JP2003294709A - 磁粉探傷法 - Google Patents

磁粉探傷法

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JP2003294709A
JP2003294709A JP2002099159A JP2002099159A JP2003294709A JP 2003294709 A JP2003294709 A JP 2003294709A JP 2002099159 A JP2002099159 A JP 2002099159A JP 2002099159 A JP2002099159 A JP 2002099159A JP 2003294709 A JP2003294709 A JP 2003294709A
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sheet
magnetic powder
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JP2002099159A
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Koji Dojo
康二 道場
Hideyuki Hirasawa
英幸 平澤
Mitsuhiro Kamioka
光浩 神岡
Kunimasu Sakai
邦益 堺
Hirotoshi Matsui
啓年 松井
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Kawasaki Heavy Industries Ltd
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Kawasaki Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液体に接した被探傷面を従来の磁粉探傷法に
よって探傷しようとすると、磁粉が被探傷面上の液体に
よって拡散してしまうので、欠陥に対応した正確な磁粉
模様が得られない。 【解決手段】 本願の磁粉探傷法は、液体に接した被探
傷面に対して、磁気シートを当接させるか又は押し当て
て密着させて、この磁気シートに磁粉模様を形成させ
る。この磁気シートは、いずれか一方の面側に多数の小
室を備え且つこれらの小室に分散媒中に磁粉を分散させ
たものを封入している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、強磁性材料製の
被探傷材を磁化し、割れなどの欠陥の部分に生じる磁気
の乱れを検知することにより該被探傷材の被探傷面の欠
陥を検出する磁粉探傷法に関し、さらに詳細には、液体
に接した被探傷面の欠陥を検出するのに適した磁粉探傷
法に関する。
【0002】
【従来の技術】強磁性体の表面または表面直下に存在す
る欠陥を検出する方法として、被探傷材を磁化し、欠陥
部よりの漏れ磁束に磁粉を吸引させて生じる磁粉模様を
観察することにより欠陥を検出する方法である磁粉探傷
法は広く使用されている。
【0003】この磁粉探傷法は、図7に示すように、強
磁性材である被探傷材51上に磁石52を載置し、被探
傷材51を磁石52で磁化して表面近傍の欠陥53の部
分に現れる漏れ磁束54に磁粉55を吸引させて磁粉模
様を生じさせ、微小欠陥を可視化させる方法であり、J
IS G0565−1992に規定された方法は、乾燥
した磁粉を被探傷面に空気とともに吹き付けるか、また
は、磁粉を均一に分散させた検査液を被探傷面上に静か
に流して、漏れ磁束が生じている部分に現れる磁粉模様
を肉眼にて直接観察する方法(以下「JISの磁粉探傷
法」という)である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記JISの磁粉探傷
法は、被探傷材が空気中に配置されており被探傷面が乾
いている場合には効果的である。しかし、空気中に配置
された被探傷材のみならず、被探傷面が液体に接した状
態の被探傷材の探傷を行いたい場合もある。被探傷面が
液体に接した状態とは、例えば、被探傷材が海洋構造物
であって海中に設置されているような状態、被探傷材が
土中に埋設されている管であって土中の水分(湿気)に
よってその表面に結露が生じている状態、被探傷材が機
械部品であってその表面に潤滑油が付着して油膜が形成
されているような状態等である。このように被探傷材が
