JP2003160081A - スクータ型自動二輪車 - Google Patents

スクータ型自動二輪車

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JP2003160081A
JP2003160081A JP2001357572A JP2001357572A JP2003160081A JP 2003160081 A JP2003160081 A JP 2003160081A JP 2001357572 A JP2001357572 A JP 2001357572A JP 2001357572 A JP2001357572 A JP 2001357572A JP 2003160081 A JP2003160081 A JP 2003160081A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ヘッドパイプから後ろ下がりに延びる左右一対
のダウンフレーム部に、側面視でV型に配置される一対
のシリンダ部を有するV型のエンジンが取り付けられ、
左右一対の足載せ部と、それらの足載せ部間で上方に隆
起したフロアトンネル部とが形成される車体カバーで前
記エンジンが覆われるスクータ型自動二輪車において、
前部車体幅を比較的小さく設定可能とする。 【解決手段】エンジンEの両シリンダ部30A,30B
は、フロアトンネル部102の内側面に沿って前後上向
きに配置され、前方側のシリンダ部30Aおよびヘッド
パイプ17間では側面視で直状に延びる左右一対のダウ
ンフレーム部18が、フロアトンネル部102内で前方
側のシリンダ部30Aの両側方に配置される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、前輪を操向可能に
支承するヘッドパイプから後ろ下がりに延びる左右一対
のダウンフレーム部に、側面視でV型に配置される一対
のシリンダ部を有するV型のエンジンが取り付けられ、
左右一対の足載せ部と、それらの足載せ部間で上方に隆
起したフロアトンネル部とが形成される車体カバーで前
記エンジンが覆われるスクータ型自動二輪車に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、このようなスクータ型自動二輪車
は、たとえば特開2001−88763号公報等で既に
知られており、このものでは、一対のシリンダ部が前向
きにV型に開いた姿勢でエンジンがダウンフレーム部に
取り付けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
ものでは、両シリンダ部がなす角度が狭く設定されてお
り、両シリンダ部の干渉を回避するためにクランクシャ
フトの軸線に沿う方向でのエンジンの幅が比較的大きく
ならざるを得ないので、前部の車体幅も広くならざるを
得ない。
【0004】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、前部車体幅を比較的狭く設定可能としたスク
ータ型自動二輪車を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、前輪を操向可能に支承する
ヘッドパイプから後ろ下がりに延びる左右一対のダウン
フレーム部に、側面視でV型に配置される一対のシリン
ダ部を有するV型のエンジンが取り付けられ、左右一対
の足載せ部と、それらの足載せ部間で上方に隆起したフ
ロアトンネル部とが形成される車体カバーで前記エンジ
ンが覆われるスクータ型自動二輪車において、前記エン
ジンの両シリンダ部は、前記フロアトンネル部の内側面
に沿って前後上向きに配置され、前記両シリンダ部のう
ち前方側のシリンダ部および前記ヘッドパイプ間では側
面視で直状に延びる前記左右一対のダウンフレーム部
が、前記フロアトンネル部内で前記前方側のシリンダ部
の両側方に配置されることを特徴とする。
【0006】このような構成によれば、エンジンの両バ
ンクが、前後上向きであってフロアトンネル部の内側面
に沿うものであるので、両シリンダ部がなす角度を広く
設定し得るようにし、クランクシャフトの軸線に沿う方
向でのエンジンの幅を比較的小さく設定しても両シリン
ダ部の干渉が生じることはなく、したがって前部車体幅
を比較的狭くしつつエンジンを前寄りに配置することを
可能としてスポーツ走行性能を高めることができる。し
かもフロアトンネル部の幅を比較的狭く設定することが
可能となることで、足載せ部の幅を確保し、乗り心地を
向上することができる。さらにダウンフレーム部が、前
部車体幅を広げずに、または足載せスペースを確保しつ
つ側面視で略直状となることで、ダウンフレーム部の形
状を簡略化して剛性を高めることができるとともに、ダ
ウンフレーム部の軽量化を図ることができる。
【0007】また請求項2記載の発明は、上記請求項1
記載の発明の構成に加えて、前記ダウンフレーム部の上
部後端には、前記前方側のシリンダ部の上方から後方側
のシリンダ部の両側方を通って後方に延びる延長フレー
ム部が連設されることを特徴とし、かかる構成によれ
ば、両シリンダ部が前後に離隔して配置されるので、ダ
ウンフレーム部から延長フレーム部を後方に延ばして後
方のシリンダ部の両側を通すにあたり、延長フレーム部
を屈曲させたり、他の部材との溶接箇所が増えたりする
ことを回避することができ、それにより延長フレーム部
の軽量化および剛性増大を図ることができる。
【0008】さらに請求項3記載の発明は、上記請求項
1または2記載の発明の構成に加えて、前記エンジンの
クランクケースが、ダイヤモンド型の車体フレームの一
部を該エンジンが構成するようにして前記ダウンフレー
ム部に取り付けられることを特徴とし、かかる構成によ
れば、ダウンフレーム部に対応する位置に両シリンダ部
のうち前方のシリンダ部だけが位置するようにして、ク
ランクケースへのダウンフレーム部の結合を容易とし、
車体フレームの一部をエンジンで構成するようにして部
品点数を低減し、足載せスペースを確保しつつ車体全体
をより一層軽量化することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付の図面に示した本発明の一実施例に基づいて説明す
る。
【0010】図1〜図12は本発明の一実施例を示すも
のであり、図1はスクータ型自動二輪車の側面図、図2
