JP2003157583A - 相変化型情報記録媒体 - Google Patents

相変化型情報記録媒体

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JP2003157583A
JP2003157583A JP2001353811A JP2001353811A JP2003157583A JP 2003157583 A JP2003157583 A JP 2003157583A JP 2001353811 A JP2001353811 A JP 2001353811A JP 2001353811 A JP2001353811 A JP 2001353811A JP 2003157583 A JP2003157583 A JP 2003157583A
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JP2001353811A
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Miki Mizutani
未来 水谷
Yoshiyuki Kageyama
喜之 影山
Masato Harigai
眞人 針谷
Hajime Yuzurihara
肇 譲原
Eiko Suzuki
栄子 鈴木
Yuji Miura
裕司 三浦
Hiroko Tashiro
浩子 田代
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高線速度での繰り返し記録に優れた相変化型
情報記録媒体の提供。 【解決手段】 (1)基板を通して膜面にレーザー光を
照射することにより、結晶状態及び非結晶状態の可逆的
な相変化が生じて情報が記録される記録層を有し、透明
基板上に少なくとも第一保護層/記録層/第二保護層/
吸収率補正層/反射放熱層/オーバーコート層がこの順
に積層されており、該吸収率補正層が少なくともGeを
含み、反射放熱層の主成分がAgである相変化型情報記
録媒体。(2)基板上に少なくとも反射放熱層/吸収率
補正層/第二保護層/記録層/第一保護層/オーバーコ
ート層がこの順に積層され、該吸収率補正層が少なくと
もGeを含み、反射放熱層の主成分がAgであり、更
に、レーザー光が基板を通さずにオーバーコート層側か
ら照射される表面記録型である相変化型情報記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【従来技術】情報を大容量に記録することが可能で、高
速での再生及び繰り返し記録が可能な媒体の一つとし
て、相変化型情報記録媒体が知られている。この相変化
型情報記録媒体は、レーザー光を局所的に照射すること
により、記録層に可逆的に生じる結晶状態と非晶質状態
を記録に利用したものである。即ち、特定波長の光に対
する反射光量が、結晶状態と非晶質状態とで異なること
を記録として利用しており、簡単な光学系で記録・消去
が可能であり、既に記録された情報を消去しながら新た
な情報を記録することが容易であるという優れた特徴を
有している。一般的に、繰り返し記録が可能な相変化型
情報記録媒体では、記録層における非晶質状態を記録状
態とし、結晶状態を消去状態としている。情報の記録
は、レーザー光を照射して記録膜を溶融、急冷し、非晶
質の記録マークを形成することにより行う。そして、記
録された信号の再生は、非晶質部分と結晶部分の反射率
の違いを利用して、ディスクからの反射光量の変化を検
出することにより行う。従来、この相変化型情報記録媒
体に対して繰り返し記録を行った場合、繰り返し記録後
に記録マークの歪みが生じるという現象が知られてい
た。この歪みは、記録前の状態が非晶質であるか結晶で
あるかによって、記録層の温度上昇が異なることが原因
であると考えられている。即ち、非晶質状態よりも結晶
状態の方が反射率が高いので、記録膜における吸収率は
非晶質状態の方が大きくなる。この状態で繰り返し記録
