JP2003153276A - 画像処理方法、画像符号化方法、画像復号方法、画像符号化装置、および画像復号装置 - Google Patents

画像処理方法、画像符号化方法、画像復号方法、画像符号化装置、および画像復号装置

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JP2003153276A
JP2003153276A JP2001345287A JP2001345287A JP2003153276A JP 2003153276 A JP2003153276 A JP 2003153276A JP 2001345287 A JP2001345287 A JP 2001345287A JP 2001345287 A JP2001345287 A JP 2001345287A JP 2003153276 A JP2003153276 A JP 2003153276A
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English (en)
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Giyouzo Akiyoshi
仰三 秋吉
Nobuo Akiyoshi
信雄 秋吉
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Monolith Co Ltd
Original Assignee
Monolith Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高圧縮率と高画質を実現する符号化および復
号技術を提供する。 【解決手段】 画像入力部12は、人が言葉を発声する
ときの表情を示す画像を各音ごとにキーフレームKFと
して取得する。音声認識部18は、音声入力部16が取
得した音声データSに含まれる各音を認識する。配列部
20は、認識された各音の順となるように、キーフレー
ムKFの配列を決定する。プロセッサ22は、決定され
た配列において、隣接するキーフレームKF間の対応点
情報Cを取得する。ストリーム生成部24は、認識され
た各音に対応するキーフレームKFおよび対応点情報C
を含む形式にて符号化データストリームCIを生成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、画像処理技術に
関し、とくにネットワークを介して画像データの送受信
を行う際に、受信側で滑らかな動画の再生を行うための
符号化および復号方法と装置に関する。
【0002】
【従来の技術】携帯電話の爆発的な普及に伴い、携帯電
話端末を利用したメールや静止画像データのやり取りも
盛んに行われるようになってきた。今後は携帯電話端末
を用いた高品質の動画像データの配信が望まれる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ネットワークを介した
動画像データの配信は、圧縮符号化技術なしに考えるこ
とはできない。特に携帯電話の商品価値は、その軽量
性、長い電池寿命、安いハードウエアコスト、軽快な操
作性などにあり、重たい画像データを長い時間をかけて
ダウンロードすることは嫌われる。また、そうした重い
画像データを処理するためのCPUパワーも消費電力的
に不利である。
【0004】そこで、携帯電話端末における圧縮符号化
を実現する方法として、より高い圧縮率と画質の両立を
可能とする技術が望まれる。
【0005】この発明はそうした状況に鑑みてなされた
ものであり、その目的は、良好な動画の圧縮技術を提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】以下、本発明の画像符号
化技術および画像復号技術は、2枚の静止画像からその
中間画像を生成してこれを動画として生成する場合につ
いて説明するが、本質的には動画像の圧縮技術に関す
る。
【0007】本発明のある態様は画像処理方法に関す
る。この方法は、音声データを取得する工程と、音声デ
ータに含まれる各音を認識する工程と、認識された各音
の順となるように、各音に対応付けられた、人が言葉を
発声するときの表情を示すキーフレームの配列を決定す
る工程と、決定された配列において、隣接するキーフレ
ーム間の対応点情報を取得する工程と、キーフレームお
よび対応点情報に基づき各キーフレーム間の中間フレー
ムを生成しつつ、キーフレームおよび中間フレームを動
画として出力する工程とを含む。
【0008】「音」とは、日本語でいえば「あ」、
「い」、「う」、「え」、「お」など五十音の各音であ
ってよい。また「音」は、一文字の音に限られず、単語
単位であってもよい。さらに、外国語であれば、例えば
口形の変化する節単位であってもよい。要するに、
「音」は、口形が変化すると共に認識可能な言葉の単位
であってよい。「フレーム」は表示を意識した画像の単
位ではあるが、以下特に必要がない限り、これと「画
像」を区別しない。
【0009】対応点情報は、キーフレームの特異点を基
礎として検出されたものであってよい。対応点情報は、
キーフレーム間で画素を単位として記述されていてよ
い。この方法は、対応点情報をキーフレーム間における
マッチングをもとに生成する工程をさらに含んでもよ
い。この方法は、人が言葉を発声するときの表情を示す
画像を各音ごとにキーフレームとして取得する工程をさ
らに含んでよい。この方法は、取得したキーフレームを
各音に対応づけて保持する工程をさらに含んでよい。
【0010】出力する工程は、動画と共に音声データを
出力してよい。このとき、取得された音声データを略リ
アルタイムで出力してもよく、予め保存しておいた音声
データを動画に同期させて出力してもよい。また、出力
する工程は、音声データにおいて各音が発声されるタイ
ミングでキーフレームを出力してよい。
【0011】本発明の別の態様は画像符号化方法に関す
る。この方法は、音声データを取得する工程と、音声デ
ータに含まれる各音を認識する工程と、認識された各音
の順となるように、各音に対応付けられた、人が言葉を
発声するときの表情を示すキーフレームの配列を決定す
る工程と、決定された配列において、隣接するキーフレ
ーム間の対応点情報を取得する工程と、キーフレームお
よび対応点情報を含む形式にて符号化データストリーム
を生成する工程とを含む。
【0012】この方法は、音声データにおいて各音が発
声されたタイミングを検知する工程をさらに含んでもよ
く、符号化データストリームを生成する工程は、検知さ
れたタイミングをも含む形で符号化データを生成しても
よい。「タイミング」は、音声データにおける各音が発
声された時間間隔であってよい。
【0013】この方法は、音声データにおいて各音が発
声されたタイミングを検知する工程と、タイミングに応
じてキーフレーム間に人工的に生成すべき中間フレーム
の枚数を特定する工程とをさらに含んでもよく、符号化
データストリームを生成する工程は、特定された枚数を
も含む形で符号化データを生成してもよい。「特定する
工程」とは、ソフトウエアやハードウエアによって自動
的に算出する工程、ユーザによる指示を取得して利用す
る工程など、その形態にはいろいろある。枚数は、各音
が発声された時間間隔に比例するように特定されてよ
い。
【0014】本発明の別の態様は、画像復号方法に関す
る。この方法は、音声データを取得する工程と、音声デ
ータに含まれる各音を発声するときの表情を示すキーフ
レームを含む符号化データストリームを取得する工程
と、そのデータストリームに含まれるキーフレームおよ
びキーフレーム間の対応点情報を検出する工程と、音声
データにおける各音の出力タイミングに同期して各キー
フレームが出力されるように、検出されたキーフレーム
と対応点情報に基づき各キーフレーム間の中間フレーム
を生成しつつ、キーフレームおよび中間フレームを動画
として出力する工程とを含む。
【0015】各キーフレーム間における中間フレームの
生成枚数は、音声データにおける各音の出力タイミング
にしたがって制御されてよい。対応点情報は、キーフレ
ームの特異点を基礎として検出されたものであってよ
い。対応点情報は、キーフレーム間で画素を単位として
記述されてよい。
【0016】符号化データストリームを取得する工程
は、キーフレームを出力すべき配列を示す情報とその配
列に含まれるキーフレームとをそれぞれ取得してよく、
出力する工程は、配列を示す情報に基づいてキーフレー
ムを配列する工程をさらに含んでよい。
【0017】本発明の別の態様は画像符号化装置に関す
る。この装置は、人が言葉を発声するときの表情を示す
画像を各音ごとにキーフレームとして取得する画像入力
部と、音声データを取得する音声入力部と、音声データ
に含まれる各音を認識する音声認識部と、認識された各
音の順となるように、キーフレームの配列を決定する配
列部と、決定された配列において、隣接するキーフレー
ム間の対応点情報を取得する対応点取得部と、認識され
た前記各音に対応するキーフレームおよび対応点情報を
含む形式にて符号化データストリームを生成する生成部
とを含む。
【0018】対応点取得部は、対応点情報を生成するプ
ロセッサであってよい。プロセッサは、キーフレーム間
において特異点に注目したマッチングをもとに対応点情
報を生成してよい。プロセッサは、各キーフレームを特
異点を抽出することによって多重解像度し、解像度の荒
いレベルから順に特異点どうしの対応関係を特定して対
応点情報を生成してよい。プロセッサは、多重解像度特
異点フィルタを作用させることによりキーフレーム間の
マッチングを計算して対応点情報を生成してよい。
【0019】対応点情報は、キーフレームの特異点を基
礎として検出されたものであってよい。対応点情報は、
キーフレーム間で画素を単位として記述されてもよい。
また、対応点情報は外部で生成されてもよく、その場
合、画像符号化装置はその外部装置から情報を受取って
もよい。
【0020】この装置は、異なる音であっても、それら
の音を発声するときの表情が類似する場合、それらの音
を同一のキーフレームに対応づけて保持する保持部をさ
らに含んでよい。この場合、予め略同一の表情になるで
あろう音をグループ化しておき、グループごとにひとつ
の表情を示す画像を取得してもよい。また、取得された
画像の類似度を判定する判定部を有し、類似すると判定
されたものをグループ化して保持させてもよい。
【0021】本発明の別の態様は、画像復号装置に関す
る。この装置は、音声データを取得する音声入力部と、
音声データに含まれる各音を発声するときの表情を示す
キーフレームを含む符号化データストリームを取得する
取得部と、そのデータストリームに含まれるキーフレー
ムおよびキーフレーム間の対応点情報を検出する検出部
と、キーフレームと対応点情報をもとに補間により中間
フレームを生成する生成部と、音声データを出力する音
声出力部と、音声データにおける各音の出力タイミング
に同期して各キーフレームが出力されるように、キーフ
レームおよび中間フレームを動画として出力する画像出
力部とを含む。
【0022】対応点情報は、キーフレームの特異点を基
礎として検出されたものであってよい。対応点情報は、
キーフレーム間で画素を単位として記述されていてもよ
い。
【0023】本発明の別の態様もまた、画像符号化方法
に関する。この方法は、言葉を発声している人の画像を
所定のタイミングでキーフレームとして取得し、隣接す
るキーフレーム間の対応点情報を取得して、キーフレー
ム、対応点情報およびタイミングに関する情報を含む形
式にて符号化データストリームを生成する。
【0024】ここで所定のタイミングとは、言葉を発声
している人の表情が変化するタイミングであってよい。
また所定のタイミングは、その人が異なる音を発声する
タイミングであってもよい。所定のタイミングは定期的
な間隔であってもよい。
【0025】本発明の別の態様もまた、画像復号方法に
関する。この方法は、音声データを取得する工程と、所
