JP2003156474A - 電気泳動用チップ及びそのチップを用いた電気泳動装置 - Google Patents

電気泳動用チップ及びそのチップを用いた電気泳動装置

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JP2003156474A
JP2003156474A JP2001354176A JP2001354176A JP2003156474A JP 2003156474 A JP2003156474 A JP 2003156474A JP 2001354176 A JP2001354176 A JP 2001354176A JP 2001354176 A JP2001354176 A JP 2001354176A JP 2003156474 A JP2003156474 A JP 2003156474A
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light
lens
separation channel
electrophoresis
chip
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Chisato Yoshimura
千里 吉村
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Brother Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気泳動装置の光学系検出手段の構成を簡略
化して、その組立、製造コストを低下させることができ
る電気泳動用チップ及びその電気泳動用チップを用いた
電気泳動装置を提供することである。 【解決手段】 電気泳動用チップ1は、透明板状の基板
2と、その基板2の上面に水密状態に接合された接合板
3とによって構成され、その基板の2の上面には試料を
電気泳動させる分離流路4及びこれと直交する試料導入
流路5が形成される。また、前記接合板3において、前
記分離流路4の一部範囲の真上に対応する上面には、光
源12から発光した光を入射して前記分離流路4の試料
部分に集光させる入射用シリンドリカルレンズ11が接
合板3と一体に形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、極微量のタンパク
質や核酸等を高速、かつ高分解能にて分析する場合に利
用される電気泳動用チップに関し、さらに詳しくは、基
板に形成した流路をキャピラリーとして用いるキャピラ
リー電気泳動用チップ及びその電気泳動用チップを用い
た電気泳動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の電気泳動用チップ及びそ
の電気泳動用チップを用いた電気泳動装置として、例え
ば、特許第3077609号公報に示されるように、試
料を注入する注入孔及び試料を排出もしくは溜める排出
孔を有し、かつその注入孔と排出孔とを連結する分離流
路を一面に有する板状部材の電気泳動用チップを用い、
その分離流路に予め注入孔から泳動液を注入して充填さ
せ、その状態で、前記注入孔から分析用の試料を注入し
て、前記分離流路の両端に所定の電圧を印加することに
より、前記試料を分離流路中にて泳動させて目的成分毎
に分離させ、その分離後に、電気泳動装置の光学系検出
手段によって前記試料の各目的成分を検出するようにし
たものが見受けられる。
【0003】そして、前記光学系検出手段として、光源
から出射した光をシリンドリカルレンズで平行光にして
バンドパスフィルターに入射し、このフィルターを透過
して特定の波長のみとなった光をシリンドリカルレンズ
によって前記電気泳動用チップの前記分離流路に集光さ
せるように入射させ、その分離流路を透過した光を別に
設けられたシリンドリカルレンズにより平行光にして、
その光を光検出用のフォトセルアレイに入射させ、その
フォトセルアレイの検出素子としての多数のフォトダイ
