JP2003161271A - 圧縮機 - Google Patents

圧縮機

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JP2003161271A
JP2003161271A JP2001356979A JP2001356979A JP2003161271A JP 2003161271 A JP2003161271 A JP 2003161271A JP 2001356979 A JP2001356979 A JP 2001356979A JP 2001356979 A JP2001356979 A JP 2001356979A JP 2003161271 A JP2003161271 A JP 2003161271A
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JP
Japan
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fan
compressor
rotor
compression mechanism
electric motor
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Application number
JP2001356979A
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English (en)
Inventor
Minoru Ishii
稔 石井
Shin Sekiya
慎 関屋
Fumiaki Sano
文昭 佐野
Kiyoharu Ikeda
清春 池田
Takeshi Fushiki
毅 伏木
Teruhiko Nishiki
照彦 西木
Masao Tani
谷  真男
Yoshihide Ogawa
喜英 小川
Takashi Sehata
崇史 瀬畑
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 運転条件によっては、電動機の上部空間の圧
力が下部空間の圧力が低くなる場合があり、この場合、
回転子上下の圧力差に起因して、回転子とともに主軸が
上下に移動し、異音の発生や主軸上端の摩耗による揺動
軸受損傷といった問題点があった。 【解決手段】 密閉容器内に収納され、前記密閉容器外
より吸入した冷媒を圧縮して前記密閉容器内に吐出する
圧縮機構部と、前記密閉容器内に収納され、固定子と回
転子から構成されて主軸を介して前記圧縮機構部を駆動
する電動機部と、前記回転子と前記圧縮機構部の間に設
けられ、前記主軸の回転に伴って冷内向流を生じさせる
ファンと、を備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は空気調和機、冷蔵
庫、冷凍機等の冷凍・空調装置に用いられる密閉型冷媒
圧縮機に係り、特に密閉容器内が吐出ガスの雰囲気とな
る高圧シェルタイプの密閉型冷媒圧縮機に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】図12は、特開2000−161254
号に示される従来の密閉型冷媒圧縮機の縦断面図であ
る。図において、1は固定スクロールであり、その外周
部がガイドフレーム15にボルト(図示せず)締結によ
り固定されている。また台板部1aの一方の面には板状
渦巻歯1bが形成されている。
【0003】2は揺動スクロールであり、台板部2aの
一方の面(図12において上側)には固定スクロール1
の板状渦巻歯1bと組み合わされて圧縮室1dを形成す
る板状渦巻歯2bが形成されている。また台板部2aの
板状渦巻歯2bと反対側の面の中央部には中空円筒形状
のボス部2fが形成されている。そして台板部2aの板
状渦巻歯2bと反対側の面のボス部2fの外周部には、
コンプライアントフレーム3に一体的に形成されるスラ
スト軸受3aと圧接摺動可能なスラスト面2dが形成さ
れている。
【0004】ガイドフレーム15はその外周面15gが
焼嵌めや溶接等によって密閉容器10に固着されている
ものの、その外周面には部分的にガイドフレーム切欠き
部15cが設けられており、固定スクロール1の外周面
に設けられた固定スクロール切欠き部1hとともに、吐
出ポート1fから吐出される高圧の冷媒ガスを、吐出管
17へ導くための通路を形成している。
【0005】主軸4の揺動スクロール2側端部には、揺
動スクロール2の揺動軸受2cと回転自在に係合する、
主軸4の軸心とは偏心した軸心を有する円筒状の偏心軸
部4bが形成されている。また偏心軸部4bの根元には
鍔部4gが形成され、該鍔部4gに主軸バランスウェイ
ト4eが焼嵌められている。
【0006】そして主軸4の他方の端部には、副フレー
ム6に形成される副軸受6aと回転自在に係合する副軸
部4dが形成されており、この副軸部4dと前述した主
軸部4cとの間にバランスウェイト8a,8bを有する
電動機回転子8が焼嵌められている。前述した主軸バラ
ンスウェイト4eと合わせて3個のバランスウェイトに
よって静的および動的な釣り合いが図られている。
【0007】主軸4、電動機回転子8および3個のバラ
ンスウェイト4e、8a、8bとオイルパイプ4fにて
主軸アッセンブリーを構成し、この主軸アッセンブリー
は、鍔部4gの下端面がコンプライアントフレーム3に
接することで、軸方向に支持される。密閉容器10の側
面にはガラス端子10fが取り付けられており、密閉容
器に焼嵌め固定された電動機固定子7からのリード線が
接合されている。
【0008】次に動作について説明する。低圧の吸入冷
媒ガスは吸入管18から固定スクロール1および揺動ス
クロール2の板状渦巻歯1b、2bで形成される圧縮室
1dに入り、よく知られたスクロールの圧縮行程によっ
て、吸入冷媒ガスは高圧となり、固定スクロール1の吐
出ポート1fより密閉容器10内に吐出される。吐出さ
れた高圧な冷媒ガスは密閉容器10内空間10dを吐出
ガス圧力(高圧)雰囲気とし、最終的に吐出管17から
圧縮機外に放出される。
【0009】密閉容器10内に吐出された冷媒ガスは、
固定スクロール1の外周面に複数形成された固定スクロ
ール切欠き部1h、およびガイドフレーム15外周面の
ガイドフレーム切欠き部15cを経由して、電動機固定
子7の上部に導かれる。
【0010】また、ガイドフレーム切欠き部15c以外
の外周面で、ガイドフレーム15は密閉容器10内に焼
嵌め固定されており、電動機固定子7の外周にも、電動
機外周側流路7aが形成されていて、電動機固定子7の
上部に導かれた吐出冷媒ガスは、電動機固定子に設けら
れた電動機外周側流路7aを通過して、電動機固定子7
の下側に到達する。
【0011】電動機固定子7の下側に到達した吐出ガス
は、その後電動機固定子7の内周面と電動機回転子8の
外周面のすきま(以降エアギャップと呼ぶ)を上昇し、ガ
イドフレーム15と電動機(固定子7、回転子8から構
成される)との間の空間を経由して、吐出管17より圧
縮機外へ吐き出される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従来の高圧シェルタイ
プの密閉型冷媒圧縮機は、密閉容器内の上部に圧縮機構
部、下部に電動機部を配置しているので、吐出冷媒ガス
は固定スクロール切欠き1hやガイドフレーム切欠き1
5cと電動機固定子に設けられた切欠き7aを下向きに
通過して、その後で電動機下部からエアギャップを上昇
し、吐出管17より吐出されるが、電動機回転子の上下
での圧力の大小関係によっては、主軸が浮き上がり、ガ
イドフレーム15などに衝突して異音が発生したり、あ
るいは、主軸上端が摩耗して揺動軸受損傷が発生したり
していた。
【0013】すなわち、固定スクロール1の吐出ポート
1fから吐出された冷媒ガスが、密閉容器内を上記のよ
うに移動し、電動機の上側(圧縮機構部側)空間から切
欠き7aを通って下側(密閉容器底部側)空間到達しエ
アギャプを通り、その後に吐出管から圧縮機外へ吐き出
