JP2003151552A - 非水電解質二次電池用正極及びそれを用いた非水電解質二次電池 - Google Patents

非水電解質二次電池用正極及びそれを用いた非水電解質二次電池

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JP2003151552A
JP2003151552A JP2001352154A JP2001352154A JP2003151552A JP 2003151552 A JP2003151552 A JP 2003151552A JP 2001352154 A JP2001352154 A JP 2001352154A JP 2001352154 A JP2001352154 A JP 2001352154A JP 2003151552 A JP2003151552 A JP 2003151552A
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electrode active
aqueous electrolyte
electrolyte secondary
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Junichi Toriyama
順一 鳥山
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Japan Storage Battery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高いエネルギー密度、優れた重負荷特性、及
び優れた低温特性を持つ正極及びそれを用いた非水電解
質二次電池を提供する。 【解決手段】 正極集電体13の両側に、LiX Mn
2-Y Y 4 (0.95≦x≦1.25、0.01≦y
≦0.20、Mは、Ti,Cr,Fe,Co,Ni,Z
n,Alの中から選んだ少なくとも1種以上の金属)を
含有する正極活物質層15,16を配した正極3におい
て、正極集電体13の厚さT1と、正極活物質層15,
16の厚さの合計(T2+T3)とが、2.0≦(T2
+T3)/T1、且つ(T2+T3)≦200μmの関
係を満たすとともに、正極活物質層15,16の密度が
2.80〜3.50g/cmであることを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非水電解質二次電
池用正極及びそれを用いた非水電解質二次電池に関す
る。
【0002】
【従来の技術】非水電解質二次電池は従来の電池と比較
して高エネルギー密度、長寿命であり、例えば、携帯電
話、ノート型パソコンなどの電源として用いられてい
る。
【0003】このような非水電解質二次電池では、例え
ば、負極活物質に炭素質材料、正極活物質にリチウム遷
移金属複合酸化物、電解質にリチウム塩を支持塩とする
非水電解質が用いられているが、特に正極活物質は非水
電解質二次電池の放電容量、放電電圧、サイクル寿命特
性、安全性などの性能を決定する重要な構成要素であ
る。
【0004】ところで、現在市販されている小型非水電
解質二次電池では、正極活物質として層状岩塩型構造を
有するコバルト酸リチウムが用いられているが、原材料
となるコバルトは希少金属で価格が不安定であり、ま
た、過充電時などの電池安全性の課題が多い。これに対
し、リチウムマンガン複合酸化物は、原材料となるマン
ガンの埋蔵量が多く、高温時の熱安定性も優れているた
め、電池コスト、電池安全性において他の複合酸化物よ
りも有利な正極活物質であり、その実用化のための研究
が盛んに行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、リチウ
ムマンガン複合酸化物は、スピネル構造の活物質であ
り、リチウムイオン拡散係数は、層状構造の活物質の1
/10〜1/100程度と著しく小さいことが知られて
いる。
【0006】従って、重負荷特性、及び低温特性は必ず
しも十分とは言えず、重負荷特性、及び低温特性の向上
が切望されていた。また、エネルギー密度の向上も望ま
れている。
【0007】本発明は上記のような事情に基づいて完成
されたものであって、リチウムマンガン複合酸化物を正
