JP2003161230A - 燃料噴射弁 - Google Patents

燃料噴射弁

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JP2003161230A JP2001363660A JP2001363660A JP2003161230A JP 2003161230 A JP2003161230 A JP 2003161230A JP 2001363660 A JP2001363660 A JP 2001363660A JP 2001363660 A JP2001363660 A JP 2001363660A JP 2003161230 A JP2003161230 A JP 2003161230A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低噴射領域で、噴孔8、9内で旋回流を形成
して広噴霧角の燃料噴霧を実現することのできる燃料噴
射ノズルを提供する。 【解決手段】 ノズルボデー2のシート面10側で開口
する各噴孔入口部31、32を燃料の流れ方向に対して
概略直交するように、隣接する2つの噴孔8、9を近接
して配置し、ノズルボデー2の外周側で開口する各噴孔
出口部33、34は所定の間隔を隔てて離間するよう
に、隣接する2つの噴孔8、9を同一噴孔径で形成する
ことで、ノズルニードル1の低リフト時(低噴射領域)
において近接した2つの噴孔8、9の各噴孔入口部3
1、32で偏った流れが形成され、各噴孔8、9内で旋
回流が形成される。これにより、低噴射領域において
は、低貫徹力で広噴霧角の燃料噴霧をエンジンの各気筒
の燃焼室内に噴射することができるので、空気との混合
が促進されて燃焼が改善し、エンジン排出ガスが浄化さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の各気筒
の燃焼室内に燃料を噴霧する内燃機関用燃料噴射弁に関
するもので、例えば直接噴射式ディーゼルエンジン等の
内燃機関の各気筒の燃焼室内に、高圧供給ポンプにより
加圧された高圧燃料を噴射供給する内燃機関用燃料噴射
ノズルに係わる。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば直接噴射式ディーゼル
エンジン等の内燃機関用燃料噴射ノズルから噴射される
燃料噴霧の形状および燃料噴射量は、内燃機関の運転状
態および噴射初期・噴射後期で最適な状態がある。それ
を実現する方法として、例えば特開平5−99099号
公報に記載の内燃機関用燃料噴射ノズル(第1従来例)
と実開平2−12067号公報に記載の内燃機関用燃料
噴射ノズル(第2従来例)がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前者(第1従来例)の
内燃機関用燃料噴射ノズルは、図9(a)に示したよう
に、ノズルボデーのシート面の弁座よりも上流側に突起
部101を設けて噴孔102への燃料流れを偏向させ
て、ノズルニードルの低リフト域(低負荷域・低噴射領
域)で、噴孔102内で旋回流を形成し、広噴霧角の燃
料噴霧を実現させたものである。具体的には、図9
(b)に示したように、噴孔102に対して突起部10
1の有り側と無し側とがあり、突起部101の無し側
(図示左側)は燃料の流速が早いが、突起部101の有
り側(図示右側)は燃料の流速が遅い。したがって、噴
孔102の中心に対して図示左右で燃料の流速に大小が
生じて流速大側の影響で、図9(b)に示したように、
噴孔102内において図示左回転方向(反時計回り)に
旋回流が生じる。
【0004】ところが、前者(第1従来例)の内燃機関
用燃料噴射ノズルは、次のような問題がある。ノズルボ