定のタイミングで取得された話をしている人の画像をキ
ーフレームとして含む符号化データストリームを取得す
る工程と、そのデータストリームに含まれるキーフレー
ムおよびキーフレーム間の対応点情報を検出する工程
と、検出されたキーフレームと対応点情報に基づき各キ
ーフレーム間の中間フレームを生成しつつ、音声データ
の出力タイミングに同期させてキーフレームおよび中間
フレームを動画として出力する工程とを含む。
【0026】本発明の別の態様もまた、画像処理方法に
関する。この方法は、人の発声に含まれる各音に対応す
る表情の画像をキーフレームとして取得し、各音の順に
キーフレームを配置するとともに隣接しあうキーフレー
ム間は補間による中間フレームを挿入して出力する。
【0027】以上の各構成部材や処理内容を任意に入れ
替えたり、方法と装置の間で表現を一部または全部入れ
替え、または追加したり、表現をコンピュータプログラ
ム、記録媒体等に変更したものもまた、本発明として有
効である。
【0028】
【発明の実施の形態】はじめに、実施の形態で利用する
多重解像度特異点フィルタ技術とそれを用いた画像マッ
チング処理を「前提技術」として詳述する。これらの技
術は本出願人がすでに特許第2927350号を得てい
る技術であり、本発明との組合せに最適である。ただ
し、実施の形態で採用可能な画像マッチング技術はこれ
に限られない。図18以降、前提技術を利用した画像処
理技術を具体的に説明する。 [前提技術の背景]最初に[1]で前提技術の要素技術の
詳述し、[2]で処理手順を具体的に説明する。さらに
[3]で実験の結果を報告する。
【0029】[1]要素技術の詳細 [1.1]イントロダクション 特異点フィルタと呼ばれる新たな多重解像度フィルタを
導入し、画像間のマッチングを正確に計算する。オブジ
ェクトに関する予備知識は一切不要である。画像間のマ
ッチングの計算は、解像度の階層を進む間、各解像度に
おいて計算される。その際、粗いレベルから精細なレベ
ルへと順に解像度の階層を辿っていく。計算に必要なパ
ラメータは、人間の視覚システムに似た動的計算によっ
て完全に自動設定される。画像間の対応点を人手で特定
する必要はない。
【0030】本前提技術は、例えば完全に自動的なモー
フィング、物体認識、立体写真測量、ボリュームレンダ
リング、少ないフレームからの滑らかな動画の生成など
に応用できる。モーフィングに用いる場合、与えられた
画像を自動的に変形することができる。ボリュームレン
ダリングに用いる場合、断面間の中間的な画像を正確に
再構築することができる。断面間の距離が遠く、断面の
形状が大きく変化する場合でも同様である。
【0031】[1.2]特異点フィルタの階層 前提技術に係る多重解像度特異点フィルタは、画像の解
像度を落としながら、しかも画像に含まれる各特異点の
輝度及び位置を保存することができる。ここで画像の幅
をN、高さをMとする。以下簡単のため、N=M=2
(nは自然数)と仮定する。また、区間[0,N]⊂R
をIと記述する。(i,j)における画像の画素をp
(i,j)と記述する(i,j∈I)。
【0032】ここで多重解像度の階層を導入する。階層
化された画像群は多重解像度フィルタで生成される。多
重解像度フィルタは、もとの画像に対して二次元的な探
索を行って特異点を検出し、検出された特異点を抽出し
てもとの画像よりも解像度の低い別の画像を生成する。
ここで第mレベルにおける各画像のサイズは2×2
(0≦m≦n)とする。特異点フィルタは次の4種類の
新たな階層画像をnから下がる方向で再帰的に構築す
る。
【0033】
【数1】 ただしここで、
【数2】 とする。以降これら4つの画像を副画像(サブイメー
ジ)と呼ぶ。minx≦t ≦x+1、max
x≦t≦x+1をそれぞれα及びβと記述すると、副画
像はそれぞれ以下のように記述できる。
【0034】 P(m,0)=α(x)α(y)p(m+1,0) (m,1)=α(x)β(y)p(m+1,1) (m,2)=β(x)α(y)p(m+1,2) P(m,3)=β(x)β(y)p(m+1,3) すなわち、これらはαとβのテンソル積のようなものと
考えられる。副画像はそれぞれ特異点に対応している。
これらの式から明らかなように、特異点フィルタはもと
の画像について2×2画素で構成されるブロックごとに
特異点を検出する。その際、各ブロックのふたつの方
向、つまり縦と横について、最大画素値または最小画素
値をもつ点を探索する。画素値として、前提技術では輝
度を採用するが、画像に関するいろいろな数値を採用す
ることができる。ふたつの方向の両方について最大画素
値となる画素は極大点、ふたつの方向の両方について最
小画素値となる画素は極小点、ふたつの方向の一方につ
いて最大画素値となるとともに、他方について最小画素
値となる画素は鞍点として検出される。
【0035】特異点フィルタは、各ブロックの内部で検
出された特異点の画像(ここでは1画素)でそのブロッ
クの画像(ここでは4画素)を代表させることにより、
画像の解像度を落とす。特異点の理論的な観点からすれ
ば、α(x)α(y)は極小点を保存し、β(x)β
(y)は極大点を保存し、α(x)β(y)及びβ
(x)α(y)は鞍点を保存する。
【0036】はじめに、マッチングをとるべき始点(ソ
ース)画像と終点(デスティネーション)画像に対して
別々に特異点フィルタ処理を施し、それぞれ一連の画像
群、すなわち始点階層画像と終点階層画像を生成してお
く。始点階層画像と終点階層画像は、特異点の種類に対
応してそれぞれ4種類ずつ生成される。
【0037】この後、一連の解像度レベルの中で始点階
層画像と終点階層画像のマッチングがとれらていく。ま
ずp(m,0)を用いて極小点のマッチングがとられ
る。次に、その結果に基づき、p(m,1)を用いて鞍
点のマッチングがとられ、p m,2)を用いて他の鞍
点のマッチングがとられる。そして最後にp(m,3)
を用いて極大点のマッチングがとられる。
【0038】図1(c)と図1(d)はそれぞれ図1
(a)と図1(b)の副画像p(5, 0)を示してい
る。同様に、図1(e)と図1(f)はp(5,1)
図1(g)と図1(h)はp(5,2)、図1(i)と
図1(j)はp(5,3)をそれぞれ示している。これ
らの図からわかるとおり、副画像によれば画像の特徴部
分のマッチングが容易になる。まずp(5,0)によっ
て目が明確になる。目は顔の中で輝度の極小点だからで
ある。p(5,1)によれば口が明確になる。口は横方
向で輝度が低いためである。p(5,2)によれば首の
両側の縦線が明確になる。最後に、p(5,3)によっ
て耳や頬の最も明るい点が明確になる。これらは輝度の
極大点だからである。
【0039】特異点フィルタによれば画像の特徴が抽出
できるため、例えばカメラで撮影された画像の特徴と、
予め記録しておいたいくつかのオブジェクトの特徴を比
較することにより、カメラに映った被写体を識別するこ
とができる。
【0040】[1.3]画像間の写像の計算 始点画像の位置(i,j)の画素をp(n) (i,j)
と書き、同じく終点画像の位置(k,l)の画素をq
(n) (k,l)で記述する。i,j,k,l∈Iとす
る。画像間の写像のエネルギー(後述)を定義する。こ
のエネルギーは、始点画像の画素の輝度と終点画像の対
応する画素の輝度の差、及び写像の滑らかさによって決
まる。最初に最小のエネルギーを持つp(m,0)とq
(m,0)間の写像f(m,0):p(m,0)→q
(m,0)が計算される。f(m,0 に基づき、最小
エネルギーを持つp(m,1)、q(m,1)間の写像
(m ,1)が計算される。この手続は、p(m,3)
とq(m,3)の間の写像f m,3)の計算が終了す
るまで続く。各写像f(m,i)(i=0,1,2,
…)を副写像と呼ぶことにする。f(m,i)の計算の
都合のために、iの順序は次式のように並べ替えること
ができる。並べ替えが必要な理由は後述する。
【0041】
【数3】 ここでσ(i)∈{0,1,2,3}である。
【0042】[1.3.1]全単射 始点画像と終点画像の間のマッチングを写像で表現する
場合、その写像は両画像間で全単射条件を満たすべきで
ある。両画像に概念上の優劣はなく、互いの画素が全射
かつ単射で接続されるべきだからである。しかしながら
通常の場合とは異なり、ここで構築すべき写像は全単射
のディジタル版である。前提技術では、画素は格子点に
よって特定される。
【0043】始点副画像(始点画像について設けられた
副画像)から終点副画像(終点画像について設けられた
副画像)への写像は、f(m,s):I/2n−m×I
/2 n−m→I/2n−m×I/2n−m(s=0,
1,…)によって表される。ここで、f
(m,s)(i,j)=(k,l)は、始点画像のp
(m,s) (i, j)が終点画像のq(m,s)
(k,l)に写像されることを意味する。簡単のため
に、f(i,j)=(k,l)が成り立つとき画素q
(k,l)をqf(i ,j)と記述する。
【0044】前提技術で扱う画素(格子点)のようにデ
ータが離散的な場合、全単射の定義は重要である。ここ
では以下のように定義する(i,i’,j,j’,k,
lは全て整数とする)。まず始めに、始点画像の平面に
おいてRによって表記される各正方形領域、
【数4】 を考える(i=0,…,2−1、j=0,…,2
1)。ここでRの各辺(エッジ)の方向を以下のように
定める。
【0045】
【数5】 この正方形は写像fによって終点画像平面における四辺
形に写像されなければならない。f(m,s)(R)に
よって示される四辺形、
【数6】 は、以下の全単射条件を満たす必要がある。
【0046】1.四辺形f(m,s)(R)のエッジは
互いに交差しない。 2.f(m,s)(R)のエッジの方向はRのそれらに
等しい(図2の場合、時計回り)。 3.緩和条件として収縮写像(リトラクション:retrac
tions)を許す。
【0047】何らかの緩和条件を設けないかぎり、全単
射条件を完全に満たす写像は単位写像しかないためであ
る。ここではf(m,s)(R)のひとつのエッジの長
さが0、すなわちf(m,s)(R)は三角形になって
もよい。しかし、面積が0となるような図形、すなわち
1点または1本の線分になってはならない。図2(R)
がもとの四辺形の場合、図2(A)と図2(D)は全単
射条件を満たすが、図2(B)、図2(C)、図2
(E)は満たさない。
【0048】実際のインプリメンテーションでは、写像
が全射であることを容易に保証すべく、さらに以下の条
件を課してもよい。つまり始点画像の境界上の各画素
は、終点画像において同じ位置を占める画素に写影され
るというものである。すなわち、f(i,j)=(i,
j)(ただしi=0,i=2−1,j=0,j=2
−1の4本の線上)である。この条件を以下「付加条
件」とも呼ぶ。
【0049】[1.3.2]写像のエネルギー [1.3.2.1]画素の輝度に関するコスト 写像fのエネルギーを定義する。エネルギーが最小にな
る写像を探すことが目的である。エネルギーは主に、始
点画像の画素の輝度とそれに対応する終点画像の画素の
輝度の差で決まる。すなわち、写像f(m,s)の点
(i,j)におけるエネルギーC(m,s) (i,j)
は次式によって定まる。
【0050】
【数7】 ここで、V(p(m,s) (i,j))及びV(q
(m,s) f(i,j))はそれぞれ画素p(m,s)
(i,j)及びq(m,s) f(i,j)の輝度であ
る。fのトータルのエネルギーC(m,s)は、マッチ
ングを評価するひとつの評価式であり、つぎに示すC
(m,s) (i,j)の合計で定義できる。
【0051】
【数8】 [1.3.2.2]滑らかな写像のための画素の位置に
関するコスト 滑らかな写像を得るために、写像に関する別のエネルギ
ーDfを導入する。このエネルギーは画素の輝度とは関
係なく、p(m,s) (i,j)およびq(m ,s)
f(i,j)の位置によって決まる(i=0,…,2
−1,j=0,…,2−1)。点(i,j)における
写像f(m,s)のエネルギーD(m,s (i,j)
は次式で定義される。
【0052】
