JP2003154969A - 車体前部構造 - Google Patents

車体前部構造

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JP2003154969A
JP2003154969A JP2001354339A JP2001354339A JP2003154969A JP 2003154969 A JP2003154969 A JP 2003154969A JP 2001354339 A JP2001354339 A JP 2001354339A JP 2001354339 A JP2001354339 A JP 2001354339A JP 2003154969 A JP2003154969 A JP 2003154969A
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floor
floor tunnel
extends
load
dash panel
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JP2001354339A
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Inventor
Tadashi Makita
匡史 牧田
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Nissan Motor Co Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダッシュパネル周りでの衝突エネルギー吸収
および荷重伝達を効率的に行わせることができる車体前
部構造の提供を図る。 【解決手段】 前面衝突時にパワーユニット10が後退
移動して、ダッシュパネル4前面のクロスメンバ11の
第1膨出部12Aで構成するエネルギー吸収部12Aに
干渉すると、該エネルギー吸収部12Aが圧潰変形して
衝突エネルギーを吸収し、続いて、パワーユニット10
が第2膨出部13で構成する荷重伝達部13Aに干渉す
ると、該荷重伝達部13Aはフロア5下面に廻り込んで
接合されているため、衝突荷重を該荷重伝達部13Aで
支持してフロア5側へ効率的に伝達して分散する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車の車体前部構
造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の自動車の車体前部構造として、例
えば特開昭52−62815号公報に示されているよう
に、ダッシュパネルを2重壁構造として、車室外側のパ
ネルに凹凸を設けることでダッシュパネルの剛性を上げ
ると共に、凸部を衝突時の反力部材およびエネルギー吸
収部材としたものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述のように
ダッシュパネルを衝突時の反力部材およびエネルギー吸
収部材とした場合、パネル材の凹凸の深さと板厚の関係
は、パネル成形の観点から相反するものであり、反力部
材とエネルギー吸収部材とを1枚のパネル材の中に設定
して十分に機能させることは難しい。
【0004】即ち、反力部材およびエネルギー吸収部材
とするにはパネル材の板厚増等の対策が必要であり、板
厚を増すとパネル成形上、凹凸形状を形成しにくくなっ
てしまい、また、重量的にも不利となってしまうことは
否めない。
【0005】そこで、本発明はダッシュパネル周りでの
衝突エネルギー吸収および荷重伝達を効率的に行わせる
ことができる車体前部構造を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明にあって
は、ダッシュパネルの前面からフロア下面に廻り込んで
車幅方向に延在するクロスメンバを接合配置し、前記ク
ロスメンバをダッシュパネルの前面で閉断面を形成する
上下に並設した第1,第2の膨出部で構成すると共に、
上側の第1膨出部を下側の第2膨出部よりも前方への突
出量を大きく設定して、前記ダッシュパネルの前面部分
に、前記第1膨出部によって、前方からの衝突荷重に対
して圧潰変形可能なエネルギー吸収部を構成する一方、
前記第2膨出部によって、前記衝突荷重を支持してフロ
ア側に伝達可能な荷重伝達部を構成したことを特徴とし
ている。
【0007】請求項2の発明にあっては、請求項1に記
