JP2003157915A - 色素増感光電変換素子 - Google Patents

色素増感光電変換素子

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JP2003157915A JP2002257907A JP2002257907A JP2003157915A JP 2003157915 A JP2003157915 A JP 2003157915A JP 2002257907 A JP2002257907 A JP 2002257907A JP 2002257907 A JP2002257907 A JP 2002257907A JP 2003157915 A JP2003157915 A JP 2003157915A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】色素により増感された半導体微粒子を用いた、
安価で変換効率の良い色素増感変換素子及び太陽電池の
開発。 【解決手段】半導体微粒子を下記一般式(1)で表され
る色素を担持させ、色素増感光電変換素子の薄膜を得、
これを用いて太陽電池を作成する。 (式中、A1及びA2はそれぞれ独立に置換されていても
よい環式炭化水素残基、置換されていてもよいアミノ
基、ヒドロキシル基、シアノ基、水素原子、ハロゲン原
子又は置換されていてもよいアルキル基を表す。またA
1、A2のうち複数部分を用いて置換基を有してもよい環
を形成してもよい。Xはシアノ基、置換基を有してもよ
い環式炭化水素残基、置換基を有してもよい複素環残
基、置換基を有してもよい有機金属錯体残基を表す。m
は2〜5の整数、nは1〜4の整数を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は有機色素が担持され
た酸化物半導体微粒子の薄層を有した光電変換素子及び
太陽電池に関し、詳しくは特定の骨格を有するメチン系
色素が担持された酸化物半導体微粒子の薄層を備えたこ
とを特徴とする光電変換素子及びそれを利用した太陽電
池に関する。
【0002】
【従来の技術】石油、石炭等の化石燃料に代わるエネル
ギー資源として太陽光を利用する太陽電池が注目されて
いる。現在、結晶又はアモルファスのシリコンを用いた
シリコン太陽電池、あるいはガリウム、ヒ素等を用いた
化合物半導体太陽電池等について盛んに高効率化など、
開発検討がなされている。しかしそれらは製造に要する
エネルギー及びコストが高いため、汎用的に使用するの
が困難であるという問題点がある。また色素で増感した
半導体微粒子を用いた光電変換素子、あるいはこれを用
いた太陽電池も知られ、これを作成する材料、製造技術
が開示されている(非特許文献1及び非特許文献2を参
照)。この光電変換素子は酸化チタン等の比較的安価な
酸化物半導体を用いて製造され、従来のシリコン等を用
いた太陽電池に比べコストの安い光電変換素子が得られ
る可能性があり注目を集めている。しかし変換効率の高
い素子を得るために増感色素としてルテニウム系の錯体
を使用されており、色素自体のコストが高く、またその
供給にも問題が残っている。また増感色素として有機色
素を用いる試みも既に行われているが、変換効率が低い
等まだ実用化には至らない現状にある。
【特許文献1】特開昭55−59182号公報
【特許文献2】特開2000−26487号公報
【非特許文献1】B.O'Regan and M.Gratzel, Nature,
第353巻, 737頁 (1991年)
【非特許文献2】M.K.Nazeeruddin, A.Kay, I.Rodicio,
R.Humphry-Baker, E.Muller, P.Liska,N.Vlachopoulo
s, M.Gratzel, J.Am.Chem.Soc., 第115巻, 6382頁 (199
3年)
【非特許文献3】Gerret.M.Peters, Jr.,Fred.A.Stube
r,Henri.Ulrich, J.Org.Chem.,Vol.40, No.15, 2243頁
(1975年)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】有機色素で増感された
酸化物半導体を用いた光電変換素子において、安価な有
機色素を用い、変換効率が高くかつ安定性に優れ、実用
性の高い光電変換素子の開発が求められている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記の課題
解決するために鋭意努力した結果、複数のヒドロキシル
基とメチン残基が一つのベンゼン環に置換した特定の構
造を有するメチン系色素を用いて半導体微粒子又はその
薄層を増感し、光電変換素子を作成する事により変換効
率が高くかつ安定性に優れた光電変換素子が得られるこ
とを見出し、本発明を完成させるに至った。すなわち、
本発明は、
【0005】(1)一般式(1)で表されるメチン系色
素が担持された酸化物半導体微粒子の薄層を備えてなる
光電変換素子、
【0006】
【化6】
【0007】(式中、A1及びA2はそれぞれ独立に置換
されていてもよい環式炭化水素残基、置換されていても
よいアミノ基、ヒドロキシル基、シアノ基、水素原子、
ハロゲン原子又は置換されていてもよいアルキル基を表
す。またA1、A2のうち複数部分を用いて置換基を有し
てもよい環を形成してもよい。Xはシアノ基、アルコキ
シカルボニル基、置換基を有してもよい芳香族炭化水素
残基、置換基を有してもよい複素環残基又は置換基を有
してもよい有機金属錯体残基を表す。mは2〜5の整
数、nは1〜4の整数を示す。また、nが2以上でA1
及びA2が複数存在する場合、それぞれのA1及びそれぞ
れのA2は互いに独立に同じ又は異なっても良い前記の
基を示す。またA1若しくはA1が複数存在する場合には
それぞれのA1の中の2者、A2若しくはA2が複数存在
する場合にはそれぞれのA2の中の2者は結合して置換
基を有してもよい環を形成しても良い。) (2)基材上に設けられた酸化物半導体微粒子の薄層に
(1)記載の一般式(1)で表されるメチン系色素を担
持させたものである(1)記載の光電変換素子、(3)
メチン系色素が一般式(2)で表される色素である
(1)又は(2)記載の光電変換素子、
【0008】
【化7】
【0009】(式中、A1、A2、n及びXはそれぞれ一
般式(1)と同義である。) (4)メチン系色素が一般式(3)で表される色素であ
る(1)又は(2)記載の光電変換素子、
【0010】
【化8】
【0011】(式中、A1、A2、n及びXはそれぞれ一
般式(1)と同義である。) (5)(1)、(3)又は(4)に記載の一般式(1)
〜(3)のメチン系色素において、nが1〜3である
(1)乃至(4)のいずれか一項に記載の光電変換素
子、(6)(1)、(3)又は(4)に記載の一般式