は車体カバーの一部を省略した状態でのスクータ型自動
二輪車の縦断側面図、図3は図1の要部拡大縦断側面
図、図4は図3の4−4線に沿うエンジンの拡大断面
図、図5は図3の5ー5線断面図、図6は図3の6−6
線断面図、図7はエンジン、吸気装置および排気装置の
全体側面図、図8はエンジンおよび後輪間の伝動系、吸
気装置および排気装置の概略平面図、図9は図2の9−
9線拡大断面図、図10は図4の10矢視図、図11は
スクータ型自動二輪車の一部切欠き平面図、図12は仕
切り壁の平面図である。
【0011】先ず図1〜図3において、このスクータ型
自動二輪車の車体フレームFは、前輪WFを軸支するフ
ロントフォーク15ならびに該フロントフォーク15に
連結される操向ハンドル16を操向可能に支承するヘッ
ドパイプ17と、該ヘッドパイプ17から後ろ下がりに
延びる左右一対のダウンフレーム部18…と、両ダウン
フレーム部18…の後端上部から後方に延設される左右
一対の延長フレーム部19…と、延長フレーム部19…
の後端から前下がりに延びる左右一対の支持フレーム2
0…と、延長フレーム部19…の後端に接続されて後ろ
上がりに延びるとともに後端が相互に連結される左右一
対の傾斜フレーム21…とを備える。
【0012】ダウンフレーム部18は、ヘッドパイプ1
7から後ろ下がりに延びる上部ダウンフレーム22と、
上部ダウンフレーム22よりも下方でヘッドパイプ17
から後ろ下がりに延びる下部ダウンフレーム23と、上
部および下部ダウンフレーム22,23間を連結する連
結フレーム24とで構成されるものであり、このダウン
フレーム部18は、側面視で直状に延びるようにしてヘ
ッドパイプ17に連設される。
【0013】延長フレーム部19は、前記上部ダウンフ
レーム22の後端に一体に連なって後方にほぼ水平に延
びる水平フレーム25と、水平フレーム25の後端に一
体に連なって後ろ上がりに延びる傾斜フレーム26とを
備える。
【0014】延長フレーム部19における傾斜フレーム
26の後端には、傾斜フレーム21の前端が一直線状に
連なるように結合され、両傾斜フレーム26,21で後
部フレーム27が構成される。
【0015】図4〜図8を併せて参照して、エンジンE
は、左右方向に延びる軸線を有するクランクシャフト2
8を回転自在に支承するクランクケース29と、該クラ
ンクケース29から前上がりに延びる第1シリンダ軸線
C1を有してクランクケース29に結合される第1シリ
ンダ部30Aと、前記クランクケース29から後ろ上が
りに延びる第2シリンダ軸線C2を有してクランクケー
ス29に結合される第2シリンダ部30Bと、第1シリ
ンダ部30Aに結合される第1シリンダヘッド31A
と、第2シリンダ部30Bに結合される第2シリンダヘ
ッド31Bと、第1シリンダ部30Aとは反対側で第1
シリンダヘッド31Aに結合される第1ヘッドカバー3
2Aと、第2シリンダ部30Bとは反対側で第2シリン
ダヘッド31Bに結合される第2ヘッドカバー32Bと
を備え、第1および第2シリンダ部30A,30Bを前
後上向きに配置したV型のたとえば2気筒に構成され
る。
【0016】前記車体フレームFのダウンフレーム部1
8は、前記両シリンダ部30A,30Bのうち前方側の
第1シリンダ部30Aおよび前記ヘッドパイプ17間で
は側面視で直状に延びるように形成されており、前方側
である第1シリンダ部30Aの両側方に配置される。
【0017】またダウンフレーム部18から後方に延び
る延長フレーム部19は、第1シリンダ部30Aの上方
から後方側である第2シリンダ部30Bの両側方を通っ
て後方に延設される。
【0018】ダウンフレーム部18のうち上部ダウンフ
レーム22…の後端にクランクケース29の上部がボル
ト33を介して締結、支持され、ダウンフレーム部18
のうち下部ダウンフレーム23…の後端にクランクケー
ス29の前部がボルト34を介して締結、支持される。
【0019】ところで自動二輪車の進行方向に沿う右側
でクランクケース29には、後方に延びる延長ケース部
29aが一体に設けられ、この延長ケース部29aに締
結される右カバー35と前記延長ケース部29aとで変
速機ケース36が構成される。該変速機ケース36は、
車体フレームFの延長フレーム部19における傾斜フレ
ーム26…の前端部にボルト37を介して締結、支持さ
れるとともに、支持フレーム20…の下端部にボルト3
8を介して締結、支持される。
【0020】変速機ケース36内には、クランクシャフ
ト28の回転動力を無段階に変速して後輪WR側に伝達
するためのベルト式無段変速機39が収納される。この
無段変速機39は、変速機ケース36内に臨むクランク
シャフト28の一端部に装着される回転手段としての駆
動側伝動プーリ40と、クランクシャフト28と平行な
軸線を有して変速機ケース36の後部に回転自在に支承
される伝動軸41の変速機ケース36内に臨む一端部に
装着される従動側伝動プーリ42と、駆動側および従動
側伝動プーリ40,42に巻き掛けられる無端状のベル
ト43とを備える。
【0021】駆動側伝動プーリ40は、クランクシャフ
ト28に固定される固定プーリ半体44と、固定プーリ
半体44に対する近接・離反を可能としてクランクシャ
フト28にスライド可能に支承されるとともに固定プー
リ半体44側にばね付勢される可動プーリ半体45と、
クランクシャフト28の回転数が増加するのに応じて可
動プーリ半体45を固定プーリ半体44側に押圧する力
を発揮する遠心機構46とで構成される。而して固定プ
ーリ半体44は可動プーリ半体45よりもクランクケー
ス29側すなわち第2シリンダ部30B寄りに配置さ
れ、遠心機構46は、可動プーリ半体45に関して固定
プーリ半体44と反対側でクランクシャフト28に固定
されるランププレート47および可動プーリ半体45間
に設けられる。
【0022】また従動側伝動プーリ43は、伝動軸41
に軸線方向の位置を一定として相対回転可能に支承され
る固定プーリ半体48と、固定プーリ半体48に対する
近接・離反を可能として伝動軸41にスライド可能かつ
相対回転可能に支承されるとともに固定プーリ半体48
側にばね付勢される可動プーリ半体49とで構成される
ものであり、固定プーリ半体48が可動プーリ半体49
よりもクランクケース29側すなわち第2シリンダ部3
0B寄りに配置される。
