JP2003156478A - 磁粉探傷法および磁粉探傷装置 - Google Patents

磁粉探傷法および磁粉探傷装置

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JP2003156478A JP2002340701A JP2002340701A JP2003156478A JP 2003156478 A JP2003156478 A JP 2003156478A JP 2002340701 A JP2002340701 A JP 2002340701A JP 2002340701 A JP2002340701 A JP 2002340701A JP 2003156478 A JP2003156478 A JP 2003156478A
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英幸 平澤
Mitsuhiro Kamioka
光浩 神岡
Kunimasu Sakai
邦益 堺
Hirotoshi Matsui
啓年 松井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熟練を要せずに、しかも煩わしい作業をする
ことなく、低コストで短時間に探傷することが可能であ
って、微小欠陥の検出性能を向上することができる磁粉
探傷法および磁粉探傷装置を提供すること。 【解決手段】 少なくとも被探傷材に当接する面側のシ
ートが透明材料で形成され、被探傷材に当接する面側の
シートとその反対面側のシートとの間を多数の小室22
に仕切り且つこれらの小室22内の分散媒23中に発光
塗料をコーティングした磁粉24を分散させた磁気シー
ト19を被探傷材の探傷面に当接させるか又は押し当て
て密着させ、次いで、磁気シート19を被探傷材から引
き離し、可視光または紫外線25を磁気シート19に照
射することにより磁気シート19に描かれた磁粉模様を
発光させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は非破壊検査法に関
し、さらに、詳細には、強磁性材料を磁化し、割れなど
の欠陥の部分に生じる磁気の乱れを検知することにより
材料の欠陥を検出する方法である磁粉探傷法およびその
方法の実施に使用する磁粉探傷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】強磁性体の表面または表面直下に存在す
る欠陥を検出する方法として、被探傷材を磁化し、欠陥
部よりの漏れ磁束に磁粉を吸引させて生じる磁粉模様を
観察することにより欠陥を検出する方法である磁粉探傷
法は広く使用されている。
【0003】この磁粉探傷法は、図8に示すように、強
磁性材である被探傷材31上に磁石32を載置し、被探
傷材31を磁石32で磁化して表面近傍の欠陥33の部
分に現れる漏れ磁束34に磁粉35を吸引させて磁粉模
様を生じさせ、微小欠陥を可視化させる方法であり、J
IS−G0565−1992に規定された方法は、磁粉
を被探傷面に空気とともに吹き付けるか、または、磁粉
を均一に分散させた検査液を被探傷面上に静かに流し
て、漏れ磁束が生じている部分に現れる磁粉模様を肉眼
にて直接観察する方法(以下「JISの磁粉探傷法」と
いう)である。
【0004】しかし、上記JISの磁粉探傷法は、微小
欠陥の検出に使用した場合、漏れ磁束が小さくて磁粉を
吸引する磁力が弱いので、空気あるいは液体とともに磁
粉を流すと、その流れの慣性力のために漏れ磁束部位に
磁粉を吸引しにくく、被探傷材を磁化しながら連続的に
磁粉を流す必要があり、目視で判断できる状態にするに
は時間がかかるという欠点がある。また、被探傷面が傾
斜していると、検査液の重力のために磁粉の移動速度が
速くなり、漏れ磁束に磁粉を吸引するのが困難になり、
特に、被探傷面が鉛直方向であると、洩れ磁束に磁粉を
