JP2003155529A - 銅合金制振材料およびそれに用いる銅合金 - Google Patents
銅合金制振材料およびそれに用いる銅合金Info
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Abstract
性が高く、材料強度も高い銅合金制振材料を提供する。 【解決手段】 Cr、Mo、W、またはNbのうちの少
なくとも1種が合計で2〜50wt%含有され、残部不
可避不純物とCuよりなる銅合金であって、前記Cr、
Mo、W、またはNbのうちの少なくとも1種が、アス
ペクト比が10以上の第二相として含有されている銅合
金制振材料。
Description
性を有し、振動を嫌う音響機器、精密機器、自動車等の
スイッチ・リレー材に使用される銅合金制振材料および
それに用いる銅合金に関するものである。
u−Mn系、Al−複合材系などの合金が使用されてお
り、Fe−Cu系およびAl−複合材系合金は、いずれ
も2つ以上の材料を張り合わせることにより作製されて
いる。このように異なる材料を張り合わせることによ
り、弾性エネルギーが吸収されて制振性が得られると考
えられている。また、Cu−Mn系合金では、Mnが豊
富な第二相(晶出物)が変調構造を取ってCu母相と異
相界面を作り、その界面で弾性エネルギーが吸収されて
いると考えられている。
のが少なく、構造材料等に利用されるものが多い。その
ため、振動を嫌う音響機器、精密機器、自動車等のスイ
ッチ・リレー材には、高い導電率を有する制振材料が求
められていた。
減衰特性を有し、導電性が高く、材料強度も高い銅合金
制振材料を提供することを目的とする。また、この制振
材料に用いる銅合金を提供することを目的とする。
を重ねた結果、Cr、Mo、W、またはNbのうちの少
なくとも1種が合計で2〜50wt%含有され、残部不
可避不純物とCuよりなる銅合金に、前記Cr、Mo、
W、またはNbのうちの少なくとも1種を、アスペクト
比が10以上の第二相として含有させることにより、高
い制振性と導電率とを兼ね備えた合金が得られることを
見出した。本発明はこの知見に基づきなされるに至った
ものである。
W、またはNbのうちの少なくとも1種が合計で2〜5
0wt%含有され、残部不可避不純物とCuよりなる銅
合金であって、前記Cr、Mo、W、またはNbのうち
の少なくとも1種が、アスペクト比が10以上の第二相
として含有されていることを特徴とする銅合金制振材
料、(2)前記の銅合金が、1wt%以下のAg、A
l、Fe、Ni、P、Sn、Ti、Zr、Zn、Mnを
1種または2種以上含有する銅合金であることを特徴と
する(1)項に記載の銅合金制振材料、(3)Cr、M
o、W、またはNbのうちの少なくとも1種が合計で2
〜50wt%含有され、残部不可避不純物とCuよりな
る銅合金であって、前記Cr、Mo、W、またはNbの
うちの少なくとも1種が、アスペクト比が10以上の第
二相として含有されていることを特徴とする銅合金、お
よび(4)前記の銅合金が、1wt%以下のAg、A
l、Fe、Ni、P、Sn、Ti、Zr、Zn、Mnを
1種または2種以上含有する銅合金であることを特徴と
する(3)項に記載の銅合金を提供するものである。
詳細に説明する。本発明の合金は、Cr、Mo、W、ま
たはNbのうちの少なくとも1種が合計で2〜50wt
%含有され、残部不可避不純物とCuよりなる銅合金
に、前記Cr、Mo、W、またはNbのうちの少なくと
も1種を、アスペクト比が10以上の第二相(晶出物)
として含有させることにより、第二相とCu母相の界面
が異相界面となり、振動減衰性を発揮すると考えられ
る。
o、W、またはNbのうちの少なくとも1種の含有量を
2〜50wt%に規定する理由は、含有量が2wt%未
満だと十分な振動減衰性が得られず、含有量が50wt
%を越えると融点が高くなり溶解鋳造が困難になるため
である。また第二相のアスペクト比を10以上に規定す
る理由は、アスペクト比が10未満だと十分な振動減衰
性が得られないからである。アスペクト比は10以上が
好ましく、100以上がさらに好ましい。
o、W、またはNbを選択したのは、Cuへほとんど固
溶せず、二相分離を起こす元素であるからである。
またはNbのうちの少なくとも1種を合計で2〜50w
t%含有されるほかに、1wt%以下のAg、Al、F
e、Ni、P、Sn、Ti、Zr、Zn、Mnを1種ま
たは2種以上含有していてもよい。これらの成分を1w
t%以下に限定したのは、これらの元素はCu相へ固溶
し導電性を落とすためである。
する。本発明の銅合金制振材料の形状は、板材、棒材、
線材であり、これらを加工したものである。本発明の銅
合金制振材料の作製方法は、例えば板材の場合、板厚
2.0mmの材料を作製し、所望の大きさへプレス打抜
した後、曲げ加工を行って仕上げる。また、所望の含有
成分を含んだ鋳塊を作製し、熱間加工を行った後、冷間
加工と熱処理を繰り返すことにより、板材、棒材、線材
を製造することもできる。
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
たはNbを添加して高周波真空溶解炉にて溶製し、これ
を金型に鋳造して厚さ45mm×幅45mm×長さ12
0mmの鋳塊とした。この鋳塊を熱間圧延(圧延温度9
00℃、減面率75%)し、次いで1000℃で1時間
溶体化処理したのち、面削して厚さ4〜20mm×幅2
0mm×長さ400mmの角材とした。この角材に冷間
加工(溝ロール圧延→硬質ダイス引抜き→カセットロー
ラーダイス引抜き)を施し、次いで固溶元素を析出させ