【0023】可動プーリ半体49および伝動軸41間に
は、遠心クラッチ50が設けられており、可動プーリ半
体49の回転数が所定値以上となるのに応じて遠心クラ
ッチ50は可動プーリ半体49および伝動軸41間を接
続する。
【0024】変速機ケース46の後部には、一端を変速
機ケース46内に臨ませる出力軸51が伝動軸41と平
行な軸線まわりの回転を可能として支承されており、伝
動軸の41の他端には、ギヤ列52を介して前記出力軸
51が連結される。
【0025】前記出力軸51の他端は、自動二輪車の進
行方向に沿う左側で変速機ケース36の延長ケース部2
9aから突出されており、該出力軸51の変速機ケース
36の突出部に駆動スプロケット55が固定される。一
方、自動二輪車の進行方向に沿う左側で後輪WRの車軸
58には従動スプロケット56が固定されており、駆動
スプロケット55および従動スプロケット56に無端状
のチェーン57が巻き掛けられる。しかも駆動スプロケ
ット55、従動スプロケット56およびチェーン57
は、チェーンケース59で覆われる。
【0026】而して、無段変速機39で無段階に変速さ
れたエンジンEの動力が駆動スプロケット55、チェー
ン57および従動スプロケット56を介して後輪WRの
車軸58に伝達される。
【0027】自動二輪車の進行方向に沿う左側でクラン
クシャフト28の他端部はクランクケース29から突出
されており、このクランクシャフト28の他端部に固定
されるロータ61と、該ロータ61内に収容されるステ
ータ62とでAC発電機63が構成される。このAC発
電機63は、クランクケース29に結合される左カバー
64で覆われ、前記ステータ62は左カバー64に固定
される。
【0028】ところで、後輪WRの車軸58の両端は左
右一対の揺動アーム65,65の後端部で軸支されてお
り、これらの揺動アーム65,65の前端部は、前記変
速機ケース36のわずかに後方側で、車軸58と平行な
支軸66を介して車体フレームFの支持フレーム20…
に上下揺動可能に支承される。しかも、図9で明示する
ように、両揺動アーム65,65のうち自動二輪車の進
行方向に沿う左側に配置される揺動アーム65はチェー
ンケース59内に収納されており、両揺動アーム65,
65の中間部は前記チェーンケース59の内側壁を貫通
する連結パイプ67で相互に連結される。
【0029】図9に特に注目して、車体フレームFにお
ける傾斜フレーム26…,21…の連設部すなわち後部
フレーム27…の中間部には、後部フレーム27…から
上方に立ち上がるステー68,68が固着される。両ス
テー68,68は、それらのステー68,68の間隔が
上方に向かうにつれて大となるように屈曲成形されてお
り、ステー68,68の相互の間隔が最大となる部分す
なわちステー68,68の上端部間がクロスメンバー6
9で相互に連結される。
【0030】クロスメンバー69の両端延長上で各ステ
ー68,68の上端部には、ステー68,68および揺
動アーム65,65の外方に配置されるリヤクッション
ユニット70,70の上端部が連結され、各リヤクッシ
ョンユニット70,70の下端部は、揺動アーム65,
65の中間部外面側に連結される。すなわち後輪WRを
軸支する両揺動アーム65,65の中間部と車体フレー
ムFの後部フレーム27…との間にリヤクッションユニ
ット70,70が設けられる。
【0031】図10において、エンジンEはSOHC型
エンジンであり、第1および第2シリンダヘッド31
A,31Bと、第1および第2ヘッドカバー32A,3
2Bとの間には、各シリンダヘッド31A,31Bにそ
れぞれ配設されて閉弁方向にばね付勢されている吸気弁
75…および排気弁76…を開閉駆動する動弁装置77
…が収容される。
【0032】前記動弁装置77は、クランクシャフト2
8と平行な軸線まわりに回転可能なカムシャフト78
と、該カムシャフト78が備えるカムに従動して吸気弁
75および排気弁76を開閉駆動する吸気側および排気
側ロッカアーム79,80とを備える。
【0033】吸気側および排気側ロッカアーム79,8
0は、カムシャフト78と平行な軸線まわりの回動を可
能としてヘッドカバー32A,32Bに支承されるロッ
カアーム軸81,82の偏心軸部81a,82bに揺動
可能に支承されるものであり、ロッカアーム軸81,8
2の回動位置を調節することによりタペットクリアラン
スを調節することができる。
【0034】ロッカアーム軸81,82の一端に連なる
略扇形の調節部材83,84が、各シリンダヘッド31
A,31Bの外側面に沿うように配置されており、ロッ
カアーム軸81,82の軸線を中心とした仮想円弧に沿
って各調節部材83,84に設けられる長孔85,86
にボルト87,88が挿通され、それらのボルト87,
88がヘッドカバー32A,32Bに螺合される。
【0035】すなわちボルト87,88を緩めて調節部
材83,84を回動操作した後に、ボルト87,88を
締めつけて調節部材83,84およびロッカアーム軸8
1,82の回動位置を固定するようにして、吸気弁75
および排気弁76のタペットクリアランスを調節するこ
とができる。
【0036】図4〜図6に注目して、前記動弁装置77
…のカムシャフト77と、クランクシャフト28との間
には、クランクシャフト28の回転動力を1/2の減速
比でカムシャフト77に伝達する調時伝動機構90が設
けられており、この調時伝動機構90は、クランクシャ
フト28に固定される駆動スプロケット91と、カムシ
ャフト77に固定される被動スプロケット92と、駆動
および被動スプロケット91,92に巻き掛けられる無
端状のカムチェーン93とを備える。
【0037】クランクケース29から第1シリンダ部3
0Aおよび第1シリンダヘッド31Aを経て第1ヘッド
カバー32Aに至る部分、ならびにクランクケース29
から第2シリンダ部30Bおよび第2シリンダヘッド3
1Bを経て第2ヘッドカバー32Bに至る部分には、前
記カムチェーン93…を走行させるためのカムチェーン
室94…が形成される。
【0038】ところで、第1シリンダ部30Aの第1シ
リンダ軸線C1を挟んでベルト式無段変速機39とは反
対側に第2シリンダ部30Bの第2シリンダ軸線C2が
配置されており、第2シリンダ部30B側のカムチェー
ン室94は、第2シリンダ軸線C2に関してベルト式無
段変速機39とは反対側すなわち自動二輪車の進行方向
