JPH09292332A - 表面プラズモンセンサー - Google Patents

表面プラズモンセンサー

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JPH09292332A
JPH09292332A JP10530196A JP10530196A JPH09292332A JP H09292332 A JPH09292332 A JP H09292332A JP 10530196 A JP10530196 A JP 10530196A JP 10530196 A JP10530196 A JP 10530196A JP H09292332 A JPH09292332 A JP H09292332A
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昌之 納谷
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    • G01N21/00Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
    • G01N21/17Systems in which incident light is modified in accordance with the properties of the material investigated
    • G01N21/55Specular reflectivity
    • G01N21/552Attenuated total reflection
    • G01N21/553Attenuated total reflection and using surface plasmons

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多数の試料についての分析を一度にまとめて
行なうことができ、またチャンネル間の光量ばらつきを
無くして高い分析精度を確保でき、そして比較的低コス
トで形成され得る表面プラズモンセンサーを得る。 【解決手段】 プリズム10と、その一面に形成されて試
料11に接触させられる金属膜12と、1本の光ビーム13を
発生させる光源14と、光ビーム13をプリズム10に通し、
プリズム10と金属膜12との界面10aに対して種々の入射
角が得られるように入射させる光学系15と、界面10aで
全反射した光ビーム13の強度を、種々の入射角毎に検出
可能な光検出手段16とを備えてなる表面プラズモンセン
サーにおいて、プリズム10に入射する前の光ビーム13
を、光偏向手段17により、界面10aの相異なる箇所に順
次入射するように偏向させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面プラズモンの
発生を利用して試料中の物質を定量分析する表面プラズ
モンセンサーに関し、特に詳細には、一度に複数試料に
ついての分析を行なえるようにした表面プラズモンセン
サーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】金属中においては、自由電子が集団的に
振動して、プラズマ波と呼ばれる粗密波が生じる。そし
て、金属表面に生じるこの粗密波を量子化したものは、
表面プラズモンと呼ばれている。
【0003】従来より、この表面プラズモンが光波によ
って励起される現象を利用して、試料中の物質を定量分
析する表面プラズモンセンサーが種々提案されている。
そして、それらの中で特に良く知られているものとし
て、 Kretschmann配置と称される系を用いるものが挙げ
られる(例えば特開平6−167443号参照)。
【0004】上記の系を用いる表面プラズモンセンサー
は基本的に、プリズムと、このプリズムの一面に形成さ
れて試料に接触させられる金属膜と、光ビームを発生さ
せる光源と、上記光ビームをプリズムに通し、該プリズ
ムと金属膜との界面に対して種々の入射角が得られるよ
うに入射させる光学系と、上記の界面で全反射した光ビ
ームの強度を種々の入射角毎に検出可能な光検出手段と
を備えてなるものである。
【0005】なお上述のように種々の入射角を得るため
には、比較的細い光ビームを偏向させて上記界面に入射
させてもよいし、あるいは光ビームに種々の角度で入射
する成分が含まれるように、比較的太い光ビームを上記
界面で集束するように入射させてもよい。前者の場合
は、光ビームの偏向にともなって反射角が変化する光ビ
ームを、光ビームの偏向に同期移動する小さな光検出器
によって検出したり、反射角の変化方向に沿って延びる
エリアセンサによって検出することができる。一方後者
の場合は、種々の反射角で反射した各光ビームを全て受
光できる方向に延びるエリアセンサによって検出するこ
とができる。
【0006】上記構成の表面プラズモンセンサーにおい
て、光ビームを金属膜に対して全反射角以上の特定入射
角θSPで入射させると、該金属膜に接している試料中に
電界分布をもつエバネッセント波が生じ、このエバネッ
セント波によって金属膜と試料との界面に表面プラズモ
ンが励起される。エバネッセント光の波数ベクトルが表
面プラズモンの波数と等しくて波数整合が成立している
とき、両者は共鳴状態となり、光のエネルギーが表面プ
ラズモンに移行するので、プリズムと金属膜との界面で
全反射した光の強度が鋭く低下する。
【0007】この現象が生じる入射角θSPより表面プラ
ズモンの波数が分かると、試料の誘電率が求められる。
すなわち表面プラズモンの波数をKSP、表面プラズモン
の角周波数をω、cを真空中の光速、εm とεs をそれ
ぞれ金属、試料の誘電率とすると、以下の関係がある。