オードにより光検出するようにしたものが示されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の電気泳動用
チップを用いた電気泳動装置によれば、前記光学系検出
手段として、光源の光を前記電気泳動用チップの前記分
離流路に集光入射させるための前記シリンドリカルレン
ズと、前記分離流路から出社した光を平行光にして前記
フォトセルアレイに入射させるもう一つのシリンドリカ
ルレンズとを備えているので、その光学系検出手段の構
成が複雑、かつ大掛かりとなり、その組立、製造コスト
が高くなる問題点が指摘される。
【0005】然るに、本発明は、前記従来の問題点を解
消するためになされたものであり、電気泳動用チップそ
のももに集光レンズの機能をもたせることにより、電気
泳動装置の前記光学系検出手段の構成を簡略化して、そ
の組立、製造コストを低下させることができる電気泳動
用チップ及びその電気泳動用チップを用いた電気泳動装
置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の請求項1の電気泳動用チップは、透明板状
部材の内部に試料を導く分離流路が形成され、その分離
流路に光照射手段から発光された光を照射して前記試料
の分析を行うことに用いるものを対象として、前記分離
流路に対応する前記透明板状部材の表面部に、前記光照
射手段から発光された光を入射して前記分離流路に集光
させる入射用レンズを設けたことを特徴とする。従っ
て、この構成によれば、光照射手段から入射された光を
前記透明板状部材の表面部に直接設けられた前記入射用
レンズによって前記分離流路に集光させることができ、
これによって、電気泳動装置の前記光学系検出手段には
前記入射レンズに相当するレンズを特別に設ける必要が
ないため、その光学系検出手段の構成を簡略化させるこ
とができる。
【0007】また、請求項2の電気泳動用チップは、前
記入射用レンズを前記透明板状部材と共に樹脂材料によ
って一体に成形したことを特徴とする。従って、この構
成によれば、射出成形手段を用いて前記入射用レンズを
前記透明板状部材と共に容易、かつ安価に一体形成する
ことができる。
【0008】また、請求項3の電気泳動用チップは、前
記分離流路に対応する前記入射用レンズと反対側の前記
透明板状部材の表面部に、前記分離流路を透過した光を
光検出手段に出射する出射用レンズを設けたことを特徴
とする。従って、この構成によれば、光照射手段から入
射された光を前記透明板状部材の表面部に直接設けられ
た前記入射用レンズによって前記分離流路に集光させた
後、その分離流路を経た光を前記出射用レンズによって
前記光検出手段に出射することができる。このため、電
気泳動装置の前記光学系検出手段には前記入射レンズに
相当するレンズ及び出射レンズに相当するレンズを特別
に設ける必要がなく、その光学系検出手段の構成を一層
簡略化、かつ小型化することができる。
【0009】また、請求項4の電気泳動用チップは、前
記出射用レンズを前記透明板状部材と共に樹脂材料によ
って一体に成形したことを特徴とする。従って、この構
成によれば、射出成形手段を用いて前記出射用レンズを
前記透明板状部材と共に容易、かつ安価に一体形成する
ことができる。
【0010】また、請求項5の電気泳動用チップは、前
記入射用レンズもしくは出射用レンズをシリンドリカル
レンズもしくは凸レンズによって構成したことを特徴と
する。従って、この構成によれば、前記入射用レンズも
しくは出射用レンズを一般的なシリンドリカルレンズも
しくは凸レンズの構成、製法に準じて前記透明板状部材
に容易に設けることができる。
【0011】さらに、請求項6の電気泳動装置によれ
ば、請求項1乃至5のいずれかに記載の電気泳動用チッ
プと、前記電気泳動用チップの入射用レンズを通じて分
離流路に照射するための光を発光する光照射手段と、前
記分離流路を透過もしくは分離流路から反射した光を検
出する光検出手段とを備えたことを特徴とする。従っ
て、この構成によれば、前記光照射手段から出射された
光を前記透明板状部材の表面部に直接設けられた前記入
射用レンズによって前記分離流路に集光させ、その分離
