JP2003158917A - 飛砂防止緑化用改良土壌とその緑化工法 - Google Patents
飛砂防止緑化用改良土壌とその緑化工法Info
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Abstract
生を可能とし、該植生により飛砂を防止する。 【解決手段】 砂地1に植物有機物基盤3を設ける。こ
の植物有機物基盤3上に動物質系土壌改良材4及び有効
微生物5を混合し、この上に現地の砂層7を埋め戻す。
植物有機物基盤3と動物質系土壌改良材4と有効微生物
5による堆肥効果が継続し、砂地1だけでは飛砂により
生育できなかった自生植物や植栽した植物などが生育可
能となり、この生育した自生植物などにより砂層7の飛
砂を防止することができる。
Description
飛砂防止緑化用改良土壌とその緑化工法に関する。
飛砂から住宅地などを守るために防風林が設けられてい
る。このような防風林では背後にある住宅地などへの飛
砂を防止することができるものの、海岸砂丘などの砂地
においては飛砂が発生し、砂地が削られたり、飛砂を被
った海岸植物が砂に埋もれて枯れたりするなどの問題が
ある。
して、特開平11−32568号の乾燥地・砂漠地にお
ける緑化方法には、砂丘、砂地盤地、少雨乾燥地等の土
壌または砂が散乱し易い乾燥地・砂漠地に対して、採取
した土壌または砂に、セメントまたは水溶性の高分子系
樹脂等からなる結合材と、保水材や保肥材等の培養土資
材とを添加して混合し、これらを水と混合して吹き付け
ることにより、前記乾燥地・沙漠地の表面に前記土壌ま
たは砂を中心にした団粒構造を形成して前記乾燥地・沙
漠地の土壌改良を行い、これにより、前記土壌または砂
の散乱を防止しながら植物の生育を促進するようにした
緑化方法が提案されている。
十分成長するまでの間の乾燥地・砂漠地の表面から飛砂
等の移動現象が生じないようにする(公報第0004
段)、と記載されているが、上述したように、砂を固め
るためにセメントまたは水溶性の高分子系樹脂等からな
る結合材を用いる方法であるから、少量の結合材を用い
たとしても、セメントや高分子系樹脂などが従来から繁
殖する植物に影響を与える虞がある。
層を固める必要がなく、飛砂により植生の難しかった砂
地において植生を可能とし、該植生により飛砂を防止す
ることができる飛砂防止緑化用改良土壌とその緑化工法
を提供することを目的とする。
られた植物有機物基盤と、この植物有機物基盤に含まれ
る動物質系土壌改良材及び有効微生物と、この上に設け
られた現地の砂層とを備えるものである。
と動物質系土壌改良材と有効微生物による堆肥効果が継
続し、砂地だけでは飛砂により生育できなかった自生植
物や植栽した植物などが生育可能となり、この生育した
自生植物などにより砂層の飛砂を防止することができ
る。
り飛砂の発生する砂地での植生を可能とするから、人工
的な固化材などが不要で、自然環境に適した飛砂防止緑
化を行うことができる。
基盤は、前記砂地を掘削した面に設けられ、前記現地の
砂層が前記砂地を掘削した砂又は周囲の砂を含むもので
ある。
のまま埋め戻すため、砂層の埋め戻し作業が容易にな
り、同時に、掘削した砂にはその周囲の環境に適して自
生する植物の種子等が含まれるから、その種子から自生
植物が生育する。
この掘削砂地面に植物有機物基盤を設け、この植物有機
物基盤上に動物質系土壌改良材を散布し、この上に前記
掘削した砂又は現地の砂を含む砂を埋め戻し、この埋め
戻した砂地に生育した植物により飛砂を防止する工法で
ある。
と動物質系土壌改良材とによる堆肥効果が継続し、砂地
だけでは飛砂により生育できなかった自生植物などの生
育する。この場合、掘削した砂をそのまま埋め戻すた
め、砂層の埋め戻し作業が容易になり、同時に、掘削し
た砂にはその周囲の環境に適して自生する植物の種子が
含まれるから、その種子から自生植物が生育し、あるい
は植栽した植物が生育し、この植物により覆われる砂地
の飛砂を防止することができる。
砂地に植栽し、この植栽した植物により飛砂を防止する
工法である。
の早期化を計ることができる。
基盤上に有効微生物を散布する工法である。
きにより、植物有機物基盤と動物質系土壌改良材との完
熟堆肥化がすすみ、自生植物又は植栽した植物の生育に
適した環境が得られる。
を参照して説明する。図1〜図2は本発明の一実施形態
を示し、図1は改良後の飛砂防止緑化用改良土壌の断面
図を示している。
1を所定厚さTで掘削し、掘削後の掘削砂地面2に植物
有機物基盤3を設ける。この植物有機物基盤3は、きの
こ廃床、ピートモス、腐葉土、バーク堆肥等を10〜5
0センチ、好ましくは20〜40センチ程度敷き均して