(1)〜(3)のメチン系色素において、Xが置換基を
有しても良い複素環残基である(1)乃至(5)のいず
れか一項に記載の光電変換素子、(7)(6)記載の置
換基を有しても良い複素環残基を有するメチン系色素が
下記一般式(4)で表される(1)乃至(6)のいずれ
か一項に記載の光電変換素子、
【0012】
【化9】
【0013】(式中、A1,A2及びnは一般式(1)と
同様である。R1は置換されても良い脂肪族炭化水素残
基又は置換されていてもよい芳香族炭化水素残基を示
し、R2は置換基を表す。Y1は酸素原子、硫黄原子、セ
レン原子、−CR34−、−NR5−又は−CR6=CR
7−を表す。このR3、R4及びR5はそれぞれ独立に水素
原子、置換されても良い脂肪族炭化水素残基又は置換さ
れていてもよい芳香族炭化水素残基をあらわし、R6
びR7はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。Z
は対イオンを表す。) (8)酸性溶液条件下における最大吸収波長(A)と塩基
性溶液条件下における最大吸収波長(B)に差があるメチ
ン系色素である(1)記載の光電変換素子、(9)酸性
溶液条件下における最大吸収波長(A)と塩基性溶液条件
下における最大吸収波長(B)の差が50nm以上である
(8)記載の光電変換素子、(10)酸性溶液条件下に
おける最大吸収波長(A)と塩基性溶液条件下における最
大吸収波長(B)の差が90nm以上である(9)記載の
光電変換素子、(11)(1)乃至(10)のいずれか
一項に記載のメチン系色素と、金属錯体色素及びこれら
2種以外の有機色素からなる群から選ばれる1種以上、
あわせて2種以上の色素が担持された酸化物半導体微粒
子である(1)記載の光電変換素子、
【0014】(12)3種以上の色素が担持された酸化
物半導体微粒子である(11)に記載の光電変換素子、
(13)酸化物半導体微粒子が二酸化チタンを必須成分
として含有する微粒子である(1)乃至(12)のいず
れか一項に記載の光電変換素子、(14)酸化物半導体
微粒子又はその薄層に包摂化合物の存在下、メチン系色
素を担持させたものである(1)乃至(13)のいずれ
か一項に記載の光電変換素子、(15)酸化物半導体の
薄層に色素を担持させて得られる(1)乃至(14)の
いずれか一項に記載の光電変換素子、(16)(1)乃
至(15)のいずれか一項に記載の光電変換素子を備え
てなる太陽電池、(17)(1)、(3)又は(4)に
記載の一般式(1)〜(3)で表されるメチン系色素に
より増感された酸化物半導体微粒子、(18)下記一般
式(5)で表されるメチン系色素、
【0015】
【化10】
【0016】(式中、A1,A2、R1、R2、Z及びnは
一般式(4)と同様である。Y2は酸素原子、硫黄原
子、セレン原子、−CR34−又は−NR5−を表す。
このR3、R4及びR5はそれぞれ独立に水素原子、置換
されても良い脂肪族炭化水素残基又は置換されていても
よい芳香族炭化水素残基を表す。)に関する。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の光電変換素子は特定の構造を有するメチン系色
素が担持された酸化物半導体の薄層を有する。特定の構
造とは一般式(1)で表されるものであり、メチン残基
と複数のヒドロキシル基が一つのベンゼン環に置換して
いる点に特徴がある。
【0018】
【化11】
【0019】(式中A1、A2、X、m及びnはいずれも
前記と同義である。)一般式(1)で表されるメチン系
色素のうち、好ましいメチン系色素の構造としては以下
の一般式(2)で表される、隣り合う2つの炭素にそれ
ぞれヒドロキシル基が置換したベンゼン環にさらにメチ
ン残基が一つ置換されたものが挙げられ、
【0020】
【化12】
【0021】(式中A1、A2、X及びnはいずれも前記
と同義である。) 以下の一般式(3)で表されるメチン系色素が更に好ま
しい。
【0022】
【化13】
【0023】(式中A1、A2、X及びnはいずれも前記
と同義である。) 上記一般式(1)〜(3)は塩を形成していてもよく、
塩としては例えば上記一般式のヒドロキシル基の部分が
金属塩、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム、マグ
ネシウム、カルシウムなどのアルカリ金属又はアルカリ
土類金属などとの塩、又は有機塩基、例えばテトラメチ
ルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、ピリジニ
ウム、イミダゾリウムなどの4級アンモニウム塩のよう
な塩を挙げることができる。又、A1、A2はそれぞれ独
立に置換基を有しても良い環式炭化水素残基、置換基を
有してもよいアミノ基、ヒドロキシル基、シアノ基、水
素原子、ハロゲン原子又は置換されていてもよいアルキ
ル基を表す。又、A1及びA2が複数存在する場合、それ
ぞれのA1及びそれぞれのA2は互いに独立に同じ又は異
なっても良い前記の基を示す。
【0024】環式炭化水素基とは、環式炭化水素から水
素原子を1つ除いた基を意味する。環式炭化水素基とし
ては例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン
環、フェナンスレン環、ピレン環、インデン環、アズレ
ン環、フルオレン環、シクロヘキサン環、シクロペンタ
ン環、シクロヘキセン環、シクロペンテン環、シクロヘ
キサジエン環、シクロペンタジエン環等が挙げられる。
【0025】又、置換基を有しても良い環式炭化水素基
における置換基としては、特に制限は無いが、アルキル
基、アリール基、シアノ基、イソシアノ基、チオシアナ
ト基、イソチオシアナト基、ニトロ基、ニトロシル基、
アシル基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、リン酸基、
リン酸エステル基、置換若しくは非置換メルカプト基、
置換若しくは非置換アミノ基、置換若しくは非置換アミ
ド基、アルコキシル基、アルコキシアルキル基、カルボ
キシル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基等が挙げ
られる。アルキル基としては置換基を有しても良い飽和
及び不飽和の直鎖、分岐及び環状のアルキル基が挙げら
れ、炭素数は1から36が好ましく、さらに好ましくは
置換基を有しても良い飽和の直鎖アルキル基で、炭素数
は1から20であるものが挙げられる。環状のものとし
て例えば炭素数3乃至8のシクロアルキルなどが挙げら
れる。これらのアルキル基は上記の置換基(アルキル基
を除く)でさらに置換されていてもよい。アリール基と
しては、後記芳香族炭化水素基の項で挙げられる芳香環
炭化水素から水素原子をとった基等が挙げられる。アリ
ール基はさらに上記の基などで置換されていてもよい。
