JP2003153932A - 排泄物処理装置 - Google Patents

排泄物処理装置

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JP2003153932A
JP2003153932A JP2001351208A JP2001351208A JP2003153932A JP 2003153932 A JP2003153932 A JP 2003153932A JP 2001351208 A JP2001351208 A JP 2001351208A JP 2001351208 A JP2001351208 A JP 2001351208A JP 2003153932 A JP2003153932 A JP 2003153932A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】便排出経路に便が詰まらないようにする(便排
出の容易化)。 【解決手段】着用者(患者)5から排出される便が、便
受けカップ10に受け入れられる。便受けカップ10内
が、排出経路23、47、便タンク46を介して、吸引
ポンプP2によって吸引される。便受けカップ10内に
は、洗浄液を噴射するノズル15が配設されている。ノ
ズル15から噴射される洗浄液は、左右方向(図4紙面
直角方向)に細幅でかつ前後方向(図4左右方向)に扇
状に広がるようにされる。便受けカップ10内の便は、
ノズル15から噴射される洗浄液でもって細かく粉砕さ
れ、粉砕された便は、洗浄液と共に便タンク46へと吸
引される。便粉砕は、回転スクリュ、振動体等の別の便
粉砕装置によって粉砕することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、着用者(患者)か
ら排出される排泄物の処理を行うための排泄物処理装
置、排泄物処理装置における便受けカップおよび排泄物
処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】着用者から排出される排泄物つまり便や
尿を処理するために、保持具を利用して着用者に装着さ
れる排泄物受け入れカップが用いられることが多い。通
常、排泄物受け入れカップは、便を受け入れる便受けカ
ップと尿を受け入れる尿受けカップとが一体に形成され
ており、受け入れカップ内に排出された排泄物は、吸引
によって受け入れカップの外部へと排出される。上記保
持具としては、着用者の腰部から太股にかけて全体的に
覆うおしめ形式(パンツ形式)とされる(例えば特許第
3020005号公報、実開平4−104820号公
報、特開平8−322868号公報参照)。また、受け
入れカップ内に洗浄液を供給して、受け入れカップ内は
もとより、着用者の肛門部や陰部をも合わせて洗浄でき
るようにすることも行われている。
【0003】受け入れカップ内に排出された便は、あら
かじめ特別の処理が行われることなく、着用者から排出
されたそのまま状態で、吸引チューブを介して外部へ吸
引されるようになっている。なお、受け入れカップ内に
便および尿が排出されたときは、便と尿とが混合した状
態で吸引チューブを介して外部へ吸引することも行われ
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来にあっては、受け
入れカップ内に排泄された便は、吸引チューブで単に吸
引排出されるだけなので、吸引チューブが詰まり易くな
るという問題を生じる。また、吸引チューブの径を大き
くする必要が有り、該吸引チューブが嵩張って取り扱い
難くなるとともに、外観を損ねる原因ともなっていた。
以上に加えて、受け入れカップに排出されたままの状態
の便を効果的に吸引するには、相当に大きな吸引力を必
要とし、便排出装置の大型化(吸引ポンプの大型化)を
まねく原因ともなっていた。
【0005】本発明は以上のような事情を勘案してなさ
れたもので、その第1の目的は、便受けカップ内に排出
された便を容易に排出できるようにした排泄物処理装置
を提供することにある。本発明の第2の目的は、上記第
1の目的を達成するための排泄物処理装置における便受
けカップを提供することにある。本発明の第3の目的
は、便受けカップ内に排出された便を容易に排出できる
ようにした排泄物処理方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るため、本発明における排泄物処理装置にあっては、基
本的に、便受けカップ内に排出された便をその排出前に
あらかじめ粉砕するようにしてある。具体的には、特許
請求の範囲における請求項1に記載のような解決手法を
採択してある。すなわち、受け口を有して、該受け口を
着用者の肛門部に向けた状態で該肛門部の周囲を包囲す
る便受けカップと、前記便受けカップ内に設けられ、該
便受けカップ内に排出された便を粉砕する便粉砕手段
と、前記便粉砕手段により粉砕された後の便を、前記便
受けカップの外部へ排出する便排出装置と、を備えたも
のとしてある。このように、便受けカップ内の便は、粉
砕された後に排出が行われるので、排出が容易に行われ
て、排出経路の詰まりが防止あるいは低減されることに
なる。また、粉砕された便を排出すればよいので、便排
出装置として例えば大型のポンプや大径の排出用チュー
ブを用いなくても容易に排出することが可能となる。勿
論、便は粉砕されていることにより、便受けカップ内面
に付着したままの状態になってしまう事態の発生が、防
止あるいは低減されることになる。
【0007】上記解決手法を前提として、次のような手
法をも合わせて採択することができる。すなわち、前記
便受けカップ内に洗浄液を供給する洗浄液供給手段をさ
らに備え、前記便排出装置が、前記便粉砕手段により粉
砕された便を、前記便受けカップ内に供給された洗浄液
との混合状態でもって排出する、ようにすることができ
る(請求項2対応)。この場合、粉砕された便は、洗浄
液との混合状態、つまり十分に流動性が高められた状態
で排出されるので、排出がより効果的に行われて、排出
経路の詰まりをより確実に防止することができる。ま
た、便受けカップ内面に便が付着されたままになってし
まう事態の防止、つまり便受けカップを清潔に保つ上で
もより好ましいものとなる。
【0008】前記便排出装置が、吸引によって前記便受
けカップ内で粉砕された便を該便受けカップの外部へ排
出するように設定されている、ようにすることができる
(請求項3対応)。この場合、洗浄液をも合わせて吸引
することとなって、吸引効果が飛躍的に向上されること
になる。これにより、便排出経路つまり吸引経路の径を
細くすることが可能となり、また吸引ポンプとして小型
のものを用いるだけでよいことになる。
【0009】前記受け口の全周縁部が、着用者に対して
当接される軟質のシール材によって被覆されている、よ
うにすることができる(請求項4対応)。この場合、着
用者への圧迫感低減と、吸引効果の向上とを図ることが
できる。
【0010】前記便粉砕装置が、前記便に向けて噴出さ
れる流体を利用して便を粉砕するように設定されてい
る、ようにすることができる(請求項5対応)。また、
前記便を粉砕する流体が液体とされている、ようにする
ことができる(請求項6対応)。このように、流体を用
いて便の粉砕を行うことにより、機械的に駆動される部
材でもって粉砕する場合に比して、安全性の面で好まし
いものとなる。特に液体を用いることにより、粉砕効果
を十分に得ることができる。
【0011】前記便受けカップ内に排出された便に向け
て粉砕用の液体を噴出するノズルを備え、前記ノズルか
ら噴出される液体が、細幅でかつ所定の広がり角を有す
る形状となるように設定されている、ようにすることが
できる(請求項7対応)。この場合、ノズルから噴射さ
れる液体が一種のカッタの機能を果たして、便の粉砕効
果を極めて高いものとすることができる。
【0012】前記ノズルから噴出される液体が、左右方
向において細幅で、前後方向において前記所定の広がり
角を有するように設定されており、前記所定の広がり角
が、前記ノズルから噴出される液体が着用者の肛門部に
到達するような角度範囲となるように設定されている、
ようにすることができる(請求項8対応)。この場合、
便の粉砕時に、合わせて肛門部をも洗浄することができ
る。
【0013】前記便受けカップ内の低部に、前記肛門部
から排出される便を受け止めるネット部材が配設され、
前記ノズルから噴出される液体が、前記ネット部材の上
方から該ネット部材に向けて噴出される、ようにするこ
とができる(請求項9対応)。この場合、ネット部材に
よる便の切断作用をも得て、便粉砕をより効果的に行う
ことができる。また、ネット部材の目を通過した便は、
確実にネット部材の目よりも小さい状態に粉砕されるこ
とになる。
【0014】前記ネットが可動式とされて、該ネットの
動きと前記ノズルから噴出される液体との両方によって
便が粉砕される、ようにすることができる(請求項10
対応)。この場合、便粉砕をより効果的に行うことがで
きる。
【0015】便を粉砕するための液体を噴出するノズル
が複数設けられており、前記複数のノズルは、互いに異
なる方向から前記便受けカップ内に排出された便に対し
て粉砕用の液体を噴出する、ようにすることができる
(請求項11対応)。この場合、噴射液体による便粉砕
をより効果的に行うことができる。
【0016】前記便受けカップ内に洗浄液を噴出して少
なくとも該便受けカップ内を洗浄する洗浄用ノズルを備
え、前記洗浄用ノズルからの洗浄液が、少なくとも前記
便受けカップ内に排出された便に向かうように設定され
て、該洗浄用ノズルが前記便粉砕装置を兼用している、
ようにすることができる(請求項12対応)。この場
合、便粉砕用と洗浄用との専用のノズルを別途独立して
設ける必要がないものとなる。
【0017】前記洗浄用ノズルが、前記洗浄液が噴出さ
れる方向を変更可能なように可動式とされており、前記
洗浄用ノズルは、便を粉砕するときは、便受けカップ内
を洗浄する場合に比して可動範囲が小さくされる、よう
にすることができる(請求項13対応)。この場合、便
粉砕を効果的に行うことと、便受けカップの洗浄を効果
的に行うこととの両方を、共に高い次元で満足させるこ
とができる。
【0018】前記便受けカップ内に便が排出されたこと
を検出する便センサが設けられ、前記洗浄用ノズルの可
動範囲を変更する可動範囲変更手段が設けられ、前記便
センサによって便が検出されたときには所定時間だけ前
記洗浄用ノズルの可動範囲が小さくなる状態とされ、該
所定時間経過後に該可動範囲大きくなる状態に変更され
る、ようにすることができる(請求項14対応)。この
場合、便粉砕、便排出、便受けカップ内洗浄を自動的に
行うことが可能となって、省力化を図ることができる。
【0019】前記便粉砕装置が、前記便受けカップ内に
排出された便が接触されると共に、該便に対して機械的
な外力を与える可動粉砕部を有する機械式とされてい
る、ようにすることができる(請求項15対応)。この
場合、便に対して粉砕用の大きな外力を付与することが
できる。
【0020】便受けカップ内が、仕切壁によって、前記
受け口が開口される便室と、該便室の後方に位置される
補機室とに画成され、前記補機室に、前記可動粉砕部を
駆動するための駆動源が装備されている、ようにするこ
とができる(請求項16対応)。この場合、補機室は仕
切壁によって便室と画成されているために、便受けカッ
プのうち便によって汚損される部分を必要最小限に止め
るようにする上で好ましいものとなる。特に、駆動源が
便によって汚損されてしまう事態を防止する上で好まし
いものとなる。
【0021】前記便粉砕装置が、振動によって便を粉砕
するように設定されている、ようにすることができる
(請求項17対応)。この場合、極力大きな機械的変位
を伴うことなく、便に粉砕のための大きな外力を与える
上で好ましいものとなる。
【0022】前記便受けカップの低部に、前記便受けカ
ップ内に排出される便を受け止める振動体が配設され、
前記便受けカップ内に便が排出されたことを検出する便
センサが設けられ、前記便センサによって便が検出され
たときに、前記振動体が作動されて振動が行われる、よ
うにすることができる(請求項18対応)。この場合、
振動体の作動開始時期を適切に設定する上で好ましいも
のとなる。
【0023】前記便粉砕装置が、前記便受けカップ内の
低部に配設されて前記肛門部より排出される便を受け止
めるネット部材と、前記ネット部材上にある便に向けて
粉砕用の液体を噴出するノズルと、を備えているように
することができる(請求項19対応)。この場合、ノズ
ルから噴射される液体のエネルギと、便が噴射圧力を受
けてネット部材に押しつけられることによる当該ネット
部材の切断作用とを利用して、便粉砕を効果的に行うこ
とができる。特に、粉砕された便は、ネット部材の目よ
りも確実に小さい状態にすることができる。さらに、粉
砕された便は液体との混合状態とされて十分に流動性が
高められるので、その結果、便の排出が極めて容易とな
って、便の排出経路の詰まり防止や排出用ポンプの小型
化を図る等の上でも好ましいものとなる。
【0024】前記便排出装置が吸引式とされ、前記便排
出装置の便吸引口が、前記ネットの下方において前記便
受けカップ内に開口されている、ようにすることができ
る(請求項20対応)。この場合、便吸引口に導入され
る便は、ネット部材の目を通過することにより確実に細
かくされた状態のものとなり、便排出経路の詰まり防止
等の上でより好ましいものとなる。
【0025】前記便粉砕装置が、前記便受けカップ内に
排出された便が接触されると共に該便に対して機械的な
外力を与えるための可動粉砕部を有する第1粉砕手段
と、前記可動粉砕部に向けて洗浄液を噴射するノズルを
有し、該ノズルから噴射された洗浄液によって便を粉砕
する第2粉砕手段と、を備えているようにすることがで
きる(請求項21対応)。この場合、便粉砕をより効果
的に行うことができる。
【0026】便受けカップ内が、仕切壁によって、前記
受け口が開口される便室と、該便室の後方に位置される
補機室とに画成され、前記便粉砕装置が、前記便室内に
排出された便に対して作用する可動式の粉砕部と、前記
補機室に配設されて該粉砕部を駆動するための駆動源と
を備えている、ようにすることができる(請求項23対
応)。この場合、便受けカップのうち便によって汚損さ
れる部位を極力小さくする上で好ましいものとなる。ま
た、駆動源が便によって汚損されてしまう事態を防止す
る上で好ましいものとなる。
【0027】少なくとも前記便粉砕装置の作動時に、前
記便室内に洗浄液を供給する洗浄液供給手段を有し、前
記便排出装置が、前記便室の底部に開口すると共に前記
便受けカップの外部に連なる排出経路を有すると共に、
該排出経路を介して該便室の吸引を行う吸引式とされ、
前記排出経路が、前記補機室を前後方向に横断するよう
に配設されて、前記便受けカップの後部から該便受けカ
ップの外部へと伸びている、ようにすることができる
(請求項23対応)。この場合、請求項3に対応した効
果を得ることができる。また、補機室を便排出経路の配
設部位として有効に利用しつつ、便受け口とは反対側の
端部つまり着用者から離れた部位から便を外部へ排出す
ることができる。
【0028】前記便粉砕装置が、前記便受けカップ内に
配設された可動式の粉砕部と、該便受けカップ内配設さ
れて該粉砕部を駆動する駆動源とを有する、ようにする
ことができる(請求項24対応)。この場合、便粉砕装
置を可動式の粉砕部を有する構造とすることにより、便
を効果的に粉砕する上で好ましいものとなる。
【0029】前記駆動源が、電気式モータまたは超音波
モータとされている、ようにすることができる。この場
合、モータとして市販品を利用することが可能となる。
【0030】前記便受けカップ内に洗浄液を供給する洗
浄液供給手段を有し、前記駆動源が、前記洗浄液の有す
る運動エネルギを機械エネルギとして取り出す流体作動
式とされている、ようにすることができる(請求項26
対応)。この場合、洗浄液の有する運動エネルギを有効
に利用して、粉砕部を駆動することができる。
【0031】前記便排出装置が、前記便受けカップ内を
吸引することによって便を排出する吸引式とされ、前記
駆動源が、前記便排出装置の吸引エネルギを機械エネル
ギとして取り出す負圧作動式とされている、ようにする
ことができる(請求項27対応)。この場合、便排出装
置の吸引エネルギを有効に利用して、便粉砕部を駆動す
ることができる。
【0032】前記粉砕部が、回転される回転式とされて
いる、ようにすることができる(請求項28対応)。こ
の場合、可動部の駆動を一般的な回転式とすることがで
きる。
【0033】前記粉砕部が、羽根またはスクリュとされ
ている、ようにすることができる(請求項29対応)。
この場合、便の粉砕をスクリュによって効果的に行うこ
とができる。
【0034】前記粉砕部が、前記受け口に向けて開口さ
れたバスケット状のネット部材とされている、ようにす
ることができる(請求項30対応)。この場合、ネット
部材そのものの回転を利用して便の粉砕を行いつつ、便
をネット部材の目よりも細かく粉砕することができる。
【0035】前記便受けカップ内に洗浄液を噴出する洗
浄液供給手段と、前記便受けカップ内に排出された便を
検出する便センサと、前記便センサの信号が入力され
て、前記便粉砕装置と前記洗浄液供給手段と前記便排出
装置とを駆動制御する制御装置と、をさらに備えている
ようにすることができる(請求項31対応)。この場
合、便粉砕と洗浄と便排出とを自動的に行うことが可能
となって、省力化の上で好ましいものとなる。
【0036】前記制御手段は、前記便センサによって便
が検出されたときに、前記便粉砕装置と前記洗浄液供給
手段と前記便排出装置とを、少なくとも所定時間に渡っ
て同時に作動させる、ようにすることができる(請求項
32対応)。この場合、粉砕された便を、洗浄液と混合
された十分に流動性の高いものとすることができ、この
流動性の高い状態で排出を行うことができる。
【0037】前記便受けカップを着用者に圧接させる保
治具をさらに備えている、ようにすることができる(請
求項33対応)。この場合、保持具を利用して、便受け
カップを着用者の所定位置にきちんと装着することがで
きる。
【0038】前記第2の目的を達成するため、本発明に
よる排泄物処理装置における便受けカップにあっては、
基本的に、排出された便を粉砕する便粉砕装置を備えた
ものとしてある。具体的には、特許請求の範囲における
請求項34に記載のように、受け口を有して、該受け口
を着用者の肛門部に向けた状態で該肛門部の周囲を包囲
する便受けカップであって、前記便受けカップ内に、該
便受けカップに排出された便を粉砕する便粉砕装置が設
けられ、前記便受けカップの底部には、粉砕された便を
該便受けカップの外部に排出するための排出口が開口さ
れている、ようにしてある。これにより、請求項1に記
載された排泄物処理装置に用いることのできる便受けカ
ップが提供される。
【0039】上記解決手法を前提として、次のような解
決手法を合わせて採択することができる。すなわち、前
記便受けカップ内には、洗浄液を噴射するためのノズル
が配設されている、ようにすることができる(請求項3
5対応)。この場合、特に、粉砕された便を洗浄液の混
合状態として、十分に流動性の高い状態とすることが可
能な便受けカップが提供される。
【0040】前記便粉砕装置が、前記便受けカップ内に
排出された便を粉砕するために可動される粉砕部と、該
粉砕部を駆動する駆動源とを有し、便受けカップ内が、
仕切壁によって、前記受け口が開口される便室と、該便
室の後方に位置される補機室とに画成され、前記粉砕部
およびノズルが、それぞれ前記便室に配設され、前記駆
動源が、前記補機室に配設されている、ようにすること
ができる(請求項36対応)。この場合、便によって汚
損される部位を極力小さくしつつ、駆動源が便によって
汚損される事態を防止するものが提供される。
【0041】前記ノズルから噴射される洗浄液が、前記
便受けカップ内に排出された便に対して噴射されること
により便が粉砕されるように設定されて、該ノズルが前
記便粉砕装置を兼用している、ようにすることができる
(請求項37対応)、この場合、ノズルを、洗浄用と便
粉砕用とで兼用することができる。
【0042】前記便受けカップが、前記肛門部の周囲の
みを包囲できるような大きさに設定されて、尿受けカッ
プとは別個独立して構成されている、ようにすることが
できる。この場合、着用者の体格等に応じて便受けカッ
プと尿受けカップとを、適切な位置において着用者に装
着させる上で好ましいものとなる。また、尿受けを考慮
することなく、便受け専用として好適なものが得られ
る。
【0043】前記第3の目的を達成するため、本発明に
おける排泄物処理方法にあっては、基本的に、便受けカ
ップ内においてあらかじめ便を粉砕した後に、便を外部
へ排出するようにしてある。具体的には、特許請求の範
囲における請求項39に記載のように、受け口を着用者
の肛門部に向けた状態で該肛門部の周囲を包囲する便受
けカップを用いた排泄物処理方法であって、前記便受け
カップ内に排出された便を粉砕して、該粉砕された後の
便を該便受けカップの外部へ吸引によって排出する、よ
うにしてある。これにより、外部へ排出される便はあら
かじめ粉砕されているので、その排出を容易に行うこと
が可能になる。
【0044】上記解決手法を前提として、次のような手
法を合わせて採択することができる。すなわち、少なく
とも便の粉砕時に前記便受けカップ内に洗浄液を供給し
て、粉砕された便が該洗浄液との混合状態でもって該便
受けカップの外部へ排出される、ようにすることができ
る(請求項40対応)。この場合、粉砕された便は、洗
浄液と混合された十分に流動性の高いものとなり、その
排出がより一層容易となる。
【0045】前記洗浄液を前記便受けカップ内に排出さ
れた便に向けて噴射することにより、便の粉砕が行われ
る、ようにすることができる(請求項41対応)。この
場合、洗浄液を有効に利用して、便粉砕を行うことがで
きる。
【0046】洗浄液の噴射が、便の粉砕時にはもっぱら
便に向かうように狭い範囲でもって行われ、便の排出後
には前記便受けカップの広い範囲に渡って行われる、よ
うにすることができる(請求項42対応)。この場合、
便粉砕と便受けカップ内洗浄とを、共に高い次元で満足
させることができる。
【0047】前記目的を達成するため、本発明における
排泄物処理装置は、次のような解決手法を採択すること
もできる。すなわち、特許請求の範囲における請求項4
3に記載のように、受け口を有して、該受け口を着用者
の肛門部に向けた状態で該肛門部の周囲を包囲する便受
けカップと、前記便受けカップ内に開口され、該便受け
カップ内の便を外部に排出するための便排出経路と、前
記便排出経路を横断するように配設され、該便排出経路
を流れる便が当接したときに便を切断する切断部材と、
を備えている、ようにしてある。これにより、便排出経
路を流れる便は、その途中において切断部材に当接され
て、切断されることになる(切断によって便が小さくさ
れる粉砕)。特に、便の切断(粉砕)のための特別の動
力源を用いることなく、便排出経路を便が流れるように
するための便排出用の動力源を有効に利用して、便の切
断を行うことができる。
【0048】上記解決手法を前提として、次のような解
決手法を採択することもできる。すなわち、前記切断部
材が、全体として細い線状の切断線とされている、よう
にすることができる(請求項44対応)。この場合、切
断部材を極めて簡単な構成とすることができる。また、
切断部材そのものが便の流れの抵抗とならないようにす
る上でも好ましいものとなる。
【0049】前記切断線が、互いに異なる方向に伸びる
ように複数本設けられている、ようにすることができる
(請求項45対応)。この場合、便を、複数本の切断線
によってより細かく切断することができる。
【0050】前記便排出経路を介して前記便受けカップ
内を吸引する便排出用のポンプと、前記便受けカップ内
に洗浄液を供給する洗浄液供給装置と、を備え、前記便
排出用のポンプによって前記便受けカップ内を吸引する
ときに、前記洗浄液供給装置から前記便受けカップ内に
洗浄液が供給されて、該便受けカップ内の便が、洗浄液
と共に前記便排出経路を流れるようにされている、よう
にすることができる(請求項46対応)。この場合、便
と洗浄液との混合状態で便を吸引することにより、吸引
効果を高めて、便の排出やその切断をより効果的に行う
上で好ましいものとなる。
【0051】前記切断部材が、前記便排出経路のうち、
前記便受けカップの外部でかつ該便受けカップ付近の位
置に配設されている、ようにすることができる(請求項
47対応)。この場合、便受けカップに対して切断部材
を外付けすることが可能になり、便受けカップそのもの
が便粉砕機能を有しない場合であっても、便粉砕を行う
ことができる。
【0052】なお、便受けカップは、便を受け入れるも
のであれば、尿をも合わせて受け入れるものであっても
よい。すなわち、便受けカップは、少なくとも肛門部の
周囲を囲むものであればよく、肛門部の他に陰部をも合
わせて囲むものであってもよい。
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、便の排出が容易とな
る。
【0054】
【発明の実施の形態】第1実施形態(図1〜図19)
【0055】図1〜図19は本発明の第1実施形態を示
すものである。図1〜図3において、5は着用者つまり
患者、A−1は排泄物処理装置である。この排泄物処理
装置A−1は、便受けカップ10と尿受けカップ25と
を別個に有する。各カップ10と25とは、例えばプラ
スチック材により形成されている。各カップ10、25
は、保持具6により患者5の肛門部5a(の周囲)及び
陰部5b(の周囲)に圧接保持される。
【0056】上記保持具6は、周ベルト7と、複数本の
紐部8a、8b、8cとを有する。周ベルト7は、患者
5の胴部に巻回される。周ベルト7の上部両側に、2本
の上部紐8a,8bの各一端部が連結される。周ベルト
7の下部中心部に、1本の下部紐8cが連結される。上
部紐8a,8bの先端部及び下部紐8cの先端部によ
り、可撓性の係止リング9が3箇所で保持される。図2
の仮想線で示すように、係止リング9は、上下に楕円状
に湾曲させた状態で、患者5の肛門部5a及び陰部5b
を囲む位置に位置決めされる。
【0057】上記便受けカップ10は、患者5の肛門部
5aに当てられる。尿受けカップ25の受け口は、陰部
5bに当てられる。この状態で、図2の実線で示すよう
に、上記係止リング9の両側が、各便受けカップ10及
び尿受けカップ25の両側に取り付けたフック形の掛け
具9a,9bに係止される。このような保持具6によっ
て、各便受けカップ10、尿受けカップ25の受け口
が、患者5の肛門部5a(の周囲)あるいは陰部5b
(の周囲)に圧接される。
【0058】上記便受けカップ10の両側に、便受けカ
ップ10及び尿受けカップ25の装着不良を検知する装
着センサS3が取り付けられる。この装着センサS3
は、実施形態ではリミットスイッチからなる。センサS
3のアクチュエータ部は、上記上部紐8a,8bに摺動
可能に係止される。これにより、上部紐8a,8bの緊
張力が所定値以下(装着不良)になった際にセンサS3
はオン作動し、該緊張力が所定値以上になった際にセン
サS3はオフ作動される。
【0059】なお、上記便受けカップ10及び尿受けカ
ップ25を座位姿勢の患者5に装着する際には、図3に
示すように、椅子34の座面に前部側が開口した馬蹄形
の座布団34aが利用される。すなわち、座布団3aの