を行うと、非晶質部分の方が結晶部分よりも温度が上昇
し易いため記録マークの歪みが生じる。
【0002】この問題に対する対策として、例えば特開
平11−339311号公報には、Au、Ag、Cu、
Al、Cr、Niを含み、屈折率が2よりも大きく吸収
係数が2よりも小さい光吸収補正層、或いはSi、G
e、S、Se、Teを含み、屈折率が3よりも小さく吸
収係数が6よりも小さい光吸収補正層を設けることによ
り繰り返し記録特性が改善することが開示されている
が、記録層の組成はGeTeとSbTeをベースと
しており、本発明とは異なる。また、特開2000−1
32864号公報には、窒化物を用いてnが1.2〜
6、kが0.3〜3.0である吸収率制御層を含む層構
成にすることで記録膜の劣化が抑制できることを開示し
ている。しかし、反射層としてCu合金、Al合金、A
u合金を用いており、これらの合金は熱伝導率が低く熱
が篭り易いので高線速記録に対応していない。また、高
密度記録を達成する方法の一つとして、レーザー光径を
縮小し記録マークを縮めて線密度を高くする方法があ
る。この方法では、レーザー光の短波長化や近接場光を
利用する必要があるが、基板の厚みが影響してくるの
で、その対策として、記録再生を表面記録型で行う方
法、即ち、レーザー光を、基板を通さずに基板の反対面
から膜面に直接照射する方法も知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】現在、DVD−ROM
と同等以上の高密度記録が可能であり、DVD−ROM
の再生線速の2〜5倍に当る7〜17.5m/sの高線
速記録に適した相変化型情報記録媒体が求められてい
る。しかしながら、高線速で繰り返し記録を行う場合、
レーザー光のパワーが十分に得られないため、上述の結
晶部分と非晶質部分の反射率の違いから生じる記録マー
クの歪みの問題が顕著に現れる。本発明は、この問題を
解決し、高線速での繰り返し記録に優れた相変化型情報
記録媒体を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題は、次の1〜1
0の発明(以下、本発明1〜10という。)によって解
決される。 1) 基板を通して膜面にレーザー光を照射することに
より、結晶状態及び非晶質状態の可逆的な相変化が生じ
て情報が記録される記録層を有し、透明基板上に少なく
とも第一保護層/記録層/第二保護層/吸収率補正層/
反射放熱層/オーバーコート層がこの順に積層されてお
り、該吸収率補正層が少なくともGeを含み、反射放熱
層の主成分がAgであることを特徴とする相変化型情報
記録媒体。 2) 基板上に少なくとも反射放熱層/吸収率補正層/
第二保護層/記録層/第一保護層/オーバーコート層が
この順に積層され、該吸収率補正層が少なくともGeを
含み、反射放熱層の主成分がAgであり、更に、レーザ
ー光が基板を通さずにオーバーコート層側から照射され
る表面記録型であることを特徴とする相変化型情報記録
媒体。 3) 吸収率補正層が、Ge単体又はGeとCrの混合
物を主成分とすることを特徴とする1)又は2)記載の
相変化型情報記録媒体。 4) 吸収率補正層に含まれるCrの割合が、該吸収率
補正層を構成する材料全体に対して原子比率で0〜0.
25であることを特徴とする3)記載の相変化型情報記
録媒体。 5) 吸収率補正層の屈折率nが3〜6、吸収係数kが
0.1〜3であることを特徴とする3)又は4)記載の
相変化型情報記録媒体。 6) 吸収率補正層の厚さが8〜20nmであることを
特徴とする3)〜5)の何れかに記載の相変化型情報記
録媒体。 7) 記録層を構成する材料のうち、原子比率で0.9
以上が下記式で表わされる合金からなることを特徴とす
る1)〜6)の何れかに記載の相変化型情報記録媒体。 XαSbβTeγ (式中、XはIn及び/又はGaであり、α、β、γは
原子比率を表わし、0.01≦α≦0.1、0.6≦β
≦0.9、γ=1−α−βである) 8) 記録層が更にGeを含むことを特徴とする7)記
