JP2003151103A - 記録装置 - Google Patents
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Abstract
媒体に対して高速で記録再生が可能な記録装置を提供す
る。 【解決手段】 複数の記録セルがピッチPで周期的に配
列した複数列のサブトラックを含み、隣り合うサブトラ
ック上の2つの記録セルはピッチPの1/2ずれている
記録トラック帯を有する記録媒体(21)に対してデー
タを記録する記録装置であって、隣り合う2つのサブト
ラックからなる記録トラック上に配置される再生ヘッド
(31)および記録ヘッド(32)と、記録ヘッドに記
録開始信号を与える制御器(34)と、記録トラック上
を記録ヘッドがピッチPの1/2のn倍(nは2以上の
整数)の距離を通過するのに要する時間で1つのデータ
信号を書き込むようにデータ信号を生成する信号発生器
(35)と、再生ヘッドからの読み出し信号を処理する
信号処理器(33)とを有する記録装置。
Description
な記録装置に関する。
上により、ユーザーの扱う情報は著しく増大してきてい
る。このような状況の下で、これまでより飛躍的に記録
密度の高い情報記録再生装置に対する期待は高まるばか
りである。記録密度を向上させるためには、記録媒体に
おいて記録の書き込み単位である1つの記録セルまたは
記録マークの大きさを微小化することが必要である。し
かし、従来の記録媒体において記録セルまたは記録マー
クの微小化は大きな困難に直面している。
体では、記録層に粒度分布の広い多結晶体を用いてい
る。しかし、結晶の熱揺らぎのために、小さい多結晶体
では記録が不安定となる。このため、記録セルが大きい
場合は問題ないが、記録セルが小さいと記録の不安定性
やノイズの増大が生じる。これは、記録セルに含まれる
結晶粒の数が少なくなることと、記録セル間の相互作用
が相対的に大きくなることが要因になっている。
状況は同様であり、記録マークサイズが相変化材料の結
晶サイズと同程度となる1インチ平方当たり数百ギガビ
ット以上の記録密度では、記録が不安定になるとともに
媒体ノイズが大きくなる。
分野においては、あらかじめ記録材料を非記録材料によ
り分断し、単一の記録材料粒子を単一の記録セルとして
記録再生を行うパターンドメディアが提案されている
(S.Y.Chou et al.,J.Appl.P
hys.,76(1994)pp6673;US Pa
tent 5,820,768および5,956,21
6;R.H.M.Newet al.,J.Vac.S
ci.Technol.,B12(1994)pp31
96;荻野谷他,特開平10−233015号公報)。
材料が分断されていない連続媒体では、記録ヘッドが記
録媒体の特定位置にデータを記録する際に、書き込み開
始のタイミングがずれることにより書き込み位置がトラ
ック方向に少しずれたとしても、媒体表面が一様である
ために記録エラーは起きにくい。
記録材料により分断されているパターンドメディアで
は、記録ヘッドが記録媒体の特定位置にデータを記録す
る際に分断された記録セルの1つ1つにデータを書き込
む必要があるため、記録ヘッドによる記録開始のタイミ
ング合わせが困難である。記録開始タイミングがずれる
と、記録ヘッドが非記録材料部分または隣り合う記録セ
ルにまたがって書き込み動作を行うことになるため、書
き込みエラーが増える。例えば、記録媒体の所定セクタ
の半径座標をr=25mm、記録媒体の回転速度をμ=
5400rpmとすると、媒体は記録ヘッド下を約14
m/secの速度で通過する。媒体中の記録セルのサイ
ズが例えば20nmであるとき、1つの記録セルが記録
ヘッド下を通過する時間は1.4nsec程度である。
記録開始のタイミングを合わせるには、記録セルサイズ
の数%以下の精度が必要であり、0.1nsec以下の
タイミング合わせが必要である。しかし、現状では再生
ヘッドと記録ヘッドが数μm以上離れているため、上記
のタイミング精度を達成するのは困難である。
psi級の記録密度を実現するために、パターンドメデ
ィアは有効な手段であるが、記録ヘッドを用いて個々の
記録セルへデータを書き込む際に、記録開始タイミング
を合わせるのに有効な方法が確立していないため書き込