載の車体前部構造において、前記エネルギー吸収部を荷
重伝達部よりも幅広に形成したことを特徴としている。
【0008】請求項3の発明にあっては、請求項1,2
に記載の車体前部構造において、前記エネルギー吸収部
と荷重伝達部との連設部分を、ダッシュパネルに対して
面方向に移動可能な可動部としたことを特徴としてい
る。
【0009】請求項4の発明にあっては、請求項1〜3
に記載の車体前部構造において、前記クロスメンバをフ
ロア中央部に膨出成形したフロアトンネル部の前端とダ
ッシュパネルとの接続部の周囲から、該フロアトンネル
部の前端部分の下縁に沿って配設し、前記第1膨出部と
第2膨出部とを、それぞれフロアトンネル部の前端上縁
と前端側縁とに沿って車幅方向かつ上下方向に連続して
構成すると共に、該第2膨出部をフロアトンネル部の下
縁に沿って連続的に前後方向に形成したことを特徴とし
ている。
【0010】請求項5の発明にあっては、請求項4に記
載の車体前部構造において、前記クロスメンバの前記フ
ロアトンネル部の前端側縁に沿った上下方向に延在する
部分が、上側から下側に至るに従って漸次幅広に形成さ
れていることを特徴としている。
【0011】請求項6の発明にあっては、請求項5に記
載の車体前部構造において、前記クロスメンバのフロア
下面側に廻り込んだ部分は、フロア下面に接合されて車
体前後方向に延在するエクステンションサイドメンバと
交差して、フロアトンネル部とフロアサイドのサイドシ
ルとに亘って接合配置されて、これらエクステンション
サイドメンバと、フロアトンネル部およびサイドシルと
の間にそれぞれ車幅方向に延在する閉断面部を形成した
ことを特徴としている。
【0012】請求項7の発明にあっては、請求項6に記
載の車体前部構造において、前記クロスメンバのフロア
下面側に廻り込んだ部分は、エクステンションサイドメ
ンバとサイドシルの前端部とを車幅方向に結合する閉断
面構造のアウトリガーを構成する一方、フロアトンネル
部とエクステンションサイドメンバとの間で、該クロス
メンバに前記フロアトンネル部の下縁に沿って前後方向
に延在する第2膨出部と、前記車幅方向に延在する閉断
面部とを隔成するビード部を前後方向に形成し、該ビー
ド部にサブフレームの固定支持部を設けたことを特徴と
している。
【0013】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、車両の
前面衝突によりフロントコンパートメントに搭載したパ
ワーユニット等の車両搭載部品が後退移動して、クロス
メンバの第1膨出部で構成したエネルギー吸収部に干渉
すると、該エネルギー吸収部が圧潰変形して衝突エネル
ギーを吸収する。
【0014】続いて、この車両搭載部品が第2膨出部で
構成した荷重伝達部に干渉すると、該荷重伝達部はフロ
ア下面に廻り込んで接合されているため、衝突荷重を荷
重伝達部で支持してフロア側へ効率的に伝達して分散
し、かつ、該荷重伝達部でもその圧潰変形によって衝突
エネルギーを吸収することができる。
【0015】請求項2に記載の発明によれば、請求項1
の発明の効果に加えて、エネルギー吸収部は荷重伝達部
よりも幅広に形成してあるため、後退移動して来る車両
搭載部品を広い範囲で確実に受け止めることができると
共に、閉断面積を拡大できてその分、反力特性が高めら
れて衝突エネルギー吸収量を増大することができる。
【0016】請求項3に記載の発明によれば、請求項
1,2の発明の効果に加えて、エネルギー吸収部が圧潰
変形すると可動部がダッシュパネル前面に沿って荷重伝
達部側に移動し、その反動によって荷重伝達部に前方に
向けて押圧力が発生して、該荷重伝達部の支持反力が高
められてフロア側への荷重伝達効果を高めることができ
る。
【0017】請求項4に記載の発明によれば、請求項1
〜3の発明の効果に加えて、第1膨出部と第2膨出部と
で構成したクロスメンバをフロアトンネル部の前端とダ
ッシュパネルとの接続部の周囲から、該フロアトンネル
部の前端部分の下縁に沿って配設してあるため、フロア
トンネル部の前端部分の剛性を著しく高められて衝突荷
重による該フロアトンネル部の口開き変形を抑制でき、
荷重伝達部で受けた衝突荷重のフロア側への伝達分散効
果をより一層高めることができる。
【0018】請求項5に記載の発明によれば、請求項4
の発明の効果に加えて、クロスメンバのフロアトンネル
部の前端側縁に沿った上下方向に延在する部分を、上側
から下側に至るに従って漸次幅広に形成してあるため、