液体に接しているような状態では、上記JISの磁粉探
傷法にて欠陥を検出することが困難である。
【0005】すなわち、乾燥した磁粉を被探傷面に空気
とともに吹き付ける方法では、磁粉によって磁粉模様が
形成される前に、被探傷面に吹き付けた磁粉が被探傷面
上の液体によって拡散してしまい、欠陥に対応した正確
な磁粉模様が得られない場合がある。また、被探傷面に
吹き付けた磁粉が一旦は磁粉模様を形成したとしても、
磁粉が被探傷面上の液体によって拡散してしまうので磁
粉模様を観察することは困難である。
【0006】また、磁粉を均一に分散させた検査液を被
探傷面上に静かに流す方法でも、磁粉によって磁粉模様
が形成される前に、被探傷面上に流した検査液が被探傷
面上の液体と混ざり合って磁粉が拡散してしまい、欠陥
に対応した正確な磁粉模様が得られない場合がある。ま
た、被探傷面上に流した検査液の磁粉が一旦は磁粉模様
を形成したとしても、検査液が被探傷面上の液体と混ざ
り合って磁粉が拡散してしまうので磁粉模様を観察する
ことは困難である。
【0007】被探傷材が液体に没しているような場合に
はこのような磁粉の拡散が著しく、磁粉模様を観察する
ことが特に困難となる。
【0008】また、被探傷面に露などの液滴が付着して
いるような場合や被探傷面が潤滑油で濡れているような
場合には、被探傷面に磁粉を吹き付けたり磁粉を含んだ
検査液を被探傷面に流したりする前に、被探傷面上の液
滴や潤滑油を拭き取ればよいのであるが、探傷結果に影
響が現れることがないような充分な拭き取り作業が必要
となり、探傷作業全体を長引かせる。
【0009】本発明は従来の技術の有するこのような問
題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、被探
傷材の被探傷面が液体に接している場合でも、短時間に
確実に被探傷材の欠陥を検出することができる磁粉探傷
法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本願に係る磁粉探傷法は、被探傷材を磁化手段で磁化
し、被探傷材の表面または表面近傍に存在する磁束の通
過を妨げる欠陥により該欠陥直上の空間に漏れ磁束を生
じさせ、該洩れ磁束で磁粉を吸引することにより形成さ
れる磁粉模様に基づいて欠陥を検出する磁粉探傷法にお
いて、該被探傷材の被探傷面が液体に接した面であり、
該磁粉模様が、該被探傷面に当接させるか又は押し当て
て密着させた磁気シートに形成され、該磁気シートは、
いずれか一方の面側に多数の小室を備え且つこれらの小
室に分散媒中に磁粉を分散させたものを封入してなる
(請求項1)。
【0011】この方法によれば、分散媒中を磁粉が泳動
し、磁気シートには欠陥に応じた磁粉模様が形成され
る。磁粉は磁気シートの小室に封入されているので、被
探傷面上の液体による磁粉の拡散は生じない。よって、
磁粉模様の観察を確実に行うことができ、欠陥を確実に
検出することができる。また、被探傷面上の液体を拭き
取る作業を要しないので、探傷時間が短縮される。
【0012】上記磁粉探傷法は、被探傷面がどのような
形態で液体に接している場合であっても適用できるが、
例えば、被探傷面が液体中に没している場合にも適用で
きるし(請求項2)、被探傷面に液滴が付着している場
合にも適用できるし(請求項3)、被探傷面上に液膜が
形成されている場合にも適用できる(請求項4)。
【0013】また上記磁粉探傷法において、被探傷面を
濡らす液体の種類は特に限定されないが、例えば水であ
っても適用できるし、油であっても適用できる(請求項
5)。
【0014】また上記磁粉探傷法は、被探傷材が土中に
配設され、被探傷面が土中の水分によって濡れた面であ
っても適用できる(請求項6)。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ、本願発
明に係る磁粉探傷法の一実施形態を説明する。
【0016】まず、図1〜3を参照して、この磁粉探傷
法に用いられる磁気シートの構造およびその特性を説明
する。図1〜3に示す磁気シート1は、本願発明の磁粉
探傷法に用いることのできる磁気シートの一例である。 (1)磁気シート1の構造 磁気シート1は、図1(a)に示すように、2枚の透明
シート1a、1b間に多数の小室2を有し、この小室2
内に微細な磁粉3(図では多数の微細な磁粉が凝集する
ことにより黒い塊で表されている)を分散させた分散媒
4を封入したものである。多数の小室は、2枚の透明シ
ート1a、1b間において、面状に配置されている。磁