るためにArガス中で500℃で1時間熱処理し、その
後水焼入れして、冷間圧延により厚さ2.0mmの板材
を製造した。なお、冷間加工方向が一定であれば、加工
方法は圧延、引抜き(ダイス、ローラー)加工等いずれ
の方法でも問題ない。その後、製造した各板材から幅1
0mm、長さ200mmのサンプルを切出した。
mm、幅10mm、長さ200mmの断面円形のサンプ
ルを切出した。
について、アスペクト比、振動減衰性、導電率(熱伝導
性の代用値)を下記方法により測定した。
に鏡面研磨し、研磨面を20wt%硝酸水溶液で腐食し
て表層のCuを除去した後、走査型電子顕微鏡により第
二相を観察し写真撮影した。この写真から第二相のアス
ペクト比(第二相の長さ(縦方向)/径(横方向長
さ))を求めた。前記縦方向長さはサンプルの長さ方向
(冷間加工材の場合は冷間加工方向)の長さである。横
方向長さは等間隔に5箇所測定した値の平均値である。
性(損失係数η)を評価した。即ち試験片の片側端部を
チャッキングして発振器で強制的に振動を与え、共振周
波数frでの損失係数を(1)式より求めた。 η=Δf/fr・・・・・・(1) 但しΔfは3dB値幅(半値幅)
さ150mmのサンプルを切出し、293Kの恒温槽中
で四端子法により比抵抗値を測定して求めた。端子間距
離は100mmとした。
同じ方法により製造した黄銅(Cu−30wt%Zn)
の各板材についても同様の測定を行った。
10個の平均値、損失係数と導電率は各3本の平均値を
示した。表1に用いた銅合金の組成を併記した。
o.1〜22は、いずれも、損失係数が非常に大きく振
動減衰性が優れている。また導電率(熱伝導性)もスイ
ッチ・リレー用材料として十分使用できる値であること
が明らかである。これは銅合金に含まれる第二相のアス
ペクト比が10以上と大きく、Cu母相と第二相との異
相界面が多く存在することにより、小量の第二相で損失
係数を著しく向上させることができたためである。
は、導電率は本発明例と同程度だったが、いずれも本発
明例に比べて損失係数が小さく制振材料としては不適当
なものであった。これは銅合金に含まれる第二相のアス
ペクト比が小さいためである。
が小さいうえ導電率も低く、実用性に劣るものであっ
た。
銅合金について耐熱性を調べたが、いずれも優れてお
り、耐熱性が要求される用途にも十分使用可能なことが
判った。
衰特性を有し、導電性が高く、材料強度も高い銅合金を
提供することができる。また、本発明の銅合金制振材料
によれば、優れた振動減衰特性を有し、導電性が高く、
材料強度も高い銅合金制振材料を提供することができ、
特に、振動を嫌う音響機器、精密機器、自動車のスイッ
チ・リレーなどに好適に使用できる。さらに、2つ以上
の材料を張り合わせることなく、1つの材料で制振材料
を作製することができる。よって工業上顕著な効果を奏
する。
Claims (4)
- 【請求項1】 Cr、Mo、W、またはNbのうちの少
なくとも1種が合計で2〜50wt%含有され、残部不
可避不純物とCuよりなる銅合金であって、前記Cr、
Mo、W、またはNbのうちの少なくとも1種が、アス
ペクト比が10以上の第二相として含有されていること
を特徴とする銅合金制振材料。 - 【請求項2】 前記の銅合金が、1wt%以下のAg、
Al、Fe、Ni、P、Sn、Ti、Zr、Zn、Mn
を1種または2種以上含有する銅合金であることを特徴
とする請求項1記載の銅合金制振材料。 - 【請求項3】 Cr、Mo、W、またはNbのうちの少
なくとも1種が合計で2〜50wt%含有され、残部不
可避不純物とCuよりなる銅合金であって、前記Cr、
Mo、W、またはNbのうちの少なくとも1種が、アス
ペクト比が10以上の第二相として含有されていること
を特徴とする銅合金。 - 【請求項4】 前記の銅合金が、1wt%以下のAg、
Al、Fe、Ni、P、Sn、Ti、Zr、Zn、Mn
を1種または2種以上含有する銅合金であることを特徴
とする請求項3記載の銅合金。
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JP2001355243A JP3836356B2 (ja) | 2001-11-20 | 2001-11-20 | 銅合金制振材料 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006219705A (ja) * | 2005-02-09 | 2006-08-24 | Nikko Kinzoku Kk | 高強度高導電性銅合金の製造方法及び高強度高導電性銅合金 |
JP2010070856A (ja) * | 2009-12-14 | 2010-04-02 | Nippon Mining & Metals Co Ltd | 電子機器用銅合金 |
JP2013151748A (ja) * | 2011-12-28 | 2013-08-08 | Yazaki Corp | 極細導体用材料、極細導体、極細導体の製造方法、および、極細電線 |
CN108431255A (zh) * | 2016-12-01 | 2018-08-21 | 古河电气工业株式会社 | 铜合金线材 |
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- 2001-11-20 JP JP2001355243A patent/JP3836356B2/ja not_active Expired - Fee Related
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