【数9】 ただし、係数パラメータηは0以上の実数であり、ま
た、
【数10】
【数11】 とする。ここで、
【数12】 であり、i’<0およびj’<0に対してf(i’,
j’)は0と決める。Eは(i,j)及びf(i,
j)の距離で決まる。Eは画素があまりにも離れた画
素へ写影されることを防ぐ。ただしEは、後に別のエ
ネルギー関数で置き換える。Eは写像の滑らかさを保
証する。Eは、p(i,j)の変位とその隣接点の変
位の間の隔たりを表す。以上の考察をもとに、マッチン
グを評価する別の評価式であるエネルギーDは次式で
定まる。
【0053】
【数13】 [1.3.2.3]写像の総エネルギー 写像の総エネルギー、すなわち複数の評価式の統合に係
る総合評価式はλC m,s) +D(m,s) で定
義される。ここで係数パラメータλは0以上の実数であ
る。目的は総合評価式が極値をとる状態を検出するこ
と、すなわち次式で示す最小エネルギーを与える写像を
見いだすことである。
【0054】
【数14】 λ=0及びη=0の場合、写像は単位写像になることに
注意すべきである(すなわち、全てのi=0,…,2
−1及びj=0,…,2−1に対してf
(m ,s)(i,j)=(i,j)となる)。後述のご
とく、本前提技術では最初にλ=0及びη=0の場合を
評価するため、写像を単位写像から徐々に変形していく
ことができる。仮に総合評価式のλの位置を変えてC
(m,s) +λD(m ,s) と定義したとすれば、
λ=0及びη=0の場合に総合評価式がC(m, s)
だけになり、本来何等関連のない画素どうしが単に輝度
が近いというだけで対応づけられ、写像が無意味なもの
になる。そうした無意味な写像をもとに写像を変形して
いってもまったく意味をなさない。このため、単位写像
が評価の開始時点で最良の写像として選択されるよう係
数パラメータの与えかたが配慮されている。
【0055】オプティカルフローもこの前提技術同様、
画素の輝度の差と滑らかさを考慮する。しかし、オプテ
ィカルフローは画像の変換に用いることはできない。オ
ブジェクトの局所的な動きしか考慮しないためである。
前提技術に係る特異点フィルタを用いることによって大
域的な対応関係を検出することができる。
【0056】[1.3.3]多重解像度の導入による写
像の決定 最小エネルギーを与え、全単射条件を満足する写像f
minを多重解像度の階層を用いて求める。各解像度レ
ベルにおいて始点副画像及び終点副画像間の写像を計算
する。解像度の階層の最上位(最も粗いレベル)からス
タートし、各解像度レベルの写像を、他のレベルの写像
を考慮に入れながら決定する。各レベルにおける写像の
候補の数は、より高い、つまりより粗いレベルの写像を
用いることによって制限される。より具体的には、ある
レベルにおける写像の決定に際し、それよりひとつ粗い
レベルにおいて求められた写像が一種の拘束条件として
課される。
【0057】まず、
【数15】 が成り立つとき、p(m−1,s) (i’,j’)、q
(m−1,s) (i’, j’)をそれぞれp(m,s)
(i,j)、q(m,s) (i,j)のparentと
呼ぶことにする。[x]はxを越えない最大整数であ
る。またp(m,s (i,j)、q(m,s)
(i,j)をそれぞれ
(m−1,s) (i’,j ’)、q(m−1,s)
(i’,j’)のchildと呼ぶ。関数parent
(i,j)は次式で定義される。
【0058】
【数16】 (m,s) (i,j)とq(m,s) (k,l)の間
の写像f(m,s)は、エネルギー計算を行って最小に
なったものを見つけることで決定される。f m,s)
(i,j)=(k,l)の値はf(m−1,s)(m=
1,2,…,n)を用いることによって、以下のように
決定される。まず、q(m,s) (k, l)は次の四辺
形の内部になければならないという条件を課し、全単射
条件を満たす写像のうち現実性の高いものを絞り込む。
【0059】
【数17】 ただしここで、
【数18】 である。こうして定めた四辺形を、以下p(m,s)
(i,j)の相続(inherited)四辺形と呼ぶことにす
る。相続四辺形の内部において、エネルギーを最小にす
る画素を求める。
【0060】図3は以上の手順を示している。同図にお
いて、始点画像のA,B,C,Dの画素は、第m−1レ
ベルにおいてそれぞれ終点画像のA’,B’,C’,
D’へ写影される。画素p(m,s) (i,j)は、相
続四辺形A’B’C’D’の内部に存在する画素q
(m,s) f(m)(i,j)へ写影されなければなら
ない。以上の配慮により、第m−1レベルの写像から第
mレベルの写像への橋渡しがなされる。
【0061】先に定義したエネルギーEは、第mレベ
ルにおける副写像f(m,0)を計算するために、次式
に置き換える。
【0062】
【数19】 また、副写像f(m,s)を計算するためには次式を用
いる。
【0063】
【数20】 こうしてすべての副写像のエネルギーを低い値に保つ写
像が得られる。式20により、異なる特異点に対応する
副写像が、副写像どうしの類似度が高くなるように同一
レベル内で関連づけられる。式19は、f
(m,s)(i,j)と、第m−1レベルの画素の一部
と考えた場合の(i,j)が射影されるべき点の位置と
の距離を示している。
【0064】仮に、相続四辺形A’B’C’D’の内部
に全単射条件を満たす画素が存在しない場合は以下の措
置をとる。まず、A’B’C’D’の境界線からの距離
がL(始めはL=1)である画素を調べる。それらのう
ち、エネルギーが最小になるものが全単射条件を満たせ
ば、これをf(m,s)(i,j)の値として選択す
る。そのような点が発見されるか、またはLがその上限
のL(m)maxに到達するまで、Lを大きくしてい
く。L(m)maxは各レベルmに対して固定である。
そのような点が全く発見されない場合、全単射の第3の
条件を一時的に無視して変換先の四辺形の面積がゼロに
なるような写像も認め、f(m,s)(i,j)を決定
する。それでも条件を満たす点が見つからない場合、つ
ぎに全単射の第1及び第2条件を外す。
【0065】多重解像度を用いる近似法は、写像が画像
の細部に影響されることを回避しつつ、画像間の大域的
な対応関係を決定するために必須である。多重解像度に
よる近似法を用いなければ、距離の遠い画素間の対応関
係を見いだすことは不可能である。その場合、画像のサ
イズはきわめて小さなものに限定しなければならず、変
化の小さな画像しか扱うことができない。さらに、通常
写像に滑らかさを要求するため、そうした画素間の対応
関係を見つけにくくしている。距離のある画素から画素
への写像のエネルギーは高いためである。多重解像度を
用いた近似法によれば、そうした画素間の適切な対応関
係を見いだすことができる。それらの距離は、解像度の
階層の上位レベル(粗いレベル)において小さいためで
ある。
【0066】[1.4]最適なパレメータ値の自動決定 既存のマッチング技術の主な欠点のひとつに、パレメー
タ調整の困難さがある。大抵の場合、パラメータの調整
は人手作業によって行われ、最適な値を選択することは
きわめて難しい。前提技術に係る方法によれば、最適な
パラメータ値を完全に自動決定することができる。
【0067】前提技術に係るシステムはふたつのパレメ
ータ、λ及びηを含む。端的にいえば、λは画素の輝度
の差の重みであり、ηは写像の剛性を示している。これ
らのパラメータの値は初期値が0であり、まずη=0に
固定してλを0から徐々に増加させる。λの値を大きく
しながら、しかも総合評価式(式14)の値を最小にす
る場合、各副写像に関するC(m,s) の値は一般に
小さくなっていく。このことは基本的にふたつの画像が
よりマッチしなければならないことを意味する。しか
し、λが最適値を超えると以下の現象が発生する。
【0068】1.本来対応すべきではない画素どうし
が、単に輝度が近いというだけで誤って対応づけられ
る。 2.その結果、画素どうしの対応関係がおかしくなり、
写像がくずれはじめる。
【0069】3.その結果、式14においてD
(m,s) が急激に増加しようとする。 4.その結果、式14の値が急激に増加しようとするた
め、D(m,s) の急激な増加を抑制するようf
(m,s)が変化し、その結果C(m,s) が増加す
る。したがって、λを増加させながら式14が最小値を
とるという状態を維持しつつC(m,s) が減少から
増加に転じる閾値を検出し、そのλをη=0における最
適値とする。つぎにηを少しづつ増やしてC(m,s)
の挙動を検査し、後述の方法でηを自動決定する。そ
のηに対応してλも決まる。
【0070】この方法は、人間の視覚システムの焦点機
構の動作に似ている。人間の視覚システムでは、一方の
目を動かしながら左右両目の画像のマッチングがとられ
る。オブジェクトがはっきりと認識できるとき、その目
が固定される。
【0071】[1.4.1]λの動的決定 λは0から所定の刻み幅で増加されていき、λの値が変
わる度に副写像が評価される。式14のごとく、総エネ
ルギーはλC(m,s) +D(m,s) によって定
義される。式9のD(m,s) は滑らかさを表すもの
で、理論的には単位写像の場合に最小になり、写像が歪
むほどEもEも増加していく。Eは整数であるか
ら、D(m,s) の最小刻み幅は1である。このた
め、現在のλC(m,s) (i,j)の変化(減少量)
が1以上でなければ、写像を変化させることによって総
エネルギーを減らすことはできない。なぜなら、写像の
変化に伴ってD(m,s) は1以上増加するため、λ
(m,s) (i,j)が1以上減少しない限り総エネ
ルギーは減らないためである。
【0072】この条件のもと、λの増加に伴い、正常な
場合にC(m,s) (i,j)が減少することを示す。
(m,s) (i,j)のヒストグラムをh(l)と記
述する。h(l)はエネルギーC(m,s) (i,j)
がlである画素の数である。λl≧1が成り立つた
めに、例えばl=1/λの場合を考える。λがλ
らλまで微小量変化するとき、
【数21】 で示されるA個の画素が、
【数22】 のエネルギーを持つより安定的な状態に変化する。ここ
では仮に、これらの画素のエネルギーがすべてゼロにな
ると近似している。この式はC(m,s) の値が、
【数23】 だけ変化することを示し、その結果、
【数24】 が成立する。h(l)>0であるから、通常C
(m,s) は減少する。しかし、λが最適値を越えよ
うとするとき、上述の現象、つまりC(m,s) の増
加が発生する。この現象を検出することにより、λの最
適値を決定する。
【0073】なお、H(h>0)及びkを定数とすると
き、
【数25】 と仮定すれば、
【数26】 が成り立つ。このときk≠−3であれば、
【数27】 となる。これがC(m,s) の一般式である(Cは定
数)。
【0074】λの最適値を検出する際、さらに安全を見
て、全単射条件を破る画素の数を検査してもよい。ここ
で各画素の写像を決定する際、全単射条件を破る確率を
と仮定する。この場合、
【数28】 が成立しているため、全単射条件を破る画素の数は次式
の率で増加する。
【0075】
【数29】 従って、
【数30】 は定数である。仮にh(l)=Hlを仮定するとき、
例えば、
【数31】 は定数になる。しかしλが最適値を越えると、上の値は
急速に増加する。この現象を検出し、Bλ
3/2+k/2/2の値が異常値B0thresを越
えるかどうかを検査し、λの最適値を決定することがで
きる。同様に、Bλ3/2 +k/2/2の値が異常
値B1thresを越えるかどうかを検査することによ
り、全単射の第3の条件を破る画素の増加率Bを確認
する。ファクター2を導入する理由は後述する。この
システムはこれら2つの閾値に敏感ではない。これらの
閾値は、エネルギーC(m,s) の観察では検出し損
なった写像の過度の歪みを検出するために用いることが
できる。
【0076】なお実験では、副写像f(m,s)を計算
する際、もしλが0.1を越えたらf(m,s)の計算
は止めてf(m,s+1)の計算に移行した。λ>0.
