JP2010185734A - コンクリートの表面探傷方法、それに用いる探傷剤、表面処理剤及び試験片 - Google Patents

コンクリートの表面探傷方法、それに用いる探傷剤、表面処理剤及び試験片 Download PDF

Info

Publication number
JP2010185734A
JP2010185734A JP2009029351A JP2009029351A JP2010185734A JP 2010185734 A JP2010185734 A JP 2010185734A JP 2009029351 A JP2009029351 A JP 2009029351A JP 2009029351 A JP2009029351 A JP 2009029351A JP 2010185734 A JP2010185734 A JP 2010185734A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flaw detection
concrete
crack
cracks
detection agent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009029351A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuo Taguchi
哲夫 田口
Hideyuki Aimura
英行 相村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
HOPE CONSULTING KK
Original Assignee
HOPE CONSULTING KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by HOPE CONSULTING KK filed Critical HOPE CONSULTING KK
Priority to JP2009029351A priority Critical patent/JP2010185734A/ja
Publication of JP2010185734A publication Critical patent/JP2010185734A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Investigating Materials By The Use Of Optical Means Adapted For Particular Applications (AREA)

Abstract

【課題】
本発明は、コンクリートの表面に発生したひび割れの観察に係わり、現状観察方法として推奨されている10cmから30cmに近接して行なう目視での検査を5m以上離れた遠隔からの目視検査を可能にするための探傷方法、それに用いる探傷剤、表面処理剤及び試験片に関する。
【解決手段】
水を分散媒とし界面活性剤を添加することにより浸透性を高めた液体に、確認したいひび割れの開口幅に対応した蛍光を発する着色粒子を添加したコンクリート用の探傷剤。なお表面に探傷剤を流した時、ひび割れ個所において、毛細管現象により探傷剤による浸透作用が生じ探傷剤中の着色粒子は、ひび割れ表面に吸着したり、又は目詰り現象を生じてキズ部分を見易く表示する。なお確認目標とするひび割れは、近接目視が困難な開口幅が0.02mmから0.2mmのひび割れとする。またひび割れを加工した試験片を用いる事により、遠隔での検査に際して最適な探傷剤の塗布、観察条件を可能にした。
【選択図】 図3