なり、その植物有機物基盤3の上に、鶏糞や牛糞などの
動物質系土壌改良材4を散布耕運し、有効微生物5を散
布する。この有効微生物としては、前記植物有機物基盤
3と動物質系土壌改良材4との完熟堆肥化に効果のある
微生物が用いられる。尚、植物有機物基盤3の上に動物
質系土壌改良材4と有機微生物5とを散布した後、植物
有機物基盤3の上部が該基盤3と動物質系土壌改良材4
と有機微生物5が混合した混合層6としてもよい。この
混合層6の上から、前記掘削した砂又は現地の砂を含む
砂を埋め戻して砂層を形成し、この砂層7の厚さSは前
記植物質有機物基盤3の厚さKより薄く、2分1よりは
厚く形成される。例えば、厚さKが20〜40センチ程
度であれば、砂層7の厚さSは10〜30センチ程度と
する。尚、前記所定厚さTは、厚さKと厚さSを合計し
たものであり、砂地1の高さが掘削前とほぼ同じになる
ようにする。
土壌改良材4と有機微生物5とを耕して混合するために
使用した耕運機である。
を実験現場とし、この現場の砂地1を略50センチ(所
定厚さT)掘削し、掘削砂地面1に、しめじ栽培に用い
た木質チップなどからなるきのこ廃床を略27〜30セ
ンチ程度敷き均して植物有機物基盤3を形成し、この上
に鶏糞からなる動物質系土壌改良材4と有機微生物5と
を散布後、それらを耕し、厚さ10センチ程度の混合層
6を形成した。尚、厚さKは略30センチである。この
混合層6の上から前記掘削した砂を埋め戻し、略20セ
ンチの砂層7を形成した。
春(0ヶ月後:初年度4月)に行い、観察を継続した。
1年8ヶ月後(2年度12月)に、実験現場の周囲で繁
殖するメヒシバが、部分的に育成したことが確認され
た。この場合、実験面積の1割程度の面積にメヒシバが
分散して根付いた。2年6ヶ月後(3年度9月)には、
実験面積の略6〜7割程度の面積にメヒシバの大群生が
発生し、1株の直径が略2メートルに達するメヒシバの
生育が見られた。3年6ヶ月後(4年度9月)には、メ
ヒシバの他に、実験箇所から離れた周囲に自生するハマ
ヒルガオやケカモノハシなどが育成し、実験面積のほぼ
全域が緑化された。尚、実験において、砂層7には播種
は行っておらず、現場の砂に含まれる種子や周囲から飛
んできた種子などにより上記の植物が自生した。また、
土壌改良を施さなかった実験現場の周囲は砂地(表1に
示す「周囲の砂地」)のままであった。
行うことにより、飛砂の発生により植物の育成に不適で
あった砂地に土壌改良により地力を与えることにより、
その現場の自生植物が土壌改良を行った砂地に生育し、
生育した自生植物により覆われる部分の飛砂を防止でき
ることが分かった。
物基盤3の代わりに山土により基盤を形成し、動物質系
土壌改良材4の代わりに無機質土壌改良材と有機質土壌
改良材を用い、他は実験例と同一条件で行った結果、2
年6ヶ月後にヒメシバが実験面積の約5〜6割程度の面
積に生育し、3年6ヶ月後には実験面積の約5〜6割程
度の面積に生育し、ハマヒルガオやケカモノハシ等に覆
われた。このように比較例では、実験例よりは被覆面積
は少なく、砂地の下に植生基盤(山土)をつくると、海
浜植物により部分的に覆われるという結果が得られた
が、上記実験例よりは大幅に効果が少なかった。
3年裸地のままであるが、早期に緑化する場合は、砂層
7の表面の植栽を海岸の環境、例えば波打ち際からの距
離や地形等に応じて行う必要がある。例として、静砂垣
+クロマツ、アキグミ植栽、オニシバ、ギョウギシバの
植栽、ハマニンニクの植栽等が挙げられる。
応して、砂地1に設けられた植物有機物基盤3と、この
植物有機物基盤3に含まれる動物質系土壌改良材4及び
有効微生物5と、この上に設けられた現地の砂層7とを
備えるから、植物有機物基盤3と動物質系土壌改良材4
と有効微生物5による堆肥効果が継続し、砂地1だけで
は飛砂により生育できなかった自生植物や植栽した植物
などが生育可能となり、この生育した自生植物などによ
り砂層7の飛砂を防止することができる。そして、この
ように砂地1の地力を向上することにより飛砂の発生す
る砂地1での植生を可能とするから、人工的な固化材な
どが不要で、自然環境に適した飛砂防止緑化を行うこと
ができる。
2に対応して、植物有機物基盤3は、砂地1を掘削した
面である掘削砂地面2に設けられ、前記現地の砂層7が
砂地1を掘削した砂又は周囲の砂を含むから、このよう
に掘削した砂をそのまま埋め戻すため、砂層7の埋め戻
し作業が容易になり、同時に、掘削した砂にはその周囲
に自生する植物の種子等が含まれるから、その種子から
環境に適した自生植物が生育する。
応して、砂地1を掘削し、この掘削砂地面2に植物有機
物基盤3を設け、この植物有機物基盤3上に動物質系土