デーのシート面は、燃料のシール性確保のために形状精
度・面粗さ等高精度の加工技術が必要であり、そのよう
なシート面に突起部を形成するには更に高精度の加工技
術が必要となり、コストアップとなる。また、突起部を
ノズルニードル側に形成することも考えられるが、噴孔
と突起部の位置関係が重要であるために、ノズルニード
ルの回転を防止する機構が必要となり、同様にコストア
ップとなる可能性がある。
【0005】また、後者(第2従来例)の内燃機関用燃
料噴射ノズルは、シート面下流のサック部に微小間隔で
設けた微小噴孔で燃料の微粒化の促進を実現したもので
あるが、次のような問題がある。シート面上ではなくサ
ック部内に噴孔を形成するために、噴孔内への偏った流
れを形成することができない。これにより、噴孔内で旋
回流が形成されず、前者(第1従来例)のような広噴霧
角の燃料噴霧を実現することができなかった。
【0006】
【発明の目的】本発明の目的は、上記問題点に鑑み、低
噴射領域では噴孔内で旋回流を形成することで広噴霧角
の燃料噴霧を実現してエンジン排出ガスを浄化すること
のできる燃料噴射弁を低コストで提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
よれば、複数の噴孔のうちで隣接する2つの噴孔の、ノ
ズルボデーのシート面側で開口する各噴孔入口部を、軸
方向に直交する方向に対して概略同一平面内において近
接して配置することにより、各噴孔入口部で偏った流れ
が形成され、噴孔内で旋回流を形成できる。
【0008】請求項2に記載の発明によれば、複数の噴
孔のうちで隣接する2つの噴孔の、ノズルボデーの外周
側で開口する各噴孔出口部を、隣接する2つの噴孔から
噴射された燃料噴霧が重ならない範囲まで離間させた位
置に配置することにより、各噴孔入口部で偏った流れが
形成され、噴孔内で旋回流となり、各噴孔出口部から広
噴霧角の燃料噴霧を噴射することができるので、空気と
の混合が促進されて、燃焼が改善されるため、エンジン
排出ガスを浄化できる。
【0009】請求項3に記載の発明によれば、ノズルボ
デーの軸方向孔には、ノズルニードルを摺動自在に保持
するための摺動孔が設けられている。そして、軸方向孔
と摺動孔との間には、摺動孔よりも孔径が拡げられた油
溜まりが設けられている。そして、ノズルニードルは、
ノズルボデーの軸方向孔との間に所定のクリアランスを
保って往復移動自在に収容されている。そして、そのク
リアランスは、油溜まりからシート面へ延びる燃料通路
を形成している。
【0010】請求項4に記載の発明によれば、高圧供給
ポンプからの燃料の圧送によって燃料通路内の燃料圧力
が、第1付勢手段の付勢力に打ち勝つ圧力に達すると、
ノズルニードルがノズルボデーのシート面より離脱して
1段目リフトまでリフトする。このような低噴射領域で
は、各噴孔入口部が近接して配置されているので、各噴
孔入口部に偏った流れが生じ、噴孔内で旋回流が形成さ
れるために、低貫徹力で広噴霧角の燃料噴霧を噴射する
ことができる。更に燃料通路内の燃料圧力が、第1付勢
手段の付勢力と第2付勢手段の付勢力との和よりも大き
くなると、ノズルニードルがフルリフトまでリフトす
る。このような高噴射領域では、各噴孔入口部が近接し
て配置されていても、偏った流れが生じることなく、噴
孔内で整流化されて、高貫徹力の燃料噴霧を噴射するこ
とができるため、内燃機関の気筒内に渡って燃料噴霧を
分散させることができ、燃焼が改善され、エンジン排出
ガスを浄化できる。
【0011】請求項5に記載の発明によれば、隣接する
2つの噴孔の噴孔径を同一径(D)としたとき、近接し
て配置される各噴孔入口部間の距離(L)は、L<D×
(π−1)の関係を満足することを特徴としている。ま
た、請求項6に記載の発明によれば、隣接する2つの噴