Description

本発明は、コンクリートの表面に発生したひび割れの観察に係わり、現状観察方法として推奨されている10cmから30cmに近接して行なう目視での検査を5m以上離れた遠隔からの目視検査を可能にするための探傷方法、それに用いる探傷剤、表面処理剤及び試験片に関する。
コンクリートは、多孔性の表面であるため金属材料のひび割れ検査に用いられている浸透探傷試験(PT)を適用すると、ひび割れ以外の多孔性の表面全体に浸透剤によるきず指示模様が表示され、ひび割れの識別が困難となり適用することができない。このためコンクリートに発生したひび割れを確認する方法として10cmから30cmに近接しての目視検査が行われている。この場合、注意して観察すれば開口幅が0.05mmから0.1mm程度のひび割れを確認できるとされているが、屋外やトンネルの場合、コンクリート表面が経年により黒く変色する場合が多く、このため開口幅の狭い初期段階のひび割れは見にくくなり見落としも多く発生しているものと考えられている。このようにコンクリートの損傷確認としては、表面の多孔性の問題から、後天的に発生したひび割れを目視で確認する方法が主流となっておりひび割れを見易くしての探傷方法やそれに用いる探傷剤、表面処理剤及び試験片も存在せず、検査を行なう個人の技量により目視検査が実施されている。このため検査時のバラツキの大きな事が予想され安定した探傷検査の実施が必要である。なおコンクリートの表面ひび割れの目視検査に関する特許文献はあまり見当たらないが、公知の探傷方法として特許文献1がある。また陶器の素焼き状態での微小表面割れや表層での微小ひび割れの確認方法として(非特許文献1)の例があるがこの場合、コンクリート表面の小さな孔やひび割れを確認するには有効であるが、後天的に生じた大きなひび割れの確認には、コンクリートが多孔性の表面のため小さなひび割れや多孔性が表面全体に擬似欠陥を表示して識別が困難となる。
特願 2004−220270
非破壊検査便覧 日本非破壊検査協会 昭和45年2月13日 p727〜731 フィルタ作用を利用した多孔質物質の非破壊検査
コンクリートトンネルや橋梁の点検装置としてデジタルカメラと照明装置を組み合わせた大型の点検装置が近年採用されているが、装置が大型で費用も高価になるため適用範囲は制約されている。またカメラによる開口部分の観察のため、探傷剤を使用することは無く、ひび割れの開口幅の確認目標としては、0.2mm以上としている。
前記したようにコンクリート表面に発生したひび割れは10cmから30cmに近接しての目視検査により確認されているがこの場合でも0.02mm から0.2mm 程度のものは、観察明るさ、観察距離の観察条件を確保した上で観察しないと見落とす恐れがあるとされている。このため現状直接目視で識別が困難とされる初期段階でのひび割れ、0.02mmから0.2mm以下程度を見易く表示することがひび割れの早期確認、早期対策の上からも必要である。
前記したようにコンクリートの表面は、多孔性のため探傷剤を用いた時、本来のひび割れ以外の多孔性の表面に探傷剤が入り込み、擬似指示を形成してひび割れとの識別を困難にする。
本発明は、以上の問題や事情に鑑みて発明されたものであり、その解決しようとする問題点は、前記の目視で識別が困難とされる開口幅の小さな初期段階のひび割れ、開口幅0.02mmから0.2mm以下 程度のものを探傷剤および表面処理剤を用いて見易く表示することにより従来の近接目視推奨観察距離10cmから30cmを5m以上離れた距離で確認可能にする探傷方法を提供することである。さらに確認を必用とするひび割れを与えた試験片を用いる事により最適な検査条件を選択適用することを可能にした。
外的応力及び経年劣化により発生したコンクリートの初期段階のひび割れは、開口幅が0.02mmから0.2mmと小さな場合でも長さとして100mm以上の寸法があるため、ひび割れの視認性を向上させることができれば遠隔からの観察・確認も可能になる。しかしコンクリートは金属と異なり表面が多孔性なため、金属に適用可能な浸透探傷(PT)検査を適用する多孔性の全体に浸透してしまい、この結果、表面全体が変色してキズ表示をするため、ひび割れの識別が困難となる。また浸透探傷の検査剤は、一般に溶剤を使用しているため、換気の悪い場所では引火爆発や溶剤による作業員の中毒の危険性がある。このためコンクリート用探傷剤は、水分散媒の探傷剤として用いることにより引火爆発・中毒に対する安全性を確保するとともに、ひび割れ個所での指示模様がコンクリートの背景色に対してコントラストが大きく、彩度が高く、かつ蛍光性を有して指示模様を形成した時に識別し易くする事が必要である。また探傷剤を屋外で使用した時、自然界で分解する顔料を使用する事により探傷剤が環境に悪い影響を与え無い事も必要である。
