JP2003161468A - 冷凍空調装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低コストで設置スペースも拡大し
ない快適な暖房を実現できる冷凍空調装置を得る。 【解決手段】 熱源側冷媒を循環させる熱源側冷
媒サイクルと、利用側冷媒を循環させる利用側冷媒サイ
クルの間に熱交換器１を介在させて、熱源側冷媒と利用
側冷媒とを熱交換器１を介して熱的に接続して、利用側
冷媒サイクルで冷房や暖房を行う冷凍空調装置につい
て、その利用側冷媒サイクルを構成する冷媒貯留タンク
６にその冷媒貯留タンク６内の利用側冷媒を加熱する電
気シーズヒーター１４を複数個組込み、冷媒貯留タンク
６の往き側接続口９には不燃材により構成したフィルタ
ー１５を装着する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、熱源側冷媒サイク
ルと利用側冷媒サイクルの冷媒を、熱交換器を介して熱
交換させ、利用側冷媒サイクルにおいて住宅等の冷・暖
房を行う冷凍空調装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】熱源側冷媒サイクルにより採熱した熱
で、利用側冷媒サイクルに冷・暖房に使う冷媒を作り、
室内放熱器に循環させて冷・暖房を行う冷凍空調装置に
おいては、熱源側冷媒サイクルで採熱できる熱量が外気
温度に左右されることから、外気温度が低いときには暖
房能力が低下し、必要とする暖房雰囲気が得がたくな
る。こうした問題を、例えば特開昭５５―２０３１５号
公報に示されているヒートポンプ式の空調技術では、室
内熱交換器に正特性サーミスタ加熱器を配置して、冷媒
温度低下時の暖房能力低下を正特性サーミスタ加熱器で
補うことで解決している。この技術では、室内熱交換器
の冷媒温度をモニターしていて、冷媒温度が設定温度以
下になったときには補助熱源として正特性サーミスタ加
熱器を動作させ、暖房能力の不足を補っている。

【０００３】また、特開２０００―２４７４号公報に
は、冷房専用の熱源側冷媒サイクルに暖房専用のボイラ
ーを含む熱源側冷媒サイクルを併設し、暖房時にはボイ
ラーを運転させて暖房に必要な熱を利用側冷媒サイクル
に供給できるようにした冷凍空調装置が示されている。
この冷凍空調装置では、冷房専用の熱源側冷媒サイクル
と、ボイラーを含む暖房専用の熱源側冷媒サイクルを持
つため、除霜運転の必要はなく、除霜運転による利用側
冷媒サイクルの冷媒温度の低下もきたさない。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記した従来のヒート
ポンプ式の空調技術においては、暖房運転の場合で室内
暖房負荷が小さい場合でも、除霜運転時などでは利用側
冷媒サイクルの冷媒温度が低下するため正特性サーミス
タ加熱器による不必要な熱補給が行われることになり、
非経済的であるといった問題点がある。

【０００５】一方、暖房専用の熱源側冷媒サイクルを持
つものは、灯油ボイラーやガスボイラー又は電気ボイラ
ーといった熱源機が必要で、構成が複雑になりコストも
高く、設置スペースも拡大するといった問題点がある。

【０００６】本発明は、係る従来の問題点を解決するた
めになされたものであって、その課題とするところは、
低コストで設置スペースも拡大しない快適な暖房を実現
できる冷凍空調装置を得ることであり、その装置の安全
性の向上やメンテナンス性の向上を推進することや、利
用側冷媒サイクルにおける外部配管の配管に関する自由
度を高めることも課題としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】前記課題を達成するため
に請求項1の発明は、熱源側冷媒を循環させる熱源側冷
媒サイクルと、利用側冷媒を循環させる利用側冷媒サイ
クルの間に熱交換器を介在させて、熱源側冷媒と利用側
冷媒とを前記熱交換器を介して熱的に接続して、利用側
冷媒サイクルで冷房や暖房を行う冷凍空調装置につい
て、その利用側冷媒サイクルを構成する冷媒貯留タンク
に冷媒貯留タンク内の利用側冷媒を加熱する加熱手段を
組込む手段を採用する。