流路を透過した光もしくは分離流路から反射した光を光
検出手段に出射してその光検出手段より試料の光検出を
行う。これによって、電気泳動装置の前記光学系検出手
段には前記入射レンズ、あるいは出射レンズに相当する
レンズを特別に設ける必要がないため、その光学系検出
手段を中心に電気泳動装置の構成を簡略化、かつ小型化
することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を具体化した電気
泳動用チップ及びその電気泳動用チップを用いた電気泳
動装置について図面を参照しながら説明する。先ず、本
願の発明が対象とする電気泳動用チップの構成から説明
する。
【0013】先ず、本発明を具体化した第1の実施形態
を図1乃至図3に基づいて説明する。図1は電気泳動用
チップの斜視図を示し、図2は図1のAーA線における
拡大断面図を示し、図3は電気泳動装置の分解斜視図を
示している。図1び図2において、チップ化された電気
泳動用チップ1は、矩形の基板2と、その基板2の上面
に水密状態に接合された接合板3とによって構成され
る。
【0014】前記基板2は、ポリメチルメタクリレー
ト、ポリスチレン等の透明性及び蛍光特性の面で優れた
アクリル系樹脂、スチレン系樹脂等の熱可塑性樹脂材料
を用いて射出成形機により一体に長方形状に成形され
る。その基板2には、その上面の略中央においてその長
手方向に延長された分離流路4と、その分離流路4の一
端部側に近い位置で略直角に交差し、かつその交差部が
分離流路4に連通する試料導入流路5とが形成される。
また、前記分離流路4の内前記試料導入流路5との交差
部の一側の長い部分に対応してその下面には、前記分離
流路4の中心部から下方に末広がり状に出射した光を入
射してその光を平行光として下方に出射する略蒲鉾状の
出射用シリンドリカルレンズ(出射用レンズ)6が基板
2と一体に形成される。なお、前記基板2の板厚は、約
0.5mm〜2mm程度に設定され、また、前記分離流
路4及び試料導入流路5の幅は、約20μm〜500μ
m程度、深さは、約10μm〜200μm程度に設定さ
れる。
【0015】一方、前記基板2に対して前記分離流路4
及び試料導入流路5が形成された上面側に水密状態に接
合される前記接合板3は、前記基板2の材料と全く同じ
熱可塑性樹脂材料を用いて射出成形機により基板2と同
一の長方形状に形成される。その接合板3において、前
記基板2の前記分離流路4の一端部に対応する位置に
は、分離用緩衝液、分離用高分子ゲル、分離用緩衝液等
の泳動液を注入する注入孔7が一面から他面側に貫通形
成され、同分離流路4の他端部に対応する位置には排出
孔8が同様に貫通形成される。また、前記試料導入流路
6の一端部に対応する位置には、アミノ酸、タンパク
質、核酸等の荷電性物質を含む試料を注入する注入孔9
が同様に貫通形成され、同試料導入流路6の他端部に対
応する位置には排出孔10が同様に貫通形成される。
【0016】また、前記接合板3において、前記基板2
の前記出射用シリンドリカルレンズ6の真上に対応する
上面には、その出射用シリンドリカルレンズ6と長さ、
幅及び円弧半径が略等しい略同一形状の入射用シリンド
リカルレンズ(入射用レンズ)11が接合板3と一体に
形成される。その入射用シリンドリカルレンズ11は、
その真上から下方に平行に入射した光を前記基板2の分
離流路4の略底面中心部に集光結像させる。そして、光
が集光される前記分離流路4の略底面中心部を基準とし
て、前記入射用シリンドリカルレンズ11及び出射用シ
リンドリカルレンズ6の各円弧頂点までの距離が略等し
く設定されている。従って、前記接合板3の上方から前
記入射用シリンドリカルレンズ11に平行光として入射
された光は、一旦前記分離流路4の略底面中心部にて集
光された後、その下方で末広がり状に広がって前記出射
用シリンドリカルレンズ6に入射され、この出射用シリ
ンドリカルレンズ6からは平行光として下方に出射され
る。
【0017】なお、前記接合板3の板厚は、本実施形態
場合、光を前記のように導く関係で、図2に示されるよ
うに、前記基板2の板厚より薄く設定されている。しか
