JP2003157974A - エレクトロルミネッセンス表示パネルの製造方法及び蒸着マスク - Google Patents

エレクトロルミネッセンス表示パネルの製造方法及び蒸着マスク

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JP2003157974A
JP2003157974A JP2002252452A JP2002252452A JP2003157974A JP 2003157974 A JP2003157974 A JP 2003157974A JP 2002252452 A JP2002252452 A JP 2002252452A JP 2002252452 A JP2002252452 A JP 2002252452A JP 2003157974 A JP2003157974 A JP 2003157974A
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Tsutomu Yamada
努 山田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 EL表示パネルの蒸着パターニング精度を向
上する。 【解決手段】 ガラス基板上に蒸発源からの蒸発物質を
選択的に通過させてエレクトロルミネッセンス素子の蒸
着層を所望パターンに形成するための開口部を備える蒸
着マスクを蒸発源とガラス基板との間に配置して蒸着を
行う。そして、この蒸着マスクの材料として、熱膨張係
数がガラスの熱膨張係数に対して160%以下、30%
以上の材料を採用することで、蒸発源に近く高温となる
蒸着マスクの熱変形を最小限とでき、蒸着パターニング
精度を向上できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラス基板上にエ
レクトロルミネッセンス(EL)素子を形成する際に行
われる蒸着に関する。
【0002】
【従来の技術】各画素に発光素子として有機EL素子等
を採用したEL表示パネルが知られており、自発光のフ
ラットパネルとして、その普及が期待されている。
【0003】有機EL素子としては、ガラス基板上のI
TOなどの透明電極からなる陽極とAlやマグネシウム
合金などの金属電極からなる陰極との間に発光層を含む
有機層が積層された構造が知られている。
【0004】このような有機EL素子の製造において、
有機層や金属電極の形成には蒸着方法が採用されてお
り、蒸着にあたっては、各層に要求される所定パターン
に対応した開口部を備えた蒸着マスクが利用される。例
えば、低分子系有機EL素子に用いられる有機層材料は
水分を嫌うため、基板全面に有機層を形成した後にエッ
チングして所定形状にパターニングするなどの方法が採
用できず、蒸着マスクにより予め蒸着領域を限定するこ
とで蒸着と同時に有機層のパターニングが行われてい
る。
【0005】蒸着は、真空チャンバ内に、処理対象であ
る基板(ガラス基板)をその蒸着面を下に向けてセット
し、蒸着マスクは基板の蒸着面と蒸発源との間に配置し
た後に、蒸発源を加熱して蒸着材料を蒸発させ、マスク
の開口部を介して基板表面に付着させることで行われ
る。
【0006】蒸着マスクとしては、ニッケルよりなるマ
スクが通常利用されている。これは、ステンレス基材な
どの上に所定パターンのレジストを形成し、電着方法に
よってニッケルマスクを形成する手法が確立されてお
り、精度のよいマスクが安定して製造できるからであ
る。また、蒸着マスクは加熱される蒸発源の比較的近く
に配置され、かつ蒸発物質は比較的高温のまま飛来する
ので、蒸発物を遮る蒸着マスクにはそれらの温度には耐
える必要があるが、ニッケルマスクは、これに必要な耐
熱性を備えているためである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、実際にニッケ
ルのマスクを利用して蒸着を行った場合、十分な精度の
パターニングが行えないという問題が明らかになってき
た。本発明者らは、この問題について、繰り返し実験を
行い検討した結果、ニッケルマスクの熱変形が原因であ
ることを突き止めた。
【0008】1基坂内での画素数が少なく、各画素当た
りの発光面積が十分大きければ、蒸着時において、蒸着
マスクが多少変形して有機層、特に発光層形成領域に多
少の位置ずれが生じても著しい表示装置の品質低下には
ならない。しかし、高精細な表示パネルでは各画素面積