極活物質に含有するものにおいて、高いエネルギー密
度、優れた重負荷特性、及び優れた低温特性を持つ正
極、及び、これを用いた非水電解質二次電池に関する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、かかる問
題点を解決し得る正極、及び、これを用いた非水電解質
二次電池を開発すべく鋭意研究を重ねた。その結果、帯
状の正極集電体の両側に、LiX Mn2-Y Y
4 (0.95 ≦x≦1.25、0.01≦y≦0.2
0、Mは、Ti,Cr,Fe,Co,Ni,Zn,Al
の中から選んだ少なくとも1種以上の金属)を含有する
帯状の正極活物質層を配した正極において、正極集電体
の厚さT1と、正極活物質層の厚さの合計(T2+T
3)とが、2.0≦(T2+T3)/T1、且つ(T2
+T3)≦200μmの関係を満たすとともに、正極活
物質層の密度が2.80〜3.50g/cmであるこ
とを特徴とする非水電解質二次電池用正極とすることに
より、高いエネルギー密度、優れた重負荷特性、及び優
れた低温特性を持つ非水電解質二次電池が得られること
を見い出し、本発明を完成するに至った。
【0009】即ち、請求項1の発明は、帯状の正極集電
体の両側に、LiX Mn2-Y Y 4 (0.95 ≦x
≦1.25、0.01≦y≦0.20、Mは、Ti,C
r,Fe,Co,Ni,Zn,Alの中から選んだ少な
くとも1種以上の金属)を含有する帯状の正極活物質層
を配した正極において、前記正極集電体の厚さT1と、
前記正極活物質層の厚さの合計(T2+T3)とが、
2.0≦(T2+T3)/T1、且つ(T2+T3)≦
200μmの関係を満たすとともに、前記正極活物質層
の密度が2.80〜3.50g/cmであることを特
徴とする非水電解質二次電池用正極とした。請求項2の
発明は、帯状の正極集電体の両側に、LiX Mn2-Y
Y 4 (0.95 ≦x≦1.25、0.01≦y≦
0.20、Mは、Ti,Cr,Fe,Co,Ni,Z
n,Alの中から選んだ少なくとも1種以上の金属)を
含有する帯状の正極活物質層を配した正極と、帯状の負
極集電体に負極活物質層を備えた負極と、非水電解質と
を備える非水電解質二次電池において、前記正極集電体
の厚さT1と、前記正極活物質層の厚さの合計(T2+
T3)が、2.0≦(T2+T3)/T1、且つ(T2
+T3)≦200μmの関係を満たすとともに、前記正
極活物質層の密度が2.80〜3.50g/cmであ
ることを特徴とする非水電解質二次電池とした。
【0010】なお、本発明において正極活物質層の密度
とは、正極作製後のものでの密度とする。また、密度の
測定方法は、次のようにして行われる。すなわち、作製
した正極を適当な大きさに切り出し、厚みを測定して体
積を算出する。次に比重ビンに正極板を入れて、ヘキサ
ン等の溶媒を使って全体の比重を算出する。そして、集
電体であるアルミ等の分を差し引いて、正極活物質層の
密度を算出する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態につい
て、図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の一実
施形態にかかる角形非水電解質二次電池1の概略断面図
である。この角形非水電解質二次電池1は、正極3と、
負極4とがセパレータ5を介して巻回された扁平巻状電
極群2と、電解質塩を含有した図示しない非水電解液と
を電池ケース6に収納してなるものである。
【0012】そして、電池ケース6には、安全弁8を設
けた電池蓋7がレーザー溶接によって取り付けられ、正
極端子10は正極リード11を介して正極3と接続さ
れ、負極4は電池ケース6の内壁と接触により電気的に
接続されている。
【0013】そして、正極3は、図2に示すように例え
ばアルミニウム、ニッケル、又はステンレス製の正極集
電体13の両面にリチウムイオンを吸蔵・放出する物質
を構成要素とする正極合剤からなる正極活物質層15,
16を設けた構造となっている。この正極活物質層1
5,16は、正極活物質として、LiX Mn2-Y Y
4 (0.95 ≦x≦1.25、0.01≦y≦0.2
0、Mは、Ti,Cr,Fe,Co,Ni,Zn,Al
の中から選んだ少なくとも1種以上の金属)を含有す