上に上記患者5を腰掛けさせ、便受けカップ10の下部
(後部)を上記座布団34aの開口部34bに臨ませる
ことにより、上記便受けカップ10が椅子34の座面か
ら浮くようにされる。
【0060】上記便受けカップ10及び尿受けカップ2
5は、図4〜図9に示すようになっている。まず、便受
けカップ10は、全体的に前後方向に細長く伸びる筒状
に形成されている。すなわち、便受けカップ10は、上
下方向に比して左右方向が細幅とされ、しかも前後方向
に長く伸びる形状に設定されている。便受けカップ10
の寸法は、前後の長さが約112mm、上下の高さが約
50mm、左右の幅が約40mmとなる筒状に形成され
ている。便受けカップ10内は、前後方向略中間部で、
仕切り壁11により前後(図4において左右)に2分割
されている。すなわち、便受けカップ10内は、仕切壁
11の前部側に便室12が画成され、仕切壁11の後部
側に補機室14が画成される。便室12の前面(図4に
おいて左面)は、便の受け口12aとして外部(前方)
へ開口されている。受け口12aの周縁部には、軟質製
のゴム、樹脂等からなる環状のシール材13が取り付け
られて、肛門部5aの周囲に密接に当接可能とされてい
る。なお、便室12と補機室14とは、極力液密となる
ように画成される。
【0061】上記仕切り壁11は、硬質製のプラスチッ
ク材によって、強度が高く形成されている。仕切壁11
には、吐出管16が前後方向に向けて回転自在に支持さ
れている。この吐出管16の前端部は、上記便室12内
に露出されている。吐出管16の前端部には、便室12
内に位置させて、洗浄水(洗浄液)を吐出する第1ノズ
ル(便粉砕装置)15が取り付けられている。この第1
ノズル15から噴射される洗浄液の噴射方向は、吐出管
16の軸心に対して直交方向となるように設定されてい
る。
【0062】上記仕切り壁11のうち補機室14側の面
には、モータ(本実施形態では超音波モータ)Mが取付
けられている。このモータMは、上記吐出管16を回転
させるためのものである。モータMは、リング形とされ
て、吐出管16がモータMの中空部内を貫通している。
このモータMは、補機室14に収容した端末回路板60
からの信号を受けて回転制御される。即ち、便室12内
の便を粉砕する際には、第1ノズルが下向きにされて、
該第1ノズル15が上下線に対してそれぞれ左右に約9
0度の角度で所定時間(本例では約20秒間)揺動する
ように、吐出管16が往復回転される。便の粉砕が終了
した時点になると、上記第1ノズルが360度回転する
ように、上記吐出管16が一方向に所定時間(本例では
約10秒間)回転されて、肛門部5a及び便カップ10
内を洗浄するように駆動制御される。
【0063】上記吐出管16は、ロータリー継手17を
介して、補機室14内に設けた供給管18に回転自在に
接続されている。供給管18は、補機室14の後部壁2
0に形成した供給路20a及び後部継手21内に形成し
た供給路21aを介して、後述する洗浄水供給装置40
に接続されている。洗浄水供給装置40から供給される
洗浄水(湯)が、上記第1ノズル15から便室12内に
噴出される。これにより、上記洗浄水により該便室12
内に排出された便が粉砕されるとともに、患者5の肛門
部5aが洗浄される。
【0064】第1ノズル15から噴射される洗浄水は、
その噴射形状が扇状とされる。すなわち、噴射される洗
浄水の前後方向の吐出角度αが約110度、左右方向の
吐出幅は約1mmとされる。上記補機室14の下部には
排便管23が配置され、該排便管23の前部が便室12
の後部下部に接続されて、便室12に開口されている。
この排便管23の後部は、補機室14の後部壁20に形
成した排便路20b及び上記後部継手21内に形成した
排便路21bを介して、後述する便排出装置45に接続
される。便排出装置45により、上記便室12内で粉砕
された便が吸引されて、外部に除去(排出)される。
【0065】前述した尿受けカップ25は、図4及び図
5に示すように、前部が開口された受け口とされてい
る。尿受けカップ25は、上面部が後方に向かって下り
傾斜する円錐形の容器状に形成されている。尿受けカッ
プ25の寸法は、前後の長さが約52mm、上下の高さ
が約55mm、左右の幅が約36mmとなっている。
【0066】尿受けカップ25の前部の受け口25aは
上下に長い楕円状とされている。受け口25aの周縁部
には、軟質製のゴム、樹脂等からなるシール材26が取
り付けられて、陰部5bの周囲に密接に当接するように
されている。尿受けカップ25の後部下部に、排尿ホー
ス27が接続されている。排尿ホース27の直径は、約
10mmとされている。この排尿ホース27の後端は、
補機室14の後部壁20に形成した排尿路20cの上部
に接続されている。すなわち、排尿ホース27は、排尿
路20c及び後部継手21内に形成した排尿路21cを
介して、後述する尿排出装置50に接続される。尿排出
装置50により尿受けカップ25内に排出された尿が吸
引されて、外部に除去される。
【0067】患者5の陰部5bを洗浄する機能を持たせ
る場合には、上記尿受けカップ25の後部に第2ノズル
28がを取付けられる。第2ノズル28は、第2吐出ホ
ース29、電磁弁30、分岐手31を介して、前述した
供給管18の途中に接続される。患者5の排尿が終了し
た時期に上記電磁弁30を開くことにより、洗浄水供給
装置40から供給される洗浄水(湯)が、該第2ノズル
28から患者5の陰部5bに向けて洗浄水が噴出され
る。この場合、上記第2ノズル28からの洗浄水の吐出
角度は、例えば約40度とされる。
【0068】排便路20bと21bとは、図4、図7に
示すように、後部継手21の軸心C部分にて対面され
る。供給路20aと21aとが、軸心Cとはオフセット
された位置でもって対面される。排尿路20cと21c
とが、軸心Cとオフセットされた位置で対面される。図
7に示すように、供給路20aと21aとの対面位置
は、排尿路20cと21cとの対面位置に対して、軸心
Cを中心とする上下対象位置となるうように設定されて
いる。そして、後部継手21の供給路21a及び排尿路
21cの対面部には、軸心Cを中心とする約120度の
円弧溝21a−1,21c−1(連結用通路となる)が
形成されている。
【0069】上記後部継手21は、後部壁20に対し
て、円筒状の連結具22を介して連結されている。後部
継手21は、その軸心を中心として、約120度の角度
で回動可能とされている。これにより、患者5が左右横
向き転動して上記便受けカップ10及び尿受けカップ2
5が左右に回動した際に、上記後部継手21が後部壁2
0と相対回転される。つまり、該後部継手21に接続さ
れた洗浄水供給装置40、便排出装置45、及び尿排出
装置50の各ホースの捩れが防止される。
【0070】前述した便室12の外周部に、便センサS
1がり取付けられている(図4)。また排尿路20cの
起立部の外周部に、尿センサS2を取り付けられている
(図8)、これら便センサS1及び尿センサS2の検知
信号は、前述した端末回路板60に送られる。上記便セ
ンサS1及び尿センサS2は共に同様の静電容量式から
なる。
【0071】便センサS1(尿センサS2も同じ)につ
いて、図10により説明する。まず、便室12を形成す
る外周壁、即ち便受けカップ10はプラスチック等の絶
縁材により形成されている。上記便室12の外周に、
銅、アルミ等の導電材からなるリング状の送信電極24
a、保護電極24b、及び受信電極24cが前後方向に
所定の間隔をおいて巻き付けられている。送信電極24
a、保護電極24b、及び受信電極24cは、検出回路
24dに接続される。
【0072】送信電極24aと受信電極24cとの間の
静電容量は、この間に便が存在するか否かに応じて相違
する。したがって、この静電容量の変化を上記検出回路
24dでもって検出することにより、便受けカップ10
内に便が存在するか否かが判断されることになる(例え
ば特開2000−80703号公報に記載の静電容量式
センサの利用)。
【0073】なお、上述のような便検出手法はあくまで
一例であり、従来既知の適宜の便検出センサを用いるこ
とができる。例えば、発光素子と、発光素子からの光を
受光する受光素子とを便受けカップ10に装備し、この
両素子の間に便が排出されるように設定することによ
り、受光素子によって受光されないときは、便が存在す
るときであると判定することができる。また、便受けカ
ップ10のうち、便が排出される面からの反射光の有無
を利用して、便の有無を検出することもできる(発光素
子からの反射光を受光する受光素子が、受光しないとき
に、便が存在すると判定される)。
【0074】前述した洗浄水供給装置40は、水、また
は水に消毒液、石鹸水等を混入した洗浄液(洗浄水)を
供給するためのものである。図4に示すように、洗浄水
供給装置40は、洗浄水を所定温度に調節する温水タン
ク41を有する。温水タンク41内の温水(つまり洗浄
水)は、温水ポンプP1、供給ホース42を介して、便
受けカップ10に向けて供給される。上記温水タンク4
1内には、高温センサS4と低温センサS5とが設けら
れている。高温センサS4は、例えば42度C以上にな
ったらオン作動する。低温センサS5は、例えば25度
C以下になったらオン作動する。センサS4,S5がオ
ン作動した際には上記温水ポンプP1が停止される。セ
ンサS4,S5がオフ作動の状態でかつ便センサS1又
は尿センサS2が作動した際には、上記温水ポンプP1
が起動されて、第1ノズル15又は第2ノズル28から
洗浄水が噴出される(患者5の肛門部5a又は陰部5b
の洗浄)。
【0075】前述した便排出装置45は、図4に示すよ
うに、密閉された便タンク46を有する。便タンク46
の上部が、排便ホース47(例えば直径約10mm)を
介して、前述した排便路21bに着脱自在に接続され
る。また、便タンク46の上部が、吸引ホース48を介
して、便吸引ポンプP2(の吸引口)に接続される。便
吸引ポンプP2の排出管には、触媒(消臭器)49が接
続される。便吸引ポンプP2は、前述した便センサS1
が作動した際に起動され、便タンク46内を負圧にす
る。これにより、便室12内の下部に流下した便が吸引
されて、便タンク46内に収容される。便吸引ポンプP
2で吸引された便タンク46内のガスは、上記触媒49
により浄化された後、外気に排出される。上記便タンク
46には、該便タンク46の満杯を検知する満杯センサ
S6が取り付けられている。
【0076】前述した尿排出装置50は、図4に示すよ
うに、密閉された尿タンク51を有する。尿タンク51
の上部は、排尿ホース52を介して、前述した排尿路2
1cに接続される。また、尿タンク51の上部は、吸引
ホース53を介して、尿吸引ポンプP3(の吸引口)に
接続される。尿吸引ポンプP3の排出管には、触媒(消
臭器)54が接続されている。尿吸引ポンプP3は、前
述した尿センサS2が作動した際に起動され、尿タンク
51内を負圧にする。これにより、尿受けカップ25内
の下部に流下した尿が、吸引されて、尿タンク51内に
収容される。尿吸引ポンプP3で吸引された尿タンク5
1内のガスは、上記触媒54により浄化された後、外気
に排出される。上記尿タンク51には、該尿タンク51
の満杯を検知する満杯センサS7が取り付けられてい
る。
【0077】図4において、70は外部のコントローラ
部である。このコントローラ部70は、前述の端末回路
板60に所定の電源電圧を印加する。また、コントロー
ラ部70は、通信回線64を介して上記端末回路板60
と交信して、各機器を制御するようになっている。図1
1は上記端末回路板60及びコントローラ部70に組み
込まれた制御装置のブロック図、図12はそのフローチ
ャートである。
【0078】図11において、61は端末回路板60に
組み込まれた装着制御部、71はコントローラ部70に
組み込まれた外部制御部である。上記装着制御部61は
端末のマイクロコンピューター62を有する。端末のマ
イクロコンピューター62には、便センサS1及び尿セ
ンサS2のデータが、検出回路24,24’を介して入
力される。また、マイクロコンピュータ62は、装着セ
ンサS3の信号が入力される。さらに、マイクロコンピ
ュータ62には、第1ノズル15の原点位置を検出する
原点センサS8のデータが、原点回路63を介して入力
される。マイクロコンピューター62は、上記各データ
及び信号を、通信回路64を介してコントローラ部70
側の外部制御部71に送る。また、マイクロコンピュー
タ62は、外部制御部71で処理されたデータを受け取
って、モータ駆動回路65を介してモータMを制御す
る。66は、上記コントローラ部70側から端末回路板
60に供給される電源回路である。
【0079】上記コントローラ部70の外部制御部71
は、親のマイクロコンピューター72を有し、該親のマ
イクロコンピューター72には、通信回路73を介して
上記端末のマイクロコンピューター62からの各データ
及び信号が入力される。マイクロコンピュータ72に
は、高温センサS4、低温センサS5、満杯センサS
6,S7、手動便スイッチSW1、手動尿スイッチSW
2等の各信号が入力される。さらに、マイクロコンピュ
ータ72には、操作ボタン74によりモータMの駆動時
間及び正逆回転の角度、各センサの設定値等が入力され
る。親のマイクロコンピューター72は、入力された各
データ、信号を記憶、演算処理して、上記端末のマイク
ロコンピューター62に所定の指令信号を発するととも
に、各駆動回路を介して温水ポンプP1、便吸引ポンプ
P2、及び尿吸引ポンプP3を制御する。またマイクロ
コンピュータ72は、異常時にアラーム75を作動させ
たり、液晶表示器76に所定の表示を行う。上記コント
ローラ部70のデータは、必要に応じ、通信回線を介し
て集中管理室に設置したパソコン78に送られ、ここで
記録及び集中管理される。77は、上記コントローラ部
70の電源回路である。
【0080】次に上記装着制御部61及び外部制御部7
1の動作について、図12のフローチャートを参照しつ
つ説明する。なお、図12において、T1〜T21はフ
ローチャートの各ステップを示す。制御プログラムがス
テップT1でスタートすると、ステップT2で、装着セ
ンサS3、高温センサS4、低温センサS5、便タンク
46の満杯センサS6、及び尿タンク51の満杯センサ
S7の各信号が入力される。ステップT3では、上記各
センサの異常の有無が判断される。ステップT3で異常
がある場合は、ステップT16に進行してエラー表示及
び警報が発っせられ、異常がない(各信号がオフ)場合
はステップT4に進行する。ステップT4では、自動運
転か否かを判断する。
【0081】自動運転の場合は、ステップT5で、便セ
ンサS1がオンしたか否かが判断される。便センサS1
がオンした際は、ステップT7〜T10に進行して、温
水ポンプP1、便吸引ポンプP2が起動されるととも
に、モータMが約20秒間正逆回転される。これによ
り、第1ノズル15から温水が噴出されると共に、該第
1ノズル15が上下線に対し左右に約90度の角度で振
られる。これにより、便受けカップ10の底部に堆積し
た便5cが粉砕されることになる。また、粉砕された便
5cは、排便管23、排便路20b,21b、排便ホー
ス47を介して吸引排出されて、便タンク46内に収容
される。
【0082】上記モータMの正逆回転時間が20秒間経
過すると、ステップT11,T12で上記モータMが一
方向に約10秒間回転される。これにより、上記第1ノ
ズル15は吐出管16を介して前後線を中心として回転
しながら洗浄水を噴出し、便受けカップ10の内面全
域、及び患者5の肛門部5aを洗浄することになる。次
いでステップT13〜T15に進行し、上記温水ポンプ
13、モータM、便吸引ポンプP2が停止された後、ス
テップT2にジャンプする。
【0083】前述したステップT5で便センサS1がオ
フしている際は、ステップT6において、尿センサS2
がオンしたか否かが判断される。尿センサS2がオフの
場合は、ステップT2にジャンプする。尿センサS2が
オンした際は、ステップT19〜T21に進行して、尿
吸引ポンプP2が30秒間作動される。これにより、尿
カップ25内に排出された尿が、吸引されて、尿タンク
51内に収容される。ステップT21で尿吸引ポンプP
2を停止させた後は、ステップT2にジャンプする。
【0084】前述したステップT4で自動運転でない場
合、即ち、手動運転の場合には、ステップT17で手動
便スイッチSW1がオンされたか否かが判断される。手
動便スイッチSW1がオンされた場合は、ステップT7
〜T15に進行し、オフの場合はステップT18に進行
する。ステップT18では、手動尿スイッチSW2がオ
ンされたか否かが判断される。手動尿スイッチSW2が
オンされた場合はステップT19〜T21に行し、オフ
の場合はステップT2にジャンプする。なお、排尿後に
患者5の陰部5bを洗浄する場合には、ステップT21
で尿吸引ポンプP3が停止される前段で、図4の電磁弁
30を開作動させるとともに、温水ポンプP1を起動さ
せ、第2ノズル28から洗浄水を患者5の陰部5bに向
けて噴出させるようにする。
【0085】第1実施形態の変形例(図13〜図19)
【0086】図13は、便受けカップ10に対して、女
性用の尿受けカップ25と男性用の尿受けカップ25−
1とが適宜選択して取付けられる状態を示す。男性用の
尿受けカップ25−1は、例えばプラスチック材によっ
て浅い円筒状とされた容器32を有する。容器32の前
部に、カバー32aが連結される。カバー32aは、例
えばフィルムシートを円筒状に丸めたもので構成され
る。該カバー32aの径は、前部の周方向両端部の重ね
合わせ量を調節することに、変更能である。すなわち、
カバー32aの径が、男性の性器の径に合うように調整
される。該円周方向両端部を面ファスナー32bにより
連結することにより、調整後の径が維持される。上記容
器32の後部に排尿ホース27−1が接続される。そし
て、上記男性用の尿受けカップ25−1を便受けカップ
10に接続する際には、前述した女性用の尿受けカップ
25を便受けカップ10から外し、代わりに上記男性用
の尿受けカップ25−1を便受けカップ10の上方に配
置して、その排尿ホース27−1の後端部を便受けカッ
プ10の排尿路20cに接続すればよい。
【0087】図14〜図16は、尿受けカップの第2例
を示す。図14において、10は便受けカップであり、
該便受けカップで10は前述したものと略同様の構造と
なっている。25−2は男性、女性兼用の尿受けカップ
であり、上記便受けカップ10の前部の上方側に一体的
に連結されている。即ち、尿受けカップ25−2は、前
部に上下方向に長い楕円状の受け口35aを有する。尿
受けカップ25−2は、側面視において円弧状に湾曲す
る溝形の尿カップ主体35を有する。尿カップ主体35
は、左右一対の縦リブ36a,36aと、円弧状に湾曲
して伸びる横リブ部36b,36b・・・とを有する。
各横リブ部36b,36b・・・が、上記縦リブ36
a,36aに上下に所定ピッチで連結される。各リブ部
36a、36bによって、前部が開口しかつ側面視で円
弧状に湾曲する溝形の補強リブ36が形成される。補強
リブ36の内面に、プラスチックシートまたは不織布等
からなるシート37が貼られて、全体として蛇腹状に形
成される。これにより、患者5の動きに追随して上下方
向に伸縮可能に、かつ左右に若干の捩じれ変形を可能と
する。つまり、尿受けカップ25−2の尿受け口と便受
けカップ10の受け口との相対位置関係が、3次元的に
調整可能とされている。なお、上記補強リブ36及びシ
ート37はプラスチック材により一体に形成するように
してもよい。
【0088】上記尿カップ主体35の後部の左右両側
に、一対の排尿口38,38(図16)が形成される。
該排尿口38,38には、排尿ホース27−2が接続さ
れる。この排尿ホース27−2の後端部同士が集合され
て、便受けカップ10の排尿路20cに接続される。左
右両方に排尿口38,38を形成することにより、患者
5が横向きの状態で排尿しても、この尿がいずれか一方
の排尿口38から排尿路20cに排出される。なお本発
明は前述した尿受けカップ25,25−2を省略しても
よい。
【0089】図17は前述した便受けカップ10の受け
口12aのシール装置を示す。図17において、10は
前述と略同様の便受けカップ、80はそのシール装置で
ある。このシール装置80は以下の如くなっている。ま
ず、上記便受けカップ10の受け口12aにリング状の
吸盤シール材81が取り付けられる。該吸盤シール材8
1はゴム、合成樹脂等の弾性を有する軟質資材からな
る。シール材81の前面には、例えば断面V形のリング
溝81aが形成されている。上記溝81aは、吸引ホー
ス82、該吸引ホース82を開閉する電磁弁83を介し
て、負圧タンク84に接続されている。この負圧タンク
84には、直流モータによって駆動される負圧ポンプ8
5が接続される。また、上記負圧タンク84内の圧力を
検出する圧力センサ86が設けられる。そして、上記電
磁弁83、及び負圧ポンプ85を制御するシール制御部
87が設けられる。
【0090】シール材81は、リング溝81aの形成に
よって、径方向内方側に位置する内側リップ部(舌片
部)と、径方向外方側に位置する外側リップ部とを有す
ることになる。各リップ部は、十分に柔軟性を有するこ
とになって、着用者への密着性が高められることになる
(シール性の向上)。
【0091】上記シール制御部87は、以下の如くなっ
ている。まず、便センサS1が作動していない通常時に
おいては、負圧ポンプ85が圧力センサ86の値に基づ
いて作動されて、負圧タンク84内の圧力が例えば約−
39.9kpa(−300mmHgで、第1負圧値)と
なるようにしておく。この状態で弁センサS1がオン作
動した際には、上記電磁弁83が開作動されて、負圧タ
ンク84内の負圧が上記リング溝81aに付与される。
これにより、吸盤シール材81が患者5に吸着される。
上記電磁弁83が開作動した直後(約2秒後)に、上記
負圧タンク84内の圧力が例えば約−19.9kpa
(−150mmHgで、上記第1負圧値よりも小さい第
2負圧値)となるように、圧力センサ86の値に基づい
て上記負圧ポンプ85が駆動制御される。これにより、
吸盤シール材81の吸着力を低下させて患者5の負担
(圧迫感)を軽減させつつ、上記便受けカップ10のシ
ール機能が保持される。
【0092】この状態において上記弁センサS1がオフ
作動すると、上記電磁弁83が閉作動されて、吸盤シー
ル材81の吸着力が解除される。次いで上記負圧タンク
84内の圧力が初期の圧力、つまり例えば約−39.9
kpa(−300mmHg)となるように、圧力センサ
86の値に基づいて上記負圧ポンプ85が駆動制御され
る。また、上記弁センサS1がオフ作動している間にお
いては、上記電磁弁83が所定時間毎(例えば5分毎)
に短時間(例えば約2秒間)だけ開作動される。このと
きの圧力センサ86の検出値が例えば約−13.3kp
a(−100mmHgで、第2負圧値よりも小さい第3
負圧値))よりも小さい負圧の場合は、便受けカップ1
0の装着不良と判断して、本体側の制御部に異常の信号
が送られる。なお、尿受けカップ側にも前述と同様のシ
ール装置80を設けるようにしてもよい。この場合、前
述した便センサS1の代わりに、尿受けカップに排出さ
れた尿を検出する尿センサが利用される。
【0093】図18、図19は便受けカップの第2例を
示す。図18において、10−2は便受けカップであ
り、該便受けカップ10−2の寸法は、例えば、前後の
長さLが約84.5mmとされ、これは前述した便受け
カップ10の前後の長さよりも短くなっている。上記便
受けカップ10−2は、その前部側は、例えば前後長さ
L1が約54.5mm、左右幅W1が例えば約42.5
mmとなる円筒状とされる。該前部側で形成される便室
12’の容積は、前述した便室12と略等しい容積とさ
れている。また、便受けカップ10−2の後部側は、下
面部が後部上方に傾斜する異形の円錐状とされて、その
前後の長さL2は例えば約30mm、左右幅は上記前部
側の左右幅W1と略等寸にされている。上記便室12’
及び補機室14’は、仕切り壁11によって前後に仕切
られていて、該後部側に形成される補機室14’の容積
は、前述した補機室14よりも小さくなっている。
【0094】仕切り壁11に吐出管16が回転自在に支
持され、該吐出管16の前端部に第1ノズル(便粉砕装
置)15が取り付けられ、該吐出管16が補機室14に
収容されたリング形のモータMによって回転駆動され
る。これらは前述したものと略同様の構造となってい
る。上記便受けカップ10の後部には、複合ホース90
が着脱自在に接続される。この複合ホース90は、その
内部に、排便路90a、供給路90b及び排尿路(図示
省略)が並列に形成されている。排便路90aの前部
は、上記補機室14’の底部に形成した便導入路91を
介して、便室14’の後面底部に連通されている。供給
路90bの前部は、補機室14’に配設されたロータリ
継手17を介して、上記吐出管16に接続されている。
【0095】上記便受けカップ10−2の上部に、前述
と同様の尿受けカップ25’が配置される。この尿受け
カップ25’の寸法は、例えば、前後の長さL3が約5
7.5mm、上下の高さH2が約62.5mm、左右の
幅が約38.5mmとなっている。上記尿受けカップ2
5’の後部には排尿ホース27が接続され、この排尿ホ
ース27の後部は、上記複合ホース90に形成された排
尿路に接続されている。なお、上記尿受けカップ25’
には、洗浄用の第2ノズルの取り付けは省略されてい
る。その他は前述したものと略同様となっている。
【0096】第2実施形態(図20〜図25)
【0097】図20〜図25は本発明の第2実施形態を
示すものである。図20〜図23において、5は患者、
A−2は排泄物処理装置である。この排泄物処理装置A
−2は、便受けカップ100と尿受けカップ113とが
別個に形成されている。両カップ100と113とは、
それぞれプラスチック材により形成されている。図23
に示すように、便受けカップ100は、その左面に形成
した受け口100aを患者5の肛門部5aの周囲に当接
させて使用される。尿受けカップ113は、その左面に
形成した受け口113aを患者5の陰部5bの周囲に当
接させて使用される。上記受け口100a,113a
は、軟質製のゴム、あるいは樹脂等により形成されて、
この軟質部分が上記肛門部5a及び陰部5bの周囲に密
接に当接される。
【0098】上記便受けカップ100は、図23に示す
ように、その内部空間が仕切り壁100bにより前後に
2分割されて、前部に便を受ける便室100cが形成さ
れ、また後部に補機類の補機室100dが形成されてい
る。この補機室100dに、便粉砕装置102、第1ノ
ズル111等の補機類が収容されている。上記仕切り壁
100bは、例えば硬質製のプラスチック材により形成
されて強度が高くされている。該仕切り壁100bに、
上記便粉砕装置102及び第1ノズル111が取り付け
られる。第1ノズル111は、便室100cに露出する
ようにして上記仕切り壁100bの上部に取り付けられ
ている。第1ノズル111は、第1洗浄チューブ111
aを介して、補機室100dの下部に取り付けた洗浄水
分配部112に接続されている。後述する洗浄水供給装
置125(図20)から送られてくる洗浄水(湯)が、
上記洗浄水分配部112を介して第1洗浄チューブ11
1aに送られる。これにより、上記第1ノズル111か
らの洗浄水が患者5の肛門部5aに向けて噴出されて、
この肛門部5aが洗浄される。
【0099】上記便粉砕装置102は攪拌機からなり、
図23に示すように、その攪拌軸103が、上記仕切り
壁100bの上下中間部に回転自在に取付けられてい
