JP2003154610A - 親水性部材 - Google Patents

親水性部材

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JP2003154610A
JP2003154610A JP2001355075A JP2001355075A JP2003154610A JP 2003154610 A JP2003154610 A JP 2003154610A JP 2001355075 A JP2001355075 A JP 2001355075A JP 2001355075 A JP2001355075 A JP 2001355075A JP 2003154610 A JP2003154610 A JP 2003154610A
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hydrophilic
polymer
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pigment
layer
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JP2001355075A
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Koichi Kawamura
浩一 川村
Takao Nakayama
隆雄 中山
Takeyoshi Kano
丈嘉 加納
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 親水性と耐久性に優れた親水性表面を有する
親水性部材を提供する。 【解決手段】 基材表面に少なくとも光酸発生剤と、酸
により疎水性から親水性に変化する官能基を有する高分
子化合物を含有する層を備えた親水性部材前駆体を、加
熱又は輻射線照射して得られることを特徴とする。この
親水性部材前駆体にエネルギーを付与し、光酸発生剤か
ら酸を発生させ、高分子化合物中の疎水性基を親水性に
変換することで、高い運動性を有する親水性グラフトが
形成された親水性表面が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、親水性部材に関
し、詳細には、親水性及びその耐久性に優れた親水化表
面層を備える親水性部材に関する。 【0002】 【従来の技術】樹脂フィルムは種々の目的で使用されて
いるが、それらの表面は疎水性を示すものが一般的であ
る。また、ガラスや金属等の無機材料についても、高い
親水性を有するものは少ない。樹脂フィルム、無機材料
などを用いた基材の表面が親水化されると、付着水滴が
基材表面に一様に拡がり均一な水膜を形成するようにな
るので、ガラス、レンズ、鏡の曇りを有効に防止でき、
湿分による失透防止、雨天時の視界性確保等に役立つ。
さらに、都市媒塵、自動車等の排気ガスに含有されるカ
ーボンブラック等の燃焼生成物、油脂、シーラント溶出
成分等の疎水性汚染物質が付着しにくく、付着しても降
雨や水洗により簡単に落せるようになるので、種々の用
途に有用である。 【0003】従来提案されている親水化するための表面
処理方法、例えば、エッチング処理、プラズマ処理等に
よれば、高度に親水化されるものの、その効果は一時的
であり、親水化状態を長期間維持することができない。
また、親水性樹脂の一つとして親水性グラフトポリマー
を使用した表面親水性塗膜も提案されている(新聞“化
学工業日報”1995年1月30日)。この報告によればこの
塗膜はある程度の親水性を有するものの、基材との親和
性が充分とはいえず、より高い耐久性が求められてい
る。 【0004】また、その他の表面親水性に優れたフィル
ムとしては従来から酸化チタンを使用したフィルムが知
られており、例えば、PCT/JP96/00733号
において、基材表面に光触媒含有層を形成すると、光触
媒の光励起に応じて表面が高度に親水化されることが開
示されており、この技術をガラス、レンズ、鏡、外装
材、水回り部材等の種々の複合材に適用すれば、これら
複合材に優れた防曇、防汚等の機能を付与できることが
報告されている。しかしながら酸化チタンを用いた親水
性フィルムは充分な膜強度を有さず、より良好な耐磨耗
性を有する親水性材料が求められていた。さらに酸化チ
タンの光触媒機能は光励起により発現するものであり、
光励起が中止されると親水性が徐々に低下し元の状態に
戻ってしまうため、光励起の有無にも影響を受けないよ
うな親水性材料が求められていた。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、各種
の基材表面上に親水性に優れ、且つ、より良好な耐磨耗
性を有する表面親水性層を備えた親水性部材を提供する
ことにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
した結果、光酸発生剤と、酸により表面の特性が変化す
る高分子化合物を組合せることで上記目的が達成される
ことを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発
明の親水性部材は、基材表面に少なくとも光酸発生剤
と、酸により疎水性から親水性に変化する官能基を有す
る高分子化合物を含有する層(以下、適宜、高分子化合
物含有層と称する)を備えた親水性部材前駆体を、加熱
又は輻射線照射して得られることを特徴とする。 【0007】ここで用いられる酸により疎水性から親水
性に変化する官能基(以下、適宜、極性変換基と称す
る)を有する高分子化合物は、極性変換基を側鎖に有す
る高分子化合物であることが好ましく、この高分子化合
物が、高分子鎖の末端で直接共有結合により該基材表面