が小さいため、有機層パターニング精度への要求は厳し
く、マスク変形による有機層のパターンずれは非常に大
きな問題となる。また、表示パネルの大型化や、大面積
のマザー基板を用いて複数の表示パネルを形成するなど
のいわゆる多面取りを採用した製造プロセスにおいて
は、蒸着面が広く蒸着マスクにも大型マスクが採用され
ることとなる。蒸着マスクの面積が大きくなると、マス
クの自重による変形量の増大に加えて熱変形が発生する
ことで、位置ずれの問題は顕著となる。
【0009】本発明は、蒸着において精度の高いパター
ニングが行えるEL表示パネルの製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明はなされ、ガラス基板上にEL素子がマトリク
ス配置されるEL表示パネルの製造方法であって、EL
素子の蒸着素子層を形成するために蒸発源で蒸着素子材
料を蒸発させて、ガラス基板上に蒸着する際に、熱膨張
係数がガラスと同等か又はそれ以下の材料を用いた蒸着
マスクを用い、該蒸着マスクを前記蒸発源と前記ガラス
基板の間に配置して、前記蒸着素子材料の蒸着と同時に
前記蒸着素子層をパターニングすることを特徴とする。
【0011】本発明の他の態様は、ガラス基板上に蒸発
源からの蒸発物質を選択的に通過させてエレクトロルミ
ネッセンス素子の蒸着素子層を所望パターンに形成する
ための開口部を備え、前記ガラス基板上に前記蒸着素子
層を形成する際、前記蒸発源と前記ガラス基板との間に
配置される蒸着マスクであって、その熱膨張係数がガラ
スの熱膨張係数に対して160%以下であって30%以
上の材料より構成されている。
【0012】また、本発明の他の態様において、前記蒸
着マスクの材料は、鉄とニッケルを含む合金である。
【0013】素子の基板に用いられるガラスと同程度か
それ以下の熱膨張係数を備える材料を用いて蒸着マスク
を構成することにより、蒸発源によって加熱されること
で蒸着マスクの熱変形が低減され、ガラス基板上に蒸着
素子層を精度良くパターニングすることができる。従っ
て高品質なEL表示パネルを得ることができる。
【0014】本発明の他の態様では、ガラス基板上にエ
レクトロルミネッセンス素子がマトリクス配置されるエ
レクトロルミネッセンス表示パネルの製造方法であっ
て、前記エレクトロルミネッセンス素子の蒸着素子層を
形成するために蒸発源で蒸着素子材料を蒸発させて、ガ
ラス基板上に蒸着する際に、熱膨張係数がガラスの熱膨
張係数に対して160%以下、30%以上の材料を用い
た蒸着マスクを用い、少なくともマスク把持部に、ガラ
スの熱膨張係数に対して160%以下、30%以上の熱
膨張係数を備えた材料が用いられたマスク支持機構によ
って、該蒸着マスクを前記蒸発源と前記ガラス基板の間
に配置して、前記蒸着素子材料の蒸着と同時に前記蒸着
素子層をパターニングする。
【0015】また、上記蒸着マスク及び前記マスク把持
部の材料は、鉄とニッケルを含む合金を用いることがで
きる。
【0016】このようにマスク把持部として、蒸着マス
クと同様にガラス基板と同様な熱膨張係数を備えた、即
ち、蒸着マスクと同様な熱膨張係数を備えた材料を採用
することで、蒸着時に把持部の温度が上昇しても、この
把持部と蒸着マスクの間での熱応力が小さくて済み、過
大な応力が蒸着マスクにかかることを防止できる。
【0017】本発明の他の態様では、ガラス基板上にエ
レクトロルミネッセンス素子がマトリクス配置されるエ
レクトロルミネッセンス表示パネルの製造方法であっ
て、前記エレクトロルミネッセンス素子の蒸着素子層を
形成するために蒸発源で蒸着素子材料を蒸発させて、ガ
ラス基板上に蒸着する際に、少なくともマスク把持部
に、ガラスの熱膨張係数に対して160%以下、30%
以上の熱膨張係数を備えた材料が用いられたマスク支持
機構によって、蒸着マスクを前記蒸発源と前記ガラス基
板の間に配置し、前記蒸着素子材料の蒸着と同時に前記
蒸着素子層をパターニングする。
【0018】このようにマスク把持部について、ガラス
基板と同様な熱膨張係数、即ち、従来のニッケルマスク
などと比較して熱膨張の小さい材料を採用することで、
熱伝導などによって把持部の温度が上昇しても、熱変形
が少ないため蒸着マスクの支持機能の維持が容易とな
る。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
(以下実施形態)について、図面に基づいて説明する。
図1は、実施形態に係る有機ELパネルの有機層等の蒸
着工程を説明するための図である。