吸引させるのにかなりの熟練を要する。さらに、被探傷
面が予め十分に清掃されていないと、被探傷面と磁粉模
様とのコントラストがつきにくくなるので、探傷前に被
探傷面を予め十分に清掃しておかなければならないとい
う煩わしい作業が必要であり、探傷作業後には磁粉や液
体の除去と清掃作業が必要である。その上、磁粉の再使
用が不可能であり、経済的に不利である。そして、被探
傷面に凹凸があると、磁粉が凹部に溜まり、疑似模様が
欠陥と誤判断される可能性がある。
【0005】そこで、JISの磁粉探傷法を改良した方
法が各種提案されている(例えば、特許文献1と特許文
献2参照)。
【0006】特許文献1には、図9(a)に模式的に示
すように、磁粉を分散させた検査液36を密閉された可
撓性容器37に封入し、非導電性弾性薄膜38を被探傷
材に押しつけ、欠陥部の漏洩磁束による磁粉模様を非導
電性弾性薄膜38上に画かせて、この磁粉模様を容器3
7の透明部39を通して観察する方式のもの(以下「従
来の磁粉探傷法1」という)が記載されている。この従
来の磁粉探傷法1は、漏れ磁束の大きい大型欠陥を対象
とする場合には適用することが可能である。しかし、一
般構造物の微小欠陥の検出に適用するのは困難である。
というのは、従来の磁粉探傷法1もJISの磁粉探傷法
と同じく、磁粉を吸引する漏れ磁束の磁力が小さく、図
9(b)に示すように、被探傷材40の表面の微小欠陥
41に対応して生じる洩れ磁束の磁力の及ぶ範囲の検査
液中に分散した磁粉を凝集し、凝集物42を生じさせて
も、その凝集量が少ないので、探傷前に透明部39から
見た状態を示す図9(c)と、磁粉の凝集物42による
磁粉模様43を透明部39から見た状態を示す図9
(d)との差異はそれほど明瞭でなく(磁粉模様43が
うすくて判別しにくく)、欠陥の検出が困難である。そ
こで、検査液中の磁粉の濃度を高めると、凝集磁粉量は
多くなるが、検査液自体が磁粉により黒ずむなど、磁粉
の凝集部分と他の部分とのコントラストがつきにくくな
る。また、連続的に探傷する場合は、直前の探傷による
磁粉の凝集物を再度均一に分散させなければ、明確な磁
粉模様を得ることはできないが、密閉容器37内の液体
を流動化させることは難しく、液体と磁粉の相対的な動
きを液体の流れにより生じさせることも困難である。さ
らに、凹凸のある面を探傷する際、非導電性弾性薄膜3
8が可撓性を有するとしても、凸部に接触する容器の検
査液の高さ(H)が減少し、磁粉模様にバラツキが生
じ、欠陥の検出感度が低下する。
【0007】また、特許文献2には、図10(b)に示
すように、透明可撓性薄膜44と白色可撓性薄膜45か
らなる可撓性ベルト46内の空間に磁粉を含有する検査
液47を封入し、図10(a)に示すように、この可撓
性ベルト46を3本の遊動輪48と1本の駆動輪49と
の間に架け渡し、磁化電極50によって被探傷材51を
連続的に磁化し、無限軌道を構成する可撓性ベルト46
を被探傷材51に接触させつつ磁粉探傷する構成のもの
(以下「従来の磁粉探傷法2」という)が記載されてい
る。しかし、この従来の磁粉探傷法2は、可撓性容器が
可撓性ベルトに代わっただけで、上記した従来の磁粉探
傷法1と同様の欠点を有している。
【0008】
【特許文献1】特公昭60−34066号公報
【特許文献2】特公昭61−45186号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来の技術の
有するこのような問題点に鑑みてなされたものであっ
て、その目的は、熟練を要せずに、しかも煩わしい作業
をすることなく、低コストで短時間に探傷することが可
能であって、微小欠陥の検出性能を向上することができ
る磁粉探傷法および磁粉探傷装置を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、多数に仕切られた小室を備えた磁気シート