に結合されている直鎖状高分子化合物、高分子鎖の末端
で幹高分子化合物を介して共有結合により該基材表面に
結合されている直鎖状高分子化合物などの如く、基材上
に直接結合した表面グラフト重合体であることが好まし
い態様である。 【0008】本発明の親水性部材は、基材表面に極性変
換基を有する高分子化合物がグラフト鎖の状態で直接結
合されているため、高分子鎖の運動性が制限されず、高
い運動性を保持できる特徴を有する。このため、高い親
水性が発現されたものと考えられる。また、このような
高分子鎖は基材表面に直接結合されているため、耐磨耗
性、耐久性に優れるものと考えられる。 【0009】 【発明の実施の形態】以下に本発明の親水性部材につい
て詳細に説明する。本発明の親水性部材の特徴である、
酸により疎水性から親水性に変化する官能基(極性変換
基)を有する高分子鎖の末端が直接もしくは幹高分子を
介して基材表面に化学的に結合された高分子化合物含有
層を作成するための手段について説明する。 〔表面グラフト重合〕本発明に係る高分子化合物含有層
は、一般的に表面グラフト重合と呼ばれる手段をもちい
て作成される。グラフト重合とは高分子化合物鎖上に活
性種を与え、これによって重合を開始する別の単量体を
さらに重合させ、グラフト(接ぎ木)重合体を合成する
方法で、特に活性種を与える高分子化合物が固体表面を
形成する時には表面グラフト重合と呼ばれる。 【0010】本発明を実現するための表面グラフト重合
法としては、文献記載の公知の方法をいずれも使用する
ことができる。たとえば、新高分子実験学10、高分子
学会編、1994年、共立出版(株)発行、P135に
は表面グラフト重合法として光グラフト重合法、プラズ
マ照射グラフト重合法、が記載されている。また、吸着
技術便覧、NTS(株)、竹内監修、1999.2発
行、p203,p695には、γ線、電子線などの放射
線照射グラフト重合法が記載されている。光グラフト重
合法の具体的方法としては特開平10−296895号
公報および特開平11−119413号公報に記載の方
法を使用することができる。 【0011】高分子化合物鎖の末端が直接に化学的に結
合された表面グラフト層を作成するための手段としては
これらの他、高分子化合物鎖の末端にトリアルコキシシ
リル基、イソシアネート基、アミノ基、水酸基、カルボ
キシル基などの反応性官能基を付与し、これと基材表面
に存在する官能基とのカップリング反応により形成する
こともできる。なお、本発明における基材表面とは、そ
の表面に、極性変換基を有する高分子化合物の末端が直
接または幹高分子化合物を介して化学的に結合する機能
を有する表面を示すものであり、基材自体がこのような
表面特性を有するものであってもよく、また該基材上に
別途中間層を設け、該中間層がこのような特性を有する
ものであってもよい。 【0012】また、極性変換基を有する高分子化合物鎖
の末端が幹高分子化合物を介して化学的に結合された表
面を作成するための手段としては、基材表面官能基とカ
ップリング反応しうる官能基を幹高分子化合物の側鎖に
付与し、グラフト鎖として極性変換基を有する高分子化
合物鎖を組み込んだグラフト高分子化合物を合成し、こ
の高分子と下層表面官能基とのカップリング反応により
形成することもできる。 【0013】〔疎水性から親水性に変化する官能基〕次
に、本発明における親水性部材の特徴の一つである、酸
により疎水性から親水性に変化する官能基(極性変換
基)について説明する。 【0014】該極性変換基としては、文献記載の公知の
官能基を挙げることができる。具体的にはProtective G
roup in Organic Synthesis , T.W.Greene著、A Wiley-
Interscience Publication (1981) に記載の酸分解性基
で保護された水酸基,フェノール性水酸基,アミノ基,
カルボキシル基,を挙げることができる。これらの官能
基の特に有用な例は、EP0652483、WO92/
9934記載のアルコキシアルキルエステル、H.It
oら著、Macrornolecules, vol.21, pp.1477記載のt−
ブチルエステル、その他、シリルエステル、ビニルエス
テルなどの文献記載の酸分解性基で保護されたカルボン
酸エステルなどを挙げることができる。ただし、これら
の官能基に限定される訳ではない。これらの内、特に優
れているのは3級のカルボン酸エステル基、および下記
に示されるアルコキシアルキルエステル基である。 【0015】本発明における極性変換基として特に優れ
ているアルコキシアルキルエステル基としては、下記一
般式(1)で表されるものである。 【0016】 【化1】 【0017】式中R1は水素原子を表し、R2は水素原子
または炭素数18個以下のアルキル基を表し、R3は炭
素数18個以下のアルキル基を表す。また、R1、R2
よびR3の内の2つが結合して間を形成してもよい。特
に、R2およびR3が結合して5または6員環を形成する
ことが好ましい。前記一般式(1)で表される官能基の
具体例を以下に示す。 【0018】 【化2】 【0019】本発明における極性変換基を有する高分子
化合物は、上記のような官能基を有するモノマー1種の
単独重合体であっても、2種以上の共重合体であっても
良い。また、本発明の効果を損なわない限り、他のモノ
マーとの共重合体であっても良い。なお、上記のような
官能基を有するモノマーの具体例を以下に示す。 【0020】 【化3】【0021】以上のようにして、基材上に極性変換基を
有するグラフトポリマー鎖が存在する高分子化合物含有
層を設けることができる。この高分子化合物含有層の膜
厚は目的により選択できるが、一般的には0.001μ
m〜10μmの範囲が好ましく、0.01μm〜5μm
の範囲がさらに好ましく、0.1μm〜2μmの範囲が