に向かって左側に配置され、第1シリンダ部30A側の
カムチェーン室94は、第1シリンダ軸線C1およびベ
ルト式無段変速機39間に配置される。すなわち第1シ
リンダ部30Aのカムチェーン室94および第2シリン
ダ部30Bのカムチェーン室94が、エンジンEの左右
両側に配置される。
【0039】また各シリンダヘッド31A,31Bには
点火プラグ95,95が取り付けられるが、それらの点
火プラグ95…は、各シリンダ部30A,30Bのシリ
ンダ軸線C1,C2に関して前記カムチェーン室94…
とは反対側に配置される。しかも各動弁装置77におい
てタペットクリアランスを調節するための調節部材8
3,84もカムチェーン室94…とは反対側で各ヘッド
カバー32A,32Bの外側面に配置される。
【0040】図11を併せて参照して、エンジンEを含
む車体フレームFは、合成樹脂から成る車体カバー98
で覆われるものであり、この車体カバー98は、ヘッド
パイプ17の前部および前輪WFの上部を覆うフロント
カバー99と、該フロントカバー99の左右両側に接合
されて乗員の脚部前方を覆う左右一対のレッグシールド
100…と、乗員の足元を支持すべくレッグシールド1
00に連なる左右一対の足載せ部101…と、それらの
足載せ部101…間で上方に隆起したフロアトンネル部
102と、前記両足載せ部101…の外縁から下方にそ
れぞれ垂下されるスカート部103…と、車体フレーム
Fの後部の左右両側を覆って足載せ部101…およびフ
ロアトンネル部102に接合されるリヤカバー104と
を備える。
【0041】リヤカバー104上には、操縦者が座る乗
員用シート105と、同乗者が座る乗員用シート106
とがそれぞれ開閉可能に設けられ、乗員用シート106
は、乗員用シート105の後部上方に配置される。
【0042】ところで、エンジンEにおける第1および
第2シリンダ部30A,30Bは、車体カバー98にお
けるフロアトンネル部102の内側面に沿って前後上向
きに配置されるものであり、フロアトンネル部102の
両側面には、第1シリンダ部30A側の調節部材83,
84および点火プラグ95に対応した開口部107と、
第2シリンダ部30B側の調節部材83,84および点
火プラグ95に対応した開口部107とが設けられ、そ
れらの開口部107,107は、フロアトンネル部10
2に着脱可能に取り付けられる蓋部材108,108で
閉じられる。
【0043】前記車体カバー98内には、前記エンジン
Eを上方から覆う仕切り壁109が、車体カバー98と
の間に走行風通路110を形成するようにして固定配置
される。
【0044】図2および図3で明示するように、車体カ
バー98におけるフロントカバー99の前面下部には走
行風導入口111が設けられており、この走行風導入口
111から車体カバー98内に導入された走行風を前記
走行風通路110側に導くために、フロントカバー99
の底部にフロントカバー導風板112が設けられ、該フ
ロントカバー導風板112および仕切り壁109の前端
間にはボトムブリッジ導風板113が設けられる。
【0045】ボトムブリッジ導風板113は、フロント
フォーク15のボトムブリッジ15a上に固定されるも
のであり、図12で示すように、フロントフォーク15
の回動軸線を中心とした円形に形成される。しかもボト
ムブリッジ導風板113の外周縁の一部はフロントカバ
ー導風板112の後部に摺動可能に重合しており、ボト
ムブリッジ導風板113の後部は、仕切り壁109の前
部内に収容されている。したがってフロントフォーク1
5および操向ハンドル16の操向作動にかかわらず、走
行風導入口111から車体カバー98内に導入された走
行風が、フロントカバー導風板112およびボトムブリ
ッジ導風板113を介して走行風通路110側に確実に
導かれることになる。
【0046】エンジンEの吸気装置114は、図7で明
示するように、該エンジンEが備える第1および第2シ
リンダヘッド31A,31B間に対応する側でそれらの
シリンダヘッド31A,31Bの一側面に下流端が接続
されるスロットルボディ115A,115Bと、両スロ
ットルボディ115A,115Bの上流端にそれぞれ接
続される吸気管116A,116Bと、それらの吸気管
116A,116Bが共通に接続されるようにして第1
シリンダヘッド31Aの上方に配置されるエアクリーナ
117とを備え、各スロットルボディ115A,115
Bの接続部で各シリンダヘッド31A,31Bに燃料噴
射弁118A,118Bが取り付けられる。
【0047】上記仕切り壁109は、各吸気管116
A,116Bの中間部を貫通させて吸気装置114を上
下に仕切るものであり、両吸気管116A,116Bを
貫通させるための貫通孔119A,119Bが、仕切り
壁109の中間部に設けられる。しかも吸気管116
A,116Bは、エアクリーナ117からスロットルボ
ディ115A,115Bまでの距離をほほ同等とするた
めに側面視で交差するように彎曲して形成されており、
貫通孔119Aは吸気管116Aを前方から貫通させる
ようにして仕切り壁109に設けられ、貫通孔119B
は吸気管116Bを後方から貫通させるようにして仕切
り壁109に設けられる。
【0048】走行風通風路110内の前部に配置される
エアクリーナ117は、フロアトンネル部102に沿っ
て前後に延びるとともにフロアトンネル部102の頂部
の一部を構成するクリーナケース121内に、該クリー
ナケース121内を前部の未浄化室123および後部の
浄化室124に区切るようにしてクリーナエレメント1
22が収納されて成るものであり、前記吸気管116
A,116Bは浄化室124に突入される。
【0049】クリーナケース121は、上下に延びるケ
ース前部121aと、該ケース前部121aの下部から
後方に延びるケース後部121bとを有して、側面視で
略L状に構成されるものであり、前記クリーナエメント
122は、ケース前部121aおよびケース後部121
bの連設部に対応する部分で、クリーナケース121内
に収納、固定される。
【0050】クリーナケース121の前部上端には、未
浄化室123に通じる吸入管125が接続される。この
吸入管125は、その下端開口部を吸入口126として
下方に延びており、前記吸入口126は、車体フレーム
Fが前端に備えるヘッドパイプ17の背後に開口され
る。
【0051】仕切り壁109においてエンジンEの両シ