しながら、前記したように、前記分離流路4における集
光結像点と前記各シリンドリカルレンズ6,11の各円
弧頂点までの距離が略等しく設定されていれば、前記基
板2及び接合板3の板厚を任意に設定することができ
る。また、その接合板3の前記基板2に対する接合は、
接着剤や、熱溶着によって行ってもよいし、本出願人の
出願に係る特願2001−312371号に記載された
所謂2色成形によって成形と同時に行ってもよい。
【0018】なお、図示はしないが、前記基板2と接合
板3との間において、前記注入孔7、9び排出孔8、1
0と対応する位置には、前記分離流路4及び試料導入流
路5に試料泳動用の電圧を印加するためにそれぞれ電極
が固定的に設けられ、また、それら各電極には個別の配
線の一端部が接続され、それらの配線の他端部が基板2
及び接合板3の接合部の外周面から露出する各端子にそ
れぞれ個別に接続されている。
【0019】次に、前記気泳動用チップ1を用いて試料
の検出を行うための電気泳動装置の光学系検出手段につ
いて図3を参照しながら説明する。
【0020】前記電気泳動用チップ1が配置される部分
の上方には、前記入射用シリンドリカルレンズ12の長
さに対応する前記分離流路4の一定範囲を光照射するた
めに、前記分離流路4に沿って直線状に延びた光を発光
する光源(光照射手段)12と、その光源12の発光光
を入射してその光を平行光として下方に出射するシリン
ドリカルレンズ13と、そのレンズ13からの平行光を
透過させてその光を特定の波長の光として出射するバン
ドパスフィルター14とが設けられる。また、前記電気
泳動用チップ1が配置される部分の下方には、前記出射
用シリンドリカルレンズ6から出射された光を検出する
フォトセルアレイ(光検出手段)15が設けられる。前
記フォトセルアレイ15には、前記分離流路5の長手方
向に沿って検出素子としての多数のフォトダイオード
(図示せず)が一直線状に配列されている。前記多数の
フォトダイオードは電気泳動装置の制御装置としてのC
PU(図示せず)に接続されている。
【0021】本実施形態は以上に説明したように構成さ
れている。前記電気泳動用チップ1を用いた試料の検
出、分析は公知の方法に基づいて行われるものである
が、以下にこの点について概略説明する。
【0022】先ず、電気泳動用チップ1の分離流路4に
注入孔7から分離用緩衝液、分離用高分子ゲル、分離用
緩衝液等の泳動液を注入して前記試料導入流路5にも充
填しておき、その状態で、試料導入流路5に注入孔9か
らアミノ酸、タンパク質、核酸等の荷電性物質を含む試
料を注入する。そして、前記試料導入流路5の両端に対
応する電極に電圧を印加して前記試料を排出孔10側に
向かって泳動させ、前記分離流路4との交差点に達した
段階で、分離流路4の両端の電極に電圧印加を切り換え
て前記交差点に位置する試料を排出孔8側に向かって分
離流路4内を泳動させ、その過程で、その電荷や、分子
量の差等により各目的成分に分離し、この分離した段階
で分離流路4の電極に対する電圧印加を停止する。これ
によって、前記試料の電気泳動が停止され、分離された
各目的成分はそれぞれ泳動した位置に留まる。
【0023】この状態で、光源12から発光した光を、
シリンドリカルレンズ13及びバンドパスフィルター1
4を介して電気泳動用チップ1の入射用シリンドリカル
レンズ11に平行光として入射すると、その平行光は入
射用シリンドリカルレンズ11によって分離流路4の略
底面中心部に集光結像、つまり、試料の目的成分が存在
する位置で集光結像され、この目的成分を透過した光は
末広がり状態となって出射用シリンドリカルレンズ6に
入射され、その出射用シリンドリカルレンズ6から平行
光となって出射されてフォトセルアレイ15に入射され
る。この状態で、CPUに基づく制御によりフォトセル
アレイ15を繰り返し走査して、前記試料の各目的成分
の検出を行う。
【0024】次に、本発明を具体化した第2の実施形態
を図4乃至図6に基づいて説明する。図4は電気泳動用
チップの斜視図を示し、図5は図1のBーB線における
拡大断面図を示し、図6は一部を切断して示す電気泳動