最も好ましい。本発明においては、グラフトポリマーは
基材表面を完全に覆っている必要はない。基材表面にグ
ラフトポリマーを導入する場合、グラフトポリマーが基
材の全表面積に対して10%以上導入されれば、有効な
親水性向上効果が発現する。さらに好ましくは、グラフ
トポリマーは基材の全表面積に対して30%以上であ
り、60%以上であることがより好ましい。 【0022】〔光酸発生剤〕本発明に用いられる光酸発
生剤とは、加熱又は輻射線の照射によって酸を発生し、
前述の極性変換基に作用して該高分子化合物含有層表面
を疎水性から親水性に変化させる機能を有するものであ
る。一般的には、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカ
ル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、マイ
クロレジスト等に使用されている公知の光により酸を発
生する化合物及びそれらの混合物等を挙げることがで
き、これらを適宜選択して使用することができる。例え
ば、S.I.Schlesinger, Photogr. Sci. Eng., 18,387(19
74) 、T.S.Bal etal., Polymer, 21,423(1980) 等に記
載のジアゾニウム塩、米国特許第4,069,055
号、同4,069,056号、特開平3−140,14
0号等に記載のアンモニウム塩、D.C.Necker et al., M
acromolecules, 17,2468(1984)、C.S.Wen et al., Teh,
Proc. Conf. Rad. Curing ASIA, p478, Tokyo, Oct(19
88) 、米国特許第4,069,055号、同4,06
9,056号等に記載のホスホニウム塩、J.V.Crivello
et al.,Macromolecules, 10(6),1307(1977)、Chem. &
Eng. News, Nov. 28, p31(1988) 、欧州特許第104,
143号、米国特許第339,049号、同第410,
201号、特開平2−150,848号、特開平2−2
96,514号等に記載のヨードニウム塩、 【0023】J.V.Crivello et al., Polymer J. 17, 73
(1985)、J.V.Crivello et al., J.Org. Chem., 43,3055
(1978)、W.R.Watt et al., J.Polymer Sci., Polymer C
hem. Ed., 22, 1789(1984)、J.V.Crivello et al., Pol
ymer Bull., 14,279(1985)、J.V.Crivelloet al., Macr
omolecules, 14(5), 1141(1981)、J.V.Crivello et a
l., J.Polymer Sci., Polymer Chem. Ed., 17,2877(197
9) 、欧州特許第370,693号、米国特許第3,9
02,114号、欧州特許第233,567号、同29
7,443号、同297,442号、米国特許第4,9
33,377号、同410,201号、同339,04
9号、同4,760,013号、同4,734,444
号、同2,833,827号、独国特許第2,904,
626号、同3,604,580号、同3,604,5
81号等に記載のスルホニウム塩、J.V.Crivello et a
l., Macromolecules, 10(6), 1307(1977)、J.V.Crivell
o et al., J.Polymer Sci., Polymer Chem. Ed., 17,10
47(1979) 等に記載のセレノニウム塩、C.S.Wen et al.,
Teh, Proc. Conf. Rad. Curing ASIA, p478, Tokyo, O
ct(1988) 等に記載のアルソニウム塩等のオニウム塩、 【0024】米国特許第3,905,815号、特公昭
46−4605号、特開昭48−36281号、特開昭
55−32070号、特開昭60−239736号、特
開昭61−169835号、特開昭61−169837
号、特開昭62−58241号、特開昭62−2124
01号、特開昭63−70243号、特開昭63−29
8339号等に記載の有機ハロゲン化合物、K.Meier et
al., J.Rad. Curing, 13(4),26(1986) 、T.P.Gill et
al., Inorg. Chem., 19,3007(1980)、D.Astruc,Acc. Ch
em. Res., 19(12), 377(1896)、特開平2−16144
5号等に記載の有機金属/有機ハロゲン化物、 【0025】S.Hayase et al., J.Polymer Sci., 25,75
3(1987) 、E.Reichman et al., J.Polymer Sci., Poliy
mer Chem. Ed., 23,1(1985) 、Q.Q.Zhu et al., J.Phot
ochem., 36, 85, 39, 317(1987) 、B.Amit et al., Tet
rahedron Lett., (24)2205(1973)、D.H.R.Barton et a
l., J.Chem. Soc., 3571(1965) 、P.M.Collins et al.,
J.Chem. Soc., Perkin I,1695(1975) 、M. Rudinstein
et al., Tetrahedron Lett.,(17), 1445(1975)、J.W.Wa
lker et al., J. Am. Chem. Soc., 110,7170(1988)、S.