アシル基としては例えば炭素数1乃至10のアルキルカ
ルボニル基、アリールカルボニル基等が挙げられ、好ま
しくは炭素数1乃至4のアルキルカルボニル基で具体的
にはアセチル基、プロピオニル基等が挙げられる。ハロ
ゲン原子としては塩素、臭素、ヨウ素等の原子が挙げら
れる。リン酸エステルとしてはリン酸(炭素数1ないし
4の)アルキルエステル基等が挙げられる。置換若しく
は非置換メルカプト基としてはメルカプト基、アルキル
メルカプト基等が挙げられる。置換若しくは非置換アミ
ノ基としてはアミノ基、モノ又はジアルキルアミノ基、
モノ又はジ芳香族アミノ基等が挙げられ、モノ又はジメ
チルアミノ基、モノ又はジエチルアミノ基、モノ又はジ
プロピルアミノ基、モノ又はジフェニルアミノ基、又は
ベンジルアミノ基等が挙げられる。置換若しくは非置換
アミド基としてはアミド基、アルキルアミド基、芳香族
アミド基等が挙げられる。アルコキシル基としては、例
えば炭素数1乃至10のアルコキシル基等が挙げられ
る。アルコキシアルキル基としては、例えば(炭素数1
乃至10の)アルコキシ(炭素数1乃至10の)アルキ
ル基等が挙げられる。アルコキシカルボニル基としては
例えば炭素数1乃至10のアルコキシカルボニル基等が
挙げられる。又、カルボキシル基、スルホ基及びリン酸
基等の酸性基は、塩を形成してもよく、塩としては例え
ばリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カ
ルシウムなどのアルカリ金属又はアルカリ土類金属など
との塩、又は有機塩基、例えばテトラメチルアンモニウ
ム、テトラブチルアンモニウム、ピリジニウム、イミダ
ゾリウムなどの4級アンモニウム塩のような塩を挙げる
ことができる。
【0026】又、A1、A2はこのうち任意の2者を用い
て置換基を有してもよい環を形成してもよい。特にnが
2以上で、A1、A2がそれぞれ複数存在する場合には任
意のA1、A2を利用して環を形成しても良い。置換基を
有する場合の置換基としては前記置換基を有してもよい
環式炭化水素基の項で述べた置換基を挙げることができ
る。形成する環としては不飽和炭化水素環又は複素環が
挙げられる。不飽和炭化水素環としてはベンゼン環、ナ
フタレン環、アントラセン環、フェナンスレン環、ピレ
ン環、インデン環、アズレン環、フルオレン環、シクロ
ブテン環、シクロヘキセン環、シクロペンテン環、シク
ロヘキサジエン環、シクロペンタジエン環等が挙げら
れ、複素環基としては、ピリジン環、ピラジン環、イン
ドリン環、チオフェン環、フラン環、ピラン環、オキサ
ゾール環、チアゾール環、インドール環、ベンゾチアゾ
ール環、ベンゾオキサゾール環、ピラジン環、キノリン
環、カルバゾール環、ベンゾピラン環等が挙げられる。
又これらのうちの好ましい物はシクロブテン環、シクロ
ペンテン環、シクロヘキセン環、ピラン環などが挙げら
れる。又、カルボニル基、チオカルボニル基等を有する
場合には環状ケトン又は環状チオケトンなどを形成して
も良い。
【0027】Xはシアノ基、アルコキシカルボニル基、
置換基を有してもよい芳香族炭化水素残基、置換基を有
してもよい複素環残基、置換基を有してもよい有機金属
錯体残基をそれぞれ表す。芳香族炭化水素残基とは、芳
香族炭化水素から水素原子を除くことにより結合する基
を意味する。芳香族炭化水素残基としては例えばベンゼ
ン、ナフタレン、アントラセン、フェナンスレン、ピレ
ン、インデン、アズレン、フルオレン等が挙げられ、こ
れらは前記のようにいずれも置換基を有しても良い。通
常炭素数6乃至16の芳香環(芳香環及び芳香環を含む
縮合環等)を有する芳香族炭化水素残基である。複素環
残基とは、複素環化合物から水素原子を除くことにより
結合する基を意味する。複素環残基としては例えば、ピ
リジン、ピラジン、ピリミジン、ピラゾール、ピラゾリ
ジン、チアゾリジン、オキサゾリジン、ピラン、クロメ
ン、ピロール、ベンゾイミダゾール、イミダゾリン、イ
ミダゾリジン、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾー
ル、トリアジン、ジアゾール、モルホリン、インドリ
ン、チオフェン、フラン、オキサゾール、チアジン、チ
アゾール、インドール、ベンゾチアゾール、ナフトチア
ゾール、ベンゾオキサゾール、ナフトオキサゾール、イ
ンドレニン、ベンゾインドレニン、ピラジン、キノリ
ン、キナゾリン、カルバゾール等が挙げられ、それぞれ
の複素環残基は増環や水素化されていても良く、又、こ
れらは前記するように置換基を有しても良い。又、有機
金属錯体残基とは、有機金属錯体から水素原子を除くこ
とにより結合する基を意味する。有機金属錯体残基とし
ては、フェロセン、フタロシアニン、アゾ-金属錯体、
ルテニウム-ビピリジン錯体、ルテニウム-トリスビピリ
ジン錯体等のルテニウム金属錯体等が挙げられ、それぞ
れの有機金属錯体残基は増環や水素化されていてもよ
く、又、これらは前記するように置換基を有しても良
い。これらXとして好ましくはシアノ基、アルコキシカ
ルボニル基、ベンゼン、ナフタレン、インデン、ピリジ
ン、ピラジン、ピリミジン、キノリン、チオフェン、イ
ンドレニン、ベンゾインドレニン、ピラゾール、ピラゾ
リジン、チアゾール、チアゾリジン、ベンゾチアゾー
ル、オキサゾール、オキサゾリジン、ベンゾオキサゾー
ル、ピラン、セレナゾール、ベンゾセレナゾール、クロ
メン、チオフェン、ピロール、イミダゾール、ベンゾイ
ミダゾール、イミダゾリン、イミダゾリジン、インドー
ル、カルバゾール、アゾ-金属錯体、ルテニウム-ビピリ
ジン錯体、ルテニウム-トリスビピリジン錯体等のルテ
ニウム金属錯体等が挙げられ、さらに好ましくはシアノ
基、アルコキシカルボニル基、ベンゼン、インデン、ピ
リジン、ピリミジン、キノリン、インドレニン、クロメ
ン、ピロール、チアゾール、ベンゾチアゾール、オキサ
ゾール、ベンゾオキサゾール、ピラン、セレナゾール、
ベンゾセレナゾール、イミダゾール、ベンゾイミダゾー
ル、ピラゾール、チオフェン、ルテニウム-ビピリジン
錯体、ルテニウム-トリスビピリジン錯体等のルテニウ
ム金属錯体等が挙げられる。
【0028】又この時のXの置換基としては、環式炭化
水素基の項で述べた置換基と同様で良くまた環式ケト
ン、チオケトンを形成していても良い。好ましくは置換
しても良いアミノ基、アルキル基、アルコキシル基、ア
セチル基、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、ケトン、チ
オケトンが挙げられる。さらに好ましくは置換しても良
いアミノ基、アルキル基、アルコキシル基、ケトン、チ
オケトンが挙げられる。ここで置換基を有しても良いア
ミノ基としてはモノアルキル置換、ジアルキル置換、モ
ノアルキルモノアリール置換、ジアリール置換、モノア