該フロアトンネル部の前端部分の剛性を更に高めてフロ
ア側への荷重伝達効率を高めることができる。
【0019】請求項6に記載の発明によれば、請求項5
の発明の効果に加えて、フロア下面側に廻り込んだクロ
スメンバは、車体前後方向のフロア骨格部材であるエク
ステンションサイドメンバと、フロアトンネル部および
サイドシルとの間で、それぞれ車幅方向に延在する閉断
面部を構成しているので、荷重伝達部で受けた衝突荷重
をこれらフロア骨格メンバへ伝達して分散負担させるこ
とができて、荷重伝達効率を更に高めることができる。
【0020】請求項7に記載の発明によれば、請求項6
の発明の効果に加えて、クロスメンバのフロア下面に廻
り込んだ部分でエクステンションサイドメンバとサイド
シルの前端部とを車幅方向に結合するアウトリガーを構
成し、かつ、前後方向に形成したビード部にサブフレー
ムの固定支持部を設定してあるため、専用部品を用いる
ことなくフロア剛性を高められて、組付作業上およびコ
スト上有利に得ることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面と
共に詳述する。
【0022】図1は本発明の第1実施形態を示す略示的
平面説明図、図2は本発明の第1実施形態の要部を示す
斜視図、図3は図2のA−A線に沿う断面図、図4はク
ロスメンバの変形挙動を示す図3と同様の断面図、図5
は図2のB−B線に沿う断面図、図6は図2のC−C線
に沿う断面図である。
【0023】図1〜6において、1はフロントコンパー
トメントF・Cの左右両側部に配設した前後方向骨格部
材であるサイドメンバを示し、これら左右1対のサイド
メンバ1の前端部は、車幅方向骨格部材としてのバンパ
ーレインフオース(ファーストクロスメンバを含む)2
によって連結してある。
【0024】サイドメンバ1の各後側部には、ダッシュ
パネル4の前面からこれに続くフロア5の下面に廻り込
んで前後方向に延在するエクステンションサイドメンバ
3を連設してある。
【0025】エクステンションサイドメンバ3の車幅方
向外側には、フロア5の側部の前後方向骨格部材である
サイドシル6を接合配置してある。
【0026】サイドメンバ1の前端部下面とフロア5の
前部下面とに跨ってサブフレーム7を締結固定してあ
り、該サブフレーム7に前輪9を軸支したサスペンショ
ンアーム8を連結支持している。
【0027】ここで、前記ダッシュパネル4には、その
前面からフロア5の下面に廻り込んで車幅方向に延在す
るクロスメンバ11をフランジ11aを介して接合配置
してある。
【0028】このクロスメンバ11は、ダッシュパネル
4の前面で閉断面を形成する上下に並設した第1膨出部
12と第2膨出部13とで構成している。
【0029】上側の第1膨出部12を下側の第2膨出部
13よりも前方への突出量を大きく(L1 >L2 )設定
してあって、前記ダッシュパネル4の前面部分に、前記
第1膨出部12によって、前方からの衝突荷重に対して
圧潰変形可能なエネルギー吸収部12Aを構成する一
方、前記第2膨出部13によって前記衝突荷重を支持し
てフロア5側に伝達可能な荷重伝達部13Aを構成して
いる。
【0030】本実施形態では、前記フロア5の車幅方向
中央部に、車室内側に膨出するフロアトンネル部5Aを
前後方向に形成して、その前端をダッシュパネル4に接
合して連設してある。
【0031】そこで、前記クロスメンバ11をこのフロ
アトンネル部5Aの前端とダッシュパネル4との接続部
の周囲から、該フロアトンネル部5Aの下縁に沿って配
設して、前記第1膨出部12と第2膨出部13とを、そ
れぞれフロアトンネル部5Aの前端上縁と前端側縁とに
沿って車幅方向かつ上下方向に連続して構成すると共
に、該第2膨出部13をフロアトンネル部5Aの下縁に
沿って連続的に前後方向に形成してある。
【0032】従って、前記第1膨出部12で構成するエ
ネルギー吸収部12Aと、第2膨出部13で構成する荷
重伝達部13Aは、ダッシュパネル4の前面となる前記
フロアトンネル部5A前端の上縁と側縁に亘るS領域に
構成される。
【0033】前記S領域では、第2膨出部13(荷重伝
達部13A)の内周壁を図3,4に示すようにフロアト
ンネル部5Aの周壁と平行に形成して該周壁に重合して
接合し、前方から作用する衝突荷重を該接合部分で強度
的に有利な剪断方向に受けてフロア5側への荷重伝達機
能を十分に発揮し得るようにしてある。
【0034】また、このS領域における第1膨出部12