気シート1においては小室の直径は約150μmであ
る。なお、小室の直径は磁粉がある程度の範囲で泳動で
きるような大きさであればよいのであるが、具体的に
は、例えば5〜1000μmであれば好適である。分散
媒4は小室2によって液密的に封入されている。分散媒
4としては、例えば、水、白灯油、アルコール類等が適
している。
【0017】図1(a)に示す状態において、一方のシ
ート1bの表面に磁粉模様消去用磁石5を当接させつつ
矢示方向に移動させることにより小室2内の磁粉3を一
方のシート1b側に一様に移動させ、その結果、小室2
内における他方のシート1a側には磁粉3が存在しない
状態にされる。その結果、磁気シート1をシート1a側
から観察しても、図1(b)に示すように、磁粉模様は
見えない。次いで、図1(c)に示すように、シート1
aに磁石ペン6を当接させつつ紙面直角方向に移動させ
ると、小室2内の磁粉3が吸引されてシート1a側に移
動する。その結果、磁気シート1をシート1a側から観
察すると、図1(d)に示すように、磁粉模様7が画か
れているのを見ることができる。 (2)欠陥の検出 かかる構成の磁気シート1を用いて、以下のようにして
欠陥を検出することができる。 a.探傷前に小室内の磁粉を被探傷材に当接する面とは
反対側の面に移動させた場合 図2(a)に示すように、磁粉模様消去用磁石5をシー
ト1aの表面に当接させつつ矢示方向に移動させると、
小室2内の磁粉3はシート1a側に移動して、小室2内
のシート1b側には磁粉3が存在しなくなる。その結
果、図2(b)に示すように、磁気シート1をシート1
b側から観察しても磁粉模様は見えない。次いで、図2
(c)に示すように、この磁気シート1を、シート1b
側が被探傷材8に接するようにして被探傷材8上に載置
し、適切な磁化手段で被探傷材8を磁化する。すると、
被探傷材8の表面近傍に欠陥9が存在する場合、その部
分に生じる洩れ磁束により小室2内のシート1a側にあ
る磁粉3の一部がシート1b側に吸引される。その結
果、磁気シート1をシート1b側から観察すると、図2
(d)に示すように、欠陥9に対応した磁粉模様10を
見ることができる。
【0018】比較的大きい欠陥を検出する場合には、上
記のように探傷前に小室内の磁粉を被探傷材に当接する
面とは反対側の面に移動させておいてもよい。欠陥が大
きいと、欠陥に対応して生じる漏れ磁束が大きく、磁粉
模様が現れやすくなるので、欠陥の判定が比較的容易で
ある。 b.探傷前に小室内の磁粉を被探傷材に当接する面側に
移動させた場合 微小欠陥を検出する場合、その漏れ磁束は僅かであり、
磁粉を極力被探傷面側に近づけておくことが好ましい。
そこで、図3(a)に示すように、磁粉模様消去用磁石
5をシート1bの表面に当接させて矢示方向に移動させ
ると、磁粉3は磁石5の磁力で吸引されてシート1b側
に移動する。磁粉3は小室2外に出ることはできないた
め、小室2内のシート1b側に多くの磁粉が溜まった状
態になる。この状態で磁気シート1をシート1b側から
観察すると、図3(b)に示すように、全体的に灰色を
呈する状態が見られる。
【0019】そして、図3(c)に示すように、この磁
気シート1をシート1bの表面が被探傷材8に当接する
ようにして、被探傷材8上に載置し、適切な磁化手段で
被探傷材8を磁化すると、被探傷材8に欠陥9が存在す
る場合、欠陥9を挟んでその両側でN極、S極が形成さ
れる。欠陥9が微小なものである場合、N極−S極は極
めて接近し、そのため、欠陥9の部分に生じる漏れ磁束
の磁束密度は大きくなり、しかも、磁束の移動がないの
で、欠陥9直上の小室2a内にある磁粉のほぼ全量は欠
陥9側に引き寄せられ、欠陥9直上の小室2aに隣接す
る小室2b、2c内にある磁粉は、小室2a側に引き寄
せられる。その結果、図3(c)に示すように、小室2
b、2cの被探傷材8に当接する面側には、磁粉が存在
しない領域11が存在するようになる。
【0020】そこで、磁気シート1をシート1b側から
観察すると、図3(d)およびその部分拡大図である図
3(e)に示すように、欠陥に対応する中央部には、黒
色の磁粉模様12が見られ、この黒色の部分の周囲には
白色の部分13が存在する様子を観察することができ
る。このように、欠陥の存在を知らせる「色のコントラ
スト」が大きくなるので、目視で容易に微小欠陥の存在
を判定できるようになる。
【0021】以上、図1〜3を参照して、この磁粉探傷
法に用いられる磁気シート1の構造およびその特性を説
明した。