ルキレン置換、ジアルキレン置換等が挙げられるが、ジ
アルキル置換、ジアリール置換の誘導体が好ましい。置
換してもよいアルキル基としてはアリール置換、ハロゲ
ン原子置換、アルコキシル置換等がある。置換してもよ
いアルコキシル基としてはアルコキシ置換、ハロゲン置
換、アリール置換などが挙げられる。これら置換基を合
わせて環式炭化水素、複素環としてロダニン環、チオオ
キサゾリドン環、ヒダントイン環、チオヒダントイン
環、インダンジオン環、チアナフテン環、ピラゾロン
環、バルビツール環、チオバルビツール環、ピリドン環
などを形成する構造が好ましい。これらメチン系色素は
シス体、トランス体などの構造異性体をとり得るが、特
に限定されず良好な結果を与える。
【0029】又、Xが複素環等のときにその複素環が四
級化されていても良く、その場合には以下のような構造
のメチン系色素が好ましい。
【0030】
【化14】
【0031】式中、A1、A2及びnは式(1)で示した
ものと同様である。R1は置換されても良い脂肪族炭化
水素残基又は置換されていてもよい芳香族炭化水素残基
を示し、これは前記A1及びA2の項で説明した内容と同
様で良い。このとき有しても良い好ましい置換基として
はアルキル基、アリール基、シアノ基、ニトロ基、ハロ
ゲン原子、ヒドロキシル基、スルホ基、リン酸基、リン
酸エステル基、置換若しくは非置換アミノ基、アルコキ
シル基、アルコキシアルキル基又は置換若しくは非置換
アミド基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、
アシル基等のカルボニル基を有する基が挙げられる。さ
らに好ましい置換基としてシアノ基、ハロゲン原子、カ
ルボキシル基、アルコキシカルボニル基などが挙げられ
る。R2は置換基を表し、複数存在してもよく、互いに
同じ又は異なっていても良い。置換基としては特に制限
はないが、置換されても良い脂肪族炭化水素残基、置換
されていてもよい芳香族炭化水素残基、置換されていて
もよい複素環残基、水素原子、シアノ基、イソシアノ
基、チオシアナト基、イソチオシアナト基、ニトロ基、
ハロゲン原子、ヒドロキシル基、スルホ基、リン酸基、
リン酸エステル基、置換若しくは非置換メルカプト基、
置換若しくは非置換アミノ基、置換若しくは非置換アミ
ド基、アルコキシル基、アルコキシアルキル基、又はカ
ルボキシル基、カルボンアミド基、アルコキシカルボニ
ル基、アシル基等の置換カルボニル基等が挙げられる。
好ましくは置換されても良い脂肪族炭化水素残基、水素
原子、ヒドロキシル基、アルコキシル基、ハロゲン原
子、リン酸基、リン酸エステル基、又はカルボンアミド
基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル
基等のカルボニル基等が挙げられる。さらに好ましくは
水素原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基及びアルキ
ル基などが挙げられる。
【0032】また、置換基R2が複数存在する場合、互
いに結合して置換基を有しても良い環を形成しても良
い。形成しうる環としては不飽和炭化水素環又は複素環
が挙げられる。不飽和炭化水素環としてはベンゼン環、
ナフタレン環、アントラセン環、フェナンスレン環、ピ
レン環、インデン環、アズレン環、フルオレン環、シク
ロブテン環、シクロヘキセン環、シクロペンテン環、シ
クロヘキサジエン環、シクロペンタジエン環等が挙げら
れ、複素環基としては、ピリジン環、ピラジン環、ピペ
リジン環、インドリン環、チオフェン環、フラン環、ピ
ラン環、オキサゾール環、チアゾール環、インドール
環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、キノ
リン環、カルバゾール環、ベンゾピラン環等が挙げら
れ、ベンゼン環、ナフタレン環であることが好ましい。
また、カルボニル基、チオカルボニル基等を有する場合
には環状ケトン又は環状チオケトンなどを形成しても良
い。形成する環の置換基としては、上記環式炭化水素基
の項で述べた置換基と同様で良い。
【0033】Y1としては酸素原子、硫黄原子、セレン
原子、−CR34−、−NR5−又は−CR6=CR7
等が挙げられ、酸素原子、硫黄原子、−CR34−、−
NR5−であることが好ましく、中でも酸素原子、硫黄
原子、−CR34−であることがさらに好ましい。この
3、R4及びR5はそれぞれ独立に水素原子、置換され
ても良い脂肪族炭化水素残基又は置換されていてもよい
芳香族炭化水素残基をあらわし、これは前記R1の項で
説明した内容と同様で良い。R6及びR7はそれぞれ独立
に水素原子又は置換基をあらわし、この置換基としては
前記R2の項で説明した内容と同様で良い。またこの一
般式(4)は対イオンZを有しても良い。具体的には特
に限定はされないが、一般的なアニオンで良い。具体例
としては、F-,Cl-,Br-,I-,ClO4 -,BF4 -,PF6 -,OH-,SO
4 -2 ,CH3SO4 -, SCN-,トルエンスルホン酸等が挙げら
れ、Br-,I-,ClO4 -,BF4 -,PF6 -,CH3SO4 -,SCN-,トルエンス
ルホン酸が好ましい。また対イオンではなく、分子内又
は分子間のカルボキシル基などの酸性基により中和され
ている場合を含むものとする。これら一般式(1)〜
(4)で表されるメチン系色素は、シス体、トランス体
などの構造異性体をとり得るが、特に限定されず良好な
結果を与える。
【0034】一般式(5)におけるA1,A2、n、
1、R2及びZは上記式(4)で示したものと同様であ
る。Y2は酸素原子、硫黄原子、セレン原子、−CR3
4−又は−NR5−を表す。このR3、R4及びR5はそれ
ぞれ独立に水素原子、置換されても良い脂肪族炭化水素
残基又は置換されていてもよい芳香族炭化水素残基をあ
らわし、これは前記R1の項で説明した内容と同様で良
い。これら一般式(5)で表されるメチン系色素はシス
体、トランス体などの構造異性体をとり得る。
【0035】又、前記一般式(1)〜(5)で表される
メチン系色素は、酸性溶液条件下(例えば、有機溶剤に
色素を溶解せしめた溶液に任意の酸を加えた状態)にお
ける最大吸収波長(A、λmax)と塩基性溶液条件下
(例えば、有機溶剤に色素を溶解せしめた溶液に任意の
塩基を加えた状態)における最大吸収波長(B、λma
x)に差があり、好ましくは50nm以上、より好まし
くは90nm以上の差がある場合が良好である。又、
水、酸性水溶液、塩基性水溶液等を加え、色素溶液のP
hを変化させることにより最大吸収波長(λmax)が変
化するものも好ましい。
【0036】一般式(1)の化合物(色素)は例えば一
般式(6)で表されるポリヒドロキシカルボニルベンゼ
ン系化合物と一般式(7)で表される活性メチレン有す
る非環状化合物を、必要であればナトリウムエトキシ