装置の模式図を示している。なお、前記実施形態のもの
と同様の部分は同様の名称及び符号を援用する。
【0025】図4び図5において、チップ化された電気
泳動用チップ16は、矩形の基板17と、その基板17
の上面に水密状態に接合された接合板18とによって構
成される。前記基板17は、前記実施形態の基板2と同
様の材料によって同様に形成され、その上面には交差す
る分離流路4及び試料導入流路5が設けられる。一方、
前記接合板18は、前記実施形態の接合板3と同様の材
料によって同様に形成され、前記分離流路4の両端部に
対応して注入孔7及び排出孔8が貫通形成されると共
に、前記試料導入流路5の両端部に対応して注入孔9及
び排出孔10が貫通形成される。また、前記接合板18
において、前記排出孔10に近い位置であって前記分離
流路4の上方に対応する上面には、半球形状の凸レンズ
(入射用レンズ)19が前記接合板18と一体的に形成
される。前記凸レンズ19は、その真上から下方に平行
に入射した光を前記基板17の分離流路4の略底面中心
部の一点に集光結像させ、かつその結像点から反射した
光を上方に平行光として出射させる。
【0026】次に、前記気泳動用チップ16を用いて試
料の検出を行うための電気泳動装置の光学系検出手段に
ついて図6を参照しながら説明する。本実施形態は、前
記実施形態と異なり、前記分離流路4の一点を光照射し
てその反射光を検出するようになっている。そのため
に、ビーム状のレーザ光を略水平に出射するレーザ光源
20と、そのレーザ光源20から出射されたレーザ光を
略直角に反射させて前記凸レンズ19の略中心部に真上
から入射させるように略45゜に傾斜配置されたハーフ
ミラー21と、前記分離流路4内の試料から反射して前
記凸レンズ19から平行光として上方に出射し、かつ前
記ハーフミラー21を上方に透過した反射光を集光結像
される集光レンズ22と、その集光レンズ22による反
射光の集光結像点に対応する位置に設けられ、かつ前記
反射光を検出する光検出手段としてのフォトマル23と
が備えられる。なお、前記ハーフミラー21は、周知の
ように、入射した光の約50%を反射し、かつ約50%
を透過させる作用を有する。また、前記フォトマル23
も、周知のように、入射した光を検出してCPUとの協
働により光の強弱乃至光反射率等をモニターする機能を
有する。このフォトマル23に代えてフォトダイオード
を光検出手段として用いてもよい。
【0027】本実施形態は以上のように構成される。前
記実施形態のものでは、分離流路4内の試料を電気泳動
させて目的成分毎に分離した後、その泳動を一旦停止さ
せて各目的成分を同時的に光検出するようにしたが、本
実施形態のものは、前記分離流路4内の試料の電気泳動
を停止させることなく、その目的成分を順次一点の検出
位置に電気泳動させ、この位置において泳動する各目的
成分を順次光検出するものである。
【0028】なお、本実施形態では、前記凸レンズ19
を通して前記分離流路4内を泳動する試料の各目的成分
に光を照射し、その各目的成分そのものから反射した光
を検出するようにしているので、前記目的成分が特に透
明に近いものであれば、それからの反射光は極めて微弱
となり、光検出を精度よく行うことができなくなる。そ
のため、望ましくは、前記分離流路4の溝底面に光反射
手段、例えば、アルミニウムを蒸着したり、アルミニウ
ム箔や、アルミニウム板等を配置するとよい。このよう
にすると、反射光量が増して前記透明に近い目的成分の
光検出の精度を高めることができる。
【0029】次に、本発明を具体化した第3の実施形態
を図7に基づいて説明する。図7は電気泳動用チップ及
び光学系検出手段の要部断面図である。なお、前記各実
施形態のものと同様の部分は同様の名称及び符号を援用
する。
【0030】電気泳動用チップ24は、前記第1の実施
形態の電気泳動用チップ1の出射用シリンドリカルレン
ズ6が存在しない以外は、その電気泳動用チップ1の基
板2及び接合板4と同一構成の基板25及び接合板26
の接合一体物によって構成されている。従って、その基