リンダヘッド31A、31Bおよび両ヘッドカバー32
A,32Bを覆う部分には、車体カバー98のフロアト
ンネル部102に設けられている開口部107…にそれ
ぞれ対応した開口部127…が設けられ、それらの開口
部127…を開閉可能に覆う蓋部材128…が仕切り壁
109に取り付けられる。
【0052】ところで、仕切り壁109は、車体カバー
98の後部に設けられる乗員用シート105の下方まで
延設されており、乗員用シート105および仕切り壁1
09の後部間に、乗員用シート105で上方から覆われ
る燃料タンク130が配置される。
【0053】また燃料タンク130の後方で乗員用シー
ト105,106の下方には、該乗員用シート105,
106で上端開口部が開閉可能に閉鎖される収納ボック
ス131が配置される。しかも収納ボックス131の左
右両側は、リヤクッションユニット70,70の上端部
が連結されるステー68,68の上端に平坦面として形
成された支持部68a,68a上に載せられる。
【0054】すなわちステー68,68の上部に形成さ
れた支持部68a,68aは、収納ボックス131を介
して乗員用シート105,106の荷重を支持すること
になる。
【0055】収納ボックス131の前部には、クロスメ
ンバー69を収容する凹部131aが後方に窪むように
して設けられるとともに、その凹部131aよりも下方
で収納ボックス131内に開放可能な袋穴状のバッテリ
収容部131bが設けられ、車体フレームFが備える両
後部フレーム27…間に配置されるバッテリ132がバ
ッテリ収容部131bに収容される。しかも収納ボック
ス131の底壁の一部を構成する蓋部材133で前記バ
ッテリ収容部131bは開閉自在に閉じられる。
【0056】仕切り壁109よりも下方で第1シリンダ
部30Aの前方にはラジエータ134が配置されてお
り、このラジエータ134は、車体フレームFにおける
ダウンフレーム部18…の下部ダウンフレーム23…か
ら垂下されたラジエータ支持フレーム135で支持され
る。
【0057】エンジンEの排気装置136は、第1およ
び第2シリンダヘッド31A,31Bの他側面にそれぞ
れ接続されるものであり、第1シリンダヘッド31Aの
他側面に接続される排気管137Aと、第2シリンダヘ
ッド31Bの他側面に接続される排気管137Bと、両
排気管137A,137Bが共通に接続される排気マフ
ラー138とを備える。
【0058】第1および第2シリンダヘッド31A,3
1Bのうち前上がりの軸線を有する第1シリンダヘッド
31Aの他側面に接続されて下向きに延びる排気管13
7Aは、クランクシャフト28の軸線よりも高い位置で
エンジンEの第1シリンダヘッド31Aに取付けられ、
車体カバー98が備える両足載せ部101,101のう
ち自動二輪車の進行方向に向かって右側の足載せ部10
1よりも下方で後方に延設されており、クランクケース
29に結合される右カバー35の外側方を通る。
【0059】排気マフラー138は、後輪WRの右側に
配置されるものであり、この排気マフラー138に前記
排気管137Aが接続される。また第2シリンダヘッド
31Bに接続された排気管137Bは、変速機ケース3
6の後部下方を通って前記排気マフラー138側に屈曲
される。
【0060】ところで、第1シリンダヘッド31Aおよ
び排気マフラー138間を結ぶ排気管137Aの途中に
は、該排気管137Aを外方から覆う排気管カバー13
9が固着されており、この排気管カバー139は、右側
の前記足載せ部101の外縁から垂下されるスカート部
103に、外観上一体に連なるように見えるようにして
連接される。
【0061】次にこの実施例の作用について説明する
と、車体フレームFは、前輪WFを操向可能に支承する
ヘッドパイプ17から後ろ下がりに延びる左右一対のダ
ウンフレーム部18…を備え、このダウンフレーム部1
8…に、側面視でV型に配置される第1および第2シリ
ンダ部30A,30Bを有するV型のエンジンEが取り
付けられる。しかも左右一対の足載せ部101,101
と、それらの足載せ部101,101間で上方に隆起し
たフロアトンネル部102とが形成される車体カバー9
8でエンジンEが覆われており、前記両シリンダ部30
A,30Bは、フロアトンネル部102の内側面に沿っ
て前後上向きに配置され、フロアトンネル部102内で
第1シリンダ部30Aの両側方に両ダウンフレーム部1
8…が配置される。
【0062】したがって第1および第2シリンダ部30
A,30Bがなす角度を広く設定しすることが可能であ
り、クランクシャフト28の軸線に沿う方向でのエンジ
ンEの幅を比較的小さく設定しても両シリンダ部30
A,30Bの干渉が生じることはなく、したがって前部
車体幅を比較的狭くしつつエンジンEを前寄りに配置す
ることを可能としてスポーツ走行性能を高めることがで
きるだけでなく、フロアトンネル部102の幅を比較的
狭く設定することが可能となることによって足載せ部の
幅101,101を確保し、乗り心地を向上することが
できる。
【0063】また両シリンダ部30A,30Bのうち前
方側に配置される第1シリンダ部30Aおよびヘッドパ
イプ17間では、左右一対のダウンフレーム部18…
が、前部車体幅を広げずに、または足載せ部101,1
01の幅を確保しつつ側面視で直状に延びており、これ
によりダウンフレーム部18…の形状を簡略化して剛性
を高めることができるとともに、ダウンフレーム部18
…の軽量化を図ることができる。
【0064】第1シリンダ部30Aの上方から後方側の
第2シリンダ部30Bの両側方を通って後方に延びる延
長フレーム部19…がダウンフレーム部18…の上部後
端に連設されるのであるが、上述のように第1および第
2シリンダ部30A,30Bがなす角度を広く設定する
ことで両シリンダ部30A,30Bは前後に離隔して配
置されているので、延長フレーム部19…を屈曲させた
り、他の部材との溶接箇所が増えたりすることを回避す
ることができ、延長フレーム部19…の軽量化および剛
性増大を図ることができる。
【0065】しかもエンジンEのクランクケース29
は、ダイヤモンド型の車体フレームFの一部を該エンジ
ンEが構成するようにしてダウンフレーム部18…に取
り付けられており、ダウンフレーム部18…に対応する
位置に両シリンダ部30A,30Bのうち前方の第1シ
リンダ部30Aだけが位置するようにして、クランクケ