水を分散媒とし界面活性剤を添加することにより浸透性を高めた探傷剤をコンクリート表面に流した時、開口幅の小さなひび割れ個所において、毛細管現象により探傷剤による浸透作用が生じ探傷剤中の着色粒子は、ひび割れ表面に吸着したり、又は目詰り現象を生じてひび割れ個所を見易く表示する。また多孔質表面のため着色粒子が孔部分に目詰り現象を生じて全体の輝度は上昇するが、ひび割れ開口部分においては、着色粒子が多く吸着したり目詰り現象により付着するため背景部分に対し輝度も高くなる。また探傷剤に添加する着色粒子の粒度を、確認目標とするひび割れ開口幅の寸法に対し50%から80%の寸法のものを選択することにより開口部での目詰り現象が生じ易くなる。又着色粒子の粒度をコンクリート表面の開口孔寸法よりも大きなものを選択する事により従来問題とされていた微小な多孔質表面での吸着、目詰り現象を小さくすることができ全体のバックグランドを改善する事が可能になる。
着色粒子は、尿素ホルマリン樹脂、メラミン樹脂、メタクリル酸樹脂、塩化ビニル樹脂、アルキッド樹脂などを主体に、ローダミンやフルオレッセントイエローなどの染料で着色し、硬化後、これを適切な粒度、確認しようとするひび割れ開口幅の寸法に対し50%から80%までの寸法に粉砕したものをコンクリート探傷剤への添加材とする。なお粉砕した添加材の形状は不定形でも良いが球形に近いほうが探傷剤として表面を流れる時、表面との摩擦抵抗が少なくなるため好ましい。又は、適切な比重・粒度を得るために、これらを着色顔料とし酸化鉄粉、鉄粉、アルミ粉、炭酸カルシウム粉などを芯物質として塩ビポリマー、塩ビ・酢ビコポリマー、ブチラール樹脂などでコーティングしたものでもよい。又、着色粒子及びコーティングに使用する樹脂は、ポリビニルアルコール系、セルロース系、アクリル系、一部のポリエステル系などを使用すると生物分解性が高くなり、環境に優しくなる。染料は対光性・対候性が比較的弱いものを使用すると、自然界での分解が容易になり同様に環境に優しくなる。
ひび割れの開口幅が0.2mm以上に大きくなると近接目視及び5m程度離れた距離での目視確認でも観察明るさを考慮すれば充分に識別可能となるため探傷剤に添加する着色粒子の大きさは0.02mmから0.2mm以下のひび割れが確認できる寸法を目標とする。更に大きな開口幅のひび割れに関しては、毛細管現象による浸透作用が減少する事、更に着色粒子の目詰り現象も生じにくくなるが水を分散媒とした探傷剤が乾燥する過程で、ひび割れ開口個所が周囲の乾燥状態に対して濡れた状態となり、黒色の指示模様を表示するため確認も容易となる事、また観察明るさを確保する事により直接目視での識別も可能である。
コンクリートは、多孔性な表面のため予め微細な孔やひび割れが表面に存在する。このため浸透性の高い液体で構成される浸透探傷剤等を使用すると、多孔性の表面が探傷剤を取り込み表面全体がキズ指示を表示してひび割れの確認の妨害をする。このためコンクリート特有の多孔性表面の微小孔等を削減することができればひび割れの識別を容易にすることができる。このため多孔性の表面部分に水を分散媒とし界面活性剤を添加した浸透作用の大きな液体を流して浸透させた後、そのまま又は乾燥させることにより微小孔に目詰り現象を生じさせて探傷剤が浸透しにくい状態にする。この結果、従来問題とされていた多孔性な表面のキズ指示を減少させることによりバックグランドが向上し、結果的にひび割れ指示が見易くなる。なおコンクリートに後天的に発生したひび割れは、多孔性の表面に比べると深さも大きく、又開口幅も大きなためコンクリートの多孔性の表面に比べて目詰り現象は生じにくい。このように多孔性の表面に対し、探傷剤を塗布する前に前処理剤を適用することにより、従来問題とされたバックグランドの上昇防止を可能にし、かつ、ひび割れ識別性の向上が可能になる。
また、本発明のコンクリート割れ試験片は、確認を目標とする数種類のひび割れを表面に加工したコンクリート試験片であって目視が困難とされるひび割れ0.02mmから0.05mm及び0.1mm、更に目視で容易に確認できる0.2mm以上のひび割れをレーザー又は切削用カッター等により加工したものである。本試験片を検査体に取り付けるか又は試験片を保持する架台に取り付けて検査体に探傷剤を吹き付ける際の最適条件や探傷剤の最適濃度、吹き付け時間を選択するのに使用することにより、これらひび割れが指示模様として遠隔目視観察で確認された時、ひび割れに対して適正な試験条件が実施された事が確認・保証される。また、近接で目視検査を行なう場合、試験片のひび割れが確認できる観察距離と観察明るさを確認後、同一条件でコンクリートの近接目視観察を行なう事により検査条件の標準化も可能となる。
上述したように本発明によるコンクリート用の探傷剤及び前処理剤を用いる事により、開口幅の小さなひび割れの目視検査精度を向上させることができ、従来、10cmから30cmに近接しての検査を5m以上に離しての目視確認が可能になるとともに、点検用の足場組立てが不要となり検査費用の削減と工期短縮が可能となる。