みエラーが生じる。
度に配列化した記録媒体への記録開始タイミングずれに
よる書き込みエラーの影響を解消することができ、高速
なデータ書き込みが可能な記録装置を提供することにあ
る。
録装置は、互いに分離して形成された複数の記録セルを
トラック方向に沿ってピッチPで周期的に配列した複数
列のサブトラックを含む記録トラック帯と、記録トラッ
ク帯間を分離する分離帯を有し、前記記録トラック帯内
で隣り合うサブトラック上に位置する最近接の2つの記
録セルは互いの中心がトラック方向に沿って前記ピッチ
Pの1/2ずれている記録媒体に対してデータを記録す
る記録装置であって、隣り合う2つのサブトラックから
なる記録トラック上に配置される再生ヘッドおよび記録
ヘッドと、前記記録ヘッドに記録開始信号を与える制御
器と、前記記録トラック上を前記記録ヘッドが前記ピッ
チPの1/2のn倍(nは2以上の整数)の距離を通過
するのに要する時間で1つのデータ信号を書き込むよう
にデータ信号を生成する信号発生器と、前記再生ヘッド
からの読み出し信号を処理する信号処理器とを具備した
ことを特徴とする。
記録装置によって記録がなされる記録媒体の記録層の平
面図を示す。図1に示す記録層には、複数の記録トラッ
ク帯1が複数の帯状の分離帯2によって互いに分離され
て形成されている。記録媒体全体の形状はディスクでも
カードでもよく、特に形状は限定されない。ディスク状
の記録媒体では、記録トラック帯1を同心円状またはス
パイラル状に形成することが好ましい。カード状の記録
媒体では、記録トラック帯1を直線状に形成することが
好ましい。
複数の記録セル11が、非記録材料からなるマトリック
ス12によって互いに分断されて形成されている。マト
リックス12の材料は記録セル11に書き込まれた情報
を破壊しないものであれば特に限定されない。マトリッ
クス12の材料としては、例えばSiO2、Al2O3な
どの無機絶縁材料、ポリマーなどの有機絶縁材料を用い
ることができるが、これらに限定されない。
もよいし、記録材料で形成してもよい。分離帯が非記録
材料からなる場合、再生ヘッドが複数の記録トラック帯
を横切る度に、周期的に信号がない領域が現れることを
利用して記録トラック帯のシークが容易になる。分離帯
が記録材料からなる場合、分離帯に記録トラック帯のア
ドレス情報を記録することができる。
チPをもって周期的に配列してサブトラックを形成し、
1つの記録トラック帯1内には複数列のサブトラックが
含まれる。図1では記録トラック帯1内に19列のサブ
トラック1a〜1sが含まれている。なお、記録トラッ
ク帯1内のサブトラックの数は特に限定されず、設計に
応じて適宜設定される。
ある六方細密充填構造をなして三角格子を形成してい
る。このため、記録トラック帯1内で隣り合うサブトラ
ック例えば1aおよび1b上に位置する最近接の2つの
記録セル11は、トラック方向に沿って互いの中心間の
間隔が1つのサブトラック例えば1a上での記録セル1
1間のピッチPの1/2だけずれている。
置、例えば磁気ディスク装置の全体的な構造を示す斜視
図である。磁気ディスク21はスピンドルモーター22
に装着され、図示しない制御部からの制御信号により回
転する。軸23にはアクチュエータアーム24が保持さ
れ、アクチュエータアーム24はサスペンション25お
よびその先端のスライダ26を支持している。磁気ディ
スク21が回転すると、スライダヘッド26の媒体対向
面は磁気ディスク21の表面から所定量浮上した状態で
保持され、情報の記録再生を行う。アクチュエータアー
ム24の基端にはボイスコイルモーター27が設けら
れ、アクチュエータアーム24はボイスコイルモーター
27により回動できるようになっている。アクチュエー
タアーム24の先端には微小位置制御を行うためのピエ
ゾ素子が設置される。磁気ディスク装置内部には記録セ
ルの信号からトラッキング信号を発生するためのマイク
ロプロセッサーが設置される。
スク装置の磁気ディスクおよびスライダを示す断面図で
ある。また、図4はスライダの平面図である。
基板10上に、記録セル11が規則配列した記録トラッ
ク帯1および分離帯2を含む記録層3と、保護層4が形
成された構造を有する。磁気ディスク21はスピンドル
モーター22に装着されている。磁気ディスク21上に