を準備し且つこれらの小室に熱硬化性分散媒を含む分散
媒中に磁粉を分散させたものを封入し、該磁気シートを
被探傷材の探傷面に当接させるか又は押し当てて密着さ
せ、被探傷材を磁化手段で磁化すると、被探傷材の表面
または表面近傍に存在する微小欠陥に起因して生じる漏
れ磁束の磁力により磁粉は瞬時に小室内を泳動し、磁気
シートに一定の磁粉模様を形成する。次いで、磁気シー
トを被探傷材から引き離し、可視光または紫外線を磁気
シートに照射することにより磁気シートに画かれた磁粉
模様を発光させる。
【0011】
【発明の実施の形態】即ち、本発明の方法は、被探傷材
を磁化手段で磁化し、被探傷材の表面または表面近傍に
存在する磁束の通過を妨げる欠陥により該欠陥直上の空
間に漏れ磁束を生じさせ、該洩れ磁束で磁粉を吸引する
ことにより形成される磁粉模様に基づいて欠陥を検出す
る磁粉探傷法において、多数に仕切られた小室を備えた
磁気シートを準備し且つこれらの小室に発光塗料をコー
ティングした磁粉を分散させた分散媒を封入し、該磁気
シートを被探傷材の探傷面に当接させるか又は押し当て
て密着させ、次いで、磁気シートを被探傷材から引き離
し、可視光または紫外線を磁気シートに照射することに
より磁気シートに画かれた磁粉模様を発光させることを
特徴としている。
【0012】次に、本発明による欠陥検出法および本発
明の磁粉探傷装置について説明する。 (1)磁気シート 磁気シートとは、図1(a)に示すように、2枚の透明
シート1a、1b間に多数の小室2を有し、この小室2
内に微細な磁粉3(図では多数の微細な磁粉が凝集する
ことにより黒い塊で表されている)を分散させた分散媒
4を封入したものであり、一方のシート1bに磁粉模様
消去用磁石5を当接させつつ矢示方向に移動させること
により小室内の磁粉3を一方のシート1b側に一様に移
動させ、その結果、他方のシート1a側の小室2内には
磁粉3が存在しない状態にされ、シート1aを観察して
も、図1(b)に示すように、何も見えない。次いで、
図1(c)に示すように、シート1aに磁石ペン6を当
接させつつ紙面直角方向に移動させると、小室2内の磁
粉3が吸引されてシート1a側に移動し、図1(d)に
示すように、シート1aに瞬時に磁粉模様7を画くこと
ができる。 (2)欠陥の検出 係る構成の磁気シートを用いて、本発明によれば、以下
のようにして欠陥を検出することができる。 a.探傷前に小室内の磁粉を被探傷材に当接する面とは
反対側の面に移動させた場合 図2(a)に示すように、シート1aに当接させつつ磁
粉模様消去用磁石5を矢示方向に移動させると、小室内
の磁粉3はシート1a側に移動してシート1b側の小室
には磁粉が存在しなくなり、図2(b)に示すように、
シート1bを観察しても何も見えない。次いで、図2
(c)に示すように、この磁気シートのシート1b側を
被探傷材8上に載置し、適切な磁化手段で被探傷材8を
磁化すると、被探傷材8の表面近傍に欠陥9が存在する
場合、その部分に生じる洩れ磁束により小室2内のシー
ト1a側にある磁粉3の一部がシート1b側に吸引され
て、図2(d)に示すように、欠陥9に対応した磁粉模
様10がシート1b側に現れるのを観察できる。
【0013】比較的大きい欠陥を検出する場合には、探
傷前に小室内の磁粉を被探傷材に当接する面とは反対側
の面に移動させておいても、欠陥に対応して生じる漏れ
磁束が大きく、磁粉模様が明瞭に現れやすくなるので、
欠陥の判定が比較的容易である。 b.探傷前に小室内の磁粉を被探傷材に当接する面側に
移動させた場合 微小欠陥を検出する場合、その漏れ磁束は僅かであり、
磁粉を極力探傷面側に近づけておくことが好ましい。そ
こで、図3(a)に示すように、磁粉模様消去用磁石5
をシート1bに当接させて矢示方向に移動させると、磁
粉3は磁石5の磁力で吸引されてシート1b側に移動す