C.Busman et al., J. Imaging Technol., 11(4),(198
5)、H.M.Houlihan et al., Macromolecules, 21,2001(1
988)、P.M.Collins et al., J.Chem. Soc.,Chem. Commu
n., 532(1972)、S.Hayase et al., Macromolecules, 1
8,1799(1985), E.Reichmanis etal., J.Electrochem. S
oc., Solid State Sci. Technol., 130(6)、F.M.Houlih
an et al., Macromolecules, 21,2001(1988)、欧州特許
第0290,750号、同046,083号、同15
6,535号、同271,851号、同0,388,3
43号、米国特許第3,901,710号、同4,18
1,531号、特開昭60−198538号、特開昭5
3−133022号等に記載の0-ニトロベンジル型保護
基を有する光酸発生剤、TUNOOKA et al., PolymerPrepr
ints Japan, 35(8)、G.Berner et al., J.Rad. Curing,
13(4) 、W.J.Mijset al., Coating Technol., 55(69
7), 45(1983), Akzo、H.Adachi et al., Polymer Prepr
ints, Japan, 37(3)、欧州特許第0199,672号、
同84515号、同199,672号、同044,11
5号、同0101,122号、米国特許第4,618,
554号、同4,371,605号、同4,431,7
74号、特開昭64−18143号、特開平2−245
756号、特開平3−140109号等に記載のイミノ
スルホネート等に代表される光分解してスルホン酸を発
生する化合物、特開昭61−166544号等に記載の
ジスルホン化合物を挙げることができる。 【0026】また、光酸発生剤をポリマーの主鎖又は側
鎖に導入した化合物、例えば、M.E.Woodhouse et al.,
J. Am. Chem. Soc., 104, 5586(1982)、S.P.Pappas et
al.,J.Imaging Sci., 30(5), 218(1986) 、S. Kondo et
al., Makromol. Chem. Rapid Commun., 9,625(1988)
、Y.Yamada et al., Makromol, Chem. 152, 153,163(1
972) 、J.V.Crivello et al., J.Polymer Sci., Polyme
r Chem. Ed., 17,3845(1979) 、米国特許第3,84
9,137号、独国特許第3914407号、特開昭6
3−26653号、特開昭55−164824号、特開
昭62−69263号、特開昭63−14603号、特
開昭63−163452号、特開昭62−153853
号、特開昭63−146029号等に記載の化合物を用
いることができる。さらに、V.N.R.Pillai, Synthesis,
(1),1(1980)、A. Abad et al., Tetrahedron Lett.,
(47)4555(1971) 、D.H.R.Barton et al., J.Chem. So
c., (C), 329(1970) 、米国特許第3,779,778
号、欧州特許第126,712号等に記載の光により酸
を発生する化合物も使用することができる。光酸発生剤
を高分子化合物含有層に添加する方法には特に制限はな
いが、グラフトポリマーを導入する際に原料に混ぜても
よいし、グラフトポリマー導入後、光酸発生剤を含む液
に接触させても良い。高分子化合物含有層における光酸
発生剤の添加量は、層の全固形分に対し、通常0.00
1〜40重量%程度であり、0.01〜20重量%が好
ましく、0.1〜5重量%がさらに好ましい。 【0027】〔基材親水性表面〕本発明の親水性部材
は、前述の極性変換基を有する高分子化合物の末端が直
接または幹高分子化合物を介して化学的に結合した表面
グラフト層と該高分子化合物の末端が直接または幹高分
子化合物を介して化学的に結合できるような基材表面を
有するものである。先に述べたように、基材の表面自体
がこのような特性を有していてもよく、このような特性
を有する中間層を基材表面に設けてもよい。 【0028】(基材表面或いは中間層)このような基材
表面は、前記表面グラフト層をグラフト合成して設ける
のに適した特性を有していれば、無機層、有機層のいず
れでもよい。また本発明においては、高分子化合物含有
層により親水性を発現するため表面の極性は問題ではな
く、親水性であっても、また、疎水性であってもよい。
このような中間層においては、特に、光グラフト重合
法、プラズマ照射グラフト重合法、放射線照射グラフト
重合法により本発明の薄層ポリマーを合成する場合に
は、有機表面を有する層であることが好ましく、特に有
機ポリマーの層であることが好ましい。また有機ポリマ
ーとしてはエポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹
脂、フェノール樹脂、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、
ポリエステル樹脂、ポリアミド系樹脂、メラミン系樹