孔の噴孔径を互いに異なる径(D1、D2)としたと
き、近接して配置される各噴孔入口部間の距離(L)
は、L<{(D1+D2)/2}×(π−1)の関係を
満足することを特徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】発明の実施の形態を実施例に基づ
き図面を参照して説明する。 [第1実施例の構成]図1ないし図7は本発明の第1実
施例を示したもので、図1は内燃機関用燃料噴射ノズル
の全体構造を示した図である。
【0013】本実施例の内燃機関用燃料噴射ノズル(以
下燃料噴射ノズルと略す)は、図示しないディーゼルエ
ンジン等の内燃機関(以下エンジンと言う)の各気筒毎
に搭載されて、図示しない高圧供給ポンプによって高圧
に加圧された高圧燃料を、直接燃焼室内に霧状に噴射供
給する直接噴射タイプの燃料噴射弁である。
【0014】この燃料噴射ノズルは、ノズルニードル1
を収容するノズルボデー2と、図示しない第1、第2付
勢手段としての第1、第2スプリングを収容するノズル
ホルダー(図示せず)と、ノズルボデー2の密着面とノ
ズルホルダーの密着面との間に配置されたチップパッキ
ン(図示せず)と、このチップパッキンを介してノズル
ボデー2の密着面とノズルホルダーの密着面とを所定の
締結軸力によって締め付け固定するためのリテーニング
ナット(図示せず)とから構成されている。
【0015】なお、ノズルボデー2には、密着面から油
溜まり4へ延びる燃料送出路(以下燃料孔と言う)3が
設けられている。また、ノズルホルダーには、継手部か
ら密着面へ延びる燃料供給路(図示せず)が設けられて
いる。また、チップパッキンには、ノズルボデー2の燃
料孔3とノズルホルダーの燃料供給路とを連通する燃料
中継路(図示せず)が設けられている。また、チップパ
ッキンの端面には、ノズルニードル1の最大リフト量を
規制する規制面が設けられている。そして、本実施例で
は、図示しない電磁式アクチュエータ(ノズルニードル
1を開弁方向に駆動するニードル駆動手段)としての電
磁弁によってノズルニードル1の背後(例えばノズルホ
ルダーの後端部)に形成される制御室(図示せず)内の
油圧力を制御することにより、ノズルニードル1が軸方
向に往復移動するように構成されている。
【0016】ノズルニードル1は、略丸棒形状に形成さ
れて、ノズルホルダー内に収容された第1、第2スプリ
ングの付勢力によって複数の噴孔(後述する)8、9を
閉じる方向に常に付勢されており、先端部がノズルボデ
ー2のシート面10の弁座に着座、離脱して、複数の噴
孔(噴射孔)8、9を閉塞、開放するものである。この
ノズルニードル1は、単純な円柱面形状の軸方向部11
とこの軸方向部11よりも外径が小さい単純な円柱面形
状の軸方向部12との間に径小部13を有している。
【0017】なお、軸方向部11は、ノズルボデー2の
軸方向孔6の図示上部側に設けられる摺動孔7内におい
て摺動自在に保持されている。また、軸方向部11の図
示上端面より軸方向に突出した凸状部17の周りには、
ノズルニードル1が最もリフトした際にチップパッキン
の規制面に当接する円環状の肩部18が形成されてい
る。そして、ノズルニードル1は、軸方向部12とノズ
ルボデー2の軸方向孔6との間に所定のクリアランスを
保って往復移動自在に収容されている。そのクリアラン
スは、油溜まり4からシート面10へ延びる燃料通路5
を形成している。ノズルボデー2の軸方向孔6には、ノ
ズルニードル1を摺動自在に保持するための摺動孔7が
設けられている。
【0018】ノズルニードル1の燃料の流れ方向の下流
側(図1および図2において図示下端側)の先端部に
は、概略2段の円錐形状面が設けられており、それらの
円錐形状面間に設けられる円環状の稜線(エッジ)に