(エネルギー吸収部12A)は、前記荷重伝達部13A
よりも幅広(W1 >W2 )に形成して、該エネルギー吸
収部12Aの閉断面積を大きくしてある。
【0035】前記エネルギー吸収部12Aおよび荷重伝
達部13Aは、何れも前面がダッシュパネル4の前面と
略平行する平坦な荷重受け面を構成した略台形断面とし
て形成してあって、これらエネルギー吸収部12Aと荷
重伝達部13Aとの連設部分は断面ウエッジ状となって
いるが、そのウエッジ状の断面頂部はダッシュパネル4
の前面と非接合として、該ダッシュパネル4に対して面
方向(例えば図3,4にあっては上下方向)に移動可能
な可動部14としてある。
【0036】一方、フロアトンネル部5Aの左右両側部
で前記クロスメンバ11がフロア5下面に廻り込んだ部
分では、該クロスメンバ11を前記エクステンションサ
イドメンバ3と交差して、フロアトンネル部5Aとサイ
ドシル6とに亘って接合配置して、これらエクステンシ
ョンサイドメンバ3と、フロアトンネル部5Aおよびサ
イドシル6との間にそれぞれ車幅方向に延在する閉断面
部15を形成してある。
【0037】前記閉断面部15は、車幅方向に形成した
ビード部16によって前後2つの閉断面部15A,15
Bに隔成して、前側の閉断面部15Aを前記第1膨出部
12の延長部分として該第1膨出部12に連設してあ
り、前記エクステンションサイドメンバ3とサイドシル
6との間で、これら閉断面部15A,15Bによって、
該エクステンションサイドメンバ3とサイドシル6の前
端部とを車幅方向に結合するアウトリガー17を構成し
ている。
【0038】本実施形態では前記クロスメンバ11を、
図5に示すようにエクステンションサイドメンバ3の中
心部分で左右に分割した分割メンバ11Cと11Sとし
て、それらの分割端をエクステンションサイドメンバ3
の下面に接合するようにしているが、これは勿論、一体
成形することも可能であり、従って、この実施形態では
分割メンバ11Sが前記アウトリガー17を構成してい
る。
【0039】また、このクロスメンバ11の前縁は図6
の(a)に示すようにフロア5の下面に接合してもよい
が、同図の(b)に示すようにダッシュパネル4の前面
側に延出して、該ダッシュパネル4の前面に接合するよ
うにしてもよい。
【0040】また、前記フロアトンネル部5Aとエクス
テンションサイドメンバ3との間では、クロスメンバ1
1に前端が前記ビード部16の端部に連なって、前述し
たフロアトンネル部5Aの下縁に沿って前後方向に延在
する第2膨出部13と車幅方向に延在する閉断面部15
Bとを隔成するビード部18を前後方向に形成してあ
る。
【0041】そして、このビード部18に前記サブフレ
ーム7の後端部の締結座部19を形成して、該サブフレ
ーム7の固定支持部としてある。
【0042】以上の第1実施形態の構造によれば、車両
の前面衝突によりフロントコンパートメントF・Cに搭
載したエンジン等のパワーユニット10が後退移動する
と、ダッシュパネル4前面のクロスメンバ11のエネル
ギー吸収部12Aは荷重伝達部13Aよりも前方への突
出量が大きいため、該エネルギー吸収部12Aの前面に
パワーユニット10が先当りして衝突荷重が入力し、該
エネルギー吸収部12Aが図4に示すように圧潰変形し
て衝突エネルギーを吸収する。
【0043】続いて、このパワーユニット10が荷重伝
達部13Aの前面に干渉すると、該荷重伝達部13Aは
フロア5の下面に廻り込んで接合されていて前方からの
衝突荷重を該接合部分で剪断方向で受けるようにしてあ
るため、衝突荷重を該荷重伝達部13Aで支持してフロ
ア5側へ効率的に伝達して分散し、かつ、該荷重伝達部
13Aでもその圧潰変形によって衝突エネルギーを吸収
することができる。
【0044】ここで、本実施形態にあっては、前記エネ
ルギー吸収部12Aは荷重伝達部13Aよりも幅広に形
成してあるため、後退移動して来るパワーユニット10
を広い範囲で確実に受け止めることができると共に、閉
断面積を拡大できてその分、反力特性が高められて衝突
エネルギー吸収量を増大することができる。
【0045】また、エネルギー吸収部12Aと荷重伝達
部13Aとの連設部分は、ダッシュパネル4に対して面
方向に移動可能な可動部14としてあるため、前述のよ
うにエネルギー吸収部12Aが圧潰変形すると図4に示
すように、該エネルギー吸収部12Aの圧潰変形に伴っ
て可動部14がダッシュパネル4の前面に沿って荷重伝
達部13A側に移動し、その反動によって荷重伝達部1