脂、フォルマリン樹脂などの合成樹脂、ゼラチン、カゼ
イン、セルロース、デンプンなどの天然樹脂のいずれも
使用することができるが、光グラフト重合法、プラズマ
照射グラフト重合法、放射線照射グラフト重合法などで
はグラフト重合の開始が有機ポリマーの水素の引き抜き
から進行するため、水素が引き抜かれやすいポリマー、
特にアクリル樹脂、ウレタン樹脂、スチレン系樹脂、ビ
ニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド系樹脂、エ
ポキシ樹脂などを使用することが、特に製造適性の点で
好ましい。このような中間層は、後述の基板(基材)を
兼ねていても良く、また必要に応じて基材上に設けられ
た中間層であってもかまわない。 【0029】また、本発明の親水性部材においては、高
分子化合物含有層の形成性、高分子化合物含有層との密
着性の観点から、前記高分子化合物が直接化学結合して
いる基材として、その表面が粗面化されているものを用
いることもできる。粗面化した基材を用いる場合には、
その表面性状は以下の条件を満たすものであることが好
ましい。粗面化された基材の好ましい状態としては、2
次元粗さパラメータの中心線平均粗さ(Ra)が0.1
〜1μm、最大高さ(Ry)が1〜10μm、十点平均
粗さ(Rz)が1〜10μm、凹凸の平均間隔(Sm)
が5〜80μm、局部山頂の平均間隔(S)が5〜80
μm、最大高さ(Rt)が1〜10μm、中心線山高さ
(Rp)が1〜10μm、中心線谷深さ(Rv)が1〜
10μmの範囲が挙げられ、これらのひとつ以上の条件
を満たすものが好ましく、全てを満たすことがより好ま
しい。 【0030】上記2次元粗さパラメータは以下の定義に
基づくものである。 中心線平均粗さ(Ra):粗さ曲線から中心線の方向に
測定長さLの部分を抜き取り、この抜き取りの中心線と
粗さ曲線との偏差の絶対値を算術平均した値。最大高さ
(Ry):粗さ曲線からその平均線の方向に基準長さだ
け抜き取り、この抜き取り部分の山頂線と谷底線の間隔
を、粗さ曲線の縦倍率の方向に測定した値。 十点平均粗さ(Rz):粗さ曲線からその平均値の方向
に基準長さだけ抜き取り、この抜き取り部分の平均線か
ら縦倍率の方向に測定した、最も高い山頂から5番目ま
での山頂の標高(YP)の絶対値の平均値と、最も低い
谷底から5番目までの谷底の標高(Yv)の絶対値の平
均値との和をマイクロメートル(μm)で表した値。 凹凸の平均間隔(Sm):粗さ曲線からその平均線の方
向に基準長さだけ抜き取り、この抜き取り部分において
一つの山及びそれに隣り合う一つの谷に対応する平均線
の和を求め、この多数の凹凸の間隔の算術平均値をマイ
クロメートル(μm)で表した値。 【0031】局部山頂の平均間隔(S):粗さ曲線から
その平均線の方向に基準長さだけ抜き取り、この抜き取
り部分において隣り合う局部山頂間に対応する平均線の
長さを求め、この多数の局部山頂の間隔の算術平均値を
マイクロメートル(μm)で表した値。 最大高さ(Rt):粗さ曲線から基準長さだけ抜き取っ
た部分の中心線に平行な2直線で抜き取り部分を挟んだ
ときの2直線の間隔の値。 中心線高さ(Rp):粗さ曲線からその中心線方向に測
定長さLを抜き取り、この抜き取り部分の中心線に平行
で最高の山頂を通る直線との間隔の値。 中心線谷深さ(Rv):粗さ曲線からその中心線方向に
測定長さLの部分を抜き取り、この抜き取り部分の中心
線に平行で最深の谷底を通る直線との間隔の値。 【0032】〔光熱変換物質〕なお、本発明において、
光酸発生剤にエネルギーを与えて酸を発生させる場合、
光酸発生剤が吸収する波長を有する光源から露光するこ
とができる。また、光エネルギーを熱エネルギーに変換
するための光熱変換物質を基材上のどこかに含有させて
おくこともできる。光熱変換物質を含有させておく部分
としては、例えば、高分子化合物含有層、中間層、基材
のいずれてもよく、さらには、中間層と基材との間に光
熱変換剤層を設け、そこに添加してもよい。 【0033】本発明の親水性部材に用い得る光熱変換物
質としては、紫外線、可視光線、赤外線、白色光線等の
光を吸収して熱に変換し得る物質ならば全て使用でき、
例えば、カーボンブラック、カーボングラファイト、顔
料、フタロシアニン系顔料、鉄粉、黒鉛粉末、酸化鉄
粉、酸化鉛、酸化銀、酸化クロム、硫化鉄、硫化クロム
等が挙げられる。本発明において特に好ましいのは、露
光に使用する光の波長の範囲に吸収波長を有する染料、
顔料または金属微粒子である。 【0034】染料としては、市販の染料及び文献(例え
ば、「染料便覧」有機合成化学協会編集、昭和45年
刊)に記載されている公知のものが利用できる。具体的
には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染
料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボ
ニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン
染料、金属チオレート錯体等の染料が挙げられる。好ま
しい染料としては、例えば、特開昭58−125246
号、特開昭59−84356号、特開昭59−2028
29号、特開昭60−78787号等に記載されている
シアニン染料、特開昭58−173696号、特開昭5
8−181690号、特開昭58−194595号等に
記載されているメチン染料、特開昭58−112793