【0008】
【数1】
【0009】試料の誘電率εs が分かれば、所定の較正
曲線等に基づいて試料中の特定物質の濃度が分かるの
で、結局、上記反射光強度が低下する入射角θSPを知る
ことにより、試料中の特定物質を定量分析することがで
きる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、以上説明し
たタイプの表面プラズモンセンサーを使用する場合、作
業能率を高めるために、複数の試料についての分析を一
度にまとめて行ないたいという要求がある。そのため
に、1つの光源から発生させた光ビームを複数本に分割
したり、複数の発光部を有する特殊な光源を用いる等に
より、複数本の光ビームをプリズムの金属膜形成面に同
時入射させてマルチチャンネル化することが考えられ
る。
【0011】しかし、そのようにした場合は、光ビーム
の光量がチャンネル間でばらつくことがあり、そのため
に分析誤差が生じるおそれがある。また、特に1つの光
源から発生させた光ビームを複数本に分割して利用する
場合は、各チャンネルの光量を十分に確保するための制
約から、チャンネル数を余り多くすることができないと
いう問題もある。複数の発光部を有する光源を用いる場
合は、このような問題は起きないが、その代わり、特殊
な光源を用いることから装置コストが高くなるという問
題がある。
【0012】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
であり、多数の試料についての分析を一度にまとめて行
なうことができ、またチャンネル間の光量ばらつきを無
くして高い分析精度を確保でき、そして比較的低コスト
で形成され得る表面プラズモンセンサーを提供すること
を目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明による第1の表面
プラズモンセンサーは、請求項1に記載の通り、前述し
たようなプリズムと、金属膜と、1本の光ビームを発生
させる光源と、光学系と、光検出手段とを備えてなる表
面プラズモンセンサーにおいて、プリズムに入射する前
の光ビームを、プリズムと金属膜との界面の相異なる箇
所に順次入射するように偏向させる光偏向手段が設けら
れたことを特徴とするものである。
【0014】また、本発明による第2の表面プラズモン
センサーは、請求項2に記載の通り上記第1の表面プラ
ズモンセンサーにおいて、光学系が、プリズムと金属膜
との界面で全反射した光ビームを、その偏向の角度によ
らず一定の位置に集光するように構成されていることを
特徴とするものである。
【0015】
【発明の効果】本発明の表面プラズモンセンサーにおい
ては、光偏向手段によって偏向された光ビームが、プリ
ズムと金属膜との界面の相異なる箇所に順次入射するよ
うになるので、各箇所に対応する金属膜にそれぞれ試料
を接触させておけば、それらの試料についての分析を短
い時間間隔で一度にまとめて行なえるようになる。
【0016】また本発明の表面プラズモンセンサーは、
複数チャンネルについての分析を、共通の1本の光ビー
ムを利用して行なうように構成されているから、光ビー
ムの光量がチャンネル間でばらつくことがなく、高い分
析精度を確保できるものとなる。
【0017】そして、このように複数チャンネルに対し
て共通の1本の光ビームを用いるのであれば、複数チャ
ンネル用に1本の光ビームを分割して用いる場合のよう
に光ビームの光量が低下することもないから、チャンネ
ル数をかなり多くすることも可能である。
【0018】さらに本発明の表面プラズモンセンサー
は、1本の光ビームを発生する一般的な光源を用いるも
のであるから、複数の発光部を有する特殊な光源を用い
る場合と比べれば、比較的低コストで形成可能である。
【0019】また、本発明の第2の表面プラズモンセン
サーにおいては、光学系が、プリズムと金属膜との界面
で全反射した光ビームを、その偏向の角度によらず一定
の位置に集光するように構成されているから、光検出手
段が1つで済み、特に低コストで形成可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。図1および図2はそれぞ
れ、本発明の1つの実施形態である表面プラズモンセン
サーの平面形状、側面形状を示すものである。
【0021】図示されるようにこの表面プラズモンセン
サーは、半円柱形のプリズム10と、このプリズム10の一
面(図2中の下面)に形成されて、試料11に接触させら
れる例えば金、銀等からなる金属膜12と、1本の光ビー
ム13を発生させる半導体レーザー等からなる光源14と、
上記光ビーム13をプリズム10に通し、該プリズム10と金
属膜12との界面10aに対して、種々の入射角が得られる
ように入射させる光学系15と、上記の界面10aで全反射
した光ビーム13の強度を検出する光検出手段16と、光ビ
ーム13を図1の矢印A方向に偏向させるガルバノミラー
17とを備えている。
【0022】光学系15は、光ビーム13を整形するビーム
整形光学系20と、平行光化された光ビーム13をガルバノ
ミラー17の鏡面上で集束させる集光レンズ21と、ガルバ
ノミラー17の鏡面から発散光状態で出射した光ビーム13
をプリズム10の長軸に垂直な面内のみで集束させる入射
側シリンドリカルレンズ22、23、24と、全反射して上記
面内で発散光状態となった光ビーム13を平行光化する出
射側シリンドリカルレンズ25と、光検出手段16の受光面
上に光ビーム13を集光する集光レンズ26とから構成され
ている。
【0023】光ビーム13は、入射側シリンドリカルレン
ズ22、23および24の作用により上述のように集束するの
で、図2に最小入射角θ1 と最大入射角θ2 とを例示す