ース29へのダウンフレーム部18…の結合を容易と
し、車体フレームFの一部をエンジンEで構成するよう
にして部品点数を低減し、足載せスペースを確保しつつ
車体全体をより一層軽量化することができる。
【0066】ところで、エンジンEのクランクシャフト
28の一端部に、該クランクシャフト28の回転動力を
後輪WRに無段階に変速して伝達し得るベルト式無段変
速機39の駆動側伝動プーリ40が装着され、第1およ
び第2シリンダ部30A,30Bには、各シリンダ部3
0A,30Bにそれぞれ対応した動弁装置77のカムシ
ャフト78に動力を伝達するカムチェーン93を走行さ
せるカムチェーン室94がそれぞれ形成されるのである
が、第1シリンダ部30Aの第1シリンダ軸線C1を挟
んでベルト式無段変速機39と反対側に第2シリンダ部
30Bの第2シリンダ軸線C2が配置され、第2シリン
ダ部30Bのカムチェーン室94が、第2シリンダ軸線
C2に関してベルト式無段変速機39と反対側に配置さ
れている。
【0067】このような配置によれば、後方側の第2シ
リンダ部30Bの第2シリンダ軸線C2と、エンジンE
から後方側に延びるベルト式無段変速機39との間に、
第2シリンダ部30Bのカムチェーン室94が配置され
ないので、クランクシャフト28にベルト式無段変速機
39の駆動側伝動プーリ40を直接組み付けるようにし
た単純な構造としても、エンジンEの幅を広げることな
く、第2シリンダ部30Bおよびベルト式無段変速機3
9間の間隔を、図3で示すように比較的大きく設定する
ことができ、走行風が第2シリンダ部30Bおよびベル
ト式無段変速機39間を充分に流通するようにしてベル
ト式無段変速機39の冷却効率を向上し、該無段変速機
39の耐久性を高めることができる。
【0068】しかも駆動側伝動プーリ40は、クランク
シャフト28に固定される固定プーリ半体44と、固定
プーリ半体44に対する近接・離反を可能としてクラン
クシャフト28にスライド可能に支承される可動プーリ
半体45とを備え、固定プーリ半体44が可動プーリ半
体45よりも第2シリンダ部30B寄りに配置されてい
るので、走行風の弱い低速走行時には、無段変速機39
の構成要素である無端状のベルト43が第2シリンダ部
30Bからより離反した位置となり、ベルト43の冷却
上有利である。
【0069】また第1および第2シリンダ部30A,3
0Bに結合される第1および第2シリンダヘッド31
A,31Bには、各シリンダ部30A,30Bのシリン
ダ軸線C1,C2に関して各カムチェーン室84…とは
反対側で点火プラグ95…がそれぞれ装着されるので、
点火プラグ95…の保守、点検時に、カムチェーン93
…が邪魔になることはなく、点火プラグ95…の保守・
点検時の作業性が良好となる。また第1シリンダ部30
Aのカムチェーン室94および第2シリンダ部30Bの
カムチェーン室94が、エンジンEの左右両側に配置さ
れているので、第1シリンダ部30Aから第1シリンダ
ヘッド31Aを経て第1ヘッドカバー32Aに至るまで
のエンジンEの右側壁、ならびに第2シリンダ部30B
から第2シリンダヘッド31Bを経て第2ヘッドカバー
32Bに至るまでのエンジンEの左側壁をほぼ平坦に形
成して、エンジンEの車体側への搭載性を向上し、自動
二輪車の小型化を図ることができる。
【0070】しかも上述のようにシリンダ部30A,3
0Bおよびシリンダヘッド31A,31Bの両側壁のう
ち点火プラグ95,95が配置される側とは反対側の側
壁をほぼ平坦とすることにより、フロアトンネル部10
2の幅をより小さく形成することが可能であり、さらに
点火プラグ95,95が配置される側ではフロアトンネ
ル部102の内側面とシリンダ部30A,30Bおよび
シリンダヘッド31A,31Bとの間に冷却風を流通さ
せるのに充分なスペースを確保することができる。
【0071】エンジンEのシリンダ部30A,30Bお
よびシリンダヘッド31A,31Bは、車体カバー98
が備えるフロアトンネル部102の内側面に沿って配置
されており、両シリンダヘッド31A,31Bの点火プ
ラグ95…の保守・点検用の開口部107…が、蓋部材
108…による開閉を可能としてフロアトンネル部10
2の側面に設けられ、エンジンEを覆ってフロアトンネ
ル部102内に固定配置される仕切り壁109にも、前
記開口部107…に対応した開口部127…が開閉可能
に設けられている。
【0072】したがって点火プラグ95…は、フロアト
ンネル部102の側面に対応する位置にあり、上記開口
部107…,127…を開放することで、点火プラグ9
5…の保守・点検を容易にかつ作業員が汚れることがな
いようにして行なうことが可能であり、点火プラグ95
…を保守・点検する際の作業性を向上することができ
る。しかもフロアトンネル部102の側面は、足載せ部
101,101に比べて強度を必要としないので、フロ
アトンネル部102に保守・点検用の開口部107…が
設けられても強度上の問題が生じることはなく、足載せ
部101,101の強度も確保することができる。
【0073】しかもエンジンEがSOHC型エンジンで
あるので、各シリンダヘッド31A,31Bが大型化し
ないようにしてフロアトンネル部102の小型化を図
り、乗降性を向上することができる。
【0074】シリンダヘッド31A,31Bと、ヘッド
カバー32A,32Bとの間に収容される動弁装置77
は、タペットクリアランスの調節を可能として構成さ
れ、タペットクリアランスの調節操作を行なうための調
節部材83…,84…が、前記フロアトンネル部102
の開口部107…に対応する位置でヘッドカバー32
A,32Bの外側面に配置されている。したがって上記
開口部107…および仕切り壁109の開口部127…
を利用して動弁装置77におけるタペットクリアランス
を容易に調節することができる。
【0075】エンジンEの吸気装置114は、前記両シ
リンダヘッド31A,31B間に対応する側で両シリン
ダヘッド31A,31Bの一側面に接続され、両シリン
ダヘッド31A,31Bの他側面に排気装置136がそ
れぞれ接続されており、それにより吸気装置114をフ
ロアトンネル部102に配置し、排気装置136をエン
ジンE前後のスペースに無理なく配置することができ
る。
【0076】しかも吸気装置114の一部を構成するエ
アクリーナ117が、フロアトンネル部102に沿って