はスライダ26が配置される。スライダはピエゾ素子を
含む2段アクチュエータ(図示せず)によって位置決め
される。
6の先端には再生ヘッド31と記録ヘッド32が搭載さ
れている。既述した図1に示したように、再生ヘッド3
1および記録ヘッド32は、磁気ディスク21の記録ト
ラック帯1上において隣り合う2つのサブトラック(図
1では1aおよび1b)からなる記録トラック上をカバ
ーするように配置される。
生信号を処理する信号処理器33が接続されている。記
録ヘッド32には制御器34および信号発生器35が接
続されている。再生ヘッド31で読み出された記録セル
の信号に基づいて、制御器34は記録ヘッド31に記録
開始信号を与える。また、制御器34は信号発生器35
で生成されたデータ信号を記録ヘッド31に与える。信
号発生器35は、記録ヘッド32が記録トラック上を記
録セル11間のピッチPの1/2のn倍(nは2以上の
整数)だけ通過するのに要する時間で1つのデータ信号
を書き込むようにデータ信号を生成する。なお、データ
信号の先頭に追加される特定のヘッダパターン信号を生
成するヘッダ発生器が設けられる場合もある。
チPで配列したサブトラック2つからなる記録トラック
に対して書き込みを行う場合、記録ヘッド32が各記録
セル11の直上に位置したときにその記録セル11へ記
録すべき情報を順次書き込むことができれば好都合であ
る。ただし、このような理想的な状態での記録を実現す
るには、記録ヘッド32が媒体上のどの位置にあり、か
つどの記録セル上にあるかがわかっている必要がある。
しかし、上述したように、現状では再生ヘッドと記録ヘ
ッドが数μm以上離れていることから記録開始のタイミ
ング合わせが困難であり、記録トラック上でピッチPの
1/2で等間隔に並ぶ記録セル列に位相を合わせて書き
込みを行うのは困難である。このため、記録ヘッドの書
き込み開始位置の位相はトラック方向に沿ってランダム
になる。
上を記録セル間のピッチPの1/2の距離を通過するの
に要する時間内で、1つのデータ信号の書き込みを行う
場合について検討する。この場合、隣り合う2つのサブ
トラック上に配置された記録ヘッドは、一方のサブトラ
ック上で1つのデータ信号を書き込み、次に他方のサブ
トラック上で1つのデータ信号を書き込む、という書き
込み動作を繰り返す。
の書き込み位置ずれが様々な大きさで生じたときの記録
セルへの記録状態を図5(A)〜(E)に示す。記録ヘ
ッドの書き込みタイミングは、図の上部の黒塗りバーで
示している。書き込み位置ずれの大きさは、記録セル間
のピッチPの倍数で表示している。記録が成功した記録
セルは黒丸または白丸で表示し、記録エラーの可能性の
ある記録セルは灰色の丸で表示している。すなわち、記
録ヘッドによる書き込みデータ(磁化)が反転するタイ
ミングで、記録ヘッド下に位置する記録セルに対しては
記録が正しく行われない可能性がある。
ルの位相と合っている図5(A)および(E)以外の場
合には、必ず書き込みエラーが生じる可能性があること
がわかる。このような書き込み動作では、書き込みエラ
ーの影響を解消することが困難であり、高速記録を達成
できない。
いて書き込み動作を行う場合について説明する。例え
ば、記録ヘッドが媒体上を記録セル間のピッチPの1/
2の2倍(n=2)の距離を通過するのに要する時間
で、1つのデータ信号(例えば1ビットの符号化デー
タ)の書き込みを行う場合について説明する。この場
合、隣り合う2つのサブトラック上に配置された記録ヘ
ッドは、2つのサブトラック上における最近接の2つの
記録セルが含まれ得る所定長さの領域に1つのデータ信
号を書き込む動作を繰り返す。
の書き込み位置ずれが様々な大きさで生じたときの記録
セルへの記録状態を図6(A)〜(G)に示す。図6
(A)、(D)、(G)のように、書き込みタイミング
が記録セルの位相と合っている場合には、2つのサブト
ラック上における最近接の2つの記録セルにそれぞれ正
しい情報が書き込まれる。また、図6(B)、(C)、
(E)、(F)のように、書き込みタイミングが記録セ
ルの位相とずれている場合には、記録ヘッドによる書き
込みデータ(磁化)が反転するタイミングで、記録ヘッ
ド下に位置する記録セルへの記録は正しく行われない可
能性がある。しかし、これらの図からわかるように、書