3Aの前壁に前方に向けて押圧力が発生して、該荷重伝
達部13Aの支持反力が高められてフロア5側への荷重
伝達効果を高めることができる。
【0046】とりわけ、本実施形態にあっては、第1膨
出部12と第2膨出部13とで構成したクロスメンバ1
1をフロアトンネル部5Aの前端とダッシュパネル4と
の接続部の周囲から、フロア剛性部の該フロアトンネル
部5Aの前端部分の下縁に沿って配設してあり、しか
も、これら第1,第2膨出部12,13の前記フロアト
ンネル部5Aの側縁に沿って上下方向に延在する部分
は、上側から下側に至るに従って漸次幅広に形成して剛
性を高めてあるため、フロアトンネル部5Aの前端部分
の剛性が著しく高められて衝突荷重による該フロアトン
ネル部5Aの口開き変形を抑制でき、荷重伝達部13A
で受けた衝突荷重のフロア5側への伝達分散効果をより
一層高めることができる。
【0047】また、フロアトンネル部5Aの両側でフロ
ア5下面に廻り込んだクロスメンバ11は、エクステン
ションサイドメンバ3と、前記フロアトンネル部5Aお
よびサイドシル6との間で、それぞれ車幅方向に延在す
る閉断面部15を構成しているので、前記荷重伝達部1
3Aで受けた衝突荷重をこれらフロア骨格メンバ3,6
へ伝達して分散負担させることができて、荷重伝達効率
を更に高めることができる。
【0048】更に、エクステンションサイドメンバ3と
サイドシル6との間では、前述の車幅方向の閉断面部1
5がこれらエクステンションサイドメンバ3とサイドシ
ル6とを車幅方向に結合するアウトリガー17を構成し
ており、また、エクステンションサイドメンバ3とフロ
アトンネル部5Aとの間では、フロアトンネル部5Aの
下縁に沿う第2膨出部13と車幅方向の閉断面部15B
とを隔成する前後方向のビード部18にサブフレーム7
の固定支持部19を設けてあるため、専用部品を用いる
ことなくフロア剛性を高められて、組付作業上およびコ
スト上有利に得ることができる。
【0049】しかも、バンパーレインフオース2から入
力してサブフレーム7の軸方向に作用する衝突荷重F1
を、前記固定支持部19を入力点としてクロスメンバ1
1で支持してフロア骨格メンバ5A,3,6,17へ分
散伝達できると共に、前輪9の後退移動によってサイド
シル6の前端部周りに入力する衝突荷重F2 を、同様に
該サイドシル6,アウトリガー17,エクステンション
サイドメンバ3,フロアトンネル部5A等のフロア骨格
メンバへ効率よく分散伝達することができる。
【0050】図7,8は本発明の第2実施形態を示すも
ので、本実施形態にあっては前記第1実施形態における
可動部14の頂部をダッシュパネル4と平行に平坦に形
成し、該平坦頂部にダッシュパネル4の前面に当接する
ローラ部材(ボールを含む)21をブラケット22を介
して装着してある。
【0051】この第2実施形態の構造によれば、前記第
1実施形態の効果に加えて、エネルギー吸収部12Aが
圧潰変形した際にローラ部材21が図8に示すようにダ
ッシュパネル4の前面上を転動して、可動部14の荷重
伝達部13A側への移動がスムーズに行われ、エネルギ
ー吸収部12Aの圧潰変形初期の段階から荷重伝達部1
3Aの前面に前方への押圧力を発生させ、該荷重伝達部
13Aの反力を高めて衝突荷重の支持に備えることがで
きる。
【0052】図9,10は本発明の第3実施形態を示す
もので、本実施形態にあっては前記第1実施形態におけ
る可動部14の頂部をダッシュパネル4と平行に平坦に
形成する一方、ダッシュパネル4の前面に各先端に支持
プレート24,25を揺動自在に軸支したベルクランク
状のリンク機構23をブラケット26を介して装着し、
支持プレート24を前記可動部14の平坦頂部に当接
し、支持プレート25を荷重伝達部13Aの前壁裏面に
当接してある。
【0053】この第3実施形態の構造によれば、前記第
1実施形態の効果に加えて、エネルギー吸収部12Aが
圧潰変形した際に可動部14がダッシュパネル4側に押
圧力を受けると、支持プレート24を介してリンク機構
23で図10の矢印方向の回転力に変換し、支持プレー
ト25により荷重伝達部13Aの前面に前方への押圧力
を発生させる。
【0054】従って、この第3実施形態の場合にあって
もエネルギー吸収部12Aの圧潰変形初期の段階から荷
重伝達部13Aの反力を高めて衝突荷重の支持に備える
ことができて、フロア側への効率的な荷重伝達を行わせ
ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を透視的に示す略示的平