る。このようなリチウムマンガン複合酸化物では、スピ
ネル構造をとっており、理想的にはリチウムイオンが4
配位8a位置、マンガンイオンが6配位16d位置に存
在する。リチウムイオンはマンガン酸素八面体で構成さ
れた拡散経路を通じて移動することが可能であり、この
特徴からスピネル構造型リチウムマンガン複合酸化物は
非水電解質電池の正極活物質として利用でき、特に、非
水電解質リチウム二次電池の正極活物質として適してい
る。なお、このようなリチウムマンガン複合酸化物は、
公知の方法、例えば、リチウムの炭酸塩、リチウムの硝
酸塩、リチウムの酸化物、リチウムの水酸化物と、マン
ガンの炭酸塩、マンガンの硝酸塩、マンガンの酸化物、
マンガンの水酸化物とを所定割合で粉砕混合して、酸素
含有の雰囲気中で例えば600〜1000℃で焼成して
得ることができる。
【0014】そして、正極3は例えば以下のようにして
製造される。正極活物質をグラファイトやカーボンブラ
ック等の導電剤とポリフッ化ビニリデン等の結着剤と共
に混合して、正極合剤とする。そして、この正極合剤を
N−メチルピロリドン等の溶媒に分散させてスラリーと
する。これを正極集電体13の両面に塗布、乾燥後、ロ
ールプレス等により圧縮平滑化して正極3が製造され
る。
【0015】ここで、正極3の正極集電体13の厚みを
T1とし、正極活物質層15,16の厚みをそれぞれ、
T2、T3とする。本実施形態では、正極集電体13の
厚さT1と、正極活物質層の厚さの合計(T2+T3)
とが、2.0≦(T2+T3)/T1、且つ(T2+T
3)≦200μmの関係を満たしている。
【0016】(T2+T3)/T1の値は、2.0≦
(T2+T3)/T1であることを要し、好ましくは、
3.0≦(T2+T3)/T1、特に4.0≦(T2+
T3)/T1であることが好ましい。(T2+T3)/
T1の値が2.0未満の場合には、正極3に占める正極
集電体13の割合が大きくなってしまいエネルギー密度
が低下するからである。
【0017】さらに(T2+T3)≦200μmである
ことを要し、好ましくは(T2+T3)≦180μm、
特に(T2+T3)≦160μmであることが好まし
い。このように、200μm以下である場合には、以下
の理由から重負荷時における放電容量の向上が図られる
と考えられる。
【0018】非水電解質二次電池では、放電時において
リチウムイオンが、負極4から正極3に電解質を介して
移動する。そして、正極3に移動してきたリチウムは、
正極3表面から内部に向かって、拡散していく。
【0019】ところが、リチウムイオンのリチウムマン
ガン複合酸化物中での拡散速度が遅いため、活物質層1
5,16が200μmよりも厚いと、リチウムイオンが
正極3表面の正極活物質層15,16から正極3内部の
正極活物質層15,16、すなわち正極集電体13近傍
の正極活物質層15,16に到達するまで非常に時間が
かかってしまう。
【0020】この結果、正極集電体13近傍の正極活物
質層15,16が有効に利用できずに重負荷時における
放電容量が低下してしまうのである。
【0021】そこで、本実施形態では、(T2+T3)
≦200μmであることとし、リチウムイオンが、正極
集電体13近傍の正極活物質層15,16にも速やかに
移動して、正極集電体13近傍の正極活物質層15,1
6を有効に利用することにより、重負荷時における放電
容量の向上を図っているのである。
【0022】なお、(T2+T3)≦200μmとすれ
ば、リチウムイオンのリチウムマンガン複合酸化物中で
の拡散速度がさらに遅い低温時においても、放電容量を
確保することができる。
【0023】このように正極集電体13の厚さT1と、
正極活物質層15,16の厚さの合計(T2+T3)
が、2.0≦(T2+T3)/T1、且つ(T2+T
3)≦200μmの関係を満たす必要がある。
【0024】ところが、エネルギー密度、重負荷特性、
及び低温特性は、これらのパラメータによって、変動す
るのみならず、正極活物質層15,16の密度によっ
て、非常に大きな影響を受けることが見出されたのであ
る。
【0025】つまり、正極活物質層15,16の密度が
2.80〜3.50g/cm、好ましくは3.00〜
3.30g/cm、さらに好ましくは3.10〜3.