載の相変化型情報記録媒体。 9) 記録層が更にAgを含むことを特徴とする7)又
は8)記載の相変化型情報記録媒体。 10) 第一保護層及び第二保護層がZnSを含むこと
を特徴とする1)〜9)の何れかに記載の相変化型情報
記録媒体。
【0005】以下、上記本発明について詳しく説明す
る。まず基本的な層構造について説明すると、本発明1
の相変化型情報記録媒体は、基板上に、スパッタリング
法により第一保護層/記録層/第二保護層/吸収率補正
層/反射放熱層/オーバーコート層をこの順に積層した
ものであり、その上に必要に応じて別の基板を貼り合わ
せてもよい。また、本発明2の相変化型情報記録媒体
は、基板上に少なくとも反射放熱層/吸収率補正層/第
二保護層/記録層/第一保護層/オーバーコート層をこ
の順に積層したものであり、短波長のレーザー光や近接
場光を利用して、レーザー光を基板を通さずに膜面に対
して直接照射する表面記録型により記録再生を行うこと
が可能である。これにより、レーザー光径が縮小し記録
マークを縮めて線密度を高くすることが可能となり、高
密度記録を達成することができる。
【0006】上記基板材料としては、通常、ガラス、セ
ラミックス又は樹脂が用いられるが、成形性の点で樹脂
基板が好ましい。特に、加工性、光学特性に優れ、ディ
スク状で表面にトラッキング用の案内溝を有する直径1
2cm、厚さ0.6mmのポリカーボネート基板が好適
である。また、本発明1の基板は透明でなければならな
いが、本発明2の基板は透明でなくてもよい。第一保護
層は、基板及び記録層との密着性が良いこと、耐熱性が
高いことなどを要求される。また、記録層の効果的な光
吸収を可能にする光干渉層としての役割も担うことか
ら、高速での繰り返し記録に適した光学特性を有するこ
とが好ましい。材料としては、少なくともZnSを含む
ことが望ましく、ZnSの単体、又はZnSとSi
、Al、Ta、ZrO、ZnOなど
との混合物であって、上記の特性を満たす材料を用い
る。
【0007】上記第一保護層又は第二保護層の上に記録
層を設ける。Sb−SbTe擬2元系記録層材料は
Sb70Te30近傍に共晶点を持ち、この近傍の組成
のSb−Teは繰り返し記録を行っても偏析が生じ難
く、繰り返し記録特性に優れている。しかし、この記録
層材料を用いてDVD−ROMの再生線速の2〜5倍に
あたる7〜17.5m/sでの繰り返し記録を行うと、
ジッター(ここでは、data to clock j
itter σを検出窓幅Twで規格化した値をジッタ
ーと呼ぶ。)が10%を越え、モジュレーションは50
%以下となってしまう。
【0008】これに対し本発明7では、Sb−TeにI
n及び/又はGaを添加することにより、初期結晶化済
みの相変化型情報記録媒体に対して、線速7〜17.5
m/sでレーザー光を照射したとき、非晶質マークを可
逆的に記録することが可能となり、10%以下のジッタ
ー、60%以上のモジュレーションを得ることができ
る。ここで、In、Gaは、記録層の結晶化速度を向上
させ、高速での繰り返し記録を可能にする効果を有す
る。また、結晶化温度を高め、保存安定性を向上させる
効果を有している。In及び/又はGaの添加量は、原
子比率でSb−Te合金全体の0.01より少ないと効
果が現れず、0.1を越えると、繰り返し記録を行った
場合に偏析が起き、ジッターが上昇する原因となる。更
に、初期結晶化後の反射率が均一にならないといった弊
害も起きる。
【0009】また、記録を行う線速に応じた結晶化速度
を持つ記録層を得るためには、In及び/又はGaとS
b、Teの組成比を適切に調整する必要がある。好まし
い組成比としては、Sb−Te合金全体に対する原子比
率で、In及び/又はGaが0.01〜0.1、Sbが
0.6〜0.9であれば、高線速記録、保存安定性に優
れた相変化型情報記録媒体を提供できる。上述した、
(In及び/又はGa)−Sb−Teに対してGeを添
加すると保存安定性が一層向上し、Agを添加すると初