る。この攪拌軸103は、左方に下り傾斜されて仕切壁
100bに挿通されている。攪拌軸103のうち便室1
00c側に突出した部分の下端部に、スクリュー形の攪
拌羽根104が取り付けられている。攪拌軸103のう
ち補機室100d側に突出した部分の上端部は、被動ギ
ア105、駆動ギア106を介してモータ110に連結
されている。勿論、被動ギア105、駆動ギア106、
モータ110は補機室100d内に配置されている。モ
ータ110により上記攪拌羽根104が回転駆動され
て、便室100cの底部に落下して来る便が攪拌、粉砕
される。
【0100】前述した尿受けカップ113は、女性用及
び男性用に共通する大きさ及び形状にされている。尿受
けカップ113のの底壁113bは、その左右両側が左
右中心部よりも低くなる山形とされている。底壁113
bの左右両側にはそれぞれ、可撓性の連結チューブ11
4,114が連結され、この連結チューブ114、11
4は下方へ向けて伸びている。連結チューブ114,1
14の下部は、便受けカップ100の便室100cの上
部に開口されている。連結チューブ114、114は、
便受けカップ100に対して、上下摺動可能にかつ密と
なるように挿通されている。これにより、患者5が横向
きの状態で排尿しても、この尿がいずれか一方の連結チ
ューブ114を介して便受けカップ100の便室100
cに向かって流下される。
【0101】上記尿受けカップ113の背面側には、第
2ノズル115及びエアノズル116が取り付けられて
いる。第2ノズル115は、第2洗浄チューブ115a
を介して、前述した洗浄水分配部112に接続されてい
る。上記第2ノズル115からの洗浄水は、患者5の陰
部(女性用)5bに向けて噴出されて、この陰部5bを
洗浄する。なお、男性に使用する場合は、上記第2ノズ
ル115を省略してもよい。
【0102】上記エアノズル116は、エアチューブ1
16aを介して後述するエア供給装置142(図20)
に接続されている。該エア供給装置142から送られて
くる乾燥用の空気(温風)が、エアノズル116から尿
受けカップ113内に噴出されて、患者5の陰部5bが
乾燥される。尿受けカップ113内に噴出された乾燥用
の空気は、連通パイプ114を介してカップ100の便
室100c内へと流通されて、肛門部5aを乾燥させ
る。なお、上記エアノズル116と同様のエアノズル1
16’を補機室100dにも取り付け、これを上記エア
チューブ116aの途中に接続し、該エアノズル11
6’から直接補機室100dに乾燥用の空気(温風)を
噴出させるようにしてもよい。
【0103】上記便室100cの底部は、漏斗状に縮小
されて、その下部に排便路118が形成されて、該排便
路118の入口118aが上記便室100cの底部に連
通(開口)されている。上記排便路118は、後述する
便排出装置135(図20)に接続されている。便粉砕
装置102により粉砕された便、尿受けカップ113か
ら便室100c内に流下した尿、及び各第1、第2洗浄
ノズル11,15から噴出した使用済の洗浄水等は、そ
れぞれ、上記排便路118を介して外部に吸引排出され
る。図21において、101は便受けカップ100の下
部後部に形成された配管接続口である。この配管接続口
に、前述した第1、第2洗浄チューブ111a,115
a、エアチューブ116a、及び上記排便路118等の
各接続端部が集合される。
【0104】上記便受けカップ100及び尿受けカップ
113は、保持具120により患者5の肛門部5a及び
陰部5bに圧接保持される。保治具120は、図21,
図22に示すように、1本の下部ベルト121と、2本
の上部ベルト122、122と、周ベルト123とを有
する。周ベルト123は、患者の胴部に巻回される。下
部ベルト121は、便受けカップ100の下端部から前
方に向かって延出されて、周ベルト123(のうち着用
者の背面側略中間部)に連結される。上部ベルト12
2、122は、便受けカップ100の左右両側から上方
かつ前方に向かって延出されて、周ベルト123(のう
ち着用者の正面側の左右部分)に連結される。なお、周
ベルト123は、着用者への取付および取外しのため
に、例えばその上部(着用者の正面側)において周方向
に分離可能とされて、該分離部に互いに噛合する面ファ
スナー(図示省略)が逢着されている。
【0105】上記各上部ベルト122,122の上下中
間部に、尿受けカップ113の前部側に形成したフラン
ジ部(受け口113aの背面側)113cが上下摺動可
能に取り付けられている。フランジ部113cの下端部
と各上部ベルト122,122の下部(基部)とに、尿
受けカップ113を便受けカップ100に対して上下方
向に移動調節する連結部124が設けられている。この
連結部124は、図22に示すように、各上部ベルト1
22,122の下部に形成された複数個のピン孔124
aと、尿受けカップ113のフランジ部113cの下端
部に形成されて上記ピン孔124aに嵌合係止するピン
124bとを有する。上記ピン孔124aは、上下方向
に所定ピッチで複数形成されて、上記ピン124bが係
止されるピン孔124aの選択変更することにより、便
受けカップ100に対する尿受けカップ113の上下方
向位置が変更される。
【0106】前述した洗浄水供給装置125は、図20
に示すようになっている。即ち、洗浄水供給装置125
は温水タンク126を有して、この温水タンク126に
よって、水又は水に消毒液を混入した洗浄水が所定温度
に調節される。温水タンク126内の温水つまり洗浄水
は、水ポンプ(電磁ポンプ)127、供給ホース128
を介して、便受けカップ100に向けて供給される。こ
の供給ホース128の便受けカップ100近傍に、供給
ホース128内の温水を上記温水タンク126に還流さ
せるバイパスホース129が接続されている。該バイパ
スホース129は、電磁弁130により開閉される。上
記供給ホース128の下流端部(バイパスホース129
の下流側)に、供給ホース128内の圧力が約4.9k
パスカル(0.5kg/cm2 )以上になった際に開く
圧力弁131が取り付けられている。この圧力弁131
の下流側が、便受けカップ100内の洗浄水分配部11
2に接続されている。
【0107】また、図23に示すように、便受けカップ
100の便室100c内に、排便を検知する便センサー
S1及び排尿を検知する尿センサーS2が取り付けられ
ている。そして、便センサーS1が作動した際には、電
磁弁130が閉作動されるとともに、温水ポンプ127
が「強」で駆動され、同時に上記洗浄水分配部112に
よって供給ホース128の流路が第1洗浄チューブ11
1a側に切り換えられる。これにより、洗浄水が第1ノ
ズル111から温水が噴出されて、患者5の肛門部5a
が洗浄される。また、尿センサーS2が作動した際に
は、上記洗浄水分配部112によって供給ホース128
の流路が第2洗浄チューブ115a側に切り換えられ
て、洗浄水が第2ノズル115から噴出されて、患者5
の陰部5bが洗浄される。
【0108】なお、上記便センサーS1及び尿センサー
S2が作動していない通常時においては、上記温水ポン
プ127が「弱」で駆動されるとともに、電磁弁130
が開作動される。これにより、供給ホース128内の洗
浄水(温水)が、バイパスホース129を介して温水タ
ンク126に循環されて、該供給ホース128内の洗浄
水の温度低下が防止される。このバイパスホースを利用
した温水の循環により、第1、第2洗浄ノズル111,
115に適温の洗浄水が迅速に供給可能とされる。図2
0中、126aは給水弁、126bはドレン弁である。
【0109】前述した便排出装置135は、図20に示
すように、密閉された汚水タンク136を有する。この
汚水タンク136の上部には、前述した排便路118が
接続される排便ホース137と、吸引ポンプ138に接
続される吸引ホース139とが接続されている。吸引ポ
ンプ138の排出管には、触媒140が接続されてい
る。上記吸引ポンプ138は、前述した便センサーS1
及び又は尿センサーS2が作動した際に起動されて、汚
水タンク136内が負圧にされる。汚水タンク136内
が負圧とされることにより、便室100c内下部の排便
路118に流下した便、尿等の汚物が、排便ホース13
7を介して吸引されて、汚水タンク136内に収容され
る。上記吸引ポンプ138で吸引された汚水タンク13
6内のガスは、上記触媒140により浄化して外気に排
出される。
【0110】また、前述したエア供給装置142は、図
20に示すように、エアホース143を有して、このエ
アホース143が、前述したエアチューブ116aに接
続されている。エアーホース143の上流側に、電熱ヒ
ーター形式の温風発生器144が接続され、上記エアホ
ース143の途中に該エアホース143開閉する電磁弁
145が取り付けてられている。前述した便センサーS
1及び又は尿センサーS2が作動した際に、上記温風発
生器144のヒーターに通電されるとともに、上記電磁
弁145が開作動される。これにより、上記便センサー
S1及び又は尿センサーS2が作動して前述したように
吸引ポンプ138が作動されると、上記エアホース14
3を介して温風がエアチューブ116aに供給され、エ
アノズル116から乾燥用の空気(温風)が尿受けカッ
プ113内に噴出されて、患者5の陰部5bが乾燥され
る。乾燥用の空気は、該尿受けカップ113内を流通し
た後、連結チューブ114を介してカップ100の便室
100c内に流通して、肛門部5aが乾燥される。
【0111】第2実施形態の変形例(図24、図25)
【0112】図24は第2実施形態による便粉砕砕装置
の第2例を示す。図24において150は便粉砕装置で
あり、複数(実施形態では2つ)の吐出ノズル111と
151とを有する。吐出ノズル151は、便室100c
の底部にある前部斜壁100eに取付けられて、前述し
た第1ノズル111と対向するように取付られている。
該吐出ノズル151の吐出チューブ152が、前述した
洗浄水分配部112を介して、洗浄水供給装置125の
供給ホース128に接続されている。上記吐出チューブ
152は、第1洗浄チューブ111aと並列に供給ホー
ス128に接続さてし、上記第1ノズル111及び吐出
ノズル151の両方から吐出される洗浄水によって、便
室100c内の便が攪拌、粉砕される。
【0113】図25は第2実施形態による便粉砕砕装置
の第3例を示す。図25において154は便粉砕装置で
あり、便室100cの漏斗状に形成した底部内面に、漏
斗状の振動体155が取付けられている。振動体155
は、その全体形状としては、下方に向かうにつれて内径
が徐々に小さくなる環状とされている。補機室100c
の底部に超音波発生器156が取付けられて、該超音波
発生器156により上記振動体155に機械的振動が付
与される。これにより、上記振動体155部に到来した
便が、振動体155を振動させることにより粉砕され
る。粉砕された便は、振動体155(の内部空間)を通
過して、粉砕排便路118を介して外部に吸引・排出さ
れる。
【0114】なお、便粉砕装置は、便室100c内に低
周波を付与し、この低周波(による振動)により便室1
00c内の便を粉砕するようにしてもよい。
【0115】第3実施形態(図26〜図35)
【0116】図26〜図35は、本発明の第3実施形態
を示すものである。なお、図26〜図35において、図
20〜図25と同符号の部分は該図20〜図25と略同
構造となっている。
【0117】図26、図27において、A−3は第3実
施形態による排泄物処理装置である。この排泄物処理装
置A−3は、プラスチック材により便受けカップ160
と尿受けカップ113とを別個に有する。上記便受けカ
ップ160は、図27に示すように、室内が仕切り壁1
60bにより前後に2分割されている。すなわち、便受
けカップ126内は、前部に便を受ける便室160c
が、後部に補機類を収容する補機室160dが形成され
ている。便室160cの下部は、下方に向かって縮小す
る漏斗状に形成されて、その下端部に排出口161が形
成されている。この排出口161は、便受けカップ16
0の下端部に形成した排便路162を介して、便受けカ
ップ160の下端後部から外部に開口さされている。ま
た、上記便室160cの内面の略全域に、便の付着を防
止する多数の突起163が形成されている。
【0118】上記便室160c内に、便粉砕装置170
が設けられている。即ち、上記補機室160d内の下部
に所定の網の目、本例では網の目が約5mm角となる面
状のネット(ネット部材)171が張り渡されている。
該ネット171により、上記排出口161の上部が覆わ
れている。つまり、便の受け口と排出口161との間に
ネット171が介在されて、便受けカップ160に排出
された便は、必ずネット171を通過した後に、排出口
161へと移動されるようになっている。また、上記弁
室160cの上部に洗浄水(水又は温水)Wを噴出する
第1ノズル173が配置されている。前述の仕切り壁1
60bには吐出管175が回転可能に挿通、支持され
て、この吐出管175の前端部に上記第1ノズル173
が取り付けられている。この該吐出管175は、管継手
176を介して第1導入管177に回転可能に接続され
ている。第1導入管177は、中継部178を介して、
図26に示す洗浄水供給装置125(図26)に接続さ
れている。
【0119】上記第1ノズル173は、洗浄水をネット
171の上面に向けて噴出するとともに、そのうちの一
部を患者5の肛門部5aに向けて噴出するようになって
いる。即ち、前後方向の噴出形態は図27に示すように
ネット171の後部から患者5の肛門部5aに至る広幅
なものとし、左右方向の噴出形態は図28に示すように
小幅(線状)なものとなっている。
【0120】上記第1ノズル173は、補機室160d
に配置したノズル駆動装置180により吐出管175を
介して左右方向に揺動される。このノズル駆動装置18
0は、図28に示すように、電動モーター(駆動装置)
184を有して、このモータ184の出力軸185に、
クランクウェブ189を介してコンロッド190が連結
されている。該コンロッド190の端部が、ラックホル
ダー192に摺動可能に取り付けたラック191に連結
されている。該ラック191が、上記吐出管175の後
部側に取り付けたピニオンギヤ193に噛合されてい
る。
【0121】これにより、上記電動モーター184の回
転運動が、クランクウェブ189及びコンロッド190
により直線往復運動に変換されて、ラック191が上下
方向に往復移動される。つまり、ラック191の往復運
動により、ピニオンギヤ193、吐出管175を介し
て、上記第1ノズル173が所定角度で左右に往復揺動
される。図28に示すように、第1ノズル173から噴
出する洗浄水Wが、を左右方向に移動されて、ネット1
71上の便(糞)5dを粉砕する。粉砕された便は、ネ
ット171を通過して、排出口161に流下される。
【0122】上記排便路162は図26に示す便排出装
置135に接続されている。該便排出装置135によ
り、便粉砕装置170により粉砕された便、尿受けカッ
プ113から便室160c内に流下した尿、及び各第
1、第2ノズル173,115から噴出した使用済の水
等が上記排便路162を介して外部に吸引排出される。
【0123】第3実施形態の変形例(図29〜図35)
【0124】図29は第3実施形態による便排出装置の
他の例を示すものである。この他の例のものでは、尿受
けカップ113に洗浄水Wを供給するノズル(前述した
第2ノズル115)が省略されると共に、該尿受けカッ
プ113内に尿センサS2が設けられている。そして、
密閉された便タンク136aと尿タンク136bとが個
別に設けられている。便タンク136aの上部に、前述
した排便路162に接続される排便ホース137aが接
続されている。尿タンク136bの上部に、尿受けカッ
プ113の下部に連通する排尿ホース137bが接続さ
れている。
【0125】また、吸引ポンプ138に、並列に吸引ホ
ース139a,139bが並列に接続されている。この
吸引ホース139aが上記便タンク136aの上部に接
続され、吸引ホース139bが尿タンク136bの上部
に接続されている。各吸引ホース139a,139bの
途中に、これらを個別に開閉する電磁弁141a,14
1bが取り付けられている。また、上記吸引ポンプ13
8の排出管に、水除去フィルター140b、触媒140
aが順次取り付けられている。なお、140cはドレン
弁である。
【0126】上記吸引ポンプ138は、便センサーS1
及び又は尿センサーS2が検知信号を発した際に起動さ
れ、上記電磁弁141aは便センサーS2が検知信号を
発した際に開作動され、電磁弁141bは尿センサーS
2が検知信号を発した際に開作動される。便センサーS
1が検知信号を発した際には、吸引ポンプ138、吸引
ホース139aを介して、便タンク136a内が負圧に
される。これにより、便室160c内の排便路162に
流下した便は、排便ホース137aにより吸引されて、
便タンク136a内に収容される。
【0127】また、尿センサーS2が検知信号を発した
際には吸引ポンプ138、吸引ホース139bを介し
て、尿タンク136b内が負圧にされる。尿受けカップ
113内の尿は、排尿ホース137bにより吸引され
て、尿タンク136b内に収容される。上記吸引ポンプ
138から排出されるガスは、水除去フィルター140
bによって水分が除去された後、触媒140aにより浄
化されて外気に排出される。このように尿を単独で回収
することができるので、尿の検査及び計量をすることで
患者5の体調診断に役立たせることができる。
【0128】図30は便粉砕砕装置の第2例を示す。図
30において170は便粉砕砕装置、181はノズル駆
動装置である。上記ノズル駆動装置181は、電動モー
タ184を有して、このモータ84の出力軸185に駆
動ギヤ186が取り付けられている。第1ノズル173
を保持する吐出管175の後部に、被動ギヤ187が取
り付けられている。該被動ギヤ187が上記駆動ギヤ1
86に噛合されている。前述した便センサーS1が検知
信号を発した際に、上記電動モーター(駆動装置)18
4が所定の回転角度で正逆回転される。本例では、回転
運動を直線往復運動に変換する機構を別途設けることが
不要となり、ノズル駆動装置181の構造が簡素にな
る。
【0129】図31は便粉砕砕装置の第3例を示す。図
31において170は便粉砕装置、182はノズル駆動
装置である。上記ノズル駆動装置182は流体の運動エ
ネルギーを動力源としたものである。即ち、便受けカッ
プ160の補機室160dに水車(回転体で、駆動源と
なる)230が配置されている。第1導入管177から
分岐した吐出管231が、上記水車230の流入口に接
続されている。該水車230の排出口と便受けカップ1
60の排便路162とが、排出管232により接続され
ている。そして、上記水車230の出力軸に前述と同様
のクランクウェブ189を介してコンロッド190が連
結され、該コンロッド190の端部が、ラックホルダー
192に摺動可能に取り付けたラック191に連結され
ている。該ラック191が、吐出管175の後部側に取
り付けたピニオンギヤ193に噛合されている。
【0130】これにより、第1導入管177に圧送され
る水の一部が、吐出管231により水車230に供給さ
れて、該水車230が回転される。該水車230の回転
運動は、第1例と同様にクランクウェブ189及びコン
ロッド190により直線往復運動に変換されて、ラック
191が上下方向に往復移動される。ラック191の往
復運動によって、第1ノズル173が所定角度で左右に
往復揺動される。また、水車60の排出口から出た水
は、排出管232を経て、便受けカップ160の排便路
162に排出される。なお、上記水車230の出力軸と
吐出管175とを、ギヤ、あるいはプーリーとベルトと
により連結し、吐出管175を介して第1ノズル173
を一方向に連続回転させるようにしてもよい。この場
合、上記便受けカップ160の上部に、上記第1ノズル
173の回転を許容する空間を形成しておく。
【0131】図32は便粉砕砕装置の第4例を示す。図
32において170は便粉砕装置、183はノズル駆動
装置である。上記ノズル駆動装置183は流体の運動エ
ネルギーを動力源としたものである。即ち、補機室16
0dの下部を上方に突出させることにより、ケーシング
233が形成されている。ケーシング233の下部は、
排便路162に開口されている。該ケーシング233内
に、水車(回転体)234を回転自在に収容されてい
る。水車234の下部側の羽根234aが、上記排便路
162内に露出されている。また、上記便室160cの
上部壁に、空気の流入口235が形成されており、該流
入口235を開閉する弁236が設けられている。
【0132】上記弁236は、便室160cが負圧にな
った際に開いて外気を便室160c内に流入させ、便室
160cの負圧が解除されると流入口235を閉じるリ
ード弁とされている。上記水車234の出力軸に駆動プ
ーリー237が取付けられ、吐出管175の後部側に被
動プーリー238が取り付けられている。両プーリ23
7と238とが、ベルト239により連結されている。
これにより、図26、図27に記載したように、便セン
サーS1が検知信号を発した際に吸引ポンプ138が起
動されて、汚水タンク136内の負圧により排便ホース
137を介して排便路162内の汚物、空気が後方に流
動される。この排便路162内の汚物、空気の流動によ
るエネルギーによって上記水車234が回転される。水
車234の回転により、上記駆動プーリー237、ベル
ト239、吐出管175を介して、第1ノズル173が
所定速度で回転されることになる。
【0133】上記第3、第4例によれば、便受けカップ
160内に供給する洗浄用水の吐出力、あるいは該便受
けカップ160内から吸引排出される汚水の流動力を利
用して前述した第1ノズル173を揺動、又は回転させ
るようにしたので、電動モーターを省略することがで
き、安全性が高くなる。
【0134】図33は便粉砕砕装置の第5例を示す。図
33において170は便粉砕装置、172はネット、1
74は第1ノズル、240はネット駆動装置である。上
記ネット172はコーン型に形成されて、その開口部が
便受けカップ160の受け口160a側に向かうように
若干上方に傾斜されている。ネット172の下半部17
1aによって、上記便受けカップ160の下部に形成し
た排出口161が覆われている。上記ネット172の基
部側の軸心部に、支持軸243が後方に向けて突出固定
されている。該支持軸243を介して、上記ネット17
2が便受けカップ160の後壁(仕切り壁160b)に
回転自在に支持されている。
【0135】上記便受けカップ160の後壁に、電動モ
ーター245を取り付けられている。該電動モーター2
45の出力軸に駆動ギヤ246が取付けられ、上記支持
軸243の後端部に被動ギヤ244が取り付けられてい
る。各ギヤ246と244とは互いに噛合されている。
また、便受けカップ160の上部に第1ノズル174が
下方に向けて固定されている。該第1ノズル174に、
前述した第1導入管177が接続されている。その他は
前述した第1例と略同様の構造となっている。
【0136】上記第5例によれば、患者5が排便する
と、その便がネット172の下半部171aで受け止め
られ、同時に便センサーS1が検知信号を発し、前述し
たように導入管177に水(湯)が圧送される。この圧
送された水は上記第1ノズル174により、患者5の肛
門部5a及び上記ネット172上の便に向けて噴出され
る。また、上記便センサーS1の検知信号により電動モ
ーター245が起動され、駆動ギヤ246、被動ギヤ2
44、支持軸243を介して上記ネット172が軸心C
を中心として回転される。該ネット172上の便が、ネ
ット172の回転そのものによって粉砕されると共に、
上記第1ノズル174から噴出される洗浄水Wによって
も粉砕される。粉砕された便は、ネット172の目を通
過して、排出口161に流下されることになる。
【0137】図34は便粉砕砕装置の第6例を示す。図
34において便粉砕装置170、ネット172、及び第
1ノズル174は、前述した第5例と略同様の構造とな
っている。241は流体の運動エネルギーを動力源とし
たネット駆動装置である。即ち、上記ネット172の支
持軸243の後端部に水車(回転体)250が取り付け
られている。第1導入管177から分岐した吐出管25
1が、上記水車250の流入口に接続されている。該水
車250の排出口と便受けカップ160の排便路162
とが、排出管252により接続されている。これによ
り、第1導入管177に圧送される水の一部が、吐出管
251により水車250に供給されて、該水車250が
回転される。支持軸243を介して上記ネット172が
軸心Cを中心として回転される。なお、上記水車250
と支持軸243とを回転−往復運動機構(図示省略)に
より連結し、水車250が回転した際に上記支持軸24
3を介して上記ネット172を所定の回転角度で正逆回
転させるようにしてもよい。
【0138】図35は便粉砕砕装置の第7例を示す。図
35において便粉砕装置170、ネット172、及び第
1ノズル174は前述した第5例と略同様の構造となっ
ている。242は流体の運動エネルギーを動力源とした
ネット駆動装置である。即ち、上記ネット172の開口
端側の外周部に多数の羽根253を所定ピッチで取り付
けられている。第1導入管177から分岐した吐出管2
54の吐出口が、上記羽根253に向けられている。こ
れにより、第1導入管177に圧送される水の一部が、
吐出管254から羽根253に向けて噴出され、上記ネ
ット172が軸心Cを中心として回転される。上記第
6、第7例によれば、便受けカップ160内に供給する
洗浄用水の吐出力を利用して前述したネット172を回
転、又は揺動させるようにしたので、電動モーターを省
略することができ、安全性が高くなる。
【0139】補足説明1(図36、図37)
【0140】図36、図37は、便粉砕装置の別の例を
示すものである。本例における便粉砕装置は、便受けカ
ップ内に既に別途便粉砕装置を有する場合に追加の形式
で用いることもでき(便粉砕装置が2種類となる)、ま
た便受けカップ内に便粉砕装置を別途有しない場合にも
適用できる(便粉砕装置が合計で本例の便粉砕装置の1
種類のみとなる)。ただし、図36では、図4に示す便
受けカップ10に適用した場合が例示的に示される。
【0141】本例における便粉砕装置310は、基本的
に、便受けカップ10から伸びる便排出経路312(図
4の便ホース47に相当)内に設けられている。すなわ
ち、本例における便粉砕装置310は、便排出経路31
2を横断するように設けられた細い切断線310a、3
10bからなる。実施形態では、この細い切断線310
a、310bは2本配設され、一方の切断線310a
は、便排出経路312の直径方向でかつほぼ水平方向伸
びる配設されて、便排出経路312内を上下方向に2分
割するように配設されている。他方の切断線310b
は、便排出経路312の直径方向でかつほぼ上下方向に
伸びる配設されて、便排出経路312内を左右方向に2
分割するように配設されている。なお、各切断線310
a、310b同士は、便排出経路312の流路方向に近
接配置されているが、あらかじめその交差部で一体化さ
せておくこともできる。このような切断線310a、3
10bによって、便排出経路312内は、その流路方向
から見た断面において、4カ所に分割されることにな
る。
【0142】切断線310a、310bは、例えばピア
ノ線等の金属線や合成樹脂線から構成することができる
が、高張力のものが好ましい。切断線310a、310