また本発明による探傷剤を遠方から吹き付けるに際して、実機探傷と同じ条件に目視困難な開口幅の少ないひび割れを有するコンクリート試験片を設置して試験片のひび割れが確認できる時、最適な探傷剤の吹き付け条件及び観察明るさ、観察距離を満足することを保証できる。
コンクリートのひび割れの表面図 コンクリートのひび割れの断面図 コンクリートへの探傷剤の適用状況図 コンクリート表面への前処理剤の適用断面図 コンクリートへの探傷剤適用後の表面図 コンクリートへの探傷剤適用後のA-A断面図 コンクリート割れ試験片の斜視図 コンクリート割れ試験片による探傷条件の確認状況図 コンクリート割れ試験片による探傷条件の確認後の状況斜視図
図1は、コンクリートのひび割れの表面図であり、図2はコンクリートひび割れの断面図である。コンクリートは、多孔性な表面であるため拡大観察すると小さなひび割れ2、小さな孔1が多数存在、大きなひび割れ3が存在する。
図3は、コンクリートへの探傷剤の適用状況、探傷剤6の着色粒子4、5が表面の孔1やひび割れ2、3に浸透、吸着する。
図4は、コンクリート表面への前処理剤7を塗布した状況を示す。コンクリート特有の表面の浅い孔1や浅いひび割れ2は前処理剤により目詰り現象を生じ、深さ及び開口幅の大きなひび割れ3は、目詰りを生じずに充分な幅と深さを残した状態になる。
図5は、コンクリートへの探傷剤の適用後の表面であり吸着及び目詰りした着色粒子4、5が彩度の高い指示8を形成する。
図6は、コンクリートへの探傷剤の適用後の断面図であり、着色粒子4、5が孔1や、ひび割れ3に吸着、浸透して彩度の高い割れ指示8を形成する。なお開口幅0.02mmから0.2mm以下程度のコンクリートのひび割れ3は、小さな孔1やひび割れ2に対して開口寸法が大きなため、毛細管現象により吸着及び目詰りする量も大きくなる。このため彩度が高く、割れ開口幅に対して目詰り現象の生じ易い最適粒度の着色粒子4、5を添加することにより周囲の細かな孔等に比べて彩度も高くなり識別の容易なひび割れ指示8を形成することができる。しかし、周囲の多孔性表面の彩度を低くできれば識別性はさらに容易になることが考えられる。
このため図4に示すように探傷剤を塗布する前にコンクリート表面に前処理剤を塗布又は塗布・乾燥させることにより多孔質の表面の細かな孔等を目詰りさせることにより、多孔性表面での着色粒子4、5の吸着や目詰りが減少するため、結果的にバックグランドが低下し、ひび割れ個所の輝度を確保することが可能になる。
また図6のように探傷剤6に予め確認しようとするひび割れ寸法に対応した大きさの着色粒子4や5を添加することにより、確認を必要とするひび割れ個所での探傷剤6の浸透作用による顔料の吸着や目詰りによりひび割れ指示8を容易に得ることができる。また検出目標として、現状のコンクリート産業界では最小0.05mm、最大0.2mmとされているが、近接目視で確認が困難とされる開口幅0.02mmから0.1mmを5m離れての検出の目標とする。このように検出しようとするひび割れ3の寸法を明確にし、開口ひび割れに対して目詰り現象が生じ易い開口幅寸法の50%から80%の大きさの着色粒子4、5を選択して添加した探傷剤6を図3に示すように流すことにより図5のごとくひび割れ指示8を見易く表示する事が可能になるとともに、コンクリート特有の表面の小さなきず1での目詰り現象を少なくすることが可能になる。
この結果、外的力の作用により生じたひび割れ3を初期発生の段階で容易に表示、確認する事ができ、更に探傷剤6の塗布前に図4に示すコンクリート表面の前処理を採用することにより従来問題とされたコンクリート特有の表面の細かな多孔性な表面のきず1、2を表示しにくくすることが可能になる。
本探傷方法は、金属表面のひび割れ確認に適用の浸透探傷試験のような洗浄、乾燥、浸透、乾燥、現像の複数工程を必要とせず探傷剤6のコンクリート表面での探傷剤6の流れにより、ひび割れ部分での浸透作用及び目詰り現象により図5及び図6に示すようにひび割れ指示模様8として確認できるため、コンクリート表面への前処理及び探傷剤の吹き付けの2工程でコンクリートに発生したひび割れを明瞭に表示することができる。なお開口寸法が0.2mm以上の大きなひび割れ3に関しては、約5m離れての目視でも観察・識別が容易である。なお着色粒子の色合いはコンクリートの表面色に対してコントラストが大きく彩度が高く、かつ蛍光性ものがひび割れを識別する上でも優れている。
なおひび割れが指示8として確認された時、紫外線を照射すると周囲に細かな開口がある場合、詳細を確認することも可能である。また着色粒子4、5は、放置しても自然界で分解する材質を採用する事により後処理を簡単にすることができるとともに環境破壊を生じない利点がある。
図7は、コンクリートのひび割れ試験片12の斜視図であり、近接目視でも確認が困難なひび割れ9、最小0.02mmから0.05mm、注意すれば確認可能なひび割れ10、0.1mm、充分確認可能なひび割れ11、0.2mm相当を加工した試験片。遠隔での探傷検査を適用する場合の探傷剤の適用条件及び観察条件として重要な観察明るさ、観察距離を求めるものである。