前後に延びる形状に形成されるので、吸気装置114の
吸気管長およびボリュームを充分に確保してエンジンE
の性能を向上することができる。
【0077】またエアクリーナ117は、前上がりに傾
斜した第1シリンダ軸線C1を有する第1シリンダ部3
0Aに結合される第1シリンダヘッド31Aの上方に配
置され、フロアトンネル部102の一部を構成して前後
に延びるクリーナケース121を有するものであり、ス
クータ型自動二輪車の利点である跨ぎ性を保ちつつ、エ
アクリーナ117の容積を充分に確保し、エンジンEの
大排気量化および高出力化を可能とすることができる。
それに加えて、エアクリーナ117が、エンジンEの前
方を遮ることはないので、走行風によるエンジンEの冷
却性能を向上することができ、さらにエンジンEにおけ
る第1シリンダヘッド31Aまわりの整備性も向上する
ことができる。
【0078】第1シリンダ部30Aの前方にはラジエー
タ134が配置されており、エアクリーナ117および
ラジエータ134を、エンジンEと前輪WFおよびフロ
アトンネル部102との間のスペースに沿って効率よく
配置することができる。
【0079】またクリーナケース121は、上下に延び
るケース前部121aと、該ケース前部121aの下部
から後方に延びるケース後部121bとを有して側面視
で略L字状に構成されるものであり、車体フレームFの
前端のヘッドパイプ17の後方空間を、エアクリーナ1
17における未浄化室123側空間として広く確保する
ことができ、吸気騒音の低減およびエンジン出力の向上
に寄与することができる。
【0080】さらにエアクリーナ117の吸入口126
が前記ヘッドパイプ17の背後に開口されるので、エア
クリーナ117内への塵埃の吸入を極力回避することが
できる。
【0081】ところで、左右の足載せ部101,101
の高さは、クランクシャフト28の両端に装着される駆
動側伝動プーリ40およびAC発電機63で規定される
のであるが、前方側の第1シリンダヘッド31Aの他側
面から下向きに延びる排気管137Aは、両足載せ部1
01,101のうち右側の足載せ部101よりも下方で
後方に延設され、駆動側伝動プーリ40を覆ってクラン
クケース29に結合される右カバー35の外側方を通る
ものである。
【0082】したがってクランクケース29の下方に排
気管137Aがなく、その分だけクランクシャフト28
の位置を下げることが可能となるので、足載せ部10
1,101が高くならないようにしつつクランクシャフ
ト28を極力前方側に配置することが可能であり、それ
によりスクータ型自動二輪車の乗り心地を快適なものと
することができ、しかもクランクシャフト28を下げる
ことにより、エンジンEの上方に吸気装置114を配置
するのに充分なスペースを確保することができる。
【0083】また前記排気管137Aの途中には、該排
気管137Aを外方から覆う排気管カバー139が固着
されており、一方の足載せ部101の外縁に一体に連な
って下方に垂下されるスカート部103に、排気管カバ
ー139が連接されるので、排気管カバー139が目立
たないようにして優れた外観性を維持しつつ、排気管カ
バー139の大型化を回避することができるとともに、
スカート部103の外面に沿って流れる空気の流れに乱
れが生じないようにすることができる。
【0084】しかもクランクケース29から前上がりに
傾斜して延びる第1シリンダ軸線C1を有するエンジン
Eへの排気管137Aの取付け位置が、クランクシャフ
ト28の軸線よりも高く設定されているので、スカート
部103内での排気管137Aの取りまわしを良好に
し、それにより排気管137Aの屈曲を大きくしてエン
ジン出力の向上に寄与することができる。
【0085】エンジンEを覆う車体カバー98内には、
エンジンEを上方から覆う仕切り壁109が、車体カバ
ー98の内面との間に走行風通路110を形成して固定
配置されており、発熱源であるエンジンEとの間を仕切
り壁109で仕切るようにして車体カバー98内の上部
に走行風通路110が形成されるので、熱による影響が
及ぶ補機を走行風通路110に配置することにより当該
補機を走行風で冷却することができ、補機にエンジンE
からの熱による影響が及ぶことを防止することができ
る。またエンジンEが仕切り壁109および車体カバー
98で二重に覆われるので騒音低減にも寄与することが
でき、乗員の熱環境向上にも寄与することができる。
【0086】しかもエアクリーナ117およびエンジン
E間に仕切り壁109が介設されているので、特に専用
のヒートインシュレータを設けることを不要として、エ
アクリーナ117にエンジンEからの熱による影響が及
ぶことを抑制することができ、吸気温上昇によるエンジ
ン出力の低下が生じ難い。
【0087】また仕切り壁109は、車体カバー98の
後部に設けられる乗員用シート105,106の下方ま
で延設され、乗員用シート105,106および仕切り
壁109の後部間に、燃料タンク130が配置されるの
で、燃料タンク130に、エンジンEからの熱による影
響が及ぶことを防止することができ、燃料タンク130
の場合には、燃料の劣化や流量の不安定化が生じること
を抑制することができる。
【0088】さらに仕切り壁109の下方にラジエータ
134が配置されているので、ラジエータ134からの
放熱による影響が他の補機に及ばないようにすることが
できる。
【0089】車体フレームFは、その後部に一対の後部
フレーム27…を備え、両後部フレーム27…から上方
に立ち上がって各後部フレーム27…に固着される左右
一対のステー68,68間がクロスメンバー69で相互
に連結される。一方、後輪WRの両側には該後輪WRを
軸支して車体フレームFに揺動可能に支承される左右一
対の揺動アーム65,65が配置されており、前記両ス
テー68…および揺動アーム65…間に、それらのステ
ー68…および揺動アーム65…の外方に配置されるリ
ヤクッションユニット70…がそれぞれ設けられる。
【0090】したがって左右一対のステー68,68お
よびクロスメンバー69を門型に連結し、リヤクッショ
ンユニット70,70からの荷重を後部フレーム27…
で効率よく受けることが可能となり、後部フレーム27
…の高さを比較的低くしたままで車体後方に取りまわし
つつリヤクッションユニット70,70のクッションス
トロークを長く設定することが可能となり、しかも両後