期化が容易になる。但し、(In及び/又はGa)−S
b−Teに添加されるAgやGeの原子比率は、合計で
0.1以下とする必要がある。これより多くなると、記
録層の記録感度の低下や繰り返し記録を行った場合の偏
析を生じ、ジッターが上昇する原因となる。
【0010】第二保護層は、記録層及び吸収率補正層と
の密着性が良いこと、耐熱性が高いことなどが要求され
る。また、第一保護層と同様に、記録層の効果的な光吸
収を可能にする光干渉層としての役割も担うことから、
高速での繰り返し記録に適した光学特性を有することが
好ましい。材料としては、前記第一保護層のところで例
示したのと同じものを用いることが出来る。
【0011】現在、DVD−ROMと同等以上の高密度
記録が可能であり、DVD−ROMの再生線速の2〜5
倍に当る7〜17.5m/sでの記録に適した相変化型
情報記録媒体が求められている。しかしながら、高線速
で繰り返し記録を行う場合、レーザー光のパワーが十分
に得られないため、繰り返し記録後に記録マークの歪み
が生じるという前述の現象が起きる。この歪みは、前述
のように繰り返し記録前の状態がアモルファスであるか
結晶であるかによって記録層の温度上昇が異なることが
原因であると考えられている。即ち、反射率は結晶状態
の方が非晶質状態より高いので、記録膜における吸収率
は非晶質状態の方が大きくなる。この状態でオーバーラ
イトを行うと非晶質部分の方が結晶部分より温度が上昇
し易いので記録マークの歪みが生じる。
【0012】そこで、本発明では、結晶部分と非晶質部
分の吸収率差を少なくするために、第二保護層と反射放
熱層の間に吸収率補正層を設けることにした。この吸収
率補正層は、第二保護層材料に含まれるZnSのSと反
射放熱層に含まれるAgの反応を防ぐ効果も兼ね備えて
いる。吸収率補正層には少なくともGeを含む必要があ
り、好ましい吸収率補正層の材料としては、Ge単体、
又はGeとCrの混合物、若しくはそれらの窒化物など
を主成分とするものが挙げられる。ここで、主成分と
は、これらの材料を最も多く含有することを意味し、こ
れらの材料のみからなる場合も含むものとする。Geと
Crの混合物を用いる場合には、Crの割合を、吸収率
補正層全体に対して原子比率で0〜0.25にすれば、
光学特性を調整すると共に安定で均一な相変化型情報記
録媒体を得ることが出来る。吸収率補正層の光学定数と
しては、屈折率nを3〜6、吸収係数kを0.1〜3と
すれば、より高い吸収率補正の効果が得られる。吸収率
補正層の厚さは、8〜20nmの範囲にすると十分な反
射率及びモジュレーションが得られるので好ましい。
【0013】次に、シミュレーションに基づく吸収率補
正層の効果について述べる。図1に、本発明1の層構成
とした、吸収率補正層を有する記録媒体について、光吸
収−熱拡散のシミュレーションを行って求めた非晶質部
分と結晶部分のそれぞれの到達温度を示した。吸収率補
正層にはGe単体(n=4.8、k=0.75)を用
い、横軸を吸収率補正層(Ge層)の膜厚、縦軸を到達
温度とした。図1から、吸収率補正層の膜厚が8〜26
nmの範囲では、膜厚が大きくなるにつれて非晶質部分
と結晶部分の到達温度の差が小さくなる傾向があり、吸
収率補正の効果が現れていることが分かる。図2には、
同じく吸収率補正層にGe単体(n=4.8、k=0.
75)を用いた記録媒体について、光学シミュレーショ
ンを行って求めた非晶質部分と結晶部分の反射率及びモ
ジュレーションを示した。横軸を吸収率補正層(Ge
層)の膜厚、縦軸を反射率及びモジュレーションとし
た。図2から、膜厚が20nm以下であれば、結晶部分
の反射率は18%を越えており、モジュレーションも十
分高い値が得られることが分る。
【0014】図3に、上記層構成における吸収率補正層
にGeCr(n=4.5、k=2)を用いた記録媒体に
ついて、光吸収−熱拡散のシミュレーションを行って求
めた非晶質部分と結晶部分の到達温度を示す。図3か
ら、本発明6のように、吸収率補正層の膜厚が8〜20