されるため、標準一定速の同一条件など回転数が安定し
た連続運転条件では目立たないが、起動直後や運転負荷
が変動する場合などでは、瞬時に吐出ポート1fより吐
出される圧力が変動するので、切欠き7aやエアギャッ
プを介して連通している電動機の上下空間の圧力は瞬時
には同じ圧力に追従できず電動機の上下に圧力差が生じ
やすくなっている。
【0014】したがって、運転条件によっては、電動機
の下側空間の圧力が、上側空間の圧力より高くなる現象
が生じやすくなり、回転子を有する主軸が浮き上がる現
象が生じる。特に、吐出ガスの体積流量が多くなる可変
速対応での高速運転時では、体積流量が多くなるため、
下側空間の冷媒ガスはエアギャップのすきまを上向きに
通過しにくくなり、電動機回転子の下側空間の方が、上
側空間よりも高い圧力となる現象が生じやすい。
【0015】電動機回転子の下側空間の方が、上側空間
より高い圧力となると、この圧力差により、電動機回転
子には電動機回転子を圧縮機構部側に移動させ(持ち上
げ)ようとする力が発生し、この力が回転子を焼嵌め固
定した主軸アッセンブリー(回転子と全バランスウェイ
ト含む)の自重および下向きに発生する回転子の磁気推
力の合計より勝ると、主軸アッセンブリーが圧縮機構部
側に移動してしまう(浮き上がる)現象が発生する。
【0016】このように主軸アッセンブリーが圧縮機構
部側に移動してしまう現象が発生すると、主軸に一体形
成された偏心軸部の上端が、揺動スクロールのボス部の
底面(すなわち揺動スクロール台板部の反渦巻側端面中
央)に接触し、そのときに接触音が発生する。そして圧
力変動が生じている場合等では、電動機回転子上下の圧
力差も変動するため、電動機回転子は上下への移動を不
規則に繰り返す現象が起きる。そうなると、その度に偏
心軸部上端と揺動スクロール台板部との接触音および主
軸鍔部とコンプライアントフレームとの接触音が不規則
に連続的に発生し、異常音として問題となっていた。ま
た、偏心軸部上端と揺動スクロール台板部の接触や主軸
鍔部とコンプライアントフレームの接触が発生すると、
接触部位での摩耗が発生し、圧縮機故障の原因となって
いた。
【0017】さらに、高速運転時等では、連続的に電動
機回転子が持ち上げられてしまう現象も発生し、この場
合では、偏心軸上端部と揺動スクロールのボス部底面の
接触部で摩耗が生じ、その摩耗粉が揺動軸受と偏心軸部
間の摺動部に入り込み、摺動部のかじり損傷から、ひい
てはロックによる運転停止に到るといった信頼性上の不
具合が生じる問題点もあった。
【0018】この発明は上記の問題点を解消するために
なされたもので、異常音の発生しない低騒音な圧縮機を
得ることを目的とする。また、異常摩耗の発生しない信
頼性の高い圧縮機を得ることを目的とする。また、高効
率な圧縮機を得ることを目的とする。また、起動時を含
めて運転中に主軸アッセンブリーの上下動の発生を回避
することを目的とする。また、主軸アッセンブリーの上
下動に伴う異常音の発生をなくすことを目的とする。ま
た、主軸アッセンブリーの連続的な持ち上がりを解消
し、偏心軸部および揺動スクロールの接触およびそれに
より生じる接触部の摩耗を抑制することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
圧縮機は、密閉容器内に収納され、密閉容器外より吸入
した冷媒を圧縮して密閉容器内に吐出する圧縮機構部
と、密閉容器内に収納され、固定子と回転子から構成さ
れて主軸を介して圧縮機構部を駆動する電動機部と、回
転子と圧縮機構部の間に設けられ、主軸の回転に伴って
冷媒を半径方向外周側から取り込んで内周側より吐き出
す内向流を生じさせるファンと、を備えたものである。
【0020】また、本発明の請求項2に記載の圧縮機
は、略中央部に貫通穴を有する円板と、円板に設けら
れ、内向流を生じさせる複数の羽根と、によってファン
を構成し、羽根を円板と一体に形成したものである。
【0021】また、本発明の請求項3に記載の圧縮機
は、ファンに、羽根の内周側を連続的につなぐように全
周にわたって形成され、冷媒の流れの向きを変更する内
壁を備えるようにしたものである。
【0022】また、本発明の請求項4に記載の圧縮機
は、羽根、円板および内壁とを一体的に形成したもので
ある。
【0023】また、本発明の請求項5に記載の圧縮機
は、ファンの羽根の外周側を全周にわたってすきまを介
して覆う覆い部を有するファンカバーを設けたものであ
る。
【0024】また、本発明の請求項6に記載の圧縮機
は、ファンカバーを圧縮機構部に取り付け、ファンカバ
ーの覆い部の軸方向長さを羽根の軸方向高さの50%以
下としたものである。
【0025】また、本発明の請求項7に記載の圧縮機
は、内壁を圧縮機構部の電動機部側端部を半径方向にす
きまを介して配置し、すきまを直径すきまで内壁の内径
の6/100以下としたものである。
【0026】また、本発明の請求項8に記載の圧縮機
は、ファンの円板を、主軸あるいは圧縮機構部の電動機
側端部のいずれかと半径方向にすきまを介して貫通穴に
装着し、すきまを直径すきまで貫通穴の内径の4/10
0以下としたものである。
【0027】また、本発明の請求項9に記載の圧縮機
は、回転子の圧縮機構部側の端面に圧縮機運転時のバラ
ンシングを行うバランスウェイトを備え、ファンをバラ
ンスウェイトとともにかしめにより回転子に固定するよ
うにしたものである。
【0028】また、本発明の請求項10に記載の圧縮機
は、ファンとは別体の略中央に貫通穴を有する仕切り板
を、ファンと回転子との間で、主軸あるいは圧縮機構部
の電動機側端部のいずれかと半径方向にすきまを介して
貫通穴に装着し、すきまを直径すきまで貫通穴の内径の
4/100以下としたものである。
【0029】また、本発明の請求項11に記載の圧縮機
は、回転子の圧縮機構部側の端面に圧縮機運転時のバラ
ンシングを行うバランスウェイトを備え、ファンと仕切
板を、バランスウェイトとともに、かしめにより回転子
に固定するようにしたものである。
【0030】
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下、この発明の
実施の形態1を図を参考にしながら説明する。図1は本
発明の実施の形態1を示す密閉型圧縮機の縦断面図、図
2は図1で表される密閉型圧縮機の要部断面図、図3は
図1および図2に記載される密閉型圧縮機に使用される
ファンの斜視図、図4はファンが電動機回転子に取りつ
けられた状態を表す斜視図である。
【0031】図において、1は固定スクロールであり、
その外周部がガイドフレーム15にボルト(図示せず)
締結により固定されている。また、1aは固定スクロー
ルの台板部であり、台板部1aの一方の面には板状渦巻
歯1bが形成され、渦巻歯1bの外側には2個1対のオ
ルダム案内溝1cがほぼ一直線上に形成され、オルダム
リング9の固定スクロール側爪9aが往復摺動自在に係
合されている。さらに固定スクロール1の外周部側面に
は吸入管18が、密閉容器10を貫通して圧入されてい
る。
【0032】2は揺動スクロールであり、台板部2aの
一方の面には固定スクロール1の板状渦巻歯1bと組み
合わされて圧縮室1dを形成する板状渦巻歯2bが形成
されている。また、台板部2aの板状渦巻歯2bと反対
側の面の中央部には中空円筒形状のボス部2fが形成さ
れており、そのボス部2fの内周面には揺動軸受2cが
形成されている。そして台板部2aの板状渦巻歯2bと
反対側の面でボス部2fの外周側には、コンプライアン
トフレーム3に一体的に形成されるスラスト軸受3aと
圧接摺動可能なスラスト面2dが形成されている。
【0033】さらに、揺動スクロール2の台板部2aの
外周側には、固定スクロール1のオルダム案内溝1cと
ほぼ90度の位相差を持つ2個1対のオルダム案内溝2
eがほぼ一直線上に形成されており、オルダムリング9
の揺動スクロール爪9bが往復摺動自在に係合されてい
る。
【0034】3はコンプライアントフレームであり、中