き込みタイミングがずれた場合でも、2つのサブトラッ
ク上の最近接の2つの記録セルのうち、少なくともいず
れか一方の記録セルにはデータが正しく書き込まれる。
したがって、後述するように読み出し信号を適切に処理
することによって、書き込みエラーの影響を解消するこ
とができる。
ピッチPの1/2の3倍(n=3)の距離を通過するの
に要する時間内で、1つのデータ信号の書き込みを行う
場合について説明する。この場合、隣り合う2つのサブ
トラック上に配置された記録ヘッドは、2つのサブトラ
ック上における最近接の3つの記録セルが含まれ得る所
定長さの領域に1つのデータ信号を書き込む動作を繰り
返す。
の書き込み位置ずれが様々な大きさで生じたときの記録
セルへの記録状態を図7(A)〜(G)に示す。図6
(A)、(D)、(G)のように、書き込みタイミング
が記録セルの位相と合っている場合には、2つのサブト
ラック上における最近接の3つの記録セルにそれぞれ正
しい情報が書き込まれる。また、図7(B)、(C)、
(E)、(F)のように、書き込みタイミングが記録セ
ルの位相とずれている場合には、記録ヘッドによる書き
込み情報が反転するタイミングで、記録ヘッド下に位置
する記録セルへの記録は正しく行われない可能性があ
る。しかし、これらの図からわかるように、書き込みタ
イミングがずれた場合でも、2つのサブトラック上の最
近接の3つの記録セルのうち、2つの記録セルには情報
が正しく書き込まれる。この場合にも、後述するように
読み出し信号を適切に処理することによって、書き込み
エラーの影響を解消することができる。
による読み出し信号の処理について説明する。
ド下を通過する距離に相当する時間で記録セルの情報を
1つずつ順次読み出す。
記録セルを含む記録区域ごとに区分し、所定数の記録区
域内でそれぞれn個の記録セルの情報をトラック方向に
沿って1つずつn個に振り分ける操作を繰り返してn群
のデータ列を生成する。このnは2以上の整数であり、
記録ヘッドが記録トラック上をピッチPの1/2のn倍
だけ通過するのにかかる時間で書き込み動作を行った区
域に含まれ得る記録セルの数に等しい。そして、例えば
各データ列にそれぞれエラー訂正処理を行ってデータ列
ごとにエラー蓄積数を算出し、エラー蓄積数の最も少な
いデータ列の信号を再生信号として出力する。また、n
が3以上の場合には、n群のデータ列を比較して互いに
等しいデータ列の信号を再生信号として出力してもよ
い。このようにして、書き込みエラーの影響を解消する
ことができる。
する。まず、例えばn=2の場合には、区分された各記
録区域に含まれる2個の記録セルの情報を、トラック方
向に沿って1番目の記録セルから読み出された情報と2
番目の記録セルから読み出された情報に1つずつ振り分
けて、所定数の記録区域内で合計2群のデータ列を生成
する。これらの2群のデータ列は、連続的に読み出され
る情報の全データ列で見ると、奇数番目に読み出される
データ列と偶数番目に読み出されるデータ列に相当す
る。上記の書き込み動作に関する説明からわかるよう
に、2群のデータ列のどちらかが正しいデータ信号であ
る。
記録区域に含まれる3個の記録セルの情報を、トラック
方向に沿って1番目の記録セルから読み出された情報と
2番目の記録セルから読み出された情報と3番目の記録
セルから読み出された情報に1つずつ振り分けて、所定
数の記録区域内で合計3群のデータ列を生成する。上記
の書き込み動作に関する説明からわかるように、3群の
データ列のうち2群のデータ列が正しいデータ信号であ
る。
出されたn個の記録セルの情報を、トラック方向に沿っ
て1番目、2番目、・・・、n番目の情報に1つずつ振
り分けて合計n群のデータ列を生成する。
列のうち、どのデータ列が正しく、どのデータ列が書き
込みエラーを含んでいるかについては、記録ヘッド位置
の位相が把握できないため、そのままでは正しいデータ
信号を判断することはできない。本発明の実施形態にお
いては、例えば以下において説明する2つの手法のいず
れかを用いて正しいデータ信号を判断することができ
る。
ある。エラー訂正処理とは例えば Magnetic Informatio
n Storage Technology (Electromagnetism) by Shan X.