nmの範囲では、膜厚が大きくなるにつれて非晶質部分
と結晶部分の到達温度の差が小さくなる傾向があり、吸
収率補正の効果が現れていることが分かる。図4には、
同じく吸収率補正層にGeCr(n=4.5、k=2)
を用いた記録媒体について、光学シミュレーションを行
って求めた非晶質部分と結晶部分の反射率及びモジュレ
ーションを示した。横軸を吸収率補正層(GeCr層)
の膜厚、縦軸を反射率及びモジュレーションとした。図
4から、膜厚によらず結晶部分の反射率は20%を越え
ており、モジュレーションも膜厚が20nm以下であれ
ば60%を超え、十分高い値が得られることが分る。以
上のシミュレーションの結果から、本発明5のように、
吸収率補正層の光学定数として、屈折率nが3〜6、吸
収係数kが0.1〜3であれば吸収率補正の効果を期待
できる。同時に、本発明6のように、吸収率補正層の厚
さが8〜22nmであれば、十分な反射率及びモジュレ
ーションが期待できる。
【0015】反射放熱層にはAgを主成分とした材料を
用いる。Agは熱伝導率が高いので高線速記録に適して
いる。ここで、主成分とは、Agを最も多く含有するこ
とを意味し、Agのみからなる場合も含むものとする。
オーバーコート層には、従来公知の紫外線硬化樹脂など
の種々の材料を用いることができる。
【0016】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を具体
的に説明する。記録再生特性の評価は、波長660n
m、NA0.65のピックアップヘッドを用い、記録密
度0.267μm/bit、EFM+変調方式にて行っ
た。記録は、線速14m/s、記録パワー13〜15m
W、バイアスパワー0.2mW、消去パワー6〜8mW
で行い、記録ストラテジは各ディスクに合わせて最適化
した。また、再生は、全て線速3.5m/s、パワー
0.7mWで行った。
【0017】実施例1 ポリカーボネート製基板上に、膜厚70nmの(Zn
S)80(SiO からなる第一保護層、膜厚1
7nmのGe3.0Ga2.8Sb77.3Te
16.9からなる記録層、膜厚10nmの(ZnS)
80(SiO20からなる第二保護層、膜厚10n
mのGeからなる吸収率補正層、膜厚140nmのAg
からなる反射放熱層を、この順にそれぞれスパッタリン
グ法により堆積させてディスク化した。次いで、口径1
μm×100μmのレーザーを用いて、出力680m
W、送り36μm、線速3m/sで初期結晶化を行いデ
ィスク状記録媒体を得た。
【0018】実施例2 吸収率補正層の組成をGe90Cr10に代えた点以外
は、実施例1と同様にしてディスク状記録媒体を得た。
【0019】比較例1 Geからなる吸収率補正層に代えて、Agと第二保護層
に含まれるSの反応を防ぐ目的でSiCを4nm設けた
点以外は、実施例1と同様にしてディスク状記録媒体を
得た。
【0020】比較例2 吸収率補正層の組成をGe70Cr30に代えた点以外
は、実施例1と同様にしてディスク状記録媒体を得た。
【0021】比較例3 吸収率補正層の膜厚を6nmに変えた点以外は、実施例
1と同様にしてディスク状記録媒体を得た。
【0022】以上の実施例1〜2及び比較例1〜3のデ
ィスク状記録媒体について、初回記録時を基準にした繰
り返し記録後のジッターの増加分により評価を行った。
下記表1に、1回、10回、1000回繰り返し記録を
行った場合の、初回記録時からのジッターの増加分を示
す。表1から分るように、実施例1〜2は比較例1〜3
と比較して繰り返し記録後のジッターの上昇が少ない。
また、1000回繰り返し記録後も10%以下のジッタ
ー、60%以上のモジュレーションが得られることを確
認した。比較例1は吸収率補正の効果が得られないSi
Cを第二保護層と反射放熱層の間に設けたため、繰り返
し記録時に非晶質部分と結晶部分の温度上昇が異なり、
マークの歪みが生じてジッターが上昇したと考えられ
る。比較例2は吸収率補正層に含まれる原子比率が0.