部フレーム27…間のスペースを有効に活用し、両後部
フレーム27…間に配置される収納ボックス131の容
量を大きく設定することができる。
【0091】また両後部フレーム27…間にバッテリ1
32が配置されるので、重量が比較的大きなバッテリ1
32を車体の幅方向中央部に配置して乗り心地を向上す
ることができる。
【0092】またリヤクッションユニット70…の上端
部は、クロスメンバー69の両端延長上でステー68,
68に連結されており、クロスメンバー69によってリ
ヤクッションユニット70,70のステー68,68へ
の連結部の強度が増大し、リヤクッションユニット7
0,70からの荷重をより効果的に受けることができ
る。
【0093】ところで、ステー68…の上部には乗員用
シート105,106の荷重を支持する支持部68aが
それぞれ形成されており、乗員荷重をリヤクッションユ
ニット70…で効率よく支えることができる。
【0094】しかも収納ボックス131上に、該収納ボ
ックス131の上端開口部を開閉可能に閉鎖する前記乗
員用シート105,106が設けられ、両後部フレーム
27…間の間隔よりもステー68,68相互の間隔が少
なくとも上端では大となるように形成された両ステー6
8,68が形成されており、各ステー68,68の上端
に前記支持部68a…が形成され、収納ボックス131
の左右両側が各支持部68a…上に支持されるので、収
納ボックス131の幅をより大きく設定して容量をより
増大することを可能としつつ、収納ボックス131をよ
り安定して支持することができ、乗員用シート105,
106上の乗員荷重をリヤクッションユニット70…で
効率よく支えることができる。
【0095】以上、本発明の実施例を説明したが、本発
明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の
範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計
変更を行うことが可能である。
【0096】
【発明の効果】以上のように請求項1記載の発明によれ
ば、前部車体幅を比較的狭くしつつエンジンを前寄りに
配置することを可能としてスポーツ走行性能を高めるこ
とができ、足載せ部の幅を確保して乗り心地を向上する
ことができる。しかもダウンフレーム部が、前部車体幅
を広げずに、または足載せスペースを確保しつつ側面視
で略直状となることで、ダウンフレーム部の形状を簡略
化して剛性を高めることができるとともに、ダウンフレ
ーム部の軽量化を図ることができる。
【0097】また請求項2記載の発明によれば、ダウン
フレーム部から延長フレーム部を後方に延ばして後方の
シリンダ部の両側を通すにあたり、延長フレーム部を屈
曲させたり、他の部材との溶接箇所が増えたりすること
を回避することができ、それにより延長フレーム部の軽
量化および剛性増大を図ることができる。
【0098】さらに請求項3記載の発明によれば、クラ
ンクケースへのダウンフレーム部の結合を容易とし、車
体フレームの一部をエンジンで構成するようにして部品
点数を低減し、足載せスペースを確保しつつ車体全体を
より一層軽量化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】スクータ型自動二輪車の側面図である。
【図2】車体カバーの一部を省略した状態でのスクータ
型自動二輪車の縦断側面図である。
【図3】図1の要部拡大縦断側面図である。
【図4】図3の4−4線に沿うエンジンの拡大断面図で
ある。
【図5】図3の5ー5線断面図である。
【図6】図3の6−6線断面図である。
【図7】エンジン、吸気装置および排気装置の全体側面
図である。
【図8】エンジンおよび後輪間の伝動装置、吸気装置お
よび排気装置の概略平面図である。
【図9】図2の9−9線拡大断面図である。
【図10】図4の10矢視図である。
【図11】スクータ型自動二輪車の一部切欠き平面図で
ある。
【図12】仕切り壁の平面図である。
【符号の説明】
17・・・ヘッドパイプ 18・・・ダウンフレーム部 19・・・延長フレーム部 29・・・クランクケース 30A,30B・・・シリンダ部 98・・・車体カバー 101・・・足載せ部 102・・・フロアトンネル部 E・・・エンジン F・・・車体フレーム WF・・・前輪

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前輪(WF)を操向可能に支承するヘッ
    ドパイプ(17)から後ろ下がりに延びる左右一対のダ
    ウンフレーム部(18)に、側面視でV型に配置される
    一対のシリンダ部(30A,30B)を有するV型のエ
    ンジン(E)が取り付けられ、左右一対の足載せ部(1
    01)と、それらの足載せ部(101)間で上方に隆起
    したフロアトンネル部(102)とが形成される車体カ
    バー(98)で前記エンジン(E)が覆われるスクータ
    型自動二輪車において、前記エンジン(E)の両シリン
    ダ部(30A,30B)は、前記フロアトンネル部(1
    02)の内側面に沿って前後上向きに配置され、前記両
    シリンダ部(30A,30B)のうち前方側のシリンダ
    部(30A)および前記ヘッドパイプ(17)間では側
    面視で直状に延びる前記左右一対のダウンフレーム部
    (18)が、前記フロアトンネル部(102)内で前記
    前方側のシリンダ部(30A)の両側方に配置されるこ
    とを特徴とするスクータ型自動二輪車。
  2. 【請求項2】 前記ダウンフレーム部(18)の上部後
    端には、前記前方側のシリンダ部(30A)の上方から
    後方側のシリンダ部(30B)の両側方を通って後方に
    延びる延長フレーム部(19)が連設されること特徴と
    する請求項1記載のスクータ型自動二輪車。
  3. 【請求項3】 前記エンジン(E)のクランクケース
    (29)が、ダイヤモンド型の車体フレーム(F)の一
    部を該エンジン(E)が構成するようにして前記ダウン
    フレーム部(18)に取り付けられることを特徴とする
    請求項1または2記載のスクータ型自動二輪車。
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