板25には、分離流路4のほか、図示しない試料導入流
路が設けられ、また、前記接合板26には、入射用シリ
ンドリカルレンズ11のほかに、図示しない泳動液の注
入孔や、排出孔、試料の注入孔や、排出孔がそれぞれ貫
通形成されている。また、前記電気泳動チップ24の上
方には、図示しないが、前記第1の実施形態と同一の光
源、シリンドリカルレンズ、バンドパスフィルター等が
配置されている。
【0031】一方、前記電気泳動用チップ24の下方に
は、短冊形状のセルフォックレンズアレイ27が設けら
れ、さらにその下方には、前記第1の実施形態と同一の
フォトセルアレイ15が設けられる。前記セルフォック
レンズアレイ27は、前記入射用シリンドリカルレンズ
11に対応する下方に配置されていて少なくともその入
射用シリンドリカルレンズ11と同等の長さを有し、記
記分離流路4の溝底面中央部で集光結像された後その下
方に末広がり状に出射した光を入射して前記フォトセル
アレイ15の光検出部に集光結像させる。
【0032】以上のように構成された本実施形態によれ
ば、前記分離流路4の試料の存在部分で集光結像させた
光を前記セルフォックレンズアレイ27によって再び前
記フォトセルアレイ15の光検出部に集光結像させるよ
うにしたので、そのフォトセルアレイ15の光検出部に
おける光検出精度を格段に高めることができる。
【0033】本発明は、前記各実施形態に限定されるも
のではなく、本発明の構成、趣旨を逸脱しない範囲で種
々の変更が可能である。例えば、前記第2の実施形態の
ように、電気泳動用チップに凸レンズを使用したものに
おいて、その凸レンズに入射する光の光源を凸レンズの
真上に設けると共に、その凸レンズと前記光源との間に
その光源からの光を平行光にして前記凸レンズに入射さ
せる光学手段を設け、そして、前記電気泳動チップの下
方には、前記凸レンズによって分離流路の試料部分で集
光結像された後その下方に透過した末広がり状の光を集
光させる集光レンズと、その集光レンズによって集光結
像される位置に検出素子を有するフォトマルや、フォト
ダイオードとを設けた構成としてもよい。
【0034】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の請求項1
の電気泳動用チップによれば、透明板状部材の内部に形
成された分離流路に対応する前記透明板状部材の表面部
に、光照射手段から発光された光を入射して前記分離流
路に集光させる入射用レンズを設けたので、光照射手段
から入射された光を前記透明板状部材の表面部に直接設
けられた前記入射用レンズによって前記分離流路に集光
させることができ、これによって、電気泳動装置の光学
系検出手段には前記入射レンズに相当するレンズを特別
に設ける必要がないため、その光学系検出手段の構成を
簡略化させることができる。
【0035】また、請求項2の電気泳動用チップによれ
ば、前記入射用レンズを前記透明板状部材と共に樹脂材
料によって一体に成形したので、射出成形手段を用いて
前記入射用レンズを前記透明板状部材と共に容易、かつ
安価に一体形成することができる。
【0036】また、請求項3の電気泳動用チップによれ
ば、前記分離流路に対応する前記入射用レンズと反対側
の前記透明板状部材の表面部に、前記分離流路を透過し
た光を光検出手段に出射する出射用レンズを設けたの
で、光照射手段から入射された光を前記透明板状部材の
表面部に直接設けられた前記入射用レンズによって前記
分離流路に集光させた後、その分離流路を経た光を前記
出射用レンズによって前記光検出手段に出射することが
でき、電気泳動装置の前記光学系検出手段には前記入射
レンズに相当するレンズ及び出射レンズに相当するレン
ズを特別に設ける必要がなく、その光学系検出手段の構
成を一層簡略化、かつ小型化することができる。
【0037】また、請求項4の電気泳動用チップによれ
ば、前記出射用レンズを前記透明板状部材と共に樹脂材
料によって一体に成形したので、射出成形手段を用いて
前記出射用レンズを前記透明板状部材と共に容易、かつ
安価に一体形成することができる。
【0038】また、請求項5の電気泳動用チップによれ