ド、ピペリジン、ピペラジン、トリエチルアミン、トリ
エタノールアミンなどの塩基性触媒の存在下、エタノー
ルなどのアルコールやN,N-ジメチルホルムアミドなどの
非プロトン性極性溶媒、無水酢酸などの溶媒中、20〜
120℃好ましくは50〜80℃程度で縮合することに
より得られる。一般式(6)の化合物は、特許文献1
や、非特許文献3に記載されているように、アルドール
縮合を行うことにより鎖長を伸ばすこともできる。
【0037】
【化15】
【0038】
【化16】
【0039】以下に化合物例を列挙する。まずはA1
2が水素の化合物であるメチン系色素の例として一般
式(8)として、表1−1及び表1−2に示す。表中P
hはフェニル基を表す。
【0040】
【化17】
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】その他のメチン系色素の具体例を以下に列
挙する。
【0044】
【化18】
【0045】
【化19】
【0046】
【化20】
【0047】
【化21】
【0048】
【化22】
【0049】
【化23】
【0050】本発明の色素増感光電変換素子は、例え
ば、酸化物半導体微粒子を用いて基板上に酸化物半導体
の薄膜を製造し、次いでこの薄膜に色素を担持させたも
のである。酸化物半導体の微粒子としては金属酸化物の
微粒子が好ましく、その具体例としてはチタン、スズ、
亜鉛、タングステン、ジルコニウム、ガリウム、インジ
ウム、イットリウム、ニオブ、タンタル、バナジウムな
どの酸化物が挙げられる。これらのうちチタン、スズ、
亜鉛、ニオブ、タングステン等の酸化物が好ましく、こ
れらのうち酸化チタンが最も好ましい。これらの酸化物
半導体は単一で使用することも出来るが、混合して使用
することも出来る。また酸化物半導体の微粒子の粒径は
平均粒径として、通常1〜500nmで、好ましくは5
〜100nmである。またこの酸化物半導体の微粒子は
大きな粒径のものと小さな粒径のものを混合して使用す
ることも可能である。
【0051】酸化物半導体薄膜は酸化物半導体微粒子を
スプレイ噴霧などで直接基板上に薄膜として形成する方
法、基板を電極として電気的に半導体微粒子薄膜を析出
させる方法、半導体微粒子のスラリーを基板上に塗布し
た後、乾燥、硬化若しくは焼成することによって製造す
ることが出来る。酸化物半導体電極の性能上、スラリー
を用いる方法等が好ましい。この方法の場合、スラリー
は2次凝集している酸化物半導体微粒子を常法により分
散媒中に平均1次粒子径が1〜200nmになるように
分散させることにより得られる。
【0052】スラリーを分散させる分散媒としては半導
体微粒子を分散させ得るものであれば何でも良く、水あ
るいはエタノール等のアルコール、アセトン、アセチル
アセトン等のケトン若しくはヘキサン等の炭化水素等の
有機溶媒が用いられ、これらは混合して用いても良く、
また水を用いることはスラリーの粘度変化を少なくする
という点で好ましい。
【0053】スラリーを塗布した基板の焼成温度は通常
300℃以上、好ましくは400℃以上で、かつ上限は
おおむね基材の融点(軟化点)以下であり、通常上限は
900℃であり、好ましくは600℃以下である。また
焼成時間には特に限定はないがおおむね4時間以内が好
ましい。基板上の薄膜の厚みは通常1〜200μmで好
ましくは5〜50μmである。
【0054】酸化物半導体薄膜に2次処理を施してもよ
い。すなわち例えば半導体と同一の金属のアルコキサイ
ド、塩化物、硝化物、硫化物等の溶液に直接、基板ごと
薄膜を浸積させて乾燥若しくは再焼成することにより半
導体薄膜の性能を向上させることもできる。金属アルコ
キサイドとしてはチタンエトキサイド、チタンイソプロ
ポキサイド、チタンtーブトキサイド、n−ジブチルー
ジアセチルスズ等が挙げられ、そのアルコール溶液が用
いられる。塩化物としては例えば四塩化チタン、四塩化
スズ、塩化亜鉛等が挙げられ、その水溶液が用いられ
る。このようにして得られた酸化物半導体薄膜は酸化物
半導体の微粒子から成っている。
【0055】次に酸化物半導体薄膜に色素を担持させる
方法について説明する。前記一般式(1)のメチン系色
素を担持させる方法としては、該色素を溶解しうる溶媒
にてメチン系色素を溶解して得た溶液、又は溶解性の低
いメチン系色素にあってはメチン系色素を分散せしめて
得た分散液に上記酸化物半導体薄膜の設けられた基板を
浸漬する方法が挙げられる。溶液又は分散液中の濃度は
メチン系色素によって適宜決める。その溶液中に基板上
に作成した半導体薄膜を浸す。浸積時間はおおむね常温
から溶媒の沸点までであり、また浸積時間は1時間から
48時間程度である。色素を溶解させるのに使用しうる
溶媒の具体例として、例えば、メタノール、エタノー
ル、アセトニトリル、ジメチルスルホキサイド、ジメチ
ルホルムアミド等が挙げられる。溶液の色素濃度は通常
1×10-6M〜1Mが良く、好ましくは1×10-5M〜
1×10-1Mである。この様にしてメチン系色素で増感
した酸化物半導体微粒子薄膜の光電変換素子が得られ
る。
【0056】担持する前記一般式(1)のメチン系色素
は1種類でも良いし、数種類混合しても良い。又、混合
する場合は、メチン系色素同士の他、他の色素や金属錯
体色素を混合しても良い。特に吸収波長の異なる色素同
士を混合することにより、幅広い吸収波長を用いること
が出来、変換効率の高い太陽電池が得られる。混合する
金属錯体色素の例としては特に制限は無いが 非特許文
献2や特許文献2に示されているルテニウム錯体やフタ
ロシアニン、ポルフィリンなどが好ましく、混合利用す
る有機色素としては無金属のフタロシアニン、ポルフィ
リンやシアニン、メロシアニン、オキソノール、トリフ
ェニルメタン系などのメチン系色素や、キサンテン系、
アゾ系、アンスラキノン系、ペリレン系等の色素が挙げ
られる。好ましくはルテニウム錯体やメロシアニン等の
メチン系色素が挙げられる。混合する色素の比率は特に
限定は無く、それぞれの色素より選択されるが、一般的
に等モルずつの混合から、1つの色素につき、10%モ
ル程度以上使用するのが好ましい。混合色素を混合溶解
若しくは分散した溶液を用いて、酸化物半導体微粒子薄
膜に色素を吸着する場合、溶液中の色素合計の濃度は1
種類のみ担持する場合と同様でよい。色素を混合して使
用する場合の溶媒としては前記したような溶媒が使用可
能であり、使用する各色素用の溶媒は同一でも異なって
いてもよい。
【0057】本発明で酸化物半導体の薄膜を設ける基板
としてはその表面が導電性であるものが好ましいが、そ
のような基板は市場にて容易に入手可能である。具体的
には、例えば、ガラスの表面又はポリエチレンテレフタ
レート若しくはポリエーテルスルフォン等の透明性のあ
る高分子材料の表面にインジウム、フッ素、アンチモン
をドープした酸化スズなどの導電性金属酸化物や銅、