【0022】次に、液体に没した被探傷面を、上記で説
明したような磁気シート1を用いて探傷する方法につい
て説明する。
【0023】図4は、水中に没した強磁性体材料たる金
属製の被探傷材21と、その表面(被探傷面)に密着し
た磁気シート1とを示しているが、この図を参照しつ
つ、液体に没した被探傷面を磁気シート1で探傷する方
法について説明する。図中のWは水面である。
【0024】まず、図4に示すような、被探傷材21の
被探傷面に磁気シート1が密着した状態とする前に、予
め磁気シート1の小室内の磁粉を被探傷材21に当接す
る面とは反対側の面に移動させておいてもよいし、被探
傷材21に当接する面側に移動させておいてもよい。い
ずれの面側に磁粉を移動させておくかは、検出しようと
する欠陥の大きさ等に応じて決定すればよい。
【0025】次に、水中に没した被探傷材21の被探傷
面に、図4のように磁気シート1を密着させる。図4で
は、被探傷材21の溶接箇所22における欠陥を検出す
べく、磁気シート1を溶接箇所22に密着させている。
磁気シート1は、シート1bの表面が被探傷材21に接
するようにして、被探傷材21に密着させる。
【0026】次に、図4のように水中に没した被探傷材
21の被探傷面に磁気シート1を密着させた状態で、永
久磁石や電磁石などの適切な磁化手段(図示せず)で水
中の被探傷材21を磁化する。すると、被探傷材21の
表面近傍の欠陥に対応した磁粉模様がシート1b側に形
成される。磁気シート1の磁粉や分散媒は小室に液密的
に封入されており、よって被探傷材21の周囲の水に拡
散することがなく、また、被探傷材21の周囲の水が磁
気シート1の小室の分散媒に混ざることもない。従っ
て、磁気シート1には被探傷材21の欠陥に対応した正
確な磁粉模様が形成される。
【0027】次に、磁気シート1を水中から引き揚げ
る。磁気シート1は水中から引き揚げられても、そのシ
ート1b側に磁粉模様が形成された状態に維持されてい
る。よって、その磁粉模様を観察することができ、これ
により被探傷材の欠陥を検出することができる。
【0028】以上、液体に没した被探傷面を、上記で説
明したような磁気シート1を用いて探傷する方法につい
て説明した。
【0029】次に、土中に埋設されている被探傷材の被
探傷面を、上記で説明したような磁気シート1を用いて
探傷する方法について説明する。
【0030】図5は、土中に埋設された強磁性体材料た
る金属製の被探傷材31や、その表面(被探傷面)に密
着した磁気シート1などを示しているが、この図を参照
しつつ、土中に埋設されている被探傷材31の被探傷面
を磁気シート1で探傷する方法について説明する。図中
のGは地表面である。
【0031】図5の被探傷材31は金属製の管である。
図5では、土中に埋設されていた被探傷材たる管31の
片側に接する側の土を掘り返している。これにより管3
1の一部表面(被探傷面)が露出している。土中は高湿
度環境であるため、露出した被探傷面には土中の水分
(湿気)によって液滴たる露35が付着している。
【0032】まず、図5に示すような、被探傷材31の
被探傷面に磁気シート1が密着した状態とする前に、予
め磁気シート1の小室内の磁粉を被探傷材に当接する面
とは反対側の面に移動させておいてもよいし、被探傷材
に当接する面側に移動させておいてもよい。いずれの面
側に磁粉を移動させておくかは、検出しようとする欠陥
の大きさ等に応じて決定すればよい。
【0033】次に、土から露出している被探傷面に、図
5のように磁気シート1を密着させる。磁気シート1
は、シート1bの表面が被探傷材31に接するようにし
て、被探傷材31に密着させる。このとき、被探傷面に
付着している液滴を予め拭き取っておく必要はない。
【0034】次に、図5のように被探傷面に磁気シート
1を密着させた状態で、磁化手段たる磁石37で被探傷
材31を磁化する。すると、被探傷材31の表面近傍の
欠陥に対応した磁粉模様がシート1b側に形成される。
磁気シート1の磁粉や分散媒は小室に液密的に封入され
ており、よって磁粉が被探傷材31の表面に付着した液
滴中に拡散することがなく、また、被探傷材31の表面
の液滴が磁気シート1の小室の分散媒に混ざることもな
い。従って、磁気シート1には被探傷材31の欠陥に対
応した正確な磁粉模様が形成される。なお、磁石37
は、永久磁石であってもよいし、電磁石であってもよ
い。
【0035】次に、磁気シート1を被探傷面から引き剥
がす。磁気シート1は被探傷面から引き剥がされても、