ば、前記入射用レンズもしくは出射用レンズをシリンド
リカルレンズもしくは凸レンズによって構成したので、
前記入射用レンズもしくは出射用レンズを一般的なシリ
ンドリカルレンズもしくは凸レンズの構成、製法に準じ
て前記透明板状部材に容易に設けることができる。
【0039】さらに、請求項6の電気泳動装置によれ
ば、請求項1乃至5のいずれかに記載の電気泳動用チッ
プと、前記電気泳動用チップの入射用レンズを通じて分
離流路に照射するための光を発光する光照射手段と、前
記分離流路を透過もしくは分離流路から反射した光を検
出する光検出手段とを備えたものであるため、前記光照
射手段から出射された光を前記透明板状部材の表面部に
直接設けられた前記入射用レンズによって前記分離流路
に集光させ、その分離流路を透過した光もしくは分離流
路から反射した光を光検出手段に出射してその光検出手
段より試料の光検出を行うことができ、電気泳動装置の
前記光学系検出手段には前記入射レンズ、あるいは出射
レンズに相当するレンズを特別に設ける必要がなく、そ
の光学系検出手段を中心に電気泳動装置の構成を簡略
化、かつ小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の電気泳動用チップの
斜視図である。
【図2】図1のAーA線における拡大断面図である。
【図3】電気泳動装置の分解斜視図である。
【図4】本発明の第2の実施形態の電気泳動用チップの
斜視図である。
【図5】図2のBーB線における拡大断面図である。
【図6】一部を切断して示す電気泳動装置の模式図であ
る。
【図7】本発明の第3の実施形態の電気泳動装置の要部
断面図である。
【符号の説明】
1 電気泳動用チップ 2 基板 3 接合板 4 分離流路 6 出射用シリンドリカルレンズ 11 入射用シリンドリカルレンズ 12 光源 15 フォトセルアレイ 16 電気泳動用チップ 19 凸レンズ 20 レーザ光源 23 フォトマル 24 電気泳動用チップ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明板状部材の内部に試料を導く分離流
    路が形成され、その分離流路に光照射手段から発光され
    た光を照射して前記試料の分析を行うことに用いる電気
    泳動用チップにおいて、 前記分離流路に対応する前記透明板状部材の表面部に、
    前記光照射手段から発光された光を入射して前記分離流
    路に集光させる入射用レンズを設けたことを特徴とする
    電気泳動用チップ。
  2. 【請求項2】 前記入射用レンズを前記透明板状部材と
    共に樹脂材料によって一体に成形したことを特徴とする
    請求項1に記載の電気泳動用チップ。
  3. 【請求項3】 前記分離流路に対応する前記入射用レン
    ズと反対側の前記透明板状部材の表面部に、前記分離流
    路を透過した光を光検出手段に出射する出射用レンズを
    設けたことを特徴とする請求項1もしくは2に記載の電
    気泳動用チップ。
  4. 【請求項4】 前記出射用レンズを前記透明板状部材と
    共に樹脂材料によって一体に成形したことを特徴とする
    請求項3に記載の電気泳動用チップ。
  5. 【請求項5】 前記入射用レンズもしくは出射用レンズ
    をシリンドリカルレンズもしくは凸レンズによって構成
    したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載
    の電気泳動用チップ。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれかに記載の電気
    泳動用チップと、 前記電気泳動用チップの入射用レンズを通じて分離流路
    に照射するための光を発光する光照射手段と、 前記分離流路を透過もしくは分離流路から反射した光を
    検出する光検出手段とを備えたことを特徴とする電気泳
    動装置。
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