Wang, A. M. Taratorin, p217 に説明されているよう
に、記録するデータのサイズをより冗長なチャンネルコ
ードに変換することにより、記録時に起きるチャンネル
コードの単発的な記録エラーを発見して修正する処理で
ある。具体的には、変換後のチャンネルコードはある一
定のルールに基づいた一部の信号パターンのみが許容さ
れる。従って許容された信号パターン以外の信号パター
ンが現れたときはエラーとして発見される。この際、エ
ラーの発見された信号パターンが、許容された信号パタ
ーンからどのくらい異なっているかを示す指数が Hammi
ng distance(d)またはエラー蓄積数と呼ばれる数値
である。エラー訂正処理ではエラーの発見された信号パ
ターンにおけるdがある一定値以下ならば正しい信号パ
ターンへ訂正することが可能となる。
て、上記のn群のデータ列のうち、どのデータ列に書き
込みエラーが生じているかを判断する。すなわち、信号
処理部は得られたn群のデータ列のdを算出する。書き
込みエラーのないデータ列ではdの値は0となる。書き
込みエラーが増えるほどdの値が増えるので、最もdの
値の大きいデータ列に記録ヘッドの位相ずれによる書き
込みエラーが生じていると判定される。例えばn=2の
場合、奇数番目のデータ列と偶数番目のデータ列のdを
算出し、d=0またはdの値が小さい方を正しく記録さ
れたデータ列として扱う。
多数決を用いる手法である。一般にn個の記録セルを含
み得る領域に対して1つのデータ信号の書き込み動作を
行った場合に位相ずれが生じると、少なくとも1群のデ
ータ列は書き込みエラーを含むが、残りのデータ列には
書き込みエラーが生じない。このため、書き込みエラー
の数は1群のデータ列にのみ多く認められる。したがっ
て、得られた全てのデータ列の互いに比べると、位相ず
れの起こった1群のデータ列のみがエラーの多い信号パ
ターンを示し、他のデータ列は等しく正しい信号パター
ンを示す。なお、n=2の時には2群のデータ列のうち
一方に記録エラーが起きると他方のデータ列は1つなの
で、互いのデータ列を比べてもどちらに記録エラーが生
じているか分からない。したがって、n=2の場合には
前述のエラー訂正における Hamming distance を比較す
る手法が好ましい。一方、nが3以上の場合には1群の
データ列に記録エラーが発生していると、残りのデータ
列はほとんど記録エラーのない同じ信号パターンとな
る。したがって、信号処理部はn群のデータ列を互いに
比べ、最も差の大きなデータ列だけを位相ずれの起きた
データ列として排除し、その他の記録エラーのないデー
タ列を正しい再生信号として出力する。具体的にはn群
のデータ列から各ビットを抽出して比較し、多い方の信
号を採用する。
は、信号処理器によって、所定数の記録区域を含む1つ
のセクタについてn群のデータ列のエラー蓄積数を算出
して記憶し、連続する2以上のセクタに含まれる各群の
データ列のエラー蓄積数を合計して、エラー蓄積数の合
計が最も少ないデータ列の信号を再生信号として出力す
るようにしてもよい。
有効である。例えば、エラー蓄積数として Hamming dis
tance(d)を用いる場合、ある一定のエラー数を超過
すると、その信号パターンが本来記録した信号パターン
とは別の信号パターンに近づくことがある。この場合、
dの値が減少するかまたは0となり、正しい信号として
認識されてしまう可能性がある。一方、記録媒体中の記
録トラックを構成する記録ビットが複数のセクタにまた
がって均一な間隔で配列している場合、記録ヘッドの位
相ずれによって生じる記録エラーはどのセクタでも同じ
位置に現れる。すなわち、1つのセクタを構成するn群
のデータ列のうちk番目のデータ列で位相ずれにより記
録エラーが起きている場合、記録セルが均一に配列して