壌改良材4を散布し、この上に前記掘削した砂又は現地
の砂を含む砂を埋め戻し、この埋め戻した砂地に生育し
た植物により飛砂を防止する工法であるから、植物有機
物基盤と動物質系土壌改良材とによる堆肥効果が継続
し、砂地だけでは飛砂により生育できなかった自生植物
や植栽した植物などが生育する。この場合、掘削した砂
をそのまま埋め戻すため、砂層7の埋め戻し作業が容易
になり、同時に、掘削した砂にはその周囲に自生する植
物の種子が含まれるから、その種子から自生植物が生育
し、この自生植物により覆われた砂地の飛砂を防止する
ことができる。
に植栽し、この植栽した植物により飛砂を防止する工法
であり、植栽により緑化の早期化を計ることができる。
5に対応して、植物有機物基盤3上に有効微生物4を散
布する工法であるから、有効微生物4の働きにより、植
物有機物基盤3と動物質系土壌改良材4との完熟堆肥化
がすすみ、自生植物又は植栽した植物の生育に適した環
境が得られる。
のではなく、本発明の要旨の範囲内において、各種の変
形実施が可能である。例えば、植物有機物基盤は、堆肥
化するものであれば、各種の植物有機物を用いることが
できる。また、有効微生物は、植物有機物基盤と動物質
系土壌改良材との堆肥化に効果のあるものであれば、各
種の微生物を用いることができる。
物有機物基盤と、この植物有機物基盤に含まれる動物質
系土壌改良材及び有効微生物と、この上に設けられた現
地の砂層とを備えるものであり、結合材などを用いて砂
層を固める必要がなく、飛砂により植生の難しかった砂
地において植生を可能とし、該植生により飛砂を防止す
ることができる飛砂防止緑化用改良土壌を提供すること
ができる。
基盤は、前記砂地を掘削した面に設けられ、前記現地の
砂層が前記砂地を掘削した砂又は周囲の砂を含むもので
あり、結合材などを用いて砂層を固める必要がなく、飛
砂により植生の難しかった砂地において植生を可能と
し、該植生により飛砂を防止することができる飛砂防止
緑化用改良土壌を提供することができる。
この掘削砂地面に植物有機物基盤を設け、この植物有機
物基盤上に動物質系土壌改良材を散布し、この上に前記
掘削した砂又は現地の砂を含む砂を埋め戻し、この埋め
戻した砂地に生育した植物により飛砂を防止する工法で
あり、結合材などを用いて砂層を固める必要がなく、飛
砂により植生の難しかった砂地において植生を可能と
し、該植生により飛砂を防止することができる飛砂防止
緑化工法を提供することができる。
砂地に植栽し、この植栽した植物により飛砂を防止する
工法であり、結合材などを用いて砂層を固める必要がな
く、飛砂により植生の難しかった砂地において植生を可
能とし、該植生により飛砂を防止することができる飛砂
防止緑化工法を提供することができる。
基盤上に有効微生物を散布する工法であり、結合材など
を用いて砂層を固める必要がなく、飛砂により植生の難
しかった砂地において植生を可能とし、該植生により飛
砂を防止することができる飛砂防止緑化工法を提供する
ことができる。
土壌の断面図である。
2(A)は改良すべき砂地の断面図、図2(B)は掘削
後に植物有機物基盤を設け、この上に動物質系土壌改良
材と有機微生物を散布する工程の断面図、図2(C)
は、植物有機物基盤の上部と動物質系土壌改良材と有機
微生物とを混合する工程の断面図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 砂地に設けられた植物有機物基盤と、こ
の植物有機物基盤に含まれる動物質系土壌改良材及び有
効微生物と、この上に設けられた現地の砂層とを備える
ことを特徴とする飛砂防止緑化用改良土壌。 - 【請求項2】 前記植物有機物基盤は、前記砂地を掘削
した面に設けられ、前記現地の砂層が前記砂地を掘削し
た砂又は周囲の砂を含むことを特徴とする請求項1記載
の飛砂防止緑化用改良土壌。 - 【請求項3】 砂地を掘削し、この掘削砂地面に植物有
機物基盤を設け、この植物有機物基盤上に動物質系土壌
改良材を散布し、この上に前記掘削した砂又は現地の砂
を含む砂を埋め戻し、この埋め戻した砂地に生育した植
物により飛砂を防止することを特徴とする飛砂防止緑化
工法。 - 【請求項4】 前記埋め戻した砂地に植栽し、この植栽
した植物により飛砂を防止することを特徴とする請求項
3記載の飛砂防止緑化工法。 - 【請求項5】 前記植物有機物基盤上に有効微生物を散
布することを特徴とする請求項3又は4記載の飛砂防止
緑化工法。
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2001
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