20g/cmであると、高エネルギー密度、優れた重
負荷特性、及び優れた低温特性の非水電解質二次電池と
なることを見出したのである。
【0026】明確な理由は不明であるが以下のように考
えられる。すなわち、密度が2.80g/cmより小
さくなると正極活物質層15,16に充填される正極活
物質の単位体積当たりの重量が減少するため、エネルギ
ー密度が低下すると考えられる。
【0027】一方、密度が大きいほど単位体積当たりに
充填される正極活物質の重量が増加して、より高いエネ
ルギー密度となると考えられる。
【0028】ところが、正極活物質層15,16の密度
を3.50g/cmより大きくすると、重負荷特性、
及び低温特性が低下するのである。
【0029】このように重負荷特性、及び低温特性が低
下する理由は、以下のように考えられる。
【0030】すなわち、正極活物質層15,16の密度
を3.50g/cmより大きくすると、正極活物質層
15,16の多孔度が減少してしまい、結果として正極
活物質層15,16に浸透する非水電解質の量が減少し
てしまう。そして、リチウムイオンの拡散速度は、リチ
ウムマンガン複合酸化物中に比べ、非水電解質中の方が
遙かに大きいため、正極活物質層15,16中の非水電
解質の量が減少することによって、リチウムイオンの拡
散速度が低下してしまう。従って、重負荷特性が低下す
るものと考えられる。
【0031】なお、正極活物質層15,16の密度を
3.50g/cm以下とすれば、リチウムイオンのリ
チウムマンガン複合酸化物中での拡散速度がさらに遅い
低温時における放電容量を確保することができる。
【0032】このような理由から、正極活物質層15,
16の密度が2.80〜3.50g/cm、好ましく
は3.00〜3.30g/cm、さらに好ましくは
3.10〜3.20g/cmであると、高エネルギー
密度、優れた重負荷特性、及び優れた低温特性が確保さ
れるものと考えられる。
【0033】負極4は、図3に示すように例えば銅、ニ
ッケル、ステンレス製の負極集電体17の両面にリチウ
ムイオンを吸蔵・放出する物質を構成要素とする負極合
剤からなる負極活物質層19を設けた構造となってい
る。なお、両面のみならず、片面のみ負極活物質層19
を設けた構造となっていても構わない。
【0034】この負極4は例えば以下のようにして製造
される。負極活物質をポリフッ化ビニリデン等の結着剤
と共に混合して、負極合剤とする。そして、この負極合
剤をN−メチルピロリドン等の溶媒に分散させてスラリ
ーとする。これを負極集電体17の両面に塗布、乾燥
後、ロールプレス等により圧縮平滑化して負極4が製造
される。
【0035】負極活物質としては、特に限定されず、例
えば公知のコークス類、ガラス状炭素類、グラファイト
類、難黒鉛化性炭素類、熱分解炭素類、炭素繊維などの
炭素質材料、あるいは金属リチウム、リチウム合金、ポ
リアセン、あるいは、酸化スズ系ガラス、リチウム/チ
タン複合酸化物、酸化鉄、酸化ルテニウム、酸化モリブ
デン、酸化タングステン、酸化チタン、酸化スズ、酸化
硅素等の金属酸化物等を単独でまたは二種以上を混合し
て使用することができるが、特に、安全性の高さから炭
素質材料を用いるのが望ましい。
【0036】セパレータ5としては、特に限定されず、
例えば公知の織布、不織布、合成樹脂微多孔膜等を用い
ることができ、特に合成樹脂微多孔膜が好適に用いるこ
とができる。中でもポリエチレン及びポリプロピレン製
微多孔膜、又はこれらを複合した微多孔膜等のポリオレ
フィン系微多孔膜が、厚さ、膜強度、膜抵抗等の面で好
適に用いられる。
【0037】さらに高分子固体電解質等の固体電解質を
用いることで、セパレータを兼ねさせることもできる。
この場合、高分子固体電解質として多孔性高分子固体電
解質膜を使用する等して高分子固体電解質にさらに電解
液を含有させても良い。
【0038】本発明の非水電解質としては、非水電解液
又は固体電解質のいずれも使用することができる。非水
電解液を用いる場合には特に限定されず、例えばエチレ
ンカーボネートとメチルエチルカーボネートとの混合溶
媒あるいはエチレンカーボネートとジメチルカーボネー
トとの混合溶媒を用いる。前記混合溶媒に、プロピレン
カーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボ
ネート、トリフルオロプロピレンカーボネート、γ−ブ
チロラクトン、2−メチル−γ−ブチルラクトン、アセ
チル−γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、スル
ホラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキ
シエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒド
ロフラン、3−メチル−1,3−ジオキソラン、酢酸メ
チル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸
エチル、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネー
ト、メチルエチルカーボネート、ジプロピルカーボネー
ト、メチルプロピルカーボネート、エチルイソプロピル
カーボネート、ジブチルカーボネート等を単独でまたは
二種以上用いてこれを混合して使用しても良い。
【0039】非水電解液の溶質としての電解質塩は、特
に限定されず例えばLiClO、LiAsF、Li
PF、LiBF、LiCFSO、LiCF
SO、LiCFCFCFSO、LiN
(CFSO、LiN(CSO等を
単独でまたは二種以上を混合して使用することができ
る。電解質塩としては中でもLiPFを用いるのが好
ましい。
【0040】固体電解質としては、公知の固体電解質を
用いることができ、例えば無機固体電解質、ポリマー固
体電解質を用いることができる。
【0041】
【実施例】以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れに限定されるものではない。実施例1〜15、比較例
1〜8では、図1に示す角形非水電解質二次電池1を作
製した。まず、正極活物質として、炭酸リチウム1.0
モルと二酸化マンガン2.0モルを混合し、この混合物
を、空気中、温度800℃で15時間焼成した。生成物
についてX線回折測定を行ったところ、JCPDSファ
イルに登録されたLiMn2 4 のピークとよく一致し
ていた。このため生成物がLiMn2 4と確認され
た。このLiMn2 4 を粉砕し、レーザー回折法で得
られる累積50%粒径が15μmのLiMn2 4 粉末
とした。そして、LiM90重量部と、導電材の
アセチレンブラック5重量部と、結着剤のポリフッ化ビ
ニリデン5重量部とを混合し、N−メチル−2−ピロリ
ドンを適宜加えて分散させ、スラリーを調製した。この
スラリーを表1に示すように、厚さ(T1)が、20〜
68μmのアルミ製の正極集電体13の両面に均一に塗
布、乾燥させた後、ロールプレスで圧縮成形することに
より正極3を作製した。この正極3の作製の際、スラリ
ーの塗布量、ロールプレスで圧縮圧力を調整することに
よって、表1に示す正極活物質層15,16の厚さ(T
2+T3)、(T2+T3)/T1の値、正極活物質層
15,16の密度が異なる正極3を用意した。なお、実
施例1〜15、比較例1〜8では、この正極3のみそれ
ぞれ異なり後述する他の構成要素は同一とした。
【0042】負極合剤は、鱗片状黒鉛90重量部と、ポ
リフッ化ビニリデン10重量部とを混合し、N−メチル
−2−ピロリドンを適宜加えて分散させ、スラリーを調
製した。このスラリーを厚さ10μmの銅製の負極集電
体17に均一に塗布、乾燥させた後、ロールプレスで圧
縮成形することにより負極4を作製した。
【0043】セパレータ5には、厚さ25μmの微多孔
性ポリエチレンフィルムを用いた。
【0044】上述の構成要素を用いて、定格容量600
mAhで幅30mm、高さ48mm、厚み4.15mm
の角形非水電解質二次電池1を作製した。
【0045】非水電解質としては、エチレンカーボネー
ト(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とを容積
比30:70で混合し、この溶液にLiPFを1.2
モル/リットル溶解したものを用いた。
【0046】
【表1】
【0047】(常温低負荷電池容量試験)上述の実施例
1〜15と比較例1〜8の角形非水電解質二次電池1を
25℃、1C電流で4.1Vの定電流定電圧充電(初期
充電)を3時間行った後に、25℃の環境下1Cの電流
密度で終止電圧2.5Vまで定電流放電を行う常温低負
荷電池容量試験を行った。なお、この常温低負荷電池容
量試験の容量をC1で表す。
【0048】(常温重負荷電池容量試験)上述の実施例
1〜15と比較例1〜8の角形非水電解質二次電池1を
25℃、1C電流で4.1Vの定電流定電圧充電(初期
充電)を3時間行った後に、25℃の環境下3Cの電流
密度で終止電圧2.5Vまで定電流放電を行う常温重負
荷電池容量試験を行った。ここで、常温重負荷電池容量