央部に、電動機部(固定子7および回転子8)によって
回転駆動される主軸4を半径方向に支持する主軸受3c
および補助主軸受3hが形成されている。15はガイド
フレームであり、その外周面15gが焼嵌めや溶接等に
よって密閉容器10に固着され、また、ガイドフレーム
15の外周面15gには部分的にガイドフレーム切欠き
部15cが設けられており、固定スクロール1の外周面
に設けられた固定スクロール切欠き部1hとともに圧縮
機構部外周側流路を構成して、吐出ポート1fから吐出
空間100に吐出された高圧の冷媒ガスを、ガイドフレ
ーム15と電動機との間の第1の空間101へ導くため
の流路として利用される。
【0035】また、ガイドフレーム15は、複数の内周
円筒面を有し、固定スクロール1側には上嵌合円筒面1
5aが形成され、コンプライアントフレーム3の最も径
の大きい外周円筒面に形成された上嵌合円筒面3dと係
合されている。さらにガイドフレーム15の内周円筒面
で、上嵌合円筒面15aより電動機側には、下嵌合円筒
面15bが形成されており、コンプライアントフレーム
3の外周の下嵌合円筒面3eと係合され、主軸受3cを
挟んで上下2つの嵌合円筒面が形成され、この2つの嵌
合円筒面間の係合により、コンプライアントフレーム3
はガイドフレーム15に半径方向に支持される。またコ
ンプライアントフレーム3は主軸4に連動して自転しな
いように、ガイドフレーム15あるいは固定スクロール
1に直接あるいは間接的にピン(図示せず)等で連結さ
れ、自転運動が拘束される。
【0036】ガイドフレーム15の内周には、シール材
を収納するシール溝が形成された円筒面が上下に2ヶ所
あり、これらシール溝にはOリング等で構成される上シ
ール材16aおよび下シール材16bが収納され、それ
ぞれ対向するコンプライアントフレーム3の外周面に接
している。そしてこれら2つのシール材16a、16b
とガイドフレーム15内周面とコンプライアントフレー
ム3の外周面とによってフレーム空間15fが形成さ
れ、このフレーム空間15fは、吐出ガス圧力より低く
吸入圧力より高い中間圧力に維持される。オルダムリン
グ9が配置されるスラスト軸受3aの外周側の台板外周
部空間2iは、両スクロールの板状渦巻歯の外周巻終わ
り近傍である吸入空間1gと連通しているので、吸入圧
力(低圧)雰囲気となっている。
【0037】ここで、Kは冷媒を圧縮する圧縮機構部で
あり、コテイスクロール1、揺動スクロール2、コンプ
ライアントフレーム3、ガイドフレーム15などにより
構成され、Mは圧縮機構部Kを主軸4を介して駆動する
ための固定子7と回転子8で構成される電動機部であ
る。そして、圧縮機構部Kと電動機部Mとの間には第1
の空間101が形成され、圧縮機構部Kに対して第1の
空間と軸方向反対側には吐出空間100が形成され、電
動機部Mに対して第1の空間と軸方向反対側には第2の
空間102が形成されている。
【0038】主軸4の揺動スクロール2側の端部には、
揺動スクロール2の揺動軸受2cと回転自在に係合し、
主軸4の軸心とは偏心した軸心を有する円筒状の偏心軸
部4bが形成されている。また、偏心軸部4bの根元に
は鍔部4gが形成され、該鍔部4gに主軸バランスウェ
イト4eが焼嵌められている。さらに、主軸4には、主
軸バランスウェイト4eの下方にコンプライアントフレ
ーム3の主軸受3cおよび補助主軸受3hと回転自在に
係合する主軸部4cが形成されている。
【0039】そして主軸4の偏心軸部4bとは反対側の
端部には、副フレーム6に形成される副軸受6aと回転
自在に係合する副軸部4dが形成されており、この副軸
部4dと主軸部4cとの間にバランスウェイト8a、8
bを有する電動機回転子8が焼嵌めや圧入などによって
固定されている。このバランスウェイト8a、8bと主
軸バランスウェイト4eの合わせて3個のバランスウェ
イトによって静的および動的な釣り合いが図られてい
る。さらに主軸4の第2の空間102側端部(下端面)
にオイルパイプ4fが圧入などにより固定されており、
オイルパイプ4fの反主軸4側の開口部は密閉容器10
の底部に設けられた油溜め10eの冷凍機油10f内に
浸かっている。ここで、オイルパイプ4fは設けなくて
もよく、主軸4の第2の空間102側端部が冷凍機油1
0f内に浸っていればよいのは言うまでも無い。
【0040】主軸4、電動機回転子8および3個のバラ
ンスウェイト4e、8a、8bとオイルパイプ4fにて
主軸アッセンブリーを構成し、この主軸アッセンブリー
は、鍔部4gの下端面がコンプライアントフレーム3に
接することで、軸方向に支持される。密閉容器10の側
面にはガラス端子10fが取り付けられており、密閉容
器に焼嵌め固定された電動機固定子7からのリード線が
接合されており、通電されることによって電動機回転子
8が回転する。
【0041】ここで、本実施の形態では、電動機回転子
8の上部、すなわち圧縮機構部K側の第1の空間101
側の端部にはファン20を設けている。このファン20
は、主軸4と同期回転するように電動機回転子8の第1
の空間101側に固定されている。ここで、ファン20
は図3に示されるように、複数の羽根20aが円板20
b上に立設されている。また、ファン20の円板20b
には貫通穴(かしめ孔)20dが2つ設けられており、
この貫通穴20dを通してファン20はバランスウェイ
ト8aとともに同時に、電動機回転子8にかしめにより
固定されている。ここで、貫通穴20dは、ファン20
の円板20bのどの位置に設けてもよく、また、2個以
上設けても良い。
【0042】ここで、ファン20は、アルミ材などを使
用してダイキャストや射出成形等により羽根20a、円
板20b、かしめ孔20dが一体的に同時成形されてお
り、切削加工や組立工程は省かれているので、極めて安
価に製作でき、低コストな圧縮機を得ることができる。
ファン20の羽根20aの向きは、ファン20が主軸4
とともに回転したときに、ファン20の羽根20aの半
径方向外周側に存在する冷媒を取り込んで半径方向内周
側より吐き出す、いわゆる内向流を発生させるような向
きに設けられている。
【0043】電動機の固定子7は、外周側が密閉容器1
0の内壁に焼きばめや圧入などにより固定され、外周部
に設けられた切欠きなどの電動機外周側流路7aにて第
1の空間101と第2の空間102が連通している。電
動機の回転子8は、固定子7の内側とエアギャップ(す
きま)を介して配置されており、中心部に主軸4が焼き
ばめや圧入などにより固着されている。
【0044】次に本実施の形態を表す圧縮機の作用につ
いて説明する。本実施の形態では、圧縮機構部Kで圧縮
された冷媒が密閉容器10内に吐出されて密閉容器10
内が吐出圧力雰囲気になっており、密閉容器10内の底
部の油溜め10e内の冷凍機油10fは、吸入圧力雰囲
気の台板外周部空間2iとつながっている給油経路の終
端との圧力差によりオイルパイプ4f、主軸4に軸方向
に貫通して設けられた給油穴4hを経由して、主軸受3
c、補助軸受3h、揺動軸受2c等を潤滑し、揺動スク
ロール台板2a背面に面したボス部外側空間2hに流出
し、図示されない中間圧調整弁を経由して吸入圧力雰囲
気である台板外周部空間に開放され、吸入空間1gを経
て、低圧の吸入冷媒ガスとともに圧縮室1dに入る。
【0045】そして冷媒ガスとともに吐出ポート1fか
ら密閉容器10内の吐出空間100に吐出され、密閉容
器10内で冷媒ガスと分離されて再び密閉容器10内の
底部の油溜め10eに戻る。
【0046】次に、本実施の形態を表すコンプライアン
トフレーム3の動作について説明する。コンプライアン
トフレーム3には、揺動スクロール2およびスラスト軸
受3aを介して、圧縮作用によるスラスト方向のガス力
に起因する第1の力と、ボス部外側空間2hの中間圧力
に起因する第2の力が作用し、この2つの力の合力が、
第2空間102側(下向き)の力として作用する。ここ
で、ボス部外側空間2hおよびフレーム空間15fは運
転時、吐出ガス圧力より低く吸入圧力よりも高い中間圧