は、ノズルボデー2の先端部に形成されたシート面10
の弁座に液密的に接触(着座)して燃料通路5と燃料通
路14との連通状態を遮断するためのシート部15が形
成されている。なお、ノズルニードル1のシート部15
よりも先端側には、図2に示したように、先端円錐面1
6が形成されている。また、ノズルニードル1の開弁方
向の移動(リフト)によって、シート部15をノズルボ
デー2のシート面10の弁座から離脱(リフト)させた
場合には、燃料通路5と燃料通路14とは連通状態(開
放状態)となり、燃料通路5側から供給される燃料を複
数の噴孔8、9側の燃料通路14へと通過させる。
【0019】ノズルボデー2は、先端部に燃料を噴射す
るための噴孔8、9を複数個備えている。そして、ノズ
ルボデー2の中央部には、密着面より複数の噴孔8、9
側へと延びる軸方向孔6が設けられ、その軸方向孔6の
図示上端側には、軸方向孔6よりも孔径が窄められて、
ノズルニードル1を摺動自在に保持するための摺動孔7
が設けられ、軸方向孔6と摺動孔7との間には、軸方向
孔6および摺動孔7よりも孔径が拡げられた油溜まり4
が設けられている。
【0020】そのノズルボデー2は、図示上端側から図
示下端側に向かって、円筒壁部21、この円筒壁部21
よりも外径の小さい円筒壁部22、およびこの円筒壁部
22よりも外径が小さく、略逆円錐形状のテーパー壁部
23が順に設けられている。なお、円筒壁部21内に
は、チップパッキンを介してノズルホルダーの密着面に
液密的に当接する密着面(ノズルボデー2の密着面)か
ら油溜まり4へ斜めに延びる燃料孔3が設けられてい
る。また、円筒壁部22内には、摺動孔7よりも孔径が
拡げられた軸方向孔6が形成され、その軸方向孔6とノ
ズルニードル1の軸方向部12との間には、油溜まり4
から複数の噴孔8、9側へ軸方向に真っ直ぐ延びる燃料
通路5が形成されている。
【0021】そして、ノズルボデー2のテーパー壁部2
3の内周面には、燃料噴射終了時にノズルニードル1の
シート部15が着座する弁座を有する逆円錐面形状のシ
ート面10が形成されている。そして、複数の噴孔8、
9は、テーパー壁部23のシート面10の弁座よりも燃
料の流れ方向の下流側からテーパー壁部23の外周まで
を斜めに貫通する燃料噴射孔である。それらの噴孔8、
9は、それぞれ同一の噴孔径で、且つ概略円周方向にド
リル等の工具によってノズルボデー2のテーパー壁部2
3を貫通するように穿設されている。そして、隣接する
2つの噴孔8、9のうちの一方の噴孔8の、シート面1
0で開口する噴孔入口部31と他方の噴孔9の、シート
面10で開口する噴孔入口部32とは、図2および図3
に示したように、燃料の流れ方向に対して概略直交する
ように、すなわち、ノズルニードル1の中心軸に直交す
るように概略同一平面上で近接して配置され、且つノズ
ルボデー2のテーパー壁部23のシート面10で開口し
ている。
【0022】ここで、各噴孔入口部31、32を、燃料
の流れ方向に対して概略直交するように概略同一平面上
で近接して配置する理由は、図4に示したように、ノズ
ルニードル1の低リフト域(低負荷域・低噴射領域)
で、各噴孔8、9の噴孔入口部31、32の中心に対し
て図示左右に燃料の流速差(流量差)を持たせること
で、各噴孔8、9内で旋回流を形成するためである。な
お、図5(a)に示したように、燃料の流れ方向に対し
て斜めに各噴孔8、9の噴孔入口部31、32を近接し
て配置した場合には、各噴孔8、9の噴孔入口部31、
32の中心に対して図示左右の燃料の流速(流量)差が
小さく、各噴孔8、9内で燃料が旋回し難くなる。ま
た、図5(b)に示したように、燃料の流れ方向に対し
て同一方向(直線方向)に各噴孔8、9の噴孔入口部3
1、32を近接して配置した場合には、各噴孔8、9の