試験の放電容量をC2とし、上述の常温低負荷電池容量
試験の容量をC1とした場合に、重負荷特性は、C2/
C1で表される。
【0049】(低温低負荷電池容量試験)上述の実施例
1〜15と比較例1〜8の角形非水電解質二次電池1を
25℃、1C電流で4.1Vの定電流定電圧充電(初期
充電)を3時間行った後に、0℃の環境下に5時間放置
後、1Cの電流密度で終止電圧2.5Vまで定電流放電
を行う低温低負荷電池容量試験を行った。ここで、低温
低負荷電池容量試験の放電容量をC3とし、上述の常温
低負荷電池容量試験の容量をC1とした場合に、低温負
荷特性は、C3/C1で表される。
【0050】(試験結果)常温低負荷電池容量試験、常
温重負荷電池容量試験、及び低温低負荷電池容量試験の
試験結果を表2に示す。
【0051】
【表2】
【0052】まず、(T2+T3)/T1の値が、常温
低負荷電池容量試験の容量C1に与える影響について検
討する。ここで、2.0≦(T2+T3)/T1である
実施例1〜4は、2.0>(T2+T3)/T1の比較
例1〜2と比べて、エネルギー密度が増加したため放電
容量C1が大きいことが分かった。また、実施例2のC
1が、実施例1のC1よりも大きいことから、3.0≦
(T2+T3)/T1であることが好ましいことが分か
った。さらに、実施例3のC1が、実施例2のC1より
も大きいことから、特に4.0≦(T2+T3)/T1
であることが好ましいことが分かった。
【0053】次に、(T2+T3)の値が、重負荷特性
C2/C1、低温負荷特性C3/C1に与える影響につ
いて検討する。ここで、(T2+T3)≦200μmで
ある実施例5〜7のC2/C1は、(T2+T3)>2
00μmである比較例3〜4のC2/C1と比べて大き
いことが分かった。また、実施例6のC2/C1が、実
施例7のC2/C1よりも大きいことから、(T2+T
3)≦180μmであることが好ましいことが分かっ
た。さらに、実施例5のC2/C1が、実施例6のC2
/C1よりも大きいことから、特に(T2+T3)≦1
60μmであることが好ましいことが分かった。
【0054】低温負荷特性C3/C1については、(T
2+T3)≦200μmである実施例5〜7のC3/C
1は、(T2+T3)>200μmである比較例3〜4
のC3/C1と比べて大きいことが分かった。
【0055】このような結果が得られたのは、活物質層
15,16が200μmよりも厚いと、リチウムイオン
が正極3表面の正極活物質層15,16から正極3内部
の正極活物質層15,16、すなわち正極集電体13近
傍の正極活物質層15,16に到達するまで非常に時間
がかかってしまう。この結果、正極集電体13近傍の正
極活物質層15,16が有効に利用できずに、重負荷特
性及び低温負荷特性が低下したものと考えられる。
【0056】次に、正極活物質層の密度が、常温低負荷
電池容量試験の容量C1、重負荷特性C2/C1、及び
低温負荷特性C3/C1に与える影響について検討す
る。ここで、正極活物質層の密度が2.80g/cm
以上である実施例8〜15は、正極活物質層の密度が
2.80g/cm未満の比較例5〜6と比べて、エネ
ルギー密度が増加したため放電容量C1が大きいことが
分かった。また、実施例10〜15のC1が、実施例8
〜9のC1よりも大きいことから、3.00g/cm
以上であることが好ましいことが分かった。さらに、実
施例11〜15のC1が、実施例10のC1よりも大き
いことから、特に3.10g/cm以上であることが
好ましいことが分かった。
【0057】このような結果が得られたのは、密度が
2.80g/cmより小さくなると正極活物質層1
5,16に充填される正極活物質の単位体積当たりの重
量が減少するため、エネルギー密度が低下するからと考
えられる。
【0058】重負荷特性C2/C1については、正極活
物質層の密度が3.50g/cm以下である実施例8
〜15のC2/C1は、正極活物質層の密度が3.50
g/cmより大きい比較例7〜8のC2/C1と比べ
て大きいことが分かった。また、実施例8〜13のC2
/C1が、実施例14〜15のC2/C1よりも大きい
ことから、3.30g/cm以下であることが好まし
いことが分かった。さらに、実施例8〜12のC2/C
1が、実施例13〜15のC2/C1よりも大きいこと
から、特に3.20g/cm以下であることが好まし
いことが分かった。
【0059】低温負荷特性C3/C1については、正極
活物質層の密度が3.50g/cm 以下である実施例
8〜15のC3/C1は、正極活物質層の密度が3.5