bの太さ(直径)、不用意に切れてしまわないよう範囲
において極力細いことが好ましい。具体的には、切断線
310a、310bの太さは、例えばピアノ線を用いた
ときに0.1mm〜0.4mm程度に設定することがで
きる。
【0143】上述のような切断線310a、310b
は、実施形態では、便受けカップ10の外部でかつ便受
けカップ10の付近に配設されている。勿論、切断線3
10a、310bは、便受けカップ10内に設けること
もできる。
【0144】便受けカップ10内の便が吸引によって外
部に排出されるとき、洗浄液と共に便が便排出経路31
2を勢いよく流れる。このとき、勢いよく流れる便は、
切断線310a、310bに当接して、この切断線31
0a、310bを通過するときに切断されることになる
(4分割の切断)。洗浄液が同時に流れることにより、
便排出経路312内を流れる便の抵抗も小さくなり、切
断線310a、310bによって便がスムーズに切断さ
れることになる。なお、洗浄液は、便排出のときには流
さないようにすることもできる。
【0145】なお、上述した切断線310a、310b
は、例えば1本のみとすることもでき、また、図36上
下方向に2本以上の複数本、また図36水平方向に2本
以上の複数本設けることもできる。さらに、切断線31
0a、310bを筒状のホース継手部材に構成して、便
排出経路312を構成するホースの途中においてこの継
手部材を介在させるようにすることもできる(この場
合、便粉砕装置を有しない便受けカップを用いる場合で
も、後付でもって、便粉砕装置つまり切断線310a、
310bを装備することができる)。また、便粉砕装置
310における便切断部材は、切断線310a、310
bのように線形式でなく、薄いカッタ形式とすることも
できる。すなわち、カッタの板面が全体的に便排出経路
の流れ方向に沿うように、かつカッタの刃が便排出経路
312の上流側を向くように配設しすることもできる。
【0146】補足説明2(図38〜図42)
【0147】図38〜図42は、便受けカップと尿受け
カップとが分離可能に別体に形成された場合に、尿排出
ホースと回動継手との好ましい配設例を示す。まず、便
受けカップ10と尿受けカップ25とは、例えば図4に
示すものが用いられている。本例では、回動継手部材3
20が、便受けカップ10の外部でかつ便受けカップ1
0の近傍に設けられている。この回動継手部材320
は、図4における継手部材21等と同様の機能を果たす
ものであるが、便受けカップ10の外部に構成されてい
る点において図4の場合とは相違している。すなわち、
回動継手部材320は、第1部材321と、この第1部
材321に回動自在に連結された第2部材322と、第
2部材322に各種ホース等を接続するための連結具3
23とを有する。このような回動継手部材320は、便
受けカップ10の付近において、便排出ホース47、便
受けカップ用洗浄液供給ホース42の途中に接続されて
いる。これにより、回動継手部材320を、便受けカッ
プ10に対して外付け可能となり、ホース47、42の
ねじれが着用者に作用しないようにされる。
【0148】尿受けカップ25から伸びる尿排出ホース
330(図4の排尿ホース27に相当)は、回動継手部
材320を介して、尿タンクに接続されている。尿排出
ホース330のうち、尿受けカップ25と回動継手部材
320との間は、十分に長くされている。すなわち、尿
排出ホース330は、尿受けカップ25から後方に向け
てほぼ水平方向に伸びた後、一端上方へ湾曲された後、
前方へ向けて湾曲され、その後下方へ向かうように湾曲
されていて、最終的に回動継手部材320に接続されて
いる。尿排出ホース330のうち上記湾曲部によって構
成されるループ部330aは、ほぼ270度の湾曲とな
る。上記ループ部330aの構成により、ループ部33
0aから尿受けカップ25との間の尿排出ホース330
内にに尿がたまりやすくなり(ループ部330aによる
トラップ作用)、この尿がたまり易い部分に尿センサS
2が設けられている。
【0149】ループ部330aの形成により、尿排出ホ
ース330は、その途中において、ほぼ90度の角度を
なして交差する部分が構成される。この交差部分に、保
持クリップ340が配設される。この保持クリップ34
0は、2つのホース保持部340a、340bを有す
る。各保持部340a、340b同士は、図39、図4
0に示すように、それぞれ孔形式とされて、互いにほぼ
直交している。各保持部340a、340bには、尿排
出ホース330が、摺動自在に貫通される。このような
保持クリップ340は、例えば合成樹脂によって形成す
ることができる。
【0150】尿排出ホース330のうち、保持クリップ
340を挿通される部分の位置を変更することにより、
尿受けカップ25の便受けカップ10に対する相対位置
が調整される。すなわち、保持クリップ340に対し
て、尿排出ホース330のうちほぼ水平方向に伸びる部
分の位置を変更することにより、尿受けカップ25の前
後方向位置が調整される。また、保持クリップ340に
対して、尿排出ホース330のうちほぼ上下方向に伸び
る位置を変更することにより、尿受けカップ25の上下
方向位置が調整される。
【0151】図41、図42は、図38〜図49に示す
保持クリップ340の変形例を示すものであり、実施形
態では合成樹脂により形成されている。本例の保持クリ
ップ345(保持クリップ340に相当)は、尿排出ホ
ース330を摺動自在に保持しておく保持部345a、
345bが、その長手方向全長に渡って伸びるスリット
によって周方向に部分的に開いた形式とされている。尿
排出ホース330を保持部345a、345bに挿通さ
せる場合、保持部345a、345bをそのスリットが
大きく開くように弾性変形させることにより行われる。
このような保持クリップ345は、、尿排出ホース33
0が尿受けカップ25と回動継手部部材320とに既に
接続されている場合でも、尿排出ホース330に対して
後付することができる。
【0152】補足説明(図43、図44)
【0153】図43、図44は、例えば図4の例におい
て、尿を採取する場合の構成を示す。本例では、尿受け
カップ25と尿タンク51とを接続する尿排出経路52
に対して、電磁式の切換弁360が接続される。この切
換弁360は、経路362を介して、密閉式の採尿器3
61の上部に接続される。また、尿吸引用ポンプP3の
吸引口が、尿タンク51をバイパスする経路363を介
して、採尿器361の上部に接続される。切換弁360
は、尿受けカップ25を、尿タンク51と採尿器361
とに選択的に切換えるものである。
【0154】U3は、例えばマイクロコンピュータを利
用して構成された採尿制御用のコントローラである。こ
のコントローラU3には、尿センサS2からの尿検出信
号の他、採尿を開始する時間をマニュアル入力するスイ
ッチSW10からの操作信号が入力される。コントロー
ラU3は、上記切換弁360を制御する。コントローラ
U3による制御は、通常は、切換弁361の切換位置
が、尿受けカップ25が尿タンク51に接続される位置
に制御する。また、コントローラU3は、所定の採尿タ
イミングとなったときにのみ、切換弁361の切換位置
を、尿受けカップ25が採尿器361に接続される位置
とする。
【0155】採尿器361に採尿するタイミングとして
は、例えば、次のように設定することができる。すなわ
ち、まず、マニュアル設定によって採尿時間(例えば午
前5時00分)が設定される。この採尿時間から所定時
間(例えば1時間)以内に排出された尿のうち最初の尿
が検出されたときが、採尿タイミングとされる。
【0156】図44に示すフローチャートを参照しつ
つ、コントローラU3の制御内容について説明する。ま
ず、ステップT31において、マニュアル設定された所
定のセット時間(例えば午前5時00分)になったか否
かが判別される。ステップT31の判別でYESのとき
は、ステップT32において、尿センサS2によって尿
が検出されたか否かが判別される。T32の判別でYE
Sのときは、ステップT33において、ステップT32
での尿検出の時間がステップT31のセット時間から所
定時間(例えば1時間)以内であるか否かが判別され
る。ステップT33の判別でYESのときは、ステップ
T34において、切換弁360が、尿受けカップ25を
採尿器361に接続する切換位置とされて、尿受けカッ
プ25内の尿が採尿器361に供給される(ポンプP3
は尿検出に応じて作動)。ステップT34の後、T31
の判別でNOのとき、T32の判別でNOのとき、ある
いはT33の判別でNOのときは、それぞれリーンされ
るが、このとき、切換弁361は、便受けカップ25を
尿タンク51に接続する切換位置とされる。なお、尿受
けカップ25への洗浄液の供給は、採尿器361への採
尿が終了した後に行われる。
【0157】補足説明4(図45、図46)
【0158】図45は、図3に示す座布団34aの斜視
図を示すものである。着用者の尻部に敷かれた座布団
(腰掛けマット)に形成された開口部34bは、座布団
34aの上面および下面に開口された孔形式とされ、か
つ、座布団34aの側面のうち前側面にも開口された切
欠部の形式ともなっている。座布団34aは、着用者が
座ったときに圧縮されるが、この圧縮された状態で、開
口部34bの深さが5cm程度以上確保される(便受け
カップ10が邪魔にならない深さ)。なお、開口部34
bは、座布団34aの上面には開口するが、下面には開
口しない形式とすることもできる。
【0159】図46は、着用者があおむけに寝ころぶ寝
台用マット400を示す。このマット400は、ベッド
の上に載置して使用されるか、床面に直接載置して使用
される。つまり、マット400の大きさは、通常の寝台
マットと同様に、その長さが例えば2m程度とされ、そ
の幅が例えば80cm程度とされ、その厚さは15cm
〜20cm程度とされている。
【0160】マット400の上面のうち、着用者が仰向
けに寝ころんだときにその肛門部に対応する位置におい
て、開口部400aが形成されている。この開口部40
0aは、図45に示す座布団34aの開口部34bに対
応したものとなる。すなわち、便受けカップ10を装着
した着用者は、便受けカップ10が開口部400aに位
置するような姿勢でもって仰向けに寝ころぶことにな
る。なお、開口部400aは、実施形態では、マット4
00の上面および下面に開口する孔形式とされている。
ただし、開口部400aは、マット400のうち着用者
の足下側となる一端部400b付近にまで伸びるように
することもでき、あるいは図45の場合と同様に一端部
400bに開口する切欠形式とすることもできる。勿
論、開口部400aは、マット400の上面のみに開口
して、下面には開口しないようにすることもできる。マ
ット400上に仰向けに寝ころんだ着用者は、その便受
けカップ10の下部が開口部400aに収納されて、便
受けカップ10から大きな圧迫力を受けることがない。
【0161】以上実施形態について説明したが、本発明
はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記
載された範囲において種々の変形が可能である。本発明
は、例えば次のような場合をも含むものである。
【0162】便粉砕装置を例えばノズルから噴射される
流体(特に空気)によって粉砕するようにしてもよい。
便粉砕装置において、便に作用するその粉砕部は、粉砕
される便に対して接触式としてもよく(例えば図23に
示すスクリュ104の場合)、あるいは非接触式として
もよく(例えば図4に示す洗浄液を噴射するノズル15
の場合)、あるいはこの接触式と非接触式の両方を備え
たものであってもよい。上記粉砕部は、機械式に変位
(駆動)されるものであってもよく、あるいは固定(不
動)のものとすることもできる。粉砕部を可動式とする
場合、便受けカップ内を仕切壁によって便室と補機室と
に画成して、可動される粉砕部を駆動するための駆動源
を補機室に配設するのが好ましい。すなわち、補機室を
別途形成することにより、便により汚染される部分を極
力小さい面積とすることや、補機室(内に装備された各
種機器類)が便によって汚損されることを防止する上で
好ましいものとなる。勿論、本発明でいう粉砕は、実施
形態でも説明したように、攪拌、振動付与、切断等、そ
の手法を問わず、便を小さくできるものであればよいも
のである。
【0163】便受けカップから便を排出する場合(尿の
排出についても同じ)、吸引ではあなく、圧送によって
行うようにすることもできる。便粉砕装置は、便受けカ
ップの外部に設定する場合、極力便受けカップの近傍に
設けることが好ましいものである。便排出を吸引で行う
場合、便受けカップ内に開口される便排出経路は、上向
き状態で便受けカップ内に開口させるのが、便の吸引効
果を高める上で好ましいものとなる(例えば図27
等)。図36、図37に示す切断線310a、310b
を利用した便粉砕装置310を、例えば図27に示すネ
ット部材171の代わりに用いることもできる(ネット
部材171の複数の目を構成するための横線、縦線を切
断線310a、310bのように設定するのと同じ意
味)。
【0164】便粉砕用の液体と洗浄液とを別途独立して
便受けカップ内に供給することもできる。便受けカップ
が、尿受けカップをも兼用したものとすることもでき
る。すなわち、肛門部と陰部との両方を包囲できる大き
なカッププとして、この大きな1つのカップ内の空間を
便受け用空間と尿受け用空間とで兼用するようにするこ
ともできる。また、この便受けカップと尿受けカップと
を1つの大きなカップで兼用した場合、1つの大きなカ
ップ内の空間を、仕切壁によって上下2つの空間に画成
して、下方の空間を便受けカップとし、上方の空間を尿
受けカップとして構成することもできる。
【0165】便受けカップと尿受けカップから所定長さ
範囲について、便排出経路と尿排出経路とを別個独立し
て構成して、この別個独立して構成された尿経路に対し
て、採尿器を選択的に接続可能に構成するのが、新鮮な
尿を検査することが可能となって好ましいものである。
【0166】便粉砕時に、洗浄液を供給しつつ、吸引に
よる便排出を行う(便粉砕と洗浄液供給と便排出とを同
時に行う)のが、粉砕された便の流動性を高めてその排
出をより容易に行う上で好ましいものとなる。勿論、便
粉砕を行った後に、洗浄液を供給しつつ吸引による便排
出を行うことや、便粉砕を行った後に、洗浄液を供給
し、洗浄液の供給開始後に遅れて便排出を行うようにす
ることもできる。実施形態に開示された便粉砕装置のう
ち任意の2つ以上を組み合わせて使用することも可能で
ある。
【0167】図2の保持具において、左右2本の上吊り
部材としての上ひも8a、8bを集合させて、下吊り部
材としてとしてひも8cに連結するようにしてもよい。
また、各カップ10と25とを、リング部材9を用いる
ことなく、上ひも8a、8bに連結することもできる。
この場合、各カップ10、25は、その左右各側部にお
いて、例えば短いゴムバンドのような伸縮可能部材を介
して、上ひも8a、8bに連結することもできる。な
お、下ひも8cは、実施形態では1本のみが示されてい
るが、この下ひも8cは左右の尻の間(尻の割れ目)を
通して配設される関係上、実質的に1本となるのであれ
ば、例えば、上ひも8a、8bを延長して、下ひも8c
として利用するように設定することもできる(2本の上
ひも8a、8cは、便受けカップ10を通った後は、1
本に集合された状態で左右の尻の間を通して着用者の背
後へと伸びる)。
【0168】便受けカップと尿受けカップとを別体とし
て構成した場合に、回動継手21に相当する回動継手
を、便受けカップおよび尿受けカップにそれぞれ設ける
ようにすることもできる。
【0169】図21において、2本の上ベルト122の
うち、便受けカップ100と尿受けカップ113との間
に位置する部分は、実質的に、両カップ100と113
とが上下方向に離間するのを規制する連結具の機能を果
たすものである。したがって、この連結具に相当する部
分を、上ベルト122とは別体に構成し、上ベルト12
2を尿受けカップ113のみに連結するようにしてもよ
い(便受けカップ100は、上ベルト122に対して、
上ベルト122と別体に構成されたれ連結具および尿受
けカップ113を介して連結されることになる)。な
お、上記連結具は、可撓性を有するものとするのが好ま
しい。ピン孔124aを尿受けカップ113側に形成
し、係止ピン124bをベルト122に形成するように
することもできる。
【0170】本発明の目的は、明記されものに限らず、
実質的に好ましいあるいは利点として表現されたものを
提供することをも暗黙的に含むものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態による排泄物処理装置を寝た患者
に装着した状態を示す側面図である。
【図2】図1の左側面図である。
【図3】第1実施形態による排泄物処理装置を座位姿勢
の患者に装着した状態を示す側面図である。
【図4】第1実形態による排泄物処理装置の要部側面断
面図である。
【図5】図4の左側面図である。
【図6】図4の右側面図である。
【図7】図4のB1−B1断面図である。
【図8】図4のB2−B2断面図である。
【図9】図4のB3−B3断面図である。
【図10】便センサの回路図である。
【図11】第1実施形態による排泄物処理装置の制御装
置のブロック図である。
【図12】制御装置のフローチャートである。
【図13】尿受けカップの切換え状態を示す側面断面図
である。
【図14】第1実施形態による尿受けカップの第2例を
示す部分断面側面図である。
【図15】図14の左側面図である。
【図16】図14のB4−B4断面図である。
【図17】便受けカップのシール装置を示す説明図であ
る。
【図18】第1実施形態による便受けカップの第2例を
示す部分断面図である。
【図19】図18の左側面図である。
【図20】第2実施形態による排泄物処理装置を寝た患
者に装着した状態を示す説明用全体図である。
【図21】第2実施形態による排泄物処理装置の斜視図
である。
【図22】第2実施形態による便受けカップ及び尿受け
カップ部の斜視図である。
【図23】第2実施形態による便受けカップ及び尿受け
カップ部の側面断面図である。
【図24】第2実施形態による便受けカップの第2例を
示す側面断面図である。
【図25】第2実施形態による便受けカップの第3例を
示す側面断面図である。
【図26】第3実施形態による排泄物処理装置を寝た患
者に装着した状態を示す説明用全体図である。
【図27】第3実施形態による便受けカップ及び尿受け
カップ部の側面断面図である。
【図28】図27のB5−B5断面図である。
【図29】第3実施形態による便排出装置の他の例を示
す説明図である。
【図30】第3実施形態による便粉砕装置の第2例を示
す要部断面図である。
【図31】第3実施形態による便粉砕装置の第3例を示
す要部断面図である。
【図32】第3実施形態による便粉砕装置の第4例を示
す要部断面図である。
【図33】第3実施形態による便粉砕装置の第5例を示
す要部断面図である。
【図34】第3実施形態による便粉砕装置の第6例を示
す要部断面図である。
【図35】第3実施形態による便粉砕装置の第7例を示
す要部断面図である。
【図36】便粉砕装置の別の例を示すもので、図37の
X36−X36線相当断面図。
【図37】図36に示す便粉砕装置の側面断面図。
【図38】回動継手部材と尿排出ホースとの変形例を示
す側面図。
【図39】図38に示す保治具の上面図。
【図40】図39の右側面図。
【図41】図38、図39に示す保治具の変形例を示す
もので、図39に対応した図。
【図42】図41の右側面図。
【図43】採尿を行う場合の一例を示す要部系統図。
【図44】採尿を行うコントローラの制御内容を示すフ
ローチャート。
【図45】図3に示す座布団の斜視図。
【図46】着用者が仰向けに寝ころぶためのマットの好
ましい例を示す斜視図。
【符号の説明】
5:患者 5a:肛門部 5b:陰部 5c:便
6:保持具 7:周ベルト 8a,8b:上部
紐 8c:下部紐 9:係止リング A−1:排
泄物処理装置 10:便受けカップ 11:仕切り
壁 12:便室 12a:受け口 13:シール材 14:補機室
15:第1ノズル(便粉砕装置) 16:吐出管
M:モータ(ノズル駆動装置) 17:ロータリ継
手 18:供給管 20:後部壁 20a:供給
路 20b:排便路 20c:排尿路 21:後
部継手 21a:供給路 21a−1:円弧溝
21b:排便路 21c:排尿路 21c−1:円
弧溝 22:連結具 23:排便管 S1:便センサ
24:検出回路 25:尿受けカップ 25a:受
け口 26:シール材 27:排便ホース S2:尿センサ 28:第2ノズル 29:第2吐
出ホース 30:電磁弁 31:分岐継手 25
−1:男性用の尿受けカップ 32a:容器 32
b:カバー 32c:面ファスナ 27−1:排尿
ホース 34:椅子 34a:座布団 34b:
開口部 25−2:男女兼用の尿受けカップ 3
5:尿カップ主体 35a:受け口 36:補強リ
ブ 36a:縦リブ 36b:横リブ 37:シ
ート 38:排尿口 40:洗浄水供給装置 4
1:温水タンク P1:温水ポンプ 42:供給ホ
ース S4:温水高温センサ S5:温水低温セン
サ S6:便タンクの満杯センサ S7:尿タンク
の満杯センサ 45:便排出装置 46:便タンク
47:排便ホース P2:便吸引ポンプ 4
8:便吸引ホース 49:触媒 50:尿排出装置 51:尿タンク
P3:尿吸引ポンプ 52:排尿ホース 53:吸引ホース 54:触媒
60:装着回路板 61:装着制御部(制御装置) 62:端末のマイク
ロコンピューター 63:原点回路 64:通信回路 65:モータ駆
動回路 66:電源回路 70:コントロール部
71:外部制御部(制御装置) 72:親のマイク
ロコンピューター 73:通信回路 74:操作ボ
タン 75:アラーム 76:液晶表示器 7
7:電源回路 78:パソコン Sw1:手動便ス
イッチ Sw2:手動尿スイッチ 80:シール装
置 81:吸盤シール材 81a:リング溝 8
2:吸引ホース 83:電磁弁 84:負圧タンク 85:負圧ポンプ 86:圧力
センサ 87:シール制御部 10−2:便受けカ
ップ 11:仕切り壁 12:便室 12a:受
け口 14’:補機室 15:第1ノズル 1
6:吐出管 25’:尿受けカップ 27:排便ホ
ース 90:複合ホース 90a:排便路 90
b:供給路 91:便導入路 A−2:排泄物処理
装置 100:便受けカップ 100a:受け口
100b:仕切り壁 100c:便室 100
d:補機室 101:配管接続口 102:便粉砕
装置 103:攪拌軸 104:攪拌羽根 105:被動
ギア 106:駆動ギア 110:モーター 1
11:第1ノズル 111a:第1洗浄チューブ
112:洗浄水分配部 113:尿受けカップ 1
13a:受け口 113b:底壁 113c:フランジ部 114:
連結チューブ 115:第2ノズル 115a:第
2洗浄チューブ 116:エアノズル 116a:エアチューブ 118:排便路 118
a:入口 120:保持具 121:下部ベルト
122:上部ベルト 123:周ベルト 124:連結部 125:洗浄水供給装置 12
6:温水タンク 127:温水ポンプ 128:供
給ホース 129:バイパスホース 130:電磁
弁 131:圧力弁 S1:便センサー S2:
尿センサー 135:便排出装置 136:汚水タ
ンク 137:排便ホース 138:吸引ポンプ
139:吸引ホース 140:触媒 142:エ
ア供給装置 143:エアホース 144:温風発生期 14
5:電磁弁 150:便粉砕砕装置 151:吐出
ノズル 152:吐出チューブ 154:便粉砕砕
装置 155:振動体 156:超音波発生器
A−3:排泄物処理装置 113:尿受けカップ
115:第2ノズル 120:保持具 125:洗浄水供給装置 S1:便センサー S
2:尿センサー 135:便排出装置 160:便
受けカップ 100a:受け口 160b:仕切り
壁 160c:便室 160d:補機室 16
1:排出口 162:排便路 163:突起 1
70:便粉砕装置 171:ネット 172:ネッ
ト 173:第1ノズル 174:第1ノズル
175:吐出管 176:管継手 177:第1導
入管 178:中継部 180:ノズル駆動装置
181:ノズル駆動装置 182:ノズル駆動装置
183:ノズル駆動装置 184:電動モーター
185:出力軸 186:駆動ギヤ 187:
被動ギヤ 189:クランクウェブ 190:コン
ロッド 191:ラック 192:ラックホルダー
193:sピニオンギヤ 230:水車(回転
体) 231:吐出管 232:s排出管 233:ケーシング 234:水車(回転体) 2
34a:羽根 235:流入口 236:弁 2
37:駆動プーリー 238:被動プーリー239:
ベルト 240:ネット駆動装置 241:ネット
駆動装置 242:ネット駆動装置 243:支持軸 24
4:被動ギヤ 245:電動モーター 246:駆
動ギヤ 250:水車(回転体) 251:吐出管
252:排出管 253:羽根 254:吐出
管 310:便粉砕装置 310a:切断線 310
b:切断線 312:便排出経路 320:回動継
手部材 330:尿排出ホース 330a:ループ
部 340:保持クリップ 345:保持クリップ
360:切換弁 361:切換弁 U3:採尿用コントローラ
【手続補正書】
【提出日】平成15年1月8日(2003.1.8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 排泄物処理装置
【特許請求の範囲】
【請求項】請求項において、 前記ノズルから噴出される液体が、左右方向において細
幅で、前後方向において前記所定の広がり角を有するよ
うに設定されており、 前記所定の広がり角が、前記ノズルから噴出される液体
が着用者の肛門部に到達するような角度範囲となるよう
に設定されている、ことを特徴とする排泄物処理装置。
【請求項】請求項において、 前記便受けカップ内の低部に、前記肛門部から排出され
る便を受け止めるネット部材が配設され、 前記ノズルから噴出される液体が、前記ネット部材の上
方から該ネット部材に向けて噴出される、ことを特徴と
する排泄物処理装置。
【請求項】請求項において、 前記ネットが可動式とされて、該ネットの動きと前記ノ
ズルから噴出される液体との両方によって便が粉砕され
る、ことを特徴とする排泄物処理装置。
【請求項】請求項において、前記ノズルが、 前記便受けカップ内に洗浄液を噴出して
少なくとも該便受けカップ内を洗浄する洗浄ノズルを
用していて、該ノズルからの洗浄液が、少なくとも前記
便受けカップ内に排出された便に向かうように設定され
て、該ノズルが洗浄用ノズルを兼用している、ことを特
徴とする排泄物処理装置。
【請求項】請求項において、 前記ノズルが、洗浄液を噴出される方向を変更可能なよ
うに可動式とされており、 前記ノズルは、便を粉砕するときは、便受けカップ内を
洗浄する場合に比して可動範囲が小さくされる、ことを
特徴とする排泄物処理装置。
【請求項10】請求項において、 前記便受けカップ内に便が排出されたことを検出する便
センサが設けられ、 前記ノズルの可動範囲を変更する可動範囲変更手段が設
けられ、 前記便センサによって便が検出されたときには所定時間
だけ前記ノズルの可動範囲が小さくなる状態とされ、該
所定時間経過後に該可動範囲大きくなる状態に変更され
る、 ことを特徴とする排泄物処理装置。
【請求項11受け口を有して、該受け口を着用者の肛