号、特開昭58−224793号、特開昭59−481
87号、特開昭59−73996号、特開昭60−52
940号、特開昭60−63744号等に記載されてい
るナフトキノン染料、特開昭58−112792号等に
記載されているスクワリリウム色素、英国特許434,
875号記載のシアニン染料等を挙げることができる。 【0035】また、米国特許第5,156,938号記
載の近赤外吸収増感剤も好適に用いられ、また、米国特
許第3,881,924号記載の置換アリールベンゾ
(チオ)ピリリウム塩、特開昭57−142645号
(米国特許第4,327,169号)記載のトリメチン
チアピリリウム塩、特開昭58−181051号、同5
8−220143号、同59−41363号、同59−
84248号、同59−84249号、同59−146
063号、同59−146061号に記載されているピ
リリウム系化合物、特開昭59−216146号記載の
シアニン色素、米国特許第4,283,475号に記載
のペンタメチンチオピリリウム塩等や特公平5−135
14号、同5−19702号公報に開示されているピリ
リウム化合物も好ましく用いられる。また、好ましい別
の染料の例として、米国特許第4,756,993号明
細書中に式(I)、(II)として記載されている近赤外
吸収染料を挙げることができる。これらの染料のうち特
に好ましいものとしては、シアニン色素、スクワリリウ
ム色素、ピリリウム塩、ニッケルチオレート錯体が挙げ
られる。 【0036】本発明において使用される顔料としては、
市販の顔料及びカラーインデックス(C.I.)便覧、
「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977年
刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年
刊)、「印刷インキ技術」CMC出版、1984年刊)
に記載されている顔料が利用できる。顔料の種類として
は、黒色顔料、黄色顔料、オレンジ色顔料、褐色顔料、
赤色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、
金属粉顔料、その他、ポリマー結合色素が挙げられる。
具体的には、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合ア
ゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、ア
ントラキノン系顔料、ペリレン及びペリノン系顔料、チ
オインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン
系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔
料、染付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロソ顔料、ニ
トロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機顔料、カーボンブ
ラック等が使用できる。これらの顔料のうち好ましいも
のはカーボンブラックである。 【0037】これらの染料又は顔料は、光熱変換物質含
有層全固形分の0.01〜50重量%、好ましくは0.
1〜10重量%、染料の場合特に好ましくは0.5〜1
0重量%、顔料の場合特に好ましくは0.1〜10重量
%の割合で使用することができる。顔料又は染料の添加
量が0.01重量%未満であると感度が低くなり、また
50重量%を越えると光熱変換物質含有層の膜強度が弱
くなる。 【0038】〔加熱又は輻射線照射〕本発明に係る親水
性部材前駆体に親水性表面の形成を行う場合の加熱、輻
射線照射などのエネルギー付与方法には特に制限はな
く、光酸発生剤から酸を発生させ得るエネルギーを付与
できる方法であれば、いずれも使用できるが、コスト、
装置の簡易性の観点からは後述する紫外線照射が好まし
い。本発明における親水性部材の形成に用いる加熱、又
は輻射線照射方法としては、全面加熱、或いは、輻射線
照射による全面露光等などの方法が挙げられる。全面に
エネルギーを付与する好ましい露光・加熱条件は、極性
変換基を疎水性から親水性に変換させ得るという点を目
安に適宜選択することができる。具体的な露光・加熱手
段としては、例えば、赤外線レーザ、紫外線ランプ、可
視光線などによる光照射、γ線などの電子線照射、サー
マルヘッド、ヒートロール、非接触式ヒータや熱風等を
用いた加熱ゾーンの利用などによる熱的なエネルギー付
与などが適用可能である。これらの光源としては、例え
ば、水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、
ケミカルランプ、カーボンアーク灯等がある。放射線と
しては、電子線、X線、イオンビーム、遠赤外線などが
ある。またg線、i線、Deep−UV光、高密度エネ
ルギービーム(レーザービーム)も使用される。 【0039】レーザ露光に用いるレーザとしては、炭酸
ガスレーザ、窒素レーザ、Arレーザ、He/Neレー
ザ、He/Cdレーザ、Krレーザ等の気体レーザ、液
体(色素)レーザ、ルビーレーザ、Nd/YAGレーザ
等の固体レーザ、GaAs/GaAlAs、InGaA
sレーザ等の半導体レーザ、KrFレーザ、XeClレ
ーザ、XeFレーザ、Ar2等のエキシマレーザ等が挙
げられる。なかでも、波長700〜1200nmの赤外