面説明図。
【図2】本発明の第1実施形態の要部を示す斜視図。
【図3】図2のA−A線に沿う断面図。
【図4】図2に示したクロスメンバの変形挙動を示す断
面図。
【図5】図2のB−B線に沿う断面図。
【図6】図2のC−C線に沿う断面図。
【図7】本発明の第2実施形態を示す図3と同様の断面
図。
【図8】本発明の第2実施形態を示す図4と同様の断面
図。
【図9】本発明の第3実施形態を示す図3と同様の断面
図。
【図10】本発明の第3実施形態を示す図4と同様の断
面図。
【符号の説明】
1 サイドメンバ 2 バンパーレインフオース 3 エクステンションサイドメンバ 4 ダッシュパネル 5 フロア 5A フロアトンネル部 6 サイドシル 7 サブフレーム 10 車両ユニット部品 11 クロスメンバ 12 第1膨出部 12A エネルギー吸収部 13 第2膨出部 13A 荷重伝達部 14 可動部 15 車幅方向の閉断面部 17 アウトリガー 18 前後方向のビード部 19 サブフレームの固定支持部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダッシュパネルの前面からフロア下面に
    廻り込んで車幅方向に延在するクロスメンバを接合配置
    し、 前記クロスメンバをダッシュパネルの前面で閉断面を形
    成する上下に並設した第1,第2の膨出部で構成すると
    共に、上側の第1膨出部を下側の第2膨出部よりも前方
    への突出量を大きく設定して、 前記ダッシュパネルの前面部分に、前記第1膨出部によ
    って、前方からの衝突荷重に対して圧潰変形可能なエネ
    ルギー吸収部を構成する一方、 前記第2膨出部によって、前記衝突荷重を支持してフロ
    ア側に伝達可能な荷重伝達部を構成したことを特徴とす
    る車体前部構造。
  2. 【請求項2】 エネルギー吸収部を荷重伝達部よりも幅
    広に形成したことを特徴とする請求項1に記載の車体前
    部構造。
  3. 【請求項3】 エネルギー吸収部と荷重伝達部との連設
    部分を、ダッシュパネルに対して面方向に移動可能な可
    動部としたことを特徴とする請求項1,2に記載の車体
    前部構造。
  4. 【請求項4】 クロスメンバをフロア中央部に膨出成形
    したフロアトンネル部の前端とダッシュパネルとの接続
    部の周囲から、該フロアトンネル部の前端部分の下縁に
    沿って配設し、 前記第1膨出部と第2膨出部とを、それぞれフロアトン
    ネル部の前端上縁と前端側縁とに沿って車幅方向かつ上
    下方向に連続して構成すると共に、該第2膨出部をフロ
    アトンネル部の下縁に沿って連続的に前後方向に形成し
    たことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の車体
    前部構造。
  5. 【請求項5】 クロスメンバの前記フロアトンネル部の
    前端側縁に沿った上下方向に延在する部分が、上側から
    下側に至るに従って漸次幅広に形成されていることを特
    徴とする請求項4に記載の車体前部構造。
  6. 【請求項6】 クロスメンバのフロア下面側に廻り込ん
    だ部分は、フロア下面に接合されて車体前後方向に延在
    するエクステンションサイドメンバと交差して、フロア
    トンネル部とフロアサイドのサイドシルとに亘って接合
    配置されて、これらエクステンションサイドメンバと、
    フロアトンネル部およびサイドシルとの間にそれぞれ車
    幅方向に延在する閉断面部を形成したことを特徴とする
    請求項5に記載の車体前部構造。
  7. 【請求項7】 クロスメンバのフロア下面側に廻り込ん
    だ部分は、エクステンションサイドメンバとサイドシル
    の前端部とを車幅方向に結合する閉断面構造のアウトリ
    ガーを構成する一方、 フロアトンネル部とエクステンションサイドメンバとの
    間で、該クロスメンバに前記フロアトンネル部の下縁に
    沿って前後方向に延在する第2膨出部と、前記車幅方向
    に延在する閉断面部とを隔成するビード部を前後方向に
    形成し、該ビード部にサブフレームの固定支持部を設け
    たことを特徴とする請求項6に記載の車体前部構造。
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