るが、小室2外に出ることはできないため、小室2の側
面に多くの磁粉が溜まった状態になり、このシート1b
を観察すると、図3(b)に示すように、全体的に灰色
を呈する状態が見られる。
【0014】そして、図3(c)に示すように、この磁
気シートのシート1b側を被探傷材に当接する面側とし
て被探傷材8上に載置し、適切な磁化手段で被探傷材8
を磁化すると、被探傷材8に欠陥9が存在する場合、欠
陥9を挟んでその両側でN極、S極が形成されるが、欠
陥9が微小なものである場合、N極−S極は極めて接近
し、そのため、欠陥9の部分に生じる漏れ磁束の磁束密
度は大きくなり、しかも、磁束の移動がないので、欠陥
9直上の小室2a内にある磁粉のほぼ全量は欠陥9側に
引き寄せられ、欠陥9直上の小室2aに隣接する小室2
b、2c内にある磁粉は、小室2a側に引き寄せられる
ので、図3(c)に示すように、小室2b、2cの被探
傷材に当接する面側には、磁粉が存在しない領域11が
存在するようになる。
【0015】そこで、被探傷材に当接する面側のシート
1bを観察すると、図3(d)およびその部分拡大図で
ある図3(e)に示すように、欠陥に対応する中央部に
は、黒色の磁粉模様12が見られ、この黒色の部分の周
囲には白色の部分13が存在する様子を観察することが
できる。このように、欠陥の存在を知らせる「色のコン
トラスト」が大きくなるので、目視で容易に微小欠陥の
存在を判定できるようになる。
【0016】このような磁気シートを用いれば、磁粉は
小室内を移動するのみであり、探傷面が傾斜している場
合の影響も極小であり、磁粉は欠陥部に生じる漏れ磁束
による磁力により吸引されて、欠陥に対応した磁粉模様
を呈するので、欠陥の検出感度が比較的大きいという効
果がある。また、本発明の方法による磁粉模様は、中心
部に黒色の部分があり、その周囲に白色の部分があると
いう顕著な特徴を有しており、色のコントラスト(白枠
効果)による視覚に訴える効果が大きく、欠陥の判定が
容易であるという効果もある。その他、磁粉模様は瞬時
に形成されるので、欠陥の検出時間が短いという効果も
ある。
【0017】上記したように、磁気シートを用いた磁粉
探傷法による磁粉模様は、中心部に黒色の部分があり、
その周囲に白色の部分があるという顕著な特徴を有して
おり、色のコントラスト(白枠効果)による視覚に訴え
る効果が大きく、欠陥の判定が容易である。その場合、
欠陥の大きさに比較して小室が大きすぎると、色のコン
トラストが現れにくくなるので、小さい方が好ましい
が、小さ過ぎると小室の製造コストが高くなるだけでな
く、小室内に含まれる磁粉の量が少なくなり、色のコン
トラストが小さくなるという不都合が生じる。そのた
め、磁粉を分散させた分散媒(水、白灯油またはアルコ
ール類等)を封入する小室の直径は、5〜1000μm
(いわゆるマイクロカプセル相当の大きさ)が好まし
い。
【0018】そして、本発明によれば、発光塗料をコー
ティングした磁粉を用いるので、磁粉模様のコントラス
トが増し、欠陥の検出性能を向上させることができる。
以下、本発明の特徴および利点について、図面を参照し
ながら詳細に説明する。 (3)本発明の磁粉探傷装置 a.欠陥の検出性能の向上 図4は本発明に係る磁粉探傷装置の一実施例を示し、図
4(a)はその断面図、図4(b)は図4(a)の磁気
シートの被探傷材に当接する面側を示す平面図である。
図4(a)において、14は電磁石、15は被探傷材、
16は磁気シールドを構成する極く薄い塗膜である。被
探傷材に当接する面側の透明プラスチック製のシート1
7とその反対面側の透明プラスチック製のシート18と
の間に小室(図1〜図3参照)を多数有し、この小室内
の分散媒中に発光塗料をコーティングした多数の微細な
磁粉を分散させた磁気シート19が塗膜16上に載置さ
れている。塗膜16は必ずしも必要なものではないが、
欠陥部の漏れ磁束を減衰させないために、欠陥検出(磁