1のとき、画素の輝度255レベル中のわずか「3」の
違いが副写像の計算に影響したためであり、λ>0.1
のとき正しい結果を得ることは困難だったためである。
【0077】[1.4.2]ヒストグラムh(l) C(m,s) の検査はヒストグラムh(l)に依存し
ない。全単射及びその第3の条件の検査の際、h(l)
に影響を受けうる。実際に(λ,C(m,s) )をプ
ロットすると、kは通常1付近にある。実験ではk=1
を用い、Bλ とBλを検査した。仮にkの本当
の値が1未満であれば、BλとBλは定数にな
らず、ファクターλ(1−k)/2に従って徐々に増加
する。h(l)が定数であれば、例えばファクターはλ
1/2である。しかし、こうした差は閾値B
0thresを正しく設定することによって吸収するこ
とができる。
【0078】ここで次式のごとく始点画像を中心が(x
,y)、半径rの円形のオブジェクトであると仮定
する。
【数32】 一方、終点画像は、次式のごとく中心(x,y)、
半径がrのオブジェクトであるとする。
【数33】 ここでc(x)はc(x)=xの形であるとする。中
心(x,y)及び(x,y)が十分遠い場合、
ヒストグラムh(l)は次式の形となる。
【数34】 k=1のとき、画像は背景に埋め込まれた鮮明な境界線
を持つオブジェクトを示す。このオブジェクトは中心が
暗く、周囲にいくに従って明るくなる。k=−1のと
き、画像は曖昧な境界線を持つオブジェクトを表す。こ
のオブジェクトは中心が最も明るく、周囲にいくに従っ
て暗くなる。一般のオブジェクトはこれらふたつのタイ
プのオブジェクトの中間にあると考えてもさして一般性
を失わない。したがって、kは−1≦k≦1として大抵
の場合をカバーでき、式27が一般に減少関数であるこ
とが保障される。
【0079】なお、式34からわかるように、rは画像
の解像度に影響されること、すなわちrは2mに比例す
ることに注意すべきである。このために[1.4.1]
においてファクター2mを導入した。
【0080】[1.4.3]ηの動的決定 パラメータηも同様の方法で自動決定できる。はじめに
η=0とし、最も細かい解像度における最終的な写像f
(n)及びエネルギーC(n) を計算する。つづい
て、ηをある値Δηだけ増加させ、再び最も細かい解像
度における最終写像f(n)及びエネルギーC(n)
を計算し直す。この過程を最適値が求まるまで続ける。
ηは写像の剛性を示す。次式の重みだからである。
【0081】
【数35】 ηが0のとき、D(n) は直前の副写像と無関係に決
定され、現在の副写像は弾性的に変形され、過度に歪む
ことになる。一方、ηが非常に大きな値のとき、D
(n) は直前の副写像によってほぼ完全に決まる。こ
のとき副写像は非常に剛性が高く、画素は同じ場所に射
影される。その結果、写像は単位写像になる。ηの値が
0から次第に増えるとき、後述のごとくC(n) は徐
々に減少する。しかしηの値が最適値を越えると、図4
に示すとおり、エネルギーは増加し始める。同図のX軸
はη、Y軸はCである。
【0082】この方法でC(n) を最小にする最適な
ηの値を得ることができる。しかし、λの場合に比べて
いろいろな要素が計算に影響する結果、C(n) は小
さく揺らぎながら変化する。λの場合は、入力が微小量
変化するたびに副写像を1回計算しなおすだけだが、η
の場合はすべての副写像が計算しなおされるためであ
る。このため、得られたC(n) の値が最小であるか
どうかを即座に判断することはできない。最小値の候補
が見つかれば、さらに細かい区間を設定することによっ
て真の最小値を探す必要がある。
【0083】[1.5]スーパーサンプリング 画素間の対応関係を決定する際、自由度を増やすため
に、f(m,s)の値域をR×Rに拡張することができ
る(Rは実数の集合)。この場合、終点画像の画素の輝
度が補間され、非整数点、
【数36】 における輝度を持つf(m,s)が提供される。つまり
スーパーサンプリングが行われる。実験では、f
(m,s)は整数及び半整数値をとることが許され、
【数37】 は、
【数38】 によって与えられた。
【0084】[1.6]各画像の画素の輝度の正規化 始点画像と終点画像がきわめて異なるオブジェクトを含
んでいるとき、写像の計算に元の画素の輝度がそのまま
では利用しにくい。輝度の差が大きいために輝度に関す
るエネルギーC(m,s) が大きくなりすぎ、正しい
評価がしずらいためである。
【0085】例えば、人の顔と猫の顔のマッチングをと
る場合を考える。猫の顔は毛で覆われており、非常に明
るい画素と非常に暗い画素が混じっている。この場合、
ふたつの顔の間の副写像を計算するために、まず副画像
を正規化する。すなわち、最も暗い画素の輝度を0、最
も明るいそれを255に設定し、他の画素の輝度は線形
補間によって求めておく。
【0086】[1.7]インプリメンテーション 始点画像のスキャンに従って計算がリニアに進行する帰
納的な方法を用いる。始めに、1番上の左端の画素
(i,j)=(0,0)についてf(m,s)の値を決
定する。次にiを1ずつ増やしながら各f
(m,s)(i,j)の値を決定する。iの値が画像の
幅に到達したとき、jの値を1増やし、iを0に戻す。
以降、始点画像のスキャンに伴いf(m,s)(i,
j)を決定していく。すべての点について画素の対応が
決まれば、ひとつの写像f(m,s)が決まる。
【0087】あるp(i,j)について対応点q
f(i,j)が決まれば、つぎにp(i, j+1)の対
応点qf(i,j+1)が決められる。この際、q
f(i,j+1 の位置は全単射条件を満たすために、
f(i,j)の位置によって制限される。したがっ
て、先に対応点が決まる点ほどこのシステムでは優先度
が高くなる。つねに(0,0)が最も優先される状態が
つづくと、求められる最終の写像に余計な偏向が加わ
る。本前提技術ではこの状態を回避するために、f
(m,s)を以下の方法で決めていく。
【0088】まず(s mod 4)が0の場合、(0,
0)を開始点としi及びjを徐々に増やしながら決めて
いく。(s mod 4)が1の場合、最上行の右端点を
開始点とし、iを減少、jを増加させながら決めてい
く。(s mod 4)が2のとき、最下行の右端点を開
始点とし、i及びjを減少させながら決めていく。(s
mod 4)が3の場合、最下行の左端点を開始点と
し、iを増加、jを減少させながら決めていく。解像度
が最も細かい第nレベルには副写像という概念、すなわ
ちパラメータsが存在しないため、仮にs=0及びs=
2であるとしてふたつの方向を連続的に計算した。
【0089】実際のインプリメンテーションでは、全単
射条件を破る候補に対してペナルティを与えることによ
り、候補(k,l)の中からできる限り全単射条件を満
たすf(m,s)(i,j)(m=0,…,n)の値を
選んだ。第3の条件を破る候補のエネルギーD(k、
l)にはφを掛け、一方、第1または第2の条件を破る
候補にはψを掛ける。今回はφ=2、ψ=100000
を用いた。
【0090】前述の全単射条件のチェックのために、実
際の手続として(k,l)=f(m ,s)(i,j)を
決定する際に以下のテストを行った。すなわちf
(m,s)(i,j)の相続四辺形に含まれる各格子点
(k,l)に対し、次式の外積のz成分が0以上になる
かどうかを確かめる。
【0091】
【数39】 ただしここで、
【数40】
【数41】 である(ここでベクトルは三次元ベクトルとし、z軸は
直交右手座標系において定義される)。もしWが負であ
れば、その候補についてはD(m,s) (k,l にψ
を掛けることによってペナルティを与え、できるかぎり
選択しないようにする。
【0092】図5(a)、図5(b)はこの条件を検査
する理由を示している。図5(a)はペナルティのない
候補、図5(b)はペナルティがある候補をそれぞれ表
す。隣接画素(i,j+1)に対する写像f(m,s)
(i,j+1)を決定する際、Wのz成分が負であれば
始点画像平面上において全単射条件を満足する画素は存
在しない。なぜなら、q(m,s) (k,l)は隣接す
る四辺形の境界線を越えるためである。
【0093】[1.7.1]副写像の順序 インプリメンテーションでは、解像度レベルが偶数のと
きにはσ(0)=0、σ(1)=1、σ(2)=2、σ
(3)=3、σ(4)=0を用い、奇数のときはσ
(0)=3、σ(1)=2、σ(2)=1、σ(3)=
0、σ(4)=3を用いた。このことで、副写像を適度
にシャッフルした。なお、本来副写像は4種類であり、
sは0〜3のいずれかである。しかし、実際にはs=4
に相当する処理を行った。その理由は後述する。
【0094】[1.8]補間計算 始点画像と終点画像の間の写像が決定された後、対応し
あう画素の輝度が補間される。実験では、トライリニア
補間を用いた。始点画像平面における正方形p
(i,j)(i+1,j)(i,j+1)
(i+1,j+1)が終点画像平面上の四辺形q
f(i,j)f(i+1,j)f(i,j+1)
f(i +1,j+1)に射影されると仮定する。簡単の
ため、画像間の距離を1とする。始点画像平面からの距
離がt(0≦t≦1)である中間画像の画素r(x,
y,t)(0≦x≦N−1,0≦y≦M−1)は以下の
要領で求められる。まず画素r(x,y,t)の位置
(ただしx,y,t∈R)を次式で求める。
【0095】
【数42】 つづいてr(x,y,t)における画素の輝度が次の式
を用いて決定される。
【0096】
【数43】 ここでdx及びdyはパラメータであり、0から1まで
変化する。
【0097】[1.9]拘束条件を課したときの写像 いままでは拘束条件がいっさい存在しない場合の写像の
決定を述べた。しかし、始点画像と終点画像の特定の画
素間に予め対応関係が規定されているとき、これを拘束
条件としたうえで写像を決定することができる。
【0098】基本的な考えは、まず始点画像の特定の画
素を終点画像の特定の画素に移す大まかな写像によって
始点画像を大まかに変形し、しかる後、写像fを正確に
計算する。
【0099】まず始めに、始点画像の特定の画素を終点
画像の特定の画素に射影し、始点画像の他の画素を適当
な位置に射影する大まかな写像を決める。すなわち、特
定の画素に近い画素は、その特定の画素が射影される場
所の近くに射影されるような写像である。ここで第mレ
ベルの大まかな写像をF(m)と記述する。
【0100】大まかな写像Fは以下の要領で決める。ま
ず、いくつかの画素について写像を特定する。始点画像
についてn個の画素、
【数44】 を特定するとき、以下の値を決める。
【数45】 始点画像の他の画素の変位量は、p(ih,jh)(h
=0,…,n−1)の変位に重み付けをして求められ
る平均である。すなわち画素p(i,j)は、終点画像
の以下の画素に射影される。
【0101】
【数46】 ただしここで、
【数47】
【数48】 とする。
【0102】つづいて、F(m)に近い候補写像fがよ
り少ないエネルギーを持つように、その写像fのエネル
ギーD(m,s) (i,j)を変更する。正確には、D
(m ,s) (i,j)は、
【数49】 である。ただし、
【数50】 であり、κ,ρ≧0とする。最後に、前述の写像の自動
計算プロセスにより、fを完全に決定する。
【0103】ここで、f(m,s)(i,j)がF
(m)(i,j)に十分近いとき、つまりそれらの距離
が、
【数51】 以内であるとき、E (m,s) (i,j)が0になる
ことに注意すべきである。そのように定義した理由は、
各f(m,s)(i,j)がF(m)(i,j)に十分近い限
り、終点画像において適切な位置に落ち着くよう、その
