号公報の構成は、内側筒状
部と外側筒状部との隙間空間が一体になっているので、
外側筒状部の前端部から流入したガスが、負圧発生用の
流れと、内側筒状部内に向かう流れとに分配される際
に、渦流や乱流発生による阻害を受けやすい。具体的に
は、先端部に沿って流れる負圧発生用のガス流から、内
側筒状部の周側面後方側に形成されたガス流入口に向か
うガス流を分岐させ、内側筒状部内へガスを流入させる
ことになる。しかし、隙間空間が一体になっているた
め、内側筒状部内に供給し切れない分配ガス流が旋回し
て前端側に戻ってきやすく、さらに内側筒状部からのガ
ス排出の流れも加わるので、流れに乱れを生じやすくな
る。 特開2000−304719号公報の構成では、内側
筒状部と外側筒状部との隙間空間を軸線方向に仕切る中
間筒状部が設けられているので、負圧発生用の流れと、
内側筒状部内に向かう流れとの分離効果が高められ、上
記の問題点を解決するための手段が講じられている。
しかし、外側筒状部には、他の従来のプロテクタと同様
の、円形のガス流入口がまばらに形成されているのみで
あるから、負圧吸引効果が不足しやすい懸念がある。
を採用しつつも、内側筒状部内部のガス交換速度を一層
高めることができ、均一かつ迅速な応答性を実現できる
ガスセンサを提供することにある。
は、検出素子の軸線方向前端側に形成された検出部と、
これを覆うプロテクタとを備えたガスセンサにおいて、
上記課題を解決するために以下のように構成されことを
特徴とする。 プロテクタが、第一筒状部と、該第一筒状部の外側に
軸線に関して同軸状に配置される第二筒状部とを備え
る。 第二筒状部の外周面には、第一筒状部の前端部外周面
を経て軸線と交差する向きに被検出ガスを流通させるた
めの長方形状の第二側ガス流通口が周方向に複数形成さ
れる。 第一筒状部の外周面には、検出部が位置する自身内部
の検出空間に被検出ガスを導入するための第一側ガス流
入口が形成される。また、第一筒状部の前端面には検出
空間から被検出ガスを排出するための第一側ガス排出口
が形成される。 第一筒状部と第二筒状部との間に形成される空間を、
軸線方向において前方側空間と後方側空間とに仕切る仕
切壁部が設けられる。そして、第二側ガス流通口が前方
側空間に、第一側ガス流入口が後方側空間に、それぞれ
開口する形態にて形成される。 後方側空間に被検出ガスを導入するためのガス導入経
路が、仕切壁部と第二筒状部との少なくともいずれかに
形成される。 第一筒状部は、円筒状の外周面を有する本体部と、
該本体部よりも径小の前端部とを有する。 上記前端部の後端位置から、第二筒状部の側壁面前端
位置までの区間を流通口形成対象区間とし、また、仕切
壁部の前端位置から第二側ガス流通口の前端位置までの
区間を、実質的流通口形成区間とし、第二筒状部の側壁
面周方向に沿って設定され、流通口形成対象区間を軸線
方向長さとする帯状の領域を流通口形成対象領域とし
て、流通口形成対象領域における、隣り合う第二側ガス
流通口の間をなす間隔形成部の周方向における長さの合
計が、第二側ガス流通口の周方向における長さの合計よ
り小さく、かつ、流通口形成対象区間の軸線方向長さ
が、実質的流通口形成区間の軸線方向長さの2倍より小
さく設定されてなる。
ロテクタとすることにより、耐飛水性が向上する。ま
た、及びのように構成することで、第一側ガス排出
口における負圧吸引により、検出空間に対し周方向の第
一側ガス流入口から均等にガスを流入でき、検出部感度
の方向依存性を抑制できる。そして、及びの構成に
より、負圧発生用の流れと、内側筒状部内に向かう流れ
との分離効果が仕切壁部により高められ、渦流や乱流発
生が抑制されるので、検出空間のガス交換効率が向上し
検出感度及び応答性が高められる。さらに、のような
径小の前端部を第一筒状部に形成することで、第一側ガ
ス排出口近傍に発生する負圧吸引力を寄り高めることが
でき、ガス交換効率の向上に寄与する。