門部に向けた状態で該肛門部の周囲を包囲する便受けカ
ップと、 前記便受けカップ内に設けられ、該便受けカップ内に排
出された便を粉砕する便粉砕手段と、 前記便粉砕手段により粉砕された後の便を、前記便受け
カップの外部へ排出する便排出装置と、を備えており、 前記便粉砕装置が、 前記便受けカップ内の低部に配設されて前記肛門部より
排出される便を受け止めるネット部材と、 前記ネット部材上にある便に向けて粉砕用の液体を噴出
するノズルと、を備えていることを特徴とする排泄物処
理装置。
【請求項12】請求項11において、 前記便排出装置が吸引式とされ、 前記便排出装置の便吸引口が、前記ネットの下方におい
て前記便受けカップ内に開口されている、ことを特徴と
する排泄物処理装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、着用者(患者)か
ら排出される排泄物の処理を行うための排泄物処理装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】着用者から排出される排泄物つまり便や
尿を処理するために、保持具を利用して着用者に装着さ
れる排泄物受け入れカップが用いられることが多い。通
常、排泄物受け入れカップは、便を受け入れる便受けカ
ップと尿を受け入れる尿受けカップとが一体に形成され
ており、受け入れカップ内に排出された排泄物は、吸引
によって受け入れカップの外部へと排出される。上記保
持具としては、着用者の腰部から太股にかけて全体的に
覆うおしめ形式(パンツ形式)とされる(例えば特許第
3020005号公報、実開平4−104820号公
報、特開平8−322868号公報参照)。また、受け
入れカップ内に洗浄液を供給して、受け入れカップ内は
もとより、着用者の肛門部や陰部をも合わせて洗浄でき
るようにすることも行われている。
【0003】受け入れカップ内に排出された便は、あら
かじめ特別の処理が行われることなく、着用者から排出
されたそのまま状態で、吸引チューブを介して外部へ吸
引されるようになっている。なお、受け入れカップ内に
便および尿が排出されたときは、便と尿とが混合した状
態で吸引チューブを介して外部へ吸引することも行われ
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来にあっては、受け
入れカップ内に排泄された便は、吸引チューブで単に吸
引排出されるだけなので、吸引チューブが詰まり易くな
るという問題を生じる。また、吸引チューブの径を大き
くする必要が有り、該吸引チューブが嵩張って取り扱い
難くなるとともに、外観を損ねる原因ともなっていた。
以上に加えて、受け入れカップに排出されたままの状態
の便を効果的に吸引するには、相当に大きな吸引力を必
要とし、便排出装置の大型化(吸引ポンプの大型化)を
まねく原因ともなっていた。
【0005】本発明は以上のような事情を勘案してなさ
れたもので、その目的は、便受けカップ内に排出された
便を容易に排出できるようにした排泄物処理装置を提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明における排泄物処理装置にあっては、基本的
に、便受けカップ内に排出された便を、その排出前に、
ノズルから噴出する液体を利用してあらかじめ粉砕する
ようにしてある。具体的には、本発明はその第1の解決
手法として、特許請求の範囲における請求項1に記載の
ような手法を採択してある。すなわち、受け口を有し
て、該受け口を着用者の肛門部に向けた状態で該肛門部
の周囲を包囲する便受けカップと、前記便受けカップ内
に設けられ、該便受けカップ内に排出された便を粉砕す
る便粉砕手段と、前記便粉砕手段により粉砕された後の
便を、前記便受けカップの外部へ排出する便排出装置
と、を備えており、前記便粉砕装置が、前記便受けカッ
プ内に排出された便に向けて粉砕用の液体を噴出するノ
ズルを備えており、前記ノズルから噴出される液体が、
細幅でかつ所定の広がり角を有する形状となるように設
定されている、ようにしてある。このように、便受けカ
ップ内の便は、粉砕された後に排出が行われるので、排
出が容易に行われて、排出経路の詰まりが防止あるいは
低減されることになる。また、粉砕された便を排出すれ
ばよいので、便排出装置として例えば大型のポンプや大
径の排出用チューブを用いなくても容易に排出すること
が可能となる。勿論、便は粉砕されていることにより、
便受けカップ内面に付着したままの状態になってしまう
事態の発生が、防止あるいは低減されることになる。以
上に加えて、ノズルから噴射される液体が一種のカッタ
の機能を果たして、便の粉砕効果を極めて高いものとす
ることができる。
【0007】上記解決手法を前提として、次のような手
法をも合わせて採択することができる。すなわち、前記
便受けカップ内に洗浄液を供給する洗浄液供給手段をさ
らに備え、前記便排出装置が、前記便粉砕手段により粉
砕された便を、前記便受けカップ内に供給された洗浄液
との混合状態でもって排出する、ようにすることができ
る(請求項2対応)。この場合、粉砕された便は、洗浄
液との混合状態、つまり十分に流動性が高められた状態
で排出されるので、排出がより効果的に行われて、排出
経路の詰まりをより確実に防止することができる。ま
た、便受けカップ内面に便が付着されたままになってし
まう事態の防止、つまり便受けカップを清潔に保つ上で
もより好ましいものとなる。
【0008】前記便排出装置が、吸引によって前記便受
けカップ内で粉砕された便を該便受けカップの外部へ排
出するように設定されている、ようにすることができる
(請求項3対応)。この場合、洗浄液をも合わせて吸引
することとなって、吸引効果が飛躍的に向上されること
になる。これにより、便排出経路つまり吸引経路の径を
細くすることが可能となり、また吸引ポンプとして小型
のものを用いるだけでよいことになる。
【0009】前記受け口の全周縁部が、着用者に対して
当接される軟質のシール材によって被覆されている、よ
うにすることができる(請求項4対応)。この場合、着
用者への圧迫感低減と、吸引効果の向上とを図ることが
できる。
【0010】前記ノズルから噴出される液体が、左右方
向において細幅で、前後方向において前記所定の広がり
角を有するように設定されており、前記所定の広がり角
が、前記ノズルから噴出される液体が着用者の肛門部に
到達するような角度範囲となるように設定されている、
ようにすることができる(請求項5対応)。この場合、
便の粉砕時に、合わせて肛門部をも洗浄することができ
る。
【0011】前記便受けカップ内の低部に、前記肛門部
から排出される便を受け止めるネット部材が配設され、
前記ノズルから噴出される液体が、前記ネット部材の上
方から該ネット部材に向けて噴出される、ようにするこ
とができる(請求項6対応)。この場合、ネット部材に
よる便の切断作用をも得て、便粉砕をより効果的に行う
ことができる。また、ネット部材の目を通過した便は、
確実にネット部材の目よりも小さい状態に粉砕されるこ
とになる。
【0012】前記ネットが可動式とされて、該ネットの
動きと前記ノズルから噴出される液体との両方によって
便が粉砕される、ようにすることができる(請求項7対
応)。この場合、便粉砕をより効果的に行うことができ
る。
【0013】前記ノズルが、前記便受けカップ内に洗浄
液を噴出して少なくとも該便受けカップ内を洗浄する洗
浄ノズルを兼用していて、該ノズルからの洗浄液が、少
なくとも前記便受けカップ内に排出された便に向かうよ
うに設定されて、該ノズルが洗浄用ノズルを兼用してい
る、ようにすることができる(請求項8対応)。この場
合、便粉砕用と洗浄用との専用のノズルを別途独立して
設ける必要がないものとなる。
【0014】前記ノズルが、前記洗浄液が噴出される方
向を変更可能なように可動式とされており、前記ノズル
は、便を粉砕するときは、便受けカップ内を洗浄する場
合に比して可動範囲が小さくされる、ようにすることが
できる(請求項9対応)。この場合、便粉砕を効果的に
行うことと、便受けカップの洗浄を効果的に行うことと
の両方を、共に高い次元で満足させることができる。
【0015】前記便受けカップ内に便が排出されたこと
を検出する便センサが設けられ、前記ノズルの可動範囲
を変更する可動範囲変更手段が設けられ、前記便センサ
によって便が検出されたときには所定時間だけ前記ノズ
ルの可動範囲が小さくなる状態とされ、該所定時間経過
後に該可動範囲大きくなる状態に変更される、ようにす
ることができる(請求項10対応)。この場合、便粉
砕、便排出、便受けカップ内洗浄を自動的に行うことが
可能となって、省力化を図ることができる。
【0016】前記目的を達成するため、本発明はその第
2の解決手法として、特許請求の範囲における請求項1
1に記載のような手法を採択してある。すなわち、受け
口を有して、該受け口を着用者の肛門部に向けた状態で
該肛門部の周囲を包囲する便受けカップと、前記便受け
カップ内に設けられ、該便受けカップ内に排出された便
を粉砕する便粉砕手段と、前記便粉砕手段により粉砕さ
れた後の便を、前記便受けカップの外部へ排出する便排
出装置と、を備えており、前記便粉砕装置が、前記便受
けカップ内の低部に配設されて前記肛門部より排出され
る便を受け止めるネット部材と、前記ネット部材上にあ
る便に向けて粉砕用の液体を噴出するノズルと、を備え
ているようにしてある。
【0017】このように、便受けカップ内の便は、粉砕
された後に排出が行われるので、排出が容易に行われ
て、排出経路の詰まりが防止あるいは低減されることに
なる。また、粉砕された便を排出すればよいので、便排
出装置として例えば大型のポンプや大径の排出用チュー
ブを用いなくても容易に排出することが可能となる。勿
論、便は粉砕されていることにより、便受けカップ内面
に付着したままの状態になってしまう事態の発生が、防
止あるいは低減されることになる。以上に加えて、ノズ
ルから噴射される液体のエネルギと、便が噴射圧力を受
けてネット部材に押しつけられることによる当該ネット
部材の切断作用とを利用して、便粉砕を効果的に行うこ
とができる。特に、粉砕された便は、ネット部材の目よ
りも確実に小さい状態にすることができる。さらに、粉
砕された便は液体との混合状態とされて十分に流動性が
高められるので、その結果、便の排出が極めて容易とな
って、便の排出経路の詰まり防止や排出用ポンプの小型
化を図る等の上でも好ましいものとなる。
【0018】上記解決手法を前提として、次のような解
決手法をも合わせて採択することができる。すなわち、
前記便排出装置が吸引式とされ、前記便排出装置の便吸
引口が、前記ネットの下方において前記便受けカップ内
に開口されている、ようにすることができる(請求項1
2対応)。この場合、便吸引口に導入される便は、ネッ
ト部材の目を通過することにより確実に細かくされた状
態のものとなり、便排出経路の詰まり防止等の上でより
好ましいものとなる。
【0019】なお、便受けカップは、便を受け入れるも
のであれば、尿をも合わせて受け入れるものであっても
よい。すなわち、便受けカップは、少なくとも肛門部の
周囲を囲むものであればよく、肛門部の他に陰部をも合
わせて囲むものであってもよ
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、便を粉砕するのでその
排出が容易となる。特に、請求項1に記載された発明に
よれば、ノズルから噴射される液体が一種のカッタの機
能を果たして、便の粉砕効果を極めて高いものとするこ
とができる。また、請求項2に記載された発明によれ
ば、ノズルから噴射される液体のエネルギと、便が噴射
圧力を受けてネット部材に押しつけられることによる当
該ネット部材の切断作用とを利用して、便粉砕を効果的
に行うことができる。特に、粉砕された便は、ネット部
材の目よりも確実に小さい状態にすることができる。さ
らに、粉砕された便は液体との混合状態とされて十分に
流動性が高められるので、その結果、便の排出が極めて
容易となって、便の排出経路の詰まり防止や排出用ポン
プの小型化を図る等の上でも好ましいものとなる。
【0021】
【発明の実施の形態】第1実施形態(図1〜図19)
【0022】図1〜図19は本発明の第1実施形態を示
すものである。図1〜図3において、5は着用者つまり
患者、A−1は排泄物処理装置である。この排泄物処理
装置A−1は、便受けカップ10と尿受けカップ25と
を別個に有する。各カップ10と25とは、例えばプラ
スチック材により形成されている。各カップ10、25
は、保持具6により患者5の肛門部5a(の周囲)及び
陰部5b(の周囲)に圧接保持される。
【0023】上記保持具6は、周ベルト7と、複数本の
紐部8a、8b、8cとを有する。周ベルト7は、患者
5の胴部に巻回される。周ベルト7の上部両側に、2本
の上部紐8a,8bの各一端部が連結される。周ベルト
7の下部中心部に、1本の下部紐8cが連結される。上
部紐8a,8bの先端部及び下部紐8cの先端部によ
り、可撓性の係止リング9が3箇所で保持される。図2
の仮想線で示すように、係止リング9は、上下に楕円状
に湾曲させた状態で、患者5の肛門部5a及び陰部5b
を囲む位置に位置決めされる。
【0024】上記便受けカップ10は、患者5の肛門部
5aに当てられる。尿受けカップ25の受け口は、陰部
5bに当てられる。この状態で、図2の実線で示すよう
に、上記係止リング9の両側が、各便受けカップ10及
び尿受けカップ25の両側に取り付けたフック形の掛け
具9a,9bに係止される。このような保持具6によっ
て、各便受けカップ10、尿受けカップ25の受け口
が、患者5の肛門部5a(の周囲)あるいは陰部5b
(の周囲)に圧接される。
【0025】上記便受けカップ10の両側に、便受けカ
ップ10及び尿受けカップ25の装着不良を検知する装
着センサS3が取り付けられる。この装着センサS3
は、実施形態ではリミットスイッチからなる。センサS
3のアクチュエータ部は、上記上部紐8a,8bに摺動
可能に係止される。これにより、上部紐8a,8bの緊
張力が所定値以下(装着不良)になった際にセンサS3
はオン作動し、該緊張力が所定値以上になった際にセン
サS3はオフ作動される。
【0026】なお、上記便受けカップ10及び尿受けカ
ップ25を座位姿勢の患者5に装着する際には、図3に
示すように、椅子34の座面に前部側が開口した馬蹄形
の座布団34aが利用される。すなわち、座布団3aの
上に上記患者5を腰掛けさせ、便受けカップ10の下部
(後部)を上記座布団34aの開口部34bに臨ませる
ことにより、上記便受けカップ10が椅子34の座面か
ら浮くようにされる。
【0027】上記便受けカップ10及び尿受けカップ2
5は、図4〜図9に示すようになっている。まず、便受
けカップ10は、全体的に前後方向に細長く伸びる筒状
に形成されている。すなわち、便受けカップ10は、上
下方向に比して左右方向が細幅とされ、しかも前後方向
に長く伸びる形状に設定されている。便受けカップ10
の寸法は、前後の長さが約112mm、上下の高さが約
50mm、左右の幅が約40mmとなる筒状に形成され
ている。便受けカップ10内は、前後方向略中間部で、
仕切り壁11により前後(図4において左右)に2分割
されている。すなわち、便受けカップ10内は、仕切壁
11の前部側に便室12が画成され、仕切壁11の後部
側に補機室14が画成される。便室12の前面(図4に
おいて左面)は、便の受け口12aとして外部(前方)
へ開口されている。受け口12aの周縁部には、軟質製
のゴム、樹脂等からなる環状のシール材13が取り付け
られて、肛門部5aの周囲に密接に当接可能とされてい
る。なお、便室12と補機室14とは、極力液密となる
ように画成される。
【0028】上記仕切り壁11は、硬質製のプラスチッ
ク材によって、強度が高く形成されている。仕切壁11
には、吐出管16が前後方向に向けて回転自在に支持さ
れている。この吐出管16の前端部は、上記便室12内
に露出されている。吐出管16の前端部には、便室12
内に位置させて、洗浄水(洗浄液)を吐出する第1ノズ
ル(便粉砕装置)15が取り付けられている。この第1
ノズル15から噴射される洗浄液の噴射方向は、吐出管
16の軸心に対して直交方向となるように設定されてい
る。
【0029】上記仕切り壁11のうち補機室14側の面
には、モータ(本実施形態では超音波モータ)Mが取付
けられている。このモータMは、上記吐出管16を回転
させるためのものである。モータMは、リング形とされ
て、吐出管16がモータMの中空部内を貫通している。
このモータMは、補機室14に収容した端末回路板60
からの信号を受けて回転制御される。即ち、便室12内
の便を粉砕する際には、第1ノズルが下向きにされて、
該第1ノズル15が上下線に対してそれぞれ左右に約9
0度の角度で所定時間(本例では約20秒間)揺動する
ように、吐出管16が往復回転される。便の粉砕が終了
した時点になると、上記第1ノズルが360度回転する
ように、上記吐出管16が一方向に所定時間(本例では
約10秒間)回転されて、肛門部5a及び便カップ10
内を洗浄するように駆動制御される。
【0030】上記吐出管16は、ロータリー継手17を
介して、補機室14内に設けた供給管18に回転自在に
接続されている。供給管18は、補機室14の後部壁2
0に形成した供給路20a及び後部継手21内に形成し
た供給路21aを介して、後述する洗浄水供給装置40
に接続されている。洗浄水供給装置40から供給される
洗浄水(湯)が、上記第1ノズル15から便室12内に
噴出される。これにより、上記洗浄水により該便室12
内に排出された便が粉砕されるとともに、患者5の肛門
部5aが洗浄される。
【0031】第1ノズル15から噴射される洗浄水は、
その噴射形状が扇状とされる。すなわち、噴射される洗
浄水の前後方向の吐出角度αが約110度、左右方向の
吐出幅は約1mmとされる。上記補機室14の下部には
排便管23が配置され、該排便管23の前部が便室12
の後部下部に接続されて、便室12に開口されている。
この排便管23の後部は、補機室14の後部壁20に形
成した排便路20b及び上記後部継手21内に形成した
排便路21bを介して、後述する便排出装置45に接続
される。便排出装置45により、上記便室12内で粉砕
された便が吸引されて、外部に除去(排出)される。
【0032】前述した尿受けカップ25は、図4及び図
5に示すように、前部が開口された受け口とされてい
る。尿受けカップ25は、上面部が後方に向かって下り
傾斜する円錐形の容器状に形成されている。尿受けカッ
プ25の寸法は、前後の長さが約52mm、上下の高さ
が約55mm、左右の幅が約36mmとなっている。
【0033】尿受けカップ25の前部の受け口25aは
上下に長い楕円状とされている。受け口25aの周縁部
には、軟質製のゴム、樹脂等からなるシール材26が取
り付けられて、陰部5bの周囲に密接に当接するように
されている。尿受けカップ25の後部下部に、排尿ホー
ス27が接続されている。排尿ホース27の直径は、約
10mmとされている。この排尿ホース27の後端は、
補機室14の後部壁20に形成した排尿路20cの上部
に接続されている。すなわち、排尿ホース27は、排尿
路20c及び後部継手21内に形成した排尿路21cを
介して、後述する尿排出装置50に接続される。尿排出
装置50により尿受けカップ25内に排出された尿が吸
引されて、外部に除去される。
【0034】患者5の陰部5bを洗浄する機能を持たせ
る場合には、上記尿受けカップ25の後部に第2ノズル
28がを取付けられる。第2ノズル28は、第2吐出ホ
ース29、電磁弁30、分岐手31を介して、前述した
供給管18の途中に接続される。患者5の排尿が終了し
た時期に上記電磁弁30を開くことにより、洗浄水供給
装置40から供給される洗浄水(湯)が、該第2ノズル
28から患者5の陰部5bに向けて洗浄水が噴出され
る。この場合、上記第2ノズル28からの洗浄水の吐出
角度は、例えば約40度とされる。
【0035】排便路20bと21bとは、図4、図7に
示すように、後部継手21の軸心C部分にて対面され
る。供給路20aと21aとが、軸心Cとはオフセット
された位置でもって対面される。排尿路20cと21c
とが、軸心Cとオフセットされた位置で対面される。図
7に示すように、供給路20aと21aとの対面位置
は、排尿路20cと21cとの対面位置に対して、軸心
Cを中心とする上下対象位置となるうように設定されて
いる。そして、後部継手21の供給路21a及び排尿路
21cの対面部には、軸心Cを中心とする約120度の
円弧溝21a−1,21c−1(連結用通路となる)が
形成されている。
【0036】上記後部継手21は、後部壁20に対し
て、円筒状の連結具22を介して連結されている。後部
継手21は、その軸心を中心として、約120度の角度
で回動可能とされている。これにより、患者5が左右横
向き転動して上記便受けカップ10及び尿受けカップ2
5が左右に回動した際に、上記後部継手21が後部壁2
0と相対回転される。つまり、該後部継手21に接続さ
れた洗浄水供給装置40、便排出装置45、及び尿排出
装置50の各ホースの捩れが防止される。
【0037】前述した便室12の外周部に、便センサS
1がり取付けられている(図4)。また排尿路20cの
起立部の外周部に、尿センサS2を取り付けられている
(図8)、これら便センサS1及び尿センサS2の検知
信号は、前述した端末回路板60に送られる。上記便セ
ンサS1及び尿センサS2は共に同様の静電容量式から
なる。
【0038】便センサS1(尿センサS2も同じ)につ
いて、図10により説明する。まず、便室12を形成す
る外周壁、即ち便受けカップ10はプラスチック等の絶
縁材により形成されている。上記便室12の外周に、
銅、アルミ等の導電材からなるリング状の送信電極24
a、保護電極24b、及び受信電極24cが前後方向に
所定の間隔をおいて巻き付けられている。送信電極24
a、保護電極24b、及び受信電極24cは、検出回路
24dに接続される。
【0039】送信電極24aと受信電極24cとの間の
静電容量は、この間に便が存在するか否かに応じて相違
する。したがって、この静電容量の変化を上記検出回路
24dでもって検出することにより、便受けカップ10
内に便が存在するか否かが判断されることになる(例え
ば特開2000−80703号公報に記載の静電容量式
センサの利用)。
【0040】なお、上述のような便検出手法はあくまで
一例であり、従来既知の適宜の便検出センサを用いるこ
とができる。例えば、発光素子と、発光素子からの光を
受光する受光素子とを便受けカップ10に装備し、この
両素子の間に便が排出されるように設定することによ
り、受光素子によって受光されないときは、便が存在す
るときであると判定することができる。また、便受けカ
ップ10のうち、便が排出される面からの反射光の有無
を利用して、便の有無を検出することもできる(発光素
子からの反射光を受光する受光素子が、受光しないとき
に、便が存在すると判定される)。
【0041】前述した洗浄水供給装置40は、水、また
は水に消毒液、石鹸水等を混入した洗浄液(洗浄水)を
供給するためのものである。図4に示すように、洗浄水
供給装置40は、洗浄水を所定温度に調節する温水タン
ク41を有する。温水タンク41内の温水(つまり洗浄
水)は、温水ポンプP1、供給ホース42を介して、便
受けカップ10に向けて供給される。上記温水タンク4
1内には、高温センサS4と低温センサS5とが設けら
れている。高温センサS4は、例えば42度C以上にな
ったらオン作動する。低温センサS5は、例えば25度
C以下になったらオン作動する。センサS4,S5がオ
ン作動した際には上記温水ポンプP1が停止される。セ
ンサS4,S5がオフ作動の状態でかつ便センサS1又
は尿センサS2が作動した際には、上記温水ポンプP1
が起動されて、第1ノズル15又は第2ノズル28から
洗浄水が噴出される(患者5の肛門部5a又は陰部5b
の洗浄)。
【0042】前述した便排出装置45は、図4に示すよ
うに、密閉された便タンク46を有する。便タンク46
の上部が、排便ホース47(例えば直径約10mm)を
介して、前述した排便路21bに着脱自在に接続され
る。また、便タンク46の上部が、吸引ホース48を介
して、便吸引ポンプP2(の吸引口)に接続される。便
吸引ポンプP2の排出管には、触媒(消臭器)49が接
続される。便吸引ポンプP2は、前述した便センサS1
が作動した際に起動され、便タンク46内を負圧にす
る。これにより、便室12内の下部に流下した便が吸引
されて、便タンク46内に収容される。便吸引ポンプP
2で吸引された便タンク46内のガスは、上記触媒49
により浄化された後、外気に排出される。上記便タンク
46には、該便タンク46の満杯を検知する満杯センサ
S6が取り付けられている。
【0043】前述した尿排出装置50は、図4に示すよ
うに、密閉された尿タンク51を有する。尿タンク51
の上部は、排尿ホース52を介して、前述した排尿路2
1cに接続される。また、尿タンク51の上部は、吸引
ホース53を介して、尿吸引ポンプP3(の吸引口)に
接続される。尿吸引ポンプP3の排出管には、触媒(消
臭器)54が接続されている。尿吸引ポンプP3は、前
述した尿センサS2が作動した際に起動され、尿タンク
51内を負圧にする。これにより、尿受けカップ25内
の下部に流下した尿が、吸引されて、尿タンク51内に
収容される。尿吸引ポンプP3で吸引された尿タンク5
1内のガスは、上記触媒54により浄化された後、外気
に排出される。上記尿タンク51には、該尿タンク51
の満杯を検知する満杯センサS7が取り付けられてい
る。
【0044】図4において、70は外部のコントローラ
部である。このコントローラ部70は、前述の端末回路
板60に所定の電源電圧を印加する。また、コントロー
ラ部70は、通信回線64を介して上記端末回路板60
と交信して、各機器を制御するようになっている。図1
1は上記端末回路板60及びコントローラ部70に組み
込まれた制御装置のブロック図、図12はそのフローチ
ャートである。
【0045】図11において、61は端末回路板60に
組み込まれた装着制御部、71はコントローラ部70に
組み込まれた外部制御部である。上記装着制御部61は
端末のマイクロコンピューター62を有する。端末のマ
イクロコンピューター62には、便センサS1及び尿セ
ンサS2のデータが、検出回路24,24’を介して入
力される。また、マイクロコンピュータ62は、装着セ
ンサS3の信号が入力される。さらに、マイクロコンピ
ュータ62には、第1ノズル15の原点位置を検出する
原点センサS8のデータが、原点回路63を介して入力
される。マイクロコンピューター62は、上記各データ
及び信号を、通信回路64を介してコントローラ部70
側の外部制御部71に送る。また、マイクロコンピュー
タ62は、外部制御部71で処理されたデータを受け取
って、モータ駆動回路65を介してモータMを制御す
る。66は、上記コントローラ部70側から端末回路板
60に供給される電源回路である。
【0046】上記コントローラ部70の外部制御部71
は、親のマイクロコンピューター72を有し、該親のマ
イクロコンピューター72には、通信回路73を介して
上記端末のマイクロコンピューター62からの各データ
及び信号が入力される。マイクロコンピュータ72に
は、高温センサS4、低温センサS5、満杯センサS
6,S7、手動便スイッチSW1、手動尿スイッチSW
2等の各信号が入力される。さらに、マイクロコンピュ
ータ72には、操作ボタン74によりモータMの駆動時
間及び正逆回転の角度、各センサの設定値等が入力され