【0020】真空蒸着装置の蒸着室内に配置されたEL
パネル用のガラス基板10は、その蒸着面側を下に向け
てセットされ、このガラス基板10の下方には、ガラス
基板10より大きい蒸着マスク12が配置される。図に
おいてはガラス基板10から蒸着マスク12が離れてい
るように示しているが、ガラス基板10と蒸着マスク1
2とは、実際にはほぼ隙間無く全面で接するように配置
されている。また蒸着マスク12の端部は支持機構14
によって支持されている。
【0021】蒸着マスク12の下方には、蒸発材料を加
熱(例えば300℃程度)する蒸発源16が配置されて
いる。この例では、この蒸発源16は、図の紙面奥行き
方向に長いライン状蒸発源16であり、左右方向および
前後方向に移動可能になっている。そして、加熱して材
料を蒸発させながら蒸発源16を移動することで蒸着が
行われる。
【0022】ガラス基板10の上方には、マグネット1
8が配置されており、後述するような磁性体材料を用い
て構成される蒸着マスク12を吸着することによりマス
クがその自重によって、中心部が下方に向けてたわむの
を防止している。
【0023】このような装置において、所定の蒸発材料
を蒸発源16にセットすると共に、対応するマスク12
を蒸発源16とガラス基板10との間にセットし、蒸発
源16を走査する。これにより、ガラス基板10の全面
に蒸着マスク12の開口部を通して蒸発物が付着し、開
口部パターンに対応した基板12の所定位置に有機層な
どの蒸着層が形成される。即ち、このような蒸着マスク
12を利用することで、蒸着と同時に蒸着層のパターニ
ングが行われる。
【0024】図2は蒸着マスク12の平面構造の例を示
している。このマスク12は、有機EL素子の発光層等
の有機層を形成するためのマスクの一例である。なお、
有機EL素子の構造については後述する。マスク12に
は、ガラス基板にマトリクス配置されるR,G,B用の
有機EL素子の対応発光領域の内、同色の発光領域にの
み開口部が形成されている。このマスク12は、有機E
L素子をR,G,B毎に異なる有機発光材料等により形
成する場合に用いることができ、1の色の有機層又は発
光層を形成する際に、図1のようにガラス基板10の下
方に配置して蒸着し、蒸発源16の蒸発材料を変更し、
また蒸着マスク12は他の色用に変更するか、あるいは
マスク開口部がガラス基板10との相対関係において図
中の一点鎖線の位置になるように移動させて、他の色の
有機層を順次蒸着形成する。
【0025】上述のような蒸着マスク12の材料として
は、本実施形態では、熱膨張係数が純Niと比較して1
/3程度も低いガラスと同程度かそれ以下の材料を用い
る。一例としては、鉄とニッケルを含む合金であって、
熱膨張係数がガラスに近いもの或いはそれよりさらに低
いものが採用できる。
【0026】すなわち、 (i)42ALLOY:Fe+42%Niの合金→熱膨
張係数35×10-7/K(K:ケルビン)〜55×10
-7/K (ii)インバー材:Fe+36%Ni→熱膨張係数1
7.5×10-7/K (iii)スーパーインバー材:Fe+31%Ni+5%
Co→熱膨張係数6.9×10-7/K 等が用いられる。
【0027】ガラスの熱膨張係数は38×10-7程度で
あり、従来マスクの材料として用いられていたニッケル
の熱膨張係数は130×10-7程度である。従って、上
記材料は比較的ガラスに熱膨張率が近いといえる。そし
て、これらの材料を用いてマスク12を形成すること
で、蒸着の際におけるマスク12の熱膨張とガラス基板
10の熱膨張とが同程度となってマスク12の変形が基
板10の同程度の変形によって相殺され、温度上昇の影
響を排除して、正確なパターニングを行うことができ
る。
【0028】また、蒸着マスクは蒸着対象であるガラス
基板10よりも高温の蒸発源16の近くに配置されるた
め、蒸発源16との距離にもよるが、マスク温度はガラ
ス基板10よりも10℃〜30℃近く高い温度となる。
従って、蒸着マスク12としてガラスよりも熱膨張係数
の低いものを使用すれば、マスク12の熱変形をより小
さくして、パターニング精度の向上を図ることができ
る。
【0029】蒸着マスクにNiを用いた場合を例に挙げ
て説明する。蒸着時に基板と蒸着マスクの温度がそれぞ
れ10℃高くなる場合、400mm幅の蒸着マスク及び
ガラス基板10を比較すると、 (130−38)×10-7×10℃=9.2×10-5 (ガラスの熱膨張係数:38×10-7、Niの熱膨張係