図8は、ひび割れ試験片12を試験体又は試験片の保持台13に保持して、実条件と同じ距離15から一律に探傷剤を加圧ポンプ等16を用いて吹き付けての遠隔での探傷状況を示す。探傷剤6が検査表面を一様に流れ14、遠隔では目視が困難なひび割れ9、10が目視で確認できる条件を求める場合の試験例を示す。
図9は、最適な試験条件を適用の結果、試験片12において確認が必要とされる0.02mmのひび割れ9、0.1mmのひび割れ10が指示模様として遠隔でのほぼ同一距離15の条件においての目視で確認できた時を示したもので、必要とする探傷条件(探傷剤の濃度、吹き付け条件)が満足されたことを保証する事ができる。
本発明の実施例1は、図6に示すように探傷剤に添加する着色粒子の大きさを調整することにより検出できるひび割れの大きさが異なってくる。探傷剤のベースである水の浸透性により着色粒子の小さな程、微細なひび割れへの浸透や目詰りも生じ易いがコンクリートの場合、金属と異なり予め細かなひび割れ1や孔2が存在するため、これらを無視して発生したひび割れ3のみを確認する事が重要となる。このため、ひび割れの確認精度は従来近接して目視を行なう場合に確認が必要とされる0.02mmから0.05mm8、0.1mm9が確認される条件とし、探傷剤も目標のひび割れ8、9に対して吸着及び目詰りが生じ易い寸法の着色粒子4、5及び必用な濃度を選択して使用する。
図4に示すようにコンクリートの多孔性の表面に対して前処理剤7を塗布した状況を示す。この結果、コンクリート特有の浅い孔1や浅いひび割れ2は前処理剤により目詰り現象を生じ、深さ及び開口幅の大きなコンクリートひび割れ3のみが、充分な幅と深さを残した状態になる。この結果、探傷剤を適用した時ひび割れ3が周囲のバックグランドに対し明瞭な指示を形成し判断識別を容易にする。
本発明の実施例2は、図7に示すように確認を目標とするひび割れを加工したコンクリート試験片12を作成、目標とするひび割れ9、10が確認できる条件を容易に求められるようにした。
開口幅が大きくなると着色粒子4、5の大きさを大きくする事が必要になるが、着色粒子が大きくなると重さも大きくなり浸透作用によるひび割れ3での吸着現象が困難になるため、吸着現象プラス目詰り現象によりひび割れ指示8の形成が必要である。このため遠隔目視で確認できる寸法のひび割れ相当を試験片に加工してこれらが割れ指示8として確認できる探傷条件を求めることが必要である。このため、ひび割れ試験片12には、検出目標のひび割れ9、10を有するとともに、5m離れた個所でも目視確認可能な開口幅のひび割れ相当11を併せて有する試験片とする。
本発明の実施例3は、図8に示すように探傷に際し、試験片12を試験対象とする場所に取り付けるか、又は取り付けが困難な場合は、試験体との距離に近い位置にひび割れ試験片12を試験片保持架台13に取り付けて置き、ひび割れ試験片12の検出しようとするひび割れ9、10が指示模様として確認できるよう探傷剤6を吹き付けて探傷剤6の流れ14を作り、ひび割れ9、10で指示を形成させる条件を求め、求められた条件により試験体への探傷剤6の塗布作業を実施する。この結果、最適条件の選択、適用により目標とするひび割れが指示模様として確認できる。本方法により個人差の生じにくい検査の実施が可能になる。
本発明の活用例として探傷剤6、コンクリート表面処理剤7及び試験条件の確認用ひび割れ試験片12は、従来表面の探傷試験が困難とされていた多孔質なコンクリートの表面に発生したひび割れ3の目視検査精度を向上させることにより、遠隔からのひび割れの検査・評価を行なう際に適用されるものである。更にコンクリート表面の目視検査の実施に際して、近接で目視確認を必用する最小ひび割れ9、及び近接で目視確認を必用とする開口幅の大きな割れ10を有するひび割れ試験片12を利用する事により、ひび割れ9、10を遠隔で目視確認するための最適方法の選択及び適用や最適検査方法が実施されている事を確認できることにある。例えばコンクリート橋梁、トンネル、道路の高所則面、電柱等に発生したひび割れを早期の段階で的確に検出することが可能となる。更にひび割れを見易くすることにより経年毎の点検において画像記録も容易になるため画像での比較確認も容易になる。維持管理における判断精度が向上するとともに、遠隔点検により点検コスト、工期短縮が可能になる。
1:コンクリート表面の孔
2:コンクリート表面の微細ひび割れ
3:確認が必要なコンクリートのひび割れ
4a:着色粒子
5b:着色粒子
6:探傷剤
7:表面前処理剤
8:ひび割れの指示模様
9:近接で目視確認を必要とする最小ひび割れ
10:近接で目視確認を必要とする開口幅の大きな割れ
11:遠隔で確認が可能なひび割れ
12:ひび割れ試験片
13:試験片保持架台
14:探傷剤の流れ
15:遠隔での検査距離
16:加圧ポンプ