る。親のマイクロコンピューター72は、入力された各
データ、信号を記憶、演算処理して、上記端末のマイク
ロコンピューター62に所定の指令信号を発するととも
に、各駆動回路を介して温水ポンプP1、便吸引ポンプ
P2、及び尿吸引ポンプP3を制御する。またマイクロ
コンピュータ72は、異常時にアラーム75を作動させ
たり、液晶表示器76に所定の表示を行う。上記コント
ローラ部70のデータは、必要に応じ、通信回線を介し
て集中管理室に設置したパソコン78に送られ、ここで
記録及び集中管理される。77は、上記コントローラ部
70の電源回路である。
【0047】次に上記装着制御部61及び外部制御部7
1の動作について、図12のフローチャートを参照しつ
つ説明する。なお、図12において、T1〜T21はフ
ローチャートの各ステップを示す。制御プログラムがス
テップT1でスタートすると、ステップT2で、装着セ
ンサS3、高温センサS4、低温センサS5、便タンク
46の満杯センサS6、及び尿タンク51の満杯センサ
S7の各信号が入力される。ステップT3では、上記各
センサの異常の有無が判断される。ステップT3で異常
がある場合は、ステップT16に進行してエラー表示及
び警報が発っせられ、異常がない(各信号がオフ)場合
はステップT4に進行する。ステップT4では、自動運
転か否かを判断する。
【0048】自動運転の場合は、ステップT5で、便セ
ンサS1がオンしたか否かが判断される。便センサS1
がオンした際は、ステップT7〜T10に進行して、温
水ポンプP1、便吸引ポンプP2が起動されるととも
に、モータMが約20秒間正逆回転される。これによ
り、第1ノズル15から温水が噴出されると共に、該第
1ノズル15が上下線に対し左右に約90度の角度で振
られる。これにより、便受けカップ10の底部に堆積し
た便5cが粉砕されることになる。また、粉砕された便
5cは、排便管23、排便路20b,21b、排便ホー
ス47を介して吸引排出されて、便タンク46内に収容
される。
【0049】上記モータMの正逆回転時間が20秒間経
過すると、ステップT11,T12で上記モータMが一
方向に約10秒間回転される。これにより、上記第1ノ
ズル15は吐出管16を介して前後線を中心として回転
しながら洗浄水を噴出し、便受けカップ10の内面全
域、及び患者5の肛門部5aを洗浄することになる。次
いでステップT13〜T15に進行し、上記温水ポンプ
13、モータM、便吸引ポンプP2が停止された後、ス
テップT2にジャンプする。
【0050】前述したステップT5で便センサS1がオ
フしている際は、ステップT6において、尿センサS2
がオンしたか否かが判断される。尿センサS2がオフの
場合は、ステップT2にジャンプする。尿センサS2が
オンした際は、ステップT19〜T21に進行して、尿
吸引ポンプP2が30秒間作動される。これにより、尿
カップ25内に排出された尿が、吸引されて、尿タンク
51内に収容される。ステップT21で尿吸引ポンプP
2を停止させた後は、ステップT2にジャンプする。
【0051】前述したステップT4で自動運転でない場
合、即ち、手動運転の場合には、ステップT17で手動
便スイッチSW1がオンされたか否かが判断される。手
動便スイッチSW1がオンされた場合は、ステップT7
〜T15に進行し、オフの場合はステップT18に進行
する。ステップT18では、手動尿スイッチSW2がオ
ンされたか否かが判断される。手動尿スイッチSW2が
オンされた場合はステップT19〜T21に行し、オフ
の場合はステップT2にジャンプする。なお、排尿後に
患者5の陰部5bを洗浄する場合には、ステップT21
で尿吸引ポンプP3が停止される前段で、図4の電磁弁
30を開作動させるとともに、温水ポンプP1を起動さ
せ、第2ノズル28から洗浄水を患者5の陰部5bに向
けて噴出させるようにする。
【0052】第1実施形態の変形例(図13〜図19)
【0053】図13は、便受けカップ10に対して、女
性用の尿受けカップ25と男性用の尿受けカップ25−
1とが適宜選択して取付けられる状態を示す。男性用の
尿受けカップ25−1は、例えばプラスチック材によっ
て浅い円筒状とされた容器32を有する。容器32の前
部に、カバー32aが連結される。カバー32aは、例
えばフィルムシートを円筒状に丸めたもので構成され
る。該カバー32aの径は、前部の周方向両端部の重ね
合わせ量を調節することに、変更能である。すなわち、
カバー32aの径が、男性の性器の径に合うように調整
される。該円周方向両端部を面ファスナー32bにより
連結することにより、調整後の径が維持される。上記容
器32の後部に排尿ホース27−1が接続される。そし
て、上記男性用の尿受けカップ25−1を便受けカップ
10に接続する際には、前述した女性用の尿受けカップ
25を便受けカップ10から外し、代わりに上記男性用
の尿受けカップ25−1を便受けカップ10の上方に配
置して、その排尿ホース27−1の後端部を便受けカッ
プ10の排尿路20cに接続すればよい。
【0054】図14〜図16は、尿受けカップの第2例
を示す。図14において、10は便受けカップであり、
該便受けカップで10は前述したものと略同様の構造と
なっている。25−2は男性、女性兼用の尿受けカップ
であり、上記便受けカップ10の前部の上方側に一体的
に連結されている。即ち、尿受けカップ25−2は、前
部に上下方向に長い楕円状の受け口35aを有する。尿
受けカップ25−2は、側面視において円弧状に湾曲す
る溝形の尿カップ主体35を有する。尿カップ主体35
は、左右一対の縦リブ36a,36aと、円弧状に湾曲
して伸びる横リブ部36b,36b・・・とを有する。
各横リブ部36b,36b・・・が、上記縦リブ36
a,36aに上下に所定ピッチで連結される。各リブ部
36a、36bによって、前部が開口しかつ側面視で円
弧状に湾曲する溝形の補強リブ36が形成される。補強
リブ36の内面に、プラスチックシートまたは不織布等
からなるシート37が貼られて、全体として蛇腹状に形
成される。これにより、患者5の動きに追随して上下方
向に伸縮可能に、かつ左右に若干の捩じれ変形を可能と
する。つまり、尿受けカップ25−2の尿受け口と便受
けカップ10の受け口との相対位置関係が、3次元的に
調整可能とされている。なお、上記補強リブ36及びシ
ート37はプラスチック材により一体に形成するように
してもよい。
【0055】上記尿カップ主体35の後部の左右両側
に、一対の排尿口38,38(図16)が形成される。
該排尿口38,38には、排尿ホース27−2が接続さ
れる。この排尿ホース27−2の後端部同士が集合され
て、便受けカップ10の排尿路20cに接続される。左
右両方に排尿口38,38を形成することにより、患者
5が横向きの状態で排尿しても、この尿がいずれか一方
の排尿口38から排尿路20cに排出される。なお本発
明は前述した尿受けカップ25,25−2を省略しても
よい。
【0056】図17は前述した便受けカップ10の受け
口12aのシール装置を示す。図17において、10は
前述と略同様の便受けカップ、80はそのシール装置で
ある。このシール装置80は以下の如くなっている。ま
ず、上記便受けカップ10の受け口12aにリング状の
吸盤シール材81が取り付けられる。該吸盤シール材8
1はゴム、合成樹脂等の弾性を有する軟質資材からな
る。シール材81の前面には、例えば断面V形のリング
溝81aが形成されている。上記溝81aは、吸引ホー
ス82、該吸引ホース82を開閉する電磁弁83を介し
て、負圧タンク84に接続されている。この負圧タンク
84には、直流モータによって駆動される負圧ポンプ8
5が接続される。また、上記負圧タンク84内の圧力を
検出する圧力センサ86が設けられる。そして、上記電
磁弁83、及び負圧ポンプ85を制御するシール制御部
87が設けられる。
【0057】シール材81は、リング溝81aの形成に
よって、径方向内方側に位置する内側リップ部(舌片
部)と、径方向外方側に位置する外側リップ部とを有す
ることになる。各リップ部は、十分に柔軟性を有するこ
とになって、着用者への密着性が高められることになる
(シール性の向上)。
【0058】上記シール制御部87は、以下の如くなっ
ている。まず、便センサS1が作動していない通常時に
おいては、負圧ポンプ85が圧力センサ86の値に基づ
いて作動されて、負圧タンク84内の圧力が例えば約−
39.9kpa(−300mmHgで、第1負圧値)と
なるようにしておく。この状態で弁センサS1がオン作
動した際には、上記電磁弁83が開作動されて、負圧タ
ンク84内の負圧が上記リング溝81aに付与される。
これにより、吸盤シール材81が患者5に吸着される。
上記電磁弁83が開作動した直後(約2秒後)に、上記
負圧タンク84内の圧力が例えば約−19.9kpa
(−150mmHgで、上記第1負圧値よりも小さい第
2負圧値)となるように、圧力センサ86の値に基づい
て上記負圧ポンプ85が駆動制御される。これにより、
吸盤シール材81の吸着力を低下させて患者5の負担
(圧迫感)を軽減させつつ、上記便受けカップ10のシ
ール機能が保持される。
【0059】この状態において上記弁センサS1がオフ
作動すると、上記電磁弁83が閉作動されて、吸盤シー
ル材81の吸着力が解除される。次いで上記負圧タンク
84内の圧力が初期の圧力、つまり例えば約−39.9
kpa(−300mmHg)となるように、圧力センサ
86の値に基づいて上記負圧ポンプ85が駆動制御され
る。また、上記弁センサS1がオフ作動している間にお
いては、上記電磁弁83が所定時間毎(例えば5分毎)
に短時間(例えば約2秒間)だけ開作動される。このと
きの圧力センサ86の検出値が例えば約−13.3kp
a(−100mmHgで、第2負圧値よりも小さい第3
負圧値))よりも小さい負圧の場合は、便受けカップ1
0の装着不良と判断して、本体側の制御部に異常の信号
が送られる。なお、尿受けカップ側にも前述と同様のシ
ール装置80を設けるようにしてもよい。この場合、前
述した便センサS1の代わりに、尿受けカップに排出さ
れた尿を検出する尿センサが利用される。
【0060】図18、図19は便受けカップの第2例を
示す。図18において、10−2は便受けカップであ
り、該便受けカップ10−2の寸法は、例えば、前後の
長さLが約84.5mmとされ、これは前述した便受け
カップ10の前後の長さよりも短くなっている。上記便
受けカップ10−2は、その前部側は、例えば前後長さ
L1が約54.5mm、左右幅W1が例えば約42.5
mmとなる円筒状とされる。該前部側で形成される便室
12’の容積は、前述した便室12と略等しい容積とさ
れている。また、便受けカップ10−2の後部側は、下
面部が後部上方に傾斜する異形の円錐状とされて、その
前後の長さL2は例えば約30mm、左右幅は上記前部
側の左右幅W1と略等寸にされている。上記便室12’
及び補機室14’は、仕切り壁11によって前後に仕切
られていて、該後部側に形成される補機室14’の容積
は、前述した補機室14よりも小さくなっている。
【0061】仕切り壁11に吐出管16が回転自在に支
持され、該吐出管16の前端部に第1ノズル(便粉砕装
置)15が取り付けられ、該吐出管16が補機室14に
収容されたリング形のモータMによって回転駆動され
る。これらは前述したものと略同様の構造となってい
る。上記便受けカップ10の後部には、複合ホース90
が着脱自在に接続される。この複合ホース90は、その
内部に、排便路90a、供給路90b及び排尿路(図示
省略)が並列に形成されている。排便路90aの前部
は、上記補機室14’の底部に形成した便導入路91を
介して、便室14’の後面底部に連通されている。供給
路90bの前部は、補機室14’に配設されたロータリ
継手17を介して、上記吐出管16に接続されている。
【0062】上記便受けカップ10−2の上部に、前述
と同様の尿受けカップ25’が配置される。この尿受け
カップ25’の寸法は、例えば、前後の長さL3が約5
7.5mm、上下の高さH2が約62.5mm、左右の
幅が約38.5mmとなっている。上記尿受けカップ2
5’の後部には排尿ホース27が接続され、この排尿ホ
ース27の後部は、上記複合ホース90に形成された排
尿路に接続されている。なお、上記尿受けカップ25’
には、洗浄用の第2ノズルの取り付けは省略されてい
る。その他は前述したものと略同様となっている。
【0063】第2実施形態(図20〜図25)
【0064】図20〜図25は本発明の第2実施形態を
示すものである。図20〜図23において、5は患者、
A−2は排泄物処理装置である。この排泄物処理装置A
−2は、便受けカップ100と尿受けカップ113とが
別個に形成されている。両カップ100と113とは、
それぞれプラスチック材により形成されている。図23
に示すように、便受けカップ100は、その左面に形成
した受け口100aを患者5の肛門部5aの周囲に当接
させて使用される。尿受けカップ113は、その左面に
形成した受け口113aを患者5の陰部5bの周囲に当
接させて使用される。上記受け口100a,113a
は、軟質製のゴム、あるいは樹脂等により形成されて、
この軟質部分が上記肛門部5a及び陰部5bの周囲に密
接に当接される。
【0065】上記便受けカップ100は、図23に示す
ように、その内部空間が仕切り壁100bにより前後に
2分割されて、前部に便を受ける便室100cが形成さ
れ、また後部に補機類の補機室100dが形成されてい
る。この補機室100dに、便粉砕装置102、第1ノ
ズル111等の補機類が収容されている。上記仕切り壁
100bは、例えば硬質製のプラスチック材により形成
されて強度が高くされている。該仕切り壁100bに、
上記便粉砕装置102及び第1ノズル111が取り付け
られる。第1ノズル111は、便室100cに露出する
ようにして上記仕切り壁100bの上部に取り付けられ
ている。第1ノズル111は、第1洗浄チューブ111
aを介して、補機室100dの下部に取り付けた洗浄水
分配部112に接続されている。後述する洗浄水供給装
置125(図20)から送られてくる洗浄水(湯)が、
上記洗浄水分配部112を介して第1洗浄チューブ11
1aに送られる。これにより、上記第1ノズル111か
らの洗浄水が患者5の肛門部5aに向けて噴出されて、
この肛門部5aが洗浄される。
【0066】上記便粉砕装置102は攪拌機からなり、
図23に示すように、その攪拌軸103が、上記仕切り
壁100bの上下中間部に回転自在に取付けられてい
る。この攪拌軸103は、左方に下り傾斜されて仕切壁
100bに挿通されている。攪拌軸103のうち便室1
00c側に突出した部分の下端部に、スクリュー形の攪
拌羽根104が取り付けられている。攪拌軸103のう
ち補機室100d側に突出した部分の上端部は、被動ギ
ア105、駆動ギア106を介してモータ110に連結
されている。勿論、被動ギア105、駆動ギア106、
モータ110は補機室100d内に配置されている。モ
ータ110により上記攪拌羽根104が回転駆動され
て、便室100cの底部に落下して来る便が攪拌、粉砕
される。
【0067】前述した尿受けカップ113は、女性用及
び男性用に共通する大きさ及び形状にされている。尿受
けカップ113のの底壁113bは、その左右両側が左
右中心部よりも低くなる山形とされている。底壁113
bの左右両側にはそれぞれ、可撓性の連結チューブ11
4,114が連結され、この連結チューブ114、11
4は下方へ向けて伸びている。連結チューブ114,1
14の下部は、便受けカップ100の便室100cの上
部に開口されている。連結チューブ114、114は、
便受けカップ100に対して、上下摺動可能にかつ密と
なるように挿通されている。これにより、患者5が横向
きの状態で排尿しても、この尿がいずれか一方の連結チ
ューブ114を介して便受けカップ100の便室100
cに向かって流下される。
【0068】上記尿受けカップ113の背面側には、第
2ノズル115及びエアノズル116が取り付けられて
いる。第2ノズル115は、第2洗浄チューブ115a
を介して、前述した洗浄水分配部112に接続されてい
る。上記第2ノズル115からの洗浄水は、患者5の陰
部(女性用)5bに向けて噴出されて、この陰部5bを
洗浄する。なお、男性に使用する場合は、上記第2ノズ
ル115を省略してもよい。
【0069】上記エアノズル116は、エアチューブ1
16aを介して後述するエア供給装置142(図20)
に接続されている。該エア供給装置142から送られて
くる乾燥用の空気(温風)が、エアノズル116から尿
受けカップ113内に噴出されて、患者5の陰部5bが
乾燥される。尿受けカップ113内に噴出された乾燥用
の空気は、連通パイプ114を介してカップ100の便
室100c内へと流通されて、肛門部5aを乾燥させ
る。なお、上記エアノズル116と同様のエアノズル1
16’を補機室100dにも取り付け、これを上記エア
チューブ116aの途中に接続し、該エアノズル11
6’から直接補機室100dに乾燥用の空気(温風)を
噴出させるようにしてもよい。
【0070】上記便室100cの底部は、漏斗状に縮小
されて、その下部に排便路118が形成されて、該排便
路118の入口118aが上記便室100cの底部に連
通(開口)されている。上記排便路118は、後述する
便排出装置135(図20)に接続されている。便粉砕
装置102により粉砕された便、尿受けカップ113か
ら便室100c内に流下した尿、及び各第1、第2洗浄
ノズル11,15から噴出した使用済の洗浄水等は、そ
れぞれ、上記排便路118を介して外部に吸引排出され
る。図21において、101は便受けカップ100の下
部後部に形成された配管接続口である。この配管接続口
に、前述した第1、第2洗浄チューブ111a,115
a、エアチューブ116a、及び上記排便路118等の
各接続端部が集合される。
【0071】上記便受けカップ100及び尿受けカップ
113は、保持具120により患者5の肛門部5a及び
陰部5bに圧接保持される。保治具120は、図21,
図22に示すように、1本の下部ベルト121と、2本
の上部ベルト122、122と、周ベルト123とを有
する。周ベルト123は、患者の胴部に巻回される。下
部ベルト121は、便受けカップ100の下端部から前
方に向かって延出されて、周ベルト123(のうち着用
者の背面側略中間部)に連結される。上部ベルト12
2、122は、便受けカップ100の左右両側から上方
かつ前方に向かって延出されて、周ベルト123(のう
ち着用者の正面側の左右部分)に連結される。なお、周
ベルト123は、着用者への取付および取外しのため
に、例えばその上部(着用者の正面側)において周方向
に分離可能とされて、該分離部に互いに噛合する面ファ
スナー(図示省略)が逢着されている。
【0072】上記各上部ベルト122,122の上下中
間部に、尿受けカップ113の前部側に形成したフラン
ジ部(受け口113aの背面側)113cが上下摺動可
能に取り付けられている。フランジ部113cの下端部
と各上部ベルト122,122の下部(基部)とに、尿
受けカップ113を便受けカップ100に対して上下方
向に移動調節する連結部124が設けられている。この
連結部124は、図22に示すように、各上部ベルト1
22,122の下部に形成された複数個のピン孔124
aと、尿受けカップ113のフランジ部113cの下端
部に形成されて上記ピン孔124aに嵌合係止するピン
124bとを有する。上記ピン孔124aは、上下方向
に所定ピッチで複数形成されて、上記ピン124bが係
止されるピン孔124aの選択変更することにより、便
受けカップ100に対する尿受けカップ113の上下方
向位置が変更される。
【0073】前述した洗浄水供給装置125は、図20
に示すようになっている。即ち、洗浄水供給装置125
は温水タンク126を有して、この温水タンク126に
よって、水又は水に消毒液を混入した洗浄水が所定温度
に調節される。温水タンク126内の温水つまり洗浄水
は、水ポンプ(電磁ポンプ)127、供給ホース128
を介して、便受けカップ100に向けて供給される。こ
の供給ホース128の便受けカップ100近傍に、供給
ホース128内の温水を上記温水タンク126に還流さ
せるバイパスホース129が接続されている。該バイパ
スホース129は、電磁弁130により開閉される。上
記供給ホース128の下流端部(バイパスホース129
の下流側)に、供給ホース128内の圧力が約4.9k
パスカル(0.5kg/cm2 )以上になった際に開く
圧力弁131が取り付けられている。この圧力弁131
の下流側が、便受けカップ100内の洗浄水分配部11
2に接続されている。
【0074】また、図23に示すように、便受けカップ
100の便室100c内に、排便を検知する便センサー
S1及び排尿を検知する尿センサーS2が取り付けられ
ている。そして、便センサーS1が作動した際には、電
磁弁130が閉作動されるとともに、温水ポンプ127
が「強」で駆動され、同時に上記洗浄水分配部112に
よって供給ホース128の流路が第1洗浄チューブ11
1a側に切り換えられる。これにより、洗浄水が第1ノ
ズル111から温水が噴出されて、患者5の肛門部5a
が洗浄される。また、尿センサーS2が作動した際に
は、上記洗浄水分配部112によって供給ホース128
の流路が第2洗浄チューブ115a側に切り換えられ
て、洗浄水が第2ノズル115から噴出されて、患者5
の陰部5bが洗浄される。
【0075】なお、上記便センサーS1及び尿センサー
S2が作動していない通常時においては、上記温水ポン
プ127が「弱」で駆動されるとともに、電磁弁130
が開作動される。これにより、供給ホース128内の洗
浄水(温水)が、バイパスホース129を介して温水タ
ンク126に循環されて、該供給ホース128内の洗浄
水の温度低下が防止される。このバイパスホースを利用
した温水の循環により、第1、第2洗浄ノズル111,
115に適温の洗浄水が迅速に供給可能とされる。図2
0中、126aは給水弁、126bはドレン弁である。
【0076】前述した便排出装置135は、図20に示
すように、密閉された汚水タンク136を有する。この
汚水タンク136の上部には、前述した排便路118が
接続される排便ホース137と、吸引ポンプ138に接
続される吸引ホース139とが接続されている。吸引ポ
ンプ138の排出管には、触媒140が接続されてい
る。上記吸引ポンプ138は、前述した便センサーS1
及び又は尿センサーS2が作動した際に起動されて、汚
水タンク136内が負圧にされる。汚水タンク136内
が負圧とされることにより、便室100c内下部の排便
路118に流下した便、尿等の汚物が、排便ホース13
7を介して吸引されて、汚水タンク136内に収容され
る。上記吸引ポンプ138で吸引された汚水タンク13
6内のガスは、上記触媒140により浄化して外気に排
出される。
【0077】また、前述したエア供給装置142は、図
20に示すように、エアホース143を有して、このエ
アホース143が、前述したエアチューブ116aに接
続されている。エアーホース143の上流側に、電熱ヒ
ーター形式の温風発生器144が接続され、上記エアホ
ース143の途中に該エアホース143開閉する電磁弁
145が取り付けてられている。前述した便センサーS
1及び又は尿センサーS2が作動した際に、上記温風発
生器144のヒーターに通電されるとともに、上記電磁
弁145が開作動される。これにより、上記便センサー
S1及び又は尿センサーS2が作動して前述したように
吸引ポンプ138が作動されると、上記エアホース14
3を介して温風がエアチューブ116aに供給され、エ
アノズル116から乾燥用の空気(温風)が尿受けカッ
プ113内に噴出されて、患者5の陰部5bが乾燥され
る。乾燥用の空気は、該尿受けカップ113内を流通し
た後、連結チューブ114を介してカップ100の便室
100c内に流通して、肛門部5aが乾燥される。
【0078】第2実施形態の変形例(図24、図25)
【0079】図24は第2実施形態による便粉砕砕装置
の第2例を示す。図24において150は便粉砕装置で
あり、複数(実施形態では2つ)の吐出ノズル111と
151とを有する。吐出ノズル151は、便室100c
の底部にある前部斜壁100eに取付けられて、前述し
た第1ノズル111と対向するように取付られている。
該吐出ノズル151の吐出チューブ152が、前述した
洗浄水分配部112を介して、洗浄水供給装置125の
供給ホース128に接続されている。上記吐出チューブ
152は、第1洗浄チューブ111aと並列に供給ホー
ス128に接続さてし、上記第1ノズル111及び吐出
ノズル151の両方から吐出される洗浄水によって、便
室100c内の便が攪拌、粉砕される。
【0080】図25は第2実施形態による便粉砕砕装置
の第3例を示す。図25において154は便粉砕装置で
あり、便室100cの漏斗状に形成した底部内面に、漏
斗状の振動体155が取付けられている。振動体155
は、その全体形状としては、下方に向かうにつれて内径
が徐々に小さくなる環状とされている。補機室100c
の底部に超音波発生器156が取付けられて、該超音波
発生器156により上記振動体155に機械的振動が付
与される。これにより、上記振動体155部に到来した
便が、振動体155を振動させることにより粉砕され
る。粉砕された便は、振動体155(の内部空間)を通
過して、粉砕排便路118を介して外部に吸引・排出さ
れる。
【0081】なお、便粉砕装置は、便室100c内に低
周波を付与し、この低周波(による振動)により便室1
00c内の便を粉砕するようにしてもよい。
【0082】第3実施形態(図26〜図35)
【0083】図26〜図35は、本発明の第3実施形態
を示すものである。なお、図26〜図35において、図
20〜図25と同符号の部分は該図20〜図25と略同
構造となっている。
【0084】図26、図27において、A−3は第3実
施形態による排泄物処理装置である。この排泄物処理装
置A−3は、プラスチック材により便受けカップ160
と尿受けカップ113とを別個に有する。上記便受けカ
ップ160は、図27に示すように、室内が仕切り壁1
60bにより前後に2分割されている。すなわち、便受
けカップ126内は、前部に便を受ける便室160c
が、後部に補機類を収容する補機室160dが形成され
ている。便室160cの下部は、下方に向かって縮小す
る漏斗状に形成されて、その下端部に排出口161が形
成されている。この排出口161は、便受けカップ16
0の下端部に形成した排便路162を介して、便受けカ
ップ160の下端後部から外部に開口さされている。ま
た、上記便室160cの内面の略全域に、便の付着を防
止する多数の突起163が形成されている。
【0085】上記便室160c内に、便粉砕装置170
が設けられている。即ち、上記補機室160d内の下部
に所定の網の目、本例では網の目が約5mm角となる面
状のネット(ネット部材)171が張り渡されている。
該ネット171により、上記排出口161の上部が覆わ
れている。つまり、便の受け口と排出口161との間に
ネット171が介在されて、便受けカップ160に排出
された便は、必ずネット171を通過した後に、排出口
161へと移動されるようになっている。また、上記弁
室160cの上部に洗浄水(水又は温水)Wを噴出する
第1ノズル173が配置されている。前述の仕切り壁1
60bには吐出管175が回転可能に挿通、支持され
て、この吐出管175の前端部に上記第1ノズル173
が取り付けられている。この該吐出管175は、管継手
176を介して第1導入管177に回転可能に接続され
ている。第1導入管177は、中継部178を介して、