銀、金等の金属の薄膜を設けたものを用いることが出来
る。その導電性としては通常1000Ω以下であれば良
く、特に100Ω以下のものが好ましい。
【0058】酸化物半導体微粒子の薄膜に色素を担持す
る際、色素同士の会合を防ぐために包摂化合物の共存
下、色素を担持することが効果的である。ここで包摂化
合物としてはコール酸等のステロイド系化合物、クラウ
ンエーテル、シクロデキストリン、カリックスアレン、
ポリエチレンオキサイドなどが挙げられるが、好ましい
ものはコール酸、ポリエチレンオキサイド等である。
又、色素を担持させた後、4ーt−ブチルピリジン等の
アミン化合物で半導体電極表面を処理しても良い。処理
の方法は例えばアミンのエタノール溶液に色素を担持し
た半導体微粒子薄膜の設けられた基板を浸す方法等が採
られる。
【0059】本発明の太陽電池は上記酸化物半導体薄膜
に色素を担持させた光電変換素子電極と対極とレドック
ス電解質又は正孔輸送材料から構成される。レドックス
電解質は酸化還元対を溶媒中に溶解させた溶液や、ポリ
マーマトリックスに含浸させたゲル電解質、又、溶融塩
のような固体電解質であっても良い。正孔輸送材料とし
てはアミン誘導体やポリアセチレン、ポリアニリン、ポ
リチオフェンなどの導電性高分子、ポリフェニレンなど
のディスコティック液晶相を用いる物などが挙げられ
る。用いる対極としては導電性を持っており、レドック
ス電解質の還元反応を触媒的に作用するものが好まし
い。例えばガラス、若しくは高分子フィルムに白金、カ
ーボン、ロジウム、ルテニウム等を蒸着したり、導電性
微粒子を塗り付けたものが用いうる。
【0060】本発明の太陽電池に用いるレドックス電解
質としてはハロゲンイオンを対イオンとするハロゲン化
合物及びハロゲン分子からなるハロゲン酸化還元系電解
質、フェロシアン酸塩−フェリシアン酸塩やフェロセン
−フェリシニウムイオンなどの金属錯体等の金属酸化還
元系電解質、アルキルチオール−アルキルジスルフィ
ド、ビオロゲン色素、ヒドロキノン−キノン等の有機酸
化還元系電解質などをあげることができるが、ハロゲン
酸化還元系電解質が好ましい。ハロゲン化合物−ハロゲ
ン分子からなるハロゲン酸化還元系電解質におけるハロ
ゲン分子としては、例えばヨウ素分子や臭素分子等があ
げられ、ヨウ素分子が好ましい。又、ハロゲンイオンを
対イオンとするハロゲン化合物としては、例えばLi
I、NaI、KI、CsI、CaI2等のハロゲン化金
属塩あるいはテトラアルキルアンモニウムヨーダイド、
イミダゾリウムヨーダイド、ピリジニウムヨーダイドな
どのハロゲンの有機4級アンモニウム塩等があげられる
が、ヨウ素イオンを対イオンとする塩類化合物が好まし
い。ヨウ素イオンを対イオンとする塩類化合物として
は、例えばヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化
トリメチルアンモニウム塩等があげられる。
【0061】又、レドックス電解質はそれを含む溶液の
形で構成されている場合、その溶媒には電気化学的に不
活性なものが用いられる。例えばアセトニトリル、プロ
ピレンカーボネート、エチレンカーボネート、3−メト
キシプロピオニトリル、メトキシアセトニトリル、エチ
レングリコール、プロピレングリコール、ジエチレング
リコール、トリエチレングリコール、γ−ブチロラクト
ン、ジメトキシエタン、ジエチルカーボネート、ジエチ
ルエーテル、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネ
ート、1、2−ジメトキシエタン、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキサイド、1、3−ジオキソラン、
メチルフォルメート、2ーメチルテトラヒドロフラン、
3−メトキシーオキサジリジン−2−オン、スルホラ
ン、テトラヒドロフラン、水等が挙げられ、これらの中
でも、特に、アセトニトリル、プロピレンカーボネー
ト、エチレンカーボネート、3−メトキシプロピオニト
リル、メトキシアセトニトリル、エチレングリコール、
3−メトキシオキサジリジン−2−オン等が好ましい。
これらは単独若しくは2種以上組み合わせて用いても良
い。ゲル電解質の場合はマトリックスとして、ポリアク
リレートやポリメタクリレート樹脂などを使用したもの
が挙げられる。レドックス電解質の濃度は通常0.01
〜99重量%で好ましくは0.1〜90重量%程度であ
る。
【0062】本発明の太陽電池は、基板上の酸化物半導
体薄膜に色素を担持させた光電変換素子の電極に、それ
を挟むように対極を配置する。その間にレドックス電解
質を含んだ溶液を充填することにより得られる。
【0063】
【実施例】以下に実施例に基づき、本発明を更に具体的
に説明するが、本発明がこれらの実施例に限定されるも
のではない。実施例中、部は特に指定しない限り重量部
を、又%は重量%をそれぞれ表す。以下において、極大
吸収波長は日本分光(株)製 Vー570 UV/VI
S/NIR スペクトロフォトメーター で、又発光極
大は日本分光(株)製 FP−6600 スペクトロフ
ルオロメーターでそれぞれ測定した。
【0064】合成例1 3,4-ジヒドロキシベンズアルデヒド1.5部とN-メチル
-2,3,3-トリメチルインドレニウムヨーダイド3部をエ
タノール50部に溶解し、ここにピペラジン無水物0.
1部を添加する。還流状態で1時間反応させた後、冷却
し得られた固体を濾過、洗浄、乾燥し、次いでエタノー
ルで再結晶後、濾過、洗浄、乾燥し、化合物(1)を
3.9部得た。・ ・極大吸収波長(エタノール):468nm ・発光極大(エタノール):552nm ・1H−NMR(PPM:d6−DMSO):1.76
(s.CH3.6H)、4.08(s.CH3.3H)、7.
93(d.arom.1H)、7.37(d.−CH=.1
H)、7.61(m.arom.4H)、7.84(d.a
rom.2H)、8.28(d.arom.1H)
【0065】合成例2 3,4-ジヒドロキシベンズアルデヒド1.5部と1,2-ジメ
チル-ベンゾチアゾリウムヨーダイド4部をエタノール
50部に溶解し、ここにピペラジン無水物0.1部を添
加する。還流状態で1時間反応させた後、冷却し得られ
た固体を濾過、洗浄、乾燥し、次いでエタノールで再結
晶後、濾過、洗浄、乾燥し、化合物(7)を4.5部得
た。 ・極大吸収波長(エタノール):450nm ・発光極大(エタノール):542nm ・1H−NMR(PPM:d6−DMSO):4.30
(s.CH3.3H)、6.91(d.−CH=.1H)、
7.43(d.arom.1H)、7.49(s.aro
m.1H)、7.76(m.arom.2H)、7.85
(t.arom.1H)、8.08(d.−CH=.1
H)、8.20(d.arom.1H)、8.38(d.