値を自動的に決めたいためである。この理由により、正
確な対応関係を詳細に特定する必要がなく、始点画像は
終点画像にマッチするように自動的にマッピングされ
る。
【0104】[2]具体的な処理手順 [1]の各要素技術による処理の流れを説明する。図6
は前提技術の全体手順を示すフローチャートである。同
図のごとく、まず多重解像度特異点フィルタを用いた処
理を行い(S1)、つづいて始点画像と終点画像のマッ
チングをとる(S2)。ただし、S2は必須ではなく、
S1で得られた画像の特徴をもとに画像認識などの処理
を行ってもよい。
【0105】図7は図6のS1の詳細を示すフローチャ
ートである。ここではS2で始点画像と終点画像のマッ
チングをとることを前提としている。そのため、まず特
異点フィルタによって始点画像の階層化を行い(S1
0)、一連の始点階層画像を得る。つづいて同様の方法
で終点画像の階層化を行い(S11)、一連の終点階層
画像を得る。ただし、S10とS11の順序は任意であ
るし、始点階層画像と終点階層画像を並行して生成して
いくこともできる。
【0106】図8は図7のS10の詳細を示すフローチ
ャートである。もとの始点画像のサイズは2×2
する。始点階層画像は解像度が細かいほうから順に作ら
れるため、処理の対象となる解像度レベルを示すパラメ
ータmをnにセットする(S100)。つづいて第mレ
ベルの画像p(m,0)、p(m,1)
(m,2 、p(m,3)から特異点フィルタを用い
て特異点を検出し(S101)、それぞれ第m−1レベ
ルの画像p(m−1,0)、p(m−1,1)、p
(m−1 ,2)、p(m−1,3)を生成する(S10
2)。ここではm=nであるため、p(m,0)=p
(m,1)=p(m,2)=p(m,3)=p(n)
あり、ひとつの始点画像から4種類の副画像が生成され
る。
【0107】図9は第mレベルの画像の一部と、第m−
1レベルの画像の一部の対応関係を示している。同図の
数値は各画素の輝度を示す。同図のp(m,s)はp
(m, 0)〜p(m,3)の4つの画像を象徴するもの
で、p(m−1,0)を生成する場合には、p
(m,s)はp(m,0)であると考える。[1.2]
で示した規則により、p(m−1,0)は例えば同図で
輝度を記入したブロックについて、そこに含まれる4画
素のうち「3」、p(m−1,1)は「8」、p
(m−1 ,2)は「6」、p(m−1,3)を「10」
をそれぞれ取得し、このブロックをそれぞれ取得したひ
とつの画素で置き換える。したがって、第m−1レベル
の副画像のサイズは2m−1×2m−1になる。
【0108】つづいてmをデクリメントし(図8のS1
03)、mが負になっていないことを確認し(S10
4)、S101に戻ってつぎに解像度の粗い副画像を生
成していく。この繰り返し処理の結果、m=0、すなわ
ち第0レベルの副画像が生成された時点でS10が終了
する。第0レベルの副画像のサイズは1×1である。
【0109】図10はS10によって生成された始点階
層画像をn=3の場合について例示している。最初の始
点画像のみが4つの系列に共通であり、以降特異点の種
類に応じてそれぞれ独立に副画像が生成されていく。な
お、図8の処理は図7のS11にも共通であり、同様の
手順を経て終点階層画像も生成される。以上で図6のS
1による処理が完了する。
【0110】前提技術では、図6のS2に進むためにマ
ッチング評価の準備をする。図11はその手順を示して
いる。同図のごとく、まず複数の評価式が設定される
(S30)。[1.3.2.1]で導入した画素に関す
るエネルギーC(m,s) と[1.3.2.2]で導
入した写像の滑らかさに関するエネルギーD(m,s)
がそれである。つぎに、これらの評価式を統合して総
合評価式を立てる(S31)。[1.3.2.3]で導
入した総エネルギーλC(m,s) +D(m, s)
がそれであり、[1.3.2.2]で導入したηを用い
れば、 ΣΣ(λC(m,s) (i,j)+ηE (m,s) (i,j)+E (m ,s) (i,j) ) (式52) となる。ただし、総和はi、jについてそれぞれ0、1
…、2−1で計算する。以上でマッチング評価の準備
が整う。
【0111】図12は図6のS2の詳細を示すフローチ
ャートである。[1]で述べたごとく、始点階層画像と
終点階層画像のマッチングは互いに同じ解像度レベルの
画像どうしでとられる。画像間の大域的なマッチングを
良好にとるために、解像度が粗いレベルから順にマッチ
ングを計算する。特異点フィルタを用いて始点階層画像
および終点階層画像を生成しているため、特異点の位置
や輝度は解像度の粗いレベルでも明確に保存されてお
り、大域的なマッチングの結果は従来に比べて非常に優
れたものになる。
【0112】図12のごとく、まず係数パラメータηを
0、レベルパラメータmを0に設定する(S20)。つ
づいて、始点階層画像中の第mレベルの4つの副画像と
終点階層画像中の第mレベルの4つの副画像のそれぞれ
の間でマッチングを計算し、それぞれ全単射条件を満た
し、かつエネルギーを最小にするような4種類の副写像
(m,s)(s=0,1,2,3)を求める(S2
1)。全単射条件は[1.3.3]で述べた相続四辺形
を用いて検査される。この際、式17、18が示すよう
に、第mレベルにおける副写像は第m−1レベルのそれ
らに拘束されるため、より解像度の粗いレベルにおける
マッチングが順次利用されていく。これは異なるレベル
間の垂直的参照である。なお、いまm=0であってそれ
より粗いレベルはないが、この例外的な処理は図13で
後述する。
【0113】一方、同一レベル内における水平的参照も
行われる。[1.3.3]の式20のごとく、f
(m,3)はf(m,2)に、f(m,2)はf
(m,1)に、f (m,1)はf(m,0)に、それぞ
れ類似するように決める。その理由は、特異点の種類が
違っても、それらがもともと同じ始点画像と終点画像に
含まれている以上、副写像がまったく異なるという状況
は不自然だからである。式20からわかるように、副写
像どうしが近いほどエネルギーは小さくなり、マッチン
グが良好とみなされる。
【0114】なお、最初に決めるべきf(m,0)につ
いては同一のレベルで参照できる副写像がないため、式
19に示すごとくひとつ粗いレベルを参照する。ただ
し、実験ではf(m,3)まで求まった後、これを拘束
条件としてf(m,0)を一回更新するという手続をと
った。これは式20にs=4を代入し、f(m,4)
新たなf(m,0)とすることに等しい。f(m,0)
とf(m,3)の関連度が低くなり過ぎる傾向を回避す
るためであり、この措置によって実験結果がより良好に
なった。この措置に加え、実験では[1.7.1]に示
す副写像のシャッフルも行った。これも本来特異点の種
類ごとに決まる副写像どうしの関連度を密接に保つ趣旨
である。また、処理の開始点に依存する偏向を回避する
ために、sの値にしたがって開始点の位置を変える点は
[1.7]で述べたとおりである。
【0115】図13は第0レベルにおいて副写像を決定
する様子を示す図である。第0レベルでは各副画像がた
だひとつの画素で構成されるため、4つの副写像
f(0,s はすべて自動的に単位写像に決まる。図1
4は第1レベルにおいて副写像を決定する様子を示す図
である。第1レベルでは副画像がそれぞれ4画素で構成
される。同図ではこれら4画素が実線で示されている。
いま、p(1,s)の点xの対応点をq(1,s)の中
で探すとき、以下の手順を踏む。
【0116】1.第1レベルの解像度で点xの左上点
a、右上点b、左下点c、右下点dを求める。 2.点a〜dがひとつ粗いレベル、つまり第0レベルに
おいて属する画素を探す。図14の場合、点a〜dはそ
れぞれ画素A〜Dに属する。ただし、画素A〜Cは本来
存在しない仮想的な画素である。 3.第0レベルですでに求まっている画素A〜Dの対応
点A’〜D’をq(1 ,s)の中にプロットする。画素
A’〜C’は仮想的な画素であり、それぞれ画素A〜C
と同じ位置にあるものとする。 4.画素Aの中の点aの対応点a’が画素A’の中にあ
るとみなし、点a’をプロットする。このとき、点aが
画素Aの中で占める位置(この場合、右下)と、点a’
が画素A’の中で占める位置が同じであると仮定する。 5.4と同様の方法で対応点b’〜d’をプロットし、
点a’〜d’で相続四辺形を作る。 6.相続四辺形の中でエネルギーが最小になるよう、点
xの対応点x’を探す。対応点x’の候補として、例え
ば画素の中心が相続四辺形に含まれるものに限定しても
よい。図14の場合、4つの画素がすべて候補になる。
【0117】以上がある点xの対応点の決定手順であ
る。同様の処理を他のすべての点について行い、副写像
を決める。第2レベル以上のレベルでは、次第に相続四
辺形の形が崩れていくと考えられるため、図3に示すよ
うに画素A’〜D’の間隔が空いていく状況が発生す
る。
【0118】こうして、ある第mレベルの4つの副写像
が決まれば、mをインクリメントし(図12のS2
2)、mがnを超えていないことを確かめて(S2
3)、S21に戻る。以下、S21に戻るたびに次第に
細かい解像度のレベルの副写像を求め、最後にS21に
戻ったときに第nレベルの写像f(n)を決める。この
写像はη=0に関して定まったものであるから、f
(n)(η=0)と書く。
【0119】つぎに異なるηに関する写像も求めるべ
く、ηをΔηだけシフトし、mをゼロクリアする(S2
4)。新たなηが所定の探索打切り値ηmaxを超えて
いないことを確認し(S25)、S21に戻り、今回の
ηに関して写像f(n)(η=Δη)を求める。この処
理を繰り返し、S21でf(n)(η=iΔη)(i=
0,1,…)を求めていく。ηがηmaxを超えたとき
S26に進み、後述の方法で最適なη=ηoptを決定
し、f(n)(η=ηopt)を最終的に写像f (n)
とする。
【0120】図15は図12のS21の詳細を示すフロ
ーチャートである。このフローチャートにより、ある定
まったηについて、第mレベルにおける副写像が決ま
る。副写像を決める際、前提技術では副写像ごとに最適
なλを独立して決める。
【0121】同図のごとく、まずsとλをゼロクリアす
る(S210)。つぎに、そのときのλについて(およ
び暗にηについて)エネルギーを最小にする副写像f
(m, s)を求め(S211)、これをf
(m,s)(λ=0)と書く。異なるλに関する写像も
求めるべく、λをΔλだけシフトし、新たなλが所定の
探索打切り値λmaxを超えていないことを確認し(S
213)、S211に戻り、以降の繰り返し処理でf
(m,s)(λ=iΔλ)(i=0,1,…)を求め
る。λがλ maxを超えたときS214に進み、最適な
λ=λoptを決定し、f(m,s (λ=λopt
を最終的に写像f(m,s)とする(S214)。
【0122】つぎに、同一レベルにおける他の副写像を
求めるべく、λをゼロクリアし、sをインクリメントす
る(S215)。sが4を超えていないことを確認し
(S216)、S211に戻る。s=4になれば上述の
ごとくf(m,3)を利用してf(m,0)を更新し、
そのレベルにおける副写像の決定を終了する。
【0123】図16は、あるmとsについてλを変えな
がら求められたf(m,s)(λ=iΔλ)(i=0,
1,…)に対応するエネルギーC(m,s) の挙動を
示す図である。[1.4]で述べたとおり、λが増加す
ると通常C(m,s) は減少する。しかし、λが最適
値を超えるとC(m,s) は増加に転じる。そこで本
前提技術ではC(m,s) が極小値をとるときのλを