流通口形成対象領域において、その第二側ガス流通口の
周方向における長さの合計が間隔形成部の長さの合計よ
り大きく、実質的流通口形成区間の軸線方向長さの2倍
が、流通口形成対象区間の長さより大きく設定する点に
特徴がある。このようにすると、第二側ガス流通口の形
成面積が大幅に増大し、負圧発生のためのガス流量を高
めることができるとともに、第一側ガス排出口から第二
側ガス流通口を経た外部へのガス排出もスムーズとな
り、検出空間のガス交換効率が飛躍的に高められる。そ
の結果、センサの感度及び応答性の大幅な向上を図るこ
とができる。
に示す実施例を参照して説明する。図1には、この発明
のガスセンサの一実施例として、自動車等の排気ガス中
の酸素濃度を検出する酸素センサ1を示している。この
酸素センサはλ型酸素センサと通称されるもので、細長
い板状のセラミック素子2(検出素子)が主体金具3に
固定された構造を有している。そして、該主体金具3の
外周面に形成された取付ネジ部3aにより、前端側の検
出部Dが排気管内に位置するように取り付けられ、該排
気管内を流れる被測定ガスとしての高温の排気ガスに晒
される。なお、本明細書では、主体金具3の軸線方向に
おいて検出部Dの突出側を「前方側(あるいは前端
側)」、これと反対側を「後方側(あるいは後端側)」
として説明を行なう。
し、図2(a)に示すように、それぞれ横長板状に形成
された酸素濃淡電池素子21と、該酸素濃淡電池素子2
1を所定の活性化温度に加熱するヒータ22とが積層さ
れたものとして構成されている。なお、酸素濃淡電池素
子21は、ジルコニア等を主体とする酸素イオン伝導性
固体電解質により構成されている。他方、ヒータ22は
公知のセラミックヒータで構成されている。
25,26には、その長手方向に沿って酸素センサ1の
取付基端側に向けて延びる電極リード部25a,26a
がそれぞれ一体化されている。このうち、ヒータ22と
対向しない側の電極25からの電極リード部25aは、
その末端が電極端子部7として使用される。一方、ヒー
タ22に対向する側の電極26の電極リード部26a
は、図2(c)に示すように、酸素濃淡電池素子21を
厚さ方向に横切るビア26bにより反対側の素子面に形
成された電極端子部7と接続されている。すなわち、酸
素濃淡電池素子21は、両多孔質電極25,26の電極
端子部7が電極25側の板面末端に並んで形成される形
となっている。上記各電極、電極端子部及びビアは、P
t又はPt合金など、酸素分子解離反応の触媒活性を有
した金属粉末のペーストを用いてスクリーン印刷等によ
りパターン形成し、これを焼成することにより得られる
ものである。
3に通電するためのリード部23a,23aも、図2
(d)に示すように、ヒータ22の酸素濃淡電池素子2
1と対向しない側の板面末端に形成された電極端子部
7,7に、それぞれビア23bを介して接続されてい
る。酸素濃淡電池素子21とヒータ22とは、図2
(b)に示すように、ZrO2系セラミックあるいはA
l2O3系セラミック等のセラミック層27を介して互
いに接合される。そして、酸素濃淡電池素子21は、接
合側の多孔質電極(酸素基準側多孔質電極)26が、微
小なポンピング電流の印加により酸素基準電極として機
能する一方、反対側の多孔質電極25が排気ガスと接触
する検出側電極となり、その表面がガス検知面となる。
3の内側に配置された絶縁体4の挿通孔30に挿通さ
れ、前端側の検出部Dが、排気管に固定される主体金具
3の前端より突出した状態で絶縁体4内に固定される。
絶縁体4には、その軸線方向において挿通孔30の後端
に一端が連通し、他端が絶縁体4の後端面に開口すると
ともに軸断面が該挿通孔30よりも大径の空隙部31が
形成されている。そして、その空隙部31の内面とセラ
ミック素子2の外面との間は、ガラス(例えば結晶化亜
鉛シリカホウ酸系ガラス)を主体に構成される封着材層
32により封着されている。