力雰囲気となっている。
【0047】また、コンプライアントフレーム3には、
フレーム空間15fの中間圧力に起因する第3の力と、
吐出圧力(高圧)雰囲気である密閉容器10内に臨んで
いる第2空間102側の端面3Kに作用する吐出圧力に
起因する第4の力が働き、この2つの力の合力が吐出空
間100側(上向き)の力として作用している。
【0048】定常運転時においては、この吐出空間10
0側(上向き)の力が第2の空間102側(下向き)の
力より大きくなるように設定されており、このためコン
プライアントフレーム3は、上嵌合円筒面3dがガイド
フレーム15の上嵌合円筒面15aに案内され、また、
下嵌合円筒面3eがガイドフレーム15の下嵌合円筒面
15bに案内されて、固定スクロール1側に浮上する。
そしてスラスト軸受3aを介してコンプライアントフレ
ーム3に圧接している揺動スクロール2も、コンプライ
アントフレーム3の浮上に伴い浮上し、板状渦巻歯2b
の歯先と歯底は、対向する固定スクロール1の板状渦巻
歯1bの歯先と歯底に接触するように押圧されるので、
定常運転時には冷媒漏れの極めて少ない効率のよい圧縮
が実現され、高効率な圧縮機が得られる。
【0049】また、過渡時や異常時などで、吐出空間1
00側(上向き)の力が第2の空間102側(下向き)
の力より小さくなると、コンプライアントフレーム3
は、上嵌合円筒面3dがガイドフレーム15の上嵌合円
筒面15aに案内され、また、下嵌合円筒面3eがガイ
ドフレーム15の下嵌合円筒面15bに案内されて、ガ
イドフレーム15側に押し下げられ、揺動スクロール2
もガイドフレーム側に押し下げられる。したがって、板
状渦巻歯2bの歯先と歯底は、対向する固定スクロール
1の板状渦巻歯1bの歯先と歯底と離反されるので、冷
媒が漏れて異常昇圧が抑制され、板状渦巻歯1b、2b
の破損などの起こらない信頼性の高い圧縮機が得られ
る。
【0050】ここで、低圧の吸入冷媒ガスは吸入管18
から固定スクロール1および揺動スクロール2の板状渦
巻歯1b、2bで形成される圧縮室1dに取り込まれ、
スクロールの圧縮行程によって、吸入冷媒ガスは高温・
高圧となり、固定スクロール1の吐出ポート1fより密
閉容器10内の吐出空間100に吐出される。
【0051】そして、吐出空間100に吐出された冷媒
ガスは、固定スクロール1の外周面に少なくとも1つ以
上形成された固定スクロール切欠き部1h、およびガイ
ドフレーム15の外周面に固定スクロール切欠き部1h
と円周方向にほぼ同位相で設けられたガイドフレーム切
欠き部15cなどの圧縮機構部外周側流路を通過して冷
凍機油を分離しながら、圧縮機構部Kと電動機部Mとの
間の第1の空間101に導かれ、そのまま電動機固定子
7に設けられた電動機部外周側流路7aを通過してさら
に冷凍機油を分離しながら、電動機部Mの下側の空間で
ある第2の空間102に到達する。
【0052】そして、電動機固定子7の内周面と電動機
回転子8の外周面とのすきまであるエアギャップや、あ
るいは電動機回転子8に軸方向に貫通して設けられた流
路を上昇し、冷凍機油を分離しながら圧縮機構部Kと電
動機部Mとの間の第1の空間101を経由して、第1の
空間に開口した吐出管17より圧縮機外へ吐き出され
る。ただし、本実施の形態では、電動機回転子8の第1
の空間101側(上部)に設けられたファン20が主軸
4と同期回転すると、内向流(半径方向外周側から取り
込んで内周側より吐き出す流れ)が発生するように羽根
20aが設けられているため、ファン20の半径方向外
周側に存在する冷媒ガスは、ファン20の外方から内方
に取り込まれるように流れる。
【0053】このときファン20の羽根20aの内周側
には、圧縮機構部Kの構成要素であるガイドフレーム1
5のボス部15eが存在するため、ファン20により内
向流となって取り込まれた冷媒ガスは、このボス部15
eにぶつかり進路を妨害されるので、抵抗となって一時
的に行き場を失い、ファン20の半径方向内側空間の圧
力が半径方向外方空間の圧力よりも昇圧し高くなる。
【0054】したがって、ファン20の回転によりファ
ン20の上部、すなわち電動機回転子8の第1の空間1
01側(上部)に生じる部分的な昇圧によって、電動機
回転子8の上部(第1の空間101側)の圧力が大きく
なるので、電動機回転子8の下部(第2の空間102
側)との圧力差が従来に比べ減少し圧力差が極めて小さ
くなる。すなわち昇圧した圧力分だけ電動機回転子8の
上下の圧力差が減じられる。
【0055】ここで、電動機回転子8の上下の圧力差に
より電動機回転子8を上部に持ち上げようとする力をF
r、主軸アッセンブリーの自重をW、電動機回転子8に
第2の空間102側(下向き)に発生する磁気推力Fm
としたとき、本実施の形態では、圧力変動が生じた場合
等でも、常に、下記に示す(1)式 Fr<W+Fm (1) を満足するように設定しているので、電動機回転子8と
固着されている主軸4の浮き上がりや上下動が回避で
き、主軸4の上下動により発生していた異常音や偏心軸
4b上端の異常摩耗が起こらなくなる。
【0056】なお、ファン20に取り込まれた冷媒ガス
は、一時的にファン20の上部で昇圧するが、連続的に
次から次へと新しく取り込まれる内向流により、外方へ
押しやられ、第1の空間101に開口している吐出管1
7から圧縮機外へ吐き出される。
【0057】本実施の形態においては、上述した(1)
式の左辺の電動機回転子8を上部(第1空間101側)
に持ち上げようとする力Frを、ファン20を設けるこ
とによって従来に比べて小さくすることで、常に(1)
式を満足するようにしているが、右辺の第2の空間10
2側(下向き)に発生する磁気推力Fmを大きくしても
(1)式を満足させることができる。
【0058】この磁気推力Fmは、電動機回転子8の軸
方向中心を電動機固定子7の軸方向中心よりもわずかば
かり(例えば3mm等)軸方向上向き(第1の空間10
1側)にずらす(マグネットセンターをずらす)ことに
より、電動機回転子8に下向き(第2の空間102側)
に作用する。したがって、このずらす量を大きくすれ
ば、すなわち電動機回転子8を電動機固定子7よりも第
1の空間101側(上方)に配置するようにすれば、磁
気推力Fmを大きくすることができ、主軸4の浮き上が
りを抑制することができる。
【0059】しかし、一般的に、このずれ量(マグネッ
トセンターのずれ量)を大きくするほど、電動機の効率
が低下するので、効率の低下が許容できる範囲内でずれ
量を設定するようにしている。なお、本実施の形態のよ
うに回転子を第2空間側へ押圧するように作用するファ
ン20を設ければ、マグネットセンターのずれ量を小さ
くして電動機の効率低下を抑制した状態で主軸4の浮き
上がりを抑制できるので、電動機の効率を向上させなが
ら主軸4の浮き上がりも抑制でき、低騒音で高効率な圧
縮機を得ることができる。
【0060】本実施の形態では、回転子8の圧縮機構部
K側の端部にファン20を設け、ファン20の上部を部
分的に昇圧(0.01〜0.5気圧程度昇圧)させて回
転子8に第2空間102側へ押圧する力を与えることに
よって、主軸4や回転子8が浮き上がるのを抑制してい
るので、主軸4の浮き上がりによる衝突音や異常摩耗な
どが起こらない低騒音で信頼性の高い圧縮機を得ること
ができる。
【0061】また、回転子8の第1空間101側にファ
ン20を設けたことにより、圧縮機構部Kのコンプライ
アントフレーム3およびガイドフレーム15が冷却され
るので、主軸受3cや補助軸受3hも冷却され、軸受焼
き付きなどの発生しない信頼性の高い圧縮機を得ること
ができる。
【0062】なお、本実施の形態で説明したファン20
は、電動機回転子8にバランサとともに取りつけられて
いたが、それにこだわる必要はなく、例えば、第1の空
間101(回転子8の上部)内の主軸4にファン20を
直接固定するようにして主軸4の浮き上がりを抑制して
もよい。また、ファン20は、円板20bに別体の羽根
20aを固着させてもよく、また、かしめ孔20cを機