arom.1H)
【0066】合成例3 3,4-ジヒドロキシベンズアルデヒド1.5部と下記式
(110)の化合物3.5部をエタノール50部に溶解
し、ここにピペラジン無水物0.1部を添加する。還流
状態で1時間反応させた後、冷却し得られた固体を濾
過、洗浄、乾燥し、次いでエタノールで再結晶後、濾
過、洗浄、乾燥し、化合物(45)を3.5部得た。 ・極大吸収波長(エタノール):628nm
【0067】
【化24】
【0068】合成例4 3,4-ジヒドロキシベンズアルデヒド1.5部と下記式
(111)の化合物3.2部をエタノール50部に溶解
し、ここにピペラジン無水物0.1部を添加する。還流
状態で1時間反応させた後、冷却し得られた固体を濾
過、洗浄、乾燥し、次いでエタノールで再結晶後、濾
過、洗浄、乾燥し、化合物(47)を2.8部得た。 ・極大吸収波長(エタノール):584nm
【0069】
【化25】
【0070】合成例5 3,4-ジヒドロキシベンズアルデヒド1.5部と下記式
(112)の化合物2.0部をエタノール20部に溶解
し、ここにピペラジン無水物0.1部を添加する。還流
状態で1時間反応させた後、冷却し得られた固体を濾
過、洗浄、乾燥し、次いでエタノールで再結晶後、濾
過、洗浄、乾燥し、化合物(75)を2.7部得た。 ・極大吸収波長(エタノール):388nm
【0071】
【化26】
【0072】合成例6 2,4-ジヒドロキシベンズアルデヒド1.5部と上記式
(112)の化合物2.0部をエタノール20部に溶解
し、ここにピペラジン無水物0.1部を添加する。還流
状態で1時間反応させた後、冷却し得られた固体を濾
過、洗浄、乾燥し、次いでエタノールで再結晶後、濾
過、洗浄、乾燥し、化合物(76)を2.3部得た。 ・極大吸収波長(エタノール):399nm
【0073】合成例7 3,4-ジヒドロキシベンズアルデヒド1.5部と下記式
(113)の化合物2.0部をエタノール20部に溶解
し、ここにピペラジン無水物0.1部を添加する。還流
状態で1時間反応させた後、冷却し得られた固体を濾
過、洗浄、乾燥し、次いでエタノールで再結晶後、濾
過、洗浄、乾燥し、化合物(77)を2.1部得た。 ・極大吸収波長(エタノール):375nm
【0074】
【化27】
【0075】合成例8 3,4-ジヒドロキシベンズアルデヒド1.5部と1,4-ジメ
チルピリジニウムヨーダイド2.8部をエタノール50
部に溶解し、ここにピペラジン無水物0.1部を添加す
る。還流状態で1時間反応させた後、冷却し得られた固
体を濾過、洗浄、乾燥し、次いでエタノールで再結晶
後、濾過、洗浄、乾燥し、化合物(93)を3.8部得
た。 ・極大吸収波長(エタノール):417nm ・発光極大(エタノール):541nm ・1H−NMR(PPM:d6−DMSO):4.13
(s.CH3.3H)、6.61(d.arom.1H)、
6.95(d.−CH=.1H)、7.08(d.aro
m.1H)、7.09(s.arom.1H)、7.79
(d.−CH=.1H)、7.95(d.arom.2
H)、8.57(d.arom.2H)
【0076】実施例1 各化合物(色素)を3×10-4Mになるようにエタノ−
ルに溶解した。この溶液中に多孔質基板(透明導電性ガ
ラス電極上に多孔質酸化チタンを450℃にて30分焼
結した半導体薄膜電極)を室温で3時間から一晩浸漬し
色素を担持せしめ、溶剤で洗浄し、乾燥させ、色素増感
した半導体薄膜の光電変換素子を得た。実施例1−9に
ついては2種類の色素をそれぞれ1.5×10-4Mにな
るようにエタノ−ル溶液を調製し、2種類の色素を担持
することで同様に光電変換素子を得た。また実施例1−
7においては半導体薄膜電極の酸化チタン薄膜部分に
0.2M四塩化チタン水溶液を滴下し、室温にて24時
間静置後、水洗して、再度450度にて30分焼成して
得た、四塩化チタン処理半導体薄膜電極を用いて色素を
同様に担持した。さらに実施例1−2、1−4、1−6
については色素の担持時に包摂化合物としてコール酸を
3×10-2Mとなるように加えて先の色素溶液を調製
し、半導体薄膜に担持して、コール酸処理色素増感半導
体薄膜を得た。これと挟むように表面を白金でスパッタ
された導電性ガラスを固定してその空隙に電解質を含む
溶液を注入した。この電解液はエチレンカーボネートと
アセトニトリルの6対4の溶液にヨウ素/テトラ−n−
プロピルアンモニウムアイオーダイドを0.02M/
0.5Mになるように溶解したものを使用した。実施例
1−5,1−6,1−9について電解液は3ーメトキシ
プロピオニトリルにヨウ素/ヨウ化リチウム/1、2ー
ジメチルー3ーn−プロピルイミダゾリウムアイオダイ
ド/t−ブチルピリジンをそれぞれ0.1M/0.1M
/0.6M/1Mになるように溶解したものを使用し
た。実施例1−3、1−4、1−7、1−8について電
解液はプロピレンカーボネートにヨウ素/ヨウ化リチウ
ムをそれぞれ0.05M/0.55Mになるように溶解
したものを使用した。測定する電池の大きさは実行部分
を0.25cm2とした。光源は500Wキセノンラン
プを用いて、AM1.5フィルターを通して100mW
/cmとした。短絡電流、解放電圧、変換効率はポテン
シオ・ガルバノスタット(北斗電工(株)製 ポテンシ
オガルバノスタット HA−151)を用いて測定し
た。
【0077】
【化28】
【0078】
【表3】
【0079】以上の結果から、前記一般式(2)で表さ
れるような隣り合う2つの炭素にそれぞれヒドロキシル
基が置換したベンゼン環にさらにメチン残基が一つ置換
されたものがより好ましいことが明らかとなった。
【0080】実施例2 各色素を3×10-4Mになるようにエタノ−ルに溶解し
た。この溶液1mlに0.1規定塩酸水溶液0.1ml
を加え、更にエタノールを加えて10mlとした溶液
A、同様に上記溶液1mlに0.1規定水酸化ナトリウ
ム水溶液0.1mlを加え、更にエタノールを加えて1
0mlとした溶液Bを作り、それぞれ吸収スペクトルを
測定した。
【0081】
【表4】
【0082】実施例3 実施例1に記載の方法に従い、下記メチン系色素(11
5)、(116)、(117)をそれぞれ半導体微粒子
薄膜に担持し、半導体微粒子薄膜電極を作製した。この
電極に光源として500Wキセノンランプを用い、AM
1.5フィルターを通して100mW/cmとした光を
照射し、10分毎に電極の吸収スペクトルを測定し、色
素の残存率を調べた。色素残存率の変化を図1に示す。
半導体微粒子薄膜上の化合物(色素)のλmax(>300
nm)における吸光度において光未照射時を100と
し、光照射10分毎の吸光度の変化を色素残存率として
示す。
【0083】
【化29】
【0084】図1の結果から、本発明で使用するメチン
系色素(1)は半導体微粒子薄膜上において光安定性が高
く、より安定性に優れた光電変換素子を与えることが明
らかとなった。
【0085】実施例4 下記式(118)で示される化合物1.7部と3,4-ジヒ
ドロキシベンズアルデヒド0.5部をエタノール10部
に溶解し、ここにピペラジン無水物0.1部を添加す
る。還流状態で1時間反応させた後、冷却し得られた固
体を濾過、洗浄、乾燥し、次いでエタノールで再結晶
後、濾過、洗浄、乾燥し、化合物(119)を1.6部
得た。 ・極大吸収波長(エタノール):578nm ・1H−NMR(PPM:d6−DMSO):1.28
(t.CH3.3H)、1.91(s.CH3.6H)4.2
5(m.CH2−.2H)、6.27(d.arom.1
H)、6.42(d.−CH=.1H)、7.40(m.a
rom.3H)、7.61(m.arom.2H)、7.