向に隣接してタルクリング36と加締めリング37とが
はめ込まれ、主体金具3の後端側外周部を、加締めリン
グ37を介して絶縁体4側に加締めることにより、絶縁
体4と主体金具3とが固定されている。
クセパレータ16及びグロメット15が嵌め込まれ、こ
れらに続いてそのさらに内方側にコネクタ部13が設け
られている。リード線14の後端側はセラミックセパレ
ータ16を貫通して外部に延びている。一方、リード線
14の前端側は、コネクタ部13を介して図2に示すセ
ラミック素子2の各電極端子部7に電気的に接続されて
いる。
の突出部分、すなわち検出部Dを覆うプロテクタ6が取
り付けられている。プロテクタ6は、本発明の要部をな
すものであり、第一筒状部6bと、該第一筒状部6bの
外側に軸線Oに関して同軸状に配置される第二筒状部6
aとを備えた二重構造のものである。以下、詳細に説明
する。
して示す半断面図であり、図4は第二筒状部6aと第一
筒状部6bとに分解して示す半断面図である。また、図
5は、図3のA−A断面図である。図3に示すように、
第二筒状部6aの外周面には、第一筒状部6bの前端部
164の外周面を経て、軸線Oと交差する向きに被検出
ガスを流通させるための第二側ガス流通口63が形成さ
れている。図4及び図5に示すように、該第二側ガス流
通口63は周方向に複数形成されるものである。
面には、検出部Dが位置する自身内部の検出空間G3に
被検出ガスを導入するための第一側ガス流入口60,6
1が形成されている。第一側ガス流入口の形成個数は特
に限定されるものではないが、本実施形態では、軸線O
の方向の互いに異なる2箇所において、それぞれ周方向
に所定間隔(本実施形態では90゜間隔の4個)で配列
する第一流入口60と第二流入口61とが形成されてい
る。また、図3に示すように、第一筒状部6bの前端面
には、検出空間G3から被検出ガスを排出するための第
一側ガス排出口662が形成されている。
の間に形成される空間は、仕切壁部59により、軸線O
方向において前方側空間G1と後方側空間G2とに仕切
られている。図4に示すように、第一筒状部6bは、基
端部161wに対し、テーパ状(階段状でもよい)の接
続部162を介してその前方側に、基端部161wより
も細径の本体部163が結合され、さらにその前方側に
本体部163よりも径小の先端部164が一体化された
構造を有する。図3に示すように、基端部161wは第
二筒状部6aの側壁部60wに対し、その内周面基端側
に圧入もしくは隙間嵌めにより嵌合し、前方側空間G1
は側壁部60wと先端部164との間に、後方側空間G
2は側壁部60wと本体部163との間に、それぞれ形
成される形となる。そして、側壁部60wの前端部に第
二側ガス流通口63が前方側空間G1に開口する形で形
成される一方、また、第一側ガス流入口60,61は後
方側空間G2に開口する形で本体部163に形成されて
いる。そして、仕切壁部59(後述の通り、第二筒状部
6aに形成してもよい)に形成されるガス導入経路PH
により、前方側空間G1からの被検出ガスが後方側空間
G2に導入される。
部3aよりも前端側部分は、少し縮径されて小径部65
が形成されている。プロテクタ6の2つの筒状部6a,
6bは、側壁部の基端側が互いに重ね合わされる形で、
小径部65にはめ込まれ、周方向に沿って図示しないレ
ーザー溶接部を形成することにより固着されている。
車両の排気管に固定される。その検出部Dが排気ガスに
晒されると、酸素濃淡電池素子21の多孔質電極25
(図2)が排気ガスと接触し、酸素濃淡電池素子21に
は該排気ガス中の酸素濃度に応じた酸素濃淡電池起電力
が生じる。この起電力がセンサ出力として取り出され
る。そのプロテクタ6は、上記のように2重構造とされ
ていることから、検出部Dに対する保護機能に優れる。
の流れについて、図6を用いて説明する。第二側ガス流
通口63から第二筒状部6aの前方側空間G1に導入さ