噴孔入口部31、32の中心に対して図示左右の流速
(流量)差がなく、各噴孔8、9内で燃料が旋回しな
い。
【0023】しかるに、各噴孔入口部31、32が近接
して配置される隣接する2つの噴孔8、9の、ノズルボ
デー2のテーパー壁部23の外周側で開口する噴孔出口
部33、34同士は、隣接する2つの噴孔8、9から噴
射された燃料噴霧が重ならない範囲まで離間させた位置
に配置されており、多くの場合は、概略円周方向に等間
隔に配置されている。したがって、各噴孔8、9の中心
軸とノズルボデー2の中心軸とは交差せず、各噴孔8、
9の中心軸は、ノズルニードル1の中心軸およびノズル
ボデー2の中心軸に対して所定の傾斜角度だけ傾斜して
いる。
【0024】すなわち、各噴孔8、9の中心軸は、図2
に示したように、ノズルニードル1の中心軸およびノズ
ルボデー2の中心軸に対して直交する垂直線より所定の
傾斜角度だけ図示下方に傾斜するように穿設されてい
る。また、各噴孔8、9の中心軸は、図3に示したよう
に、ノズルニードル1の中心軸より放射状に形成されて
いるのではなく、ノズルニードル1の中心軸から外径側
に所定距離だけ偏心した位置(F)から、ノズルニード
ル1の径方向に延びる放射線(G)を中心にして所定の
傾斜角度(θ)を持って均等にしかも噴孔出口部33、
34同士が離れるように穿設されている。
【0025】ここで、近接した噴孔径が同一の2つの噴
孔8、9の各噴孔入口部31、32の中心間距離(l)
は、図6(a)、(b)に示したように、燃料通路5か
ら噴孔8、9内に安定して燃料が流れ込むようにするた
めに、噴孔全周長(πD)が必要である。このため、各
噴孔入口部31、32の中心間距離(l)は、l≦(π
D/2)+(πD/2)=πDとなる。また、近接した
噴孔径が同一の2つの噴孔8、9の各噴孔入口部31、
32間の距離(L)は、L≦l−(D/2)×2=πD
−D=D×(π−1)となる。したがって、近接した2
つの噴孔8、9間で燃料の流れを奪い合う必要があるた
め、近接した噴孔径が同一の2つの噴孔8、9の各噴孔
入口部31、32間の距離(L)は、L<D×(π−
1)の関係を満足するように設定することが望ましい。
但し、各噴孔8、9は同一の噴孔径(例えばφ0.1〜
φ0.3)であるために、各噴孔8、9の噴孔径をDと
した場合である。
【0026】[第1実施例の作用]次に、本実施例の燃
料噴射ノズルの作用を図1ないし図7に基づいて簡単に
説明する。
【0027】高圧供給ポンプから所定量の燃料が所定の
時期に圧送され、この高圧燃料がいずれも図示しない噴
射管、燃料噴射装置を経由して燃料孔3に供給される。
この高圧燃料は、燃料孔3、油溜まり4を経由して、ノ
ズルニードル1の軸方向部12とノズルボデー2の軸方
向孔6との間に形成される燃料通路5内に蓄えられる。
その燃料通路5内の燃料圧力が増大して、ノズルホルダ
ー内に収容された第1スプリングの付勢力に打ち勝つ圧
力に達すると、ノズルニードル1はノズルボデー2のシ
ート面10の弁座から離脱(リフト)して1段目リフト
(HD1)まで軸方向の図示上方側へリフトする。この
ノズルニードル1の開弁方向の移動(リフト)によっ
て、ノズルニードル1のシート部15がノズルボデー2
のシート面10の弁座から離脱(リフト)するため、燃
料通路5と燃料通路14とは連通状態(開放状態)とな
り、燃料孔3、油溜まり4および燃料通路5から供給さ
れる燃料が複数の噴孔8、9側の燃料通路14へと流れ
込む。
【0028】この軸方向の図示上方側への1段目リフト
(HD1)では、各噴孔8、9の噴孔入口部31、32
とノズルニードル1の先端円錐面16との隙間が狭く
(約30〜100μm)、且つ噴孔入口部31、32が
近接しているために、噴孔入口部31、32が近接して