【０００８】前記課題を達成するために請求項２の発明
は、請求項１に係る前記手段における加熱手段を電気シ
ーズヒーターで構成する手段を採用する。

【０００９】前記課題を達成するために請求項３の発明
は、請求項２に係る前記手段における電気シーズヒータ
ーを、複数冷媒貯留タンクに組込む手段を採用する。

【００１０】前記課題を達成するために請求項４の発明
は、請求項１〜請求項３までのいずれかに係る前記手段
における冷媒貯留タンクの往き側接続口に不燃材により
構成したフィルターを装着する手段を採用する。

【００１１】前記課題を達成するために請求項５の発明
は、請求項４に係る前記手段におけるフィルターを筒状
に構成し、冷媒貯留タンクの上部から着脱できるように
する手段を採用する。

【００１２】前記課題を達成するために請求項６の発明
は、請求項１〜請求項５までのいずれかに係る前記手段
における冷媒貯留タンクに、スチロールによる断熱外套
を被着させるとともに、その断熱外套の内側を難燃材で
構成する手段を採用する。

【００１３】前記課題を達成するために請求項７の発明
は、請求項１〜請求項６までのいずれかに係る前記手段
における利用側冷媒サイクルの外部配管との接続口を冷
凍空調装置の外殻内に設ける手段を採用する。

【００１４】

【発明の実施の形態】図１〜図３によって示す本実施の
形態は、図１によって全体の構成を示すように熱源側冷
媒を循環させる熱源側冷媒サイクルと、利用側冷媒を循
環させる利用側冷媒サイクルの間に採熱用の熱交換器１
を介在させて、熱源側冷媒と利用側冷媒とを熱交換器１
を介して熱的に接続して、利用側冷媒サイクルで冷房や
暖房を行う冷凍空調装置に関するものである。熱源側冷
媒サイクルは、熱源側冷媒を冷却するヒートポンプ方式
の冷凍サイクルであり、冷凍空調装置の外殻２の外に置
かれる熱交換器３と外殻２内に設けられる圧縮機及び流
量調節弁(図示しない)並びに熱交換器１の一次流路を巡
る熱源側冷媒循環閉路４で構成されるサイクルである。

【００１５】利用側冷媒サイクルは、不凍液等の利用側
冷媒を循環させる利用側冷媒循環閉路５として構成さ
れ、利用側冷媒を貯留する冷媒貯留タンク６と、冷媒貯
留タンク６の利用側冷媒を循環させる循環ポンプ７と、
外部配管８を通じて熱交換器１の二次流路を経て冷媒貯
留タンク６へ戻るサイクルである。外部配管８と熱交換
器１を除く構成部分は、冷凍空調装置の外殻２内に収め
られている。

【００１６】冷媒貯留タンク６には往き側接続口９と、
戻り側接続口１０がそれぞれ設けられていて、往き側接
続口９は、循環ポンプ７の吸込側に接続され、戻り側接
続口１０は、熱交換器１の二次流路に接続されている。
循環ポンプ７の吐出側には、外殻２内に設けられた接続
口１１に外部配管８の往き側配管が接続され、熱交換器
１の二次流路の入口側には外殻２内に設けられた接続口
１２に外部配管８の戻り側配管が接続されている。熱源
側冷媒サイクルの熱源側冷媒と利用側冷媒サイクルの利
用側冷媒とは相互に独立し、混じり合うことはないが熱
交換器１により熱的には接続している。

【００１７】外部配管８は、往き側配管と戻り側配管と
に接続された室内放熱器１３により利用側冷媒の循環系
として構成されている。室内放熱器１３としては、室内
空気を循環させながら冷却或いは加熱することで冷暖房
機能を果す一機又は複数機のファンコイルユニットや、
輻射による冷暖房機能を果す床暖房パネル等による一組
又は複数組の輻射パネル等が接続される。

【００１８】冷媒貯留タンク６は、図２に示すように耐
熱密閉容器として構成され、その一側からタンク内の冷
媒を加熱する加熱手段として複数個のセラミックヒータ
ー又は電気シーズヒーター１４が組込まれている。冷媒
貯留タンク６の往き側接続口９には、不燃材で筒状に構
成されたフィルター１５が冷媒貯留タンク６の上部の脱
着口１６からの抜き差しによって脱着できるように装着
されている。フィルター１５の脱着口１６は、冷媒貯留
タンク６に付設する圧力計や膨張逃し弁や自動空気抜弁
等の付随機器を取付ける接続口付きフランジ１７で閉止
されている。この接続口付きフランジ１７はパッキン１
８を挟んでネジにより冷媒貯留タンク６の上部に締め固
定されている。