Claims (6)

  1. コンクリート構造物において遠隔での目視確認が困難とされる開口幅が0.02mmから0.2mm以下のひび割れを検査の対象とするもので、水を分散媒とし、確認しようとするひび割れの開口幅に適応した粒子寸法のオレンジ色、グリーン色又は黄色の彩度の高い着色粒子を添加した探傷剤を検査体の表面に流す事により、分散媒の浸透作用によるひび割れ個所での着色粒子の吸着と目詰り現象の発生を容易にしたことを特徴とするコンクリート表面のひび割れ探傷剤。
  2. 請求項1における探傷剤へ添加する着色粒子として、ひび割れに吸着したり又は目詰りを生じた時、きず指示模様としての識別精度を確保するためにコンクリート背景色に対してコントラストが大きく、彩度が高く、かつ紫外線に反応して蛍光を発する素材を用いる。また着色粒子の素材としては、自然界において分解・消滅し自然環境に優しい素材であることを特徴とするコンクリートひび割れ確認用の探傷剤。
  3. 請求項2の探傷剤は、水を分散媒とすることにより、コンクリートのひび割れ個所での毛細管現象により着色粒子のひび割れへの吸着や目詰り現象により、検出目標とするひび割れを指示模様として表示し易い量の着色粒子を含有する。なお含有量は、1リットル当たり概ね2から10グラムを目標とするが、検出しようとするひび割れ試験片及び検査体であるコンクリート構造物の開口幅0.02mmから0.2mmの溝及びひび割れが目視で確認可能な濃度とした事を特徴とするコンクリート用ひび割れ確認用の探傷剤。
  4. 請求項3において検出しようとする開口幅寸法0.02mmから0.2mm以下のひび割れに対して50%から80%の寸法の着色粒子を添加することにより確認しようとするひび割れ個所での目詰り発生や探傷剤の浸透作用に伴う着色粒子の吸着現象の発生を容易にした事を特徴とするコンクリート用ひび割れ確認用の探傷剤。
  5. 請求項4において探傷剤を検査体であるコンクリート表面に塗布する前に、予め界面活性剤を添加し浸透し易くした水ベースの無色又は有色の浸透剤を検査体表面に塗布又は塗布・乾燥させることにより、結果的に浸透した表面処理剤がコンクリート表面の多孔質部分を充填することにより、多孔質部分での探傷剤の吸着、目詰り現象を低下させて、コンクリート表面でのきず指示の発生を少なくする事を特徴としたコンクリート用の表面処理剤。
  6. コンクリート表面のひび割れを検知するために使用される試験片であってその表面に予め確認したいひび割れに相当する開口幅0.02mmから0.2mmで深さ2mmから5mmのひび割れを模擬した溝をレーザー又は切削カッター加工により複数本加工したもので、探傷試験の最適条件を選択又は確認する事を可能にした事を特徴とする試験片。
JP2009029351A 2009-02-12 2009-02-12 コンクリートの表面探傷方法、それに用いる探傷剤、表面処理剤及び試験片 Pending JP2010185734A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009029351A JP2010185734A (ja) 2009-02-12 2009-02-12 コンクリートの表面探傷方法、それに用いる探傷剤、表面処理剤及び試験片