数:130×10-7)である。従って、400mm×
9.2×10-5=36となり、36μmのずれが生じる
ことになる。
【0030】実用上は、熱膨張によるガラス基板10と
蒸着マスク12との位置ずれを10μm以内に抑制する
必要がある。そこで、400mm幅の場合、熱膨張係数
が、60×10-7/K(ガラスの熱膨張係数に対して1
57%)〜13×10-7(同様に、34%)の範囲とす
ることが好ましい。
【0031】即ち、ガラスの熱膨張係数に対し、蒸着マ
スクの熱膨張係数は160%〜30%の範囲であればよ
い。蒸着マスクとしてこのような条件を満たす熱膨張係
数の材料を用いることで、蒸着時に、蒸着マスクにガラ
ス基板とかけ離れた熱変形が起こらず、精度良く有機層
などをガラス基板上に蒸着できる。
【0032】次に、蒸着マスク12は、あまり厚いと、
蒸発源16から斜め方向より飛来する蒸着物質が、マス
ク開口部を通り抜けることができず蒸着効率及び蒸着精
度の低下につながる。このため蒸着マスク12の厚さ
は、10μm〜100μmであり、厚さ0.7mm程度
のガラス基板10と比較して非常に薄く設計される。従
って、マスク材料としては、これらの厚さにおいても十
分な強度を備える必要があるが、上記材料によれば、こ
の条件を満たすことができる。さらに、上記材料は磁性
体であるので、図1に示すようなマグネット18によっ
てマスク中央部の下方へのたわみを緩和することができ
好適である。なお、マスク材料として磁性体材料でな
く、剛性の比較的小さい材料を用いる場合には、マスク
を静電的に吸着する機構を図1のマグネット18に代え
て使用することでマスクの自重によるたわみを防止する
ことができる。
【0033】なお、上述の例では、鉄およびニッケルを
含む合金をマスク12の材料として利用したが、ガラス
に熱膨張率が近いかそれ以下であり、十分な耐熱性を備
えた材料であれば上述の材料に限定されることはない。
例えば、マスク12をガラスで形成することも好適であ
る。これによって、ガラス基板10とマスク12の熱膨
張係数をほぼ同一にすることができ、正確なパターニン
グを実施することができる。
【0034】また、マスク支持機構(マスクフレーム)
14については、この支持機構14が蒸着マスク12の
端部を把持するような構成である場合に、支持機構14
の少なくともマスク把持部20を蒸着マスク12と同等
の熱膨張率を備えた材料によって構成することが好まし
い。即ち、例えば、42ALLOY(熱膨張係数35×
10-7/K〜55×10-7/K)、インバー材(熱膨張
係数17.5×10-7/K)、スーパーインバー材(熱
膨張係数6.9×10-7/K)など、上述のようにガラ
ス基板の熱膨張係数に対して160%以下、30%以上
の熱膨張係数を備えた材料がマスク把持部20に用いら
れたマスク支持機構が好適である。このような材料を用
いることにより、熱伝導などにより把持部温度が上昇し
た場合に蒸着マスク12に過大な応力がかかることを防
止できる。また、蒸着マスクの材料にかかわらず、マス
ク支持機構14のマスク把持部20にガラス基板の熱膨
張係数に対して160%以下、30%以上の熱膨張係数
を備える材料を用いることで、従来のNi等の熱膨張係
数の大きい材料と比較して変形が小さく、高温となった
際にも蒸着マスク12の把持力を失いにくく、確実な支
持が可能となる。
【0035】図3は、上述のような蒸着方法を用いて形
成される有機EL表示パネルの画素の等価回路の例を示
している。各画素は第1及び第2TFT、保持容量Csc
及び有機EL素子を備える。図4は、有機EL表示パネ
ルの各画素のうち、第2TFT及び有機EL素子の断面
構造を示す。
【0036】第1TFTは、選択(走査)ラインにゲー
ト電極が接続され、選択信号に応じてオンし、このとき
データラインに出力されている表示データに応じた電荷
が第1TFTのソースドレインを介して保持容量Cscに
蓄積される。第2TFTのソース(又はドレイン)は電
源ライン82に接続され、ドレイン(又はソース)は有
機EL素子の陽極90が接続されている。また、第2T
FTのゲート電極80は、保持容量Cscに接続され、ソ
ースドレインは電源(Pvdd)ラインと有機EL素子
の陽極(第1電極)との間に接続されており、保持容量
Cscによってゲートに印加される電圧に応じて有機EL
素子の陽極に電源からの電流を供給する。有機EL素子
は、図4に示すような断面構造を備え、第1電極90と
第2電極92との間に発光層を含む有機層100が形成
されて構成されている。