図26に示す洗浄水供給装置125(図26)に接続さ
れている。
【0086】上記第1ノズル173は、洗浄水をネット
171の上面に向けて噴出するとともに、そのうちの一
部を患者5の肛門部5aに向けて噴出するようになって
いる。即ち、前後方向の噴出形態は図27に示すように
ネット171の後部から患者5の肛門部5aに至る広幅
なものとし、左右方向の噴出形態は図28に示すように
小幅(線状)なものとなっている。
【0087】上記第1ノズル173は、補機室160d
に配置したノズル駆動装置180により吐出管175を
介して左右方向に揺動される。このノズル駆動装置18
0は、図28に示すように、電動モーター(駆動装置)
184を有して、このモータ184の出力軸185に、
クランクウェブ189を介してコンロッド190が連結
されている。該コンロッド190の端部が、ラックホル
ダー192に摺動可能に取り付けたラック191に連結
されている。該ラック191が、上記吐出管175の後
部側に取り付けたピニオンギヤ193に噛合されてい
る。
【0088】これにより、上記電動モーター184の回
転運動が、クランクウェブ189及びコンロッド190
により直線往復運動に変換されて、ラック191が上下
方向に往復移動される。つまり、ラック191の往復運
動により、ピニオンギヤ193、吐出管175を介し
て、上記第1ノズル173が所定角度で左右に往復揺動
される。図28に示すように、第1ノズル173から噴
出する洗浄水Wが、を左右方向に移動されて、ネット1
71上の便(糞)5dを粉砕する。粉砕された便は、ネ
ット171を通過して、排出口161に流下される。
【0089】上記排便路162は図26に示す便排出装
置135に接続されている。該便排出装置135によ
り、便粉砕装置170により粉砕された便、尿受けカッ
プ113から便室160c内に流下した尿、及び各第
1、第2ノズル173,115から噴出した使用済の水
等が上記排便路162を介して外部に吸引排出される。
【0090】第3実施形態の変形例(図29〜図35)
【0091】図29は第3実施形態による便排出装置の
他の例を示すものである。この他の例のものでは、尿受
けカップ113に洗浄水Wを供給するノズル(前述した
第2ノズル115)が省略されると共に、該尿受けカッ
プ113内に尿センサS2が設けられている。そして、
密閉された便タンク136aと尿タンク136bとが個
別に設けられている。便タンク136aの上部に、前述
した排便路162に接続される排便ホース137aが接
続されている。尿タンク136bの上部に、尿受けカッ
プ113の下部に連通する排尿ホース137bが接続さ
れている。
【0092】また、吸引ポンプ138に、並列に吸引ホ
ース139a,139bが並列に接続されている。この
吸引ホース139aが上記便タンク136aの上部に接
続され、吸引ホース139bが尿タンク136bの上部
に接続されている。各吸引ホース139a,139bの
途中に、これらを個別に開閉する電磁弁141a,14
1bが取り付けられている。また、上記吸引ポンプ13
8の排出管に、水除去フィルター140b、触媒140
aが順次取り付けられている。なお、140cはドレン
弁である。
【0093】上記吸引ポンプ138は、便センサーS1
及び又は尿センサーS2が検知信号を発した際に起動さ
れ、上記電磁弁141aは便センサーS2が検知信号を
発した際に開作動され、電磁弁141bは尿センサーS
2が検知信号を発した際に開作動される。便センサーS
1が検知信号を発した際には、吸引ポンプ138、吸引
ホース139aを介して、便タンク136a内が負圧に
される。これにより、便室160c内の排便路162に
流下した便は、排便ホース137aにより吸引されて、
便タンク136a内に収容される。
【0094】また、尿センサーS2が検知信号を発した
際には吸引ポンプ138、吸引ホース139bを介し
て、尿タンク136b内が負圧にされる。尿受けカップ
113内の尿は、排尿ホース137bにより吸引され
て、尿タンク136b内に収容される。上記吸引ポンプ
138から排出されるガスは、水除去フィルター140
bによって水分が除去された後、触媒140aにより浄
化されて外気に排出される。このように尿を単独で回収
することができるので、尿の検査及び計量をすることで
患者5の体調診断に役立たせることができる。
【0095】図30は便粉砕砕装置の第2例を示す。図
30において170は便粉砕砕装置、181はノズル駆
動装置である。上記ノズル駆動装置181は、電動モー
タ184を有して、このモータ84の出力軸185に駆
動ギヤ186が取り付けられている。第1ノズル173
を保持する吐出管175の後部に、被動ギヤ187が取
り付けられている。該被動ギヤ187が上記駆動ギヤ1
86に噛合されている。前述した便センサーS1が検知
信号を発した際に、上記電動モーター(駆動装置)18
4が所定の回転角度で正逆回転される。本例では、回転
運動を直線往復運動に変換する機構を別途設けることが
不要となり、ノズル駆動装置181の構造が簡素にな
る。
【0096】図31は便粉砕砕装置の第3例を示す。図
31において170は便粉砕装置、182はノズル駆動
装置である。上記ノズル駆動装置182は流体の運動エ
ネルギーを動力源としたものである。即ち、便受けカッ
プ160の補機室160dに水車(回転体で、駆動源と
なる)230が配置されている。第1導入管177から
分岐した吐出管231が、上記水車230の流入口に接
続されている。該水車230の排出口と便受けカップ1
60の排便路162とが、排出管232により接続され
ている。そして、上記水車230の出力軸に前述と同様
のクランクウェブ189を介してコンロッド190が連
結され、該コンロッド190の端部が、ラックホルダー
192に摺動可能に取り付けたラック191に連結され
ている。該ラック191が、吐出管175の後部側に取
り付けたピニオンギヤ193に噛合されている。
【0097】これにより、第1導入管177に圧送され
る水の一部が、吐出管231により水車230に供給さ
れて、該水車230が回転される。該水車230の回転
運動は、第1例と同様にクランクウェブ189及びコン
ロッド190により直線往復運動に変換されて、ラック
191が上下方向に往復移動される。ラック191の往
復運動によって、第1ノズル173が所定角度で左右に
往復揺動される。また、水車60の排出口から出た水
は、排出管232を経て、便受けカップ160の排便路
162に排出される。なお、上記水車230の出力軸と
吐出管175とを、ギヤ、あるいはプーリーとベルトと
により連結し、吐出管175を介して第1ノズル173
を一方向に連続回転させるようにしてもよい。この場
合、上記便受けカップ160の上部に、上記第1ノズル
173の回転を許容する空間を形成しておく。
【0098】図32は便粉砕砕装置の第4例を示す。図
32において170は便粉砕装置、183はノズル駆動
装置である。上記ノズル駆動装置183は流体の運動エ
ネルギーを動力源としたものである。即ち、補機室16
0dの下部を上方に突出させることにより、ケーシング
233が形成されている。ケーシング233の下部は、
排便路162に開口されている。該ケーシング233内
に、水車(回転体)234を回転自在に収容されてい
る。水車234の下部側の羽根234aが、上記排便路
162内に露出されている。また、上記便室160cの
上部壁に、空気の流入口235が形成されており、該流
入口235を開閉する弁236が設けられている。
【0099】上記弁236は、便室160cが負圧にな
った際に開いて外気を便室160c内に流入させ、便室
160cの負圧が解除されると流入口235を閉じるリ
ード弁とされている。上記水車234の出力軸に駆動プ
ーリー237が取付けられ、吐出管175の後部側に被
動プーリー238が取り付けられている。両プーリ23
7と238とが、ベルト239により連結されている。
これにより、図26、図27に記載したように、便セン
サーS1が検知信号を発した際に吸引ポンプ138が起
動されて、汚水タンク136内の負圧により排便ホース
137を介して排便路162内の汚物、空気が後方に流
動される。この排便路162内の汚物、空気の流動によ
るエネルギーによって上記水車234が回転される。水
車234の回転により、上記駆動プーリー237、ベル
ト239、吐出管175を介して、第1ノズル173が
所定速度で回転されることになる。
【0100】上記第3、第4例によれば、便受けカップ
160内に供給する洗浄用水の吐出力、あるいは該便受
けカップ160内から吸引排出される汚水の流動力を利
用して前述した第1ノズル173を揺動、又は回転させ
るようにしたので、電動モーターを省略することがで
き、安全性が高くなる。
【0101】図33は便粉砕砕装置の第5例を示す。図
33において170は便粉砕装置、172はネット、1
74は第1ノズル、240はネット駆動装置である。上
記ネット172はコーン型に形成されて、その開口部が
便受けカップ160の受け口160a側に向かうように
若干上方に傾斜されている。ネット172の下半部17
1aによって、上記便受けカップ160の下部に形成し
た排出口161が覆われている。上記ネット172の基
部側の軸心部に、支持軸243が後方に向けて突出固定
されている。該支持軸243を介して、上記ネット17
2が便受けカップ160の後壁(仕切り壁160b)に
回転自在に支持されている。
【0102】上記便受けカップ160の後壁に、電動モ
ーター245を取り付けられている。該電動モーター2
45の出力軸に駆動ギヤ246が取付けられ、上記支持
軸243の後端部に被動ギヤ244が取り付けられてい
る。各ギヤ246と244とは互いに噛合されている。
また、便受けカップ160の上部に第1ノズル174が
下方に向けて固定されている。該第1ノズル174に、
前述した第1導入管177が接続されている。その他は
前述した第1例と略同様の構造となっている。
【0103】上記第5例によれば、患者5が排便する
と、その便がネット172の下半部171aで受け止め
られ、同時に便センサーS1が検知信号を発し、前述し
たように導入管177に水(湯)が圧送される。この圧
送された水は上記第1ノズル174により、患者5の肛
門部5a及び上記ネット172上の便に向けて噴出され
る。また、上記便センサーS1の検知信号により電動モ
ーター245が起動され、駆動ギヤ246、被動ギヤ2
44、支持軸243を介して上記ネット172が軸心C
を中心として回転される。該ネット172上の便が、ネ
ット172の回転そのものによって粉砕されると共に、
上記第1ノズル174から噴出される洗浄水Wによって
も粉砕される。粉砕された便は、ネット172の目を通
過して、排出口161に流下されることになる。
【0104】図34は便粉砕砕装置の第6例を示す。図
34において便粉砕装置170、ネット172、及び第
1ノズル174は、前述した第5例と略同様の構造とな
っている。241は流体の運動エネルギーを動力源とし
たネット駆動装置である。即ち、上記ネット172の支
持軸243の後端部に水車(回転体)250が取り付け
られている。第1導入管177から分岐した吐出管25
1が、上記水車250の流入口に接続されている。該水
車250の排出口と便受けカップ160の排便路162
とが、排出管252により接続されている。これによ
り、第1導入管177に圧送される水の一部が、吐出管
251により水車250に供給されて、該水車250が
回転される。支持軸243を介して上記ネット172が
軸心Cを中心として回転される。なお、上記水車250
と支持軸243とを回転−往復運動機構(図示省略)に
より連結し、水車250が回転した際に上記支持軸24
3を介して上記ネット172を所定の回転角度で正逆回
転させるようにしてもよい。
【0105】図35は便粉砕砕装置の第7例を示す。図
35において便粉砕装置170、ネット172、及び第
1ノズル174は前述した第5例と略同様の構造となっ
ている。242は流体の運動エネルギーを動力源とした
ネット駆動装置である。即ち、上記ネット172の開口
端側の外周部に多数の羽根253を所定ピッチで取り付
けられている。第1導入管177から分岐した吐出管2
54の吐出口が、上記羽根253に向けられている。こ
れにより、第1導入管177に圧送される水の一部が、
吐出管254から羽根253に向けて噴出され、上記ネ
ット172が軸心Cを中心として回転される。上記第
6、第7例によれば、便受けカップ160内に供給する
洗浄用水の吐出力を利用して前述したネット172を回
転、又は揺動させるようにしたので、電動モーターを省
略することができ、安全性が高くなる。
【0106】補足説明1(図36、図37)
【0107】図36、図37は、便粉砕装置の別の例を
示すものである。本例における便粉砕装置は、便受けカ
ップ内に既に別途便粉砕装置を有する場合に追加の形式
で用いることもでき(便粉砕装置が2種類となる)、ま
た便受けカップ内に便粉砕装置を別途有しない場合にも
適用できる(便粉砕装置が合計で本例の便粉砕装置の1
種類のみとなる)。ただし、図36では、図4に示す便
受けカップ10に適用した場合が例示的に示される。
【0108】本例における便粉砕装置310は、基本的
に、便受けカップ10から伸びる便排出経路312(図
4の便ホース47に相当)内に設けられている。すなわ
ち、本例における便粉砕装置310は、便排出経路31
2を横断するように設けられた細い切断線310a、3
10bからなる。実施形態では、この細い切断線310
a、310bは2本配設され、一方の切断線310a
は、便排出経路312の直径方向でかつほぼ水平方向伸
びる配設されて、便排出経路312内を上下方向に2分
割するように配設されている。他方の切断線310b
は、便排出経路312の直径方向でかつほぼ上下方向に
伸びる配設されて、便排出経路312内を左右方向に2
分割するように配設されている。なお、各切断線310
a、310b同士は、便排出経路312の流路方向に近
接配置されているが、あらかじめその交差部で一体化さ
せておくこともできる。このような切断線310a、3
10bによって、便排出経路312内は、その流路方向
から見た断面において、4カ所に分割されることにな
る。
【0109】切断線310a、310bは、例えばピア
ノ線等の金属線や合成樹脂線から構成することができる
が、高張力のものが好ましい。切断線310a、310
bの太さ(直径)、不用意に切れてしまわないよう範囲
において極力細いことが好ましい。具体的には、切断線
310a、310bの太さは、例えばピアノ線を用いた
ときに0.1mm〜0.4mm程度に設定することがで
きる。
【0110】上述のような切断線310a、310b
は、実施形態では、便受けカップ10の外部でかつ便受
けカップ10の付近に配設されている。勿論、切断線3
10a、310bは、便受けカップ10内に設けること
もできる。
【0111】便受けカップ10内の便が吸引によって外
部に排出されるとき、洗浄液と共に便が便排出経路31
2を勢いよく流れる。このとき、勢いよく流れる便は、
切断線310a、310bに当接して、この切断線31
0a、310bを通過するときに切断されることになる
(4分割の切断)。洗浄液が同時に流れることにより、
便排出経路312内を流れる便の抵抗も小さくなり、切
断線310a、310bによって便がスムーズに切断さ
れることになる。なお、洗浄液は、便排出のときには流
さないようにすることもできる。
【0112】なお、上述した切断線310a、310b
は、例えば1本のみとすることもでき、また、図36上
下方向に2本以上の複数本、また図36水平方向に2本
以上の複数本設けることもできる。さらに、切断線31
0a、310bを筒状のホース継手部材に構成して、便
排出経路312を構成するホースの途中においてこの継
手部材を介在させるようにすることもできる(この場
合、便粉砕装置を有しない便受けカップを用いる場合で
も、後付でもって、便粉砕装置つまり切断線310a、
310bを装備することができる)。また、便粉砕装置
310における便切断部材は、切断線310a、310
bのように線形式でなく、薄いカッタ形式とすることも
できる。すなわち、カッタの板面が全体的に便排出経路
の流れ方向に沿うように、かつカッタの刃が便排出経路
312の上流側を向くように配設しすることもできる。
【0113】補足説明2(図38〜図42)
【0114】図38〜図42は、便受けカップと尿受け
カップとが分離可能に別体に形成された場合に、尿排出
ホースと回動継手との好ましい配設例を示す。まず、便
受けカップ10と尿受けカップ25とは、例えば図4に
示すものが用いられている。本例では、回動継手部材3
20が、便受けカップ10の外部でかつ便受けカップ1
0の近傍に設けられている。この回動継手部材320
は、図4における継手部材21等と同様の機能を果たす
ものであるが、便受けカップ10の外部に構成されてい
る点において図4の場合とは相違している。すなわち、
回動継手部材320は、第1部材321と、この第1部
材321に回動自在に連結された第2部材322と、第
2部材322に各種ホース等を接続するための連結具3
23とを有する。このような回動継手部材320は、便
受けカップ10の付近において、便排出ホース47、便
受けカップ用洗浄液供給ホース42の途中に接続されて
いる。これにより、回動継手部材320を、便受けカッ
プ10に対して外付け可能となり、ホース47、42の
ねじれが着用者に作用しないようにされる。
【0115】尿受けカップ25から伸びる尿排出ホース
330(図4の排尿ホース27に相当)は、回動継手部
材320を介して、尿タンクに接続されている。尿排出
ホース330のうち、尿受けカップ25と回動継手部材
320との間は、十分に長くされている。すなわち、尿
排出ホース330は、尿受けカップ25から後方に向け
てほぼ水平方向に伸びた後、一端上方へ湾曲された後、
前方へ向けて湾曲され、その後下方へ向かうように湾曲
されていて、最終的に回動継手部材320に接続されて
いる。尿排出ホース330のうち上記湾曲部によって構
成されるループ部330aは、ほぼ270度の湾曲とな
る。上記ループ部330aの構成により、ループ部33
0aから尿受けカップ25との間の尿排出ホース330
内にに尿がたまりやすくなり(ループ部330aによる
トラップ作用)、この尿がたまり易い部分に尿センサS
2が設けられている。
【0116】ループ部330aの形成により、尿排出ホ
ース330は、その途中において、ほぼ90度の角度を
なして交差する部分が構成される。この交差部分に、保
持クリップ340が配設される。この保持クリップ34
0は、2つのホース保持部340a、340bを有す
る。各保持部340a、340b同士は、図39、図4
0に示すように、それぞれ孔形式とされて、互いにほぼ
直交している。各保持部340a、340bには、尿排
出ホース330が、摺動自在に貫通される。このような
保持クリップ340は、例えば合成樹脂によって形成す
ることができる。
【0117】尿排出ホース330のうち、保持クリップ
340を挿通される部分の位置を変更することにより、
尿受けカップ25の便受けカップ10に対する相対位置
が調整される。すなわち、保持クリップ340に対し
て、尿排出ホース330のうちほぼ水平方向に伸びる部
分の位置を変更することにより、尿受けカップ25の前
後方向位置が調整される。また、保持クリップ340に
対して、尿排出ホース330のうちほぼ上下方向に伸び
る位置を変更することにより、尿受けカップ25の上下
方向位置が調整される。
【0118】図41、図42は、図38〜図49に示す
保持クリップ340の変形例を示すものであり、実施形
態では合成樹脂により形成されている。本例の保持クリ
ップ345(保持クリップ340に相当)は、尿排出ホ
ース330を摺動自在に保持しておく保持部345a、
345bが、その長手方向全長に渡って伸びるスリット
によって周方向に部分的に開いた形式とされている。尿
排出ホース330を保持部345a、345bに挿通さ
せる場合、保持部345a、345bをそのスリットが
大きく開くように弾性変形させることにより行われる。
このような保持クリップ345は、、尿排出ホース33
0が尿受けカップ25と回動継手部部材320とに既に
接続されている場合でも、尿排出ホース330に対して
後付することができる。
【0119】補足説明(図43、図44)
【0120】図43、図44は、例えば図4の例におい
て、尿を採取する場合の構成を示す。本例では、尿受け
カップ25と尿タンク51とを接続する尿排出経路52
に対して、電磁式の切換弁360が接続される。この切
換弁360は、経路362を介して、密閉式の採尿器3
61の上部に接続される。また、尿吸引用ポンプP3の
吸引口が、尿タンク51をバイパスする経路363を介
して、採尿器361の上部に接続される。切換弁360
は、尿受けカップ25を、尿タンク51と採尿器361
とに選択的に切換えるものである。
【0121】U3は、例えばマイクロコンピュータを利
用して構成された採尿制御用のコントローラである。こ
のコントローラU3には、尿センサS2からの尿検出信
号の他、採尿を開始する時間をマニュアル入力するスイ
ッチSW10からの操作信号が入力される。コントロー
ラU3は、上記切換弁360を制御する。コントローラ
U3による制御は、通常は、切換弁361の切換位置
が、尿受けカップ25が尿タンク51に接続される位置
に制御する。また、コントローラU3は、所定の採尿タ
イミングとなったときにのみ、切換弁361の切換位置
を、尿受けカップ25が採尿器361に接続される位置
とする。
【0122】採尿器361に採尿するタイミングとして
は、例えば、次のように設定することができる。すなわ
ち、まず、マニュアル設定によって採尿時間(例えば午
前5時00分)が設定される。この採尿時間から所定時
間(例えば1時間)以内に排出された尿のうち最初の尿
が検出されたときが、採尿タイミングとされる。
【0123】図44に示すフローチャートを参照しつ
つ、コントローラU3の制御内容について説明する。ま
ず、ステップT31において、マニュアル設定された所
定のセット時間(例えば午前5時00分)になったか否
かが判別される。ステップT31の判別でYESのとき
は、ステップT32において、尿センサS2によって尿
が検出されたか否かが判別される。T32の判別でYE
Sのときは、ステップT33において、ステップT32
での尿検出の時間がステップT31のセット時間から所
定時間(例えば1時間)以内であるか否かが判別され
る。ステップT33の判別でYESのときは、ステップ
T34において、切換弁360が、尿受けカップ25を
採尿器361に接続する切換位置とされて、尿受けカッ
プ25内の尿が採尿器361に供給される(ポンプP3
は尿検出に応じて作動)。ステップT34の後、T31
の判別でNOのとき、T32の判別でNOのとき、ある
いはT33の判別でNOのときは、それぞれリーンされ
るが、このとき、切換弁361は、便受けカップ25を
尿タンク51に接続する切換位置とされる。なお、尿受
けカップ25への洗浄液の供給は、採尿器361への採
尿が終了した後に行われる。
【0124】補足説明4(図45、図46)
【0125】図45は、図3に示す座布団34aの斜視
図を示すものである。着用者の尻部に敷かれた座布団
(腰掛けマット)に形成された開口部34bは、座布団
34aの上面および下面に開口された孔形式とされ、か
つ、座布団34aの側面のうち前側面にも開口された切
欠部の形式ともなっている。座布団34aは、着用者が
座ったときに圧縮されるが、この圧縮された状態で、開
口部34bの深さが5cm程度以上確保される(便受け
カップ10が邪魔にならない深さ)。なお、開口部34
bは、座布団34aの上面には開口するが、下面には開
口しない形式とすることもできる。
【0126】図46は、着用者があおむけに寝ころぶ寝
台用マット400を示す。このマット400は、ベッド
の上に載置して使用されるか、床面に直接載置して使用
される。つまり、マット400の大きさは、通常の寝台
マットと同様に、その長さが例えば2m程度とされ、そ
の幅が例えば80cm程度とされ、その厚さは15cm
〜20cm程度とされている。
【0127】マット400の上面のうち、着用者が仰向
けに寝ころんだときにその肛門部に対応する位置におい
て、開口部400aが形成されている。この開口部40
0aは、図45に示す座布団34aの開口部34bに対
応したものとなる。すなわち、便受けカップ10を装着
した着用者は、便受けカップ10が開口部400aに位
置するような姿勢でもって仰向けに寝ころぶことにな
る。なお、開口部400aは、実施形態では、マット4
00の上面および下面に開口する孔形式とされている。
ただし、開口部400aは、マット400のうち着用者
の足下側となる一端部400b付近にまで伸びるように
することもでき、あるいは図45の場合と同様に一端部
400bに開口する切欠形式とすることもできる。勿
論、開口部400aは、マット400の上面のみに開口
して、下面には開口しないようにすることもできる。マ
ット400上に仰向けに寝ころんだ着用者は、その便受
けカップ10の下部が開口部400aに収納されて、便
受けカップ10から大きな圧迫力を受けることがない。
【0128】以上実施形態について説明したが、本発明
はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記
載された範囲において種々の変形が可能である。本発明
は、例えば次のような場合をも含むものである。
【0129】便粉砕装置を例えばノズルから噴射される
流体(特に空気)によって粉砕するようにしてもよい。
便粉砕装置において、便に作用するその粉砕部は、粉砕
される便に対して接触式としてもよく(例えば図23に
示すスクリュ104の場合)、あるいは非接触式として
もよく(例えば図4に示す洗浄液を噴射するノズル15
の場合)、あるいはこの接触式と非接触式の両方を備え
たものであってもよい。上記粉砕部は、機械式に変位
(駆動)されるものであってもよく、あるいは固定(不
動)のものとすることもできる。粉砕部を可動式とする
場合、便受けカップ内を仕切壁によって便室と補機室と
に画成して、可動される粉砕部を駆動するための駆動源
を補機室に配設するのが好ましい。すなわち、補機室を
別途形成することにより、便により汚染される部分を極
力小さい面積とすることや、補機室(内に装備された各
種機器類)が便によって汚損されることを防止する上で
好ましいものとなる。勿論、本発明でいう粉砕は、実施
形態でも説明したように、攪拌、振動付与、切断等、そ
の手法を問わず、便を小さくできるものであればよいも
のである。
【0130】便受けカップから便を排出する場合(尿の
排出についても同じ)、吸引ではあなく、圧送によって
行うようにすることもできる。便粉砕装置は、便受けカ
ップの外部に設定する場合、極力便受けカップの近傍に
設けることが好ましいものである。便排出を吸引で行う
場合、便受けカップ内に開口される便排出経路は、上向
き状態で便受けカップ内に開口させるのが、便の吸引効
果を高める上で好ましいものとなる(例えば図27
等)。図36、図37に示す切断線310a、310b
を利用した便粉砕装置310を、例えば図27に示すネ
ット部材171の代わりに用いることもできる(ネット
部材171の複数の目を構成するための横線、縦線を切
断線310a、310bのように設定するのと同じ意
味)。
【0131】便粉砕用の液体と洗浄液とを別途独立して