λoptと決める。同図のようにλ>λoptの範囲で
再度C(m,s) が小さくなっていっても、その時点
ではすでに写像がくずれていて意味をなさないため、最
初の極小点に注目すればよい。λoptは副写像ごとに
独立して決めていき、最後にf(n)についてもひとつ
定まる。
【0124】一方、図17は、ηを変えながら求められ
たf(n)(η=iΔη)(i=0,1,…)に対応す
るエネルギーC(n) の挙動を示す図である。ここで
もηが増加すると通常C(n) は減少するが、ηが最
適値を超えるとC(n) は増加に転じる。そこでC
(n) が極小値をとるときのηをηoptと決める。
図17は図4の横軸のゼロ付近を拡大した図と考えてよ
い。ηoptが決まればf(n)を最終決定することが
できる。
【0125】以上、本前提技術によれば種々のメリット
が得られる。まずエッジを検出する必要がないため、エ
ッジ検出タイプの従来技術の課題を解消できる。また、
画像に含まれるオブジェクトに対する先験的な知識も不
要であり、対応点の自動検出が実現する。特異点フィル
タによれば、解像度の粗いレベルでも特異点の輝度や位
置を維持することができ、オブジェクト認識、特徴抽
出、画像マッチングに極めて有利である。その結果、人
手作業を大幅に軽減する画像処理システムの構築が可能
となる。
【0126】なお、本前提技術について次のような変形
技術も考えられる。 (1)前提技術では始点階層画像と終点階層画像の間で
マッチングをとる際にパラメータの自動決定を行った
が、この方法は階層画像間ではなく、通常の2枚の画像
間のマッチングをとる場合全般に利用できる。
【0127】たとえば2枚の画像間で、画素の輝度の差
に関するエネルギーEと画素の位置的なずれに関する
エネルギーEのふたつを評価式とし、これらの線形和
ot=αE+Eを総合評価式とする。この総合
評価式の極値付近に注目してαを自動決定する。つま
り、いろいろなαについてEtotが最小になるような
写像を求める。それらの写像のうち、αに関してE
極小値をとるときのαを最適パラメータと決める。その
パラメータに対応する写像を最終的に両画像間の最適マ
ッチングとみなす。
【0128】これ以外にも評価式の設定にはいろいろな
方法があり、例えば1/Eと1/Eのように、評価
結果が良好なほど大きな値をとるものを採用してもよ
い。総合評価式も必ずしも線形和である必要はなく、n
乗和(n=2、1/2、−1、−2など)、多項式、任
意の関数などを適宜選択すればよい。
【0129】パラメータも、αのみ、前提技術のごとく
ηとλのふたつの場合、それ以上の場合など、いずれで
もよい。パラメータが3以上の場合はひとつずつ変化さ
せて決めていく。
【0130】(2)本前提技術では、総合評価式の値が
最小になるよう写像を決めた後、総合評価式を構成する
ひとつの評価式であるC(m,s) が極小になる点を
検出してパラメータを決定した。しかし、こうした二段
回処理の代わりに、状況によっては単に総合評価式の最
小値が最小になるようにパラメータを決めても効果的で
ある。その場合、例えばαE+βEを総合評価式と
し、α+β=1なる拘束条件を設けて各評価式を平等に
扱うなどの措置を講じてもよい。パラメータの自動決定
の本質は、エネルギーが最小になるようにパラメータを
決めていく点にあるからである。
【0131】(3)前提技術では各解像度レベルで4種
類の特異点に関する4種類の副画像を生成した。しか
し、当然4種類のうち1、2、3種類を選択的に用いて
もよい。例えば、画像中に明るい点がひとつだけ存在す
る状態であれば、極大点に関するf(m,3)だけで階
層画像を生成しても相応の効果が得られるはずである。
その場合、同一レベルで異なる副写像は不要になるた
め、sに関する計算量が減る効果がある。
【0132】(4)本前提技術では特異点フィルタによ
ってレベルがひとつ進むと画素が1/4になった。例え
ば3×3で1ブロックとし、その中で特異点を探す構成
も可能であり、その場合、レベルがひとつ進むと画素は
1/9になる。
【0133】(5)始点画像と終点画像がカラーの場
合、それらをまず白黒画像に変換し、写像を計算する。
その結果求められた写像を用いて始点のカラー画像を変
換する。それ以外の方法として、RGBの各成分につい
て副写像を計算してもよい。
【0134】[画像符号化および復号に関する実施の形
態]前提技術ではキーフレーム間のマッチングをとって
対応点情報を生成し、この対応点情報をもとに中間フレ
ームを生成した。したがって、この技術は動画の圧縮に
利用でき、現実に実験ではMPEGを超える画質と圧縮
率の両立が確認されはじめている。また、キーフレーム
とその対応点情報を元に、キーフレーム間の中間フレー
ムを精度良く生成できるので、複数の静止画像から滑ら
かな動画を生成するのに利用できる。本実施の形態で
は、ネットワークを介して音声データと共に画像データ
を送受信する端末間で、画像データの通信量を減らして
も受信側で滑らかな動画像を再生可能とする技術を説明
する。以下、前提技術を利用した画像符号化および復号
技術を説明する。
【0135】<符号化側(送信側)>図18は、本発明
の実施の形態に係る画像符号化装置10の構成を示す図
である。画像符号化装置10は、テレビ電話やテレビ会
議などにおける送信側の端末である。画像符号化装置1
0は、画像入力部12、画像保持部14、音声入力部1
6、音声認識部18、配列部20、プロセッサ22、ス
トリーム生成部24、および通信部26を有する。
【0136】画像入力部12は、人が言葉を発声すると
きの表情を示す画像を各音ごとにキーフレームKFとし
て取得する。画像入力部12は、各音ごとに静止画像と
してキーフレームKFを取得してもよく、動画像を取得
してその中からキーフレームKFを決定する機能を有し
てもよい。また、このときの画像はユーザの実際の画像
でなく、キャラクタの画像であってもよい。
【0137】画像保持部14は、画像入力部12により
取得されたキーフレームKFを各音に対応づけて保持す
る。また画像保持部14は、異なる音であってもそれら
の音を発声するときの表情が類似する場合、それらの音
をグループ化して同一のキーフレームKFに対応づけて
保持してもよい。
【0138】このグループ化を行うひとつの方法とし
て、発声したときに類似した表情になるであろう音を予
めグループ化しておき、画像入力部12にグループごと
にひとつの表情の画像を取得させてもよい。また別の方
法として、取得された画像の類似度を判定する手段を設
け、類似すると判定されたものをグループ化して保持し
てもよい。
【0139】音声入力部16は音声データSを入力す
る。音声認識部18は音声データSに含まれる各音を認
識する既知の音声認識手段である。音声認識部18はさ
らに、音声データSにおいて各音が発声されたタイミン
グを検知する手段を有する。ここでいうタイミングと
は、例えば各音が発声された時間間隔である。音声認識
部18は、さらにタイミングに応じてキーフレームKF
間に人工的に生成すべき中間フレームの枚数Niを特定
する手段を有する。
【0140】配列部20は、キーフレームKFを認識さ
れた各音の順に配列する。プロセッサ22は前提技術に
基づき、または別の任意の技術に基づき、特異点その他
をもとに画素単位でふたつのキーフレームKF間のマッ
チングをとる。これによりプロセッサ22は、配列され
たキーフレームKF間の対応点情報Cを生成する。ただ
し、プロセッサ22をなくし、対応点情報C自体を別の
個所から取得してストリーム生成部24へ投入する構成
であってもよい。
【0141】ストリーム生成部24は、配列されたキー
フレームKF、対応点情報C、各キーフレームKF間に
生成すべき中間フレームの枚数Niをもとに符号化デー
タストリームCIを生成する。通信部26は、符号化デ
ータストリームCIを、音声データと共に図示しないネ
ットワークを介して、後述する画像復号装置50へ出力
する。
【0142】以上の構成による符号化の手順を示す。ま
ず、ストレージやカメラから画像入力部12を介してキ
ーフレームKFが入力される。画像符号化装置10は、
ユーザにキーフレームKFを入力させるための指示を行
う。例えば、「「あ」と発声してください。」という表
示をしてユーザが「あ」という音を発声するときの表情
を示す画像を取得する。このとき、画像符号化装置10
は、ユーザの音声情報を同時に取得してもよい。その場
合、音声認識部18は、ユーザ自身の音声情報を基準に
して音声データSに含まれる音の認識を行えるので、認
識精度を上げることができる。
【0143】図19は、画像保持部14の内部構成を示
す図である。画像保持部14は、フレーム番号欄、キー
フレーム欄および音欄を有する。ユーザが各音を発声す
るときの表情を示す画像であるキーフレームKFは、そ
のフレーム番号と音とに対応づけて保持される。例え
ば、フレーム番号A1のキーフレームKFはユーザが
「あ」と発声したときの表情を示す画像である。本実施
の形態では各音ごとにキーフレームを対応付けている
が、例えばユーザが「い」と発声したときと「し」と発
声したときの表情が類似している場合、フレーム番号B
1のキーフレームに「し」の音をも対応づけて保持して
よい。このようにグループ化することにより、必要なキ
ーフレームKFの数を減らすことができるので、通信量
をさらに少なくすることができる。
【0144】以上のキーフレームKFの取得および保持
は、音声データSの入力に先立ち予め処理される。次
に、音声データSの入力を説明する。音声データSは、
ユーザが画像復号装置50のユーザへ電話をするときに
入力されてよい。
【0145】音声入力部16は、ユーザが発した音声を
音声データSとして入力する。例えばユーザが「もしも
し」と発声すると、音声認識部18はこの音声データS
に「も、し、も、し」という音が含まれることを認識す
る。この場合のように、同じ音が重複する場合、配列部
20はキーフレームKF自体を配列するのではなく、各
キーフレームKFのフレーム番号を配列する。
【0146】また、音声認識部18は、音声データSに
含まれる各音が発生された時間間隔に応じて、隣接する
キーフレームKF間に生成すべき中間フレームの枚数N
iを算出する。隣接するキーフレームKF間の時間間隔
をΔT、表示装置の毎秒の表示フレーム数をnとすれ
ば、生成すべき中間フレームの枚数Niは、Ni=nΔ
Tとなる。
【0147】ストリーム生成部24には、配列部20か
らキーフレームKFおよびフレーム番号の配列が、プロ
セッサ22からキーフレームKF間の対応点情報Cが、
音声認識部18から中間フレームの枚数Niが入力され
る。ストリーム生成部24はこれらのデータを適当な順
番で組み込み、符号化データストリームCIを生成す
る。
【0148】図20は、ストリーム生成部24によって
生成された符号化データストリームCIの構成を示す図
である。符号化データストリームCIは、「も」を発声
したときのキーフレームKF(E7)、「し」を発声し
たときのキーフレームKF(B3)、これらのキーフレ
ームKF間の対応点情報Cおよびフレーム番号の配列を
示す配列情報Hを含む。
【0149】図21は、配列情報Hのフォーマットを示
す。配列は「E7、B3、E7、B3」の順となる。ま
た、各フレーム番号の間にはその間に挿入すべき中間フ
レームの枚数Niが含まれる。
【0150】通信部26は、音声入力部16から音声デ
ータSを、ストリーム生成部24から符号化データスト
リームCIを受取り、画像復号装置50に送信する。以
上が符号化側の処理である。画像符号化装置10によれ