械加工により別工程で設けてもよい。またプレス加工に
よって、円板上に羽根の切りこみを形成し、それらを略
90度曲げ起こして、円板上に羽根を形成すれば、板金
にてファン20が簡単に製造できるので、ファン20の
材料費および製造コストを安価に抑えることができる。
また、本実施の形態では、スクロール式の圧縮機につい
て説明したが、別にスクロール式でなくてもよく、ロー
タリ式やレシプロ式など何でもよい。
【0063】実施の形態2.図5は本発明の実施の形態
2を表す密閉型圧縮機の要部断面図、図6は本発明の実
施の形態2を表すファンカバーの斜視図である。図にお
いて、実施の形態1と同等あるいは相当する部分につい
ては同一符号を付してその説明は省略する。本実施の形
態では、実施の形態1で説明したファン20の外方に、
羽根20aの高さの途中までを全周覆うファンカバーを
設けている。
【0064】21は、ファンカバーであり、断面L字状
の囲いであり、図6に示すように中央部に貫通穴を有す
る円盤状のボトム部21aと円筒状の囲い部21bより
構成され、射出成形や板金等で一体成形されている。こ
のファンカバー21は、ボトム部21aが圧縮機構部K
の構成要素であるガイドフレーム15の下端面に接触す
るようにボルトや止め輪などで固定され、囲い部21b
が下向きすなわち電動機部M側(第2の空間102側)
に突設するように配置されて、ファン20の羽根20a
の外周部と隙間を介して覆うように設けられている。そ
して囲い部21bは、羽根20aの高さHの途中まで突
設されており、ファン20は囲い部21bの設けられて
いない部分の羽根20aの軸方向高さ部分Sから冷媒を
取り込む。
【0065】ファンカバー21の突設面すなわち囲い部
21bの第2の空間102側の端面と、羽根20aの根
元(羽根20aと円板20bの接触点)との間の羽根2
0aの軸方向高さSで表されるすきま部分が、ファン2
0外周側に存在する冷媒ガスを取り込む吸い込み部とな
るため、このSで表されるすきま部分を吸い込み幅と呼
ぶことにする。
【0066】このようにファンカバー21をファン20
の外周を覆うように配置したことにより、ファン20に
内向流となって取り込まれた冷媒ガスは、ファンカバー
21の囲い部21b内に排出されて、囲い部21bにぶ
つかるので、囲い部21bが流路抵抗となって囲い部2
1内が昇圧する。したがって、本実施の形態では、実施
の形態1で説明したようにファン20を設けるのみの場
合よりも、ファン20の上部すなわち電動機回転子8の
第1空間側(上部)の部分的(囲い部21b内)な昇圧
を高めることができるので、実施の形態1よりも主軸4
の浮き上がりによる上下動を抑制でき、主軸4の上下動
により発生していた異常音や偏心軸4b上端の摩耗を回
避することができ、低騒音で信頼性の高い圧縮機を得る
ことができる。
【0067】なお、ファン20により外周側の吸い込み
幅Sより取り込まれた冷媒ガスは、内周側よりファンカ
バー21内に吐き出され、一時的にファンカバー21内
で昇圧する。そして、冷媒はファンカバー21の下端面
の吸い込み幅Sから連続的に次から次へと新しく内向流
によって取り込まれ、吸い込み幅Sの一部からファンカ
バー21の外の第1の空間101へ押しやられて吐出管
17から圧縮機外へ吐き出される。したがって、この吸
い込み幅Sが、昇圧の大きさに大きな影響を及ぼす因子
となる。
【0068】したがって、この吸い込み幅Sを大きくし
すぎれば、取り込まれた内向流がファンカバー21の外
に出やすくなり昇圧効果が小さくなる。逆に吸い込み幅
Sを小さくしすぎれば、吸い込み量が減ってしまい、や
はり昇圧効果が小さくなる。そのため吸い込み幅Sは、
羽根20aの高さHとの関係で最適な昇圧効果が得られ
る範囲が存在するので、異音が発生しやすい負荷変動を
含めたいろいろな運転条件にて、圧縮機単体などを使用
して試験により所定の範囲内に設定すればよい。
【0069】実際に試験にて確認したところでは、吸い
込み幅Sは、羽根20aの外径がφ30〜φ150m
m、羽根の高さHが5〜50mm程度であれば、所定の
範囲を羽根20aの高さHの20%以上50%以下に設
定すれば、異音が確認されず、異常摩耗も発生しなかっ
た。ここで、吸い込み幅Sを所定の範囲外に設定した場
合では、異音が確認された。したがって、吸い込み幅S
は、羽根20aの高さHの20%以上50%以下の範囲
が最適範囲であり、主軸4が浮き上がらず低騒音で異常
摩耗などの起こらない信頼性の高い圧縮機が得られるこ
とがわかった。
【0070】ここで、ファンカバー21は、一体成形で
なく、ボトム部21aに別体の囲い部21bを溶接など
により固着させて形成してもよい。また、ボトム部21
aは無くても良く、囲い部21bだけを直接ガイドフレ
ーム15に圧入やボルトなどで固着させるようにしても
よい。また、ファンカバー21の圧縮機構部Kへの取付
け方法は、ボルト固定や止め輪による固定にこだわるも
のではなく、固定できればどのような方法でもよい。
【0071】実施の形態3.図7は本発明の実施の形態
3を表す密閉型冷媒圧縮機の要部断面図、図8は図7に
示されるファン20の斜視図、図9は本発明の実施の形
態3を表す回転子の斜視図である。図において、実施の
形態1あるいは実施の形態2と同等あるいは相当する部
分については同一符号を付してその説明は省略する。図
において、20はファンであり、外周側から内周側に吸
い込むように設けられた羽根20a、羽根20aが設け
られている円板20b、羽根20aの内周側を連続的に
つなぐように円板20bに設けられている内壁20c、
とから構成され、電動機回転子8に設けられたバランス
ウェイト8aにかしめなどにより円板20bが固定され
ている。また、21はファンカバーであり、ガイドフレ
ーム15にボルトなどにより固定されている。
【0072】実施の形態1や実施の形態2ではファン2
0に内壁20cが存在しなかったが、本実施の形態で
は、ファン20に内壁20cを連続的に設けられてお
り、この内壁20cは羽根20a間の内周側を全周に渡
って連続的につなぐように形成されている。内壁20c
も羽根20a同様に、円板20bに立設しており、ダイ
キャストや射出成形などにより円板20b、羽根20a
とともに一体的に成形されている。ここで、羽根20
a、円板20b、内壁20cのうちの少なくとも2つを
射出成形などにより一体に成形すれば、製造が簡単でコ
ストも低減される。特に羽根20aと内壁20cのみで
構成し、円板20bを省略すれば、円板20bの分だけ
更なるコスト低減が行なえる。
【0073】このような内壁20cを羽根20aの内周
に全周に渡って形成したことにより、内向流としてファ
ン20によって取り込まれた冷媒ガスは内壁20cに衝
突してその向きを変更し、羽根20aの上側へ排出され
る。ここで、内壁20cがない状態では、ファン20に
よって取り込まれた冷媒ガスの一部はガイドフレーム1
5のボス部15eとすきまを通って、その下方の電動機
回転子8とガイドフレーム15のボス部15eとの間の
空間へ流れ込むようになるので、内壁20cがある場合
に比べて冷媒ガスの流れに対する流路抵抗が小さくな
り、ファン20の上部空間が昇圧しにくくなる。
【0074】しかし、本実施の形態では、ファン20に
内壁20cを設けたので、ファン20に取り込まれた冷
媒ガスは内壁20cが存在するために内壁20cに衝突
して流れの向きを変えるので、電動機回転子8とガイド
フレーム15のボス部15eとの間の空間へ流れ込みに
くくなり、ほとんどの冷媒ガスが内壁20cに衝突して
ファン20の上部のファンカバー21との間に流れるよ
うになるため、ファン20の上部に部分的な昇圧を発生
する。
【0075】したがって、本実施の形態では、実施の形
態2よりも電動機回転子8の上部空間の圧力を高めるこ
とができるので、主軸4の浮き上がりが抑制され、主軸
4の浮き上がりに起因する主軸4の上下動を抑制でき
る。よって、主軸4の上下動により発生していた主軸4
の衝突による異常音や偏心軸4bの上端の摩耗を回避で