いる所(B)の燃料を各噴孔8、9が奪い合い流量が少
なく、流速が遅い。逆に、各噴孔8、9の噴孔入口部3
1、32が近接していない側(C)は奪い合う噴孔8、
9がないために流量が多く、流速が速い。この流量差
(流速差)によって、噴孔入口部31、32で偏った流
れが形成され、各噴孔8、9内での旋回流(E)となる
(図3、図4および図7参照)。したがって、ノズルニ
ードル1が1段目リフト(HD1)までリフトして、各
噴孔8、9の噴孔入口部31、32とノズルニードル1
の先端円錐面16との隙間が狭い低噴射領域では、低貫
徹力で広噴霧角の燃料噴霧をエンジンの各気筒の燃焼室
内に噴射することができるため、空気との混合が促進さ
れて燃焼が改善する。
【0029】更に、ノズルニードル1の軸方向部12と
ノズルボデー2の軸方向孔6との間に形成される燃料通
路5内の燃料圧力が増加すると、ノズルホルダー内に収
容された第1スプリングと第2スプリングとの付勢力の
和よりも大きくなり、ノズルニードル1がフルリフト
(HD2)までリフトする。例えばノズルニードル1の
肩部18がチップパッキン等の規制部材に到達するまで
リフトする。このフルリフトでは、噴孔入口部31、3
2とノズルニードル1の先端円錐面16との隙間が広い
(約250〜400μm)ために、噴孔入口部31、3
2近傍の燃料の流速が低下(圧力は高い)する。
【0030】それによって、隣接する2つの噴孔8、9
の各噴孔入口部31、32が近接していても、偏った燃
料流れが生じることはなく、各噴孔8、9内で整流化さ
れる。したがって、ノズルニードル1がフルリフト(H
D2)までリフトして、各噴孔入口部31、32とノズ
ルニードル1の先端円錐面16との隙間が広い高噴射領
域では、高貫徹力の燃料噴霧を噴射することができるた
め、エンジンの各気筒の燃焼室内に渡って燃料噴霧を分
散させることができ、燃焼を改善できる。そして、高圧
供給ポンプからの燃料圧送が終わりに近づくと、燃料通
路5内の燃料圧力が低下するため、第1スプリングおよ
び第2スプリングの付勢力により、ノズルニードル1が
シート面10方向に付勢され、シート部15がシート面
10の弁座に着座すると燃料噴射は終了する。
【0031】[第1実施例の効果]以上のように、本実
施例の燃料噴射ノズルにおいては、ノズルボデー2のテ
ーパー壁部23のシート面10側で開口する各噴孔入口
部31、32を燃料の流れ方向に対して概略直交するよ
うに、隣接する2つの噴孔8、9を近接して配置し、ノ
ズルボデー2のテーパー壁部23の外周側で開口する各
噴孔出口部33、34は所定の間隔を隔てて離間するよ
うに、隣接する2つの噴孔8、9を同一噴孔径で形成し
ている。
【0032】それによって、ノズルニードル1の低リフ
ト域(低負荷域・低噴射領域)では近接した噴孔8、9
の各噴孔入口部31、32の中心の図示左右で各噴孔入
口部31、32内に流れ込む燃料の流速(流量)差を生
じさせることで、図7に示したように、各複数の噴孔
8、9内で旋回流が形成されるために、各噴孔出口部3
3、34から低貫徹力・広噴霧角の燃料噴霧を実現で
き、且つノズルニードル1の高リフト域(高噴射領域)
では高貫徹力の燃料噴霧を実現できる。これにより、エ
ンジンの各気筒の燃焼室内での燃焼状態を改善できるの
で、エンジン排出ガスを浄化することができる。
【0033】ここで、ノズルボデー2のテーパー壁部2
3のシート面10は、燃料のシール性確保のために形状
精度・面粗さ等高精度の加工技術が必要であり、そのよ
うなシート面10に突起部(101)を形成するには更
に高精度の加工技術が必要となり、コストアップとなっ
ていたが、本実施例の燃料噴射ノズルでは、上記のよう
な突起部(101)を設けることなく、ノズルニードル
1の低リフト域(低負荷域・低噴射領域)で、複数の噴