ば、復号側で容易に再生可能な動画像を提供できる。
【0151】<復号側(受信側置)>図22は、本発明
の実施の形態に係る画像復号装置50の構成を示す図で
ある。画像復号装置50は、テレビ電話やテレビ会議な
どにおける受信側の端末である。画像復号装置50は、
通信部52、ストリーム入力部54、ストリーム分別部
56、音声入力部58、同期調整部60、中間画像生成
部62、画像出力部64、および音声出力部66を有す
る。
【0152】通信部52は、ネットワークを介して画像
符号化装置10からデータを受取る。ストリーム入力部
54は、符号化データストリームCIを取得する。スト
リーム分別部56は、入力した符号化データストリーム
CIをその構成要素へ分解して、そのデータストリーム
CIに含まれるキーフレームKF、フレーム番号の配列
情報H、キーフレームKF間の対応点情報Cおよび中間
フレームの枚数Niを検出する。音声入力部58は、音
声データSを取得する。
【0153】中間画像生成部62は、ストリーム分別部
56からキーフレームKF、配列情報H、対応点情報C
および中間フレームの枚数Niを受取り、前提技術で示
した補間処理によって各キーフレームKF間にNi枚の
中間フレームを生成する。
【0154】同期調整部60は、音声データSにおける
各音の出力タイミングに同期して各キーフレームKFが
出力されるように、音声データSおよび動画像の再生の
同期を調整する。音声出力部66は音声データSを出力
する。画像出力部64はキーフレームKFおよび中間フ
レームを動画として出力する。
【0155】以上、実施の形態をもとに本発明を説明し
た。なお本発明はこの実施の形態に限定されることな
く、そのさまざまな変形例もまた、本発明の態様として
有効である。
【0156】例えば、実施の形態では予めキーフレーム
KFを登録しておき、音声認識技術を用いて、入力され
た音声データSに含まれる各音に対応するキーフレーム
KFを取り出して符号化データストリームCIを生成し
ていたが、音声データSの入力と同時に所定のタイミン
グで順次キーフレームKFを取得してもよい。この場
合、キーフレームKFの取得は音声データSの入力と略
リアルタイムで行われてよい。このようにすれば、音声
認識を行う必要がないので、処理がより簡潔になる。
【0157】以下に、図18および図22を用いてこの
例を説明する。画像入力部12にはキーフレームKF
が、音声入力部16には音声データSが略リアルタイム
に入力される。プロセッサ22は、入力されたキーフレ
ームKF間の対応点情報Cを順次生成する。ストリーム
生成部24は、キーフレームKFおよび対応点情報Cを
含む形式にて符号化データストリームCIを生成する。
【0158】画像入力部12は、入力画像の変化を検知
する手段を有してもよく、話をしている人の表情が変化
するタイミングでキーフレームKFを取得してよい。ま
た、画像符号化装置10は、その人が異なる音を発声す
るタイミングを検知する手段を有してもよく、そのタイ
ミングでキーフレームKFを取得してもよい。
【0159】画像復号装置50は、以上のようにして生
成された符号化データストリームCIに基づき、各キー
フレームKF間の中間フレームを生成しつつ、音声デー
タSの出力タイミングに同期させてキーフレームKFお
よび中間フレームを動画として出力する。
【0160】また、本実施の形態にでは、配列部20に
よりキーフレームKFを配列した後に各フレーム間の対
応点情報Cを生成したが、予め全てのキーフレーム間の
対応点情報Cを生成して画像保持部14に保持してお
き、必要に応じて取り出すようにしてもよい。このよう
にすれば、対応点情報を毎回生成する必要がなくなり、
音声データSの入力に対して効率よく符号化ストリーム
CIを生成することができる。
【0161】また、図23に示すように画像復号装置5
0に、画像符号化装置10から送信されたキーフレーム
KFを各音に対応づけて保存するキーフレーム保存部7
4と、中間画像を生成する際にキーフレーム保存部74
からキーフレームKFを選択する画像選択部72とを設
けてもよい。さらに、画像復号装置50に、画像符号化
装置10に対して取得済みのキーフレームKFを通知
し、未取得のキーフレームKFのみを送信するように促
す判断部76を設けてもよい。この判断部76は画像符
号化装置10に設けられてもよく、未送信のキーフレー
ムKFのみが画像復号装置50に送信されようにしても
よい。このようにすると、既に全てのキーフレームKF
がキーフレーム保存部74に保存されている場合、画像
符号化装置10から配列情報Hを送信するだけで、キー
フレーム保存部74に保存されたキーフレームKFを用
いて動画を再生することができる。
【0162】また、画像復号装置50にキャラクタの画
像をキーフレームとして保存させておき、送信側からは
音声データSと配列情報Hを送信し、音声と同期させて
そのキャラクタの動画を出力させてもよい。
【0163】また、本実施の形態では画像復号装置50
は、音声データSと同時に配列情報Hを受取る構成とし
たが、これに限らず、音声データSのみを受け取り、画
像復号装置50側に音声認識機能を設け、あらかじめ画
像復号装置50に保存してあるキーフレームKFから動
画を生成し音声に同期させて出力してもよい。これによ
り、送信側に画像を送信する画像符号化機能がない場
合、または送信側から画像が送られない場合でも、動画
を利用した通話が実現できる。
【0164】図24はこれを実現するための画像復号装
置50の変形例の構成を示す図である。以下、図22と
同様の構成には同じ符号を与え、適宜その説明を略す。
図24における新たな構成は、画像復号装置50が、ス
トリーム入力部54およびストリーム分別部56に代え
て、画像入力部12、音声認識部18、キーフレーム保
存部74、画像選択部72、および特定部70を有する
点にある。
【0165】画像入力部12は、音声に対応づけられた
画像をキーフレームKF群として取得しておく。これ
は、前述のキャラクタの画像でもよいし、俳優の画像な
どでもよい。キーフレーム保存部74は、取得したキー
フレームKF群をその送信者に対応づけて保存する。特
定部70は、例えば送信者側から電話があったときに、
送信者を特定して画像選択部72に通知する。画像選択
部72は、その送信者に対応づけられたキーフレームK
F群をキーフレーム保存部74から選択する。
【0166】キーフレーム保存部74は、例えば送信者
の電話番号に対応づけてキーフレームKFを保存してよ
い。この場合、特定部70は、発信者番号通知機能など
により送信者の電話番号を特定する。これにより、画像
出力部64は、その送信者に対応づけられているキーフ
レームKFに基づき動画を出力することができる。また
この手法は、通話中はもちろん、着信合図にも使用でき
る。例えば、画像復号装置50は送信者側からの電話を
受け、「Aさんより着信です」などの音声とともに動画
を生成および表示してもよい。
【0167】音声認識部18は音声データSに含まれる
音を認識し、画像選択部72は、同期調整部60の指示
に基づき、その音に対応するキーフレームKFをキーフ
レーム保存部74のその送信者に対応付けられたキーフ
レームKF群から取得する。中間画像生成部62は、取
得されたキーフレームKFをもとに中間画像を生成し、
画像出力部64は動画を出力する。その際、同期調整部
60は出力すべき音声との同期を取る。
【0168】またここで、音声入力部58に入力される
データは音声データとしているが、これは音声に変換可
能なデータであればよく、例えば電子メールなどで受取
るテキストデータであってもよい。
【0169】また、画像符号化装置10の機能をネット
ワーク上のサーバに設け、従来の送信端末から入力され
た音声データSをもとに、受信端末側で動画像を表示さ
せるようにしてもよい。
【0170】図25は通信端末120およびキーフレー
ム提供サーバ110が接続されたネットワークシステム
180の構成を示す図である。キーフレーム提供サーバ
110は、画像符号化装置10の機能を有する。通信端
末120は画像復号装置50を含む。通信端末120の
ユーザは、音声に同期させて動画を表示する場合、その
動画を生成するために必要なキーフレームKFをキーフ
レーム提供サーバ110よりあらかじめ取得して保存し
ておく。ここで、キーフレームKFとして使用される画
像は、送信者から電子メールの添付ファイルとして取得
されてもよいし、メモリカードのような記録媒体から取
得されてもよい。
【0171】以上の説明において、画像復号装置50と
それを含む通信端末120は区別しない。また通信端末
120は画像符号化装置10の機能を有したものでもよ
い。
【0172】本実施の形態では、静止画をキーフレーム
KFとして保存し適宜動画を生成したが、これに限らず
動画を保存して利用してもよい。特に頻出する単語、さ
らには文章、例えば「こんにちは」などの挨拶や固有名
詞などの動画が保存されてもよい。これは特にテキスト
データに動画を同期させる場合有効である。
【0173】また、実施の形態では前提技術のマッチン
グ技術を利用したが、これはオプティカルフローやブロ
ックマッチングなど、既存の技術を利用してもよい。
【0174】明記しなかったが、画像符号化装置10の
音声入力部16は例えばMPEGレイヤ3などの手法で
音声の圧縮符号化を行い、圧縮された音声データを画像
復号装置50に送信してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1(a)とは図1(b)は、ふたりの人物
の顔に平均化フィルタを施して得られる画像、図1
(c)と図1(d)は、ふたりの人物の顔に関して前提
技術で求められるp(5,0)の画像、図1(e)と図
1(f)は、ふたりの人物の顔に関して前提技術で求め
られるp(5,1)の画像、図1(g)と図1(h)
は、ふたりの人物の顔に関して前提技術で求められるp
(5,2)の画像、図1(i)と図1(j)は、ふたり
の人物の顔に関して前提技術で求められるp(5,3)
の画像をそれぞれディスプレイ上に表示した中間調画像
の写真である。
【図2】 図2(R)はもとの四辺形を示す図、図2
(A)、図2(B)、図2(C)、図2(D)、図2
(E)はそれぞれ相続四辺形を示す図である。
【図3】 始点画像と終点画像の関係、および第mレベ
ルと第m−1レベルの関係を相続四辺形を用いて示す図
である。
【図4】 パラメータηとエネルギーCの関係を示す
図である。
【図5】 図5(a)、図5(b)は、ある点に関する
写像が全単射条件を満たすか否かを外積計算から求める
様子を示す図である。
【図6】 前提技術の全体手順を示すフローチャートで
ある。
【図7】 図6のS1の詳細を示すフローチャートであ
る。
【図8】 図7のS10の詳細を示すフローチャートで
ある。
【図9】 第mレベルの画像の一部と、第m−1レベル
の画像の一部の対応関係を示す図である。
【図10】 前提技術で生成された始点階層画像を示す
図である。
【図11】 図6のS2に進む前に、マッチング評価の
準備の手順を示す図である。
【図12】 図6のS2の詳細を示すフローチャートで
ある。
【図13】 第0レベルにおいて副写像を決定する様子
を示す図である。
【図14】 第1レベルにおいて副写像を決定する様子
を示す図である。
【図15】 図12のS21の詳細を示すフローチャー
トである。
【図16】 あるf(m,s)についてλを変えながら
求められたf(m, s)(λ=iΔλ)に対応するエネ
ルギーC(m,s) の挙動を示す図である。