そのシート1b側に磁粉模様が形成された状態に維持さ
れている。よって、その磁粉模様を観察することがで
き、これにより被探傷材の欠陥を検出することができ
る。
【0036】以上、土中に埋設されている被探傷材31
の被探傷面を、上記で説明したような磁気シート1を用
いて探傷する方法について説明した。
【0037】次に、本願発明の磁粉探傷法に利用するこ
とのできる磁気シートに関する、種々の改良について説
明する。
【0038】図1〜3を参照しながら、磁気シート1の
基本的な構成・特性を説明した。図1〜3の磁気シート
1は、その両表面が透明シートで形成されていたが、一
方のみを透明シートで形成し、他方を不透明のシートで
形成してもよい。この場合は、透明シート側が被探傷面
に当接・密着するようにすればよい。
【0039】また、磁気シート1の分散媒が光硬化性分
散媒を含むように構成し、磁気シートに光を照射するこ
とにより分散媒を硬化させて磁気シートに形成された磁
粉模様を固定できるようにしてもよい。また、磁気シー
トの分散媒が電子線硬化性分散媒を含むように構成し、
磁気シートに電子線を照射することにより分散媒を硬化
させて磁気シートに形成された磁粉模様を固定できるよ
うにしてもよい。また、磁気シートの分散媒が嫌気性硬
化分散媒を含むように構成し、磁気シートを空気から遮
断された状態におくことにより分散媒を硬化させて磁気
シートに形成された磁粉模様を固定できるようにしても
よい。このように分散媒を硬化させて被探傷材に当接す
る面側のシートに画かれた磁粉模様を固定することがで
きるようにすると、探傷結果(すなわち磁粉模様)を確
実に長期間保存記録することができる。
【0040】また、磁気シート1の小室内の磁粉に発光
塗料をコーティングしておいてもよい。そうすると、可
視光または紫外線を磁気シート1に照射することで磁粉
模様のコントラストが増す。よって、欠陥の検出性能を
向上させることができる。特に、光硬化性分散媒、電子
線硬化性分散媒、嫌気性硬化分散媒などが磁粉に類似す
る色である場合、欠陥によって形成される磁粉模様の観
察が困難になる場合がある。しかし、磁粉に発光塗料が
コーティングされていると、探傷後に可視光または紫外
線を磁気シートに照射すれば、発光した磁粉模様が明瞭
に観察できるので、探傷性能を向上することができる。
【0041】以上、磁気シートに関する種々の改良につ
いて説明した。
【0042】上記実施形態では、被探傷面が液体中に没
している場合(図4参照)や、被探傷面に液滴が付着し
ている場合(図5参照)について説明したが、他の形態
で被探傷面が液体に接している場合にも、本願に係る磁
粉探傷法は有効である。例えば、被探傷材が機械部品で
あってその表面(被探傷面)に潤滑油が付着して油膜が
形成されているような場合、すなわち、被探傷面上に液
膜が形成されている場合にも、本願に係る磁粉探傷法を
適用することができる。
【0043】また上記実施形態は、水中に被探傷面が没
した場合や、被探傷面が水滴によって濡れている場合に
おける、磁気シートを用いた磁粉探傷法の実施形態であ
るが、本願に係る磁粉探傷法は、被探傷面に水以外の液
体が接する場合にも適用可能である。例えば、被探傷面
に接する液体が油である場合にも、本願に係る磁粉探傷
法は適用可能である。
【0044】
【実施例】出願人は、本件発明の効果を確認するため、
2種の探傷結果を図6に示す。図6は(a),(b)と
もに、ある被探傷材の被探傷面を本願の磁粉探傷法で探
傷することにより、磁気シートに形成された磁粉模様を
示すものである。
【0045】出願人は、応力腐蝕割れを生じた金属板を
被探傷材として用い、この被探傷材の表面を被探傷面と
した。そして、まず、この被探傷材を空気中に置き、磁
気シートを被探傷面に密着させてから磁化手段で被探傷
材を磁化し、この磁気シート上に被探傷材の欠陥に対応
した磁粉模様を得た。図6(a)はこのときの磁粉模様
である。
【0046】次に、この被探傷材を5mm程度水没さ
せ、この水没した被探傷材の被探傷面に磁気シートを密
着させてから水中の被探傷材を磁化手段で磁化し、この
磁気シート上に被探傷材の欠陥に対応した磁粉模様を得
た。図6(b)はこのときの磁粉模様である。
【0047】図6(a)と図6(b)とを比較すると、
両者はほぼ同一の磁粉模様を示している。このことか
ら、本願発明の磁粉探傷法によれば、水中にある被探傷
材の探傷を、被探傷材が空気中に存する場合と同様に正
確に行うことができるということが確認できる。