き、低騒音で信頼性の高い圧縮機を得ることができる。
【0076】以上のように、本実施の形態では、ファン
カバー21を設けた例について説明したが、ファンカバ
ー21は設けなくても良い。電動機回転子8の第1の空
間101側(上部)に取りつけられたファン20に内壁
20cを設けるだけでも、実施の形態1よりもファン2
0の上部空間の圧力を上昇させることができ、高い昇圧
効果を得ることができる。また、内壁20cは羽根20
aや円板20bと一体成形でなくてもよく、別体のもの
を円板20bに固着させてもよい。
【0077】また、内壁20cは羽根20aの半径方向
最内周端面に設ける必要はなく、半径方向のどこに位置
に設けても良い。さらに内壁20cの高さは羽根20a
の高さと等しくする必要もないが、羽根20aの高さよ
りも低くすると、羽根20aの高さと同等以上の高さを
有するものよりは、昇圧効果が若干劣るようになるの
で、内壁20cの高さは羽根20aの高さと同等以上に
設定した方がよい。
【0078】ここで、内向流としてファン20に外周側
から取り込まれた冷媒ガスは、内壁20cに衝突して向
きを変更し、羽根20aの上部へ上昇するようになる
が、一部のガスは、内壁20cとガイドフレーム15の
ボス部15eとの間の半径方向すきまRAを通ってガイ
ドフレーム15のボス部15eの下方の電動機回転子8
とボス部15eとの間の空間Xへ流れ込んでしまい、フ
ァン20の上部空間の昇圧効果を低減させる。
【0079】したがって、本実施の形態では、図5に示
したように、内壁20cとガイドフレーム15のボス部
15eとの半径方向すきまRAを接触しない程度に可能
なかぎり小さくして、この半径方向すきまRAを冷媒が
通りにくくしている。したがって、この半径方向すきま
RAを通過する流体に十分な流路抵抗を与えることがで
き、半径方向すきまRAの通路抵抗を大きくすることが
できるので、冷媒ガスの半径方向すきまRAを通過する
流量を低減でき、ファン20の上部空間の昇圧効果を大
きくすることができる。
【0080】ここで、半径方向すきまRAは、狭ければ
狭いほど通過する流体に大きな流路抵抗を与えることが
でき、通過する冷媒量を低減することができる。ただ
し、この半径方向すきまRAを小さくしすぎると、ファ
ン20の成形時の成形精度や回転子8への取り付け精度
やボス部15eの寸法精度により接触する恐れが生じ
る。したがって、半径方向すきまRAは接触しない程度
に狭い方がよい。したがって、本実施の形態では、半径
方向すきまRAを所定のすきま以下になるように設定し
ている。
【0081】ここで、内壁20cの高さが5〜50mm
程度、内壁20cの内径がφ15〜φ120mm程度で
あれば、所定すきまを直径すきまで内壁20cの内径の
6/100以下設定すれば、半径方向すきまRAの通路
抵抗を大きくすることができ、冷媒ガスの半径方向すき
まRAを通過する流量を低減でき、ファン20の上部空
間の昇圧効果を大きくすることができる。所定すきまを
直径すきまで内壁20cの6/100より大きく設定す
ると、半径方向すきまRAの通路抵抗を大きくすること
ができないので、ファン20の上部空間を昇圧できない
と考えられる。
【0082】さらに、ファン20の内壁20cの高さを
羽根20aの高さHより高くし、内壁20cの上端とフ
ァンカバー21との軸方向すきまC(ファンカバー21
を設けない場合は、内壁20cの上端と圧縮機構部との
軸方向すきま)を接触しない程度に極力小さくして、そ
の軸方向すきまCを通過する冷媒へ大きな流路抵抗を与
えるようにしても、ファン21の上部空間の昇圧効果は
向上する。この場合でも、内壁20cとガイドフレーム
15のボス部15eとの間の半径方向すきまRAを可能
な限り小さくすれば、冷媒がこの半径方向すきまRAを
通ってガイドフレーム15のボス部15eの下方の電動
機回転子8とボス部15eとの間の空間Xへ流れ込むの
を抑制できるので、冷媒ガスが半径方向すきまRAを通
過する通過量を抑制でき、より高い昇圧効果を得ること
ができる。
【0083】したがって、軸方向すきまCや半径方向す
きまRAを調整するだけの簡単な構成で主軸4の浮き上
がりを抑制でき、主軸4の浮き上がりによる主軸4の衝
突音や異常摩耗が抑制でき、低騒音で信頼性の高い圧縮
機を得ることができる。
【0084】実施の形態4.図10は本発明の実施の形
態4を表す圧縮機の要部断面図、図11は本発明の実施
の形態4を表す別の圧縮機の要部断面図である。図にお
いて、実施の形態1乃至実施の形態3と同等、あるいは
相当する部分については同一の符号を付してその説明は
省略する。図10では、実施の形態3で説明した図7の
構成に対して、ファン20の円板20bの内径を、羽根
20aの内周端の内径あるいは内壁20cの内径よりも
小さくして主軸4の近傍まで内周側に突出させるように
している。
【0085】図において、20aは羽根、20bは略中
央に貫通穴を有する円板であり、円板20bに羽根20
aを設けることによって内向流を生じさせるファン20
を構成している。本実施の形態では、円板20bの内径
と主軸4との間の半径方向すきまRBを可能な限り極め
て小さく設定している。これにより、内壁20cとボス
部15eとの間の半径方向すきまRBを通ってボス部1
5e下方の電動機回転子8とボス部15eとの間の空間
Xへ冷媒ガスが流れ込んでも、円板20bの内径と主軸
4との間の半径方向すきまRBが極めて小さく設定され
ているため流路抵抗となり、ファン20の上部で昇圧し
た圧力が円板20bの内径と主軸4との間の半径方向す
きまRBを通過しにくくなり、円板20bの内径と主軸
4との間の半径方向すきまRBよりリークするのを防止
でき、ファン20の上部空間の高い昇圧効果を得ること
ができる。
【0086】ここで、本実施の形態では、円板20bの
内径と主軸4との間の半径方向すきまRBを所定すきま
以下になるように設定している。円板20bの厚さが
0.5〜5mm程度、円板20bの内径がφ10〜φ1
20mm程度であれば、所定すきまを直径すきまで円板
20bの内径の4/100以下設定すれば、半径方向す
きまRBの通路抵抗を大きくすることができ、冷媒ガス
の半径方向すきまRBを通過する流量を低減でき、ファ
ン20の上部空間の昇圧効果を大きくすることができ
る。所定すきまを直径すきまで円板20bの4/100
より大きく設定すると、半径方向すきまRBの通路抵抗
を大きくすることができないので、ファン20の上部空
間を昇圧できないと考えられる。
【0087】したがって、上記のように円板20bの内
径を直径すきまで4/100以下に設定すれば、ファン
20の上部、すなわち電動機回転子8上部の空間の部分
的な昇圧を、実施の形態3よりも更に高めることがで
き、主軸4の浮き上がりによる主軸4の上下動を抑制で
き、主軸4の上下動により発生していた異常音や偏心軸
部4bの上端の摩耗を抑制できる低騒音で信頼性の高い
圧縮機を得ることができる。この場合、円板20bは主
軸とともに同期回転するので、所定すきまは零で主軸4
と接触していてもよい。
【0088】ここで、ファン20は通常プレス加工など
で一体成形にて製造すれば良いが、図10に示したファ
ン20のように、円板20bの内径が内壁20cより内
側に突出するような形状では、プレス加工などの一体成
形が困難であることが予想できる。そのような場合に
は、図11に示したように別体の仕切り板を使用するよ
うにすれば、ファン20を簡単に製造することができ
る。
【0089】図において、22は主軸4の外径よりも若
干大きな内径を有する円盤状の仕切り板であり、ファン
20と電動機回転子8との間に配設されている。ここ
で、主軸4の外径と仕切り板22の内径との間の半径方
向すきまRCは、可能な限り極めて小さく設定されてい
るので、主軸4の外径と仕切り板22の内径との間の半
径方向すきまRCが大きな流路抵抗となって冷媒の通過
を抑制できるため、製造が簡単でありながらファン20
の上部空間の昇圧効果を得ることができる。ここで、主