82(d.−CH=.1H)、8.00(d.arom.2
H)、8.18(d.arom.1H) 上記で得られた式(119)の化合物を3.2×10-4
Mになるようにエタノ−ルに溶解した。この溶液1ml
に0.1規定塩酸水溶液 0.1mlを加え、更にエタ
ノールを加えて10mlとした溶液A、同様に上記溶液
1mlに0.1規定水酸化ナトリウム水溶液0.1ml
を加え、更にエタノールを加えて10mlとした溶液B
を作り、それぞれ吸収スペクトルを測定した。それぞれ
486nm、578nmの値が得られ、その差は92n
mであった。又、実施例1−3と同様にして、短絡電
流、解放電圧、変換効率を測定し、短絡電流10.4m
A/cm2、解放電圧0.5V、変換効率2.3%をそれ
ぞれ得た。
【0086】
【化30】
【0087】
【発明の効果】一般式(1)で表されるメチン系色素が
担持された色素増感光電変換素子を用いることにより、
変換効率が高く、かつ安定性に優れた太陽電池を提供す
ることが出来た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の色素増感光電変換素子における色素の
残存率の変化を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5F051 AA14 AA20 GA02 5H032 AA06 AS06 AS09 AS16 EE02 EE16 EE20 HH07

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1)で表されるメチン系色素が担
    持された酸化物半導体微粒子の薄層を備えてなる光電変
    換素子。 【化1】 (式中、A1及びA2はそれぞれ独立に置換されていても
    よい環式炭化水素残基、置換されていてもよいアミノ
    基、ヒドロキシル基、シアノ基、水素原子、ハロゲン原
    子又は置換されていてもよいアルキル基を表す。またA
    1、A2のうち複数部分を用いて置換基を有してもよい環
    を形成してもよい。Xはシアノ基、アルコキシカルボニ
    ル基、置換基を有してもよい芳香族炭化水素残基、置換
    基を有してもよい複素環残基又は置換基を有してもよい
    有機金属錯体残基を表す。mは2〜5の整数、nは1〜
    4の整数を示す。また、nが2以上でA1及びA2が複数
    存在する場合、それぞれのA1及びそれぞれのA2は互い
    に独立に同じ又は異なっても良い前記の基を示す。また
    1若しくはA1が複数存在する場合にはそれぞれのA1
    の中の2者、A2若しくはA2が複数存在する場合にはそ
    れぞれのA2の中の2者は結合して置換基を有してもよ
    い環を形成しても良い。)
  2. 【請求項2】基材上に設けられた酸化物半導体微粒子の
    薄層に請求項1記載の一般式(1)で表されるメチン系
    色素を担持させたものである請求項1記載の光電変換素
    子。
  3. 【請求項3】メチン系色素が一般式(2)で表される色
    素である請求項1又は請求項2記載の光電変換素子。 【化2】 (式中、A1、A2、n及びXはそれぞれ一般式(1)と
    同義である。)
  4. 【請求項4】メチン系色素が一般式(3)で表される色
    素である請求項1又は請求項2記載の光電変換素子。 【化3】 (式中、A1、A2、n及びXはそれぞれ一般式(1)と
    同義である。)
  5. 【請求項5】請求項1、請求項3又は請求項4に記載の
    一般式(1)〜(3)のメチン系色素において、nが1
    〜3である請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載
    の光電変換素子。
  6. 【請求項6】請求項1、請求項3又は請求項4に記載の
    一般式(1)〜(3)のメチン系色素において、Xが置
    換基を有しても良い複素環残基である請求項1乃至請求
    項5のいずれか一項に記載の光電変換素子。
  7. 【請求項7】請求項6記載の置換基を有しても良い複素
    環残基を有するメチン系色素が下記一般式(4)で表さ
    れる色素である請求項1乃至請求項6のいずれか一項に
    記載の光電変換素子。 【化4】 (式中、A1,A2及びnは一般式(1)と同様である。
    1は置換されても良い脂肪族炭化水素残基又は置換さ
    れていてもよい芳香族炭化水素残基を示し、R2は置換
    基を表す。Y1は酸素原子、硫黄原子、セレン原子、−
    CR34−、−NR5−又は−CR6=CR7−を表す。
    このR3、R4及びR5はそれぞれ独立に水素原子、置換
    されても良い脂肪族炭化水素残基又は置換されていても
    よい芳香族炭化水素残基を表し、R6及びR7はそれぞれ
    独立に水素原子又は置換基を表す。Zは対イオンを表
    す。)
  8. 【請求項8】酸性溶液条件下における最大吸収波長(A)
    と塩基性溶液条件下における最大吸収波長(B)に差があ
    るメチン系色素である請求項1記載の光電変換素子。
  9. 【請求項9】酸性溶液条件下における最大吸収波長(A)
    と塩基性溶液条件下における最大吸収波長(B)の差が5
    0nm以上である請求項8記載の光電変換素子。
  10. 【請求項10】酸性溶液条件下における最大吸収波長
    (A)と塩基性溶液条件下における最大吸収波長(B)の差
    が90nm以上である請求項9記載の光電変換素子。
  11. 【請求項11】請求項1乃至請求項10のいずれか一項
    に記載のメチン系色素と、金属錯体色素及びこれら2種
    以外の有機色素からなる群から選ばれる1種以上、あわ
    せて2種以上の色素が担持された酸化物半導体微粒子で
    ある請求項1記載の光電変換素子。
  12. 【請求項12】3種以上の色素により担持された酸化物
    半導体微粒子である請求項11に記載の光電変換素子。
  13. 【請求項13】酸化物半導体微粒子が二酸化チタンを必
    須成分として含有する微粒子である請求項1乃至請求項
    12のいずれか一項に記載の光電変換素子。
  14. 【請求項14】酸化物半導体微粒子又はその薄層に包摂
    化合物の存在下、メチン系色素を担持させたものである
    請求項1乃至請求項13のいずれか一項に記載の光電変
    換素子。
  15. 【請求項15】酸化物半導体の薄層に色素を担持させて
    得られる請求項1乃至請求項14のいずれか一項に記載
    の光電変換素子。
  16. 【請求項16】請求項1乃至請求項15のいずれか一項
    に記載の光電変換素子を備えてなる太陽電池。
  17. 【請求項17】請求項1、請求項3又は請求項4に記載
    の一般式(1)〜(3)で表されるメチン系色素により
    増感された酸化物半導体微粒子。
  18. 【請求項18】下記一般式(5)で表されるメチン系色
    素。 【化5】 (式中、A1,A2、R1、R2、Z及びnは一般式(4)
    と同様である。Y2は酸素原子、硫黄原子、セレン原
    子、−CR34−又は−NR5−を表す。このR3、R4
    及びR5はそれぞれ独立に水素原子、置換されても良い
    脂肪族炭化水素残基又は置換されていてもよい芳香族炭
    化水素残基を表す。)
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WO2008004580A1 (fr) 2006-07-05 2008-01-10 Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha Cellule solaire sensible à la coloration
JP2009522406A (ja) * 2005-12-30 2009-06-11 コーニング インコーポレイテッド 蛍光染料
WO2011145551A1 (ja) 2010-05-17 2011-11-24 日本化薬株式会社 熱硬化型光電変換素子用シール剤を用いた光電変換素子
WO2014084296A1 (ja) 2012-11-30 2014-06-05 日本化薬株式会社 色素増感太陽電池

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