便受けカップ内に供給することもできる。便受けカップ
が、尿受けカップをも兼用したものとすることもでき
る。すなわち、肛門部と陰部との両方を包囲できる大き
なカッププとして、この大きな1つのカップ内の空間を
便受け用空間と尿受け用空間とで兼用するようにするこ
ともできる。また、この便受けカップと尿受けカップと
を1つの大きなカップで兼用した場合、1つの大きなカ
ップ内の空間を、仕切壁によって上下2つの空間に画成
して、下方の空間を便受けカップとし、上方の空間を尿
受けカップとして構成することもできる。
【0132】便受けカップと尿受けカップから所定長さ
範囲について、便排出経路と尿排出経路とを別個独立し
て構成して、この別個独立して構成された尿経路に対し
て、採尿器を選択的に接続可能に構成するのが、新鮮な
尿を検査することが可能となって好ましいものである。
【0133】便粉砕時に、洗浄液を供給しつつ、吸引に
よる便排出を行う(便粉砕と洗浄液供給と便排出とを同
時に行う)のが、粉砕された便の流動性を高めてその排
出をより容易に行う上で好ましいものとなる。勿論、便
粉砕を行った後に、洗浄液を供給しつつ吸引による便排
出を行うことや、便粉砕を行った後に、洗浄液を供給
し、洗浄液の供給開始後に遅れて便排出を行うようにす
ることもできる。実施形態に開示された便粉砕装置のう
ち任意の2つ以上を組み合わせて使用することも可能で
ある。
【0134】図2の保持具において、左右2本の上吊り
部材としての上ひも8a、8bを集合させて、下吊り部
材としてとしてひも8cに連結するようにしてもよい。
また、各カップ10と25とを、リング部材9を用いる
ことなく、上ひも8a、8bに連結することもできる。
この場合、各カップ10、25は、その左右各側部にお
いて、例えば短いゴムバンドのような伸縮可能部材を介
して、上ひも8a、8bに連結することもできる。な
お、下ひも8cは、実施形態では1本のみが示されてい
るが、この下ひも8cは左右の尻の間(尻の割れ目)を
通して配設される関係上、実質的に1本となるのであれ
ば、例えば、上ひも8a、8bを延長して、下ひも8c
として利用するように設定することもできる(2本の上
ひも8a、8cは、便受けカップ10を通った後は、1
本に集合された状態で左右の尻の間を通して着用者の背
後へと伸びる)。
【0135】便受けカップと尿受けカップとを別体とし
て構成した場合に、回動継手21に相当する回動継手
を、便受けカップおよび尿受けカップにそれぞれ設ける
ようにすることもできる。
【0136】図21において、2本の上ベルト122の
うち、便受けカップ100と尿受けカップ113との間
に位置する部分は、実質的に、両カップ100と113
とが上下方向に離間するのを規制する連結具の機能を果
たすものである。したがって、この連結具に相当する部
分を、上ベルト122とは別体に構成し、上ベルト12
2を尿受けカップ113のみに連結するようにしてもよ
い(便受けカップ100は、上ベルト122に対して、
上ベルト122と別体に構成されたれ連結具および尿受
けカップ113を介して連結されることになる)。な
お、上記連結具は、可撓性を有するものとするのが好ま
しい。ピン孔124aを尿受けカップ113側に形成
し、係止ピン124bをベルト122に形成するように
することもできる。
【0137】本発明の目的は、明記されものに限らず、
実質的に好ましいあるいは利点として表現されたものを
提供することをも暗黙的に含むものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態による排泄物処理装置を寝た患者
に装着した状態を示す側面図である。
【図2】図1の左側面図である。
【図3】第1実施形態による排泄物処理装置を座位姿勢
の患者に装着した状態を示す側面図である。
【図4】第1実形態による排泄物処理装置の要部側面断
面図である。
【図5】図4の左側面図である。
【図6】図4の右側面図である。
【図7】図4のB1−B1断面図である。
【図8】図4のB2−B2断面図である。
【図9】図4のB3−B3断面図である。
【図10】便センサの回路図である。
【図11】第1実施形態による排泄物処理装置の制御装
置のブロック図である。
【図12】制御装置のフローチャートである。
【図13】尿受けカップの切換え状態を示す側面断面図
である。
【図14】第1実施形態による尿受けカップの第2例を
示す部分断面側面図である。
【図15】図14の左側面図である。
【図16】図14のB4−B4断面図である。
【図17】便受けカップのシール装置を示す説明図であ
る。
【図18】第1実施形態による便受けカップの第2例を
示す部分断面図である。
【図19】図18の左側面図である。
【図20】第2実施形態による排泄物処理装置を寝た患
者に装着した状態を示す説明用全体図である。
【図21】第2実施形態による排泄物処理装置の斜視図
である。
【図22】第2実施形態による便受けカップ及び尿受け
カップ部の斜視図である。
【図23】第2実施形態による便受けカップ及び尿受け
カップ部の側面断面図である。
【図24】第2実施形態による便受けカップの第2例を
示す側面断面図である。
【図25】第2実施形態による便受けカップの第3例を
示す側面断面図である。
【図26】第3実施形態による排泄物処理装置を寝た患
者に装着した状態を示す説明用全体図である。
【図27】第3実施形態による便受けカップ及び尿受け
カップ部の側面断面図である。
【図28】図27のB5−B5断面図である。
【図29】第3実施形態による便排出装置の他の例を示
す説明図である。
【図30】第3実施形態による便粉砕装置の第2例を示
す要部断面図である。
【図31】第3実施形態による便粉砕装置の第3例を示
す要部断面図である。
【図32】第3実施形態による便粉砕装置の第4例を示
す要部断面図である。
【図33】第3実施形態による便粉砕装置の第5例を示
す要部断面図である。
【図34】第3実施形態による便粉砕装置の第6例を示
す要部断面図である。
【図35】第3実施形態による便粉砕装置の第7例を示
す要部断面図である。
【図36】便粉砕装置の別の例を示すもので、図37の
X36−X36線相当断面図。
【図37】図36に示す便粉砕装置の側面断面図。
【図38】回動継手部材と尿排出ホースとの変形例を示
す側面図。
【図39】図38に示す保治具の上面図。
【図40】図39の右側面図。
【図41】図38、図39に示す保治具の変形例を示す
もので、図39に対応した図。
【図42】図41の右側面図。
【図43】採尿を行う場合の一例を示す要部系統図。
【図44】採尿を行うコントローラの制御内容を示すフ
ローチャート。
【図45】図3に示す座布団の斜視図。
【図46】着用者が仰向けに寝ころぶためのマットの好
ましい例を示す斜視図。
【符号の説明】 5:患者 5a:肛門部 5b:陰部 5c:便
6:保持具 7:周ベルト 8a,8b:上部
紐 8c:下部紐 9:係止リング A−1:排
泄物処理装置 10:便受けカップ 11:仕切り
壁 12:便室12a:受け口 13:シール材
14:補機室 15:第1ノズル(便粉砕装置)
16:吐出管 M:モータ(ノズル駆動装置)
17:ロータリ継手 18:供給管 20:後部壁
20a:供給路 20b:排便路 20c:排
尿路 21:後部継手 21a:供給路 21a
−1:円弧溝 21b:排便路 21c:排尿路
21c−1:円弧溝 22:連結具 23:排便管 S1:便センサ
24:検出回路 25:尿受けカップ 25a:受
け口 26:シール材 27:排便ホース S2:尿センサ 28:第2ノズル 29:第2吐
出ホース 30:電磁弁 31:分岐継手 25
−1:男性用の尿受けカップ 32a:容器 32
b:カバー 32c:面ファスナ 27−1:排尿
ホース 34:椅子 34a:座布団 34b:
開口部 25−2:男女兼用の尿受けカップ 3
5:尿カップ主体 35a:受け口 36:補強リ
ブ 36a:縦リブ 36b:横リブ 37:シ
ート 38:排尿口 40:洗浄水供給装置 4
1:温水タンク P1:温水ポンプ 42:供給ホ
ース S4:温水高温センサ S5:温水低温セン
サ S6:便タンクの満杯センサ S7:尿タンク
の満杯センサ 45:便排出装置 46:便タンク
47:排便ホース P2:便吸引ポンプ 4
8:便吸引ホース 49:触媒 50:尿排出装置 51:尿タンク
P3:尿吸引ポンプ 52:排尿ホース 53:吸引ホース 54:触媒
60:装着回路板 61:装着制御部(制御装置) 62:端末のマイク
ロコンピューター 63:原点回路 64:通信回路 65:モータ駆
動回路 66:電源回路 70:コントロール部
71:外部制御部(制御装置) 72:親のマイク
ロコンピューター 73:通信回路 74:操作ボ
タン 75:アラーム 76:液晶表示器 7
7:電源回路 78:パソコン Sw1:手動便ス
イッチ Sw2:手動尿スイッチ 80:シール装
置 81:吸盤シール材 81a:リング溝 8
2:吸引ホース 83:電磁弁 84:負圧タンク 85:負圧ポンプ 86:圧力
センサ 87:シール制御部 10−2:便受けカ
ップ 11:仕切り壁 12:便室 12a:受
け口 14’:補機室 15:第1ノズル 1
6:吐出管 25’:尿受けカップ 27:排便ホ
ース 90:複合ホース 90a:排便路 90
b:供給路 91:便導入路 A−2:排泄物処理
装置 100:便受けカップ 100a:受け口
100b:仕切り壁 100c:便室 100
d:補機室 101:配管接続口 102:便粉砕
装置 103:攪拌軸 104:攪拌羽根 105:被動
ギア 106:駆動ギア 110:モーター 1
11:第1ノズル 111a:第1洗浄チューブ
112:洗浄水分配部 113:尿受けカップ 1
13a:受け口 113b:底壁 113c:フランジ部 114:
連結チューブ 115:第2ノズル 115a:第
2洗浄チューブ 116:エアノズル 116a:エアチューブ 118:排便路 118
a:入口 120:保持具 121:下部ベルト
122:上部ベルト 123:周ベルト 124:連結部 125:洗浄水供給装置 12
6:温水タンク 127:温水ポンプ 128:供
給ホース 129:バイパスホース 130:電磁
弁 131:圧力弁 S1:便センサー S2:
尿センサー 135:便排出装置 136:汚水タ
ンク 137:排便ホース 138:吸引ポンプ
139:吸引ホース 140:触媒 142:エ
ア供給装置 143:エアホース 144:温風発生期 14
5:電磁弁 150:便粉砕砕装置 151:吐出
ノズル 152:吐出チューブ 154:便粉砕砕
装置 155:振動体 156:超音波発生器
A−3:排泄物処理装置 113:尿受けカップ
115:第2ノズル 120:保持具 125:洗浄水供給装置 S1:便センサー S
2:尿センサー 135:便排出装置 160:便
受けカップ 100a:受け口 160b:仕切り
壁 160c:便室 160d:補機室 16
1:排出口 162:排便路 163:突起 1
70:便粉砕装置 171:ネット 172:ネッ
ト 173:第1ノズル 174:第1ノズル
175:吐出管 176:管継手 177:第1導
入管 178:中継部 180:ノズル駆動装置
181:ノズル駆動装置 182:ノズル駆動装置
183:ノズル駆動装置 184:電動モーター
185:出力軸 186:駆動ギヤ 187:
被動ギヤ 189:クランクウェブ 190:コン
ロッド 191:ラック 192:ラックホルダー
193:sピニオンギヤ 230:水車(回転
体) 231:吐出管 232:s排出管 233:ケーシング 234:水車(回転体) 2
34a:羽根 235:流入口 236:弁 2
37:駆動プーリー 238:被動プーリー 239:ベルト 240:ネット駆動装置 24
1:ネット駆動装置 242:ネット駆動装置 243:支持軸 24
4:被動ギヤ 245:電動モーター 246:駆
動ギヤ 250:水車(回転体) 251:吐出管
252:排出管 253:羽根 254:吐出
管 310:便粉砕装置 310a:切断線 310
b:切断線 312:便排出経路 320:回動継
手部材 330:尿排出ホース 330a:ループ
部 340:保持クリップ 345:保持クリップ
360:切換弁 361:切換弁 U3:採尿用コントローラ
フロントページの続き Fターム(参考) 4C098 AA09 CC31 CC33 CC39 CD01 CD03 CD05 CD07 4C341 JJ01 JK02 JK04 JK08 JK12 JL06 JL10

Claims (47)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】受け口を有して、該受け口を着用者の肛門
    部に向けた状態で該肛門部の周囲を包囲する便受けカッ
    プと、 前記便受けカップ内に設けられ、該便受けカップ内に排
    出された便を粉砕する便粉砕手段と、 前記便粉砕手段により粉砕された後の便を、前記便受け
    カップの外部へ排出する便排出装置と、を備えているこ
    とを特徴とする排泄物処理装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、 前記便受けカップ内に洗浄液を供給する洗浄液供給手段
    をさらに備え、 前記便排出装置が、前記便粉砕手段により粉砕された便
    を、前記便受けカップ内に供給された洗浄液との混合状
    態でもって排出する、ことを特徴とする排泄物処理装
    置。
  3. 【請求項3】請求項2において、 前記便排出装置が、吸引によって前記便受けカップ内で
    粉砕された便を該便受けカップの外部へ排出するように
    設定されている、ことを特徴とする排泄物処理装置。
  4. 【請求項4】請求項3において、 前記受け口の全周縁部が、着用者に対して当接される軟
    質のシール材によって被覆されている、ことを特徴とす
    る排泄物処理装置。
  5. 【請求項5】請求項1において、 前記便粉砕装置が、前記便に向けて噴出される流体を利
    用して便を粉砕するように設定されている、ことを特徴
    とする排泄物処理装置。
  6. 【請求項6】請求項5において、 前記便を粉砕する流体が液体とされている、ことを特徴
    とする排泄物処理装置。
  7. 【請求項7】請求項6において、 前記便受けカップ内に排出された便に向けて粉砕用の液
    体を噴出するノズルを備え、 前記ノズルから噴出される液体が、細幅でかつ所定の広
    がり角を有する形状となるように設定されている、こと
    を特徴とする排泄物処理装置。
  8. 【請求項8】請求項7において、 前記ノズルから噴出される液体が、左右方向において細
    幅で、前後方向において前記所定の広がり角を有するよ
    うに設定されており、 前記所定の広がり角が、前記ノズルから噴出される液体
    が着用者の肛門部に到達するような角度範囲となるよう
    に設定されている、ことを特徴とする排泄物処理装置。
  9. 【請求項9】請求項7において、 前記便受けカップ内の低部に、前記肛門部から排出され
    る便を受け止めるネット部材が配設され、 前記ノズルから噴出される液体が、前記ネット部材の上
    方から該ネット部材に向けて噴出される、ことを特徴と
    する排泄物処理装置。
  10. 【請求項10】請求項9において、 前記ネットが可動式とされて、該ネットの動きと前記ノ
    ズルから噴出される液体との両方によって便が粉砕され
    る、ことを特徴とする排泄物処理装置。
  11. 【請求項11】請求項6において、 便を粉砕するための液体を噴出するノズルが複数設けら
    れており、 前記複数のノズルは、互いに異なる方向から前記便受け
    カップ内に排出された便に対して粉砕用の液体を噴出す
    る、ことを特徴とする排泄物処理装置。
  12. 【請求項12】請求項6において、 前記便受けカップ内に洗浄液を噴出して少なくとも該便
    受けカップ内を洗浄する洗浄用ノズルを備え、 前記洗浄用ノズルからの洗浄液が、少なくとも前記便受
    けカップ内に排出された便に向かうように設定されて、
    該洗浄用ノズルが前記便粉砕装置を兼用している、こと
    を特徴とする排泄物処理装置。
  13. 【請求項13】請求項12において、 前記洗浄用ノズルが、前記洗浄液が噴出される方向を変
    更可能なように可動式とされており、 前記洗浄用ノズルは、便を粉砕するときは、便受けカッ
    プ内を洗浄する場合に比して可動範囲が小さくされる、
    ことを特徴とする排泄物処理装置。
  14. 【請求項14】請求項13において、 前記便受けカップ内に便が排出されたことを検出する便
    センサが設けられ、 前記洗浄用ノズルの可動範囲を変更する可動範囲変更手
    段が設けられ、 前記便センサによって便が検出されたときには所定時間
    だけ前記洗浄用ノズルの可動範囲が小さくなる状態とさ
    れ、該所定時間経過後に該可動範囲大きくなる状態に変
    更される、 ことを特徴とする排泄物処理装置。
  15. 【請求項15】請求項1において、 前記便粉砕装置が、前記便受けカップ内に排出された便
    が接触されると共に、該便に対して機械的な外力を与え
    る可動粉砕部を有する機械式とされている、ことを特徴
    とする排泄物処理装置。
  16. 【請求項16】請求項15において、 便受けカップ内が、仕切壁によって、前記受け口が開口
    される便室と、該便室の後方に位置される補機室とに画
    成され、 前記補機室に、前記可動粉砕部を駆動するための駆動源
    が装備されている、ことを特徴とする排泄物処理装置。
  17. 【請求項17】請求項1において、 前記便粉砕装置が、振動によって便を粉砕するように設
    定されている、ことを特徴とする排泄物処理装置。
  18. 【請求項18】請求項17において、 前記便受けカップの低部に、前記便受けカップ内に排出
    される便を受け止める振動体が配設され、 前記便受けカップ内に便が排出されたことを検出する便
    センサが設けられ、 前記便センサによって便が検出されたときに、前記振動
    体が作動されて振動が行われる、ことを特徴とする排泄
    物処理装置。
  19. 【請求項19】請求項1において、 前記便粉砕装置が、 前記便受けカップ内の低部に配設されて前記肛門部より
    排出される便を受け止めるネット部材と、 前記ネット部材上にある便に向けて粉砕用の液体を噴出
    するノズルと、を備えていることを特徴とする排泄物処
    理装置。
  20. 【請求項20】請求項19において、 前記便排出装置が吸引式とされ、 前記便排出装置の便吸引口が、前記ネットの下方におい
    て前記便受けカップ内に開口されている、ことを特徴と
    する排泄物処理装置。
  21. 【請求項21】請求項1において、 前記便粉砕装置が、 前記便受けカップ内に排出された便が接触されると共に
    該便に対して機械的な外力を与えるための可動粉砕部を
    有する第1粉砕手段と、 前記可動粉砕部に向けて洗浄液を噴射するノズルを有
    し、該ノズルから噴射された洗浄液によって便を粉砕す
    る第2粉砕手段と、を備えていることを特徴とする排泄
    物処理装置。
  22. 【請求項22】請求項1において、 便受けカップ内が、仕切壁によって、前記受け口が開口
    される便室と、該便室の後方に位置される補機室とに画
    成され、 前記便粉砕装置が、前記便室内に排出された便に対して
    作用する可動式の粉砕部と、前記補機室に配設されて該
    粉砕部を駆動するための駆動源とを備えている、ことを
    特徴とする排泄物処理装置。
  23. 【請求項23】請求項22において、 少なくとも前記便粉砕装置の作動時に、前記便室内に洗
    浄液を供給する洗浄液供給手段を有し、 前記便排出装置が、前記便室の底部に開口すると共に前
    記便受けカップの外部に連なる排出経路を有すると共
    に、該排出経路を介して該便室の吸引を行う吸引式とさ
    れ、 前記排出経路が、前記補機室を前後方向に横断するよう
    に配設されて、前記便受けカップの後部から該便受けカ
    ップの外部へと伸びている、ことを特徴とする排泄物処
    理装置。
  24. 【請求項24】請求項1において、 前記便粉砕装置が、 前記便受けカップ内に配設された可動式の粉砕部と、 前記便受けカップ内配設されて該粉砕部を駆動する駆動
    源とを有する、ことを特徴とする排泄物処理装置。
  25. 【請求項25】請求項24において、 前記駆動源が、電気式モータまたは超音波モータとされ
    ている、ことを特徴とする排泄物処理装置。
  26. 【請求項26】請求項24において、 前記便受けカップ内に洗浄液を供給する洗浄液供給手段
    を有し、 前記駆動源が、前記洗浄液の有する運動エネルギを機械
    エネルギとして取り出す流体作動式とされている、こと
    を特徴とする排泄物処理装置。
  27. 【請求項27】請求項24において、 前記便排出装置が、前記便受けカップ内を吸引すること
    によって便を排出する吸引式とされ、 前記駆動源が、前記便排出装置の吸引エネルギを機械エ
    ネルギとして取り出す負圧作動式とされている、ことを
    特徴とする排泄物処理装置。
  28. 【請求項28】請求項24において、 前記粉砕部が、回転される回転式とされている、ことを
    特徴とする排泄物処理装置。
  29. 【請求項29】請求項28において、 前記粉砕部が、羽根またはスクリュとされている、こと
    を特徴とする排泄物処理装置。
  30. 【請求項30】請求項28において、 前記粉砕部が、前記受け口に向けて開口されたバスケッ
    ト状のネット部材とされている、ことを特徴とする排泄
    物処理装置。
  31. 【請求項31】請求項1において、 前記便受けカップ内に洗浄液を噴出する洗浄液供給手段
    と、 前記便受けカップ内に排出された便を検出する便センサ
    と、 前記便センサの信号が入力されて、前記便粉砕装置と前
    記洗浄液供給手段と前記便排出装置とを駆動制御する制
    御装置と、をさらに備えていることを特徴とする排泄物
    処理装置。
  32. 【請求項32】請求項31において、 前記制御手段は、前記便センサによって便が検出された
    ときに、前記便粉砕装置と前記洗浄液供給手段と前記便
    排出装置とを、少なくとも所定時間に渡って同時に作動
    させる、ことを特徴とする排泄物処理装置。
  33. 【請求項33】請求項1において、 前記便受けカップを着用者に圧接させる保治具をさらに
    備えている、ことを特徴とする排泄物処理装置。
  34. 【請求項34】受け口を有して、該受け口を着用者の肛
    門部に向けた状態で該肛門部の周囲を包囲する便受けカ
    ップであって、 前記便受けカップ内に、該便受けカップに排出された便
    を粉砕する便粉砕装置が設けられ、 前記便受けカップの底部には、粉砕された便を該便受け
    カップの外部に排出するための排出口が開口されてい
    る、ことを特徴とする排泄物処理装置における便受けカ
    ップ。
  35. 【請求項35】請求項34において、 前記便受けカップ内には、洗浄液を噴射するためのノズ
    ルが配設されている、ことを特徴とする排泄物処理装置
    における便受けカップ。
  36. 【請求項36】請求項35において、 前記便粉砕装置が、前記便受けカップ内に排出された便
    を粉砕するために可動される粉砕部と、該粉砕部を駆動
    する駆動源とを有し、 便受けカップ内が、仕切壁によって、前記受け口が開口
    される便室と、該便室の後方に位置される補機室とに画
    成され、 前記粉砕部およびノズルが、それぞれ前記便室に配設さ
    れ、 前記駆動源が、前記補機室に配設されている、ことを特
    徴とする排泄物処理装置における便受けカップ。
  37. 【請求項37】請求項35において、 前記ノズルから噴射される洗浄液が、前記便受けカップ
    内に排出された便に対して噴射されることにより便が粉
    砕されるように設定されて、該ノズルが前記便粉砕装置
    を兼用している、 ことを特徴とする排泄物処理装置における便受けカッ
    プ。
  38. 【請求項38】請求項34ないし請求項37のいずれか
    1項において、 前記便受けカップが、前記肛門部の周囲のみを包囲でき
    るような大きさに設定されて、尿受けカップとは別個独
    立して構成されている、ことを特徴とする排泄物処理装
    置における便受けカップ。
  39. 【請求項39】受け口を着用者の肛門部に向けた状態で
    該肛門部の周囲を包囲する便受けカップを用いた排泄物
    処理方法であって、 前記便受けカップ内に排出された便を粉砕して、該粉砕
    された後の便を該便受けカップの外部へ吸引によって排
    出する、ことを特徴とする排泄物処理方法。
  40. 【請求項40】請求項39において、 少なくとも便の粉砕時に前記便受けカップ内に洗浄液を
    供給して、粉砕された便が該洗浄液との混合状態でもっ
    て該便受けカップの外部へ排出される、ことを特徴とす
    る排泄物処理方法。
  41. 【請求項41】請求項39において、 前記洗浄液を前記便受けカップ内に排出された便に向け
    て噴射することにより、便の粉砕が行われる、ことを特
    徴とする排泄物処理方法。
  42. 【請求項42】請求項41において、 洗浄液の噴射が、便の粉砕時にはもっぱら便に向かうよ
    うに狭い範囲でもって行われ、便の排出後には前記便受
    けカップの広い範囲に渡って行われる、ことを特徴とす
    る排泄物処理方法。
  43. 【請求項43】受け口を有して、該受け口を着用者の肛
    門部に向けた状態で該肛門部の周囲を包囲する便受けカ
    ップと、 前記便受けカップ内に開口され、該便受けカップ内の便
    を外部に排出するための便排出経路と、 前記便排出経路を横断するように配設され、該便排出経
    路を流れる便が当接したときに便を切断する切断部材
    と、を備えていることを特徴とする排泄物処理装置。
  44. 【請求項44】請求項43において、 前記切断部材が、全体として細い線状の切断線とされて
    いる、ことを特徴とする排泄物処理装置。
  45. 【請求項45】請求項44において、 前記切断線が、互いに異なる方向に伸びるように複数本
    設けられている、ことを特徴とする排泄物処理装置。
  46. 【請求項46】請求項43において、 前記便排出経路を介して前記便受けカップ内を吸引する
    便排出用のポンプと、前記便受けカップ内に洗浄液を供
    給する洗浄液供給装置と、を備え、 前記便排出用のポンプによって前記便受けカップ内を吸
    引するときに、前記洗浄液供給装置から前記便受けカッ
    プ内に洗浄液が供給されて、該便受けカップ内の便が、
    洗浄液と共に前記便排出経路を流れるようにされてい
    る、ことを特徴とする排泄物処理装置。
  47. 【請求項47】請求項43において、 前記切断部材が、前記便排出経路のうち、前記便受けカ
    ップの外部でかつ該便受けカップ付近の位置に配設され
    ている、ことを特徴とする排泄物処理装置。
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