【0037】有機EL素子を駆動する第2TFT及び図
4に示さない第1TFTは、互いに近似した構成を有
し、ガラスなどの透明基板70上に形成され、レーザア
ニールによって多結晶化されたポリSiなどからなる能
動層72が形成されこれを覆ってゲート絶縁膜74、ゲ
ート電極80を備える。第2TFTのソース(又はドレ
イン)は、TFT全体を覆って形成された層間絶縁膜7
6とゲート絶縁膜74とを貫通して形成されたコンタク
トホールを介して電源ライン82に接続され、電源ライ
ン82を覆って基板全面に第1平坦化絶縁膜78が形成
されている。この第1平坦化絶縁膜78の上にエッチン
グによって画素毎に個別パターンとされたITOからな
る第1電極90が形成され、この第1電極90は、第1
平坦化絶縁膜78、層間絶縁膜76及びゲート絶縁膜7
4を貫通して形成されたコンタクトホールを介して第2
TFTのドレイン(又はソース)と接続されている。
【0038】有機EL素子は、これを駆動するための第
2TFT及び図4には示さない第1TFT及び保持容量
をガラス基板70上に形成し、さらに平坦化絶縁膜78
を形成した後、この平坦化絶縁膜78の上に形成する。
有機EL素子の第1電極90はITOなどを用いた透明
電極であり、陽極として機能する。第2電極92は、例
えばアルミニウムやその合金などが用いられた金属電極
であり、陰極として機能する。有機層100は、例えば
第1電極90側から正孔輸送層110、発光層120及
び電子輸送層130がこの順に積層されて構成されてい
る。そして、これら有機EL素子を構成する層のうち、
有機層100、第2電極92が上述のような蒸着方法に
よって形成される。図4の例では、有機層100のうち
発光層120は、第1電極90と同様に(第1電極90
より多少大きいが)画素毎の独立パターンを備え、正孔
輸送層110及び電子輸送層130は全画素共通のパタ
ーンを備えている。また陰極である第2電極92も全画
素共通のパターンを備えている。このような有機層10
0の発光層120は、基板のほぼ全面に正孔輸送層11
0を蒸着形成した後、図2に示したような同色素子発光
領域のみ開口した蒸着マスク12を基板の前に配置し、
対応する発光材料を蒸発源16で蒸発させることで、蒸
着と同時に画素毎に独立したパターンを得る。このとき
蒸着マスク12としては、熱膨張率がガラスと同程度か
それ以下の材料からなるマスクを用いるので、蒸着時の
変形が少なく、図4の例では、発光層120の形成領域
が対応する第1電極90の形成領域に対してずれること
なく正確にパターニングすることができる。なお、正孔
輸送層110や電子輸送層130についても発光層12
0と同様に画素毎に個別パターンとする場合には、発光
層120と同様に図2に示すような開口パターンを備
え、かつ熱膨張率が上述のような材料からなる蒸着マス
ク12を用いる。
【0039】各画素に有機EL素子及びこれを駆動する
スイッチを備えたアクティブマトリクス型表示パネルで
は、各画素にデータラインDLを介して表示データが供
給されると、そのデータに応じた電圧が第1TFT及び
保持容量Cscを介して第2TFTのゲート電極に印加
され、有機EL素子の第1電極90に電源Pvddから表示
データに応じた電流が供給される。これにより、発光層
120には、第1電極90から正孔輸送層110を介し
て正孔が注入され、第2電極92から電子輸送層130
を介して電子が注入され、発光層120内で正孔と電子
の再結合が起こり、有機発光分子が励起され基底状態に
戻ることでその発光分子固有の色の光が放射される。そ
して、有機EL素子は、第1電極90と第2電極92と
に挟まれた領域に位置する有機層が発光するので、本実
施形態のような蒸着マスク12を用いることで有機EL
素子の有機層を第1電極90に対して位置精度良く形成
することで、各画素の発光面積、発光輝度をパネル内で
均一とすることが可能となる。
【0040】
【発明の効果】以上本発明によれば、蒸着マスクの改良
によりこのマスクを用いた有機EL素子の有機層などの
蒸着パターン精度を向上でき、高品質なEL表示パネル
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る蒸着工程を説明する
図である。
【図2】 本発明の実施形態に係る蒸着マスクの平面構
造の一例を示す図である。
【図3】 本発明の実施形態に係る方法によって製造さ
れる有機EL表示パネルの各画素の回路構成を示す図で
ある。