いる範囲の複数セクタのn群のデータ列では全てk番目
のデータ列に位相ずれが発見される。
にエラー数が超過して本来の信号パターンが別の信号パ
ターンに近づいた場合を考える。この場合、そのセクタ
の信号パターンのみを判定すれば、偶然k番目のデータ
列のdの値が低く、他のデータ列が誤って記録エラーと
して選択されることがあり得る。このような場合でも、
複数のセクタを比較して他のセクタの多くでk番目のデ
ータ列が記録エラーと判定される場合には、セクタAで
もk番目のデータ列を記録エラーとして破棄する。
断する場合について説明する。ここで、セクタ1、セク
タ2、セクタ4では偶数番目の記録セルから構成される
データ列でエラー蓄積数が多くエラーと判定され、セク
タ3では奇数番目の記録セルから構成されるデータ列で
エラー蓄積数が多くエラーと判定されたものとする。こ
の場合、偶数が3つ、奇数が1つであり、偶数の方が多
いため、4つのセクタ全てにおいて偶数番目のデータ列
を破棄し、奇数番目のデータ列を再生信号として採用す
る。
タ列のエラー蓄積数を合計することによって判定する処
理を行うことにより、位相ずれによる記録エラーの数が
原因となって偶然あるセクタでのあるデータ列でエラー
蓄積数dが低い値になったとしてもそのデータ列を破棄
することができ、正しい記録情報を判定できる。
いてブロックコポリマーを規則配列化させることにより
記録トラック帯を形成した。図8(A)〜(D)を参照
して本実施例に係る磁気記録媒体の製造方法を説明す
る。
て基板上に溝構造を形成した。直径2.5インチのガラ
スディスク基板41上に、厚さ約30nmのPd下地層
と厚さ約50nmの垂直磁気記録材料CoCrPtを製
膜して磁性層42を形成し、さらに磁性層42上に厚さ
約50nmのSiO2膜43を製膜した。SiO2膜43
上にレジスト44をスピンコートした。ナノインプリン
ティングリソグラフィーによりレジスト44を加工し、
幅40nmの凸部によって幅約400nmのスパイラル
形状の溝45を規定するようにレジストパターンを形成
した。このレジストパターンをマスクとして、RIEに
より磁性層42に達するまでSiO2膜43をエッチン
グしてSiO2膜43に溝45を転写した。このように
して形成された溝領域が記録トラック帯となる。また、
レジストパターン下部の磁性層が分離帯として用いられ
る。
て溝領域内にブロックコポリマーを埋め込んで微粒子の
規則配列構造を形成した。磁性層42の表面をヘキサメ
チルジシラザンにより疎水化処理した。その後、レジス
トパターンの残渣をアッシングした。ポリスチレン−ポ
リブタジエンのブロックコポリマー(PSの分子量Mw
=4000、PBの分子量Mw=20000)をトルエ
ンに1%w/wの濃度で溶解した溶液を調製した。試料
上に溶液をスピンコートしてSiO2膜43に転写され
た溝領域内にブロックコポリマー46を埋め込んだ。試
料を真空中において150℃で30時間アニールして、
ブロックコポリマー46を規則配列化させた。この結
果、島状のポリスチレン粒子47が海状のポリブタジエ
ン部分48によって囲まれた構造が形成される。
て規則配列した微粒子をマスクとして記録セルを形成し
た。ブロックコポリマー46をオゾン処理してポリブタ
ジエン部分48を除去した後、水洗した。残ったポリス
チレン粒子47をマスクとしてArイオンミリングによ
り磁性層42をエッチングして記録セル49を形成し
た。
て記録セル間のマトリックスを形成し、表面を平坦化し
た。ポリスチレン粒子の残渣をアッシングした。全面に
厚さ約50nmのSiO2膜を製膜して記録セル49間
に埋め込んでマトリックス50を形成した。SiO2膜
の表面をケミカルメカニカルポリッシング(CMP)に
より研磨して平坦化した。その後、全面にダイアモンド