れた排気ガスは、第一筒状部6bの先端部164の外周
面に沿って流れた後、反対側の第二側ガス流通口63か
ら流出する。また、このガス流の一部は、仕切壁部59
に形成されたガス導入経路PHを経て、後方側空間G2
へ分岐・導入され、第一側ガス流入口60,61から第
一筒状部6b内の検出空間G3に導入される。
うち、第一筒状部6bの先端部164の外周面に沿って
流れるガス(以下、負圧発生流という)により、第一側
ガス排出口62付近に負圧が発生し、検出空間G3内に
導入されたガスは該第一側ガス排出口62から吸引排出
される。その結果、検出空間G3に対し周方向の第一側
ガス流入口60,61から均等にガスを流入でき、検出
部Dの感度の方向依存性を抑制できる。また、検出空間
G3内のガスが負圧吸引により強制排出されるから、検
出空間G3内のガス交換効率が高められ、検出部Dの応
答感度が向上する。
6b内に向かう流れとの分離効果が仕切壁部59により
高められ、渦流や乱流発生が抑制されるので、検出空間
G3のガス交換効率が向上し検出感度及び応答性が高め
られる。つまり、仕切壁部59の配置により、後方側空
間G2には、ガス導入経路PHの大きさに応じて定まる
必要十分なガスのみ導入され、余分なガス流入による乱
流が生じにくい。また、後方側空間G2に1度流入した
ガスは、仕切壁部59により前方側空間G1に戻ること
が抑制されるので、前方側空間G1内の負圧発生流が乱
されにくくなり、吸引効果が高められて応答性の向上に
寄与する。
ては、第二側ガス流通口63が、以下のように形成面積
を調整されている点に特徴がある。すなわち、図6及び
図7に示すように、軸線O方向において、円錐状面をな
す第一筒状部6bの前端部164の後端位置から、第二
筒状部6aの側壁面前端位置までの区間を流通口形成対
象区間Kとする。また、仕切壁部64の前端位置から第
二側ガス流通口63の前端位置までの区間を、実質的流
通口形成区間K’とし、第二筒状部6aの側壁面周方向
に沿って設定され、流通口形成対象区間Kを軸線O方向
長さとする帯状の領域を流通口形成対象領域FAとす
る。そして、流通口形成対象領域FAにおける、隣り合
う第二側ガス流通口63,63の間をなす間隔形成部の
周方向における長さの合計が、第二側ガス流通口63の
周方向における長さの合計より小さく、かつ、流通口形
成対象区間Kの軸線O方向長さが、実質的流通口形成区
間K’の軸線O方向長さの2倍より小さくなるように設
定する。このようにすると、第二側ガス流通口63の形
成面積が大幅に増大し、負圧発生流のガス流量を高める
ことができるとともに、第一側ガス排出口62から第二
側ガス流通口63を経た外部へのガス排出もスムーズと
なり、検出空間G3のガス交換効率が飛躍的に高められ
る。その結果、センサの感度及び応答性の向上に寄与す
る。
詳細に説明する。まず、図3に示すように、複数の第二
側ガス流通口63のそれぞれに、内周縁の一部区間に基
端側が一体化されるとともに、該基端側に形成された折
り目64aに沿って第二筒状部6aの内側に曲げ返され
た仕切壁素片64が設けられている。そして、それら仕
切壁素片64が周方向に連なることにより、仕切壁部5
9が形成されている。このようにすれば、仕切壁部59
を設けるに際して、専用の別部材を用意する必要がな
く、第二筒状部6aの壁部加工により当該第二筒状部6
aと一体不可分の部材として仕切壁部59を構成でき
る。その結果、部品点数が削減されるとともに、組立て
工数も減少することができ、経済的である。
0,61は、第二側ガス流通口63のいずれに対して
も、第二筒状部6aの外部から当該第二側ガス流通口6
3を経て直視することが不能な位置関係にて形成されて
なる。具体的には、いずれの第二側ガス流通口63にお
いても、仕切壁部59(仕切壁素片64)により遮られ
る形になるので、内部の第一側ガス流入口60,61を
直視することができない。つまり、第二側ガス流通口6