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009029351A JP2010185734A (ja) 2009-02-12 2009-02-12 コンクリートの表面探傷方法、それに用いる探傷剤、表面処理剤及び試験片

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010185734A true JP2010185734A (ja) 2010-08-26

Family

ID=42766482

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009029351A Pending JP2010185734A (ja) 2009-02-12 2009-02-12 コンクリートの表面探傷方法、それに用いる探傷剤、表面処理剤及び試験片

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010185734A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102323269A (zh) * 2011-05-23 2012-01-18 哈尔滨工业大学 基于假设检验的公路路面裂缝识别决策模型的建立方法
CN102507591A (zh) * 2011-10-27 2012-06-20 上海交通大学 一种用于混凝土结构的液压预警方法及装置
JP2013200148A (ja) * 2012-03-23 2013-10-03 Kajima Corp コンクリートの充填不良確認方法
JP2015049152A (ja) * 2013-09-02 2015-03-16 国立大学法人鳥取大学 コンクリート構造物のひび割れ検査方法
CN105043955A (zh) * 2015-06-04 2015-11-11 济南大学 采用荧光染料测定水泥基材料表面防护剂的渗透深度及渗透量的方法
CN108254294A (zh) * 2018-03-26 2018-07-06 杭州培聚教育科技有限公司 水泥基材料裂缝吸水过程可视化和吸水率测量装置及方法
WO2023282087A1 (ja) * 2021-07-08 2023-01-12 昭和電工株式会社 評価装置、評価方法及び評価プログラム
CN115656125A (zh) * 2022-10-20 2023-01-31 水利部交通运输部国家能源局南京水利科学研究院 一种混凝土隐裂纹显影延时型荧光激励溶液及使用方法
CN116793841A (zh) * 2023-06-26 2023-09-22 水利部交通运输部国家能源局南京水利科学研究院 混凝土构件启裂过程快速实时可视化方法与系统
CN117517175A (zh) * 2024-01-02 2024-02-06 中交基础设施养护集团工程有限公司 一种路面渗水性能检测装置及检测方法