ライクカーボンを製膜して保護膜51を形成した。
り観察したところ、図1に示したような構造が認められ
た。幅約400nmの記録トラック帯1と幅約50nm
の磁性層からなる分離帯2が交互に形成されている。記
録トラック帯1内において、記録セル11はマトリック
ス12によって互いに分離され、六方細密充填構造をな
して三角格子を形成している。記録セル11は20nm
径であり、トラック方向に沿って40nmのピッチPで
周期的に形成されてサブトラックを形成している。1つ
のサブトラック上ではトラック方向に沿って400個の
記録セルが等間隔に並んでいる。記録トラック帯1内に
は19列のサブトラック1a〜1sが含まれている。上
記のように記録セル11は三角格子を形成しているた
め、記録トラック帯1内で隣り合うサブトラック上に位
置する最近接の2つの記録セル11はトラック方向に沿
う中心間の間隔が1つのサブトラック上での記録セル1
1間のピッチPの1/2すなわち20nmだけずれてい
る。分離帯2を形成している磁性層には各記録トラック
帯のアドレス番号およびセクタ番号に相当する情報が予
め書き込まれている。
び図4に示すような磁気ディスク装置を作製した。ヘッ
ドスライダ26の先端に設けられたGMR再生ヘッド3
1の寸法は縦約30nm、幅約20nm、単磁極記録ヘ
ッド32の寸法は縦20nm、幅約20nmである。再
生ヘッド31は記録ヘッド32よりトラック方向に沿っ
て先にあり、再生ヘッド31と記録ヘッド32の距離は
約3μmである。図1に示すように、再生ヘッド31お
よび記録ヘッド32は、記録トラック帯内で所定のピッ
チで規則配列した19列のサブトラックのうち、2列の
サブトラック(例えば1aおよび1b)からなる記録ト
ラックに対して記録、再生を行う。再生ヘッド31およ
び記録ヘッド32のサイズは、位置をずらすことなく記
録、再生ができるようになっている。
のようにして記録、再生を行った。磁気ディスクを54
00rpmで回転させた。この条件では、磁気ディスク
上の半径25mmの位置にあるトラックは、ヘッドの下
を約14m/秒の速度で移動する。したがって、ヘッド
の下をトラック方向に沿う記録セル間のピッチの1/2
の距離(20nm)が通過する時間は約1.41nse
cとなる。
る記録トラック上の2つの記録セルが記録ヘッドの下を
通過する時間すなわち2.83nsecの間に1つのデ
ータ信号(1ビットの符号化データ)を書き込むタイミ
ングで記録ヘッドにデータ信号を送る。なお、記録した
データ信号は、ユーザーデータを1/2(2,7)コー
ドに従って変調したものである。
生した。再生ヘッドは回転数5400rpmで回転する
磁気ディスク上の半径25mmの位置にあるトラック上
において、20nm間隔で1つの記録セルが再生ヘッド
下を通過する時間1.41nsecごとに各記録セルの
情報を1つずつ読み出す。
された情報を2個の記録セルを含む記録区域ごとに区分
し、1セクタを8個の記録区域(合計16個のコード)
として、連続する8セクタについて以下のようにして読
み出し信号を処理した。すなわち、1つのセクタで各記
録区域に含まれる2個の記録セルの情報をトラック方向
に沿って1つずつ振り分ける操作を繰り返して、偶数番
目の記録セルから得られたデータ列Aと奇数番目の記録
セルから得られたデータ列Bを生成した。この操作を8
セクタについて行った。1/2(2,7)コードに従っ
て、各データ列についてエラー訂正処理を行い、エラー
蓄積数dを算出した。表1に、8セクタにおける各デー
タ列のd値とその合計を示す。
ータ列Aの方がデータ列Bより少ない。この場合、信号
処理器は読み取った8つのセクタの全てにおいて、デー
タ列Aを正しいデータとして判断する。
録セルのパターンが高度に配列化した記録媒体に対して
高速で読み出し読み出しが可能な記録装置を提供するこ