3にて凝結水等の飛散を受けたとき、その水滴等は仕切
壁素片64に遮られ、第一側ガス流入口60,61に直
接到達することができない。こうした配置関係が、検出
空間内への凝結水等の浸入を防止する上で有利であるこ
とは明らかである。
り目64aは、基本的には、第二筒状部6aの外周面の
母線に対し交わる形態で形成されていれば、仕切壁素片
64の板面が第二筒状部6aの軸線Oに対して傾くの
で、空間を仕切る効果が得られる。本実施形態では、折
り目64aを第二筒状部6aの周方向に沿って形成する
ことにより、第二筒状部6aの軸線Oと直交する面上へ
の仕切壁素片64の投影面積が大きくなり、仕切効果が
高められている。
角度θ(軸線Oと直交する基準面APからの前方側への
立ち上がり角度で表す)は、0゜以上であることが、負
圧発生流を乱さない観点において望ましい。また、第一
筒状部6bの前端部164は、仕切壁素片64より前方
側に突出する部分の外周面が円錐状面となっていること
が、負圧発生効果を高める上で望ましい。この場合、仕
切壁素片64の傾斜角度θを0゜より大きく定め、仕切
壁素片64の板面が前端部164の周面に連なる傾斜面
をなすようにすれば、よりスムーズな負圧発生流を生じ
させることができる。他方、傾斜角度を85゜以上にす
ると、第二側ガス流通口63からのガス流入が阻害され
やすくなり、負圧発生流が却って低下することにつなが
る。
が、折り目64aを一辺とする長方形状に形成されてな
る。第二側ガス流通口63をこのように長方形状に形成
することで、その開口面積を大型化できる。その結果、
仕切壁部59によるガス分離効果とも相俟って、前方側
空間G1へのガス流入量が増大し、負圧発生流のガス流
束増加により吸引効果ひいては検出空間G3のガス交換
効率をさらに高めることができる。
端縁から第二筒状部6aの内面前端縁までの軸線O方向
の距離をHとして、仕切壁部59は、前記第二筒状部6
aの内面前端縁から軸線O方向に(1/2)Hの区間内
にその全体が位置するものとされている。このようにす
ることで、前方側空間G1が後方へ深く伸びた形態が排
除され、第二側ガス流通口63から後方側空間G2方向
へ分岐するガスの滞留や渦流化がより生じにくくなる結
果、仕切壁部59を形成することによる前述の効果がよ
り高められる。
部6aの側壁部を打抜加工することにより形成できる。
この場合、側壁部上には、第二側ガス流通口63の内周
縁となる打抜予定区間と、折り目64aの区間とからな
る閉じた加工線を設定し、折り目64aを残して残余の
打抜予定区間を剪断打抜するとともに、打抜予定区間の
内側に位置する部分を折り目64aにおいて半径方向内
向きに曲げ加工することにより、仕切壁素片64を形成
することができる。
壁素片64は、基端側から見た第二筒状部6a内部への
突出長さQが、第二側ガス流通口63の軸線O方向高さ
Sよりも短く形成されていることが、打抜加工を容易に
する観点において望ましい。すなわち、図(a)に示す
ように、第二側ガス流通口63の形成予定部のうち、仕
切壁素片64となるべき部分の前方側に貫通打抜加工を
施して、補助貫通孔63pを形成しておく。そして、そ
の後、仕切壁素片64となるべき部分の打抜を行なう
と、該部分の幅方向両縁の剪断を、補助貫通孔63p側
から折り目64a側へ向けて順次的に行なうことができ
るので、加工力が小さくてすみ、仕切壁素片64の仕上
がり状態も良好なものとすることができる。
に、第二筒状部6aの側壁部を、少なくとも第二側ガス
流通口63が形成される前端部において、多角形状軸断
面を有するものとして形成することができる。このよう
にすると、周方向に折り目64aを形成する仕切壁素片
64の曲げ加工をより容易に行なうことができる。
ス流通口63の高さSよりも相対的に小さくできる結
果、仕切壁素片64をより大きく内側へ曲げることがで
きる。また、補助貫通孔63pを形成する分だけ第二側