孔8、9内で旋回流を形成することができるので、コス
トダウンとなる。
【0034】[第2実施例]図8は本発明の第2実施例
を示したもので、図8は燃料噴射ノズルの主要構造を示
した図である。
【0035】本実施例の燃料噴射ノズルは、隣接する2
つの噴孔8、9の噴孔径を異なるものとしている。ここ
で、近接した噴孔径が異なる2つの噴孔8、9の各噴孔
入口部31、32間の距離(L)は、L<{(D1+D
2)/2}×(π−1)の関係を満足するように設定さ
れる。但し、噴孔8の噴孔径をD1、噴孔9の噴孔径を
D2とする。本実施例においても、第1実施例と同様な
作用効果を達成することができる。
【0036】[変形例]本実施例では、本発明の燃料噴
射弁を、列型燃料噴射ポンプや分配型燃料噴射ポンプ等
の高圧供給ポンプから油溜まり4および燃料通路5内に
直接圧送され、燃料通路5内の燃料圧力が第1、第2ス
プリング等の第1、第2付勢手段の付勢力よりも大きく
なるとノズルニードル1が開弁して、エンジンの各気筒
の燃焼室内に燃料噴射する燃料噴射装置に使用される燃
料噴射ノズルに適用した例を説明したが、本発明の燃料
噴射弁を、高圧供給ポンプから圧送された高圧燃料をコ
モンレール(蓄圧配管)内に蓄圧し、このコモンレール
内に蓄圧した高圧燃料を、エンジンの各気筒の燃焼室内
に噴射供給する蓄圧式燃料噴射装置(コモンレール式燃
料噴射システム)に使用されるインジェクタ(電磁式燃
料噴射弁)の燃料噴射ノズルに適用しても良い。
【0037】本実施例では、本発明の燃料噴射弁を、直
接噴射式ディーゼルエンジンのシリンダヘッドに取り付
けて燃料を燃焼室内に直接噴射する直接噴射タイプの燃
料噴射ノズルに適用した例を説明したが、本発明の燃料
噴射弁を、副燃焼室式ディーゼルエンジンのシリンダヘ
ッドに取り付けて燃料を副燃焼室内に噴射するタイプの
燃料噴射ノズルに適用しても良い。
【0038】本実施例では、各噴孔入口部31、32が
近接して配置される複数の噴孔8、9の開口形状を円形
状としたが、各噴孔入口部31、32が近接して配置さ
れる複数の噴孔8、9の開口形状を多角形状、長円形
状、楕円形状としても良い。また、本実施例では、ノズ
ルニードル1のシート部15よりも先端側を単純な円錐
面形状(先端円錐面16)としたが、複数段の円錐面形
状としても良い。また、ノズルボデー2のシート面10
を単純な円錐面形状としたが、ノズルニードル1のシー
ト部(稜線、エッジ部)15がシート面10側のエッジ
部に接触しなければ、複数段の円錐面形状としても良
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】燃料噴射ノズルの全体構造を示した断面図であ
る(第1実施例)。
【図2】燃料噴射ノズルの主要構造を示した断面図であ
る(第1実施例)。
【図3】図2のA−A断面図である(第1実施例)。
【図4】隣接する2つの噴孔間の燃料の流速差が大きい
例を示した説明図である(第1実施例)。
【図5】(a)は隣接する2つの噴孔間の燃料の流速差
が小さい例を示した説明図で、(b)は燃料の流速差が
無い例を示した説明図である(比較例)。
【図6】(a)、(b)は噴孔全周長(πD)、各噴孔
入口部間の距離(L)、各噴孔入口部の中心間距離
(l)を示した説明図である(第1実施例)。
【図7】燃料噴射ノズルの燃料噴射状態を示した説明図
である(第1実施例)。
【図8】燃料噴射ノズルの主要構造を示した断面図であ
る(第2実施例)。
【図9】(a)、(b)は燃料の流れを示した説明図で
ある(第1従来例)。
【符号の説明】