粉模様の明瞭度)の要求レベルに応じて設けることがで
きる。
【0019】そして、図4(a)に示す構成の磁粉探傷
装置を用いて、被探傷材15の表面に存在する微少欠陥
20を検査した結果、被探傷材に当接する面側のシート
17には、図4(b)に示すような明瞭な磁粉模様21
が現れたのが認められた。
【0020】さらに、図5に示すように、小室22内の
分散媒23中に発光塗料をコーティングした多数の微細
な磁粉24を分散させているので、この探傷面側および
反探傷面側がともに透明プラスチック製のシートからな
る磁気シート19に紫外線光照射ライト25から紫外線
を照射することによって、磁粉24によって形成される
磁粉模様が発光することでその明度が増すので、欠陥の
検出がより容易である。この場合、暗室内で磁粉模様を
観察すれば、そのコントラストが一層増すので好まし
い。発光塗料とは、ZnSやSrSなどの蓄光性が大き
く、リン(燐)光を発する物質を主顔料とした塗料に放
射性物質を微量添加したものであって、可視光や紫外線
を照射すると、暗室でも長時間にわたって発光し、夜光
塗料とも呼ばれているものであり、本発明は公知の発光
塗料を用いることができる。 b.磁粉模様の保存記録 本発明は、磁気シートに描かれた磁粉模様を肉眼で観察
して欠陥を検出する方法であるため、探傷結果の記録を
残そうとすれば、その磁粉模様をスケッチするか、写真
撮影することにより記録を残すことは可能であるが、ス
ケッチや写真は時を経るにつれて画像が薄れたり、汚れ
たり、または欠損したりすることがあるので、探傷デー
タを長期間保存することができない。探傷データを正確
に長期間保存するためには、磁粉模様を固定する操作を
行うことが好ましい。そこで、磁粉模様21を保存記録
するために、図6(a)に示す小室22内に熱硬化性樹
脂を含む分散媒26を封入した磁気シート27に熱を加
えることにより、分散媒26が硬化して、図6(b)に
示すように、小室22内の多数の微細な磁粉28からな
る磁粉模様が固定された。この場合、熱硬化性樹脂とし
てはフェノール樹脂を使用し、溶剤としてはメチルアル
コールを使用した。
【0021】熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、
ビニルエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、フラン
樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミン樹
脂、ユリア樹脂など公知の樹脂を用いることができる。 c.磁粉模様の保存記録と欠陥の検出性能の向上 さらに、熱硬化性樹脂を含む分散媒中に発光塗料をコー
ティングした磁粉を分散させることもできる。このよう
にすれば、熱硬化性樹脂の色が磁粉に似ている場合で
も、欠陥の検出性能が低下することなく良好に微少欠陥
を検出し、且つ磁粉模様の保存記録が可能である。この
場合、熱硬化性樹脂を硬化させるための磁気シートの加
熱は、次のいずれの手順でもよい。
【0022】すなわち、磁気シートを被探傷材の探傷面
に当接して探傷し、磁気シートを被探傷材から引き離し
て磁粉模様を観察する前に磁気シートを加熱して熱硬化
性樹脂を硬化させて磁粉模様を固定し、その後、磁気シ
ートに紫外線を照射して磁粉模様を発光させてもよく、
逆に、被探傷材から引き離した磁気シートに紫外線を照
射して磁粉模様を発光させた後、磁気シートを加熱して
熱硬化性樹脂を硬化させることにより磁粉模様を固定す
ることもできる。 d.磁化手段 図7は、磁化手段の一例を示す図であり、磁化手段とし
て被探傷材15上に断面「コ」の字状の永久磁石29を
載置することもできるし、また、陽極側のプレート30
aと陰極側のプレート30bとの間に一定の電圧を印加
して磁界を発生させる方式のものを用いることもでき
る。
【0023】