るように、界面10aに対して種々の入射角θで入射する
成分を含むことになる。なおこの入射角θは、全反射角
以上の角度とされる。そこで、光ビーム13は界面10aで
全反射し、この反射した光ビーム13には、種々の反射角
で反射する成分が含まれることになる。
【0024】一方光検出手段16としては、種々の反射角
で反射した全部の光ビーム13を受光できる方向に受光部
が延びる、例えばCCDラインセンサ等が用いられてい
る。そこで、この光検出手段16の各受光素子毎に出力さ
れる光検出信号Sは、上記種々の反射角毎に(つまり、
種々の入射角毎に)光ビーム13の強度を示すものとな
る。
【0025】以下、上記構成の表面プラズモンセンサー
による試料分析について説明する。金属膜12は複数(一
例として5個)設けられており、各金属膜12に対してそ
れぞれ別個の試料11を接触させておくことができる。複
数の金属膜12は、全て同じものが用いられても、あるい
は互いに別のものが用いられてもよい。
【0026】試料分析に際しては、入射側シリンドリカ
ルレンズ22、23および24の作用で上述のように集束する
光ビーム13が、金属膜12に向けて照射される。この金属
膜12とプリズム10との界面10aで全反射した光ビーム13
は、光検出手段16によって検出される。
【0027】前述の通り、光検出手段16の各受光素子毎
に出力される光検出信号Sは、全反射した光ビーム13の
強度Iを入射角θ毎に示すものとなる。そしてこの反射
光強度Iと入射角θとの関係は、概ね図3に示すような
ものとなる。
【0028】ここで、ある特定の入射角θSPで入射した
光は、金属膜12と試料11との界面に表面プラズモンを励
起させるので、この光については反射光強度Iが鋭く低
下する。光検出手段16の各受光素子毎に出力される光検
出信号Sを用いれば上記入射角θSPが分かり、このθSP
の値に基づいて試料11中の特定物質を定量分析すること
ができる。その理由は、先に詳しく説明した通りであ
る。
【0029】以上説明した定量分析操作は、まず図1中
の最下位の金属膜12に光ビーム13を照射してなされる。
つまり、この最下位の金属膜12に接触している試料11の
分析がなされる。そしてガルバノミラー17は段階的ある
いは連続的に駆動され、それにより光ビーム13は図1の
矢印A方向に偏向する。そこで、他の4個の金属膜12が
形成されている箇所にも順次光ビーム13が照射され、そ
れらの金属膜12に接触している他の試料11についても同
様の分析がなされ得る。
【0030】このようにして、複数の試料11についての
分析を短い時間間隔で一度にまとめて行なえるようにな
る。またこの表面プラズモンセンサーは、複数チャンネ
ルについての分析を、共通の1本の光ビーム13を利用し
て行なうものであるから、光ビームの光量がチャンネル
間でばらつくことがなく、高い分析精度を確保できるも
のとなる。
【0031】そして、このように複数チャンネルに対し
て共通の1本の光ビーム13を用いているので、1本の光
ビームを分割して用いる場合のように光ビームの光量が
低下することがなく、チャンネル数をかなり多くするこ
とも可能である。
【0032】さらにこの表面プラズモンセンサーは、1
本の光ビーム13を発生する一般的な光源14を用いるもの
であるから、複数の発光部を有する特殊な光源を用いる
場合と比べれば、比較的低コストで形成可能である。
【0033】またこの表面プラズモンセンサーにおいて
は、光学系15が入射側シリンドリカルレンズ22、23、24
と出射側シリンドリカルレンズ25、および集光レンズ26
を備えて、界面10aで全反射した光ビーム13を、その偏
向の角度によらず一定の位置に集光するように構成され
ている。そこで、この表面プラズモンセンサーはマルチ
チャンネルタイプでありながら1つの光検出手段16を用
いるだけで済み、特に低コストで形成可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である表面プラズモンセン
サーの平面図
【図2】上記表面プラズモンセンサーの側面図
【図3】表面プラズモンセンサーにおける光ビーム入射
角と光検出手段の出力との概略関係を示すグラフ
【符号の説明】
10 プリズム 10a プリズムと金属膜との界面 11 試料 12 金属膜 13 光ビーム 14 光源 15 光学系 16 光検出手段 17 ガルバノミラー 21 集光レンズ 22、23、24 入射側シリンドリカルレンズ 25 出射側シリンドリカルレンズ 26 集光レンズ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プリズムと、 このプリズムの一面に形成されて、試料に接触させられ
    る金属膜と、 1本の光ビームを発生させる光源と、 前記光ビームを前記プリズムに通し、該プリズムと金属
    膜との界面に対して、種々の入射角が得られるように入
    射させる光学系と、 前記界面で全反射した光ビームの強度を、前記種々の入
    射角毎に検出可能な光検出手段とを備えてなる表面プラ
    ズモンセンサーにおいて、 前記プリズムに入射する前の光ビームを、前記界面の相
    異なる箇所に順次入射するように偏向させる光偏向手段
    が設けられたことを特徴とする表面プラズモンセンサ
    ー。
  2. 【請求項2】 前記光学系が、前記界面で全反射した光
    ビームを、その偏向の角度によらず一定の位置に集光す
    るように構成されていることを特徴とする請求項1記載
    の表面プラズモンセンサー。
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