線を放射する半導体レーザ、YAGレーザ等の固体高出
力赤外線レーザによる露光が好適である。一般的に用い
られる具体的な態様としては、加熱装置等による直接或
いは間接的な全面加熱、赤外線レーザによる走査露光、
キセノン放電灯などの高照度フラッシュ露光や赤外線ラ
ンプ露光などによる全面露光が好適に挙げられる。ま
た、活性光線の露光を行なう場合、紫外線、可視光が好
ましく、反応速度に優れるという点から紫外線露光が特
に好ましい。活性光線の主たる波長が250nm以上8
00nm以下であることが好ましい。紫外線露光に用い
る光源としては、例えば、低圧水銀灯、高圧水銀灯、蛍
光ランプ、キセノンランプ、カーボンアークランプ、タ
ングステン白熱ランプ、太陽光などがあげられる。光照
射の所要時間は目的とする親水化度および使用する光源
により異なるが、通常数秒〜24時間である。 【0040】〔基材〕本発明に使用可能な基材として
は、例えば、防曇効果を期待する場合には透明な基材で
あり、その材質はガラス、プラスチック等が好適に利用
できる。防曇効果を有する部材が適用可能な用途として
は、車両用バックミラー、浴室用鏡、洗面所用鏡、歯科
用鏡、道路鏡のような鏡;眼鏡レンズ、光学レンズ、写
真機レンズ、内視鏡レンズ、照明用レンズ、半導体用レ
ンズ、複写機用レンズのようなレンズ;プリズム;建物
や監視塔の窓ガラス;自動車、鉄道車両、航空機、船
舶、潜水艇、雪上車、ロープウエイのゴンドラ、遊園地
のゴンドラ、宇宙船のような乗物の窓ガラス;自動車、
鉄道車両、航空機、船舶、潜水艇、雪上車、スノーモー
ビル、オートバイ、ロープウエイのゴンドラ、遊園地の
ゴンドラ、宇宙船のような乗物の風防ガラス;防護用ゴ
ーグル、スポーツ用ゴーグル、防護用マスクのシール
ド、スポーツ用マスクのシールド、ヘルメットのシール
ド、冷凍食品陳列ケースのガラス;計測機器のカバーガ
ラス、及び上記物品表面に貼付させるためのフィルムを
含む。 【0041】また、本発明の親水性部材に表面清浄化効
果を期待する場合には、その基材は、例えば、金属、セ
ラミックス、ガラス、プラスチック、木、石、セメン
ト、コンクリート、繊維、布帛、それらの組合せ、それ
らの積層体が、いずれも好適に利用できる。表面清浄化
効果を有する部材が適用可能な用途としては、建材、建
物外装、建物内装、窓枠、窓ガラス、構造部材、乗物の
外装及び塗装、機械装置や物品の外装、防塵カバー及び
塗装、交通標識、各種表示装置、広告塔、道路用防音
壁、鉄道用防音壁、橋梁、ガードレールの外装及び塗
装、トンネル内装及び塗装、碍子、太陽電池カバー、太
陽熱温水器集熱カバー、ビニールハウス、車両用照明灯
のカバー、住宅設備、便器、浴槽、洗面台、照明器具、
照明カバー、台所用品、食器、食器洗浄器、食器乾燥
器、流し、調理レンジ、キッチンフード、換気扇、及び
上記物品表面に貼付させるためのフィルムを含む。 【0042】本発明の親水性部材に帯電防止効果を期待
する場合には、その材質は、例えば、金属、セラミック
ス、ガラス、プラスチック、木、石、セメント、コンク
リート、繊維、布帛、それらの組合せ、それらの積層体
が好適に利用できる。適用可能な用途としては、ブラウ
ン管、磁気記録メディア、光記録メディア、光磁気記録
メディア、オーディオテープ、ビデオテープ、アナログ
レコード、家庭用電気製品のハウジングや部品や外装及
び塗装、OA機器製品のハウジングや部品や外装及び塗
装、建材、建物外装、建物内装、窓枠、窓ガラス、構造
部材、乗物の外装及び塗装、機械装置や物品の外装、防
塵カバー及び塗装、及び上記物品表面に貼付させるため
のフィルムを含む。 【0043】基材は、ガラス、セラミックなどの無機基
材でも、高分子樹脂からなる表面を有する基材のいずれ
も好ましく用いられ、樹脂基材は、樹脂自体、表面に樹
脂が被覆されている基材、表面層が樹脂層からなる複合
材のいずれをもを含む。樹脂自体としては、飛散防止フ
ィルム、意匠性フィルム、耐蝕性フィルム等のフィルム
基材;看板、高速道路の防音壁等の樹脂基材などが代表
例として挙げられる。表面に樹脂が被覆されている基材
としては、自動車筐体、塗装建材等の塗装板、表面に樹
脂フィルムが貼着された積層板、プライマー処理した基
材、ハードコート処理した基材などが代表例として挙げ
られる。表面層が樹脂層からなる複合材としては、裏面
に接着剤層が設けられた樹脂シール材、反射ミラー、な
どが代表例として挙げられる。 【0044】前記基材上に本発明に係る親水性表面を形
成することで、優れた親水性と耐久性とを有する親水性
部材が得られ、前記詳述したような各種の用途に使用す
ることができる。 【0045】 【実施例】以下、実施例により、本発明を詳細に説明す
るが、本発明の範囲はこれらによって限定されるもので
はない。 〔実施例1〕188μmのコロナ処理されたポリエチレ
ンテレフタレートフィルム(A4100、東洋紡(株)
製)を基材として用い、グロー処理として平版マグネト
ロンスパックリング装置(東芝エレテック製CFS−1
0−EP70)を使用し、下記の条件でアルゴングロー
処理を行った。 (アルゴングロー処理) 初期真空 :1.2×10-3Pa アルゴン圧力 :0.9Pa RFグロー :1.5kW 処理時間 :60sec 次に、グロー処理したフィルムを窒素バブルした2−エ
トキシエチルアクリレート(A−EE、中村化学製)の
メチルエチルケトンの溶液(10%)に50℃で7時間
浸漬して表面グラフトを行わせた。次に、得られた膜を