【発明の効果】本発明は以上のとおり構成されているの
で、熟練を要せずに、しかも煩わしい作業をすることな
く、低コストで短時間に探傷することが可能であって、
微小欠陥の検出性能を向上することができる磁粉探傷法
および磁粉探傷装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁気シートの使用例を説明する図である。
【図2】本発明による磁粉探傷法の一例を説明する図で
ある。
【図3】本発明による磁粉探傷法の別の例を説明する図
である。
【図4】図4(a)は本発明の磁粉探傷装置の要部を示
す断面図、図4(b)はその磁気シートの表面に表され
た磁粉模様の一例を示す図である。
【図5】磁気シートに紫外線を照射して発光塗料をコー
ティングした磁粉からなる模様が発光する状態を示す図
である。
【図6】図6(a)は磁気シートを加熱して分散媒を硬
化させる状態を示す断面図、図6(b)は磁気シートを
加熱して分散媒を硬化させ、磁粉模様を固定した状態を
示す図である。
【図7】磁化手段の一例を示す概略構成図である。
【図8】磁粉探傷法のメカニズムを説明する図である。
【図9】従来の磁粉探傷装置による磁粉探傷法を説明す
る図である。
【図10】図10(a)は従来の別の磁粉探傷装置の斜
視図であり、図10(b)はその磁粉探傷装置に使用す
るベルトの断面図である。
【符号の説明】
2、22…小室 3、24、28…磁粉 4、23、26…分散媒 7、10、12、21…磁粉模様 8、15、…被探傷材 9、20…欠陥 14…電磁石 19、27…磁気シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神岡 光浩 兵庫県神戸市中央区東川崎町3丁目1番1 号 川崎重工業株式会社神戸工場内 (72)発明者 堺 邦益 兵庫県神戸市中央区東川崎町3丁目1番1 号 川崎重工業株式会社神戸工場内 (72)発明者 松井 啓年 兵庫県神戸市中央区東川崎町3丁目1番1 号 川崎重工業株式会社神戸工場内 Fターム(参考) 2G053 AA11 AB22 BB11 BC03 CA20 DC03 DC04

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被探傷材を磁化手段で磁化し、被探傷材
    の表面または表面近傍に存在する磁束の通過を妨げる欠
    陥により該欠陥直上の空間に漏れ磁束を生じさせ、該洩
    れ磁束で磁粉を吸引することにより形成される磁粉模様
    に基づいて欠陥を検出する磁粉探傷法において、多数に
    仕切られた小室を備えた磁気シートを準備し且つこれら
    の小室に発光塗料をコーティングした磁粉を分散させた
    分散媒を封入し、該磁気シートを被探傷材の探傷面に当
    接させるか又は押し当てて密着させ、次いで、磁気シー
    トを被探傷材から引き離し、可視光または紫外線を磁気
    シートに照射することにより磁気シートに画かれた磁粉
    模様を発光させることを特徴とする磁粉探傷法。
  2. 【請求項2】 被探傷材を磁化手段で磁化し、被探傷材
    の表面または表面近傍に存在する磁束の通過を妨げる欠
    陥により該欠陥直上の空間に漏れ磁束を生じさせ、該洩
    れ磁束で磁粉を吸引することにより磁気シートに形成さ
    れる磁粉模様に基づいて欠陥を検出する磁粉探傷装置に
    おいて、被探傷材の磁化手段と、多数に仕切られた小室
    を備え且つこれらの小室に発光塗料をコーティングした
    磁粉を分散させた分散媒を封入してなる磁気シートとを
    有し、磁気シートを被探傷材の探傷面に当接させるか又
    は押し当てて密着させることを特徴とする磁粉探傷装
    置。
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