【図4】 本発明の実施形態に係る方法によって製造さ
れる有機EL表示パネルの画素の一部断面構造を示す図
である。
【符号の説明】
10 ガラス基板、12 蒸着マスク、14 支持機
構、16 蒸発源、18マグネット、20 マスク把持
部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3K007 AB18 BA06 CA01 DB03 FA01 4K029 AA09 AA24 BB03 BD00 CA01 HA02 HA04

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス基板上にエレクトロルミネッセン
    ス素子がマトリクス配置されるエレクトロルミネッセン
    ス表示パネルの製造方法であって、 前記エレクトロルミネッセンス素子の蒸着素子層を形成
    するために蒸発源で蒸着素子材料を蒸発させて、ガラス
    基板上に蒸着する際に、熱膨張係数がガラスの熱膨張係
    数に対して160%以下、30%以上の材料を用いた蒸
    着マスクを用い、 該蒸着マスクを前記蒸発源と前記ガラス基板の間に配置
    して、前記蒸着素子材料の蒸着と同時に前記蒸着素子層
    をパターニングすることを特徴とするエレクトロルミネ
    ッセンス表示パネルの製造方法。
  2. 【請求項2】 ガラス基板上に蒸発源からの蒸発物質を
    選択的に通過させてエレクトロルミネッセンス素子の蒸
    着素子層を所望パターンに形成するための開口部を備
    え、前記ガラス基板上に前記蒸着素子層を形成する際、
    前記蒸発源と前記ガラス基板との間に配置される蒸着マ
    スクであって、 熱膨張係数がガラスの熱膨張係数に対して160%以
    下、30%以上の材料より構成されていることを特徴と
    する蒸着マスク。
  3. 【請求項3】 前記蒸着マスクの材料は、鉄とニッケル
    を含む合金であることを特徴とする請求項1又は請求項
    2に記載のエレクトロルミネッセンス表示パネルの製造
    方法又は蒸着マスク。
  4. 【請求項4】 ガラス基板上にエレクトロルミネッセン
    ス素子がマトリクス配置されるエレクトロルミネッセン
    ス表示パネルの製造方法であって、 前記エレクトロルミネッセンス素子の蒸着素子層を形成
    するために蒸発源で蒸着素子材料を蒸発させて、ガラス
    基板上に蒸着する際に、熱膨張係数がガラスの熱膨張係
    数に対して160%以下、30%以上の材料を用いた蒸
    着マスクを用い、 少なくともマスク把持部に、ガラスの熱膨張係数に対し
    て160%以下、30%以上の熱膨張係数を備えた材料
    が用いられたマスク支持機構によって、該蒸着マスクを
    前記蒸発源と前記ガラス基板の間に配置して、前記蒸着
    素子材料の蒸着と同時に前記蒸着素子層をパターニング
    することを特徴とするエレクトロルミネッセンス表示パ
    ネルの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記蒸着マスク及び前記マスク把持部の
    材料は、鉄とニッケルを含む合金であることを特徴とす
    る請求項4に記載のエレクトロルミネッセンス表示パネ
    ルの製造方法。
  6. 【請求項6】 ガラス基板上にエレクトロルミネッセン
    ス素子がマトリクス配置されるエレクトロルミネッセン
    ス表示パネルの製造方法であって、 前記エレクトロルミネッセンス素子の蒸着素子層を形成
    するために蒸発源で蒸着素子材料を蒸発させて、ガラス
    基板上に蒸着する際に、少なくともマスク把持部に、ガ
    ラスの熱膨張係数に対して160%以下、30%以上の
    熱膨張係数を備えた材料が用いられたマスク支持機構に
    よって、蒸着マスクを前記蒸発源と前記ガラス基板の間
    に配置し、前記蒸着素子材料の蒸着と同時に前記蒸着素
    子層をパターニングすることを特徴とするエレクトロル
    ミネッセンス表示パネルの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記マスク把持部の材料は、鉄とニッケ
    ルを含む合金であることを特徴とする請求項6に記載の
    エレクトロルミネッセンス表示パネルの製造方法。
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