【００１９】冷媒貯留タンク６には、図３に示すように
発泡スチロールによる断熱外套１９が被着され、断熱が
図られている。この断熱外套１９の内側は、難燃性フェ
ルト等の断熱材の貼付けによる難燃構造２０になってい
て、空炊き等による断熱外套１９の延焼が防止されてい
る。

【００２０】冷凍空調装置には、循環ポンプ７や圧縮機
及び電気シーズヒーター１４等を制御するマイコンを含
む制御手段２１が搭載されており、この制御手段２１に
冷房モードや暖房モードの設定を行う設定スイッチや、
ＬＥＤや液晶等により運転状態等を表示する表示手段を
備えたコントローラが信号線又は赤外線信号により信号
のやりとりを可能に接続されている。制御手段２１には
冷媒貯留タンク６の出口の利用側冷媒の温度を検知する
温度検知手段２２の出力が制御情報として取込まれる。

【００２１】また、室内放熱器１３にはコントローラ及
び室温を検知する室温検知手段が備えられ、コントロー
ラの操作によって冷媒の流量をそれ自体に設けられた流
量調節弁を動かして、室温が設定温度になるようにフィ
ードバック制御を行うとともに、冷凍空調装置の制御手
段２１に運転情報や設定温度及び室内温度を制御情報と
して送信する。

【００２２】冷凍空調装置のコントローラにより、暖房
モードが設定されると、制御手段２１により熱源側ヒー
トポンプ方式の暖房運転を行い、必要に応じて電気シー
ズヒーター１４への通電を行う。制御手段２１は、室内
放熱器１３のコントローラからの運転情報の取込みを行
い、室内放熱器１３のいずれかから運転要求の信号が入
ると、利用側冷媒サイクルに送る利用側冷媒の温度を暖
房できる温度になるように、熱源側ヒートポンプ方式の
暖房運転と電気シーズヒーター１４への通電を制御し、
循環ポンプ７を動かし、利用側冷媒サイクルに利用側冷
媒を循環させる。室内放熱器１３側からの運転要求の信
号が一つもない場合には、循環ポンプ７は停止状態にお
かれる。

【００２３】電気シーズヒーター１４は、例えば容量１
キロワットのものを四個設けた場合、住宅の負荷に応じ
た適切な組合せで通電され、消費電力の低減を図りなが
ら暖房能力が確保される。冷媒貯留タンク６に暖房運転
時の熱源となる電気シーズヒーター１４を組込んでいる
ため、利用側冷媒を効率的に加熱でき、灯油ボイラーや
ガスボイラー等による暖房専用の熱源側冷媒サイクルを
持つものより構成が簡素で、コストも低く設置スペース
も縮小する。暖房モードでは冷媒貯留タンク６内の利用
側冷媒の熱容量にて除霜運転における利用側冷媒の温度
低下を防ぐと同時に、熱容量が不足した場合は電気シー
ズヒーター１４によって加熱することが可能である。さ
らに外気温度が低下した場合の熱源側ヒートポンプ方式
の暖房運転における能力不足も補うことができる。冷媒
貯留タンク６は、断熱外套１９で包まれているため、冷
媒貯留タンク６内の利用側冷媒の温度低下は少なく、電
力消費も少ない。万一、空炊きされるようなことがあっ
ても、断熱外套１９の難燃構造２０により断熱外套１９
の延焼は防止され、安全性が保たれる。また、フィルタ
ー１５についても不燃材で構成されているので、空炊き
等によっても燃えることがなく安全性が確保される。

【００２４】フィルター１５の保守は、付随機器を取付
けたまま接続口付きフランジ１７を外し、脱着口１６か
ら抜取って行うことができる。また、外部配管８との接
続口１１，１２が冷凍空調装置の外殻２の内部に設けら
れているため、設置場所の床下へ向かって外部配管８を
接続したり、外殻２の側面に向かって外部配管８を接続
したりすることができ、配管の自由度が高い。