軸4の外径と仕切り板22の内径との間の半径方向すき
まRCも、所定のすきま以下に設定されており、この所
定のすきまは内壁20cとボス部15eとの間の半径方
向すきまRBと同様に仕切り板22の内径の4/100
以下としている。
【0090】ここで、ファン20は図7、図8で説明し
たファン20と同等であり、円板20bに内向流が生じ
るように羽根20aが設けられており、羽根20aの内
周側には羽根20aを連続的につなぐ内壁20cが設け
られている。また、仕切板22は、ファン20とは別体
で構成され、ファン20およびバランスウェイト8aと
いっしょに、電動機回転子8に同時にかしめなどにより
固定するようにすれば、仕切板22を追加したことによ
る組立コストの増加は生じない。また仕切板22は、プ
レス加工で成形するようにすれば安価にできるので、低
コストでできる。
【0091】なお、図10あるいは図11では、電動機
回転子8の圧縮機構部Kに対する相対的な位置関係から
円板20bあるいは仕切り板22が主軸4の部分に配置
されているため、図10あるいは図11の場合は、円板
20bの内径あるいは仕切り板22の内径と主軸4との
間の半径方向すきまRB、RCを小さくするため所定の
すきま以下に設定するようにしたが、円板20bあるい
は仕切り板22を圧縮機構部Kを構成するガイドフレー
ム15のボス部15eの位置に配置されている場合は、
円板20bの内径あるいは仕切板22の内径とガイドフ
レーム15のボス部15eとの間の半径方向すきまを極
力小さく設定して充分に流路抵抗を与えるようにしても
同等の効果が得られる。
【0092】また、図10あるいは図11では、ファン
20に内壁20cやファンカバー21が設けられていた
が、ファン20の内壁20cが設けられていない場合
や、あるいはファンカバー21が取りつけられていない
場合でも、主軸4あるいはガイドフレーム15のボス部
15eとファン20(円板20aの内周や仕切り板22
の内周)との間の半径方向すきまを小さくなるように所
定のすきま(円板20aの内径あるいは仕切り板22の
内径の4/100)以下になるように設定すれば、実施
の形態1よりも、ファン20の上部空間よりの圧力リー
クが減少するので、ファン20の上部空間の高い昇圧効
果を得ることができる。
【0093】以上のように電動機回転子8の上部に内向
流を生じさせるファン20を設けてファン20の上部空
間を部分的に昇圧させることで、電動機回転子8の上部
の圧力を増加させることができ、主軸アッセンブリーの
浮き上がりによる上下動の発生を抑制することができ
る。ここで、ファン20やファンカバー21の仕様は、
実際の異音発生や摩耗の状況に応じて、実験的に検証し
て、コストが最小で異音発生もなく摩耗の起こらないよ
うに組み合わせて選択すれば、低コストで信頼性が高く
低騒音の圧縮機を得ることができる。
【0094】ここで、ファン20およびファンカバー2
1は、PPS等の樹脂材料で射出成形により一体成形し
たり、または、アルミニウムなどのダイカスト可能な材
料でダイカストにより一体成形するようにすれば、安価
に製造できる。
【0095】なお、以上説明したように実施の形態1〜
実施の形態4では、いずれも圧縮機構部Kが上部に配置
され、電動機部Mが下部に配置された縦置き型の密閉型
圧縮機であったが、圧縮機構部Kが下部で電動機部Mが
上部に配置されていてもよい。また、圧縮機構部Kの軸
線方向と電動機部Mの軸線方向を水平方向に配置した横
置き型の密閉型圧縮機であっても、同様な効果が得られ
る。特に横置き型の場合では、主軸アッセンブリーの自
重の方向が縦置き型の場合のように反圧縮機構部側(第
2空間側)へ作用しないので、縦置き型の場合よりも主
軸アッセンブリーの自重の分だけ電動機回転子8や主軸
4を第2空間102側へ押圧する力が小さくなり、主軸
アッセンブリーが第1空間101側へ移動しやすくなる
ので、本実施の形態のようにファン20を備えるように
すれば、本発明の効果がより顕著に表れ、低騒音で信頼
性の高い横置き型圧縮機を得ることができる。
【0096】
【発明の効果】本発明の請求項1に係る圧縮機は、密閉
容器内に収納され、密閉容器外より吸入した冷媒を圧縮
して密閉容器内に吐出する圧縮機構部と、密閉容器内に
収納され、固定子と回転子から構成されて主軸を介して
圧縮機構部を駆動する電動機部と、回転子と圧縮機構部
の間に設けられ、主軸の回転に伴って冷媒を半径方向外
周側から取り込んで内周側より吐き出す内向流を生じさ
せるファンと、を備えたので、ファンの回転によりファ
ンの上部空間すなわち回転子の圧縮機構部側空間が部分
的に昇圧して回転子の上部空間の圧力が大きくなり、主
軸が固着された回転子を下方(第2空間側)に押圧でき
るようになり、主軸アッセンブリーの上下動の発生を回
避することできる。よって主軸アッセンブリーの上下動
に伴う異常音の発生や偏心軸部と揺動スクロールの接触
および接触により生じる接触部の摩耗の発生を抑制でき
る低騒音で信頼性の高い圧縮機を得ることができる。
【0097】また、本発明の請求項2に記載の圧縮機
は、略中央部に貫通穴を有する円板と、円板に設けら
れ、内向流を生じさせる複数の羽根と、によってファン
を構成し、羽根を円板と一体に形成したので、ファンの
製造コストを安価にできる。
【0098】また、本発明の請求項3に記載の圧縮機
は、ファンに、羽根の内周側を連続的につなぐように全
周にわたって形成され、冷媒の流れの向きを変更する内
壁を備えるようにしたので、ファンより排出された冷媒
がガイドフレームのボス部と電動機回転子との間の空間
へリークするのを抑制でき、回転子の上部空間の部分的
な昇圧を更に高めることができる。
【0099】また、本発明の請求項4に記載の圧縮機
は、羽根、円板および内壁とを一体的に形成したので、
ファンの製造コストを安価にできる。
【0100】また、本発明の請求項5に記載の圧縮機
は、ファンの羽根の外周側を全周にわたってすきまを介
して覆う覆い部を有するファンカバーを設けたので、フ
ァンから排出された冷媒の進路を妨害することでき、フ
ァンの回転により発生する電動機の上部空間の部分的な
昇圧を大きくすることができる。
【0101】また、本発明の請求項6に記載の圧縮機
は、ファンカバーを圧縮機構部に取り付け、ファンカバ
ーの覆い部の軸方向長さを羽根の軸方向高さの50%以
下としたので、ファンへの吸い込み量の減少に起因する
電動機の上部空間の部分的な昇圧効果の低下を抑制でき
る。
【0102】また、本発明の請求項7に記載の圧縮機
は、内壁を圧縮機構部の電動機部側端部を半径方向にす
きまを介して配置し、すきまを直径すきまで内壁の内径
の6/100以下としたので、ファンが取り込んだ冷媒
の一部がこの半径方向すきまを通過して、ガイドフレー
ムのボス部と電動機回転子との間の空間へ流れ込む量を
低減でき、電動機の上部空間の部分的な昇圧をより高め
ることができる。
【0103】また、本発明の請求項8に記載の圧縮機
は、ファンの円板を、主軸あるいは圧縮機構部の電動機
側端部のいずれかと半径方向にすきまを介して貫通穴に
装着し、すきまを直径すきまで貫通穴の内径の4/10
0以下としたので、ファンが取り込んだ冷媒の一部がこ
の半径方向すきまを通過して、ガイドフレームのボス部
と電動機回転子との間の空間へ流れ込む量を低減でき、
電動機の上部空間の部分的な昇圧をより高めることがで
きる。
【0104】また、本発明の請求項9に記載の圧縮機
は、回転子の圧縮機構部側の端面に圧縮機運転時のバラ
ンシングを行うバランスウェイトを備え、ファンをバラ
ンスウェイトとともにかしめにより回転子に固定するよ
うにしたので、ファンの回転子への取り付けコストを低
減できる。
【0105】また、本発明の請求項10に記載の圧縮機
は、ファンとは別体の略中央に貫通穴を有する仕切り板
を、ファンと回転子との間で、主軸あるいは圧縮機構部
の電動機側端部のいずれかと半径方向にすきまを介して
貫通穴に装着し、すきまを直径すきまで貫通穴の内径の
4/100以下としたので、ファンが取り込んだ冷媒の