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102323269A (zh) * 2011-05-23 2012-01-18 哈尔滨工业大学 基于假设检验的公路路面裂缝识别决策模型的建立方法
CN102507591A (zh) * 2011-10-27 2012-06-20 上海交通大学 一种用于混凝土结构的液压预警方法及装置
CN102507591B (zh) * 2011-10-27 2014-04-16 上海交通大学 一种用于混凝土结构的液压预警方法及装置
JP2013200148A (ja) * 2012-03-23 2013-10-03 Kajima Corp コンクリートの充填不良確認方法
JP2015049152A (ja) * 2013-09-02 2015-03-16 国立大学法人鳥取大学 コンクリート構造物のひび割れ検査方法
CN105043955A (zh) * 2015-06-04 2015-11-11 济南大学 采用荧光染料测定水泥基材料表面防护剂的渗透深度及渗透量的方法
CN108254294A (zh) * 2018-03-26 2018-07-06 杭州培聚教育科技有限公司 水泥基材料裂缝吸水过程可视化和吸水率测量装置及方法
CN108254294B (zh) * 2018-03-26 2024-05-10 杭州科以才成科技有限公司 水泥基材料裂缝吸水过程可视化和吸水率测量装置及方法
WO2023282087A1 (ja) * 2021-07-08 2023-01-12 昭和電工株式会社 評価装置、評価方法及び評価プログラム
CN115656125A (zh) * 2022-10-20 2023-01-31 水利部交通运输部国家能源局南京水利科学研究院 一种混凝土隐裂纹显影延时型荧光激励溶液及使用方法
CN115656125B (zh) * 2022-10-20 2023-04-14 水利部交通运输部国家能源局南京水利科学研究院 一种混凝土隐裂纹显影延时型荧光激励溶液及使用方法
CN116793841A (zh) * 2023-06-26 2023-09-22 水利部交通运输部国家能源局南京水利科学研究院 混凝土构件启裂过程快速实时可视化方法与系统
CN116793841B (zh) * 2023-06-26 2024-01-02 水利部交通运输部国家能源局南京水利科学研究院 混凝土构件启裂过程快速实时可视化方法与系统
CN117517175A (zh) * 2024-01-02 2024-02-06 中交基础设施养护集团工程有限公司 一种路面渗水性能检测装置及检测方法
CN117517175B (zh) * 2024-01-02 2024-03-12 中交基础设施养护集团工程有限公司 一种路面渗水性能检测装置及检测方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2010185734A (ja) コンクリートの表面探傷方法、それに用いる探傷剤、表面処理剤及び試験片
ATE553371T1 (de) Verfahren und anordnung zur erkennung von materialfehlern in werkstücken
CN105738378A (zh) 一种多功能自显像着色渗透剂及其应用
CN112697811A (zh) 一种低磁锚链的表面检查方法
US2635329A (en) Method of detecting cracks in porous surfaces
US9535012B2 (en) Method for the non-destructive testing of workpiece surfaces
US8901515B2 (en) Method for nondestructive testing of workpiece surfaces
DiMambro et al. Sonic infrared (IR) imaging and fluorescent penetrant inspection probability of detection (POD) comparison
CN108803267B (zh) 浸透探伤试验用速干式显影剂以及使用该显影剂的浸透探伤试验方法
US3184596A (en) Flaw detection method using a liquid solvent developer
CN102607473B (zh) 裂纹测深和监控的渗透检测方法及模拟试块
JP5093574B2 (ja) 浸透探傷試験方法
JP5999549B2 (ja) 浸透探傷試験用湿式現像剤及び該現像剤を用いた現像方法
CN103293218A (zh) 一种深孔环形件内壁磁粉检测系统灵敏度校验方法
KR100268596B1 (ko) 침투탐상 시험방법에 이용하는 고감도 침투액
JP2015114254A (ja) タービン翼検査方法及びタービン翼検査方法の決定方法
JP2017146177A (ja) 染色浸透液及び該染色浸透液を使用した浸透探傷試験方法
JPH02242142A (ja) 多孔質体の開口欠陥部の検出方法および記録方法
JP2008224241A (ja) 磁粉探傷方法
CN103350279B (zh) 搅拌摩擦焊接头弱连接缺陷制备方法
Nakagawa et al. Chemically induced reduction of fracture closure for shale fractures containing sub-monolayer proppant
JP7039404B2 (ja) 浸透探傷試験用速乾式現像剤及び該現像剤を使用した浸透探傷試験方法
JP2005195564A (ja) コンクリート構造物のクラック検査方法
CN106093061A (zh) 利用图谱进行单晶高温合金叶片腐蚀坑渗透检测的方法
RU2296982C1 (ru) Пенетрант для капиллярной люминесцентной дефектоскопии