【００２５】一方、冷凍空調装置のコントローラによ
り、冷房モードが設定されると、制御手段２１は熱源側
冷媒サイクルを動かし、電気シーズヒーター１４を断電
状態におき、室内放熱器１３のコントローラからの運転
情報の取込みを行う。室内放熱器１３のいずれかから運
転要求の信号が入ると、室内放熱器１３に送る利用側冷
媒の温度を冷房できる、例えば７℃になるように、熱源
側冷媒サイクルを制御する。室内放熱器１３側からの運
転要求の信号が一つもない場合には、循環ポンプ７は停
止状態におかれる。

【００２６】

【発明の効果】請求項１の発明によれば、低コストで設
置スペースも拡大しない快適な暖房を実現できる冷凍空
調装置が得られる。

【００２７】請求項２の発明によれば、低コストで設置
スペースも拡大しない快適な暖房を実現できる冷凍空調
装置が得られる。

【００２８】請求項３の発明によれば、請求項２に係る
前記効果とともに負荷に応じた暖房能力を確保できる。

【００２９】請求項４の発明によれば、請求項１〜請求
項３までのいずれかに係る前記効果とともに空炊き等に
よるフィルターの延焼を防止することができる。

【００３０】請求項５の発明によれば、請求項４に係る
前記効果とともにフィルターの保守性が向上する。

【００３１】請求項６の発明によれば、請求項１〜請求
項５までのいずれかに係る前記効果とともに利用側冷媒
の加熱効率が上がり、空炊き等がおきても断熱外套の延
焼を防止することができる。

【００３２】請求項７の発明によれば、請求項１〜請求
項６までのいずれかに係る前記効果とともに利用側冷媒
サイクルの外部配管の配管に関する自由度が増す。

【図面の簡単な説明】

【図１】 実施の形態の冷凍空調装置を示す構成図であ
る。

【図２】 実施の形態の冷凍空調装置の冷媒貯留タンク
の構成を示す分解斜視図である。

【図３】 実施の形態の冷凍空調装置の冷媒貯留タンク
周りの構成を示す分解斜視図である。

【符号の説明】

１ 熱交換器、 ２ 外殻、 ３ 熱交換器、 ４ 熱
源側冷媒循環閉路、５ 利用側冷媒循環閉路、 ６ 冷
媒貯留タンク、 ８ 外部配管、 １１ 接続口、 １
２ 接続口、 １４ 電気シーズヒーター、 １５ フ
ィルター、１９ 断熱外套、 ２０ 難燃構造。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田口 力夫 東京都千代田区丸の内二丁目２番３号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 ▲高▼須 則幸 東京都千代田区丸の内二丁目２番３号 三 菱電機株式会社内

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 熱源側冷媒を循環させる熱源側冷媒サイ
   クルと、利用側冷媒を循環させる利用側冷媒サイクルの
   間に熱交換器を介在させて、熱源側冷媒と利用側冷媒と
   を前記熱交換器を介して熱的に接続して、利用側冷媒サ
   イクルで冷房や暖房を行う冷凍空調装置であって、その
   利用側冷媒サイクルを構成する冷媒貯留タンクにその冷
   媒貯留タンク内の利用側冷媒を加熱する加熱手段を組込
   んだ冷凍空調装置。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の冷凍空調装置であっ
   て、加熱手段を電気シーズヒーターで構成した冷凍空調
   装置。
3. 【請求項３】 請求項２に記載の冷凍空調装置であっ
   て、電気シーズヒーターを冷媒貯留タンクに複数個組込
   んだ冷凍空調装置。
4. 【請求項４】 請求項１〜請求項３までのいずれかに記
   載の冷凍空調装置であって、冷媒貯留タンクの往き側接
   続口に不燃材により構成したフィルターを装着した冷凍
   空調装置。
5. 【請求項５】 請求項４に記載の冷凍空調装置であっ
   て、フィルターを筒状に構成し、冷媒貯留タンクの上部
   から着脱できるようにした冷凍空調装置。
6. 【請求項６】 請求項１〜請求項５までのいずれかに記
   載の冷凍空調装置であって、冷媒貯留タンクにスチロー
   ルによる断熱外套を被着させるとともに、その断熱外套
   の内側を難燃材で構成した冷凍空調装置。
7. 【請求項７】 請求項１〜請求項６までのいずれかに記
   載の冷凍空調装置であって、利用側冷媒サイクルの外部
   配管との接続口を冷凍空調装置の外殻内に設けた冷凍空
   調装置。