一部がこの半径方向すきまを通過して、ガイドフレーム
のボス部と電動機回転子との間の空間へ流れ込む量を低
減でき、電動機の上部空間の部分的な昇圧をより高める
ことができる。
【0106】また、本発明の請求項11に記載の圧縮機
は、回転子の圧縮機構部側の端面に圧縮機運転時のバラ
ンシングを行うバランスウェイトを備え、ファンと仕切
板を、バランスウェイトとともに、かしめにより回転子
に固定するようにしたので、ファンおよび仕切板の組立
コストが低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1を示す密閉型圧縮機の
縦断面図である。
【図2】 図1で表される密閉型圧縮機の要部断面図で
ある。
【図3】 図1および図2に記載される密閉型圧縮機に
使用されるファンの斜視図である。
【図4】 ファンが電動機回転子に取りつけられた状態
を示す斜視図である。
【図5】 本発明の実施の形態2を表す密閉型圧縮機の
要部断面図である。
【図6】 本発明の実施の形態2を表すファンカバーの
斜視図である。
【図7】 本発明の実施の形態3を表す密閉型冷媒圧縮
機の要部断面図である。
【図8】 図7に示されるファンの斜視図である。
【図9】 本発明の実施の形態3を表す回転子の斜視図
である。
【図10】 本発明の実施の形態4を表す圧縮機の要部
断面図である。
【図11】 本発明の実施の形態4を表す別の圧縮機の
要部断面図である。
【図12】 従来の密閉型圧縮機の縦断面図である。
【符号の説明】
1 固定スクロール、1a 台板部、1b 板状渦巻
歯、1c オルダム案内溝、1d 圧縮室、1f 吐出
ポート、1g 吸入空間、1h 固定スクロール切欠き
部、2 揺動スクロール、2a 台板部、2b 板状渦
巻歯、2c 揺動軸受、2d スラスト面、2e オル
ダム案内溝、2f ボス部、2i 台板外周部空間、3
コンプライアントフレーム、3a スラスト軸受、3
c 主軸受け、3d 上嵌合円筒面、3e 下嵌合円筒
面、3h 補助軸受、4 主軸、4b 偏心軸部、4c
主軸部、4d 副軸部、4e 主軸バランスウェイ
ト、4f オイルパイプ、4g 鍔部、6 副フレー
ム、6a 副軸受、7 固定子、7a 電動機外周側流
路、8 回転子、8a、8b バランスウェイト、9
オルダムリング、9b 揺動スクロール爪、10 密閉
容器、10f ガラス端子、15 ガイドフレーム、1
5a 上嵌合円筒面、15b 下嵌合円筒面、15c
ガイドフレーム切欠き部、15e ボス部、15f フ
レーム空間、15g外周面、16a 上シール材、16
b 下シール材、17 吐出管、18 吸入管、20
ファン、20a 羽根、20b 円板、20c 内壁、
20d 貫通穴(かしめ孔)、21 ファンカバー、2
1a ボトム部、21b 囲い部、22 仕切り板、1
00 吐出空間、101 台の空間、102 第2の空
間。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐野 文昭 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 池田 清春 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 伏木 毅 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 西木 照彦 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 谷 真男 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 小川 喜英 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 瀬畑 崇史 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 3H029 AA02 AA14 AB03 BB21 BB44 CC07 CC16 3H039 AA06 AA12 BB02 BB04 CC12 CC20 CC21

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密閉容器内に収納され、前記密閉容器外
    より吸入した冷媒を圧縮して前記密閉容器内に吐出する
    圧縮機構部と、前記密閉容器内に収納され、固定子と回
    転子から構成されて主軸を介して前記圧縮機構部を駆動
    する電動機部と、前記回転子と前記圧縮機構部の間に設
    けられ、前記主軸の回転に伴って内向流を生じさせるフ
    ァンと、を備えたことを特徴とする圧縮機。
  2. 【請求項2】 略中央部に貫通穴を有する円板と、前記
    円板に設けられ、内向流を生じさせる複数の羽根と、に
    よって前記ファンを構成し、前記羽根を前記円板と一体
    に形成したことを特徴とする請求項1に記載の圧縮機。
  3. 【請求項3】 前記ファンに、内向流を生じさせる複数
    の羽根と、前記羽根の内周側を連続的につなぐように全
    周にわたって形成され、冷媒の流れの向きを変更する内
    壁と、を備えるようにしたことを特徴とする請求項1ま
    たは請求項2に記載の圧縮機。
  4. 【請求項4】 前記羽根、前記円板あるいは前記内壁の
    うちの少なくとも2つを一体的に形成したことを特徴と
    する請求項3に記載の圧縮機。
  5. 【請求項5】 前記ファンの前記羽根の外周側を全周に
    わたってすきまを介して覆う覆い部を有するファンカバ
    ーを設けたことを特徴とする請求項2乃至請求項4のい
    ずれかに記載の圧縮機。
  6. 【請求項6】 前記ファンカバーを前記圧縮機構部に取
    り付け、前記ファンカバーの覆い部の軸方向長さを前記
    羽根の軸方向高さの50%以下としたことを特徴とする
    請求項5に記載の圧縮機。
  7. 【請求項7】 前記内壁を前記圧縮機構部の前記電動機
    部側端部を半径方向にすきまを介して配置し、前記すき
    まを直径すきまで前記内壁の内径の6/100以下とし
    たことを特徴とする請求項3乃至請求項6のいずれかに
    記載の圧縮機。
  8. 【請求項8】 前記ファンの前記円板を、前記主軸ある
    いは前記圧縮機構部の前記電動機側端部のいずれかと半
    径方向にすきまを介して前記貫通穴に装着し、前記すき
    まを直径すきまで前記貫通穴の内径の4/100以下と
    したことを特徴とする請求項2乃至請求項7のいずれか
    に記載の圧縮機。
  9. 【請求項9】 前記回転子の前記圧縮機構部側の端面に
    圧縮機運転時のバランシングを行うバランスウェイトを
    備え、前記ファンを前記バランスウェイトとともにかし
    めにより前記回転子に固定するようにしたことを特徴と
    する請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の圧縮機。
  10. 【請求項10】 前記ファンとは別体の略中央に貫通穴
    を有する仕切り板を、前記ファンと前記回転子との間
    で、前記主軸あるいは前記圧縮機構部の前記電動機側端
    部のいずれかと半径方向にすきまを介して前記貫通穴に
    装着し、前記すきまを直径すきまで前記貫通穴の内径の
    4/100以下としたことを特徴とする請求項1乃至請
    求項9のいずれかに記載の圧縮機。
  11. 【請求項11】 前記回転子の前記圧縮機構部側の端面
    に圧縮機運転時のバランシングを行うバランスウェイト
    を備え、前記ファンと前記仕切板を、前記バランスウェ
    イトとともに、かしめにより前記回転子に固定するよう
    にしたことを特徴とする請求項10に記載の圧縮機。
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