【図17】 ηを変えながら求められたf(n)(η=
iΔη)(i=0,1,…)に対応するエネルギーC
(n) の挙動を示す図である。
【図18】 本発明の実施の形態に係る画像符号化装置
の構成を示す図である。
【図19】 画像保持部の内部構成を示す図である。
【図20】 ストリーム生成部によって生成された符号
化データストリームの構成を示す図である。
【図21】 配列情報のフォーマットを示す。
【図22】 本発明の実施の形態に係る画像復号装置の
構成を示す図である。
【図23】 本発明の実施の形態に係る画像復号装置の
変形例の構成を示す図である。
【図24】 本発明の実施の形態に係る画像復号装置の
変形例の構成を示す図である。
【図25】 本発明の実施の形態に係る通信端末とキー
フレーム提供サーバが接続されたネットワークシステム
を示す図である。
【符号の説明】
10 画像符号化装置、 12 画像入力部、 14
画像保持部、 16音声入力部、 18 音声認識部、
20 配列部、 22 プロセッサ、 24 ストリ
ーム生成部、 26 通信部、 50 画像復号装置、
52 通信部、 54 ストリーム入力部、 56
ストリーム分別部、 58 音声入力部、 60 同期
調整部、 62 中間画像生成部、 64 画像出力
部、 70 特定部、 72 画像選択部、 74 キ
ーフレーム保存部、 76 判断部、 110 キーフ
レーム提供サーバ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5C059 KK22 KK23 LB13 RA04 RA08 RB06 RB16 RC12 RC32 SS10 TA08 TB00 TB01 TC42 TC43 UA02 UA05 UA11 UA34 UA39 5D015 LL05

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 音声データを取得する工程と、 前記音声データに含まれる各音を認識する工程と、 認識された前記各音の順となるように、前記各音に対応
    付けられた、人が言葉を発声するときの表情を示すキー
    フレームの配列を決定する工程と、 決定された前記配列において、隣接するキーフレーム間
    の対応点情報を取得する工程と、 前記キーフレームおよび前記対応点情報に基づき各キー
    フレーム間の中間フレームを生成しつつ、前記キーフレ
    ームおよび前記中間フレームを動画として出力する工程
    とを含むことを特徴とする画像処理方法。
  2. 【請求項2】 前記出力する工程は、前記動画と共に前
    記音声データを出力することを特徴とする請求項1に記
    載の方法。
  3. 【請求項3】 前記出力する工程は、前記音声データに
    おいて各音が発声されるタイミングで前記キーフレーム
    を出力することを特徴とする請求項1または2に記載の
    方法。
  4. 【請求項4】 前記対応点情報を前記キーフレーム間に
    おけるマッチングをもとに生成する工程をさらに含む請
    求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 音声データを取得する工程と、 前記音声データに含まれる各音を認識する工程と、 認識された前記各音の順となるように、前記各音に対応
    付けられた、人が言葉を発声するときの表情を示すキー
    フレームの配列を決定する工程と、 決定された前記配列において、隣接するキーフレーム間
    の対応点情報を取得する工程と、 前記キーフレームおよび前記対応点情報を含む形式にて
    符号化データストリームを生成する工程とを含むことを
    特徴とする画像符号化方法。
  6. 【請求項6】 前記音声データにおいて各音が発声され
    たタイミングを検知する工程をさらに含み、 前記符号化データストリームを生成する工程は、検知さ
    れた前記タイミングをも含む形で前記符号化データを生
    成することを特徴とする請求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記音声データにおいて各音が発声され
    たタイミングを検知する工程と、 前記タイミングに応じて前記キーフレーム間に人工的に
    生成すべき中間フレームの枚数を特定する工程とをさら
    に含み、 前記符号化データストリームを生成する工程は、特定さ
    れた前記枚数をも含む形で前記符号化データを生成する
    ことを特徴とする請求項6に記載の方法。
  8. 【請求項8】 音声データを取得する工程と、 前記音声データに含まれる各音を発声するときの表情を
    示すキーフレームを含む符号化データストリームを取得
    する工程と、 そのデータストリームに含まれるキーフレームおよびキ
    ーフレーム間の対応点情報を検出する工程と、 前記音声データにおける各音の出力タイミングに同期し
    て各キーフレームが出力されるように、検出されたキー
    フレームと対応点情報に基づき各キーフレーム間の中間
    フレームを生成しつつ、前記キーフレームおよび前記中
    間フレームを動画として出力する工程とを含むことを特
    徴とする画像復号方法。
  9. 【請求項9】 各キーフレーム間における前記中間フレ
    ームの生成枚数は、前記音声データにおける各音の出力
    タイミングにしたがって制御されることを特徴とする請
    求項8に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記符号化データストリームを取得す
    る工程は、キーフレームを出力すべき配列を示す情報と
    その配列に含まれるキーフレームとをそれぞれ取得し、 前記出力する工程は、前記配列を示す情報に基づいて前
    記キーフレームを配列する工程をさらに含むことを特徴
    とする請求項8に記載の方法。
  11. 【請求項11】 人が言葉を発声するときの表情を示す
    画像を各音ごとにキーフレームとして取得する画像入力
    部と、 音声データを取得する音声入力部と、 前記音声データに含まれる各音を認識する音声認識部
    と、 認識された前記各音の順となるように、前記キーフレー
    ムの配列を決定する配列部と、 決定された前記配列において、隣接するキーフレーム間
    の対応点情報を取得する対応点取得部と、 認識された前記各音に対応するキーフレームおよび前記
    対応点情報を含む形式にて符号化データストリームを生
    成する生成部とを含むことを特徴とする画像符号化装
    置。
  12. 【請求項12】 前記対応点取得部は、前記対応点情報
    を生成するプロセッサであることを特徴とする請求項1
    1に記載の装置。
  13. 【請求項13】 前記プロセッサは、前記キーフレーム
    間において特異点に注目したマッチングをもとに前記対
    応点情報を生成する請求項11に記載の装置。
  14. 【請求項14】 異なる音であっても、それらの音を発
    声するときの表情が類似する場合、それらの音を同一の
    キーフレームに対応づけて保持する保持部をさらに含む
    ことを特徴とする請求項11から13のいずれかに記載
    の装置。
  15. 【請求項15】 音声データを取得する音声入力部と、 前記音声データに含まれる各音を発声するときの表情を
    示すキーフレームを含む符号化データストリームを取得
    する取得部と、 そのデータストリームに含まれるキーフレームおよびキ
    ーフレーム間の対応点情報を検出する検出部と、 前記キーフレームと前記対応点情報をもとに補間により
    中間フレームを生成する生成部と、 前記音声データを出力する音声出力部と、 前記音声データにおける各音の出力タイミングに同期し
    て各キーフレームが出力されるように、前記キーフレー
    ムおよび前記中間フレームを動画として出力する画像出
    力部とを含むことを特徴とする画像復号装置。
  16. 【請求項16】 前記対応点情報は、前記キーフレーム
    の特異点を基礎として検出されたものである請求項15
    に記載の装置。
  17. 【請求項17】 前記対応点情報は、前記キーフレーム
    間で画素を単位として記述されている請求項15に記載
    の装置。
  18. 【請求項18】 言葉を発声している人の画像を所定の
    タイミングでキーフレームとして取得し、隣接するキー
    フレーム間の対応点情報を取得して、前記キーフレー
    ム、前記対応点情報および前記タイミングに関する情報
    を含む形式にて符号化データストリームを生成すること
    を特徴とする画像符号化方法。
  19. 【請求項19】 音声データを取得する工程と、 所定のタイミングで取得された話をしている人の画像を
    キーフレームとして含む符号化データストリームを取得
    する工程と、 そのデータストリームに含まれるキーフレームおよびキ
    ーフレーム間の対応点情報を検出する工程と、 検出されたキーフレームと対応点情報に基づき各キーフ
    レーム間の中間フレームを生成しつつ、前記音声データ
    の出力タイミングに同期させて前記キーフレームおよび
    前記中間フレームを動画として出力する工程とを含むこ
    とを特徴とする画像復号方法。
  20. 【請求項20】 人の発声に含まれる各音に対応する表
    情の画像をキーフレームとして取得し、前記各音の順に
    キーフレームを配置するとともに隣接しあうキーフレー
    ム間は補間による中間フレームを挿入して出力すること
    を特徴とする画像処理方法。
  21. 【請求項21】 取得した音声データに含まれる各音を
    認識する処理と、 認識された前記各音の順となるように、前記各音に対応
    付けられた、人が言葉を発声するときの表情を示すキー
    フレームの配列を決定する処理と、 決定された前記配列において、隣接するキーフレーム間
    の対応点情報を取得する処理と、 前記キーフレームおよび前記対応点情報を含む形式にて
    符号化データストリームを生成する処理とをコンピュー
    タに実行せしめることを特徴とするコンピュータプログ
    ラム。
  22. 【請求項22】 取得した音声データに含まれる各音を
    発声するときの表情を示すキーフレームを含む符号化デ
    ータストリームを取得する処理と、 そのデータストリームに含まれるキーフレームおよびキ
    ーフレーム間の対応点情報を検出する処理と、 前記音声データにおける各音の出力タイミングに同期し
    て各キーフレームが出力されるように、検出されたキー
    フレームと対応点情報に基づき各キーフレーム間の中間
    フレームを生成しつつ、前記キーフレームおよび前記中
    間フレームを動画として出力する処理とをコンピュータ
    に実行せしめることを特徴とするコンピュータプログラ
    ム。
  23. 【請求項23】 人の発声に含まれる各音に対応する表
    情の画像をキーフレームとして取得し、前記各音の順に
    キーフレームを配置するとともに隣接しあうキーフレー
    ム間は補間による中間フレームを挿入して出力する処理
    をコンピュータに実行せしめることを特徴とするコンピ
    ュータプログラム。
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