1 ノズルニードル 2 ノズルボデー 3 燃料孔(燃料送出路) 4 油溜まり 5 燃料通路(クリアランス) 6 軸方向孔 7 摺動孔 8 噴孔 9 噴孔 10 シート面 15 シート部 16 先端円錐面 23 テーパー壁部 31 噴孔入口部 32 噴孔入口部 33 噴孔出口部 34 噴孔出口部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軸方向孔を有し、且つ軸方向の先端側に複
    数の噴孔を有するノズルボデーと、このノズルボデーの
    軸方向孔内において往復移動可能に収容されて、軸方向
    の先端部に前記ノズルボデーの弁座に着座、離脱するシ
    ート部を有するノズルニードルとを備えた燃料噴射弁で
    あって、 前記弁座は、燃料噴射終了時に前記ノズルニードルのシ
    ート部が着座するシート面の途中に設けられ、 前記複数の噴孔は、前記シート面の前記弁座よりも燃料
    の流れ方向の下流側を貫通するように設けられ、 これらの噴孔のうちで隣接する2つの噴孔の、前記シー
    ト面側で開口する各噴孔入口部は、軸方向に直交する方
    向に対して概略同一平面内において近接して配置されて
    いることを特徴とする燃料噴射弁。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の燃料噴射弁において、 前記複数の噴孔のうちで隣接する2つの噴孔の、前記ノ
    ズルボデーの外周側で開口する各噴孔出口部は、隣接す
    る2つの噴孔から噴射された燃料噴霧が重ならない範囲
    まで離間させた位置に配置されていることを特徴とする
    燃料噴射弁。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2に記載の燃料噴射
    弁において、 前記軸方向孔には、前記ノズルニードルを摺動自在に保
    持するための摺動孔が設けられ、 前記軸方向孔と前記摺動孔との間には、前記摺動孔より
    も孔径が拡げられた油溜まりが設けられており、 前記ノズルニードルは、前記ノズルボデーの軸方向孔と
    の間に所定のクリアランスを保って往復移動自在に収容
    されており、 前記クリアランスは、前記油溜まりから前記シート面へ
    延びる燃料通路を形成することを特徴とする燃料噴射
    弁。
  4. 【請求項4】請求項3に記載の燃料噴射弁において、 前記ノズルニードルを閉弁方向に付勢する第1付勢手段
    と、前記ノズルニードルを閉弁方向に付勢する第2付勢
    手段とを備え、 前記ノズルニードルは、高圧供給ポンプからの燃料の圧
    送によって前記燃料通路内の燃料圧力が、前記第1付勢
    手段の付勢力に打ち勝つ圧力に達すると、前記ノズルボ
    デーのシート面より離脱して1段目リフトまでリフト
    し、 更に前記燃料通路内の燃料圧力が、前記第1付勢手段の
    付勢力と前記第2付勢手段の付勢力との和よりも大きく
    なると、フルリフトまでリフトすることを特徴とする燃
    料噴射弁。
  5. 【請求項5】請求項1ないし請求項4のうちいずれかに
    記載の燃料噴射弁において、 前記隣接する2つの噴孔の噴孔径を同一径(D)とした
    とき、 近接して配置される前記各噴孔入口部間の距離(L)
    は、 L<D×(π−1) の関係を満足することを特徴とする燃料噴射弁。
  6. 【請求項6】請求項1ないし請求項4のうちいずれかに
    記載の燃料噴射弁において、 前記隣接する2つの噴孔の噴孔径を互いに異なる径(D
    1、D2)としたとき、 近接して配置される前記各噴孔入口部間の距離(L)
    は、 L<{(D1+D2)/2}×(π−1) の関係を満足することを特徴とする燃料噴射弁。
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