ガス流通口63の寸法を拡張できる。これらは、いずれ
も負圧発生流の流束を高め、吸引効果の増加をもたら
す。
構成では、複数の仕切壁素片64の、互いに隣接するも
のの間に形成された隙間が、前方側空間G1と後方側空
間G2との連通部PHとなり、第二側ガス流通口63と
該連通部PHとがガス導入経路を構成することとなる。
このようにすると、連通部PHは、図5に示すように、
第二筒状部6aの側壁部60wのうち、隣接する第二側
ガス流通口63,63の間をなす部分(以下、間隔形成
部という)64iに対応して形成される。従って、間隔
形成部64iの周方向寸法の調整により、形成すべき連
通部PHの大きさ、ひいては前方側空間G1から後方側
空間G2へのガス導入量を、容易にかつ精密に調整する
ことができる。その結果、検出空間G3のガス交換効率
の最適化がより行ないやすくなる。
符号64e’にて示すように、直線状に形成することも
できる。しかし、連通部PHの大きさによりガス流入量
調整を精密に行なうには、連通部PHの大きさ以外にガ
ス流入量に影響する因子がなるべく存在しないほうがよ
い。この観点から、仕切壁素片64の先端縁64eを、
第一筒状部6bの前端部164の、円錐状の外周面に沿
う円弧状に形成し、該先端縁64eと、前端部164の
円錐状の外周面との間になるべく隙間を形成しないよう
にすることが望ましい。
発明はこれに限定されるものではなく、当業者が通常有
する知識に基づいて、種々の改良及び変形を加えること
ができる。それら、改良及び変形も、請求項に記載した
技術的範囲を逸脱しないものである限り、本発明に属す
ることは当然である。例えば、図10(a)に示すよう
に、検出空間G3からのガス排出を促進するため、第二
筒状部6aの底部60bに第二側ガス排出口67を形成
することができる。この場合、第二側ガス排出口67
は、軸線Oと直交する平面への正射投影において、第一
側ガス排出口62と一致しない位置関係に形成すること
が、耐飛水性を向上させる観点において望ましい。
面する側壁部60wに、ガス導入経路をなすガス流通口
165を形成することもできる。例えば、第二側ガス流
通口63及び仕切壁素片64の面積を増大させた結果、
隣接する仕切壁素片64間に形成される隙間(図5の符
号PA)だけでは、後方側空間G2へのガス導入量を十
分に確保できなくなる場合もありえる。この場合、ガス
流通口165の形成によりガス導入量の不足を補うこと
ができるようになる。また、第二側ガス流通口63の合
計面積を増加させることができるから、負圧発生流の流
量増加にも寄与できる。
二筒状部6aと一体に形成されていたが、図11に示す
ように、第二筒状部6aとは別体の仕切壁部640を設
けてもよい。本実施形態では、該仕切壁部640を板金
素材のプレス加工等により、円錐面状の外周面をもつ本
体部640aと、その径大側の端部に一体化された円筒
面状の外周面をもつ接合部640bとを有し、該接合部
640bの外周面にて第二筒状部6aの内周面に溶接接
合されている。この場合、(b)に示すように、本体部
640aにガス導入経路として機能する連通部640d
あるいは640cを形成することができる。連通部64
0dは本体部640aの内周縁に形成された貫通切欠き
部であり、連通部640cは本体部640aの板面に開
口する貫通孔であるが、形態はこれらに限られるもので
はない。また、連通部640dと640cとのいずれか
一方のみを形成するようにしてもよい。
aに連通部を形成しない構成とすることもできる。この
場合、仕切壁部640が第二側ガス流通口63から後方
側空間G2側へ向かおうとするガス流を遮断するので、
第二側ガス流通口63からのガス流は、専ら負圧発生用
として機能する形となる。この場合、図10と同様に、
第二筒状部6aの後方側空間G2に面する側壁部60w
に、ガス流通口165を形成するようにする。このよう
にすると、後方側空間G2ひいては検出空間G3へ導入