3と大きかったため、吸収係数kが3より大きくなり、
吸収率補正の効果が得られなかったと考えられる。比較
例3では、吸収率補正層の膜厚を6nmと薄くしたた
め、十分な吸収率補正の効果が得られなかったものと考
えられる。
【0023】
【表1】
【0024】比較例4 吸収率補正層の膜厚を24nmに変えた点以外は、実施
例1と同様にしてディスク状記録媒体を得た。このディ
スク状記録媒体について、実施例1〜2と同様にして繰
り返し記録を行ったところ、初回記録時を基準にした繰
り返し記録後のジッターの増加分は、1回繰り返し記録
後0.9%、10回繰り返し記録後1.1%、1000
回繰り返し記録後1.4%となり、吸収率補正層の存在
によりジッターの増加を抑えることが出来たが、反射率
が17%未満であり、モジュレーションも60%未満で
あって、十分な値を得られなかった。
【0025】実施例3 記録層の組成をAg1.0Ga4.3Sb75.8Te
18.9に代えた点以外は、実施例1と同様にしてディ
スク状記録媒体を得た。
【0026】実施例4 記録層の組成をAg1.0Ge2.5Ga4.3Sb
74.3Te17.9に代えた点以外は実施例1と同様
にしてディスク状記録媒体を得た。
【0027】上記実施例3〜4の記録媒体について、実
施例1と同様にして、初回記録時を基準にした繰り返し
記録後のジッターの増加分により評価を行った。その結
果、実施例3〜4のディスク状記録媒体に対し1000
回繰り返し記録を行った場合の、初回記録時を基準にし
たジッターの増加分は、実施例1と同様に0.5%以下
に抑えられ、吸収率補正層の効果が確認された。
【0028】更に、実施例1、3、4のディスク状記録
媒体について、70℃85%RH環境下で1000時間
の保存信頼性試験を行った。初回記録及び1000回繰
り返し記録を恒温槽導入前に行い、このマークのジッタ
ーの変化を比較したところ、実施例1及び4に関して
は、ジッターの変化は見られなかった。実施例3に関し
ては、繰り返し記録1000回のマークのジッターが4
%程度上昇した。実施例1及び4に関しては、記録層に
Geが含まれているので、保存信頼性試験による劣化が
抑えられたと考えられる。更に、実施例1、3、4のデ
ィスク状記録媒体について初期化後の反射率を比較した
ところ、実施例3、4に関しては初期化後の反射率は1
8%を超えており、反射率の周内分布はほぼ均一であっ
た。これに対し、実施例1は、反射率は20%に達して
いるが反射率の周内分布が部分的に15%程度まで落ち
込んでいた。実施例3、4は記録層にAgが含まれてい
るので、初期化を均一に行うことができたと考えられ
る。
【0029】比較例5 第二保護層の材料をGeNに代えた点以外は、実施例1
と同様にしてディスク状記録媒体を得た。
【0030】比較例6 第二保護層の材料をZrO−TiOに代えた点以外
は、実施例1と同様にしてディスク状記録媒体を得た。
【0031】上記比較例5〜6及び実施例1のディスク
状記録媒体について、70℃85%RH環境下で100
0時間の保存信頼性試験を行った。初回記録及び100
0回繰り返し記録を恒温槽導入前に行い、このマークの
ジッターの変化を比較した。その結果、実施例1につい
ては、ジッターの変化は見られなかったが、比較例5〜
6については、1000回繰り返し記録のマークのジッ
ターが4%程度上昇した。実施例1は第二保護層にZn
S・SiOが用いられており、密着性が高いので良好
な保護機能が得られたと考えられる。
【0032】
【発明の効果】本発明1、3によれば、繰り返し記録を
行った場合でも、記録マークの歪みが抑えられた相変化
型情報記録媒体を提供できる。本発明2によれば、繰り
返し記録を行った場合でも、記録マークの歪みが抑えら
れ、かつ表面記録型で記録再生を行うことにより高密度
記録が可能な相変化型情報記録媒体を提供できる。本発
明4によれば、更に、光学特性を調整すると共に安定で
均一な相変化型情報記録媒体を提供できる。本発明5に
よれば、更に、より高い吸収率補正効果を有する相変化
型情報記録媒体を提供できる。本発明6によれば、更
に、十分な反射率及びモジュレーションを示す相変化型
情報記録媒体を提供できる。本発明7によれば、更に、
繰り返し記録を行っても組成偏析が起き難く、高線速記
録において良好な消去及び記録特性を発揮できる速い結
晶化速度を備えた相変化型情報記録媒体を提供できる。
本発明8によれば、更に、記録マークの結晶化を抑え、
保存信頼性に優れた相変化型情報記録媒体を提供でき
る。本発明9によれば、更に、初期化が容易で且つ均一
な初期化を行うことが可能であり、しかも均一な反射率
を示す記録層を有する相変化型情報記録媒体を提供でき
る。本発明10によれば、更に、高い記録層保護機能を
備え、保存信頼性に優れた相変化型情報記録媒体を提供
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明1の層構成の吸収率補正層を有する記録