0g/cmより大きい比較例7〜8のC3/C1と比
べて大きいことが分かった。
【0060】このような結果が得られた理由は以下のよ
うに考えられる。正極活物質層の密度を3.50g/c
より大きくすると、多孔度が減少して、その結果、
正極活物質層に浸透する非水電解質の量が減少する。そ
して、リチウムイオンの拡散速度が著しく減少するため
に、重負荷特性、及び低温負荷特性が低下したものと考
えられる。
【0061】以上の結果から、正極集電体の厚さT1
と、正極活物質層の厚さの合計(T2+T3)とが、
2.0≦(T2+T3)/T1、且つ(T2+T3)≦
200μmの関係を満たすとともに、正極活物質層の密
度を2.80〜3.50g/cm とすることによっ
て、高いエネルギー密度、優れた重負荷特性、及び優れ
た低温特性を持つ非水電解質二次電池を得ることができ
る。
【0062】なお、本実施例においては、正極活物質と
してLiMn2 4 を用いたが、スピネル構造をもつも
のであれば、LiX Mn2-Y Y 4 (0.95 ≦x
≦1.25、0.01≦y≦0.20、Mは、Ti,C
r,Fe,Co,Ni,Zn,Alの中から選んだ少な
くとも1種以上の金属)で表される活物質を用いても同
様の効果が得られることは明らかである。
【0063】<他の実施形態>本発明は上記記述及び図
面によって説明した実施形態に限定されるものではな
く、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に
含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内
で種々変更して実施することができる。
【0064】上記した実施形態では、角形非水電解質二
次電池1として説明したが、電池構造は特に限定され
ず、円筒形、リチウムポリマー電池等としてもよいこと
は勿論である。
【0065】
【発明の効果】本発明による非水電解質二次電池用正極
及びそれを用いた非水電解質二次電池によれば、高いエ
ネルギー密度、優れた重負荷特性、及び優れた低温特性
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の角形非水電解質二次電池
の縦断面図
【図2】本発明の一実施形態の正極の縦断面図
【図3】本発明の一実施形態の負極の縦断面図
【符号の説明】
3…正極 13…正極集電体 15…正極活物質層 16…正極活物質層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H029 AJ03 AK03 AL06 AM03 AM05 AM07 BJ02 BJ04 HJ02 HJ04 HJ08 5H050 AA07 AA08 BA17 CA09 CB07 EA08 EA24 FA05 HA02 HA04 HA08

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 帯状の正極集電体の両側に、LiX Mn
    2-Y Y 4 (0.95 ≦x≦1.25、0.01≦
    y≦0.20、Mは、Ti,Cr,Fe,Co,Ni,
    Zn,Alの中から選んだ少なくとも1種以上の金属)
    を含有する帯状の正極活物質層を配した正極において、 前記正極集電体の厚さT1と、前記正極活物質層の厚さ
    の合計(T2+T3)とが、2.0≦(T2+T3)/
    T1、且つ(T2+T3)≦200μmの関係を満たす
    とともに、前記正極活物質層の密度が2.80〜3.5
    0g/cmであることを特徴とする非水電解質二次電
    池用正極。
  2. 【請求項2】 帯状の正極集電体の両側に、LiX Mn
    2-Y Y 4 (0.95 ≦x≦1.25、0.01≦
    y≦0.20、Mは、Ti,Cr,Fe,Co,Ni,
    Zn,Alの中から選んだ少なくとも1種以上の金属)
    を含有する帯状の正極活物質層を配した正極と、 帯状の負極集電体に負極活物質層を備えた負極と、非水
    電解質とを備える非水電解質二次電池において、 前記正極集電体の厚さT1と、前記正極活物質層の厚さ
    の合計(T2+T3)が、2.0≦(T2+T3)/T
    1、且つ(T2+T3)≦200μmの関係を満たすと
    ともに、前記正極活物質層の密度が2.80〜3.50
    g/cmであることを特徴とする非水電解質二次電
    池。
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