アセトンにて8時間浸漬洗浄してグラフトされていない
ポリマーを取り除くことにより、2−エトキシエチルア
クリレートが表面にグラフトポリマー化された高分子化
合物含有層1を得た。 【0046】次に、光酸発生剤として2,6−ビストリ
クロロメチル−4−(p−(N,N−ジ(エトキシカル
ボニルメチル)アミノ)フェニル)−トリアジンの10
wt%のメチルエチルケトン溶液に5分間浸積して親水
性部材前駆体1を得た。 【0047】(親水性表面の形成)上記親水性部材前駆
体1に、400W高圧水銀灯(UVL−400P,理工
科学産業(株)製)を使用し、10分間光照射すること
により親水性表面を形成し、親水性部材1を得た。 【0048】(親水性部材の評価)得られた親水性部材
1の親水性表面の接触角(空中水滴、協和界面科学
(株)製CA−Z)を測定したところ、8°であり、親
水性に優れていることが確認された。 【0049】得られた親水性部材1の表面を不織布(B
EMCOT、旭化学繊維社製)で100回擦り、その後
の接触角(空中水滴接触角)を、協和界面科学(株)
製、CA−Zを用いて測定した。擦りを行った後、部材
の表面を観察したが、表面の親水性層が剥がれたり、目
視で確認できる傷が付いたことはなく、実施例1の親水
性層は磨耗に対して充分な強度を有することがわかっ
た。また、擦り後の接触角は8°であった。擦り前のみ
ならず、擦り後も十分な親水性を示すことがわかった。
したがって、本発明の親水性部材は耐磨耗性が良好であ
ることが確認された。 【0050】〔実施例2〕188μmのサンドブラスト
処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム(パナ
ック工業(株)社製)を基材として用い、この基材を光
グラフト重合溶液(下記記載)を入れたガラス容器[パ
イレックス(登録商標)製]に入れ浸漬した。次に容器
をArガスで置換し、その後400Wの高圧水銀灯(理
工科学産業(株)製UVL−400P)を使用し、ガラ
ス容器を水銀灯から10cmの距離を離して60min
光照射した。得られたフィルムをアセトンに30min
浸漬し、表面にグラフトされていないポリマーを取り除
くことで基材表面に疎水性から親水性に極性が変化する
モノマーがグラフトされた高分子化合物含有層2を得
た。 【0051】(光グラフト重合溶液a) 2−エトキシエチルアクリレート 100g 1−メトキシ−2−プロパノール 100g ベンゾフェノン 4.5g 【0052】次に、光酸発生剤として2,6−ビストリ
クロロメチル−4−(p−(N,N−ジ(エトキシカル
ボニルメチル)アミノ)フェニル)−トリアジンの10
wt%のメチルエチルケトン溶液に5分間浸積して親水
性部材前駆体2を得た。 【0053】(親水性表面の形成)上記親水性部材前駆
体2に、400W高圧水銀灯(UVL−400P,理工
科学産業(株)製)を使用し、10分間光照射すること
により親水性表面を形成し、親水性部材2を得た。 【0054】(親水性部材の評価)得られた親水性部材
2の親水性表面の接触角(空中水滴、協和界面科学
(株)製CA−Z)を測定したところ、拡張濡れを示
し、親水性に優れていることが確認された。また、実施
例1と同様にして耐磨耗性の評価を行ったが、目視での
剥がれや傷もなく、擦り後の接触角も拡張濡れを示し、
本発明の親水性部材は耐磨耗性に優れていることが確認
された。 【0055】 【発明の効果】本発明によれば、各種の基材表面に親水
性層を備えてなる、親水性に優れ、且つ、良好な耐磨耗
性を有する親水性部材を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C09K 3/00 G02B 1/10 Z (72)発明者 加納 丈嘉 静岡県榛原郡吉田町川尻4000番地 富士写 真フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2H025 AB03 AB20 AC01 AC08 AD03 BE00 BH03 FA10 2H042 DA11 DB11 DC04 DE08 2K009 BB24 CC24 DD02 DD05 DD08 EE02 4F100 AK01B AK25 AK42 AL04 AT00A CA30B CA30H EJ55 JB05 JB05B JK09

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 基材表面に少なくとも光酸発生剤と、酸
    により疎水性から親水性に変化する官能基を有する高分
    子化合物を含有する層を備えた親水性部材前駆体を、加
    熱又は輻射線照射して得られる親水性部材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011158665A1 (ja) * 2010-06-18 2011-12-22 コニカミノルタオプト株式会社 フィルムミラー、及び太陽熱発電用反射装置
JP2020079914A (ja) * 2018-11-14 2020-05-28 日東電工株式会社 防眩性フィルム、防眩性フィルムの製造方法、光学部材および画像表示装置
WO2020111176A1 (ja) * 2018-11-29 2020-06-04 日東電工株式会社 防眩性フィルム、防眩性フィルムの製造方法、光学部材および画像表示装置

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