媒体について、光吸収−熱拡散のシミュレーションを行
って求めた非晶質部分と結晶部分のそれぞれの到達温度
を示す図。
【図2】吸収率補正層にGe単体(n=4.8、k=
0.75)を用いた記録媒体について、光学シミュレー
ションを行って求めた非晶質部分と結晶部分のそれぞれ
の反射率及びモジュレーションを示す図。
【図3】吸収率補正層にGeCr(n=4.5、k=
2)を用いた記録媒体について、光吸収−熱拡散のシミ
ュレーションを行って求めた非晶質部分と結晶部分のそ
れぞれの到達温度を示す図。
【図4】吸収率補正層にGeCr(n=4.5、k=
2)を用いた記録媒体について、光学シミュレーション
を行って求めた非晶質部分と結晶部分のそれぞれの反射
率及びモジュレーションを示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 針谷 眞人 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 譲原 肇 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 鈴木 栄子 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 三浦 裕司 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 田代 浩子 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H111 EA04 EA23 EA36 FA01 FA11 FA12 FA14 FA23 FA27 FB05 FB09 FB12 FB17 FB21 FB30 5D029 JA01 JC18 LA13 LB11 MA02 MA03 MA04 MA13

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板を通して膜面にレーザー光を照射す
    ることにより、結晶状態及び非晶質状態の可逆的な相変
    化が生じて情報が記録される記録層を有し、透明基板上
    に少なくとも第一保護層/記録層/第二保護層/吸収率
    補正層/反射放熱層/オーバーコート層がこの順に積層
    されており、該吸収率補正層が少なくともGeを含み、
    反射放熱層の主成分がAgであることを特徴とする相変
    化型情報記録媒体。
  2. 【請求項2】 基板上に少なくとも反射放熱層/吸収率
    補正層/第二保護層/記録層/第一保護層/オーバーコ
    ート層がこの順に積層され、該吸収率補正層が少なくと
    もGeを含み、反射放熱層の主成分がAgであり、更
    に、レーザー光が基板を通さずにオーバーコート層側か
    ら照射される表面記録型であることを特徴とする相変化
    型情報記録媒体。
  3. 【請求項3】 吸収率補正層が、Ge単体又はGeとC
    rの混合物を主成分とすることを特徴とする請求項1又
    は2記載の相変化型情報記録媒体。
  4. 【請求項4】 吸収率補正層に含まれるCrの割合が、
    該吸収率補正層を構成する材料全体に対して原子比率で
    0〜0.25であることを特徴とする請求項3記載の相
    変化型情報記録媒体。
  5. 【請求項5】 吸収率補正層の屈折率nが3〜6、吸収
    係数kが0.1〜3であることを特徴とする請求項3又
    は4記載の相変化型情報記録媒体。
  6. 【請求項6】 吸収率補正層の厚さが8〜20nmであ
    ることを特徴とする請求項3〜5の何れかに記載の相変
    化型情報記録媒体。
  7. 【請求項7】 記録層を構成する材料のうち、原子比率
    で0.9以上が下記式で表わされる合金からなることを
    特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の相変化型情報
    記録媒体。 XαSbβTeγ (式中、XはIn及び/又はGaであり、α、β、γは
    原子比率を表わし、0.01≦α≦0.1、0.6≦β
    ≦0.9、γ=1−α−βである)
  8. 【請求項8】 記録層が更にGeを含むことを特徴とす
    る請求項7記載の相変化型情報記録媒体。
  9. 【請求項9】 記録層が更にAgを含むことを特徴とす
    る請求項7又は8記載の相変化型情報記録媒体。
  10. 【請求項10】 第一保護層及び第二保護層がZnSを
    含むことを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載の相
    変化型情報記録媒体。
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