【0048】
【発明の効果】本願発明の磁粉探傷法によれば、被探傷
材の被探傷面が液体に接している場合でも、短時間に確
実に欠陥を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁気シートの使用例を説明する図である。
【図2】磁気シートを用いた磁粉探傷法の一例を説明す
る図である。
【図3】磁気シートを用いた磁粉探傷法の別の例を説明
する図である。
【図4】水中に没した被探傷材と、その表面(被探傷
面)に密着した磁気シートとを示す斜観図である。
【図5】土中に埋設された被探傷材や、その表面(被探
傷面)に密着した磁気シートなどを示す斜観図である。
【図6】ある被探傷材の被探傷面を磁粉探傷法で探傷す
ることにより、磁気シートに形成された磁粉模様を示す
ものである。(a)は空気中に被探傷材を置いた場合の
磁粉模様であり、(b)は水中に被探傷材を置いた場合
の磁粉模様である。
【図7】磁粉探傷法のメカニズムを説明する図である。
【符号の説明】
1 磁気シート 1a,1b シート 2 小室 3 磁粉 4 分散媒 7,10,12 磁粉模様 8 被探傷材 9 欠陥 21 被探傷材 22 溶接箇所 31 被探傷材 35 液滴 37 磁石
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神岡 光浩 兵庫県神戸市中央区東川崎町3丁目1番1 号 川崎重工業株式会社神戸工場内 (72)発明者 堺 邦益 兵庫県神戸市中央区東川崎町3丁目1番1 号 川重検査サービス株式会社内 (72)発明者 松井 啓年 兵庫県神戸市中央区東川崎町3丁目1番1 号 川重検査サービス株式会社内 Fターム(参考) 2G053 AA11 AB22 BA02 BB11 BC13 BC20 DC04

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被探傷材を磁化手段で磁化し、被探傷材
    の表面または表面近傍に存在する磁束の通過を妨げる欠
    陥により該欠陥直上の空間に漏れ磁束を生じさせ、該洩
    れ磁束で磁粉を吸引することにより形成される磁粉模様
    に基づいて欠陥を検出する磁粉探傷法において、 該被探傷材の被探傷面が液体に接した面であり、 該磁粉模様が、該被探傷面に当接させるか又は押し当て
    て密着させた磁気シートに形成され、 該磁気シートは、いずれか一方の面側に多数の小室を備
    え且つこれらの小室に分散媒中に磁粉を分散させたもの
    を封入してなる、磁粉探傷法。
  2. 【請求項2】該被探傷面が液体中に没している、請求項
    1記載の磁粉探傷法。
  3. 【請求項3】該被探傷面に液滴が付着している、請求項
    1記載の磁粉探傷法。
  4. 【請求項4】該被探傷面上に液膜が形成されている、請
    求項1記載の磁粉探傷法。
  5. 【請求項5】該液体が水または油である、請求項1乃至
    4のいずれか一の項に記載の磁粉探傷法。
  6. 【請求項6】該被探傷材が土中に配設され、該被探傷面
    が土中の水分によって濡れた面である、請求項1記載の
    磁粉探傷法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
RU2474815C1 (ru) * 2011-08-24 2013-02-10 Учреждение Российской академии наук Ордена Трудового Красного Знамени Институт физики металлов Уральского отделения РАН (ИФМ УрО РАН) Способ магнитопорошкового контроля

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RU2474815C1 (ru) * 2011-08-24 2013-02-10 Учреждение Российской академии наук Ордена Трудового Красного Знамени Институт физики металлов Уральского отделения РАН (ИФМ УрО РАН) Способ магнитопорошкового контроля

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