されるガス流と、負圧発生用の第二側ガス流通口63か
らのガス流とが完全に分離されるので、検出空間G3内
のガス交換効率を一層高めることができる。また、ガス
流通口165及び第二側ガス流通口63の寸法調整によ
り、両ガス流を各々独立に調整できるので、ガス流の最
適化も容易である。
ンサを、縦断面とともに示す全体図。
明する図。
同時形成する工程の一例を示す説明図。
Claims (2)
- 【請求項1】 検出素子(2)の軸線(O)方向前端側
に形成された検出部(D)と、これを覆うプロテクタ
(6)とを備えたガスセンサ(1)において、 前記プロテクタ(6)が、第一筒状部(6b)と、該第
一筒状部(6b)の外側に前記軸線(O)に関して同軸
状に配置される第二筒状部(6a)とを備え、 前記第二筒状部(6a)の外周面には、前記第一筒状部
(6b)の前端部(164)外周面を経て前記軸線
(O)と交差する向きに前記被検出ガスを流通させるた
めの長方形状の第二側ガス流通口(63)が周方向に複
数形成され、 前記第一筒状部(6b)の外周面には、前記検出部
(D)が位置する自身内部の検出空間(G3)に被検出
ガスを導入するための第一側ガス流入口(60,61)
(60,61)が形成され、また、前記第一筒状部(6
b)の前端面には前記検出空間(G3)から前記被検出
ガスを排出するための第一側ガス排出口(62)(6
2)が形成され、 前記第一筒状部(6b)と前記第二筒状部(6a)との
間に形成される空間を、前記軸線(O)方向において前
方側空間(G1)と後方側空間(G2)とに仕切る仕切
壁部(59,640)が設けられるとともに、前記第二
側ガス流通口(63)が前記前方側空間(G1)に、前
記第一側ガス流入口(60,61)が前記後方側空間
(G2)に、それぞれ開口する形態にて形成され、 また、前記後方側空間(G2)に前記被検出ガスを導入
するためのガス導入経路(PH)が、前記仕切壁部(5
9,640)と前記第二筒状部(6a)との少なくとも
いずれかに形成されるとともに、 前記第一筒状部(6b)は、円筒状の外周面を有する本
体部(163)と、該本体部(163)よりも径小の前
端部(164)とを有するとともに、 該前端部(164)の後端位置から、前記第二筒状部
(6a)の側壁面前端位置までの区間を流通口形成対象
区間(K)とし、 また、前記仕切壁部(64)の前端位置から前記第二側
ガス流通口(63)の前端位置までの区間を、実質的流
通口形成区間(K’)とし、前記第二筒状部(6a)の
側壁面周方向に沿って設定され、前記流通口形成対象区
間(K)を軸線(O)方向長さとする帯状の領域を流通
口形成対象領域(FA)として、 前記流通口形成対象領域(FA)における、隣り合う前
記第二側ガス流通口(63,63)の間をなす間隔形成
部の周方向における長さの合計が、前記第二側ガス流通
口(63)の周方向における長さの合計より小さく、か
つ、前記流通口形成対象区間(K)の軸線(O)方向長
さが、前記実質的流通口形成区間(K’)の軸線(O)
方向長さの2倍より小さく設定されてなることを特徴と
するガスセンサ(1)。 - 【請求項2】 前記複数の第二側ガス流通口(63)の
それぞれに、内周縁の一部区間に基端側が一体化される
とともに、該基端側に形成された折り目(64a)に沿
って前記第二筒状部(6a)の内側に曲げ返された仕切
壁素片(64)が設けられ、それら仕切壁素片(64)
が周方向に連なって前記仕切壁部(59)が形成されて
なる請求項1記載のガスセンサ(1)。
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- 2001-11-27 JP JP2001360647A patent/JP3798686B2/ja not_active Expired - Fee Related
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