とができる。
層の表面を概略的に示す平面図。
示す斜視図。
磁気ディスクおよびヘッドスライダの断面図。
ヘッドスライダの平面図。
ングずれによる記録状態を示す平面図。
ングずれによる記録状態を示す平面図。
ングずれによる記録状態を示す平面図。
法を示す断面図。
Claims (5)
- 【請求項1】互いに分離して形成された複数の記録セル
をトラック方向に沿ってピッチPで周期的に配列した複
数列のサブトラックを含む記録トラック帯と、記録トラ
ック帯間を分離する分離帯を有し、前記記録トラック帯
内で隣り合うサブトラック上に位置する最近接の2つの
記録セルは互いの中心がトラック方向に沿って前記ピッ
チPの1/2ずれている記録媒体に対してデータを記録
する記録装置であって、隣り合う2つのサブトラックか
らなる記録トラック上に配置される再生ヘッドおよび記
録ヘッドと、前記記録ヘッドに記録開始信号を与える制
御器と、前記記録トラック上を前記記録ヘッドが前記ピ
ッチPの1/2のn倍(nは2以上の整数)の距離を通
過するのに要する時間で1つのデータ信号を書き込むよ
うにデータ信号を生成する信号発生器と、前記再生ヘッ
ドからの読み出し信号を処理する信号処理器とを具備し
たことを特徴とする記録装置。 - 【請求項2】前記記録ヘッドは、前記記録媒体の隣り合
う2つのサブトラック上で前記ピッチPの1/2ずれて
配置されている少なくとも2つの記録セルのうち少なく
とも1つの記録セルの正しいデータ信号を書き込むこと
を特徴とする請求項1記載の記録装置。 - 【請求項3】前記再生ヘッドは、1つの記録セルが再生
ヘッド下を通過する距離に相当する時間で記録セルの情
報を1つずつ読み出し、前記信号処理器は、読み出され
た情報をn個(nは前記2以上の整数)の記録セルを含
む記録区域ごとに区分し、所定数の記録区域内でそれぞ
れn個の記録セルの情報をトラック方向に沿って1つず
つn個に振り分ける操作を繰り返してn群のデータ列を
生成し、各データ列にそれぞれエラー訂正処理を行って
データ列ごとにエラー蓄積数を算出し、エラー蓄積数の
最も少ないデータ列の信号を再生信号として出力するこ
とを特徴とする請求項1に記載の記録装置。 - 【請求項4】前記信号発生器は、前記記録トラック上を
前記記録ヘッドが前記ピッチPの1/2のn倍(nは3
以上の整数)の距離を通過するのに要する時間で1つの
データ信号を書き込むようにデータ信号を生成し、前記
再生ヘッドは、1つの記録セルが再生ヘッド下を通過す
る距離に相当する時間で記録セルの情報を1つずつ読み
出し、前記信号処理器は、読み出された情報をn個(n
は前記3以上の整数)の記録セルを含む記録区域ごとに
区分し、所定数の記録区域内でそれぞれn個の記録セル
の情報をトラック方向に沿って1つずつn個に振り分け
る操作を繰り返してn群のデータ列を生成し、n群のデ
ータ列を比較して互いに等しいデータ列の信号を再生信
号として出力することを特徴とする請求項1に記載の記
録装置。 - 【請求項5】前記信号処理器は、所定数の記録区域を含
む1つのセクタについてn群のデータ列のエラー蓄積数
を算出して記憶し、連続する2以上のセクタに含まれる
各群のデータ列のエラー蓄積数を合計して、エラー蓄積
数の合計が最も少ないデータ列の信号を再生信号として
出力することを特徴とする請求項2または3に記載の記
録装置。
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- 2001-11-14 JP JP2001349153A patent/JP3749856B2/ja not_active Expired - Fee Related
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